JP3639150B2 - 処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造プロセスにおけるフォトレジスト工程では,例えば半導体ウェハ(以下,「ウェハ」という。)等の表面に対してレジストを塗布してレジスト膜を形成し,パターンが露光された後のウェハに現像液を供給して現像処理している。かかる一連の処理を行うにあたっては,従来から塗布現像処理装置が使用されている。
【0003】
この塗布現像処理装置には,ウェハを冷却する冷却処理装置,ウェハを加熱する加熱処理装置,ウェハにレジスト液を塗布するレジスト塗布装置,ウェハに現像処理を施す現像処理装置等の各種の処理ユニットが具備されている。そして塗布現像処理装置全体をコンパクト化するため,複数の加熱処理装置と冷却処理装置とを混在して多段に積み重ねた熱処理装置群を形成している。この場合,熱処理装置群の上側には加熱処理装置を,下側には冷却処理装置を夫々配置することにより熱処理装置群内の熱干渉を防止している。そして従来の塗布現像処理装置では,レジスト塗布装置及び現像処理装置近傍に前記熱処理装置群を配置し,搬送装置と共に全体として集約配置することで,塗布現像処理装置の更なる省スペース化を達成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところでウェハが大口径化すると,これに伴って全ての処理ユニットも大型化する。従って,省スペース化のためには,各処理ユニットの配置を一層高集約化させる必要がある。しかしながら加熱処理装置が大型化すると,加熱処理装置の熱量も多くなる。従って,これまでのように熱処理装置群の中の一つの処理ユニットとして加熱処理装置がレジスト塗布装置に近傍配置されていると,熱の影響によってレジスト膜の膜厚が変化するおそれがある。
【0005】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり,加熱処理装置や冷却処理装置等が大型化しても,レジスト膜の膜厚変化を抑制可能な新しい処理装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために,請求項1によれば,基板にレジスト液を塗布するレジスト塗布装置と,基板に現像液を供給する現像処理装置と,基板を冷却する複数の冷却処理装置と,基板を加熱する複数の加熱処理装置と,基板を保持部材に保持させた状態で搬送する搬送装置とを備えた処理装置であって,前記複数の冷却処理装置は多段に積み重ねられて冷却系処理装置をなし,前記複数の加熱処理装置は多段に積み重ねられて加熱系処理装置をなし,前記レジスト塗布装置近傍に前記冷却系処理装置が配置され,前記現像処理装置近傍に前記加熱系処理装置が配置され,前記レジスト塗布装置と現像処理装置との間に前記搬送装置が配置され,さらに前記搬送装置は,前記レジスト塗布装置及び冷却系処理装置に対して基板を搬送する第1搬送装置と,前記現像処理装置及び加熱系処理装置に対して基板を搬送する第2搬送装置とからなり,前記第1搬送装置と前記第2搬送装置との間には,基板を載置自在な受け渡し台が設けられ,前記第1搬送装置,第2搬送装置はこの受け渡し台との間で基板を受け渡し自在であることを特徴とする,処理装置が提供される。
【0007】
請求項1の処理装置にあっては,加熱処理装置からなる加熱系処理装置と,冷却処理装置からなる冷却系処理装置とを切り離し,温度変化に敏感なレジスト塗布装置近傍に冷却系処理装置を,温度影響の少ない現像処理装置近傍に加熱系処理装置をそれぞれ配置している。従って,加熱系処理装置から発せられる熱の影響が温度変化に敏感なレジスト塗布装置に対して及びにくくなるために,レジスト膜の膜厚変化を抑制することが可能である。
そして,高温の基板を保持することがない第1搬送装置でレジスト塗布装置に対する基板の搬入出を行うために,塗布後のレジスト膜には第1搬送装置の保持部材から熱が伝わらない。従って,熱によるレジスト膜の膜厚変化をより確実に防止可能である。
【0010】
請求項によれば,前記受け渡し台は基板を載置する載置部を複数有するので,基板を搬送するに際し,効率のよい稼働が実現できる。
【0011】
前記受け渡し台が,請求項に記載したように,基板に対して温度を調整する温度調節機構を有していれば,例えば受け渡し台での冷却や加熱が行え,加熱後の基板のオーバーベークの防止や,あるいは必要に応じて基板のプリベークなどの処理を実施することが可能であり,処理装置全体の効率のよい稼働が実現できる。その他積極的に熱の影響を抑えることも可能である。
