JP3638717B2 - 凍結した食品に繊維質のシートを貼る方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、凍結した食品、特に冷凍パンに、シート、特に繊維質のシートを貼る方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、食生活が洋風化しパン類の消費量が増加するに従って、一度焼成したパン類を冷蔵もしくは冷凍保存し、販売店や外食産業店で電子レンジ等を用いて加熱し、消費者に供給することが増えてきている。
この種の電子レンジによる再加熱に依って食するパン(以下、レンジパンと略称する場合がある)に求められる性能として、保存性や食感があり、従来より、添加剤等を配合する方法を始めとして各種方法が提案されている。
一方、レンジパンの問題として、電子レンジによる再加熱の際に、パンの下部、即ちパンとターンテーブル(パンを皿等に載せターンテーブル上に置いた場合を含む)との接触面近辺が結露(水分吸収)し、食感が著しく損なわれるという欠点がある。従来、このようなレンジパンに特有の問題点を解決する手段は何ら提案されていない。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み案出されたものであり、本発明者らは、レンジパンに特有の電子レンジによる再加熱の際の結露を防止し、レンジパンの食感の改善を図るためには、レンジパンの下に繊維質のシートを付着させるのが有効であることを見出し、特許出願するに至った(特願平7−232955号)。
しかし、パンの一つ一つにシートを付着させるのは極めて手間のかかる作業であり、本発明者らは、かかる技術について更に研究を進めた結果、このような凍結した食品に繊維質のシートを貼る場合、シートに水または可食性粘着物質の水溶液を塗布し、これを凍結した食品に付着せしめることが、極めて簡便で且つ有効な方法であることを見出し、本発明を完成したものである。
即ち本発明は、搬入されてくる凍結した食品にシートを貼る方法であって、カッティングされたシートに水または可食性粘着物質の水溶液を塗布し、これを凍結した食品に付着せしめた後、シートと食品の接着性を向上させるために、押圧及び/又は急冷することを特徴とする方法、並びにこの方法に用いる装置に関するものである。
【0003】
尚、従来技術には、本発明と同等の技術は存在しない。例えば、ハンバーグパテを例にすれば、シート状に丸形に型打ちされたハンバーグパテは、製品そのものの粘着性から凍結前にセットされており、その製品を凍結することにより接着強度を増すものであり、本発明とは全く異なる技術に関するものである。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いる繊維質のシートとは、紙や不織布等の吸水性の良いシートであれば特に限定されないが、パンと接する面に比較的撥水性の高いシート(例えば不織布)を設け、反対側に親水性(吸水性)の良いシート(例えば紙)を設けた積層シートが好ましく用いられる。具体的には、平板状のシート、各種エンボス加工などを施したシートが使用される。また、繊維質のシートは、パンの下面の全部に付着させる必要はなく、パンの下面に単数または複数のシートを分散的に付着させることも可能であり、リング状のシートを用いることができる。
本発明においては、接着剤として水または可食性粘着物質の水溶液を用いることに特徴があり、凍結したパンに水または可食性粘着物質の水溶液が塗布されたシートが貼り付けられると同時に、水分は瞬時に凍結し、接着強度が付与される。即ち、本発明では、凍結時における接着強度は、可食性粘着物質自身の粘着性ではなく、水分の凍結を利用しているのである。
本発明で用いられる可食性粘着物質とは、グアーガム、アラビアガム、キサンタンガム等のガム剤、澱粉、各種増粘多糖類、糖類、オリゴ糖類、全卵、卵黄、卵白、ゼラチン等の蛋白質、穀物粉、粉乳類、及びそれらの分解物等であり、その水溶液をシートまたはパンの接触する面の全面あるいは一部に塗布し、凍らせて付着させる方法等がとられる。
【0005】
次に、本発明で言うパンとは、食パン、コッペパン、ロールパン、クロワッサン、アンパン等の菓子パン、及びハンバーガー、ホットドック、ハムサンド、トッピングチーズパン等の調理パン等のパン類を全て包含する。また、ケーキ台、ホットケーキ、カステラ等のケーキ類に用いてもよい。
尚、本発明のパンは、小麦粉を主成分とし、大麦、ライ麦、トウモロコシ粉、澱粉、卵、油脂、砂糖、乳成分、香料、乳化剤その他を含有するものであり、組成的には特に限定されるものではない。
本発明は、一般的なレンジパンに適用されるが、焼成後に冷凍保存される冷凍パンにも適用可能である。また本発明の技術は、本発明者らが前に提案した、焼成もしくは半焼成後または焼成中に嵩を減少させたパンを保存後、再加熱により嵩を復元させる(冷凍)圧縮パン(特願平7−53925号)に適用することも可能である。特に冷凍保存を伴うレンジパンの場合は、前述の電子レンジによる再加熱の際の結露が顕著なため、本発明の技術は特に効果的である。
【0006】
次に、図面を参照して本発明の方法及び装置を詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明の凍結した食品に繊維質のシートを貼る方法および装置を説明する図であり、図1及び図2は、パン底を上にした状態で搬送されてきたパンに、上側からシートを貼る例(以下、上貼り方式と言う)を示し、図3及び図4は、パン底を下にした状態で搬送されてきたパンに、下側からシートを貼る例(以下、下貼り方式と言う)を示す図である。
【0007】
本発明に用いる装置は、基本的に、連続する繊維質のシートをカッティングするロータリーカッターと、カッティングされたシートに水または可食性粘着物質の水溶液を塗布する塗布装置と、シートを食品に貼り付けるためのシート供給装置と、凍結した食品を搬送するコンベアと、押さえベルトおよび温度の低減装置とからなる食品の搬送装置とを組み合わせた装置である。
【0008】
