JP3638576B2 - 舶用サイドスラスター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、主推進装置や舵では行い得ない操船作業に使用される舶用サイドスラスターに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、定期客船やフェリーボート、漁船、大型レジャー船などで、離着岸や揚網作業時など遅い船速下にも係わらず機敏な回頭動作や横平行移動の要求される船舶にはサイドスラスターが設備されることが多い。
【0003】
一般に、これらサイドスラスターは図12に示すように、船体1の船首部2などの水線下に船体幅方向へダクト3を貫通配置し、このダクト3内に水流を起こすプロペラ4を軸支し、油圧あるいは電動などのモーター5を動力源として、プロペラ4を正逆転させることによってダクト3から水流をいずれか一方の矢印方向へ選択的に噴出させ、その反作用で船体の回頭や横移動を生ぜしめるようにされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記サイドスラスターは効率的な面から、ダクト3内に推進プロペラ4を一つだけ設け、正逆転させることによりいずれかの舷へ排出流を起こさせるようにされている。この場合、船体の排水量が大きくなれば推進プロペラ4の推進馬力を大きくし、高速回転しなければならないが、このようにすると当然、推進プロペラ4に対する負荷も増え、高速回転によるキャビテーションが発生しやすくなり、この結果十分な回頭推力が得られなくなり、意図した通りの操船がし辛くなる問題があった。
【0005】
さらに、図示のように一つのプロペラ4を正逆転して推力を発生させる場合、動力軸ハウジング4aや推進軸ハウジング4bが水流抵抗となり、水流をプロペラ4より動力軸ハウジング4a側へと噴出させる場合とその逆方向とで、同一の回転数でも推力が異なり、両舷の回頭推力を一定にすることはできない問題があった。
【0006】
もっとも、動力軸ハウジング4aを中心としてプロペラ4の向きを180度回転自在に支持し、常にプロペラ4が吐出側へ向いて回転するように構成する場合もあるが、この場合プロペラシャフト4aの回転支持構造が複雑となり、製造及び保守点検に手間がかかるといった問題があった。
【0007】
また、これらサイドスラスターの推進プロペラは、水線下の狭いダクト内に配置されている事から修理点検作業を水中で行うのは困難で、点検修理には船体の上架が余儀なくされ、非常に手間と経費がかかる問題も生じていた。
【0008】
この発明は、上記問題を解消し、大きな推力をキャビテーションの危険なく確実に発揮し、しかも両舷とも同一回転数でほぼ同一の推力とし、機敏な船体横移動や回頭を可能にすることを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1の発明は、水線下の船体幅方向に貫通配置されるダクト内に該ダクトの軸方向水流を起こすプロペラ式推進装置を設けた舶用サイドスラスターにおいて、前記ダクト内に配置された推進回転軸の両端にそれぞれプロペラが設けられ、前記ダクト内の軸方向水流が、前記二つのプロペラの同軸回転によって起されるようにされてなり、前記推進回転軸を受容するハウジングを備え、一方のプロペラは前記推進回転軸から取り外し可能に構成され、前記ハウジングは、前記一方のプロペラを推進回転軸から取り外した箇所にキャップ体を水密に取り付け可能とされてなるものである。
【0010】
従って、ダクト内で発生する水流は、同軸方向に配列された二つのプロペラで発生され、噴出流の流勢は両舷何れの方向でも噴出側に位置するプロペラの推力に依存するので、両舷何れの方向への推力も一定の強さとすることができる。
【0011】
また、駆動力を二つのプロペラに分散させ、その分プロペラに加わる負荷を軽減できるのでキャビテーション発生の危険も著しく軽減できる。また、キャビテーション発生による推力の低下を防げる効果もある。また、二つのプロペラによる同時運転に振動発生や水流の発生に何らかの問題がある場合、直ちに単一プロペラに変更できるので、汎用性に富む効果がある。
【0012】
また、一本の回転軸の両側にそれぞれプロペラを取り付け、一本の回転軸のみに、駆動力を伝達すれば良いので伝達機構の構造が簡単となる。
請求項2の発明は、請求項1の舶用サイドスラスターにおいて、二つのプロペラの回転方向が逆とされ、この逆方向回転によってそれぞれのプロペラの起こす水流が同方向とされているものである。
【0013】
