JP3639632B2 - 医療器具 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば鉗子、鋏形器具、ニードルホルダ（needle holder）のように、１対の先端側あご部（jaws）と基端側把持部からなり、把持部の操作であご部を挟持動作させるようになった医療器具に関し、特に、そのあご部に対し最大挟持力を設定するための手段に関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種の医療器具としては各種形態が知られている。例えば、ドイツ特許出願第３６ ０１ １６６号に記載された組織挟持用の鉗子がある。この鉗子は、固定されたあご部と回動可能なあご部とを、固定された把持部と軸支された把持部とにそれぞれ対応連結したものである。そして、あご部が発生し得る挟持力を制限する目的で、軸支された把持部は、互いに関節接続されてバネ部材により互いに支持し合う２片に分割されている。この構造によれば、軸支された把持部の下側片に所定値を越える力が加えられると、それ以上回動しなくなった上側片に対し下側片が偏向するようになっている。しかしながら、把持部をそこから更に操作していくと、バネ部材の特性に従ってあご部の挟持力が増加してしまい、へたをするとあご部で挟持した組織に穴をあけたり切断したりしてしまうおそれがある。
【０００３】
また、ドイツ特許出願第 ４０ １０ ７７５号に、固定把持部に連結した固定あご部と、軸支把持部により動作する可動あご部とをを備えた外科的鉗子が記載されている。この鉗子の軸支把持部は、互いに離れないように螺旋状バネ部材を介して一直線状に連結された２片から構成されている。そして、これら軸支把持部の２片に、互いに係止する係止部材がそれぞれ設けられている。この鉗子の場合にも、前記２片ではあご部の挟持力最大値を設定することができないので、外科手術等で血管、組織、器官のような対象物の挟持に使用するときには、あご部による過度の挟持力で対象物を損傷する危険性がある。加えて、過度の力が加えられて過負荷が発生した場合には器具自体が破損してしまう可能性もある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来技術に鑑みて本発明では、上記のような類の医療器具に改良を施し、あご部による挟持力に越えられない最大値を設定可能とし、対象物を挟持した後にあご部を更に閉めるべく把持部が操作されたような場合でも、あご部による挟持力は一定に維持されるような器具を提供する。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明では、対象物を挟持するため先端側に設けられた１対のあご部と、力伝達経路を介して操作力をあご部へ伝達し少なくとも一方のあご部を他方のあご部に対し動かして挟持動作させる基端側に設けられた把持部と、を備えた医療器具について、超弾性の可逆変形可能で形状記憶特性をもつ材料からなる力伝達部材を少なくとも１つ前記力伝達経路に配置し、この力伝達部材が、前記把持部の操作により応力を受けるとその超弾性を示すプラトー応力（plateau stress）に達することで前記あご部の挟持力最大値を設定し、そして、この力伝達部材に加えられる応力が前記プラトー応力の領域を越えないように前記把持部の操作範囲が規制されるようにすることを特徴としている。
【０００６】
