JP3638665B2 - 歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、歯科診療において使用される歯科治療用椅子又は歯科用ユニットに付設される歯科用トレーテーブルを保持するための回転アームを歯科治療用椅子に設置されている支持部材又は歯科用ユニットに立設されている軸に対して回転自在に取り付けると共にその回転動作を制限及び/又は停止させるための歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
歯科診療において使用される歯科治療用インスツルメント類や薬瓶等を載置しておくための歯科用トレーテーブルを歯科治療設備に組み付けて配備する方式には、従来二つの方式が存在している。
【0003】
その一つはオーバーアーム式と呼ばれるものであって、歯科治療用椅子の左側に設置されている歯科用ユニットに立設されている固定軸又は上部先端に無影灯が配置されている丸棒状のスタンド部材の中間位置に回転自在に装着されている第1回転アームの先端に歯科用トレーテーブルを保持する第2回転アームが回転自在に装着されていて、これらの回転アームを歯科治療用椅子に座る患者の上を横断させて患者の右側に位置する歯科医師等の術者の近傍に歯科用トレーテーブルを位置させることができる方式のものである。
【0004】
他の一つの方式はスライド式と呼ばれるものであって、患者が座る歯科治療用椅子の右側の基底部に沿って前後方向(患者の体に沿う方向)にスライド可能に装着されている支持部材に固定突設されている軸(支持部材の形状は種々存在し、軸が歯科用トレーテーブルの下側近傍にあるような高さの高いものである場合と歯科用トレーテーブルから離れた下方にあるような高さの低いものである場合とがある)に歯科用トレーテーブルを保持する回転アームが回転自在に装着されている方式のものであり、術者が支持部材を介して歯科治療用椅子の右側に沿ってトレーテーブルをスライドさせながら手元へ引き寄せて使用するものである。
【0005】
これら両方式において歯科用トレーテーブルはいずれもその歯科用トレーテーブルを保持するための回転アームが歯科治療用椅子に設置されている支持部材又は歯科用ユニットに立設されている軸に対して回転自在に取り付けられている。即ち、オーバーアーム式の場合には、通常、スタンド部材と第1回転アームとの連結部,第1回転アームと第2回転アームとの連結部,第2回転アームと歯科用トレーテーブルとの連結部の3箇所において相互に回転可能な連結方法が採用されていて、しかも第1回転アームと第2回転アームとの少なくとも一方が上下動も行うことができるようになっている。また、スライド式の場合には、支持部材と回転アームとの連結部,回転アームと歯科用トレーテーブルとの連結部の2箇所において相互に回転可能な連結方法が採用されているのである。
【0006】
そして、オーバーアーム式の場合には前述した構成から上下動を行うことができる第1回転アーム及び/又は第2回転アームの基端側が上下方向と水平方向の両方向に移動できる自在継手で連結部されているため、歯科用トレーテーブルの移動を終えて手を離した位置(空間における立体的な位置)で歯科用トレーテーブルは維持された状態とになり、スライド式の場合には支持部材が椅子の右側の基底部に沿ってスライドしながら平行移動するので、手を離したその位置で歯科用トレーテーブルは維持されることになる。また、これら移動時に歯科用トレーテーブルが直接連結される第2回転アーム(オーバーアーム式の場合)又は回転アーム(スライド式の場合)に対して歯科用トレーテーブルが回転しないようになっていると位置決めや移動が楽であり、しかも一度歯科用トレーテーブルの位置を決めたら動かないようにしておくことが術者にとって診療や治療などの一連の流れを妨げないので好ましいのである。
【0007】
そのためこのようないずれの方式においても回転可能にされている連結部には連結される部材の回転を制限及び/又は停止させるための機構が装備されており、更に支持部材や回転アーム部材の中には歯科用インスツルメント類への電気,水及び圧縮空気等を供給する電線や管類が配備されているため、それらを傷付けないという配慮から空間にゆとりを持たせてあるので連結部の外形形状は大仰なものとなってしまうのである。そして、連結部に装備されていて連結される部材の回転を制限及び/又は停止させるための機構としては、通常小型化し難い次の2通りの方式が採用されている。
即ち、一つの方式は外接ブロックブレーキ式,帯ブレーキ式等の強く部材同士を擦り合わせてその摩擦力により連結される部材の回転を制限及び/又は停止させる方式のものであり、他の一つの方式は噛み合いクラッチ方式やギヤー方式等の両方の部材の凹凸を噛み合わせることで連結される部材の回転を制限及び/又は停止させる方式のものである。
【0008】
しかし前者の方式では、連結される部材の回転を制限及び/又は停止させるための制動トルクを得るために大きな押付け力を必要とし、更に連結される部材の回転の制限及び/又は停止の解除に際しても部材同士が完全に接触しないようにしておかないとブレーキ部材の磨耗が早まったり動きが滑らかに行かないなどの問題が起きてしまうので、これら機構自体を大仰なものにせざるを得ないという欠点があった。
また後者の方式では、噛み合いクラッチ方式やギヤー方式等では凹凸の噛み合わせを採用しているため、停止位置(角度)が段階的に限定されてしまうので、歯科用トレーテーブルを任意の角度(無段階)の位置に停止させることができないという欠点があった。
【0009】
そして、これら両方式とも連結される部材の回転を制限及び/又は停止させた場合には、連結される部材同士はいずれの向き(時計回り及び反時計回り)にも動き難いか又は動かないものとなってしまうので、非常時において事故を誘発する可能性があるという欠点があった。
更に、このような欠点を除去するために連結される部材の回転を制限及び/又は停止させた状態でも連結される部材同士が比較的容易に動くか、又は連結される部材の回転を制限及び/又は停止させた状態にできない構成にすると、特にスライド式の場合には歯科用トレーテーブルが容易に回転して支持部材を椅子の右側の基底部に沿ってスライドさせて平行移動させ難いという欠点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述した従来装置における欠点を除去し、大きな押付け力を必要とすることなしに連結される部材の回転を制限及び/又は停止させるための制動トルクを得られ、しかもその機構全体をコンパクトにまとめることが可能であり、歯科用トレーテーブルを無段階で任意の角度の位置に停止させることができ、そしてその停止させた状態において一方向には回転し難いがその反対方向へは小さな力で容易に回転させ得るようにすることもできる歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者はかかる課題を解決すべく鋭意検討した結果、歯科用ユニット又は歯科治療用椅子を構成する部材に立設されており環状のブレーキリング部が設けられている軸に歯科用トレーテーブルを保持するために回転自在に取り付けられている回転アームの取付平面上に、該ブレーキリング部の周面と対向していて該ブレーキリング部の周面との間隔が単調に変化する対向面を有するベース部材と、該ベース部材に中間部所定位置に配備されている支点が装着されており該ブレーキリング部の周面と該ベース部材の対向面とで形成された間隙内で移動する円筒状のローラーを回転自在に支持するローラー軸が一端に取り付けられているアーム部材と、一端が回転アームの取付平面に突設されている取付突起にまた他端が前記アーム部材の中間部所定位置に立設されている支持棒にそれぞれ取り付けられていて前記アーム部材の支点を挟んでローラーと反対側の他端の当接部をアクチュエーターの摺動棒に当接させる力を付与させる弾性部材と、該弾性部材が付与する力に逆らって該支点を中心として前記アーム部材を回転させる力を前記アーム部材の当接部に加える摺動棒を備えたアクチュエーターとが配備されており、該アクチュエーターが作動した状態又は作動しない状態で該ローラーの周面が前記ブレーキリング部の周面及び前記ベース部材の対向面に同時に当接する位置が前記間隙内に存在している構造とすれば、前記課題を解決できることを究明して本発明を完成したのである。