この場合、二つのプロペラに対する駆動装置は複雑となるものの、プロペラによって発生される渦水流が、噴出方向は同一であるが渦の回転方向が逆となるので噴出流の流勢を強くすることができ、プロペラの噴出効率が良くなる。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は2の舶用サイドスラスターの二つのプロペラの間におけるダクト内面に、プロペラの起こした渦水流を直流方向へ整流する案内突条を設けたものである。
【0015】
プロペラによって発生された水流は、ダクト内で流路が制限された状態で強制的に流れるので、最初のプロペラによって生じた渦流が案内突条により矯正され、その状態で後面に位置するプロペラによって流出されるので、後方のプロペラに流入するまでの流速が低下した場合でも再度流速が増加される。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1、2、又は3の舶用サイドスラスターの二つのプロペラ間のプロペラ軸ハウジング外面に、ダクト内に径方向へ張り出す整流フィンを設けたものである。
【0017】
この場合は、ハウジング側からの整流フィンでダクト内の水流が整流される。
【0018】
請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4の舶用サイドスラスターにおいて、水線下の船体幅方向に貫通配置されるダクトが二重筒とされ、内筒と外筒との間にスペーサが介挿されてなるものである。
【0019】
二重筒とされたダクトの空間部分により防音がされ、プロペラ振動等による騒音が船内に伝えられるのが防止される。また、スペーサとして弾性を有する部材を使用すれば、共鳴振動数等により振動が発生する場合、内外筒間に介挿したスペーサで振動が吸収されるので、船内に不快な振動が伝わるのも防止できる。
【0020】
請求項6の発明は、請求項1、2、3、4又は5の舶用サイドスラスターにおいて、プロペラのボス部に少なくとも一条の周方向溝を設けてなるものである。
【0021】
このようにプロペラボス部に周方向溝を設けると、魚網やロープ、ワイヤー等がプロペラに巻き付いた場合、この溝に積極的に巻き付かせることによって、プロペラ軸のベアリングなどへ食い込んでいくのを防止できるのである。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態である舶用サイドスラスターを説明する。
実施の形態1
図1は、この発明の実施の形態1である舶用サイドスラスターの断面図、図2は側面図、図3は蓋部の平面図である。
【0023】
図1〜図3において、ダクト3の外面に、後述するプロペラ22、22を推進回転軸19に付けたまま船内で装着、抜出しできるようにするため、図1の上方から見た平面視で長方形状となる開口部6が形成され、この開口部6に沿って形成されたフランジ部7に蓋板8がパッキン9を介してボルトナット10…10で水密に取りつけられている。
【0024】
そして、蓋板8にプロペラ式推進装置11が支持されている。
即ち、蓋板8の中心部に軸孔12が設けられ、この軸孔12にシャフトケース13が挿通され、シャフトケース13のフランジ部14が、軸孔12周囲にボルト15で締結されている。
【0025】
このシャフトケース13内には、図1に示すように回転駆動軸16がベアリング17、17を介して軸周囲に回転自在に軸支されている。
シャフトケース13の下端には、軸芯がシャフトケース13の軸芯と直交するようにハウジング18が水密状態に取付けられ、ハウジング18内には推進回転軸19がベアリング20、20を介して軸支され、推進回転軸19外面とハウジング18内面との間は、パッキン21によって水密にシールされている。
【0026】
回転駆動軸16と推進回転軸19とは、カサ歯車23、23によって連接され、回転駆動軸16の回転運動が推進回転軸19に伝達されるようにされている。ハウジング18より突出した推進回転軸19の先端両側部分21、21にプロペラ22が取付けられ、同一回転で同一方向への水流が起されるようにされている。
【0027】
シャフトケース13の上端には、駆動モータ24が設けられ、その回転軸25は回転駆動軸16と直結されている。
図示例の駆動モータ24は油圧モータを示し、図外の油圧ポンプから油圧をポート24A、24Bに供給、排出することによって正逆転操作するようにされている。
【0028】
また、蓋板8裏面のシャフトケース13の両側部分には、図3〜図5に示すように、ダクト3内面と同一内面となるように同一半径で湾曲された水流安定カバー29、29が、型材よりなるブラケット30、30で取付けられ、水流安定カバー29によりダクト3内のシャフトケース13上端周囲にできる異形断面の空隙部分を閉じ、この空隙部分にダクト内の水流が入りこむことによる水流抵抗を生じさせないようにされている。
【0029】