把持部から発生される操作力をあご部へ伝達する力伝達経路に超弾性の形状記憶特性をもつ材料からなる力伝達部材を設けることによって、あご部で対象物を挟持してから設定された最大挟持力に達した後には、それ以上把持部を操作したとしてもあご部の挟持力は設定された最大値で一定に維持可能となる。このような力伝達部材としては、例えば所定の方法で熱処理されたＮｉ−Ｔｉ合金を用いることで、その超弾性（擬弾性）の性質を利用できる。この性質は所定の負荷を受けるとゴムに似た特性を現すため、この種の構成材を用いることで、変形力を抑えたままで比較的大きい規模の変形が可能となる。負荷がこの変形領域内にあれば、８％程度伸びた後でも除荷すると元の形状へ復元可能である。形状記憶特性のこの性質は、力伝達部材を適切な寸法とし且つ把持部の操作範囲を規制し制限しておくことで、力伝達部材に、最大で上記のプラトー応力を超えず、また器具を破損することのない大きさの応力しか加わらないようにでき、本発明の目的を達成するために有効に利用することができる。
【０００７】
このような本発明の第１の実施態様としては、管状シャフトを使用する鉗子形の医療器具があげられる。即ち、管状シャフトの先端側にあご部、そして基端側に把持部を設けるようにし、把持部が、管状シャフトに固定された固定把持部と、この固定把持部に対し可動とされた可動把持部と、から構成される鉗子形のもので、力伝達部材を、管状シャフト内を通じ可動把持部とあご部とを連結する連結ロッドとして設け、把持部の操作であご部を挟持動作させると力伝達部材に引張応力が加えられるようにする。
【０００８】
第２の実施態様としては、管状シャフトの先端側にあご部、そして基端側に把持部を設けてなり、把持部が、管状シャフトに固定された固定把持部と、この固定把持部に対し可動とされた可動把持部と、から構成される鉗子形の医療器具で、力伝達部材を、あご部に連結されて管状シャフトを貫通し基端側へ臨む連結ロッドと可動把持部との間を接続する中間片として設け、言わば曲げ部材として利用する。この場合、連結ロッドにも力伝達部材と同材料を用いることが可能である。
【０００９】
第３の実施態様としては、管状シャフトの先端側にあご部、そして基端側に把持部を設けてなる鉗子形の医療器具で、力伝達部材を引張バネ状として管状シャフト内に配設し、この力伝達部材の基端側を把持部に、先端側をあご部にそれぞれ連結するようにしている。この場合に、力伝達部材の先端側を力伝達部材と同様の形状記憶特性を有する連結ロッドを介してあご部に連結することが可能である。
【００１０】
第４の実施態様としては、管状シャフトの先端側にあご部、そして基端側に把持部を設けてなる鉗子形の医療器具で、力伝達部材を圧縮バネ状として管状シャフト内に配設し、この力伝達部材の先端側を把持部に、基端側をあご部にそれぞれ連結するようにしている。この場合に、力伝達部材の基端側を力伝達部材と同様の形状記憶特性を有する連結ロッドを介してあご部に連結することが可能である。
【００１１】
第５の実施態様としては、あご部を先端側に、把持部を基端側にそれぞれ設けた１対のアーム部材をピン接続した鋏形の医療器具で、力伝達部材を、少なくとも一方のアーム部材におけるあご部と把持部との間の中間部分として一体的に設けるものである。
【００１２】
以上のような本発明による医療器具の各実施態様については、次に添付図面を参照しつつ具体的実施例をあげて詳細に説明する。
【００１３】
【実施例】
図１及び図２に本発明の第１実施例としての鉗子を示している。同図に示す鉗子は大別して、管状シャフト１、１対のあご部２（これは鋏のブレードや鉗子、樽状等その他の挟持用あご部でよい）、及び把持部３から構成されている。あご部２は管状シャフト１の先端側に軸支されており、また把持部３は管状シャフト１の基端側に設けられている。
【００１４】
把持部３は、管状シャフト１の基端部に固定されたフィンガーグリップを有する固定把持部４と、管状シャフト１基端部に設けた凹部分にピン６を介して回動可能に取り付けられたフィンガーグリップを有する可動把持部５と、で構成されている。そして管状シャフト１内に、力伝達部材として連結ロッド７が摺動可能に貫通させてあり、この連結ロッド７の基端側を可動把持部５に、また先端側をあご部２にそれぞれ連結している。よく知られているように、力伝達経路である連結ロッド７が可動把持部５の操作に従って軸方向運動することで、その運動があご部２の回動運動に変換されるようになっている。即ち、可動把持部分５を固定把持部４側へ回動させる（把持部３を閉じる）操作を加えるとこれが連結ロッド７を介して伝達され、それに従ってあご部２が挟持動作（閉動作）するようになっている。