【0012】
請求項に記載したように,前記第1搬送装置,第2搬送装置については,少なくとも垂直線を中心として回転自在な,例えば搬送装置の設置場所を中心とした回転移動可能に構成すると共に,前記レジスト塗布装置及び冷却系処理装置を第1搬送装置の径方向に配置し,前記現像処理装置及び加熱系処理装置を第2搬送装置の径方向に配置すれば,全体として環状の配置の下での効率のよい基板搬送が実現でき,しかも処理装置全体として,無駄のないコンパクトな装置構成を実現できる。
【0013】
この場合,例えば請求項に記載したように,前記レジスト塗布装置及び/又は冷却系処理装置は,第1搬送装置の径方向に少なくとも2以上配置し,前記現像処理装置及び/又は加熱系処理装置は,第2搬送装置の径方向に2以上配置するようにしてもよい。
【0014】
なお前記レジスト塗布装置や現像処理装置が多段に積み重ねられていれば,その分床占有面積を節約することができる。
【0015】
また前記基板を複数収納可能なカセットを載置可能なカセットステーションと,このカセットステーションに設けられて前記カセットに対して前記基板を搬入出する搬入出機構とを有し,さらに前記搬入出機構は,少なくとも冷却系処理装置又は加熱系処理装置に対して前記基板を搬送自在に構成されているようにしてもよい。
【0016】
このように構成することで,カセットからの未処理の基板の搬出から,処理済みの基板のカセットへの収納がきわめて円滑にかつ効率よく行え,しかも各種処理装置と各搬送装置とのレイアウトと相まって,全体としてこれら装置が無駄なく集約配置された処理装置を提供できる。
【0017】
さらに,基板に対して露光処理を行う露光装置との間で前記基板を搬送するための搬送機構を有し,前記搬送機構は,少なくとも冷却系処理装置又は加熱系処理装置に対して前記基板を搬送自在に構成すれば,露光処理をも含めた一連のフォトリソ工程が円滑に行え,しかも各種処理装置と各搬送装置とのレイアウトと相まって,全体としてこれら装置が無駄なく集約配置されたフォトリソ工程の処理装置を提供できる。
そして請求項のように,基板にレジスト液を塗布するレジスト塗布装置と,基板に現像液を供給する現像処理装置とを有する処理ステーションと,この処理ステーションに接続されたカセットステーションと,前記処理ステーションを挟んでカセットステーションと反対側に接続され,かつ露光装置との間で基板の受渡しを行うインターフェース部とを有する処理装置であって,前記レジスト塗布装置は処理ステーションの正面側に配置され,前記現像処理装置は処理ステーションの背面側に配置され,前記レジスト塗布装置と現像処理装置との間であって,前記レジスト塗布装置側には,前記カセットステーション側と前記インターフェース側に各々基板を冷却する冷却処理装置が各々配置され,前記レジスト塗布装置と現像処理装置との間であって,前記現像処理装置側には,前記カセットステーション側と前記インターフェース側に各々基板を加熱する加熱処理装置が各々配置され,前記各冷却処理装置の間には,前記レジスト塗布装置と各冷却処理装置に対して基板を搬送する第1搬送装置が配置され,前記各加熱処理装置の間には,前記現像処理装置と各加熱処理装置に対して基板を搬送する第2搬送装置が配置されたように構成してもよい。かかる場合,前記加熱処理装置の側面は,処理装置の外部とは直接面していないようにしてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下,添付図面に基づき,本発明の好適な実施の形態について説明する。図1は本実施の形態にかかる塗布現像処理装置を平面から見た様子を,図2,3は塗布現像処理装置を側面から見た様子を示している。
【0019】
塗布現像処理装置1は,例えば25枚のウェハWをカセット単位で外部から塗布現像処理装置1内に搬入出したり,カセットCにウェハWを搬入出するカセットステーション2と,ウェハWに対して枚葉式に所定の処理を施す各種の処理ユニットを多段配置してなる処理ステーション3と,この処理ステーション3に隣接する露光装置4との間でウェハWの受け渡しを行うインターフェイス部5とを一体に接続した構成を有している。
【0020】