【0012】
そして前述したような構造において、ローラーの周面がブレーキリング部の周面及びベース部材の対向面に同時に当接した際に更にローラーの周面が当接するストッパー面がベース部材に設けられていたり、ブレーキリング部の周面に対するベース部材の対向面の距離を微調整可能とする位置調整機構を有していたりすれば好ましく、更に回転アームが軸を中心として時計方向と反時計方向とにいずれの方向に回転してもローラーの周面がブレーキリング部の周面及びベース部材の対向面に同時に当接する位置が該ブレーキリング部の周面と該ベース部材の対向面とで形成された間隙内に存在するようにベース部材とアーム部材と弾性部材とアクチュエーターとから成る組が2組配備されていれば回転アームがいずれの方向に回転する場合でも回転アームの回転制御が可能で、この場合に1個のベース部材にブレーキリング部の周面との間隔が単調に増加する対向面と単調に減少する対向面とが設けられていてベース部材が1個だけ配備されていたり、1個のアクチュエーターに弾性部材が付与する力に逆らって支点を中心としてアーム部材を回転させる力を当接部に加える摺動棒が2本設けられていてアクチュエーターが1個だけ配備されていたりすれば構造を小型化できてより好ましいことも究明したのである。
【0013】
【実施例】
以下、図面により本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構について詳細に説明する。
図1は歯科用トレーテーブルを歯科治療設備に組み付ける方式がスライド式の場合における本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構の1実施例の構成を示す説明用斜視図、図2は図1における各要素の配置及びアーム部材とアクチュエーターの動作を示す平面説明図、図3は図1における各要素の位置関係を説明するための部分拡大平面説明図、図4はブレーキリング部の周面に対するベース部材の対向面の配置が図2と逆の場合の他の実施例における図2に相当する平面説明図である。
【0014】
図面中、1は歯科診療において使用される歯科治療用椅子又は歯科用ユニットを構成する部材に立設されている軸であり、図1に示した実施例は歯科用トレーテーブルを歯科治療設備に組み付ける方式がスライド式の場合であって歯科治療用椅子の右側の基底部に沿って前後方向にスライド可能に装着されている支持部材に固定突設されている軸1が歯科用トレーテーブルの下側近傍にある場合である。この軸1はその内部に配線及び配管がなされるため中空となっているのが普通である。
【0015】
2は軸1の外周に一体に又は別部材として配備される硬質部材で構成されているブレーキリング部であり、図1に示す実施例では別部材として設定されていて止めネジ2aによって軸1に固定される場合の例を示している。このブレーキリング部2の胴長は10〜20mm程度あれば充分にその役割を果たし得るものであり、この意味においては図1に示す実施例のようにブレーキリング部2を別部材としないで軸1の一部の周面をそのままブレーキリング部2として利用可能であることは言うまでもない。
【0016】
3は一端が軸1に回転自在に取り付けられていて、他端に歯科用トレーテーブル(図示なし)又は歯科用トレーテーブルを保持する回転アームを取り付けるための取付部3bを有している回転アームである。図1に示した実施例では前述したように歯科用トレーテーブルを歯科治療設備に組み付ける方式がスライド式の場合であって歯科治療用椅子の右側の基底部に沿って前後方向にスライド可能に装着されている支持部材に固定突設されている軸1が歯科用トレーテーブルの下側近傍にある場合であるので前記取付部3bには歯科用トレーテーブルの下面に突設される軸が回転自在に取り付けられるのであるが、歯科用トレーテーブルを歯科治療設備に組み付ける方式がスライド式の場合であっても歯科治療用椅子の右側の基底部に沿って前後方向にスライド可能に装着されている支持部材に固定突設されている軸1が歯科用トレーテーブルから離れた下方にある場合には前記取付部3bには歯科用トレーテーブルの底部から下方に垂下された長さの長い軸の端部が取り付けられることになり、また歯科用トレーテーブルを歯科治療設備に組み付ける方式がオーバーアーム式の場合にはこの回転アーム3が従来技術の項で説明した第1回転アームとして使用されて前記取付部3bに従来技術の項で説明した第2回転アームが取り付けられていてその先に歯科用トレーテーブルが取り付けられる場合と、この回転アーム3が前記第2回転アームとして使用されて軸1が前記第1回転アームの先端に固定突設されている軸であって前記取付部3bに歯科用トレーテーブルが取り付けられる場合とがある。
そして、いずれの場合でもこの回転アーム3内の軸1側には本発明の要部をなす回転制御機構の諸部材を取り付け配備するための取付平面3aを有している。
【0017】
4は一端に後述するアクチュエーター8の摺動棒8aの先端部に当接する当接部4aが設けられ、他端である軸1側の端部に円筒状のローラー4fを回転自在に支持するためのローラー軸4eの下端が取り付けられており、支点4dが中間部所定位置に配備されているアーム部材である。このアーム部材4はその中間部所定位置に立設されている支持棒4bの上端にローラー支持アーム4cの一端が固設されていて、このローラー支持アーム4cの他端である軸1側の端部にローラー4fを回転自在に支持するためのローラー軸4eの上端が取り付けられている態様であることが好ましく、この場合にアーム部材4の中間部所定位置に配備されている支点4dがローラー支持アーム4cにも連結されていることが好ましい。
ローラー4fの大きさはブレーキリング部2の大きさ(直径)との関係において設定されるものであるが、直径が5〜20mmで胴長が8〜30mm程度であれば充分である。またローラー4fに用いる素材は金属が好ましいが、硬質ゴム質系材料及び硬質樹脂系材料のものを用いることもできる。
【0018】
5は一端が回転アーム3の取付平面3aに突設されている取付突起5aにまた他端がアーム部材4の中間部所定位置に立設されている支持棒4b又は4gにそれぞれ取り付けられている弾性部材である。この弾性部材5は、一方においては前記アーム部材4の支点4dを挟んでローラー4fと反対側の他端の当接部4aを後述するアクチュエーター8の摺動棒8aに当接させる力を付与させ、他方においてはローラー4fをブレーキリング部2の側面に押し当てておくために配備されているものであり、図示した実施例ではアーム部材4の当接部4aをアクチュエーター8の摺動棒8aに当接させるように引き付ける引張コイルバネであるが、取付突起5aやアクチュエーター8の設置位置によってはアーム部材4の当接部4aをアクチュエーター8の摺動棒8aに当接させるように押し付ける圧縮コイルバネやゴム材等を用いれば良い。
【0019】
