JP3638626B2 - 磁気記録用磁性粒子粉末の製造法 - Google Patents
磁気記録用磁性粒子粉末の製造法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、高密度記録用磁性粒子粉末として好適な分散性に優れた磁性粒子粉末及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気記録再生用機器等の小型軽量化が進むにつれて磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体に対する高性能化、高記録密度化が要求されている。
【0003】
磁気記録媒体の高性能化、高記録密度化の為には、残留磁束密度Brの向上が必要である。磁気記録媒体の残留磁束密度Brは、磁性粒子粉末のビヒクル中での分散性、塗膜中での配向性及び充填性に依存している。
【0004】
磁性粒子粉末の分散性の改良は、従来から種々試みられており、例えば、特開昭55−83207号公報、特開昭57−56904号公報、特開昭58−161725号公報、特開昭59−23505号公報、特開昭60−217529号公報、特開昭61−63921号公報及び特開昭62−89226号公報等に記載されている通り、磁性粒子粉末の粒子表面をSi化合物やAl化合物で被覆することにより粒子表面を改質する方法がある。
【0005】
また、例えば、特開昭63−161522号公報に記載されている通り、磁性粒子粉末の粒子表面にSi化合物からなる被膜を形成し、その上にAl化合物からなる被膜を形成し、そらにその上にSi化合物からなる被膜を形成してなる磁性粉末とする方法がある。
【0006】
また、磁性粒子粉末の粒子表面をSi化合物やAl化合物以外の化合物を被覆する方法として、例えば、特開昭58−60506号公報(Cu、Ag、Al、Ti、Zr、Sn、V、Nb、Ta、Sb、Cr,Mo、W、Ni等を被覆する方法)、特開昭59−103310号公報(Cu、Al、Ti、Zr、Sn、V、Nb、Sb、Cr、Mo、W、Ni等を被覆する方法)、特開平1−125805号公報(あらかじめCu、Ag、Al、Ti、Sn、V、Nb、Ta、Sb、Cr、Mo、W等を被覆する方法)等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
分散性に優れた磁性粒子粉末は、現在最も要求されているところであるが、前述したいずれの公知方法による場合にも、未だ分散性に優れた粒子とは言い難いものである。
【0008】
公知方法において未だ分散性に優れた粒子が得られていない理由は、例えば、「磁気記録材料研究者の立場からみた磁性ペイント」(粉体粉末冶金「第7回フェライト夏季ゼミナー講演概要集」(昭和52年)第14〜16頁)の第16頁の「‥‥一般に高度の分散を得ることは通常の非磁性顔料の場合でもかなり難しい問題である。まして、磁性粉の場合は粒子間の磁気的相互作用のために現象をさらに複雑なものにしている。‥‥」なる記載の通り、磁性粒子粉末は、磁性による相互作用により凝集体を形成している為、凝集体のままで表面被覆されていることに起因している。
【0009】
特に、板面に対し垂直方向に磁化容易軸を有する六方晶系フェライト粒子粉末の場合には、磁性による相互作用により粒子相互が強固に凝集し、単に機械的処理のみによっては凝集粒子の個々の粒子に分離させることは困難である。
【0010】
また、磁性粒子粉末の分散性については、例えば、(株)テクノシステム発行「分散・凝集の解明と応用技術」(1992年)第505頁の「‥‥磁性粉を、結合分散剤としての高分子−溶剤を主成分とする系中に、安定に分散させた磁性塗料を調合する。次いで、それを用いて基板上に均一な塗布薄膜を形成する。したがって、記録媒体としての性能は、上記の分散安定性に大きく左右されることになる。‥‥」なる記載の通り、磁性粒子粉末を高分子樹脂中にいかに分散させるかであり、そのための分散性改良について多くの研究がされている。
【0011】
一方、分散性の評価については、例えば、前出「分散・凝集の解明と応用技術」第94〜96頁の「‥‥天然および合成高分子の多くは、コロイド粒子の表面に吸着して厚い吸着層を形成するので、分散系の安定性に大きな影響を与える。‥‥高分子の分子量(M)と飽和吸着量(As)の間には一般に次の関係(出願人:注:下記の数1)が成立する。
【数1】
ここでK1、αは系特有の定数で、特にαは分子量依存パラメーターと呼ばれ、吸着層の構造によって0から1まで変化する。‥‥α=1のときは、高分子は分子末端で吸着しており、Asは分子量(M)に比例する。この系では高分子は粒子表面に林立した最も厚い吸着層を作るので、強い立体反発効果を示し、より効果的に分散系の安定性に寄与する。‥‥」なる記載の通り、分子量依存パラメーターα(以下、αで示す)で表すことができる。
【0012】
