JP3638390B2 - トリアゾール誘導体、その製造方法及び当該化合物を有効成分とする医薬 - Google Patents

トリアゾール誘導体、その製造方法及び当該化合物を有効成分とする医薬 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なトリアゾール誘導体に関し、更に詳細には優れた抗真菌作用と高い安全性を兼ね備えた新規なトリアゾール誘導体、これを有効成分とする医薬、並びにこの化合物の製造中間体及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
真菌症には各種白癬、頑癬、乾癬、皮膚カンジダ症等に代表される表在性真菌症と、真菌性髄膜炎、真菌性呼吸器感染症、真菌血症、尿路真菌症等に代表される深在性真菌症とがある。このうちカンジダ症、アスペルギルス症等の深在性真菌症は、癌化学療法剤や免疫抑制剤の繁用、HIV感染等による生体内免疫の低下等により、特に近年増加の傾向にあり、これらの菌に有効な薬剤が望まれている。
【0003】
しかし、アスペルギルス菌及びカンジダ菌に有効な薬剤としては、従来アムホテリシンBや、アゾール系化合物のフルコナゾール、イトラコナゾール等が知られているが、未だ僅少である。そこで、より有効な抗真菌剤の研究開発が行われており、例えばアゾール系化合物としては、メタンスルホニル基を持つ化合物(特開昭61-85369号公報、特開平3-223266号公報等)、ジフルオロメチレン基を持つ化合物(特開昭59-163374号公報、特開平5-163269号公報等)などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来知られている深在性真菌症治療薬は、いずれも安全性あるいは抗真菌作用の点で問題があり、アスペルギルス菌及びカンジダ菌に必ずしも有効でない。従って、本発明の目的は、強い抗真菌作用を有し、アスペルギルス菌及びカンジダ菌にも有効であり、かつ安全性が高い化合物及びこれを有効成分とする医薬を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは、数多くのトリアゾール誘導体を合成し、その抗真菌作用について検討を行った結果、後記一般式(1)で表されるトリアゾール誘導体及びその塩が、アスペルギルス菌及びカンジダ菌に対しても優れた抗真菌作用を有し、しかも安全性も高いことから、医薬として有用であることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は次の一般式(1)
【0007】
【化8】
Figure 0003638390
【0008】
〔式中、Y1及びY2は同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基を示し、nは0、1又は2を示す。〕で表わされるトリアゾール誘導体又はその塩のラセミ体あるいは(−)体及びこれらを有効成分とする医薬、並びに当該化合物の製造中間体及びこれらの化合物の製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
前記式(1)中、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられるが、このうちフッ素原子又は塩素原子が好ましい。
【0010】
本発明のトリアゾール誘導体(1)の塩としては、薬学的に許容される塩であれば特に制限されないが、酸付加塩、例えば塩酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、乳酸塩等が挙げられる。
【0011】
本発明のトリアゾール誘導体(1)及びその塩には、不斉炭素原子及びスルホキシドに基づく立体異性体が存在するが、本発明には、これらのいずれの異性体も、またラセミ体等の異性体混合物も包含される。また、トリアゾール誘導体(1)又はその塩は、水和物に代表される溶媒和物の形態で存在することもあり、本発明においてはこれらも包含される。
【0012】
本発明のトリアゾール誘導体(1)は、例えば以下の反応式に従って製造することができる。
【0013】
【化9】
Figure 0003638390
【0014】
〔式中、X2 はハロゲン原子を示し、Y1 及びY2 は前記と同じ。〕