【００１５】
連結ロッド７は、その機械的形状の記憶をもち、超弾性の可逆変形可能な材料から形成され、その応力−歪み曲線が図１０に示してある。このような材料としては、例えば熱処理されたＮｉ−Ｔｉ合金が好適である。この鉗子において、あご部２がその閉鎖位置に達するか、或いはあご部２が抵抗にあう、即ち例えば図２に示したように組織片を挟持すると、まず、あご部２の挟持力は把持部３の操作力に従って応力値σ１（プラトー応力）に達するまで増加する。その状態から更に可動把持部５が操作されると連結ロッド７が伸び区間ε１〜ε２の間で伸び、従ってこの間のあご部２の挟持力は一定に維持される。つまり、図示のような連結ロッド７の材料における応力−歪み特性により、連結ロッド７内部に作用する応力は、伸び区間の間で応力値σ１に制限されて維持される。
【００１６】
伸び限界値ε２とそのときの応力値σ１から、損傷等防止のためのあご部２の挟持力最大値及び鉗子にかけることのできる負荷の最大値が決定されるが、伸び限界値ε２を超えることによる連結ロッド７の不可逆的変形発生を防止するために、可動把持部５が一定操作範囲以上回動しないように規制するストッパ８を管状シャフト１基端部の凹部分内に設けている。即ち、このストッパ８と可動把持部５の側面とが当接してそれ以上の回動が抑止される。
【００１７】
可動把持部５の負荷が除荷されると連結ロッド７の伸びは最初の機械的形状へ戻る。その際の応力の変化は図１０に示すグラフの下側の曲線に従う。
【００１８】
以上の構造によって、鉗子に対する力のかけすぎやあご部２に挟持した対象物の損傷等を効果的に防止することができる。即ち連結ロッド７は、特に硬めの組織（例えば軟骨）を挟持した際に把持部３を必要以上に閉方向へ操作（把持部３の余計な握り込み）したとしても、あご部２に作用する力が一定に保たれるような寸法に決められているので、組織を損傷する程の挟持力の発生が防止され、一方で、鉗子に過負荷がかかったとしても連結ロッド７の伸びによる吸収で鉗子自体の破損も防止される。
【００１９】
図３及び図４に第２実施例としての鉗子を示す。図１と同様に管状シャフト１１が用いられており、その先端側に１対の回動可能なあご部１２、そして基端側に把持部１３の固定把持部１４が固定されている。固定把持部１４には可動把持部１５がピン１６を支点にして回動可能に軸支されている。管状シャフト１１内には力伝達経路をなす連結ロッド１７が摺動可能に貫通させてあり、この連結ロッド１７は上記第１実施例と同様に先端側があご部１２に、そして基端側が可動把持部１５に連結されている。可動把持部１５は、フィンガーグリップを有する操作片１８と、連結ロッド１７に連結される連結片１９と、操作片１８及び連結片１９を接続し力伝達部材となる中間片２０と、から構成されている。この中間片２０は、第１実施例の連結ロッド７と同様の形状記憶特性を有する合金で形成される。あご部１２を挟持動作させるための操作片１８の操作範囲は、固定把持部１４がストッパとなることにより規制されている。
【００２０】
図３から明らかなように、中間片２０の仕上げを適切に選択することで設定されるあご部１２の最大挟持力を超えるような操作力を加えると、中間片２０が変形し、この変形が図１０に示す応力−歪み曲線に沿って応力値σ１で始まって伸び区間ε１〜ε２の間続くことになる。そして、伸び限界値ε２に達するときには、固定把持部１４と可動把持部１５との当接、即ちストッパが作動するようになっている。この鉗子の場合にも、応力値σ１は、対象物への過大挟持力や鉗子に対する過負荷を排除可能な値に定められる。
【００２１】