6は回転アーム3の取付平面3a上の軸1近傍に2乃至3個程度のベース止めネジ6aで固定されているベース部材であり、このベース部材6と回転アーム3の取付平面3aとの間にはアーム部材4が通るように隙間が設けられている。また、このベース部材6には前述のアーム部材4の支点4dが装着されていて、しかしてアーム部材4は支点4dを中心として(上側のローラー支持アーム4cが存在する場合には下側のアーム部材4と上側のローラー支持アーム4cとでベース部材6を挟む形で)揺動を行うことができるのである。そして、ベース部材6の軸1側には角柱の内部に食い込むような凹部が設けられており、このベース部材6の凹部のブレーキリング部2の周面と対向していてブレーキリング部2の周面との間隔が単調に変化する対向面6bとブレーキリング部2の周面とで形成された間隙内にローラー4fが位置しており、そして弾性部材5により付与される力でローラー4fが常にこの間隙の狭い側へ押しやられるような力が加えられているのである。この間隙内には後述するアクチュエーター8が作動した状態又は作動しない状態においてローラー4fの周面がブレーキリング部2の周面及びベース部材6の対向面6bに同時に当接する位置が存在していることが必要であり、ローラー4fの周面がブレーキリング部2の周面及びベース部材6の対向面6bに同時に当接した状態でローラー4fが前記間隙の狭い側へ更に押しやられて前記間隙の広い側へ戻らなくなる現象が生じないようにベース部材6の前記凹部にローラー4fの周面が当接するストッパー面6cが設けられていることが好ましい。
【0020】
7はブレーキリング部2の周面に対するベース部材6の対向面6bの距離を微調整可能とする位置調整機構を構成するために、回転アーム3の取付平面3a上に据え付けられており、貫通ネジ孔に螺合されている調整ネジ7aによりベース部材6の側面を押圧するための調整ネジ取付台7である。即ち、前述した如くアクチュエーター8が作動した状態又は作動しない状態においてローラー4fの周面がブレーキリング部2の周面及びベース部材6の対向面6bに同時に当接する位置が存在し、更に好ましくはその位置においてストッパー面6cにも当接するようにするためにベース部材6のブレーキリング部2の周面に対する位置関係を若干調整する必要がある場合に、ベース部材6の側面を調整ネジ7aで押圧してブレーキリング部2の周面に対するベース部材6の対向面6bの距離を微調整可能とする位置調整機構を構成するためのものである。この位置調整機構は、ベース部材6を回転アーム3の取付平面3a上に固定するためのベース止めネジ6a用としてベース部材6に貫通穿設されているネジ孔をベース止めネジ6aの直径より若干大きくしておいて遊びを生じさせておいて、ベース止めネジ6aを取付平面3aに仮締めしておいて調整ネジ7aを前後に移動することで、ベース部材6と支点4dによりベース部材6と一緒に移動するアーム部材4の先端に取り付けられているローラー4fとがその位置を微調整されるのである。
【0021】
8は弾性部材5が付与する力に逆らってアーム部材4の支点4dを挟んでローラー4fと反対側の他端の当接部4aを押圧して支点4dを中心としてアーム部材4を回転させる力を加える摺動棒8aを備えたアクチュエーターであり、図1に示したアクチュエーター8は圧縮空気用ノズル8bから供給される圧縮空気により摺動棒8aが押し出される圧縮空気動作型のものであるが、その目的機能から電動モーターを使用したり電磁式の摺動部材を有するアクチュエーターを使用できることは言うまでもない。
このアクチュエーター8は、通常歯科用トレーテーブルに設けられている把持用の把手近傍にその作動用スイッチが設けられている。
【0022】
【作用】
上記した如き構成の本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構について、図面に基づいて説明する。
先ず図3におけるようにベース部材6とアーム部材4と弾性部材5とアクチュエーター8とから成る本発明回転制御機構が1組だけに配備されている状態を想定する。この図3における状態では回転アーム3は反時計回りには回転し難いか又は回転しない状態となっている。何故ならアクチュエーター8が作動していない状態では弾性部材5により付与され力によりアーム部材4は支点4dを中心として回転してローラー4fの周面がブレーキリング部2の周面及びベース部材6の対向面6bに(図3では更にストッパー面6cにも)同時に当接する位置に位置されているから、回転アーム3を反時計回りに動かそうとするとローラー4fの周面とブレーキリング部2の周面及びベース部材6の対向面6bとの間の抵抗によってその回転が阻止されるからである。
また図示はしないが、これが図3とは反対側だけに本発明回転制御機構が配備されている場合には逆の現象となることは言うまでもない。
【0023】
また図2及び図4に示す態様は、回転アーム3が軸1を中心として時計方向と反時計方向とにいずれの方向に回転してもローラー4fの周面がブレーキリング部2の周面及びベース部材6の対向面6bに同時に当接する位置がブレーキリング部2の周面とベース部材6の対向面6bとで形成された間隙内に存在するようにベース部材6とアーム部材4と弾性部材5とアクチュエーター8とから成る組が2組配備されている態様であり、このような態様でアクチュエーター8が作動せしめられていない状態では弾性部材5により付与される力によりアーム部材4が支点4dを中心として一端に取り付けられているローラー軸4eに回転自在に支持されている円筒状のローラー4fの周面がブレーキリング部2の周面及びベース部材6の対向面6bに同時に当接する位置(つまりブレーキリング部2の周面とベース部材6の対向面6bとで形成された間隙内でローラー4fがより狭い側に押し込まれた状態)にあり、他端の当接部4aがアクチュエーター8の摺動棒8aの先端部に当接しているか又はアクチュエーター8の摺動棒8aの先端部との間に空隙が生じている状態にあるので、回転アーム3は時計回りにも反時計回りにも回転できない状態(図2中のローラー4fやアーム部材4の実線位置の状態)にある。そして、アクチュエーター8が例えば圧縮空気動作型である場合には圧縮空気用ノズル8bを通じて圧縮空気がアクチュエーター8内に送り込まれると摺動棒8bが押し出されてきてアーム部材4が支点4dを中心として回転せしめられてローラー4fやアーム部材4が二点鎖線の位置に移動されるのである。この状態では前述した状態とは逆にブレーキリング部2の周面とベース部材6の対向面6bとで形成された間隙の広い側にローラー4fが移動せしめらてローラー4fの周面は少なくともベース部材6の対向面6bには当接しなくなるので、制御が解除されて回転アーム3は時計回りにも反時計回りにも回転できる状態となるのである。
【0024】
前記した実施例においては、アクチュエーター8が作動していない状態(つまり歯科治療装置を使用していない時やアクチュエーター8の作動スイッチを切っている時)では回転アーム3の回転が制限及び/又は停止されているのが通常の状態であるが、この実施例とは逆の状態にすることも可能である。即ち、アクチュエーター8が作動している状態(つまり歯科治療装置を使用していない時やアクチュエーター8の作動スイッチを切っている時)では回転アーム3の回転が制限及び/又は停止されておらず回転アーム3の回転が自在な状態とすることができるのである。これらのことは、弾性部材5やアクチュエーター8の動作を反対にしたりすることで容易に成し得ることである。そして、これらのいずれを選ぶかは術者の好みにより対応することが可能である
【0025】
【発明の効果】
以上に詳述した如く本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構は、外接ブロックブレーキ方式、帯ブレーキ方式等のように回転アームの回転を制限及び/又は停止させるための制動トルクを得る大きな押し付け力を必要とはせず、更に回転アームの回転を制限及び/又は停止させない状態においては回転アームの回転を制限及び/又は停止させるための制動用の部材同士(ローラーとブレーキリング部及びベース部材)を完全に接触しないようにすることも可能であり、仮に接触しても制動用の部材としてローラーを使用していてこのローラーは一つの部材のみに接触しているだけであるから磨耗して使えなくなってしまうこともなく、また当然のことながら回転アームの回転を制限及び/又は停止させない状態に移行させる動作も円滑で且つその状態では回転アームの回転は滑らかに行くのである。
【0026】