すなわち、既知化合物である2-ハロ-アセトフェノン誘導体(4)をメチルチオ化して化合物(2a)とし、これを直接又は2-フルオロ-2-(メチルチオ)アセトフェノン誘導体(2b)を経由して、又は既知化合物である2,2-ジフルオロ-2-置換アセトフェノン誘導体(5)をメチルチオ化することにより、2,2-ジフルオロ-2-(メチルチオ)アセトフェノン誘導体(2c)に導き、かくして得られた化合物(2c)を直接トリアゾールメチル化するか、又は一旦エポキシメチル化して化合物(3)とした後、化合物(3)をトリアゾール化することにより、上記一般式(1)においてn=0である化合物(1a)を製造することができる。また化合物(1a)を酸化することにより、一般式(1)においてn=1である化合物(1b)及びn=2である化合物(1c)を製造することができる。また、ここでは、化合物(1b)を酸化することによっても化合物(1c)を製造することができる。なお、化合物(1a)、(1b)及び(1c)のみならず、上記中間体(2b)、(2c)及び(3)のいずれも刊行物未記載の新規な化合物であり、本発明に包含される。
【0015】
以下、上記の工程に従い本発明を説明する。
【0016】
工程(4-2a):
化合物(2a)は、化合物(4)をメチルチオ化することにより、製造することができる。
【0017】
原料である化合物(4)において、一般式(4)中のX2 としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられるが、なかでも塩素原子が好ましい。また、Y1 及びY2 で示されるもののうち、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、なかでもフッ素原子が好ましい。化合物(4)のうち、X2 がフッ素原子、塩素原子、臭素原子等で、Y1 及びY2 が共にフッ素原子である化合物は例えばアルドリッチ社から市販されている。
【0018】
メチルチオ化試薬としては、メチルメルカプタンのナトリウム塩、カリウム塩等の金属塩、及びその水溶液、メタノール溶液等が挙げられるが、なかでもメチルメルカプタンのナトリウム塩水溶液が好ましい。反応溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン等が使用できるが、アルコール系溶媒、特にメタノールが好ましい。
【0019】
工程(2a-2c):
化合物(2c)は、化合物(2a)を溶媒中でフッ素化試薬と反応させることにより、製造することができる。
【0020】
フッ素化試薬としては、フッ素ガス、フッ化ペルクロリル、フッ化カリウム、スプレードライフッ化カリウム、フリーズドライフッ化カリウム、テトラアルキルアンモニウムフロリド、トリス(ジメチルアミノ)サルファ(トリメチルシリル)ジフロリド、N-フルオロピリドン、N-フルオロ-N-アルキル−アレーンスルホンアミド、N-フルオロキヌクリジニウム塩、N-フルオロペルフルオロアルキルスルホンイミド、N-フルオロサルタム、フッ化キセノン、N-フルオロピリジニウム塩、N-フルオロピリジニウムスルホネート等が、その市販品としては、オノダ・フロリネイトFP-T300、同FP-T500、同FP-T700、同FP-B300、同FP-B500、同FP-B700、同FP-B800(以上、秩父小野田(株)製)、MEC-01、MEC-02、MEC-03、 MEC-04、MEC-05(以上、ダイキン工業(株)製)等が挙げられる。フッ素化試薬の使用量は、化合物(2a)1モルに対し2〜20当量が好ましい。反応溶媒としては、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、クロロホルム、メチレンクロリド、ジエチルエーテル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等が使用できるが、特に1,1,2-トリクロロエタンが好ましい。反応温度は-78℃〜溶媒の沸点の範囲が好ましく、特に80〜100℃が好ましい。
【0021】
また、収率を向上させるためにルイス酸又は塩基を使用することができる。ルイス酸としては、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化スズ等が挙げられ、塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、tert-ブトキシカリウム、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。
【0022】
工程(2a-2b)及び工程(2b-2c):