図５〜図８に第３実施例及び第４実施例としての鉗子を示す。この例の鉗子は、管状シャフト２１を有し、この管状シャフト２１の先端側に１対の回動可能なあご部２２、基端側に把持部２３の固定把持部２４がそれぞれ設けられている。把持部２３は、可動把持部２５をピン２６を支点にして回動可能に固定把持部２４へ軸支して構成されている。また、管状シャフト２１には、基端部内径を拡張することで収容部２７が形成されている。第２実施例と同様に、固定把持部２４は可動把持部２５のストッパとなる。
【００２２】
図５及び図６に示す第３実施例では、上述のような形状記憶特性をもつ力伝達部材として引張バネ状体３１が収容部２７内に配設されて該収容部２７で直接案内されており、この引張バネ状体３１の先端側はあご部２２に連結した力伝達経路をなす連結ロッド３０に、そして基端側は可動把持部２５にそれぞれ連結されている。フィンガーグリップを持って可動把持部２５を操作し、固定把持部２４の方へ閉動作させると（図５）、引張バネ状体３１に引張応力が発生して変形作用するので、上述と同様に、あご部２２の挟持力が制限され、また鉗子に対する過負荷も抑制され、対象物の損傷等が未然に防げる。
【００２３】
図７及び図８に示す第４実施例では、同様の形状記憶特性をもつ合金の力伝達部材として圧縮バネ状体２８を管状部材２９に収容している。具体的には、この例における圧縮バネ状体２８は、収容部２７内に長手方向（軸方向）へ摺動可能にして挿入した管状部材２９内に収容してあり、この管状部材２９の先端部で圧縮バネ状体２８の先端側を係止してある。管状部材２９の基端部は可動把持部２５に連結されている。そして、管状部材２９の先端部から管状部材２９内に挿通された力伝達経路をなす連結ロッド３０の基端側と圧縮バネ状体２８の基端側が連結され、連結ロッド３０の先端側はあご部２２に連結されている。可動把持部２５を図７の状態に操作すると、圧縮バネ状体２８を介してあご部２２の挟持力が発生する。その際、上述と同様の圧縮バネ状体２８の変形作用が起きることで、対象物に対する過大挟持力や鉗子に対する過負荷が排除される。
【００２４】
尚、上記第２〜第４実施例における連結ロッド１７、３０についても、第１実施例のような形状記憶特性をもつ連結ロッド７とすることが可能である。
【００２５】
図９に示す第５実施例は、互いに回動可能にピン接続された１対のアーム部材３２から形成された鋏形医療器具の例である。力伝達経路をなす各アーム部材３２の基端側には把持部３３が設けられ、この把持部３３とピン接続部を挟んで反対側の先端側にはあご部３４が設けられている。更に両アーム部材３２の把持部３３間には、把持部３３の操作範囲を規制するストッパとして当接部３５が突設されている。この種の例えばニードルホルダとして用いられる器具の場合にも、一定な挟持力最大値の設定が必要とされるし、当該器具を過負荷から保護することも必要とされる。特にこの場合の過負荷保護は、体腔内で使用中に器具の破損部分が体腔内に落ちてしまうと場合によってはその取り出しのための手術が必要となってしまうので重要である。この例においては、対をなすアーム部材３２の少なくとも一方におけるあご部３４と把持部３３との間の中間部分に、上述と同様の形状記憶特性を有する合金とした力伝達部材３６を構成部分として一体的に形成することで、容易に効果的に解決している。
【００２６】
【発明の効果】
以上述べてきたように本発明によれば、必要以上に力をかけた場合でもあご部の挟持力は、超弾性の可逆変形可能な力伝達部材により設定される最大値を越えることがなく一定に保たれるので、挟持対象物の損傷を未然に防うことができる。また、器具に対し過負荷を加えたとしても力伝達部材により吸収できるので、器具損壊を未然に防ぐこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例としての鉗子を示す一部断面を含む側面図。
【図２】第１実施例の鉗子で組織片を保持した操作状態を示す図１相当の側面図。