また、図1、図2において、シャフトケース13の上端部分に符号26、26で示す部材は潤滑油用ポートを示し、潤滑油サプライタンク27の底部と一方のポート26が連通され、他方のポート26が潤滑油サプライタンク27の頂部に連通されて、潤滑油が回転駆動軸16や推進回転軸19を巡って自動的に循環するようにされている。
【0030】
プロペラ22、22より軸方向外側のダクト3内面には、流木や浮遊物、魚網などに対する防護カバー31、31がそれぞれブラケット32…を介してダクト3断面を横切るようにして取付けられている。
【0031】
なお、プロペラ22のボス部には、図1の部分拡大図に示すように周方向溝34、35が形成されている。この溝34、35は、例えば魚網やロープなどがプロペラ軸19に絡みそうになったときに、この溝34、35に積極的に巻き付かせ、ハウジング18内へと噛み込むのを防止するためのものである。
【0032】
魚網やロープ、ワイヤーなどがプロペラ軸に巻き付き、これらがハウジング18内に食い込んでいくと、シールパッキン21部やベアリング20に噛み込んで致命的な故障の原因となることがあるが、このように、ハウジング18内の軸部に巻きつく前にボス部の周方向溝34、35に積極的に巻き付かせることによって、ハウジング18との間のシールパッキン21部やベアリング20へと魚網やロープなどが噛みこまれて行くのを未然に防止するのである。
【0033】
次に、この実施の形態1の舶用サイドスラスターの取付け並びに作動について説明する。
まず、この舶用サイドスラスターのダクト3を、図6に示すように船体1の船首部あるいは船尾部(図示例は船首部2)の喫水線WL下に貫通配置し、ダクト3の開口部3aを船殻2aの外面に沿わせるように裁断し、ダクト3の開口部3aと船殻2aとを水密に溶接し、あるいはFRP船の場合は図示のようにハンドレイアップ3b…などの手法で接着する。
【0034】
次いで、推進回転軸19にプロペラ22を取付けた後、ハウジング18と回転駆動軸16を収納したシャフトケース13を蓋板8と共に、ダクト3の開口部6に挿入配置し、蓋板8をパッキン9を介してボルトナット10でダクト3に締結すると共にシャフトケース13を蓋板8にボルトナット15で確実に固定する。
【0035】
このとき、ダクト3の開口部6は、長方形状とされているので、推進回転軸19にプロペラ22を取付けたままシャフトケース13を、船内からダクト3に挿入することができるので、狭いダクト内でのプロペラ取付け作業が不要となり、取付作業が容易となる。
【0036】
そしてダクトから立ちあがる油圧駆動モータ24に必要な油圧配管(図示省略)及び潤滑油28用の供給管を配管する。これでサイドスラスターの取付が終了する。
【0037】
次いで、作動について説明する。
船速が遅い状態あるいは停船状態で、船体の回頭ないし平行移動を行う場合、駆動モーター24を駆動して、回転駆動軸16を回転駆動し、これにより推進回転軸19を回転させ、プロペラ22、22を回転駆動する。
【0038】
このとき、図6に示す矢印X方向への水流を発生させようとする場合、シャフトケース13を挟んで対峙するプロペラ22、22によって同時に矢印X方向の水流が発生させられるが、例えば、吸いこみ側(図6の右側)のプロペラ22で起された水流の流速が、ダクト3内を縦に横切るシャフトケース13の抵抗で低下しても、吐き出し側(図6の左側)のプロペラ22で水流が再度附勢されて吐出されので、噴出水流の強さが保たれる。これは逆方向へ噴出する場合でも同様であるので、同一の回転数の何れの方向に対する噴出力であっても同じ噴出出力とすることができる。
【0039】
また、プロペラ22、22が二つであっても駆動モータは一台であるので、駆動装置も構造が簡略化され、また水流を起こす際の力も二つのプロペラ22、22で分担されるのでプロペラに対する負荷もそれだけ小さくなり、キャビテーション発生の危険も著しく軽減する。従って、一つのプロペラを高速回転した場合のキャビテーション発生による効率低下といった不利が起こり難く、効率が良くなる。
実施の形態2
図7は実施の形態2の舶用サイドスラスターの断面図である。
【0040】
なお、この実施の形態2の舶用サイドスラスターは、実施の形態1の舶用サイドスラスターに比べプロペラ22の回転軸の構造が異なるだけで、他は同一であるため同一部分については実施の形態1と同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0041】
図7において、ハウジング18内の推進回転軸19は、両端の回転方向が異なるよう、中央部分から分離され、一方の軸19の軸端には、細径部19aが軸方向へ突出形成され、他方の軸19には中心に細径部19aを受容する受容孔19bが穿設形成され、細径部19aが受容孔19b内に挿入され、細径部19a外面と受容孔19b内面との間にベアリング20が設けられ、相対回転が出来るようにされている。