また、化合物(2c)は化合物(2b)を経由して製造することもできる。この場合の化合物(2b)の合成及び化合物(2c)の合成は、化合物(2a)から化合物(2c)を直接合成する場合と同様、溶媒中でフッ素化試薬と反応させることにより行われ、フッ素化試薬、溶媒、ルイス酸及び塩基は、前記工程(2a-2c)で使用されるものと同様のものが使用できる。化合物(2a)から化合物(2b)を合成する反応においては、フッ素化試薬の使用量は化合物(2a)1モルに対し1〜2当量、特に1〜1.5当量が好ましく、溶媒は特に1,2-ジクロロエタンが好ましく、反応温度は特に20〜40℃が好ましい。更に、化合物(2b)から化合物(2c)を合成する反応においては、フッ素化試薬の使用量は化合物(2b)1モルに対し1〜2当量、特に1〜1.5当量が好ましく、溶媒は特に1,1,2-トリクロロエタンが好ましく、反応温度は特に80〜100℃が好ましい。
【0023】
工程(5-2c):
更に、化合物(2c)は、化合物(5)をメチルチオ化することによっても製造することができ、この場合のメチルチオ化剤としてはメチルメルカプタンナトリウム及びその水溶液が挙げられる。メチルチオ化剤の量は、化合物(5)に対し1〜2当量が好ましい。また、反応溶媒としては、メタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、反応温度は、-78℃〜溶媒の沸点の範囲が好ましく、特に-20〜50℃が好ましい。
【0024】
工程(2c-1a):
化合物(2c)からの化合物(1a)の直接合成は、化合物(2c)1モルに対し、溶媒中、2〜5モルの塩基の存在下、1〜2モルのエポキシメチル化剤及び1〜4モルの1,2,4-トリアゾール又はそのアルカリ金属塩を用い、-100℃〜室温ないし還流条件下で1〜30時間反応させることにより行われる。エポキシメチル化剤としては、トリメチルスルホキソニウムヨーダイド、トリメチルスルホニウムヨーダイド等が挙げられる。塩基しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム等が挙げられ、特に水酸化カリウムが好ましい。反応溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール等のアルコール類が好ましい。
【0025】
工程(2c-3):
また、化合物(1a)は化合物(3)を経由して製造することもできる。この場合の化合物(3)の合成は、溶媒中、化合物(2c)1モルに対し、2〜5モルの塩基の存在下、1〜2モルのトリメチルスルホキソニウムヨーダイド、トリメチルスルホニウムヨーダイド等のエポキシメチル化剤を反応させることにより行われ、溶媒としては、ジメチルスルホキシド等が好適に使用できる。また、必要に応じて溶媒中にジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等を添加してもよい。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム等が挙げられ、特に水素化ナトリウムが好ましい。反応温度は、-100℃〜溶媒の沸点の範囲、特に-40〜50℃が好ましい。
【0026】
工程(3-1a):
化合物(3)からの化合物(1a)の合成は、化合物(3)を溶媒中、塩基の存在下、1,2,4-トリアゾール又はそのアルカリ金属塩と反応させることにより行われる。溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドが好適に使用できる。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、tert-ブトキシカリウム等が挙げられる。反応温度は、0℃〜溶媒の沸点の範囲、特に20〜60℃が好ましい。
【0027】
工程(1a-1b):
化合物(1b)は、化合物(1a)1モルに対して1当量前後、好ましくは1.2当量程度の酸化剤を反応させることにより製造できる。酸化剤としては、m-クロロ過安息香酸、過酸化水素、過酢酸、テトラプロピルアンモニウムパールテナート、四酸化オスミウム、過マンガン酸カリウム、オキソン等を用いて行うことができる。溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸、メタノール、水、アセトニトリルが使用できる。反応温度は-40℃〜溶媒の沸点の範囲であるが、好ましくは0〜50℃である。また、収率を向上させるために触媒を使用することができ、かかる触媒としては二酸化セレン、タングステン酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、酸化バナジウム等が挙げられ、なかでもタングステン酸ナトリウムが好ましい。