カセットステーション2では図1に示すように,カセット載置台10上の位置決め突起10aの位置に,複数のカセットCが,ウェハWの出入口を処理ステーション3側に向けてX方向(図1中の上下方向)に沿って一列に載置自在である。そして,このカセットCの配列方向(X方向)およびカセットC内に収納されたウェハWの配列方向(Z方向;垂直方向)に移動可能なウェハ搬入出機構としての搬送体11が搬送路12に沿って移動可能であり,各カセットCにウェハWを搬入,搬出可能である。そして,ウェハ搬送体11はθ方向にも回転自在に構成されており,後述する第1冷却処理装置群70に属するエクステンション装置74や第1加熱処理装置群90に属するアライメント装置92に対してアクセスできるように構成されている。
【0021】
処理ステーション3では正面側にレジスト塗布装置群20が,背面側に現像処理装置群30がそれぞれ配置されている。
【0022】
レジスト塗布装置群20は図2,3に示すように,カップCP内のウェハWに対してレジスト液を塗布して,該ウェハWに対してレジスト塗布処理を施す各レジスト塗布装置21,22が並列配置され,さらにレジスト塗布装置21,22の上段にはレジスト塗布装置23,24が積み重ねられて構成されている。
【0023】
現像処理装置群30は,カップCP内のウェハWに対して現像液を供給して,該ウェハWに対して現像処理を施す現像処理装置31,32が並列配置され,さらに現像処理装置31,32の上段には現像処理装置33,34が積み重ねられて構成されている。
【0024】
処理ステーション3の中心部にはウェハWを載置自在な受け渡し台40が備えられている。受け渡し台40は図4に示すように,上側載置台41と下側載置台42とを有しており,上側載置台41にはウェハWの裏面を支持する例えば3本の支持ピン43が,下側載置台42にはウェハWの裏面を支持する例えば3本の支持ピン44がそれぞれ設けられている。従って,受け渡し台40には各支持ピン43,44により,合計2枚のウェハWが上下に支持されるようになっている。
【0025】
この受け渡し台40を挟んで上記レジスト塗布装置群20と現像処理装置群30とは相対向しており,レジスト塗布装置群20と受け渡し台40との間には第1搬送装置50が,現像処理装置群30と受け渡し台40との間には第2搬送装置60がそれぞれ装備されている。したがって,この受け渡し台40を介して第1搬送装置50と第2搬送装置60とは,ウェハWを受け渡し自在である。
【0026】
第1搬送装置50と第2搬送装置60とは基本的に同一の構成を有しており,第1搬送装置50の構成を図5に基づいて説明すると,第1搬送装置50は,上端及び下端で相互に接続され対向する一体の壁部51,52からなる筒状支持体53の内側に,上下方向(Z方向)に昇降自在なウェハ搬送手段54を備えている。筒状支持体53はモータ55の回転軸に接続されており,このモータ55の回転駆動力で,前記回転軸を中心としてウェハ搬送手段54と共に一体に回転する。従って,ウェハ搬送手段54は垂直線を中心としてθ方向に回転自在となっている。
【0027】
ウェハ搬送手段54の搬送基台56上には,ウェハWを保持する保持部材としての2本のピンセット57,58が上下に備えられている。各ピンセット57,58は基本的に同一の構成を有しており,筒状支持体53の両壁部51,52間の側面開口部を通過自在な形態及び大きさを有している。また,各ピンセット57,58は搬送基台56に内蔵されたモータ(図示せず)により前後方向の移動が自在となっている。なお,第2搬送装置60には,ピンセット57,58と同一の機能及び構成を有するピンセット67,68が備えられている。
【0028】
第1搬送装置50の両側には,レジスト塗布装置群20近傍に各種冷却系処理装置からなる第1冷却処理装置群70及び第2冷却処理装置群80が,第1搬送装置50によって搬送可能な位置,すなわち径方向,例えば図1に示した破線のθ1方向にそれぞれ配置されており,さらに前記したレジスト塗布装置群20の各レジスト塗布装置23,24もこのθ1上に配置されている。第2搬送装置60の両側には,現像処理装置群30の近傍に各種加熱系処理装置からなる第1加熱処理装置群90及び第2加熱処理装置群100が,第2搬送装置60によって搬送可能な位置,すなわち径方向,例えば図1に示した破線のθ2方向にそれぞれ配置されている。そして前記した現像処理装置群30の現像処理装置33,34もこのθ2上に配置されている。そして第1冷却処理装置群70及び第1加熱処理装置群90はカセットステーション2側に配置されており,第2冷却処理装置群80及び第2加熱処理装置群100はインターフェイス部5側に配置されている。
