JP3668681B2 - 基板処理装置及び基板処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばレジスト膜塗布工程において、半導体ウエハ等の被処理体を冷却処理ユニットにて冷却した後、冷却処理ユニットからレジスト液塗布ユニットまで搬送する基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造プロセスでは、フォトリソグラフィー技術が利用されている。フォトリソグラフィー技術においては、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と呼ぶ。)の表面にレジストを塗布し、この塗布レジストを所定パターンに露光処理し、さらに現像処理する。これらレジスト塗布、露光処理及び現像処理は、常温付近で処理が行われるため、これらの処理の前にはウエハがほぼ常温となるように冷却処理が行われる。これによりウエハ上に所定パターンのレジスト膜が形成され、さらに成膜及びエッチング処理することにより所定パターンの回路が形成される。
【0003】
従来、これら一連のレジスト処理は、例えばレジスト液塗布ユニットや現像処理ユニット、冷却処理ユニットや加熱処理ユニット、これらユニット間のウエハの搬送を行う搬送装置等が一体化された塗布現像処理システムを用いて行われている。
【0004】
従来の塗布現像処理システムにおいては、ウエハの冷却処理及び冷却処理後のウエハのレジスト液塗布、露光処理は次のように行われていた。ここでは、レジスト液塗布を例に挙げて説明する。
【0005】
レジスト液塗布処理においては、レジスト液をウエハに塗布するレジスト液塗布ユニット、レジスト液塗布前のウエハを冷却処理する冷却処理ユニット、そしてこれらレジスト液塗布ユニット及び冷却処理ユニット間のウエハの搬送を行う搬送装置が用いられる。レジスト液塗布ユニットでは第1ウエハがレジスト液塗布処理が行われる。冷却処理ユニットでは、次に塗布処理が行われる第2ウエハの冷却処理が行われる。第1ウエハのレジスト液塗布処理が終了すると、搬送装置が第2ウエハを冷却処理ユニットから搬出し、レジスト液塗布ユニット前まで搬送される。その後、第1ウエハがレジスト液塗布ユニットから搬出され、第2ウエハがレジスト液塗布ユニットへ搬入され、ウエハの入れ替えが終了する。
【0006】
露光処理においては、レジスト液塗布処理と同様に、露光処理ユニットの他に冷却処理ユニット、露光処理ユニットと冷却処理ユニット間のウエハの搬送を行う搬送装置が用いられ、露光処理の前に冷却処理がウエハに施される。そして、露光処理内でのウエハの露光処理が終了した後に、次に露光処理されるウエハが冷却処理ユニット内から取り出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した搬送システムにおいては、レジスト液塗布処理及び露光処理において、それぞれウエハのレジスト液塗布処理または露光処理が終了してから、次にレジスト液塗布処理または露光処理が行われるウエハを冷却処理ユニットから取り出して搬送するため、スループットが悪いという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる課題に対処してなされたもので、その目的は、スループットが向上した基板処理装置及び基板処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するため、本発明の基板処理装置は、基板に対して冷却処理を行う冷却処理ユニット部と、前記基板に対して加熱処理を行う加熱処理ユニット部と、前記冷却処理が行われた基板上に所定の液を供給して液処理を行う液処理ユニット部と、少なくとも前記冷却処理ユニット部から前記液処理ユニット部へ、及び前記加熱処理ユニット部から前記冷却処理ユニット部へ前記基板を搬送する搬送装置と、前記液処理ユニット部内での基板の液処理終了時に、次の液処理を行う基板が前記液処理ユニット部の前で待機するように、前記搬送装置による前記基板の搬送を制御する制御手段とを具備し、前記制御手段は、前記加熱処理ユニット部から前記冷却処理ユニット部への基板の搬送を、前記冷却処理ユニット部から前記液処理ユニット部への前記基板の搬送よりも優先させて搬送するように前記搬送装置を制御することを特徴とする。
【0010】
本発明のこのような構成によれば、液処理ユニット部内の基板の液処理の終了時に、次の液処理を行う基板が液処理ユニット前に位置しているので、液処理終了時から次に液処理を行う基板が液処理ユニット内へ搬入されるまでの時間を短縮することができ、全体的な処理時間が短縮されてスループットが向上する。
【0011】
本発明の他の基板処理装置は、少なくとも基板に対して冷却処理を行う第1の冷却処理ユニット部と、前記基板に対して加熱処理を行う加熱処理ユニット部とを含む処理ユニット部が多段に積み上げられた第1の処理ユニット群と、前記基板上に所定の液を供給して液処理を行う液処理ユニット部が多段に積み上げられた第2の処理ユニット群と、少なくとも前記第1の冷却処理ユニット部から前記液処理ユニット部へ、及び前記加熱処理ユニット部から前記第1の冷却処理ユニット部へ前記基板を搬送する搬送装置と、前記液処理ユニット部内での基板の液処理終了時に、次の液処理を行う基板が前記液処理ユニット部の前で待機するように、前記搬送装置による前記基板の搬送を制御する制御手段とを具備し、前記制御手段は、前記加熱処理ユニット部から前記第1の冷却処理ユニット部への基板の搬送を、前記第1の冷却処理ユニット部から前記液処理ユニット部への前記基板の搬送よりも優先させて搬送するように前記搬送装置を制御することを特徴とする。
【0012】
本発明のこのような構成によれば、液処理ユニット部内の基板の液処理の終了時に次の液処理を行う基板が液処理ユニット前に位置するように、異なる処理ユニット群それぞれのユニット間の搬送が制御されるので、液処理終了時から次に液処理を行う基板が液処理ユニット内へ搬入されるまでの時間を短縮することができ、全体的な処理時間が短縮されてスループットが向上する。ここで、各処理ユニット群は処理ユニット部が多段に積層されているので、第1の処理ユニット群の冷却処理ユニット部から第2の処理ユニット群の液処理ユニット部への基板の搬送は例えば回転方向ばかりでなく上下方向も必要となり、搬送装置による基板の搬送は相当の時間を要する。よって、本発明により液処理終了時から次に液処理を行う基板が液処理ユニット内へ搬入されるまでの時間をより短縮することが可能となる。
【0013】
更に、前記制御手段には、前記液処理に要する液処理時間と、前記冷却処理ユニット部から前記液処理ユニット部までの前記搬送装置の移動に要する移動時間とが予め入力されており、前記制御手段は、前記液処理ユニット部内の基板の液処理の開始時間が入力されることにより、該開始時間と前記液処理時間とから液処理終了時間を算出し、前記液処理終了時間と前記移動時間とから、前記次の液処理を行う基板を搬送するための前記搬送装置の移動開始時間を算出し、前記移動開始時間を前記搬送装置に伝達することを特徴とする。このような構成によれば、制御手段により搬送装置の移動のタイミングが制御される。
【0014】