これまでに得られている磁性粒子粉末のαを測定したところ、前掲特開昭55−83207号公報、特開昭57−56904号公報、特開昭58−161725号公報、特開昭59−23505号公報、特開昭60−217529号公報、特開昭61−63921号公報及び特開昭62−89226号公報等の公知方法による磁性粒子粉末の粒子表面にSi化合物やAl化合物を被覆した場合には、αが0.40〜0.45程度であり、また、これらの被覆処理を行なわない磁性粒子粉末のαは0.28〜0.34程度であることがわかった。
【0013】
また、前掲特開昭63−161522号公報による場合や特開昭58−60506号公報、特開昭59−103310号公報及び特開平1−125805号公報の場合には、αが0.40〜0.45程度であった。
【0014】
また、磁気テープとした場合に媒体表面の表面抵抗値が大きくなることによる障害が起こったりすることがあり、例えば、工学情報センター出版部発行の「磁気テープ−ヘッド走行系の摩擦摩耗発生要因とトラブル対策−総合技術資料集−」(昭和62年)第168頁の「‥‥表面電気抵抗が高いと磁気テープと機器の摺動部における帯電が起りやすい。109 以下が良い。比抵抗が109 以下では帯電圧が数十V以下であるが109 以上では数百V以上になるケースもある。‥‥」なる記載、及び同第171頁の「‥‥磁気テープの機器の中で摺動して帯電をおこすとテープのハーフからの引き出し負荷が大きくなったり、ほこりを吸収してドロップアウトが発生したり、ヘリカルスキャンシステムでは、ドラムにテープが貼りついたりするほか、放電によって放電ノイズ(微粒状ホワイトノイズ)が発生することがある。帯電を防ぐには、帯電防止剤を用いるか、表面抵抗値を下げる材料選択が行われる。‥‥」なる記載の通りである。
【0015】
一般的には、磁気テープの帯電を防ぎ、表面抵抗値を下げる為に、磁気テープの製造においてカーボンブラック等を添加している。
【0016】
カーボンブラックや他の帯電防止剤を適量添加することにより帯電を防ぎ、表面抵抗値を下げる効果はあるが、添加量を多くしすぎると磁気テープの飽和磁化値や残留磁化値等の磁気特性を損なうこともあり、おのずと限界がある。
【0017】
本発明者は、磁性粒子粉末の粒子表面を改質することにより、カーボンブラックやその他の帯電防止剤の使用量を少なくすることができ、しかも、磁気テープの表面抵抗値を下げることができるのではないかと考え、改善に取り組んだ。
【0018】
そこで、本発明は、より分散性に優れ、αが大きく、しかも、磁気記録媒体とした場合には、表面抵抗値を下げることができ、飽和磁化値や残留磁化値等の磁気特性を損なうことのない磁性粒子粉末を提供することを技術的課題とする。
【0019】
【課題を解決する為の手段】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、磁性粒子を含む水性懸濁液にアルカリ水溶液を添加して該懸濁液のpH値を10以上とし、当該懸濁液に前記磁性粒子に対しAl換算とSiO 2 換算との総量で0.01〜5.0重量%のAl又はSi若しくはAl及びSiとSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上とを含む水溶液を添加し、攪拌しながら、この液のpH値を1〜10分間で中性付近に調節してAl又はSi若しくはAl及びSiとSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上との水酸化物超微粒子を速沈させた後、当該液中の磁性粒子を水酸化物超微粒子とともに濾別して磁性粒子と水酸化物超微粒子とからなる混合物を得、この混合物を水洗・乾燥した後、当該混合物をエッジランナーによって圧密粉砕処理をすることにより磁性粒子の粒子表面にAl又はSi若しくはAl及びSiを含む酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上の酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とを固着させることからなる磁気記録用磁性粒子粉末の製造法、
磁性粒子を含む水性懸濁液にアルカリ水溶液を添加して該懸濁液のpH値を10以上とし、当該懸濁液に前記磁性粒子に対しAl換算とSiO 2 換算との総量で0.01〜5.0重量%のAl又はSi若しくはAl及びSiとSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上とを含む水溶液を添加し、攪拌しながら、この液のpH値を1〜10分間で中性付近に調節してAl又はSi若しくはAl及びSiとSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上との水酸化物超微粒子を速沈させた後、当該液中の磁性粒子を水酸化物超微粒子とともに濾別して磁性粒子と水酸化物超微粒子とからなる混合物を得、該混合物を水洗・乾燥した後、この混合物をエッジランナーによって圧密粉砕処理をすることからなる磁性粒子粉末の製造法において、前記磁性粒子を含む水性懸濁液にアルカリ水溶液を添加して該懸濁液のpH値を10以上とする操作から前記混合物をエッジランナーによって圧密粉砕処理をする操作までを、少なくとも2回以上繰り返すことにより磁性粒子の粒子表面にAl又はSi若しくはAl及びSiを含む酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上の酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とを固着させることからなる磁気記録用磁性粒子粉末の製造法、磁性粒子を含む水性懸濁液にアルカリ水溶液を添加して該懸濁液のpH値を10以上とし、当該懸濁液に前記磁性粒子に対しAl換算とSiO 