【0029】
ここで処理ステーション3をカセットステーション2側から見た図2に基づいて,第1冷却処理装置群70及び第1加熱処理装置群90の構成を説明すると,第1冷却処理装置群70は,ウェハWを所定温度で冷却処理するクーリング装置71,72と,ウェハWの位置合わせを行うアライメント装置73と,ウェハWを待機させるエクステンション装置74と,冷却処理装置75,76,77,78とが下から順に,例えば7段に積み重ねられている。第1加熱処理装置群90は,レジストとウェハWとの密着性を向上させるアドヒージョン装置91と,アライメント装置92と,エクステンション装置93と,レジスト塗布後のウェハWを加熱処理するプリベーキング装置94,95と,現像処理後のウェハWを加熱処理するポストベーキング装置96,97,98とが下から順に,例えば7段に積み重ねられている。
【0030】
処理ステーション3をインターフェイス部5側から見た図3に基づいて第2冷却処理装置群80及び第2加熱処理装置群100の構成を説明すると,第2冷却処理装置群80は,クーリング装置81,82と,アライメント装置83と,エクステンション装置84と,冷却処理装置85,86,87,88とが下から順に,例えば7段に積み重ねられている。第2加熱処理装置群100は,プリベーキング装置101,102と,露光処理後のウェハWを加熱処理するポストエクスポージャベーキング装置103,104と,ポストベーキング装置105,106,107とが下から順に,例えば7段に積み重ねられている。
【0031】
インタフェイス部5には,第2冷却処理装置群80に属するエクステンション装置84と,第2加熱処理装置群100に属する各ポストエクスポージャベーキング装置103,104とにアクセス可能なウェハ搬送体110が装備されている。ウェハ搬送体110はレール111に沿ったX方向への移動と,Z方向(図1の垂直方向)への昇降とが自在であり,θ方向にも回転自在となっている。そして,露光装置4や周辺露光装置112に対してウェハWを搬送することができるように構成されている。
【0032】
本発明の実施の形態にかかる塗布現像処理装置1は以上のように構成されている。次に,塗布現像処理装置1の作用,効果について説明する。
【0033】
まずカセットステーション2においてウェハ搬送体11がカセットCにアクセスして未処理のウェハWを1枚取り出す。次いで,このウェハWはウェハ搬送体11により第1加熱処理装置群90のアライメント装置92に搬送される。アライメント装置92で位置合わせを終了したウェハWは,第2搬送装置60に装備された下側のピンセット68に保持された状態で,同じ第1加熱処理装置群90に属するアドヒージョン装置91に搬送される。次いで,この疎水化処理終了後,ウェハWは第2搬送装置60のピンセット68に保持された状態で,受け渡し台40に搬送される。この際,ウェハWは受け渡し台40の上側載置台41に設けられた支持ピン43に支持される。
【0034】
次いで,ウェハWは第1搬送装置50に装備された下側のピンセット58に保持されて,受け渡し台40から第1冷却処理装置群70に搬送され,第1冷却処理装置群70の,例えばクーリング装置72に搬入される。このクーリング装置72で所定の冷却処理が終了したウェハWは,第1搬送装置50のピンセット58に保持された状態で,レジスト塗布装置群20に搬送される。
【0035】
レジスト塗布装置群20に搬送されたウェハWは,例えばレジスト塗布装置21に搬入され,レジスト膜が形成される。そして,レジスト膜が形成されたウェハWは,その後第1搬送装置50の上側のピンセット57に保持された状態で,受け渡し台40に搬送されて,受け渡し台40の下側載置台42に設けられた支持ピン44上に支持される。
【0036】
支持ピン44に支持されたウェハWは,第2搬送装置60のピンセット68に保持され,今度は第2加熱処理装置群100に搬送される。そして第2加熱処理装置群100に属する,例えばプリベーキング装置101に搬入されて所定の加熱処理が施される。
【0037】
かかる加熱処理終了後のウェハWは第2搬送装置のピンセット68に保持された状態で,第2冷却処理装置群80に搬送される。そして,第2冷却処理装置群80の例えばクーリング装置85に搬入されて冷却処理が施される。クーリング装置85で冷却処理が終了したウェハWは,その後エクステンション装置84に搬入されて,その場で待機する。