更に、前記液処理ユニット部は、前記基板を搬入及び搬出する開口部を有し、該開口部を塞ぐ開閉可能なシャッター部材を具備することを特徴とする。このような構成によれば、シャッター部材が具備されることにより、液処理ユニット部内の温度や湿度などの雰囲気の管理が容易となる。
【0015】
更に、前記液処理中では前記開口部はシャッター部材により塞がれ、前記液処理終了時に前記開口部は前記シャッター部材により開けられることを特徴とする。このような構成によれば、液処理中、シャッター部材により処理空間が形成されるため、処理液が液処理ユニット部外へ飛散することがない。
【0021】
本発明の基板処理方法は、第1基板に対し、冷却処理ユニット部にて冷却処理を行う工程と、前記冷却処理が行われた第1基板上に対し、液処理ユニット部にて所定の液を供給して液処理を行う工程と、第2基板に対して前記冷却処理ユニット部にて冷却処理を行う工程と、第3基板に対して加熱処理ユニット部にて加熱処理を行う工程と、前記第1基板の液処理終了時に、前記冷却処理が行われた第2基板が前記液処理ユニット部前で待機するように、前記第2基板を搬送装置にて搬送する工程と、前記液処理ユニット部内から前記第1基板を搬出し、前記第2基板を前記液処理ユニット部内へ搬入する工程と、前記第1または第2基板に対する前記冷却処理ユニット部から前記液処理ユニット部への搬送よりも優先して、前記加熱処理された第3基板を前記加熱処理ユニット部から前記冷却処理ユニット部へ前記搬送装置にて搬送する工程とを具備することを特徴とする。
【0022】
更に、前記液処理ユニット部は、前記基板を搬入及び搬出する開口部を有し、該開口部を塞ぐ開閉可能なシャッター部材を具備し、前記液処理中では前記開口部はシャッター部材により塞がれ、前記液処理終了時に前記開口部は前記シャッター部材により開かれることを特徴とする。このような構成によれば、液処理中、シャッター部材により処理空間が形成されるため、処理液が液処理ユニット部外へ飛散することがない。
【0025】
本発明のこれらの目的とそれ以外の目的と利益とは,以下の説明と添付図面とによって容易に確認することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0027】
図1は本発明の一実施形態に係る塗布現像処理システムの平面図、図2は図1に示した塗布現像処理システムの正面図、図3は図1に示した塗布現像システムの背面図である。
【0028】
図1乃至図3に示すように、この塗布現像処理システム1は、カセットステーション10、処理ステーション11、インターフェイス部12及びウエハ受け渡し部14を一体に接続した構成を有している。カセットステーション10では、ウエハWがカセットC単位で複数枚、例えば25枚単位で、外部から塗布現像処理システム1に搬入され、また塗布現像処理システム1から外部に搬出される。また、カセットCに対してウエハWが搬出・搬入される。処理ステーション11では、塗布現像処理工程の中で1枚ずつウエハWに所定の処理を施す枚葉式の各種処理ユニットが所定位置に多段に配置されている。インターフェイス部12では、周辺露光装置24が配置されている。ウエハ受け渡し部14では、塗布現像処理システム1に隣接して設けられる露光装置13へ搬送される露光処理前のウエハWが載置されるアウトステージ15と、露光処理後のウエハWが載置されるインステージ16が配置される。ウエハ受け渡し部14と露光装置13との間でのウエハWの受け渡しは、図示しない搬送装置により行われる。
【0029】
カセットステーション10では、図1に示すように、カセット載置台20上の位置決め突起20aの位置に複数個、例えば4個のカセットCが、それぞれのウエハW出入口を処理ステーション11側に向けてX方向(図1中の上下方向)に一列に載置される。このカセットC配列方向(X方向)及びカセットC内に収容されたウエハWのウエハW配列方向(Z方向;垂直方向)に移動可能なウエハ搬送体21が、搬送路21aに沿って移動自在であり、各カセットCに選択的にアクセスする。
【0030】
ウエハ搬送体21は、θ方向に回転自在に構成されており、後述するように処理ステーション11側の第3の処理ユニット群G3における多段ユニット部に属するアライメントユニット(ALIM)及びエクステンションユニット(EXT)にもアクセスできるようになっている。
【0031】
処理ステーション11では、図1に示すように、その中心部には垂直搬送型の搬送装置22が設けられ、その周りに各種処理ユニットが1組または複数の組に亙って多段集積配置されて処理ユニット群を構成している。かかる塗布現像処理システム1においては、4つの処理ユニット群G1、G2、G3、G4が配置可能な構成であり、第1及び第2の処理ユニット群G1、G2はシステム正面側に配置され、第3の処理ユニット群G3はカセットステーション10に隣接して配置され、第4の処理ユニット群G4はインターフェイス部12に隣接して配置されている。搬送装置22は、θ方向に回転自在でZ方向に移動可能に構成されており、各処理ユニットとの間でウエハWの受け渡しが可能とされている。
【0032】
第1の処理ユニット群G1では、図2に示すように、カップCP内でウエハWをスピンチャックに載せて所定の液処理を行う2台のスピンナ型処理ユニット、例えばレジスト液塗布ユニット(COT)3及び現像処理ユニット(DEV)2が下から順に2段に重ねられている。そして第1の処理ユニット群G1と同様に、第2の処理ユニット群G2においても、2台のスピンナ型処理ユニット、例えばレジスト液塗布ユニット(COT)3及び現像処理ユニット(DEV)2が下から順に2段に重ねられている。レジスト液塗布ユニット(COT)3では、ウエハWに対してレジスト液が供給されレジスト膜が塗布される。現像処理ユニット(DEV)2では、ウエハWに対して現像液が供給されて現像処理が施される。
【0033】
処理液が用いられる液処理ユニット、例えばレジスト液塗布ユニット(COT)3は、図5に示すように基板を搬入及び搬出する開口部19を有し、この開口部19を塞ぐ開閉可能なシャッター部材18が設けられている。このシャッター部材18が上下方向に移動することにより開閉が可能となる。液処理中では、シャッター部材18は下降して開口部19を塞ぎ、処理液がレジスト液塗布ユニット3の外へ飛散しないようになっている。液処理が終了し、レジスト液塗布ユニット3内の処理ウエハを入れ替える際、シャッター部材18が上昇して開口部19が開けられる。現像処理ユニット(DEV)2、後述する冷却処理ユニット(COL)などにおいても、レジスト液塗布ユニットと同様に、ウエハの搬入及び搬出が行われる開口部、そしてシャッター部材が設けられている。
【0034】
第3の処理ユニット群G3では、図3に示すように、ウエハWを載置台に載せて所定の処理を行う処理ユニット、例えば冷却処理を行う冷却処理ユニット(COL)6、レジストの定着性を高めるためのいわゆる疎水化処理を行うアドヒージョンユニット(AD)8、位置合わせを行うアライメントユニット(ALIM)7、エクステンションユニット(EXT)9、露光処理前の加熱処理を行うプリベーキングユニット(PREBAKE)5及び現像後の加熱処理を行うポストベーキングユニット(POBAKE)4が下から順に、例えば8段に重ねられている。