2 換算との総量で0.01〜5.0重量%のAl又はSi若しくはAl及びSiを含む水溶液を添加し、攪拌しながら、この液のpH値を1〜10分間で中性付近に調節してAl又はSi若しくはAl及びSiの水酸化物超微粒子を速沈させた後、当該液中の磁性粒子を水酸化物超微粒子とともに濾別して磁性粒子と水酸化物超微粒子とからなる混合物を得、この混合物を水洗・乾燥した後、当該混合物をエッジランナーによって圧密粉砕処理をし、次いで、当該圧密粉砕処理された磁性粒子を用いて磁性粒子を含む水性懸濁液を調製し、この懸濁液にアルカリ水溶液を添加して該懸濁液のpH値を10以上とし、当該懸濁液にSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上を含む水溶液を添加し、攪拌しながら、この液のpH値を1〜10分間で中性付近に調節してSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上の水酸化物超微粒子を速沈させた後、当該液中の磁性粒子を水酸化物超微粒子とともに濾別して磁性粒子と水酸化物超微粒子とからなる混合物を得、この混合物を水洗・乾燥した後、当該混合物をエッジランナーによって圧密粉砕処理をすることにより磁性粒子の粒子表面にAl又はSi若しくはAl及びSiを含む酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上の酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とを固着させることからなる磁気記録用磁性粒子粉末の製造法及び
磁性粒子を含む水性懸濁液にアルカリ水溶液を添加して該懸濁液のpH値を10以上とし、当該懸濁液にSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上を含む水溶液を添加し、攪拌しながら、この液のpH値を1〜10分間で中性付近に調節してSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上の水酸化物超微粒子を速沈させた後、当該液中の磁性粒子を水酸化物超微粒子とともに濾別して磁性粒子と水酸化物超微粒子とからなる混合物を得、この混合物を水洗・乾燥した後、当該混合物をエッジランナーによって圧密粉砕処理をし、次いで、当該圧密粉砕処理された磁性粒子を用いて磁性粒子を含む水性懸濁液を調製し、この懸濁液にアルカリ水溶液を添加して該懸濁液のpH値を10以上とし、当該懸濁液にAl又はSi若しくはAl及びSiを含む水溶液を前記磁性粒子に対しAl換算とSiO 2 換算との総量で0.01〜5.0重量%添加し、攪拌しながら、この液のpH値を1〜10分間で中性付近に調節してAl又はSi若しくはAl及びSiの水酸化物超微粒子を速沈させた後、当該液中の磁性粒子を水酸化物超微粒子とともに濾別して磁性粒子と水酸化物超微粒子とからなる混合物を得、この混合物を水洗・乾燥した後、当該混合物をエッジランナーによって圧密粉砕処理をすることにより磁性粒子の粒子表面にSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上の酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とAl又はSi若しくはAl及びSiを含む酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とを固着させることからなる磁気記録用磁性粒子粉末の製造法である。
【0020】
次に、本発明実施にあたっての諸条件について述べる。
【0021】
本発明における磁性粒子粉末としては、マグヘマイト粒子、マグネタイト粒子及びマグヘマイトとマグネタイトとの中間酸化物であるベルトライド化合物粒子等の磁性酸化鉄粒子粉末、これらの磁性酸化鉄粒子にFe以外のCo等の異種金属を含有させた粒子粉末若しくはこれら磁性酸化鉄粒子にCoを被着させた粒子粉末、鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末及び板状Baフェライト微粒子等の六方晶系フェライト粒子粉末等のいずれをも用いることができる。
【0022】
本発明において磁性粒子を含む水性懸濁液にアルカリ水溶液を添加して該懸濁液のpH値を10以上とした後に、Al、Si、Sn、Sb、Ag、Pd、Cu、Fe等を含む水溶液を添加するのは、水性懸濁液中における磁性粒子同士の電気的反撥を利用して、充分且つ均一に混合するためである。