図1に示すように、連続する繊維質のシート(原反1)は、蛇行調整を行った後にロータリーカッター2により所望する形状・大きさにカットされ、一定ピッチで搬送される。このカッティングされたシートに、塗布装置3にて前述の水または可食性粘着物質の水溶液を塗布する。次いで、バキュームドラム4により吸着され反転される。
一方、パン6は、パン底を上にした状態でコンベア5により、一定ピッチで搬送されてくる。パンとシートのピッチは同調されており、バキュームドラム4の下部でシートはパン底上に貼り付けられる。
但し、単にバキュームドラム4の下部でシートをパン底上に貼り付けても、水溶液の接着強度が不十分なことも考えられる。そこで、本発明ではシートと食品の接着性を向上させるために押圧したり、温度の低減手段(急冷手段)を設けたりすることが好ましい。具体的には、バキュームドラム4によるシート貼り付け工程の直後に、押さえベルト7を設置し、押圧する工程を設けるのが好ましい。更に、凍結したパンの温度によっては、水溶液の水分が瞬時には凍結しないことがあり、また凍結時間短縮の面からも、凍結補助手段を設けるのが好ましい。具体的には、押さえベルト7を出たシート付きパンを、搬送ライン中にある液体窒素凍結装置8内に入れ、シート上に液体窒素を滴下することにより瞬時に凍結補助を行うことができ、後工程によるシートの脱落を防止することが可能となる。
このような処理の施されたシート付きパンは、次工程の包装工程に送られる。
【0009】
又、図2に示すように、液体窒素凍結装置に代えて、ブライン入りスタンパ9により凍結補助を図ることもできる。即ち、搬送されてきたシート付きパンと、ブラインを通したスタンパを同期させ、瞬時の凍結を行うことができる。その他の機構は図1と同様でよい。
【0010】
次に、下貼り方式について説明する。
図3及び図4は、パン底を下にした状態で搬送されてきたパンに、下側からシートを貼る例を示すもので、基本的な考えかたは図1の場合と同様である。
但し、図1及び図2の場合とは異なり、下側からシートを貼るので、バキュームドラム4に代えてバキュームコンベア4’を使用する。
又、図4は、図3のスタンパ方式に代えてスチールベルトフリーザー10を採用し、効率的にシート下から急冷する例を示すものである。
【0011】
【発明の効果】
このようにして、本発明の技術は、以下の如き効果を有する。
(1) 冷凍時にシートがないので冷凍効率がアップする。
(2) 冷凍前にシート貼りの工程がないため、パンの搬送速度を高めることができるので、生産性が向上する。
(3) 冷凍後のパンが硬い状態でシート貼りが可能となるので、シート貼りの高速化を図ることができ、その結果、設備のコンパクト化が可能となる。
(4) 接着剤として用いられる可食性粘着物質は味覚上の問題から必要最小限とすることが要求されるが、冷凍前のシート貼りの場合、シートとパンの付着保持力が十分とならないことが多く、シートとパンのずれ防止対策からシート貼り装置以降の搬送速度に制約があるため、高速化ができない。これに対し、本発明の如き冷凍後のシート貼りの場合は、凍結による付着のため可食性粘着物質の使用を最小限にすることが可能であり、また水の利用もできるのでパンの風味を損なわないという利点もある。
(5) 圧縮冷凍時にシートがなく、パンと共に圧縮しないのでシートのエンボスをつぶすことなく、シートの性能をそのまま発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の凍結した食品に繊維質のシートを上貼り方式により貼る方法および装置を説明する図である。
【図2】 本発明の凍結した食品に繊維質のシートを上貼り方式により貼る方法の別の例および装置を説明する図である。
【図3】 本発明の凍結した食品に繊維質のシートを下貼り方式により貼る方法および装置を説明する図である。
【図4】 本発明の凍結した食品に繊維質のシートを下貼り方式により貼る方法の別の例および装置を説明する図である。
【符号の説明】
1 原反
2 ロータリーカッター
3 接着剤塗布装置
4 バキュームドラム
4’ バキュームコンベア
5 コンベア
6 パン
7 押さえベルト
8 液体窒素噴霧装置
9 ブライン入りスタンパ
10 スチールベルト
Claims (6)
- 搬入されてくる凍結した食品にシートを貼る方法であって、カッティングされたシートに水または可食性粘着物質の水溶液を塗布し、これを凍結した食品に付着せしめた後、シートと食品の接着性を向上させるために、押圧及び/又は急冷することを特徴とする方法。
- 可食性粘着物質が、グアーガム、アラビアガム、キサンタンガムより選ばれるガム剤、澱粉、増粘多糖類、糖類、オリゴ糖類、全卵、卵黄、卵白、ゼラチンより選ばれる蛋白質、穀物粉、粉乳類、及びそれらの分解物より選ばれるものである請求項1記載の方法。
- 凍結した食品が、パンである請求項1又は2記載の方法。
- パンが、焼成もしくは半焼成後または焼成中に嵩を減少させたものである請求項3記載の方法。
- シートが繊維質のシートである請求項1〜4の何れか1項記載の方法。
- 連続する繊維質のシートをカッティングするロータリーカッターと、カッティングされたシートに水または可食性粘着物質の水溶液を塗布する塗布装置と、シートを食品に貼り付けるためのシート供給装置と、凍結した食品を搬送するコンベアと、押さえベルトおよび温度の低減装置とからなる食品の搬送装置とを組み合わせた、凍結した食品にシートを貼るための装置。
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JP13651196A JP3638717B2 (ja) | 1996-05-30 | 1996-05-30 | 凍結した食品に繊維質のシートを貼る方法および装置 |
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JPH09313153A JPH09313153A (ja) | 1997-12-09 |
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1996
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