【0035】
同様に、第4の処理ユニット群G4では、図3に示すように、ウエハWを載置台に載せて所定の処理を行うオーブン型の処理ユニット、例えば冷却処理を行う冷却処理ユニット(COL)6、冷却処理も兼ねたエクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17、エクステンションユニット(EXT)9、アドヒージョンユニット(AD)8、プリベーキングユニット(PREBAKE)5及びポストエキスポージャーベーキングユニット(PEBAKE)50が下から順に、例えば8段に重ねられている。
【0036】
このように処理温度の低い冷却処理ユニット(COL)6やエクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17を下段に配置し、処理温度の高いプリベーキングユニット(PREBAKE)5、ポストベーキングユニット(POBAKE)4、ポストエキスポージャーベーキングユニット(PEBAKE)50及びアドヒージョンユニット(AD)8を上段に配置することで、ユニット間の熱的な相互干渉を少なくすることができる。
【0037】
インターフェイス部12では、図1に示すように、奥行き方向(X方向)については、上記処理ステーション11と同じ寸法を有するが、幅方向についてはより小さなサイズに設定されている。図1及び図2に示すように、このインターフェイス部12の正面側には、可搬性のピックアップカセットCRと、定置型のバッファカセットBRが2段に配置され、他方背面部には周辺露光装置24が配設されている。
【0038】
インターフェイス部12の中央部には、ウエハ搬送体25が設けられている。ウエハ搬送体25は、X方向、Z方向(垂直方向)に移動して両カセットCR、BR及び周辺露光装置24にアクセスできるようになっている。ウエハ搬送体25は、θ方向にも回転自在となるように構成されており、処理ステーション11側の第4の処理ユニット群G4に属するエクステンションユニット(EXT)や、さらには後述するウエハ受け渡し部14のアウトステージ15及びインステージ16にもアクセスできるようになっている。
【0039】
ウエハ受け渡し部14では、ほぼ中央部に塗布現像処理システム1に隣接して設けられる露光装置13へ搬送される露光処理前のウエハWが載置されるアウトステージ15が配置されている。また、ウエハ受け渡し部14の正面側には、アウトステージ15と隣接して、露光処理後のウエハWが載置されるインステージ16が配置されている。ウエハ受け渡し部14と露光装置13との間のウエハの受け渡しは、図示しない搬送装置により行われ、この搬送装置はアウトステージ15及びインステージ16にアクセスできるようになっている。
【0040】
図4は搬送装置22の外観を示した斜視図であり、この搬送装置22は上端及び下端で相互に接続され対向する一対の壁部2829からなる筒状支持体27の内側に、上下方向(Z方向)に昇降自在なウエハ搬送装置30を装備している。筒状支持体27はモータ31の回転軸に接続されており、このモータ31の回転駆動力によって、前記回転軸を中心としてウエハ搬送装置30と一体に回転する。従って、ウエハ搬送装置30はθ方向に回転自在となっている。このウエハ搬送装置30の搬送基台40上にはピンセットが例えば3本備えられている。これらのピンセット41、42、43は、いずれも筒状支持体27の両壁部2829間の側面開口部44を通過自在な形態及び大きさを有しており、X方向に沿って前後移動が自在となるように構成されている。そして、搬送装置22はピンセット41、42、43をその周囲に配置された処理ステーションにアクセスしてこれら処理ステーションとの間でウエハWの受け渡しを行う。
【0041】
上述の搬送装置22は、後述する制御手段により移動が制御されており、ウエハWの搬送のタイミングも後述する制御手段により管理される。
【0042】
図5は、第1処理ユニットグループG1と第3処理ユニットグループG3との間のウエハWの搬送を説明する図であり、複数のユニットの内、特に冷却処理ユニット(COL)6とレジスト液塗布ユニット(COT)3の構造について詳細に図示している。上述の通り、第1処理ユニットグループG1の最下段にはレジスト液塗布ユニット(COT)3が配置され、第2処理ユニットグループG2の最下段には冷却処理ユニット(COL)6が配置されている。図5では上述の搬送基台上のピンセットは2本として図示した。
【0043】
図5に示すとおり、レジスト液塗布ユニット(COT)3には、カップCP内にウエハWをスピンチャックするスピンチャック台87、このスピンチャック台87を昇降可能とする昇降機構85が設けられている。更に、レジスト液をウエハW上に供給するためのディスペンサ82、このディスペンサ82を水平方向に移動可能とする移動機構83、図示しないユニット外部に配置されたレジスト液収容部からディスペンサ82にレジスト液を供給するレジスト供給路84が設けられている。ディスペンサ82は、移動機構83によりウエハ上部中央付近からカップCP外まで移動可能となっており、塗布時にはウエハ上部中央付近に位置し、塗布時以外ではカップCPの外に位置する。レジスト液塗布ユニット(COT)3は、ウエハWの搬出入を行う開口部19が設けられ、この開口部19を塞ぐ昇降可能なシャッター部材18が設けられている。レジスト液塗布処理時では、シャッター部材18が下降することにより開口部が塞がれて処理空間が形成される。また、ウエハWの交換時では、シャッター部材18が上昇され、更にスピンチャック台が上昇されて、開口部を介してウエハWの搬出入が行われる。ウエハWの搬出入は、搬送装置22の搬送基台40上のピンセット41、42の水平移動により行われる。
【0044】
一方、冷却処理ユニット(COL)6には、ウエハWを冷却処理する冷却板81が設けられ、この冷却板81を貫通し、ウエハWを保持する3本の昇降可能なピン88が設けられている。搬送装置22よりウエハWを受け取る際、ピン88は上昇され3本のピン88によりウエハWが保持される。ウエハWをピン88により保持した状態でピン88が下降し、更にピンが冷却板81に埋没することにより、ウエハWは冷却板に載置されて冷却処理が施される。冷却処理ユニット(COL)6にも、レジスト液塗布ユニット(COT)3と同様に、ウエハWの搬出入を行う開口部19が設けられ、この開口部86を塞ぐ昇降可能なシャッター部材33が設けられている。冷却処理時では、シャッター部材18が下降することにより開口部が塞がれて処理空間が形成される。また、ウエハWの交換時では、シャッター部材33が上昇されて、開口部を介してウエハWの搬出入が行われる。ウエハWの搬出入は、搬送装置22の搬送基台40上のピンセット41、42の水平移動により行われる。
【0045】
冷却処理ユニット(COL)6からレジスト液塗布ユニット(COT)3までウエハWを搬送するまでの間、搬送装置22の搬送基台40は、図4に示すx方向、z方向、θ方向に移動し、搬送装置22に載置されるウエハWは図5に示す矢印Aの軌跡をたどって移動する。尚、エクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17にも冷却処理ユニット(COL)6と同様に、ユニット内にウエハを冷却するための冷却板が設けられている。