【0023】
pH値を10以上にする為のアルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等の水溶液を用いることができる。
【0024】
Alを含む水溶液としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム等のアルミン酸アルカリ、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩等の水溶液を用いることができる。
【0025】
Alを含む前記化合物の添加量は、磁性粒子粉末に対し、Al換算で0.01〜5.0重量%である。0.01重量%未満の場合には、本発明の効果は得られない。5.0重量%を越える場合にも本発明の目的とする効果を得られるが磁性に関与しないAlを含む酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子が増加することにより飽和磁化が低下する為好ましくない。磁性粒子粉末の分散性及び飽和磁化を考慮した場合、0.05〜3.0重量%が好ましい。
【0026】
Siを含む水溶液としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、コロイダルシリカ、3号水ガラス等の水溶液を用いることができる。
【0027】
Siを含む前記化合物の添加量は、磁性粒子粉末に対し、SiO2 換算で0.01〜5.0重量%である。0.01重量%未満の場合には、本発明の効果は得られない。5.0重量%を越える場合にも本発明の目的とする効果を得られるが磁性に関与しないSiを含む酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子が増加することにより飽和磁化が低下する為好ましくない。磁性粒子粉末の分散性及び飽和磁化を考慮した場合、0.1〜2.0重量%が好ましい。
【0028】
本発明においてAl及びSiを含む混合水溶液を添加する場合には、磁性酸化鉄粒子に対し、Al換算とSiO2 換算との総量で0.01〜5.0重量%、好ましくは0.1〜3.0重量%である。
【0029】
本発明に用いるSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Fe等の化合物としては、各元素の硫酸塩、塩化物、硝酸塩及び酢酸塩等の水可溶性塩を用いることができる。
【0030】
前記各化合物の添加量は、磁性粒子粉末に対し、各元素換算で0.01〜5.0重量%である。0.01重量%未満の場合には、本発明の効果は得られない。5.0重量%を越える場合にも本発明の目的とする効果を得られるが磁性に関与しない酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子が増加することにより飽和磁化が低下する為好ましくない。磁性粒子粉末の分散性及び飽和磁化を考慮した場合、0.05〜3.0重量%が好ましい。
【0031】
尚、Al、Si、Sn、Sb、Ag、Pd、Cu、Fe等の前記各化合物を水溶液として用いるのは、pH値が10以上の磁性粒子懸濁液中において充分かつ均一に混合するためであるが、各化合物を結晶塩として添加し、当該懸濁液中で充分に溶解・混合させることもできる。
【0032】
本発明においては、pH値が10以上の磁性粒子懸濁液に前記各化合物を含む水溶液を添加し、当該懸濁液を攪拌しながら急速にpHを中性付近(pH6.5〜8.5)に調整することにより、Al、Si、Sn、Sb、Ag、Pd、Cu、Fe等の略全量を各水酸化物超微粒子として速沈させて磁性粒子と水酸化物超微粒子とからなる混合物とする。
【0033】
速沈させる時間としては1〜10分間の範囲である。10分間を越える場合は、磁性粒子の粒子表面に前記各水酸化物が層状に形成されることもある。従って、速沈後は速やかに濾別する。1分間未満でもよいが前記各水酸化物超微粒子として析出させ充分に混合させる場合には1分間程度はかかる。
【0034】
pHを調整する為の酸としては、硫酸、塩酸、酢酸、硝酸、炭酸ガス等を使用することができる。
【0035】
また、磁性粒子と水酸化物超微粒子とからなる混合物を濾別、水洗、乾燥する方法は、常法に従って行なえばよい。
【0036】
本発明における圧密粉砕処理に用いるエッジランナーとしては、(株)松本鋳造鉄工所製の「サンドミル」や新東工業(株)製の「ミックスマーラー」等を用いることができる。
【0037】
エッジランナーの線加重は15〜80kg/cmであり、より好ましくは30〜60kg/cmである。15kg/cm未満の場合には、摩砕による剪断力が弱すぎる為、メカノケミカル効果が得られない。80kg/cmを越える場合には、摩砕による剪断力が強すぎて、粒子そのものを破壊してしまう恐れがある。また、処理時間は15〜120分間であり、好ましくは30〜60分間である。
【0038】