【0042】
そして、何れの軸にもカサ歯車23、23が設けられ、回転駆動軸16により各推進回転軸19、19に逆回転が伝動されるように構成されている。
なお、プロペラ22、22の翼の捻り方向は、逆回転で起される水流が同一方向となるよう互いに逆関係とされている。
【0043】
従って、一台の駆動モータ24で駆動されるプロペラ22、22は、互いに逆回転しながら同一方向の水流を起こすので、吸いこみ側のプロペラ22が起こした水流に対し、吐き出し側のプロペラ22の翼面が、向かっていくように衝突するので、同一回転時のような水流の同一方向性が無く、より効率の良い水流排出が行われる。
【0044】
従って、二つのプロペラに負荷を分散することによるキャビテーション発生の抑制の効果に加え、一台の駆動モータによる駆動力が非常に有効利用できることとなる。
【0045】
実施の形態3
図8は、実施の形態3の舶用サイドスラスターのダクトのみの断面図、図9は防護カバー31を省略して示す実施の形態3の舶用サイドスラスターの正面図である。
【0046】
この実施の形態3の舶用サイドスラスターは、実施の形態1あるいは実施の形態2に示した舶用サイドスラスターのように、二つのプロペラ22、22の間におけるダクト3内面に、水流を直流方向へ整流する案内突条36、36を設けたものである。
【0047】
この案内突条36、36は、二つのプロペラ22、22間にわたる長さとされ、水流抵抗を少なくするため、両端がゆるい傾斜部分とされている。
また、周方向に沿った本数は、少ないと整流効果が得られず、またあまり多くするのは水流抵抗が増すのと、製造コストが嵩むため、図示例のようにシャフトケース13部分を除いた適当な複数個所に設けるなどといった構成とすることが好ましい。
【0048】
また、案内突条36の延びる方向は、図示のように軸方向直線とする他スパイラル状の曲線としても良い。
従って、この構成によれば、吸いこみ側プロペラ22(図6)によって起こされた水流は、矢印Qで示すように渦巻き状に発生するが、吐き出し側のプロペラ22へ流れ込む間に案内突条36によって直流に近い流れRに整流されるので、吐き出し側のプロペラ22の効率も良くなる。
【0049】
また、図9に示すようにハウジング18外面に翼状に整流フィン37、37を突設しても良い。
この整流フィン37、37によって、吸いこみ側のプロペラ22の渦巻き水流も直流に近い流れに整流される。
【0050】
なお、案内突条36と整流フィン37の両方を備えた構造としても良い。
実施の形態4
図10は、実施の形態4の舶用サイドスラスターの断面図である。
【0051】
この実施の形態4の舶用サイドスラスターは、実施の形態1あるいは実施の形態2に示した舶用サイドスラスターの二つのプロペラ22、22のうち一方のプロペラ22を推進回転軸19から二点鎖線の矢印で示すように取り外し、単一プロペラでの操船もできるようにしたものである。
【0052】
図10は、図1に示した右側のプロペラ22を取り外し、そこにキヤップ体42を嵌めつけた状態を示すもので、この実施の形態4において、推進回転軸19を受容するハウジング18には、予めキャップ体42が用意され、プロペラ22と、ハウジング18の推進回転軸19挿通孔を有するカバー18aを取り外した後、推進回転軸19の末端を切断し、図示のように用意されたキャップ体42をシールパッキン(図示せず)を介して被せ、ボルト43で水密に止着するようにされている。
【0053】
この構造によれば、タンデムプロペラとした場合に、例えば振動の発生など何らかの不都合が生じた場合、簡単に単軸のプロペラ推進に戻すことが出来るので、補修のためのコストが著しく軽減される効果がある。
【0054】
さらに他の実施の形態として、図11に示すようにダクト3を左側の半裁正面図にも明示されているように、内筒3rと外筒3qの2重構造とし、外筒3qを図6の符号3bで示すようにハンドレイアップ等により船殻2aに固定する一方、内筒3rと外筒3qとの間にスペーサ3s…を介挿することによって、空間Sを設け、防音あるいは防振空間を形成しても良い。
【0055】
図示のように出来るだけ少ない点状スペーサ3sにより空間Sを形成すれば、スペーサ3sによる振動伝達がされにくくなり、それだけ船内への防音効果が得られる。
【0056】
なお、スペーサ3sの材質としては、硬質材料のほかゴム状弾性を有した材質とし、形態をダクト3の軸方向長さの全長にわたる長さの棒状体として周方向に適宜間隔に介挿したもの、あるいはスペーサ3sをリング状に形成し、これを軸方向適宜間隔毎に挿入する構成としても良い。