【0038】
次いで,ウェハWはウェハ搬送体110によってエクステンション装置84から搬出され,周辺露光装置112に搬送される。そして,周辺露光装置112で周辺部の不要なレジスト膜が除去されたウェハWは露光装置4に搬送されて,所定の露光処理が施される。
【0039】
露光装置4でパターンが露光されたウェハWは,ウェハ搬送体110で第2加熱処理装置群100に搬送され,例えばポストエクスポージャベーキング装置103に搬入される。かかる露光処理後の加熱処理が終了したウェハWは第2搬送装置60のピンセット68に保持されて,第2冷却処理装置群80の例えばクーリング装置81に搬入される。
【0040】
このクーリング装置81で所定の冷却処理が終了したウェハWは,第1搬送装置50のピンセット58に保持されて,受け渡し台40に搬送される。この際,ウェハWは受け渡し台40の下側載置台42に設けられた支持ピン44で支持される。その後,ウェハWはピンセット68に保持された状態で受け渡し台40から現像処理装置群30に搬送されると共に,例えば現像処理装置31に搬入されて所定の現像処理が施される。
【0041】
かかる現像処理が終了したウェハWは,第2搬送装置60のピンセット67に保持された状態で第2加熱処理装置群100に搬送される。そして第2加熱処理装置群100に属する,例えばポストベーキング装置105に搬入されて現像処理後の加熱処理が施される。
【0042】
ポストベーキング装置105における加熱処理が終了したウェハWは,第2搬送装置60のピンセット67に保持された状態で受け渡し台40に搬送される。この際,ウェハWは受け渡し台40の上側載置台41に設けられた支持ピン43上に支持される。
【0043】
支持ピン43に支持されたウェハWは,その後第1搬送装置50のピンセット58に保持されて第1冷却処理装置群70に搬送され,第1冷却処理装置群70に属する例えばクーリング装置71に搬入される。このクーリング装置71で所定温度まで積極的に冷却処理されたウェハWは,その後エクステンション装置74に搬入されてその場で待機する。そして,エクステンション装置74からウェハ搬送体11で搬出され,カセット載置台10上のカセットCに収納される。こうして,ウェハWに対する一連の塗布現像処理が終了する。
【0044】
前記実施の形態にかかる塗布現像処理装置1では,冷却処理装置群70,80と加熱処理装置群90,100とを離し,温度変化に敏感なレジスト塗布装置群20近傍に冷却処理装置群70,80を配置し,温度影響の少ない現像処理装置群30近傍に加熱処理装置群90,100をそれぞれ配置している。従って,第1加熱処理装置群90及び第2加熱処理装置群100から発せられる熱の影響が,レジスト塗布装置群20に対して及びにくくなる。その結果,レジスト塗布装置群20における各レジスト塗布装置21,22,23,24においてレジスト膜の形成を行う際,温度変化によるレジスト膜の膜厚変化を抑制することが可能である。
【0045】
また,第1搬送装置50は,各レジスト塗布装置21,22,23,24と,受け渡し台40と,各冷却処理装置群70,80との間でウェハWを搬送し,第2搬送装置60は各現像処理装置31,32,33,34と,受け渡し台40と,各加熱処理装置群90,100との間でウェハWを搬送する。従って,加熱処理直後のウェハWは全て第2搬送装置60のピンセット67,68が保持し,第1搬送装置50はピンセット57,58は温度の高いウェハWを保持することがない。従って,第1搬送装置50のピンセット57,58はウェハWの熱で暖まることがない。その結果,塗布後のレジスト膜はピンセット57,58の熱で暖まることがなく,ウェハWを搬送している間にレジスト膜の膜厚が熱によって変化することを防止することができる。
【0046】
その他,第1冷却処理装置群70,レジスト塗布装置群20,第2冷却処理装置群80は,第1搬送装置50の径方向に各々配置され,また第1加熱処理装置群90,現像処理装置群30,第2加熱処理装置群100は,第2搬送装置60の径方向に配置されているから,これらの処理装置に対するウェハWの搬入出は,きわめて無駄のない動きの下で実施でき,円滑である。またレイアウト的にみても,無駄のない配置となっており,前記したレジスト膜の膜厚に対する熱的影響を抑えつつも,コンパクトな塗布現像処理装置となっている。