【図３】本発明の第２実施例としての鉗子を操作状態で示す一部断面を含む側面図。
【図４】第２実施例の鉗子の非操作状態を示す図３相当の側面図。
【図５】本発明の第３実施例としての鉗子を操作状態で示す一部断面を含む側面図。
【図６】第３実施例の鉗子の非操作状態を示す要部断面図。
【図７】本発明の第４実施例としての鉗子を操作状態で示す一部断面を含む側面図。
【図８】第４実施例の鉗子の非操作状態を示す要部断面図。
【図９】本発明の第５実施例としての鋏形医療器具の側面図。
【図１０】形状記憶合金の応力−歪み曲線図。
【符号の説明】
１、１１、２１ 管状シャフト
２、１２、２２、３４ あご部
３、１３、２３、３３ 把持部
４、１４、２４ 固定把持部
５、１５、２５ 可動把持部
７、１７、３０ 連結ロッド（力伝達部材）
２０ 中間片（力伝達部材）
２８ 圧縮バネ状体（力伝達部材）
３１ 引張バネ状体（力伝達部材）
３２ アーム部材
３６ 力伝達部材

Claims (9)

1. 対象物を挟持するため先端側に設けられた１対のあご部と、力伝達経路を介して操作力をあご部へ伝達し少なくとも一方のあご部を他方のあご部に対し動かして挟持動作させる基端側に設けられた把持部と、を備えた医療器具において、
   超弾性の可逆変形可能で形状記憶特性をもつ材料からなる力伝達部材を少なくとも１つ前記力伝達経路に有し、この力伝達部材は、前記把持部の操作により応力を受けるとその超弾性を示すプラトー応力に達することで前記あご部の挟持力最大値を設定し、そして、この力伝達部材に加えられる応力が前記プラトー応力の領域を越えないように前記把持部の操作範囲が規制されるようになっていることを特徴とする医療器具。
2. 管状シャフトの先端側にあご部、そして基端側に把持部を設けてなり、把持部は、管状シャフトに固定された固定把持部と、この固定把持部に対し可動とされた可動把持部と、から構成され、そして、力伝達部材は、管状シャフト内を通じ可動把持部とあご部とを連結する連結ロッドとされ、把持部の操作であご部を挟持動作させると力伝達部材に引張応力が加えられるようになっている請求項１記載の医療器具。
3. 管状シャフトの先端側にあご部、そして基端側に把持部を設けてなり、把持部は、管状シャフトに固定された固定把持部と、この固定把持部に対し可動とされた可動把持部と、から構成され、そして、力伝達部材は、あご部に連結されて管状シャフトを貫通し基端側へ臨む連結ロッドと可動把持部との間を接続する中間片として設けられている請求項１記載の医療器具。
4. 連結ロッドも超弾性の可逆変形可能で形状記憶特性を有する材料からなる請求項３記載の医療器具。
5. 管状シャフトの先端側にあご部、そして基端側に把持部を設けてなり、力伝達部材は引張バネ状として管状シャフト内に配設され、この力伝達部材の基端側が把持部に、先端側があご部にそれぞれ連結されるようになっている請求項１記載の医療器具。
6. 力伝達部材の先端側が超弾性の可逆変形可能で形状記憶特性を有する連結ロッドを介してあご部に連結される請求項５記載の医療器具。
7. 管状シャフトの先端側にあご部、そして基端側に把持部を設けてなり、力伝達部材は圧縮バネ状として管状シャフト内に配設され、この力伝達部材の先端側が把持部に、基端側があご部にそれぞれ連結されるようになっている請求項１記載の医療器具。
8. 力伝達部材の基端側が超弾性の可逆変形可能で形状記憶特性を有する連結ロッドを介してあご部に連結される請求項７記載の医療器具。
9. あご部を先端側に、把持部を基端側にそれぞれ設けた１対のアーム部材を鋏形に接続してなり、そして、力伝達部材は、少なくとも一方のアーム部材におけるあご部と把持部との間の中間部分として一体的に設けられている請求項１記載の医療器具。

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