本発明においては、磁性粒子と水酸化物超微粒子とからなる混合物をエッジランナーによって圧密粉砕処理するまでの操作を少なくとも2回以上、好ましくは2〜5回繰り返してもよい。5回を越える場合にも効果は得られるが、効果が飽和する傾向にあり、また工業的ではなくなる。
【0039】
【作用】
本発明においては、粒子表面にAl又はSi若しくはAl及びSiを含む酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上の酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とを固着させた、数1のαが0.50以上である磁性粒子からなる磁気記録用磁性粒子粉末であって、磁気テープとした場合には表面抵抗値を下げることができ、飽和磁化値や残留磁化値等の磁気特性を損なうことのない極めて優れた磁気記録媒体が得られる。
【0040】
詳しくは、六方晶系フェライト粒子からなる磁性粒子粉末のαは0.50乃至0.70程度、Co被着型磁性酸化鉄粒子からなる磁性粒子粉末のαは0.55乃至0.70程度であり、マグヘマイト粒子、マグネタイト粒子及びマグヘマイトとマグネタイトとの中間酸化物であるベルトライド化合物粒子の磁性酸化鉄粒子からなる磁性粒子粉末のαは0.55乃至0.70程度である。
【0041】
本発明者は、前掲特開昭55−83207号公報、特開昭57−56904号公報、特開昭58−161725号公報、特開昭59−23505号公報、特開昭60−217529号公報、特開昭61−63921号公報及び特開昭62−89226号公報等に記載されている公知方法によって被覆処理した磁性粒子粉末のαが0.40〜0.45程度と低い理由としては、Si化合物やAl化合物を磁性粒子の粒子表面に被覆するために、当該化合物の水酸化物を比較的長時間かけて析出させて均一に被覆していたので、高分子樹脂中で分散させた時に磁性粒子の粒子表面における高分子の吸着点が少ないからではないかと考えた。
【0042】
また、例えば、前掲特開昭63−161522号公報の方法や前掲特開昭58−60506号公報、特開昭59−103310号公報及び特開平1−125805号公報の場合には、被覆処理した磁性粒子粉末のαが0.40〜0.45程度と低い理由としては、Si化合物やAl化合物またはSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上の化合物とを磁性粒子の粒子表面に被覆するために、当該化合物の水酸化物を比較的長時間かけて析出させて均一に被覆していたので、高分子樹脂中で分散させた時に磁性粒子の粒子表面における高分子の吸着点が少ないからではないかと考えた。
【0043】
従って、磁性粒子の粒子表面における高分子の吸着点をできるだけ多くすることにより、高分子の吸着層の厚みが大きくなる方法について検討をした。
【0044】
そのためには、Al又はSi若しくはAl及びSiの酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上の酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子を磁性粒子の粒子表面にできるだけ多く、しかも、化学的に吸着させる必要があると考えた。
【0045】
そこで、磁性粒子を含む懸濁液中にAl又はSi若しくはAl及びSiの水酸化物超微粒子とSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上の水酸化物超微粒子とを均一に析出・混合させ、その混合物を圧密処理することによるメカノケミカル効果によって、磁性粒子の粒子表面にAl又はSi若しくはAl及びSiの酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上の酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とを固着することができたので、磁性粒子粉末のαが0.50以上に大きくすることができた。これは、粒子表面における高分子の吸着点を多くすることができた結果と考えている。
【0046】
磁性粒子の粒子表面にAl又はSi若しくはAl及びSiの酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上の酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とを固着するにより得られた磁性粒子粉末を用いて結合剤樹脂等と共に非磁性支持体上に塗布・乾燥して得られた磁気記録媒体とした場合には、結合剤樹脂とのなじみがよくなり分散性が向上したばかりでなく、磁性塗料を塗布し硬化した塗膜において、表面抵抗値を下げることができ、飽和磁化値や残留磁化値等の磁気特性を損なうことのない極めて優れた磁気記録媒体が得られる。
【0047】