また、本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構を実現するためにはそれほど大きな空間を必要としないし、前述したような問題も解消されているため機構自体を小型化することが可能で、配線や配管の邪魔になるような設計上の制約が殆どないのである。更に、噛み合いクラッチ方式やギヤー方式等の如く凹凸の噛み合わせのため停止位置(角度)が段階的になるという欠点は、本発明では回転アームを所望の停止位置(角度)になるように回転させた後にブレーキリング部の周面とベース部材の対向面とで形成された間隙内でローラーの周面がブレーキリング部の周面及びベース部材の対向面に同時に当接する位置に来るようにローラーを移動させて回転アームの回転を制限及び/又は停止させるので、歯科用トレーテーブルを任意の角度に無段階で保持させることができるのである。
【0027】
このような本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構において、ローラーの周面がブレーキリング部の周面及びベース部材の対向面に同時に当接した際に更にローラーの周面が当接するストッパー面がベース部材に設けられていると、動作の確実性がより向上し、またブレーキリング部の周面に対するベース部材の対向面の距離を微調整可能とする位置調整機構を有していれば最適な動作を行えるように簡単に調整することも可能となるのである。
【0028】
そして、このような本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構は、回転アームの一方向の回転についてのみその回転を制限及び/又は停止させるように配備しても、また回転アームが軸を中心として時計方向と反時計方向とにいずれの方向に回転してもその回転を制限及び/又は停止させるようにベース部材とアーム部材と弾性部材とアクチュエーターとから成る組が2組配備しても良く、前者の場合や後者において一方のアクチュエーターを作動させたままの状態で維持できるようにした場合には一方のローラーの周面のみがブレーキリング部の周面及びベース部材の対向面に同時に当接しているだけであるので回転アームは一方向には容易に回転させることができるから、アクチュエーターを作動せしめなくても回転アームを回転させて非常時等における事故を未然に防止できるようになり、特にスライド式の場合に歯科治療用椅子を上昇させる際に歯科用トレーテーブルと歯科治療用椅子又は患者とが接触する危険性がある場合などに歯科用トレーテーブルを回転させることが可能となるのである。また後者の場合に、両方のアクチュエーターを図2及び図4に示すように作動させない状態で維持できるようにした場合には各組のローラーの周面がブレーキリング部の周面及びベース部材の対向面に同時に当接していて回転アームはいずれの方向にも回転できないので、特にスライド式の場合に歯科用トレーテーブルを歯科治療用椅子に沿って容易にスライドさせることができるのである。
【0029】
このように本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構は、1組だけ設けた場合又は2組設けるが一方の組のみアクチュエーターを作動できる構成とすれば、回転アームを一方のみは比較的容易に回転できるように維持させることが可能であり、2組設けて両方の組共アクチュエーターが同時に作動する構成とすれば、回転アームを全く回転できないように又は回転できるように維持させることが可能であり、使用態様に合わせて適宜使い分けが可能である。
【0030】
そして、本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構を2組設ける場合に、1個のベース部材にブレーキリング部の周面との間隔が単調に増加する対向面と単調に減少する対向面とを設けたり、1個のアクチュエーターに弾性部材が付与する力に逆らって支点を中心としてアーム部材を回転させる力を当接部に加える摺動棒が2本設けたりすれば、ベース部材やアクチュエーターの配備個数を1個にして構造の小型化も可能となるのである。
【0031】
以上述べたように、本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構は、歯科診療において重要な役割を果たす歯科用トレーテーブルの位置決めのための回転制御を小型の機構でなし得るようにしたものであり、歯科医療分野に貢献するところの非常に大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】歯科用トレーテーブルを歯科治療設備に組み付ける方式がスライド式の場合における本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構の1実施例の構成を示す説明用斜視図である。
【図2】図1における各要素の配置及びアーム部材とアクチュエーターの動作を示す平面説明図である。
【図3】図1における各要素の位置関係を説明するための部分拡大平面説明図である。
【図4】ブレーキリング部の周面に対するベース部材の対向面の配置が図2と逆の場合の他の実施例における図1に相当する平面説明図である。
【符号の説明】
1 軸
2 ブレーキリング部
2a 止めネジ
3 回転アーム
3a 取付平面
3b 取付部
4 アーム部材
4a 当接部
4b 支持棒
4c ローラー支持アーム
4d 支点
4e ローラー軸
4f ローラー
4g 支持棒
5 弾性部材
5a 取付突起
6 ベース部材
6a ベース止めネジ
6b 対向面
6c ストッパー面
7 調整ネジ取付台
7a 調整ネジ
8 アクチュエーター
8a 摺動棒
8b 圧縮空気用ノズル
【産業上の利用分野】
本発明は、歯科診療において使用される歯科治療用椅子又は歯科用ユニットに付設される歯科用トレーテーブルを保持するための回転アームを歯科治療用椅子に設置されている支持部材又は歯科用ユニットに立設されている軸に対して回転自在に取り付けると共にその回転動作を制限及び/又は停止させるための歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
歯科診療において使用される歯科治療用インスツルメント類や薬瓶等を載置しておくための歯科用トレーテーブルを歯科治療設備に組み付けて配備する方式には、従来二つの方式が存在している。
【0003】
その一つはオーバーアーム式と呼ばれるものであって、歯科治療用椅子の左側に設置されている歯科用ユニットに立設されている固定軸又は上部先端に無影灯が配置されている丸棒状のスタンド部材の中間位置に回転自在に装着されている第1回転アームの先端に歯科用トレーテーブルを保持する第2回転アームが回転自在に装着されていて、これらの回転アームを歯科治療用椅子に座る患者の上を横断させて患者の右側に位置する歯科医師等の術者の近傍に歯科用トレーテーブルを位置させることができる方式のものである。
【0004】
他の一つの方式はスライド式と呼ばれるものであって、患者が座る歯科治療用椅子の右側の基底部に沿って前後方向(患者の体に沿う方向)にスライド可能に装着されている支持部材に固定突設されている軸(支持部材の形状は種々存在し、軸が歯科用トレーテーブルの下側近傍にあるような高さの高いものである場合と歯科用トレーテーブルから離れた下方にあるような高さの低いものである場合とがある)に歯科用トレーテーブルを保持する回転アームが回転自在に装着されている方式のものであり、術者が支持部材を介して歯科治療用椅子の右側に沿ってトレーテーブルをスライドさせながら手元へ引き寄せて使用するものである。
【0005】
これら両方式において歯科用トレーテーブルはいずれもその歯科用トレーテーブルを保持するための回転アームが歯科治療用椅子に設置されている支持部材又は歯科用ユニットに立設されている軸に対して回転自在に取り付けられている。即ち、オーバーアーム式の場合には、通常、スタンド部材と第1回転アームとの連結部,第1回転アームと第2回転アームとの連結部,第2回転アームと歯科用トレーテーブルとの連結部の3箇所において相互に回転可能な連結方法が採用されていて、しかも第1回転アームと第2回転アームとの少なくとも一方が上下動も行うことができるようになっている。また、スライド式の場合には、支持部材と回転アームとの連結部,回転アームと歯科用トレーテーブルとの連結部の2箇所において相互に回転可能な連結方法が採用されているのである。