【0047】
さらにカセットステーション2,露光装置4との関係でも,前記各処理装置群,は,好適な搬送関係を有する配置となっており,全体としてウェハWに対する一連のフォトリソ工程を無駄なく,効率よく実施できる装置となっている。
【0048】
次に、図6に示すように、前記受け渡し台40に、ウェハWに対して温度を調整する機構を備えた他の例を説明する。この受け渡し台40は図6に示すように、上側載置台41と下側載置台42とを有しており、これらの上側載置台41と下側載置台42には、各々発熱体HTが設けられ、それぞれの発熱体HTは、それらに電力を供給するための電源Pが接続されており、上側載置台41と下側載置台42とは独立して所望の温度に設定可能に構成されている。
【0049】
また、上側載置台41と下側載置台42とは、受け渡し台40に対して熱を伝熱しないよう断熱体Xを介して接続されている。さらに、上側載置台41にはウェハWの裏面を支持する複数例えば3本の支持ピン43を貫通する貫通口Hが、下側載置台42にはウェハWの裏面を支持する複数例えば3本の支持ピン44を貫通する貫通口Hがそれぞれ設けられている。
【0050】
さらに、前記3本の支持ピン43と3本の支持ピン44は、各々支持ピン台120に設けられており、これらの支持ピン台120は各々駆動源、例えばエアシリンダーSによって各々独立して垂直方向Zに上下動可能に構成されている。
【0051】
このように構成したことにより、ウェハWが受け渡し台40において受け渡し待機中に温度変化の影響を受けることを制御できる。また、例えばこの受け渡し台40から熱処理機構に搬送され処理される場合であって仮に加熱系処理装置である場合においては、加熱される前の温度を一定にすることができるため、各ウェハW毎の加熱処理を均一に処理することができ歩留まりの向上を図ることができる。
【0052】
また、仮に搬送先が冷却系処理装置である場合においては、その冷却系処理装置の処理温度に上側載置台41或いは下側載置台42を設定することにより、冷却系処理装置での処理のスループットを向上することも可能となる。
【0053】
また、エアシリンダーSの駆動によりウェハWを上側載置台41若しくは下側載置台42と接触させても良いことは言うまでも無いが、ウェハWを上側載置台41若しくは下側載置台42と所定の間隔に離間させて保持してもよい。このようにすると、ウェハWの裏面に上側載置台41若しくは下側載置台42に存在するパーティクルの付着を制御することが可能となる。
【0054】
なお前記実施の形態では基板にウェハWを使用した例を挙げて説明したが,本発明に使用できる基板はウェハWに限らず,例えばLCD基板等でもよい。
【0055】
【発明の効果】
発明では,加熱系処理装置と冷却系処理装置とを分離し,レジスト塗布装置近傍に冷却系処理装置を,現像処理装置近傍に加熱系処理装置をそれぞれ配置したために,加熱系処理装置で発生した熱の影響がレジスト塗布装置に及ぶことを抑制することができる。その結果,レジスト膜形成の際に,熱によってレジスト膜の膜厚が変化することを抑制することが可能である。
【0056】
特に請求項に記載の発明では,第1搬送装置は熱処理直後の温度の高い基板を搬送しないために,第1搬送装置の保持部材は保持した基板によって暖まることがない。従って,第1搬送装置の保持部材から基板に対して熱が伝わらず,搬送中にレジスト膜に対して熱の影響を与えることがない。その結果,歩留まりの低下を防止することができる。
【0057】
また請求項に記載の発明では,受け渡し台に複数の載置部を設けたことにより,第1搬送装置及び第2搬送装置が受け渡し台で停滞することがない。従って,各搬送装置を効率よく稼働させて,基板の処理能力を向上させることができる。
【0058】
請求項の発明によれば,例えば受け渡し台での冷却や加熱が行え,処理装置全体の効率のよい稼働や,その他積極的に熱の影響を抑えることも可能である。また請求項の発明によれば,全体として環状の配置の下での効率のよい基板搬送が実現でき,しかも処理装置全体として,無駄のないコンパクトな装置構成を実現できる。その場合,さらに請求項に構成することで,より無駄のないレイアウトが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる塗布現像処理装置の一部断面平面図である。
【図2】図1の塗布現像処理装置をカセットステーション側から見た側面図である。