【0057】
この場合は、プロペラ22の回転及び水流により生じる振動をスペーサ3sに吸収させ、不快な振動が船内に伝わるのを防止することもできる。
なお、この場合の弾性を有するスペーサ3sは、例えば耐候性、耐水性を有するウレタンなどの合成ゴム製などとされる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の舶用サイドスラスターによれば、一定の力による駆動力によって起こされるダクトからの噴出水流の強さが、正逆転しても両舷でほぼ一定の推力にすることができる。
【0059】
また、二つのプロペラに噴出水流を起こすための力を分散させるので、その分プロペラに加わる負荷を軽減でき、その結果キャビテーション発生の危険も著しく軽減でき、プロペラの推進効率も良くなる効果がある。また、一つのプロペラを取り外して直ちに単一プロペラに改変することができ、タンデム、単一の両システムへの変更が容易に出来る効果を有する。
【0060】
さらに、二つのプロペラを、互いに逆回転させることによって同一方向の水流を起させるようにした場合は、さらにプロペラの効率も良くなり、ダクト内あるいはハウジング外面に案内突条ないしは整流フィンを設けた場合は、整流によってさらにプロペラの効率が良くなる効果を有する。
【0061】
さらにダクトに防音空間を設け、あるいは振動吸収性を持たせれば、スラスター使用時に発生することのある不快な騒音や振動を船内に伝えるのが防止できるなどの効果を有する。
【0062】
また、プロペラのボス部に周方向凹溝を形成し、ここに異物を巻き付き易くすることによって軸部への異物の噛み込みを無くすこともできる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1である舶用サイドスラスターの断面図である。
【図2】同側面図である。
【図3】同蓋部の平面図である。
【図4】図3のA‐A線断面図である。
【図5】図3のB‐B線断面図である。
【図6】実施の形態1である舶用サイドスラスターの使用状態を示す断面図である。
【図7】実施の形態2である舶用サイドスラスターの断面図である。
【図8】実施の形態3である舶用サイドスラスターのダクトの断面図である。
【図9】実施の形態3である舶用サイドスラスターの正面図である。
【図10】実施の形態4である舶用サイドスラスターの断面図である。
【図11】さらに他の実施の形態である舶用サイドスラスターのダクトのみの断面図及び半裁正面図である。
【図12】従来のサイドスラスターの要部斜視図である。
【符号の説明】
1 船体
2 船首部
3 ダクト
8 蓋板
11 プロペラ式推進装置
12 軸孔
13 シャフトケース
14 フランジ部
15 ボルトナット
16 回転駆動軸
18 ハウジング
19 推進回転軸
22 プロペラ
23 傘歯車
24 駆動モータ
29 水流安定カバー
31 防護カバー
34 案内突条
35 整流フィン

Claims (6)

  1. 水線下の船体幅方向に貫通配置されるダクト内に該ダクトの軸方向水流を起こすプロペラ式推進装置を設けた舶用サイドスラスターにおいて、前記ダクト内に配置された推進回転軸の両端にそれぞれプロペラが設けられ、前記ダクト内の軸方向水流が、前記二つのプロペラの同軸回転によって起されるようにされてなり、前記推進回転軸を受容するハウジングを備え、一方のプロペラは前記推進回転軸から取り外し可能に構成され、前記ハウジングは、前記一方のプロペラを推進回転軸から取り外した箇所にキャップ体を水密に取り付け可能とされている舶用サイドスラスター。
  2. 請求項1の舶用サイドスラスターにおいて、二つのプロペラの回転方向が逆とされ、この逆方向回転によってそれぞれのプロペラの起す水流が同方向とされている舶用サイドスラスター。
  3. 請求項1又は2の舶用サイドスラスターの二つのプロペラの間におけるダクト内面に、プロペラの起こした渦水流を直流方向へ整流する案内突条を設けた舶用サイドスラスター。
  4. 請求項1、2又は3の舶用サイドスラスターの二つのプロペラ間のハウジング外面に、ダクト内に径方向へ張り出す整流フィンを設けた舶用サイドスラスター。
  5. 請求項1、2、3又は4の舶用サイドスラスターにおいて、水線下の船体幅方向に貫通配置されるダクトが二重筒とされ、内筒と外筒との間にスペーサが介挿されてなる舶用サイドスラスター。
  6. 請求項1、2、3、4又は5の舶用サイドスラスターにおいて、プロペラのボス部に少なくとも一条の周方向溝を設けてなる舶用サイドスラスター。
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