【0046】
図6は、冷却処理ユニット(COL)6からレジスト液塗布ユニット(COT)3までウエハWを搬送する搬送装置22の搬送を制御する搬送装置制御装置126を説明するブロック図である。図6に示すように、搬送装置制御装置126は、入力部91、記憶部92、制御部96から構成される。
【0047】
入力部91は例えばキーボードからなる。レジスト液塗布ユニット(COT)3にてレジスト膜塗布に要する時間(図中、塗布時間)と、冷却処理ユニット(COL)6からウエハWを取り出し、このウエハをレジスト液塗布ユニット(COT)3前まで搬送するのに要する搬送装置移動時間(図中、移動時間)とが、キーボードにより作業者によってあらかじめ入力される。これら移動時間及び塗布時間は、制御部96を介して、記憶部92に記憶される。制御部96は、レジスト液塗布ユニット(COT)から塗布開始時間が入力されることにより、この塗布開始時間と記憶部92に記憶されている塗布時間とから塗布終了時間を算出する。更に、制御部96は、算出した塗布終了時間と記憶部92に記憶されている移動時間とから、冷却処理ユニットから次にレジスト液塗布処理するウエハWを取り出す時間を算出する。そして、この時間を基に搬送装置22に対しウエハWの取り出しのタイミングを指示する。ここで、冷却処理ユニット(COL)6からのウエハWの取り出しの時間は、レジスト液塗布ユニット(COT)3内のウエハWの塗布処理の終了時に次に塗布処理が施されるウエハWがレジスト液塗布ユニット(COT)3前に待機される状態となるように、算出される。
【0048】
図10は、エクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17から周辺露光装置24までウエハWを搬送するウエハ搬送体25の搬送を制御するウエハ搬送体制御装置34を説明するブロック図である。図10に示すように、ウエハ搬送体制御装置34は、入力部101、記憶部102、制御部106から構成される。
【0049】
入力部101は例えばキーボードからなる。周辺露光装置24にて周辺露光処理に要する時間(図中、露光時間)と、エクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17からウエハWを取り出し、このウエハを周辺露光装置24前まで搬送するのに要するウエハ搬送体移動時間(図中、移動時間)とが、キーボードにより作業者によってあらかじめ入力される。これら入力された移動時間及び塗布時間は、制御部106を介して、記憶部102に記憶される。制御部106は、周辺露光装置24から周辺露光開始時間が入力されることにより、この周辺露光開始時間と記憶部102に記憶されている露光時間とから周辺露光終了時間を算出する。更に、制御部106は、算出した周辺露光終了時間と記憶部102に記憶されている移動時間とから、冷却処理ユニットから次に周辺露光処理するウエハWを取り出す時間を算出する。そして、制御部106は、この時間に応じてウエハ搬送体25に対しウエハWの取り出しのタイミングを指示する。エクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17からのウエハWの取り出しの時間は、周辺露光装置24内のウエハWの周辺露光処理の終了時に次に周辺露光処理が施されるウエハWが周辺露光装置24前に待機される状態となるように、算出される。
【0050】
次に、このように構成された塗布現像処理システム1における処理工程を説明する。
【0051】
まずカセットステーション10において、カセット載置台20上に載置されたカセットC内に収容された未処理のウエハWが1枚ウエハ搬送体21によって取り出される。その後、ウエハ搬送体21は、第3の処理ユニット群G3のアライメントユニット(ALIM)にアクセスし、ウエハWをアライメントユニット(ALIM)7内へ搬入し、オリフラ合わせ及びセンタリング処理を行う。
【0052】
アライメントユニット(ALIM)7にてオリフラ合わせ及びセンタリングが完了したウエハWは、搬送装置22によって第3の処理ユニット群G3のアドヒージョンユニット(AD)8内へ搬送され、疎水化処理が施される。
【0053】
疎水化処理を終えたウエハWは、搬送装置22によって所定のプリベーキングユニット(PREBAKE)5に搬入されてベーキングされた後、所定の冷却処理ユニット(COL)6に搬入される。この冷却処理ユニット(COL)内でウエハWはレジスト塗布処理前の設定温度例えば23℃まで冷却される。
【0054】
冷却処理が終了すると、搬送装置22によって所定のレジスト液塗布ユニット(COT)3へ搬入され、このレジスト液塗布ユニット(COT)3内でウエハW表面へのレジスト塗布が行われる。
【0055】
ここで、冷却処理が行われたウエハWは、レジスト液塗布ユニット(COT)3内で先にレジスト膜塗布処理されているウエハのレジスト膜塗布終了時に、同一のレジスト液塗布ユニット(COT)3の前で待機するように搬送される。
【0056】
この搬送のタイミングは、搬送装置の移動を制御する上述の搬送装置制御装置126により管理されており、図7及び図8を用いて、詳細な搬送装置の動作などを説明する。図7は、ウエハWが搬送される際の搬送装置制御装置126の動作工程を示す図である。図8は、第3処理ユニット群G3における冷却処理ユニット(COL)6から第1処理ユニット群G1におけるレジスト液塗布ユニット(COT)3までウエハWが搬送され、このウエハWとレジスト液塗布ユニット(COT)3内の先に塗布処理されたウエハWとが交換されるまでの概略工程図を示すものである。尚、図8では、搬送基台上のピンセットは2本として説明し、ディスペンサなどの図示は省略した。
【0057】
まず、搬送装置制御装置の動きについて説明する。
【0058】
図7(1)に示すように、レジスト液塗布ユニット(COT)3内にウエハWが搬送されレジスト膜が塗布されると、その塗布開始時間が搬送装置制御装置126に入力される。次に、図7(2)に示すように、予め記憶部92により入力されている塗布時間と入力された塗布開始時間とから、搬送装置制御装置126は塗布終了時間を算出する。次に、図7(3)に示すように、予め記憶部92により入力されている移動時間と塗布終了時間とから、レジスト液塗布ユニット(COT)3内のウエハWの塗布処理の終了時に次に塗布処理が施されるウエハWがレジスト液塗布ユニット(COT)3前に待機されるように、搬送装置制御装置126は、冷却処理ユニット(COL)6から次に塗布処理されるウエハWを取り出す時間を算出する。次に図7(4)に示すように、搬送装置制御装置126は、算出したウエハの取り出し時間を基に搬送装置に対してウエハWの取り出しのタイミングを指示する。
【0059】
次に、冷却処理ユニット(COL)6からレジスト液塗布ユニット(COT)3までのウエハWの搬送について図8を用いて説明する。
【0060】