それは、前述した通り、磁性粒子粉末の粒子表面を改質することにより、カーボンブラックやその他の帯電防止剤の使用を少なくすることができ、しかも、磁気テープの表面抵抗値を下げるとともに飽和磁化値や残留磁化値等の磁気特性を損なうことがないものを得られるのではないかと考えて取り組んだ結果であり、磁性粒子粉末と磁気テープの表面抵抗値との関係を調べ、磁性粒子粉末の粒子表面が磁気テープの表面抵抗値に大きな影響を与えていることを突き止めた結果である。
【0048】
この理由としては、磁気記録媒体とした場合の磁気テープの最表面に露出した磁性粒子の粒子表面の性状が、磁気テープの表面抵抗値や帯電性に影響を与えることから、磁性粒子の粒子表面にAl又はSi若しくはAl及びSiの酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上の酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とが存在することにより、磁気テープとした場合に、磁気テープの表面抵抗値が5×109 Ω/sq以下となり、磁気テープと機器の摺動部における帯電性が改善されたためであると考えている。
【0049】
一方、磁性粒子と水酸化物超微粒子とからなる混合物は、共に相互作用によって存在しているので、濾別・水洗・乾燥を通常通り行なうことができ、特に作業性が悪くなるということはない。
【0050】
尚、特開昭55−157216号公報に開示されている酸化鉄磁性粉末スラリーに分散剤を添加して機械的なせん断力を与える場合及び特開平2−188429号公報に開示されているシランカップリング剤を添加する乾式混合する場合においては、本発明の効果は得られない。
【0051】
【実施例】
次に、実施例並びに比較例により、本発明を説明する。
【0052】
本発明における分散性の評価は、前記数1のαにより行い、αの値は、分子量の異なるバインダー(数平均分子量M=15000、28000、42000)を用いて、常法により磁性粒子粉末へのそれぞれのバインダーの飽和吸着量(As)を測定し、得られたAsとMとを両対数表にプロットすることにより直線関係が得られ、その直線の傾きよりαの値を求めた。
【0053】
磁性粒子粉末に被覆されたAl、Si、Sn、Sb、Ag、Pd、Cu等の化合物の各元素量は蛍光X線分析により測定した。但し、Fe量に関しては磁性粒子粉末を酸に溶解する等の化学分析によって測定した。
【0054】
磁性粒子粉末の磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM−3S−15」(東英工業(株)製)を用いて外部磁場10KOe(但し、磁性酸化鉄粒子を用いた場合には5KOe)の下で測定した値であり、磁気テープの諸特性は外部磁場10KOe(但し、Co被着型磁性酸化鉄粒子及び磁性酸化鉄粒子を用いた場合には5KOe)の下で測定した結果である。
【0055】
塗布膜の表面光沢は、グロスメーター 「UGV−5D」(スガ試験器(株)製)で入射角45°で測定した値であり、標準板光沢を86.3%とした時の値を%表示で示したものである。
【0056】
表面粗度Raは、「Surfcom−575A」(東京精密(株)製)を用いて塗布膜の中心線平均粗さを測定した。
【0057】
塗布膜の表面電気抵抗は、被測定塗布膜を25℃,60%RH環境下に12時間以上曝した後、幅6.5mmの金属性の電極に幅6mmにスリットした磁気テープを置き、その両端に各170gのおもりを付け、電極に磁気テープを密着させた後、電極間に500Vの直流電圧をかけて表面抵抗値を測定した。
【0058】
<磁性粒子粉末の表面処理>
実施例1〜8、
比較例1〜6;
【0059】
実施例1
粒径0.05μm、板状比5.0であって、保磁力が736OeであるCo及びTi置換型板状Baフェライト粒子を用い、該粒子6kgを水に混合・攪拌した後、0.1mol/lのNaOH水溶液をpH値が12.0になるまで添加した。
上記混合懸濁液を攪拌・混合した後、0.5mol/lのアルミン酸ソーダ水溶液889ml(磁性粒子粉末に対しAl換算で0.2wt%に該当する。)を添加して攪拌・混合した。
次いで、当該懸濁液を攪拌しながら0.1mol/lのHCl水溶液を添加してpHを7.5に調整した。その時の所要時間は3分であった。直ちに、常法により濾別・水洗・乾燥して磁性粒子粉末を得た。
得られた磁性粒子粉末5kgをエッジランナー「MPUV−2型」((株)松本鋳造鉄工所製)に投入して線荷重60kg/cmで30分間圧密粉砕を行なった。
得られた磁性粒子粉末の粒子径は0.05μm、板状比は5.0であって、保磁力は740Oe、αは0.55であった。
【0060】
更に、得られた磁性粒子粉末4.5kgを再び水に混合・攪拌した後、0.1molのNaOH水溶液を加えてpH10.3とした。次いで、0.5mol/lのスズ酸ナトリウム水溶液1516ml(磁性粒子粉末に対しSn換算で2.00wt%に該当する。)を添加して攪拌・混合して懸濁液を得た。
次いで、当該懸濁液を攪拌しながら0.1mol/lのHCl水溶液を用いてpH7.1に調整した。その時の所要時間は7分であった。直ちに、常法により濾別・水洗・乾燥して磁性粒子粉末を得た。