【0006】
そして、オーバーアーム式の場合には前述した構成から上下動を行うことができる第1回転アーム及び/又は第2回転アームの基端側が上下方向と水平方向の両方向に移動できる自在継手で連結部されているため、歯科用トレーテーブルの移動を終えて手を離した位置(空間における立体的な位置)で歯科用トレーテーブルは維持された状態とになり、スライド式の場合には支持部材が椅子の右側の基底部に沿ってスライドしながら平行移動するので、手を離したその位置で歯科用トレーテーブルは維持されることになる。また、これら移動時に歯科用トレーテーブルが直接連結される第2回転アーム(オーバーアーム式の場合)又は回転アーム(スライド式の場合)に対して歯科用トレーテーブルが回転しないようになっていると位置決めや移動が楽であり、しかも一度歯科用トレーテーブルの位置を決めたら動かないようにしておくことが術者にとって診療や治療などの一連の流れを妨げないので好ましいのである。
【0007】
そのためこのようないずれの方式においても回転可能にされている連結部には連結される部材の回転を制限及び/又は停止させるための機構が装備されており、更に支持部材や回転アーム部材の中には歯科用インスツルメント類への電気,水及び圧縮空気等を供給する電線や管類が配備されているため、それらを傷付けないという配慮から空間にゆとりを持たせてあるので連結部の外形形状は大仰なものとなってしまうのである。そして、連結部に装備されていて連結される部材の回転を制限及び/又は停止させるための機構としては、通常小型化し難い次の2通りの方式が採用されている。
即ち、一つの方式は外接ブロックブレーキ式,帯ブレーキ式等の強く部材同士を擦り合わせてその摩擦力により連結される部材の回転を制限及び/又は停止させる方式のものであり、他の一つの方式は噛み合いクラッチ方式やギヤー方式等の両方の部材の凹凸を噛み合わせることで連結される部材の回転を制限及び/又は停止させる方式のものである。
【0008】
しかし前者の方式では、連結される部材の回転を制限及び/又は停止させるための制動トルクを得るために大きな押付け力を必要とし、更に連結される部材の回転の制限及び/又は停止の解除に際しても部材同士が完全に接触しないようにしておかないとブレーキ部材の磨耗が早まったり動きが滑らかに行かないなどの問題が起きてしまうので、これら機構自体を大仰なものにせざるを得ないという欠点があった。
また後者の方式では、噛み合いクラッチ方式やギヤー方式等では凹凸の噛み合わせを採用しているため、停止位置(角度)が段階的に限定されてしまうので、歯科用トレーテーブルを任意の角度(無段階)の位置に停止させることができないという欠点があった。
【0009】
そして、これら両方式とも連結される部材の回転を制限及び/又は停止させた場合には、連結される部材同士はいずれの向き(時計回り及び反時計回り)にも動き難いか又は動かないものとなってしまうので、非常時において事故を誘発する可能性があるという欠点があった。
更に、このような欠点を除去するために連結される部材の回転を制限及び/又は停止させた状態でも連結される部材同士が比較的容易に動くか、又は連結される部材の回転を制限及び/又は停止させた状態にできない構成にすると、特にスライド式の場合には歯科用トレーテーブルが容易に回転して支持部材を椅子の右側の基底部に沿ってスライドさせて平行移動させ難いという欠点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述した従来装置における欠点を除去し、大きな押付け力を必要とすることなしに連結される部材の回転を制限及び/又は停止させるための制動トルクを得られ、しかもその機構全体をコンパクトにまとめることが可能であり、歯科用トレーテーブルを無段階で任意の角度の位置に停止させることができ、そしてその停止させた状態において一方向には回転し難いがその反対方向へは小さな力で容易に回転させ得るようにすることもできる歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者はかかる課題を解決すべく鋭意検討した結果、歯科用ユニット又は歯科治療用椅子を構成する部材に立設されており環状のブレーキリング部が設けられている軸に歯科用トレーテーブルを保持するために回転自在に取り付けられている回転アームの取付平面上に、該ブレーキリング部の周面と対向していて該ブレーキリング部の周面との間隔が単調に変化する対向面を有するベース部材と、該ベース部材に中間部所定位置に配備されている支点が装着されており該ブレーキリング部の周面と該ベース部材の対向面とで形成された間隙内で移動する円筒状のローラーを回転自在に支持するローラー軸が一端に取り付けられているアーム部材と、一端が回転アームの取付平面に突設されている取付突起にまた他端が前記アーム部材の中間部所定位置に立設されている支持棒にそれぞれ取り付けられていて前記アーム部材の支点を挟んでローラーと反対側の他端の当接部をアクチュエーターの摺動棒に当接させる力を付与させる弾性部材と、該弾性部材が付与する力に逆らって該支点を中心として前記アーム部材を回転させる力を前記アーム部材の当接部に加える摺動棒を備えたアクチュエーターとが配備されており、該アクチュエーターが作動した状態又は作動しない状態で該ローラーの周面が前記ブレーキリング部の周面及び前記ベース部材の対向面に同時に当接する位置が前記間隙内に存在している構造とすれば、前記課題を解決できることを究明して本発明を完成したのである。
【0012】
そして前述したような構造において、ローラーの周面がブレーキリング部の周面及びベース部材の対向面に同時に当接した際に更にローラーの周面が当接するストッパー面がベース部材に設けられていたり、ブレーキリング部の周面に対するベース部材の対向面の距離を微調整可能とする位置調整機構を有していたりすれば好ましく、更に回転アームが軸を中心として時計方向と反時計方向とにいずれの方向に回転してもローラーの周面がブレーキリング部の周面及びベース部材の対向面に同時に当接する位置が該ブレーキリング部の周面と該ベース部材の対向面とで形成された間隙内に存在するようにベース部材とアーム部材と弾性部材とアクチュエーターとから成る組が2組配備されていれば回転アームがいずれの方向に回転する場合でも回転アームの回転制御が可能で、この場合に1個のベース部材にブレーキリング部の周面との間隔が単調に増加する対向面と単調に減少する対向面とが設けられていてベース部材が1個だけ配備されていたり、1個のアクチュエーターに弾性部材が付与する力に逆らって支点を中心としてアーム部材を回転させる力を当接部に加える摺動棒が2本設けられていてアクチュエーターが1個だけ配備されていたりすれば構造を小型化できてより好ましいことも究明したのである。
【0013】
【実施例】
以下、図面により本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構について詳細に説明する。
図1は歯科用トレーテーブルを歯科治療設備に組み付ける方式がスライド式の場合における本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構の1実施例の構成を示す説明用斜視図、図2は図1における各要素の配置及びアーム部材とアクチュエーターの動作を示す平面説明図、図3は図1における各要素の位置関係を説明するための部分拡大平面説明図、図4はブレーキリング部の周面に対するベース部材の対向面の配置が図2と逆の場合の他の実施例における図2に相当する平面説明図である。
【0014】