図8(1)に示すように、レジスト液塗布ユニット(COT)3内では、下降されたスピンチャック台87にウエハW1が固定されている。ウエハW1の上方中央部には上述のディスペンサが位置してウエハW1表面上に対してレジストを吐出し、スピンチャック台87が回転することにより、ウエハW1にレジスト膜が塗布される。レジスト膜塗布時では、シャッター部材18によりウエハを搬出入する開口部は塞がれている。上述の通り、ウエハW1に対するレジスト膜の塗布が開始されると、この塗布開始時間が搬送装置制御装置126に入力され、冷却処理ユニット(COL)6からのウエハWの取り出しのタイミングを搬送装置制御装置126によって搬送装置22に指示される。冷却処理ユニット(COL)6のウエハWを搬入出する開口部86を塞ぐシャッター部材33が上昇し、搬送装置制御装置126からの指示により搬送装置22の搬送基台上のピンセット41が冷却処理ユニット(COL)6内へ挿入しウエハW2を取り出す。その後、ピンセット42が次に冷却処理するウエハW3を冷却処理ユニット(COL)6内へ搬入する。
【0061】
次に図8(2)に示すように、ウエハW2とウエハW3とのウエハが交換された後、冷却処理ユニット(COL)6のシャッター部材33が下降し、冷却処理ユニット(COL)6の開口部が塞がれる。ウエハW2が載置された搬送装置22の搬送基台が上方向に移動し、更に図4に示すθ方向に搬送基台が回転移動して、レジスト液塗布ユニット(COT)3内でのウエハW1のレジスト膜塗布処理の終了時に、ウエハW2がレジスト液塗布ユニット(COT)3前に位置するように搬送される。この時、搬送基台は、レジスト液塗布ユニット(COT)3の開口部に対して、搬送基台がほぼ水平移動して挿入されるように配置されている。一方、レジスト液塗布ユニット(COT)3内では、ウエハW1上にレジスト液が塗布され、ウエハW1が保持されているスピンチャック台87が昇降機構85により上昇し、レジスト液塗布終了状態となっている。また、この時、図示しないディスペンサは、上述した移動機構83により、水平移動し、カップCP外に位置している。ここで、搬送装置22により搬送されるウエハW2は、ウエハ交換の直前に、遅くともレジスト液塗布ユニット(COT)前に待機されていれば良く、レジスト液塗布終了時とは、実質的なレジスト液塗布終了からウエハの交換直前までの間を指す。好ましくはウエハW交換の直前が良く、この場合、次に処理されるウエハWをレジスト液処理により適した冷却状態で処理することができる。
【0062】
次に図8(3)に示すように、レジスト液塗布ユニット(COT)のシャッター部材18が上昇し、開口部19を介して、レジスト液塗布ユニット(COT)中のウエハW1と搬送装置22により搬送されたウエハW2とが交換される。
【0063】
このようにレジスト液塗布ユニット(COT)3内でのレジスト塗布処理が施されたウエハWは、搬送装置22により、第3または第4処理ユニット群G3、G4内の所定のプリベーキングユニット(PREBAKE)5内へ搬入される。ウエハWはここで所定温度例えば100℃で所定時間加熱され、これによりウエハW上の塗布膜から残存溶剤が蒸発除去される。
【0064】
この後、ウエハWは搬送装置22によって、第4処理ユニット群G4内のエクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17へ搬入される。ここで、ウエハWは、次工程つまり周辺露光装置24による周辺露光処理に適した温度例えば24℃まで冷却される。
【0065】
この後、インタフェース部12に設けられたウエハ搬送体25がエクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17からウエハWを取り出す。
【0066】
次に、ウエハ搬送体25は当該ウエハWをインタフェース部12内の周辺露光装置24へ搬入する。この周辺露光装置24で、ウエハWはその周縁部に露光処理を受ける。周辺露光装置24による周辺露光処理が終了すると、ウエハ搬送体25は、ウエハWを周辺露光装置24から搬出し、隣接する露光装置13側のウエハ受取り台14のアウトステージ15へ移送する。この場合、ウエハWは、露光装置13へ渡される前に、必要に応じてバッファ載置部BRに一時的に格納されることもある。
【0067】
上述したように、ウエハWが露光装置13に受け渡された後、露光装置13により、露光処理、例えばレティクルを用いた露光処理が行われる。露光装置13でのウエハW全面への露光処理が完了すると、ウエハWは、ウエハ受取り台14のインステージ16に配置される。
【0068】
そして、ウエハWは、ウエハ搬送体25から処理ステーション11側へ受け渡される。なおこの場合、ウエハWを、処理ステーション11側へ渡される前に、必要に応じてインタフェース部12内のバッファ載置部BRに一時的に格納するようにしてもよい。
【0069】
ここで、エクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17と周辺露光装置24との間での搬送についても、上述の冷却処理ユニット(COL)6とレジスト液塗布ユニット(COT)3との間での搬送と同様に、搬送のタイミングが制御されており、以下に説明する。
【0070】
エクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17により冷却処理が行われたウエハWは、周辺露光装置24内で先に露光処理されているウエハの露光終了時に、周辺露光装置24の前で待機するように搬送される。この搬送のタイミングは、ウエハ搬送体の移動を制御する上述のウエハ搬送体制御手段34により管理されており、図11及び図12を用いて、詳細な搬送装置の動作などを説明する。図11はウエハWが搬送される際のウエハ搬送体制御手段の動作工程を示す図である。図12は、エクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17から周辺露光装置24までウエハWが搬送され、周辺露光装置24内のウエハWが交換され、更にアウトステージ15まで搬送されるまでの工程図を示すものである。
【0071】
まず、ウエハ搬送体制御装置の動きについて説明する。
【0072】
図11(1)に示すように、周辺露光装置24内にウエハWが搬送され周辺露光処理が開始されると、その周辺露光開始時間がウエハ搬送体制御装置34に入力される。次に、図11(2)に示すように、予め記憶部102により入力されている周辺露光時間と入力された周辺露光開始時間とから、ウエハ搬送体制御装置34は周辺露光終了時間を算出する。次に、図11(3)に示すように、予め記憶部102により入力されている移動時間と周辺露光終了時間とから、周辺露光装置24内のウエハWの周辺露光処理の終了時に次に周辺露光処理が施されるウエハWが周辺露光装置24前に待機されるように、ウエハ搬送制御装置34は、エクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17から次に塗布処理されるウエハWを取り出す時間を算出する。次に図11(4)に示すように、ウエハ搬送体制御装置34は、算出したウエハの取り出し時間を基にウエハ搬送体に対してウエハWの取り出しのタイミングを指示する。
【0073】
次に、エクステンション・冷却処理ユニット(COL)17から周辺露光装置243までのウエハWの搬送について図12を用いて説明する。
【0074】