得られた磁性粒子粉末4kgをエッジランナー「MPUV−2型」((株)松本鋳造鉄工所製)に投入して線荷重60kg/cmで30分間圧密粉砕を行なった。
得られた磁性粒子粉末の粒子径は0.05μm、板状比は5.0であって、保磁力は746Oe、αは0.60であった。
【0061】
実施例2〜8、比較例1〜6
磁性粒子粉末の種類、添加する化合物の種類と添加量、添加・攪拌の所要時間、圧密処理の線荷重と時間及び処理回数を種々変えた以外は実施例1と同様にして磁性粒子粉末を得た。
【0062】
各実施例における主要製造条件及び得られた磁性粒子粉末の諸特性を表1乃至表4に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
<磁気テープの製造>
参考例1〜14
【0068】
参考例1
実施例1で得られた磁性粒子粉末を用いて、まず、当該磁性粒子粉末と結合剤樹脂、溶剤とを混合し、固形分率76重量%でプラストミルを用いて30分間混練した。しかる後、所定量の混練物を取り出し、ガラス瓶に研磨剤、カーボンブラック、ガラスビーズ及び溶剤とともに添加し、ペイントコンディショナーで6時間混合・分散を行なった。
【0069】
その後、潤滑剤及び硬化剤とを加え、さらに、15分間混合・分散した。得られた磁性塗料の組成は下記の通りであった。
磁性粒子粉末 100重量部
スルホン酸ナトリウム基を有する
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 10重量部
スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂 10重量部
研磨剤 10重量部
カーボンブラック 3重量部
潤滑剤 2.5重量部
硬化剤 5重量部
シクロヘキサノン 52.5重量部
メチルエチルケトン 130.5重量部
トルエン 78.3重量部
【0070】
得られた磁性塗料を厚さ14μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用いて15μmの厚さに塗布し、次いで、5KOeの磁場で配向させた後、乾燥させることによりシート試料片を得た。
得られたシート試料片にカレンダー処理を行なった後、60℃で24時間硬化反応して0.5インチ幅にスリットして磁気テープを得た。
得られた磁気テープのHcは801Oe、角型比は0.82、光沢は180%、表面粗度Raは6.4nm、表面抵抗値は4.2×109 Ω/sqであった。
【0071】
参考例2〜14
得られた磁性粒子粉末の種類を種々変えた以外は参考例1と同様にして磁気テープを得た。
【0072】
各参考例における諸特性のうち、実施例1〜8と比較する参考例1〜8を表5に、及び比較例1〜6と比較する参考例9〜14を表6に示す。
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】
【発明の効果】
本発明に係る磁性粒子粉末は、前出実施例に示した通り、分散性に優れた粒子であるから、高密度記録用磁性粒子粉末として好適である。
【0076】
本発明に係る磁性粒子粉末を用いて磁気記録媒体とした場合には、結合剤樹脂とのなじみが良く、分散性に優れているとともに、優れた表面平滑性が得られるので良好な電磁変換特性が実現できるばかりでなく、表面抵抗値を低くできるので帯電性にも優れており、ドロップアウトの低減、機器へのテープの張り付き低減などが可能となり、極めて優れた磁気記録媒体が得られる。
Claims (4)
- 磁性粒子を含む水性懸濁液にアルカリ水溶液を添加して該懸濁液のpH値を10以上とし、当該懸濁液に前記磁性粒子に対しAl換算とSiO 2 換算との総量で0.01〜5.0重量%のAl又はSi若しくはAl及びSiとSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上とを含む水溶液を添加し、攪拌しながら、この液のpH値を1〜10分間で中性付近に調節してAl又はSi若しくはAl及びSiとSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上との水酸化物超微粒子を速沈させた後、当該液中の磁性粒子を水酸化物超微粒子とともに濾別して磁性粒子と水酸化物超微粒子とからなる混合物を得、この混合物を水洗・乾燥した後、当該混合物をエッジランナーによって圧密粉砕処理をすることにより磁性粒子の粒子表面にAl又はSi若しくはAl及びSiを含む酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上の酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とを固着させることを特徴とする磁気記録用磁性粒子粉末の製造法。