図面中、1は歯科診療において使用される歯科治療用椅子又は歯科用ユニットを構成する部材に立設されている軸であり、図1に示した実施例は歯科用トレーテーブルを歯科治療設備に組み付ける方式がスライド式の場合であって歯科治療用椅子の右側の基底部に沿って前後方向にスライド可能に装着されている支持部材に固定突設されている軸1が歯科用トレーテーブルの下側近傍にある場合である。この軸1はその内部に配線及び配管がなされるため中空となっているのが普通である。
【0015】
2は軸1の外周に一体に又は別部材として配備される硬質部材で構成されているブレーキリング部であり、図1に示す実施例では別部材として設定されていて止めネジ2aによって軸1に固定される場合の例を示している。このブレーキリング部2の胴長は10〜20mm程度あれば充分にその役割を果たし得るものであり、この意味においては図1に示す実施例のようにブレーキリング部2を別部材としないで軸1の一部の周面をそのままブレーキリング部2として利用可能であることは言うまでもない。
【0016】
3は一端が軸1に回転自在に取り付けられていて、他端に歯科用トレーテーブル(図示なし)又は歯科用トレーテーブルを保持する回転アームを取り付けるための取付部3bを有している回転アームである。図1に示した実施例では前述したように歯科用トレーテーブルを歯科治療設備に組み付ける方式がスライド式の場合であって歯科治療用椅子の右側の基底部に沿って前後方向にスライド可能に装着されている支持部材に固定突設されている軸1が歯科用トレーテーブルの下側近傍にある場合であるので前記取付部3bには歯科用トレーテーブルの下面に突設される軸が回転自在に取り付けられるのであるが、歯科用トレーテーブルを歯科治療設備に組み付ける方式がスライド式の場合であっても歯科治療用椅子の右側の基底部に沿って前後方向にスライド可能に装着されている支持部材に固定突設されている軸1が歯科用トレーテーブルから離れた下方にある場合には前記取付部3bには歯科用トレーテーブルの底部から下方に垂下された長さの長い軸の端部が取り付けられることになり、また歯科用トレーテーブルを歯科治療設備に組み付ける方式がオーバーアーム式の場合にはこの回転アーム3が従来技術の項で説明した第1回転アームとして使用されて前記取付部3bに従来技術の項で説明した第2回転アームが取り付けられていてその先に歯科用トレーテーブルが取り付けられる場合と、この回転アーム3が前記第2回転アームとして使用されて軸1が前記第1回転アームの先端に固定突設されている軸であって前記取付部3bに歯科用トレーテーブルが取り付けられる場合とがある。
そして、いずれの場合でもこの回転アーム3内の軸1側には本発明の要部をなす回転制御機構の諸部材を取り付け配備するための取付平面3aを有している。
【0017】
4は一端に後述するアクチュエーター8の摺動棒8aの先端部に当接する当接部4aが設けられ、他端である軸1側の端部に円筒状のローラー4fを回転自在に支持するためのローラー軸4eの下端が取り付けられており、支点4dが中間部所定位置に配備されているアーム部材である。このアーム部材4はその中間部所定位置に立設されている支持棒4bの上端にローラー支持アーム4cの一端が固設されていて、このローラー支持アーム4cの他端である軸1側の端部にローラー4fを回転自在に支持するためのローラー軸4eの上端が取り付けられている態様であることが好ましく、この場合にアーム部材4の中間部所定位置に配備されている支点4dがローラー支持アーム4cにも連結されていることが好ましい。
ローラー4fの大きさはブレーキリング部2の大きさ(直径)との関係において設定されるものであるが、直径が5〜20mmで胴長が8〜30mm程度であれば充分である。またローラー4fに用いる素材は金属が好ましいが、硬質ゴム質系材料及び硬質樹脂系材料のものを用いることもできる。
【0018】
5は一端が回転アーム3の取付平面3aに突設されている取付突起5aにまた他端がアーム部材4の中間部所定位置に立設されている支持棒4b又は4gにそれぞれ取り付けられている弾性部材である。この弾性部材5は、一方においては前記アーム部材4の支点4dを挟んでローラー4fと反対側の他端の当接部4aを後述するアクチュエーター8の摺動棒8aに当接させる力を付与させ、他方においてはローラー4fをブレーキリング部2の側面に押し当てておくために配備されているものであり、図示した実施例ではアーム部材4の当接部4aをアクチュエーター8の摺動棒8aに当接させるように引き付ける引張コイルバネであるが、取付突起5aやアクチュエーター8の設置位置によってはアーム部材4の当接部4aをアクチュエーター8の摺動棒8aに当接させるように押し付ける圧縮コイルバネやゴム材等を用いれば良い。
【0019】
6は回転アーム3の取付平面3a上の軸1近傍に2乃至3個程度のベース止めネジ6aで固定されているベース部材であり、このベース部材6と回転アーム3の取付平面3aとの間にはアーム部材4が通るように隙間が設けられている。また、このベース部材6には前述のアーム部材4の支点4dが装着されていて、しかしてアーム部材4は支点4dを中心として(上側のローラー支持アーム4cが存在する場合には下側のアーム部材4と上側のローラー支持アーム4cとでベース部材6を挟む形で)揺動を行うことができるのである。そして、ベース部材6の軸1側には角柱の内部に食い込むような凹部が設けられており、このベース部材6の凹部のブレーキリング部2の周面と対向していてブレーキリング部2の周面との間隔が単調に変化する対向面6bとブレーキリング部2の周面とで形成された間隙内にローラー4fが位置しており、そして弾性部材5により付与される力でローラー4fが常にこの間隙の狭い側へ押しやられるような力が加えられているのである。この間隙内には後述するアクチュエーター8が作動した状態又は作動しない状態においてローラー4fの周面がブレーキリング部2の周面及びベース部材6の対向面6bに同時に当接する位置が存在していることが必要であり、ローラー4fの周面がブレーキリング部2の周面及びベース部材6の対向面6bに同時に当接した状態でローラー4fが前記間隙の狭い側へ更に押しやられて前記間隙の広い側へ戻らなくなる現象が生じないようにベース部材6の前記凹部にローラー4fの周面が当接するストッパー面6cが設けられていることが好ましい。
【0020】
7はブレーキリング部2の周面に対するベース部材6の対向面6bの距離を微調整可能とする位置調整機構を構成するために、回転アーム3の取付平面3a上に据え付けられており、貫通ネジ孔に螺合されている調整ネジ7aによりベース部材6の側面を押圧するための調整ネジ取付台7である。即ち、前述した如くアクチュエーター8が作動した状態又は作動しない状態においてローラー4fの周面がブレーキリング部2の周面及びベース部材6の対向面6bに同時に当接する位置が存在し、更に好ましくはその位置においてストッパー面6cにも当接するようにするためにベース部材6のブレーキリング部2の周面に対する位置関係を若干調整する必要がある場合に、ベース部材6の側面を調整ネジ7aで押圧してブレーキリング部2の周面に対するベース部材6の対向面6bの距離を微調整可能とする位置調整機構を構成するためのものである。この位置調整機構は、ベース部材6を回転アーム3の取付平面3a上に固定するためのベース止めネジ6a用としてベース部材6に貫通穿設されているネジ孔をベース止めネジ6aの直径より若干大きくしておいて遊びを生じさせておいて、ベース止めネジ6aを取付平面3aに仮締めしておいて調整ネジ7aを前後に移動することで、ベース部材6と支点4dによりベース部材6と一緒に移動するアーム部材4の先端に取り付けられているローラー4fとがその位置を微調整されるのである。
【0021】
8は弾性部材5が付与する力に逆らってアーム部材4の支点4dを挟んでローラー4fと反対側の他端の当接部4aを押圧して支点4dを中心としてアーム部材4を回転させる力を加える摺動棒8aを備えたアクチュエーターであり、図1に示したアクチュエーター8は圧縮空気用ノズル8bから供給される圧縮空気により摺動棒8aが押し出される圧縮空気動作型のものであるが、その目的機能から電動モーターを使用したり電磁式の摺動部材を有するアクチュエーターを使用できることは言うまでもない。