まず、図12(1)に示すように、周辺露光装置24内ではウエハW1に露光処理が施されている。上述の通り、ウエハW1に対する周辺露光処理が開始されると、この周辺露光開始時間がウエハ搬送体制御装置34に入力され、エクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17からのウエハWの取り出しのタイミングをウエハ搬送体制御装置34よってウエハ搬送体25に指示される。ウエハWの取り出しの指示がされると、エクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17のウエハWを搬入出する開口部を塞ぐシャッター部材(図示せず)が開き、ウエハ搬送体25がエクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17内からウエハW2を取り出す。
【0075】
次に図12(2)に示すように、ウエハ搬送体25は、周辺露光装置24の前へウエハW2を搬送する。周辺露光装置24内でのウエハW1の露光処理の終了時にウエハW2が周辺露光装置24前に位置するように、ウエハW2は搬送される。そしてウエハW1の露光処理終了後、周辺露光装置24中のウエハW1とウエハ搬送体25により搬送されたウエハW2とが交換される。
【0076】
次に図12(3)に示すように、周辺露光処理されたウエハW2は、例えばアウトステージ15へウエハ搬送体25により搬送され、載置される。インステージ16には、図示しない露光装置により露光処理されたウエハW3が配置されている。ウエハ搬送体25は、インステージ16に載置された露光処理済みのウエハW3を受け取り、図12(4)に示すように、例えば定置型のバッファカセットBR内へウエハW3を搬送する。
【0077】
バッファカセットBRなどに収容されている露光処理済みのウエハWは、搬送体25により、処理ステーション11の所定のポストエキスポージャーベーキングユニット(PEBAKE)50に搬入される。このポストエキスポージャーベーキングユニット(PEBAKE)50において、ウエハWは熱板上に載置されて所定時間ベーク処理される。
【0078】
この後、ベーキングされたウエハWは搬送装置22によっていずれかの冷却処理ユニット(COL)6に搬入され、この冷却処理ユニット(COL)6内でウエハWは常温に戻される。続いて、ウエハWは搬送装置22によって所定の現像処理ユニット(DEV)2に搬入される。
【0079】
この現像処理ユニット(DEV)2内では、ウエハWはスピンチャックの上に載せられ、例えばスプレー方式により、ウエハW表面のレジストに現像液が均一にかけられて現像が行われる。そして現像後、ウエハW表面にリンス液がかけられ、現像液の洗い落しが行われ、この後ウエハWが高速回転されて乾燥が行われる。
【0080】
この後、ウエハ搬送装置22は、ウエハWを現像処理ユニット(DEV)2から搬出して、次に所定のポストベーキングユニット(POBAKE)4へウエハWを再び搬入する。このポストベーキングユニット(POBAKE)4において、ウエハWは例えば100℃で所定時間だけ加熱され、これによって、現像で膨潤したレジストが硬化し、耐薬品性が向上する。
【0081】
ポストベーキングが終了すると、ウエハ搬送装置22はウエハWをポストベーキングユニットから搬出し、次に所定の冷却処理ユニット(COL)6ヘウエハWを搬入して冷却処理が行われる。
【0082】
ウエハWが常温に戻った後、ウエハ搬送装置22は、ウエハWをカセットステーション10側に受け渡し、カセットステーション10側のウエハ搬送体21は、受け取ったウエハWをカセット載置台20上のウエハ載置部CRに入れる。
【0083】
以上のように、本実施形態においては、エクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17と周辺露光装置24との間でのウエハWの搬送及び冷却処理ユニット(COL)6とレジスト液塗布ユニット(COT)3との間でのウエハWの搬送の際に、ウエハWの搬送のタイミングが制御装置により制御されている。すなわち、処理ユニット(レジスト液塗布ユニット、現像処理ユニット)内のウエハWの処理終了時に、処理ユニット前に次のウエハWが待機するように、冷却処理ユニットからのウエハWの搬送を制御することにより、従来と比較して全体の処理時間が短縮され、効率良く生産することができる。
【0084】
以下に、従来と本実施形態における搬送のタイミングの違いによる処理時間の違いについて、図9及び図13を用いて説明する。図9は、冷却処理ユニット(COL)6とレジスト液塗布ユニット(COT)3との間でのウエハWの搬送のタイミング、図13はエクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17と周辺露光装置24との間でのウエハWの搬送のタイミングを説明するものである。
【0085】
まず、冷却処理ユニット(COL)6とレジスト液塗布ユニット(COT)3との間でのウエハWの搬送のタイミングを図9を用いて説明する。図9(a)は、本実施形態における搬送のタイミング、図9(b)は従来における搬送のタイミングを説明する図である。それぞれ搬送装置22及びレジスト液塗布ユニット(COT)3の動きを時系列に説明したものであり、図面の横方向が時間軸に相当する。
【0086】
図9(a)に示すように、本実施形態においては、レジスト液塗布ユニット(COT)内でウエハWにレジスト膜塗布処理が施されている間(図中、C1)に、冷却処理ユニット(COL)前に待機している(A1)搬送装置22は、冷却処理ユニット(COL)内の次に塗布処理されるウエハWを取り出し(A2)、このウエハWをレジスト液塗布ユニット(COT)前まで搬送する(A3)。次に、搬送装置22により保持されている次に処理を施すウエハWと、レジスト液塗布ユニット(COT)内のウエハWとが入れ替えられる(A4、C2)。ウエハ入替え後、搬送装置22は、塗布処理済みのウエハWを次のモジュールであるプリベーキングユニット(PREBAKE)へ搬送する(A5)。一方、冷却処理ユニット(COT)では、搬入されたウエハWに対する塗布処理が施される。
【0087】
これに対し、従来においては、図9(b)に示すように、レジスト液塗布ユニット(COT)内でのウエハWのレジスト液塗布処理(図中、C´1)が終了した後、冷却処理ユニット前で待機している搬送装置22(A´1)が、冷却処理ユニット(COL)内の次に塗布処理されるウエハWを取り出す(A´2)。レジスト液塗布終了後から次に塗布処理されるウエハWがレジスト液塗布ユニット(COT)前まで搬送されるまでの間、レジスト液塗布ユニット(COT)3はウエハの入れ替えを待つ状態(C´2)となっている。取り出された次に塗布処理されるウエハWは、レジスト液塗布ユニット(COT)前まで搬送され(A´3)、レジスト液塗布ユニット(COT)内のウエハWと入れ替えられる(A´4、C´3)。ウエハ入替え後、搬送装置22は、塗布処理済みのウエハWを次のモジュールであるプリベーキングユニット(PREBAKE)へ搬送する(A´5)。一方、レジスト膜塗布処理ユニット(COT)では、搬入されたウエハWに対する塗布処理が施される(C´4)。
【0088】