- 磁性粒子を含む水性懸濁液にアルカリ水溶液を添加して該懸濁液のpH値を10以上とし、当該懸濁液に前記磁性粒子に対しAl換算とSiO 2 換算との総量で0.01〜5.0重量%のAl又はSi若しくはAl及びSiとSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上とを含む水溶液を添加し、攪拌しながら、この液のpH値を1〜10分間で中性付近に調節してAl又はSi若しくはAl及びSiとSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上との水酸化物超微粒子を速沈させた後、当該液中の磁性粒子を水酸化物超微粒子とともに濾別して磁性粒子と水酸化物超微粒子とからなる混合物を得、該混合物を水洗・乾燥した後、この混合物をエッジランナーによって圧密粉砕処理をすることからなる磁性粒子粉末の製造法において、前記磁性粒子を含む水性懸濁液にアルカリ水溶液を添加して該懸濁液のpH値を10以上とする操作から前記混合物をエッジランナーによって圧密粉砕処理をする操作までを、少なくとも2回以上繰り返すことにより磁性粒子の粒子表面にAl又はSi若しくはAl及びSiを含む酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上の酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とを固着させることを特徴とする磁気記録用磁性粒子粉末の製造法。
- 磁性粒子を含む水性懸濁液にアルカリ水溶液を添加して該懸濁液のpH値を10以上とし、当該懸濁液に前記磁性粒子に対しAl換算とSiO 2 換算との総量で0.01〜5.0重量%のAl又はSi若しくはAl及びSiを含む水溶液を添加し、攪拌しながら、この液のpH値を1〜10分間で中性付近に調節してAl又はSi若しくはAl及びSiの水酸化物超微粒子を速沈させた後、当該液中の磁性粒子を水酸化物超微粒子とともに濾別して磁性粒子と水酸化物超微粒子とからなる混合物を得、この混合物を水洗・乾燥した後、当該混合物をエッジランナーによって圧密粉砕処理をし、次いで、当該圧密粉砕処理された磁性粒子を用いて磁性粒子を含む水性懸濁液を調製し、この懸濁液にアルカリ水溶液を添加して該懸濁液のpH値を10以上とし、当該懸濁液にSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上を含む水溶液を添加し、攪拌しながら、この液のpH値を1〜10分間で中性付近に調節してSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上の水酸化物超微粒子を速沈させた後、当該液中の磁性粒子を水酸化物超微粒子とともに濾別して磁性粒子と水酸化物超微粒子とからなる混合物を得、この混合物を水洗・乾燥した後、当該混合物をエッジランナーによって圧密粉砕処理をすることにより磁性粒子の粒子表面にAl又はSi若しくはAl及びSiを含む酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上の酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とを固着させることを特徴とする磁気記録用磁性粒子粉末の製造法。
- 磁性粒子を含む水性懸濁液にアルカリ水溶液を添加して該懸濁液のpH値を10以上とし、当該懸濁液にSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上を含む水溶液を添加し、攪拌しながら、この液のpH値を1〜10分間で中性付近に調節してSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上の水酸化物超微粒子を速沈させた後、当該液中の磁性粒子を水酸化物超微粒子とともに濾別して磁性粒子と水酸化物超微粒子とからなる混合物を得、この混合物を水洗・乾燥した後、当該混合物をエッジランナーによって圧密粉砕処理をし、次いで、当該圧密粉砕処理された磁性粒子を用いて磁性粒子を含む水性懸濁液を調製し、この懸濁液にアルカリ水溶液を添加して該懸濁液のpH値を10以上とし、当該懸濁液にAl又はSi若しくはAl及びSiを含む水溶液を前記磁性粒子に対しAl換算とSiO 2 換算との総量で0.01〜5.0重量%添加し、攪拌しながら、この液のpH値を1〜10分間で中性付近に調節してAl又はSi若しくはAl及びSiの水酸化物超微粒子を速沈させた後、当該液中の磁性粒子を水酸化物超微粒子とともに濾別して磁性粒子と水酸化物超微粒子とからなる混合物を得、この混合物を水洗・乾燥した後、当該混合物をエッジランナーによって圧密粉砕処理をすることにより磁性粒子の粒子表面にSn、Sb、Ag、Pd、Cu、Feから選ばれる1種又は2種以上の酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とAl又はSi若しくはAl及びSiを含む酸化物超微粒子或いは水酸化物超微粒子とを固着させることを特徴とする磁気記録用磁性粒子粉末の製造法。
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