このアクチュエーター8は、通常歯科用トレーテーブルに設けられている把持用の把手近傍にその作動用スイッチが設けられている。
【0022】
【作用】
上記した如き構成の本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構について、図面に基づいて説明する。
先ず図3におけるようにベース部材6とアーム部材4と弾性部材5とアクチュエーター8とから成る本発明回転制御機構が1組だけに配備されている状態を想定する。この図3における状態では回転アーム3は反時計回りには回転し難いか又は回転しない状態となっている。何故ならアクチュエーター8が作動していない状態では弾性部材5により付与され力によりアーム部材4は支点4dを中心として回転してローラー4fの周面がブレーキリング部2の周面及びベース部材6の対向面6bに(図3では更にストッパー面6cにも)同時に当接する位置に位置されているから、回転アーム3を反時計回りに動かそうとするとローラー4fの周面とブレーキリング部2の周面及びベース部材6の対向面6bとの間の抵抗によってその回転が阻止されるからである。
また図示はしないが、これが図3とは反対側だけに本発明回転制御機構が配備されている場合には逆の現象となることは言うまでもない。
【0023】
また図2及び図4に示す態様は、回転アーム3が軸1を中心として時計方向と反時計方向とにいずれの方向に回転してもローラー4fの周面がブレーキリング部2の周面及びベース部材6の対向面6bに同時に当接する位置がブレーキリング部2の周面とベース部材6の対向面6bとで形成された間隙内に存在するようにベース部材6とアーム部材4と弾性部材5とアクチュエーター8とから成る組が2組配備されている態様であり、このような態様でアクチュエーター8が作動せしめられていない状態では弾性部材5により付与される力によりアーム部材4が支点4dを中心として一端に取り付けられているローラー軸4eに回転自在に支持されている円筒状のローラー4fの周面がブレーキリング部2の周面及びベース部材6の対向面6bに同時に当接する位置(つまりブレーキリング部2の周面とベース部材6の対向面6bとで形成された間隙内でローラー4fがより狭い側に押し込まれた状態)にあり、他端の当接部4aがアクチュエーター8の摺動棒8aの先端部に当接しているか又はアクチュエーター8の摺動棒8aの先端部との間に空隙が生じている状態にあるので、回転アーム3は時計回りにも反時計回りにも回転できない状態(図2中のローラー4fやアーム部材4の実線位置の状態)にある。そして、アクチュエーター8が例えば圧縮空気動作型である場合には圧縮空気用ノズル8bを通じて圧縮空気がアクチュエーター8内に送り込まれると摺動棒8bが押し出されてきてアーム部材4が支点4dを中心として回転せしめられてローラー4fやアーム部材4が二点鎖線の位置に移動されるのである。この状態では前述した状態とは逆にブレーキリング部2の周面とベース部材6の対向面6bとで形成された間隙の広い側にローラー4fが移動せしめらてローラー4fの周面は少なくともベース部材6の対向面6bには当接しなくなるので、制御が解除されて回転アーム3は時計回りにも反時計回りにも回転できる状態となるのである。
【0024】
前記した実施例においては、アクチュエーター8が作動していない状態(つまり歯科治療装置を使用していない時やアクチュエーター8の作動スイッチを切っている時)では回転アーム3の回転が制限及び/又は停止されているのが通常の状態であるが、この実施例とは逆の状態にすることも可能である。即ち、アクチュエーター8が作動している状態(つまり歯科治療装置を使用していない時やアクチュエーター8の作動スイッチを切っている時)では回転アーム3の回転が制限及び/又は停止されておらず回転アーム3の回転が自在な状態とすることができるのである。これらのことは、弾性部材5やアクチュエーター8の動作を反対にしたりすることで容易に成し得ることである。そして、これらのいずれを選ぶかは術者の好みにより対応することが可能である
【0025】
【発明の効果】
以上に詳述した如く本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構は、外接ブロックブレーキ方式、帯ブレーキ方式等のように回転アームの回転を制限及び/又は停止させるための制動トルクを得る大きな押し付け力を必要とはせず、更に回転アームの回転を制限及び/又は停止させない状態においては回転アームの回転を制限及び/又は停止させるための制動用の部材同士(ローラーとブレーキリング部及びベース部材)を完全に接触しないようにすることも可能であり、仮に接触しても制動用の部材としてローラーを使用していてこのローラーは一つの部材のみに接触しているだけであるから磨耗して使えなくなってしまうこともなく、また当然のことながら回転アームの回転を制限及び/又は停止させない状態に移行させる動作も円滑で且つその状態では回転アームの回転は滑らかに行くのである。
【0026】
また、本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構を実現するためにはそれほど大きな空間を必要としないし、前述したような問題も解消されているため機構自体を小型化することが可能で、配線や配管の邪魔になるような設計上の制約が殆どないのである。更に、噛み合いクラッチ方式やギヤー方式等の如く凹凸の噛み合わせのため停止位置(角度)が段階的になるという欠点は、本発明では回転アームを所望の停止位置(角度)になるように回転させた後にブレーキリング部の周面とベース部材の対向面とで形成された間隙内でローラーの周面がブレーキリング部の周面及びベース部材の対向面に同時に当接する位置に来るようにローラーを移動させて回転アームの回転を制限及び/又は停止させるので、歯科用トレーテーブルを任意の角度に無段階で保持させることができるのである。
【0027】
このような本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構において、ローラーの周面がブレーキリング部の周面及びベース部材の対向面に同時に当接した際に更にローラーの周面が当接するストッパー面がベース部材に設けられていると、動作の確実性がより向上し、またブレーキリング部の周面に対するベース部材の対向面の距離を微調整可能とする位置調整機構を有していれば最適な動作を行えるように簡単に調整することも可能となるのである。
【0028】
そして、このような本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構は、回転アームの一方向の回転についてのみその回転を制限及び/又は停止させるように配備しても、また回転アームが軸を中心として時計方向と反時計方向とにいずれの方向に回転してもその回転を制限及び/又は停止させるようにベース部材とアーム部材と弾性部材とアクチュエーターとから成る組が2組配備しても良く、前者の場合や後者において一方のアクチュエーターを作動させたままの状態で維持できるようにした場合には一方のローラーの周面のみがブレーキリング部の周面及びベース部材の対向面に同時に当接しているだけであるので回転アームは一方向には容易に回転させることができるから、アクチュエーターを作動せしめなくても回転アームを回転させて非常時等における事故を未然に防止できるようになり、特にスライド式の場合に歯科治療用椅子を上昇させる際に歯科用トレーテーブルと歯科治療用椅子又は患者とが接触する危険性がある場合などに歯科用トレーテーブルを回転させることが可能となるのである。また後者の場合に、両方のアクチュエーターを図2及び図4に示すように作動させない状態で維持できるようにした場合には各組のローラーの周面がブレーキリング部の周面及びベース部材の対向面に同時に当接していて回転アームはいずれの方向にも回転できないので、特にスライド式の場合に歯科用トレーテーブルを歯科治療用椅子に沿って容易にスライドさせることができるのである。