図9(a)、(b)を比較すると、従来のレジスト膜塗布処理ユニット(COT)3におけるウエハ入れ替え待ち(C´2)の状態が、本実施形態ではない。従って、レジスト膜塗布処理ユニット(COT)における次のウエハWの塗布処理(図中、C3、C´4)の開始が、本実施形態の方が早く、処理時間全体を短縮することができる。
【0089】
次に、周辺露光装置(WEE)とエクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17との間でのウエハWの搬送のタイミングを図13を用いて説明する。図13(a)は、本実施形態における搬送のタイミング、図13(b)は従来における搬送のタイミングを示す図である。それぞれウエハ搬送体25及び周辺露光装置(WEE)の動作を時系列に説明したものであり、図面の横方向が時間軸に相当する。
【0090】
図13(a)に示すように、本実施形態においては、周辺露光装置(WEE)24内でウエハWに露光処理が施されている間(図中、W1)に、エクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17前に待機している(B1)ウエハ搬送体25は、エクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)17内の次に塗布処理されるウエハWを取り出し(B2)、このウエハWを周辺露光装置(WEE)前まで搬送する(B3)。次に、ウエハ搬送体25により保持されている次に処理を施すウエハWと、周辺露光装置(WEE)内のウエハWとが入れ替えられる(B4、W2)。ウエハ入替え後、ウエハ搬送体25は、周辺露光処理済みのウエハWをアウトステージへ搬送し(B5)、インステージ前に移動する。一方、エクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)では、搬入されたウエハWに対する周辺露光処理が施される。
【0091】
これに対し、従来においては、図13(b)に示すように、周辺露光装置(WEE)24内でのウエハWの周辺露光処理(図中、B´1)が終了した後、エクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)前で待機しているウエハ搬送体25(B´1)が、エクステンション・冷却処理ユニット(EXTCOL)内の次に塗布処理されるウエハWを取り出す(B´2)。周辺露光装置(WEE)24では、周辺露光処理終了時から次に処理を行うウエハWが周辺露光装置(WEE)内に搬入されるまでの間、ウエハWの入れ替えを待つ状態(W´2)状態となる。取り出された次に周辺露光処理されるウエハWは、周辺露光装置前まで搬送され(B´3)、周辺露光装置内のウエハWと入れ替えられる(B´4、W´3)。ウエハ入替え後、ウエハ搬送体25は、塗布処理済みのウエハWをアウトステージへ搬送し、インステージ前まで移動する(B´5)。一方、周辺露光装置(WEE)では、搬入されたウエハWに対する周辺露光処理が施される(W´4)。
【0092】
図13(a)、(b)を比較すると、従来の周辺露光装置(WEE)24におけるウエハ入れ替え待ち(W´2)の状態が、本実施形態ではない。従って、周辺露光装置(WEE)24における次のウエハWの周辺露光処理(図中、W3、W´4)の開始が、本実施形態の方が早く、処理時間全体を短縮することができる。
【0093】
また、上述のレジスト液塗布ユニット(COT)または周辺露光装置に、予備冷却手段を更に付加することができる。上述の処理工程において、レジスト液塗布ユニット(COT)前または周辺露光装置前に次に処理するウエハWを待機させる際に、例えば予測しえないウエハWの待ち状態が生じたときに、予備冷却手段によりレジスト液塗布ユニット(COT)または周辺露光装置で処理するのに最適な例えば23℃前後の室温にウエハWの温度を保つことができる。具体的な予備冷却手段としては、例えばレジスト液塗布ユニット(COT)または周辺露光装置それぞれのすぐ下段に隣接して冷却処理ユニットを配置すれば良い。下段に冷却処理ユニットを配置することにより、上段に配置する場合と比べて温度管理がしやすい。あるいは、レジスト液塗布ユニット(COT)または周辺露光装置のそれぞれのユニット外部に冷却ガス供給ノズルを設け、この冷却ガス供給ノズルから待機しているウエハWに対して冷却ガスを吹き付けても良い。
【0094】
尚、上記実施形態では、基板としてウエハWを例に挙げて説明したが、LCD基板等の他の基板にも本発明を適用することができる。
【0095】
また、本発明のシステム構成は上述した実施の形態に限定されることなく、本発明の技術思想の範囲内で様々な構成が考えられる。例えば、現像処理前の冷却を施す冷却処理ユニットと現像処理ユニットとの間のウエハWの搬送のタイミングを制御しても良い。このように、塗布または現像などの処理前に予め冷却処理が必要な場合に、搬送のタイミングを制御することにより、処理時間を短縮することができる。
【0096】
また図14に示すように、冷却処理ユニット(COL)6aからレジスト液塗布ユニット(COT)3までの搬送距離x1と冷却処理ユニット(COL)6bからレジスト液塗布ユニット(COT)3までの搬送距離x2とが異なる場合(例えばx1>x2)に、冷却処理ユニット(COL)6aにおけるウエハWの搬出からレジスト液塗布ユニット(COT)3におけるウエハWの搬入までの時間Tと冷却処理ユニット(COL)6bにおけるウエハWの冷却処理終了からレジスト液塗布ユニット(COT)3におけるウエハWの搬入までの時間Tとがほぼ一致するように、冷却処理ユニット(COL)6bにおけるウエハWの搬出搬出タイミングを所定時間T1遅らせてもよい。このような制御は、主として搬送装置制御装置126による搬送装置22の制御によって行われる。そして、このように搬送時間を制御することでウエハWの熱履歴をより均一なものとすることができ、膜厚等の管理をより正確に行うことが可能となる。なお、このような搬出タイミングを遅らせるのではなく、搬送装置の搬送速度を可変として、上述のような時間制御を行うようにしても構わない。例えば冷却処理ユニット(COL)6bからレジスト液塗布ユニット(COT)3へのウエハWの搬送速度を敢えて遅らせればよい。
【0097】
またウエハWの熱履歴の均一化の観点から、好ましくは、搬送装置制御装置126は、搬送装置22が加熱処理系のユニットから冷却処理ユニット(COL)へのウエハWの搬送と冷却処理ユニット(COL)からレジスト液塗布ユニット(COT)へウエハWの搬送とがほぼ同時期に行わなければならない場合には、加熱処理系のユニットから冷却処理ユニット(COL)へのウエハWの搬送を優先させた方がよい。加熱処理系のユニットでウエハWを待たせることは、熱履歴への悪影響が大だからである。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、レジスト液塗布処理または現像処理が施される処理ユニット内でのウエハ処理の終了時に、この処理ユニット前に次に処理されるウエハが待機されるように、冷却処理ユニットからのウエハの搬送のタイミングを制御することにより、処理時間を短縮し、スループットを良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る塗布現像処理システムの平面図である。