【図3】図1の塗布現像処理装置をインターフェイス部側から見た側面図である。
【図4】図1の塗布現像処理装置に装備された受け渡し台の説明図である。
【図5】図1の塗布現像処理装置に装備された第1搬送装置の外観を示す斜視図である。
【図6】図1の受け渡し台の他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 塗布現像処理装置
20 レジスト塗布装置群
21,22,23,24 レジスト塗布装置
30 現像処理装置群
31,32,33,34 現像処理装置
40 受け渡し台
50 第1搬送装置
60 第2搬送装置
70 第1冷却処理装置群
80 第2冷却処理装置群
90 第1加熱処理装置群
100 第2加熱処理装置群
W ウェハ

Claims (7)

  1. 基板にレジスト液を塗布するレジスト塗布装置と,基板に現像液を供給する現像処理装置と,基板を冷却する複数の冷却処理装置と,基板を加熱する複数の加熱処理装置と,基板を保持部材に保持させた状態で搬送する搬送装置とを備えた処理装置であって,
    前記複数の冷却処理装置は多段に積み重ねられて冷却系処理装置をなし,
    前記複数の加熱処理装置は多段に積み重ねられて加熱系処理装置をなし,
    前記レジスト塗布装置近傍に前記冷却系処理装置が配置され,
    前記現像処理装置近傍に前記加熱系処理装置が配置され,
    前記レジスト塗布装置と現像処理装置との間に前記搬送装置が配置され
    さらに前記搬送装置は,
    前記レジスト塗布装置及び冷却系処理装置に対して基板を搬送する第1搬送装置と,
    前記現像処理装置及び加熱系処理装置に対して基板を搬送する第2搬送装置とからなり,
    前記第1搬送装置と前記第2搬送装置との間には,基板を載置自在な受け渡し台が設けられ,前記第1搬送装置,第2搬送装置はこの受け渡し台との間で基板を受け渡し自在であることを特徴とする,処理装置。
  2. 前記受け渡し台は,基板を載置する載置部を複数有することを特徴とする,請求項1に記載の処理装置。
  3. 前記受け渡し台は,基板に対して温度を調整する温度調節機構を有していることを特徴とする,請求項1又は2に記載の処理装置。
  4. 前記第1搬送装置,第2搬送装置は,少なくとも垂直線を中心として回転自在な保持部材で基板を搬送する構成を有し,
    前記レジスト塗布装置及び冷却系処理装置は,第1搬送装置の径方向に配置され,
    前記現像処理装置及び加熱系処理装置は,第2搬送装置の径方向に配置されていることを特徴とする,請求項1,2又は3のいずれかに記載の処理装置。
  5. 前記レジスト塗布装置及び/又は冷却系処理装置は,第1搬送装置の径方向に少なくとも2以上配置され,
    前記現像処理装置及び/又は加熱系処理装置は,第2搬送装置の径方向に2以上配置されていることを特徴とする,請求項4に記載の処理装置。
  6. 基板にレジスト液を塗布するレジスト塗布装置と,基板に現像液を供給する現像処理装置とを有する処理ステーションと,この処理ステーションに接続されたカセットステーションと,前記処理ステーションを挟んでカセットステーションと反対側に接続され,かつ露光装置との間で基板の受渡しを行うインターフェース部とを有する処理装置であって,
    前記レジスト塗布装置は処理ステーションの正面側に配置され,前記現像処理装置は処理ステーションの背面側に配置され,
    前記レジスト塗布装置と現像処理装置との間であって,前記レジスト塗布装置側には,前記カセットステーション側と前記インターフェース側に各々基板を冷却する冷却処理装置が各々配置され,
    前記レジスト塗布装置と現像処理装置との間であって,前記現像処理装置側には,前記カセットステーション側と前記インターフェース側に各々基板を加熱する加熱処理装置が各々配置され,
    前記各冷却処理装置の間には,前記レジスト塗布装置と各冷却処理装置に対して基板を搬送する第1搬送装置が配置され,
    前記各加熱処理装置の間には,前記現像処理装置と各加熱処理装置に対して基板を搬送する第2搬送装置が配置されたことを特徴とする,処理装置。
  7. 前記加熱処理装置の側面は,処理装置の外部とは直接面していないことを特徴とする,請求項6に記載の処理装置。
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