【0029】
このように本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構は、1組だけ設けた場合又は2組設けるが一方の組のみアクチュエーターを作動できる構成とすれば、回転アームを一方のみは比較的容易に回転できるように維持させることが可能であり、2組設けて両方の組共アクチュエーターが同時に作動する構成とすれば、回転アームを全く回転できないように又は回転できるように維持させることが可能であり、使用態様に合わせて適宜使い分けが可能である。
【0030】
そして、本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構を2組設ける場合に、1個のベース部材にブレーキリング部の周面との間隔が単調に増加する対向面と単調に減少する対向面とを設けたり、1個のアクチュエーターに弾性部材が付与する力に逆らって支点を中心としてアーム部材を回転させる力を当接部に加える摺動棒が2本設けたりすれば、ベース部材やアクチュエーターの配備個数を1個にして構造の小型化も可能となるのである。
【0031】
以上述べたように、本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構は、歯科診療において重要な役割を果たす歯科用トレーテーブルの位置決めのための回転制御を小型の機構でなし得るようにしたものであり、歯科医療分野に貢献するところの非常に大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】歯科用トレーテーブルを歯科治療設備に組み付ける方式がスライド式の場合における本発明に係る歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構の1実施例の構成を示す説明用斜視図である。
【図2】図1における各要素の配置及びアーム部材とアクチュエーターの動作を示す平面説明図である。
【図3】図1における各要素の位置関係を説明するための部分拡大平面説明図である。
【図4】ブレーキリング部の周面に対するベース部材の対向面の配置が図2と逆の場合の他の実施例における図1に相当する平面説明図である。
【符号の説明】
1 軸
2 ブレーキリング部
2a 止めネジ
3 回転アーム
3a 取付平面
3b 取付部
4 アーム部材
4a 当接部
4b 支持棒
4c ローラー支持アーム
4d 支点
4e ローラー軸
4f ローラー
4g 支持棒
5 弾性部材
5a 取付突起
6 ベース部材
6a ベース止めネジ
6b 対向面
6c ストッパー面
7 調整ネジ取付台
7a 調整ネジ
8 アクチュエーター
8a 摺動棒
8b 圧縮空気用ノズル
Claims (6)
- 歯科用ユニット又は歯科治療用椅子を構成する部材に立設されており環状のブレーキリング部(2)が設けられている軸(1)に歯科用トレーテーブルを保持するために回転自在に取り付けられている回転アーム(3)の取付平面(3a)上に、該ブレーキリング部(2)の周面と対向していて該ブレーキリング部(2)の周面との間隔が単調に変化する対向面(6b)を有するベース部材(6)と、該ベース部材(6)に中間部所定位置に配備されている支点(4d)が装着されており該ブレーキリング部(2)の周面と該ベース部材(6)の対向面(6b)とで形成された間隙内で移動する円筒状のローラー(4f)を回転自在に支持するローラー軸(4e)が一端に取り付けられているアーム部材(4)と、一端が回転アーム(3)の取付平面(3a)に突設されている取付突起(5a)にまた他端が前記アーム部材(4)の中間部所定位置に立設されている支持棒(4b)にそれぞれ取り付けられていて前記アーム部材(4)の支点(4d)を挟んでローラー(4f)と反対側の他端の当接部(4a)をアクチュエーター(8)の摺動棒(8a)に当接させる力を付与させる弾性部材(5)と、該弾性部材(5)が付与する力に逆らって該支点(4d)を中心として前記アーム部材(4)を回転させる力を前記アーム部材(4)の当接部(4a)に加える摺動棒(8a)を備えたアクチュエーター(8)とが配備されており、該アクチュエーター(8)が作動した状態又は作動しない状態で前記ローラー(4f)の周面が前記ブレーキリング部(2)の周面及び前記ベース部材(6)の対向面(6b)に同時に当接する位置が前記間隙内に存在していることを特徴とする歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構。
- ローラー(4f)の周面がブレーキリング部(2)の周面及びベース部材(6)の対向面(6b)に同時に当接した際に更に該ローラー(4f)の周面が当接するストッパー面(6c)がベース部材(6)に設けられている請求項1に記載の歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構。
- ブレーキリング部(2)の周面に対するベース部材(6)の対向面(6b)の距離を微調整可能とする位置調整機構を有している請求項1又は2に記載の歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構。
- 回転アーム(3)が軸(1)を中心として時計方向と反時計方向とにいずれの方向に回転しても、ローラー(4f)の周面がブレーキリング部(2)の周面及びベース部材(6)の対向面(6b)に同時に当接する位置が該ブレーキリング部(2)の周面と該ベース部材(6)の対向面(6b)とで形成された間隙内に存在するように、ベース部材(6)とアーム部材(4)と弾性部材(5)とアクチュエーター(8)とから成る組が2組配備されている請求項1から3までのいずれか1項に記載の歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構。
- 1個のベース部材(6)にブレーキリング部(2)の周面との間隔が単調に増加する対向面(6b)と単調に減少する対向面(6b)とが設けられていて、ベース部材(6)が1個だけ配備されている請求項4に記載の歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構。
- 1個のアクチュエーター(8)に弾性部材(5)が付与する力に逆らって支点(4d)を中心としてアーム部材(4)を回転させる力を当接部(4a)に加える摺動棒(8a)が2本設けられていて、アクチュエーター(8)が1個だけ配備されている請求項4又は5に記載の歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12734795A JP3638665B2 (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構 |
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JP12734795A JP3638665B2 (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 歯科用トレーテーブル用回転アームの回転制御機構 |
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Family Applications (1)
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-
1995
- 1995-04-28 JP JP12734795A patent/JP3638665B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH08299395A (ja) | 1996-11-19 |
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