【図2】図1に示した塗布現像処理システムの正面図である。
【図3】図1に示した塗布現像処理システムの背面図である。
【図4】搬送装置の斜視図である。
【図5】冷却処理ユニットとレジスト液塗布ユニットとの間のウエハの搬送を説明する塗布現像処理システムの断面図である。
【図6】搬送装置制御装置を説明する図である。
【図7】搬送装置制御装置の動作を説明する図である。
【図8】レジスト液塗布ユニットと冷却処理ユニットとの間の搬送装置によるウエハWの搬送工程を示す図である。
【図9】従来と本実施形態における冷却処理ユニットとレジスト液塗布ユニットとの間でのウエハWの搬送のタイミングの違いを説明する図である。
【図10】ウエハ搬送体制御装置を説明する図である。
【図11】ウエハ搬送体制御装置の動作を説明する図である。
【図12】周辺露光装置とエクステンション・冷却処理ユニットとの間の搬送装置によるウエハWの搬送工程を示す図である。
【図13】従来と本実施形態におけるエクステンション・冷却処理ユニットと周辺露光装置との間でのウエハWの搬送のタイミングの違いを説明する図である。
【図14】本発明の他の実施形態を説明するための概略的断面図である。
【符号の説明】
1:露光現像処理システム
2:現像処理ユニット
3:レジスト液塗布ユニット
6:冷却処理ユニット
17:エクステンション・冷却処理ユニット
18:シャッタ部材
19:開口部
22:搬送装置
24:周辺露光装置
25:ウエハ搬送体
26:搬送装置制御装置
34:ウエハ搬送体制御装置
91、101:入力部
92、102:記憶部
96、106:制御部
COL:冷却処理ユニット
COT:レジスト液塗布ユニット
DEV:現像処理ユニット
EXTCOL:エクステンション・冷却処理ユニット
W:ウエハ

Claims (9)

  1. 基板に対して冷却処理を行う冷却処理ユニット部と、
    前記基板に対して加熱処理を行う加熱処理ユニット部と、
    前記冷却処理が行われた基板上に所定の液を供給して液処理を行う液処理ユニット部と、
    少なくとも前記冷却処理ユニット部から前記液処理ユニット部へ、及び前記加熱処理ユニット部から前記冷却処理ユニット部へ前記基板を搬送する搬送装置と、
    前記液処理ユニット部内での基板の液処理終了時に、次の液処理を行う基板が前記液処理ユニット部の前で待機するように、前記搬送装置による前記基板の搬送を制御する制御手段とを具備し
    前記制御手段は、前記加熱処理ユニット部から前記冷却処理ユニット部への基板の搬送を、前記冷却処理ユニット部から前記液処理ユニット部への前記基板の搬送よりも優先させて搬送するように前記搬送装置を制御することを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記制御手段には、前記液処理に要する液処理時間と、前記冷却処理ユニット部から前記液処理ユニット部までの前記搬送装置の移動に要する移動時間とが予め入力されており、
    前記制御手段は、
    前記液処理ユニット部内の基板の液処理の開始時間が入力されることにより、該開始時間と前記液処理時間とから液処理終了時間を算出し、
    前記液処理終了時間と前記移動時間とから、前記次の液処理を行う基板を搬送するための前記搬送装置の移動開始時間を算出し、
    前記移動開始時間を前記搬送装置に伝達することを特徴とする基板処理装置。
  3. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記液処理ユニット部は、前記基板を搬入及び搬出する開口部を有し、該開口部を塞ぐ開閉可能なシャッター部材を具備することを特徴とする基板処理装置。
  4. 請求項3に記載の基板処理装置において、
    前記液処理中では前記開口部は前記シャッター部材により塞がれ、前記液処理終了時に前記開口部は前記シャッター部材により開けられることを特徴とする基板処理装置。
  5. 少なくとも基板に対して冷却処理を行う第1の冷却処理ユニット部と、前記基板に対して加熱処理を行う加熱処理ユニット部とを含む処理ユニット部が多段に積み上げられた第1の処理ユニット群と、
    前記基板上に所定の液を供給して液処理を行う液処理ユニット部が多段に積み上げられた第2の処理ユニット群と、
    少なくとも前記第1の冷却処理ユニット部から前記液処理ユニット部へ、及び前記加熱処理ユニット部から前記第1の冷却処理ユニット部へ前記基板を搬送する搬送装置と、
    前記液処理ユニット部内での基板の液処理終了時に、次の液処理を行う基板が前記液処理ユニット部の前で待機するように、前記搬送装置による前記基板の搬送を制御する制御手段とを具備し、
    前記制御手段は、前記加熱処理ユニット部から前記第1の冷却処理ユニット部への基板の搬送を、前記第1の冷却処理ユニット部から前記液処理ユニット部への前記基板の搬送よりも優先させて搬送するように前記搬送装置を制御することを特徴とする基板処理装置。
  6. 請求項に記載の基板処理装置において、
    前記第1の冷却処理ユニット部とは異なる位置に配置され、基板に対して冷却処理を行う第2の冷却処理ユニット部を更に有し、
    前記制御手段は、前記第1の冷却処理ユニット部から前記液処理ユニット部へ基板を搬送する第1の時間と前記第2の冷却処理ユニット部から前記液処理ユニット部へ基板を搬送する第2の時間とがほぼ一致するように搬送装置を制御することを特徴とする基板処理装置。
  7. 請求項に記載の基板処理装置において、
    前記制御手段は、前記第1の時間と前記第2の時間とがほぼ一致するように、前記搬送装置が前記第1の冷却処理ユニット部から基板を搬出するタイミングと前記搬送装置が前記第2の冷却処理ユニット部から基板を搬出するタイミングとを制御することを特徴とする基板処理装置。
  8. 第1基板に対し、冷却処理ユニット部にて冷却処理を行う工程と、
    前記冷却処理が行われた第1基板上に対し、液処理ユニット部にて所定の液を供給して液処理を行う工程と、
    第2基板に対して前記冷却処理ユニット部にて冷却処理を行う工程と、
    第3基板に対して加熱処理ユニット部にて加熱処理を行う工程と、
    前記第1基板の液処理終了時に、前記冷却処理が行われた第2基板が前記液処理ユニット部前で待機するように、前記第2基板を搬送装置にて搬送する工程と、
    前記液処理ユニット部内から前記第1基板を搬出し、前記第2基板を前記液処理ユニット部内へ搬入する工程と、
    前記第1または第2基板に対する前記冷却処理ユニット部から前記液処理ユニット部への搬送よりも優先して、前記加熱処理された第3基板を前記加熱処理ユニット部から前記冷却処理ユニット部へ前記搬送装置にて搬送する工程と
    を具備することを特徴とする基板処理方法。
  9. 請求項に記載の基板処理方法において、
    前記液処理中に前記液処理ユニット部の開口部をシャッター部材により塞ぐ工程と、
    前記液処理終了時に前記開口部を塞いでいた前記シャッター部材を開く工程と
    を更に具備することを特徴とする基板処理方法。
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