【0028】
工程(1b-1c)及び工程(1a-1c):
化合物(1c)は、上記で得られた化合物(1b)1モルに対し、更に1.0〜2.0当量、好ましくは1.2当量程度の酸化剤を反応させることにより製造できる。また化合物(1c)は、化合物(1a)1モルに対して2当量以上、好ましくは2.2〜2.5当量の酸化剤を反応させることによっても製造できる。用いられる酸化剤、溶媒及び触媒並びに反応温度については、上記工程(1a-1b)と同様である。
【0029】
化合物(1a)及び(1c)は、水酸基が結合している炭素原子が不斉中心となるため、それぞれ2つの鏡像異性体が存在し、化合物(1b)は、当該炭素原子とスルホキシドの2つの不斉中心に基づく2つのジアステレオマーが存在する。それらは、以下の方法により分離することができる。
【0030】
化合物(1a)には、不斉炭素原子に基づく2つの鏡像異性体が存在するが、この光学活性体は光学異性体分離用カラムを用いて分離することにより製造することができる。光学活性固定相としては、合成光学活性ポリマー、天然高分子、アミノ酸金属錯体等が挙げられるが、セルロース誘導体をコーティングしたシリカゲルが好ましい。当該セルロース誘導体をコーティングしたシリカゲルを充填したカラムとしては、キラルセルOD、キラルパックAS(以上、ダイセル化学工業(株)製)等の市販品を用いることができるが、特にキラルセルODが好ましい。また、クロマトグラフィーの形式としては、液体クロマトグラフィーが好ましい。この場合、移動相としての溶離液は、例えばヘキサン−エタノール、ヘキサン−イソプロピルアルコール等を使用できる。また、光学活性体は光学分割法によっても製造することができる。光学分割剤としては、例えばハロゲン原子が置換していてもよい光学活性カンファースルホン酸又はその塩、具体的には、(+)-カンファー-10-スルホン酸、(-)-カンファー-10-スルホン酸、(+)-3-ブロモカンファー-8-スルホン酸、(-)-3-ブロモカンファー-8-スルホン酸、(+)-3-ブロモカンファー-10-スルホン酸、(-)-3-ブロモカンファー-10-スルホン酸、(+)-3-ブロモカンファー-8-スルホン酸アンモニウム塩、(-)-3-ブロモカンファー-8-スルホン酸アンモニウム塩等が挙げられ、特に(+)-3-ブロモカンファー-8-スルホン酸、(-)-3-ブロモカンファー-8-スルホン酸、(+)-3-ブロモカンファー-8-スルホン酸アンモニウム塩、及び(-)-3-ブロモカンファー-8-スルホン酸アンモニウム塩が好ましい。
【0031】
化合物(1b)には、前述したように、2つのジアステレオマーが存在するが、例えばクロロホルム:メタノール(19:1)等を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付すことにより、分離することができる。
【0032】
化合物(1c)は、不斉炭素に基づき2つの光学異性体が存在するが、この光学活性体は、化合物(1a)の場合と同様の光学分割法により製造することができ、また化合物(1a)又は(1b)の光学活性体を用いて前述の酸化反応を行うことによっても製造することができる。
【0033】
本発明の化合物(1)は、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、懸濁剤、注射剤、坐剤、外用剤等の種々の剤型の医薬、特に抗真菌剤とすることができ、また、この場合は、薬学的に許容される担体を配合して製造することができる。具体的には固形製剤の場合には、本発明化合物(1)に賦形剤、更に必要に応じて結合剤、崩壊剤、増量剤、被覆剤、糖衣剤等を加え、常法により製造することができる。注射剤の場合には、本発明化合物(1)を注射用蒸留水等の水性担体にあらかじめ溶解、分散、乳化等して注射用液剤とするか、又は注射用粉末にして用時に溶解等すればよい。注射剤の投与方法としては静脈内投与、動脈内投与、皮下投与、静注点滴が挙げられる。
【0034】
本発明の化合物(1)又はその塩を医薬として用いる場合の投与量は、疾患、症状、体重、年齢、性別、投与経路等の種々の要因によって異なるが、抗真菌剤として用いる場合は、本発明化合物(1)又はその塩換算で通常成人に対しては、0.1〜1000mg/日、好ましくは5〜100mg/日が用いられる。またこの量を1日1回で又は2〜4回に分割して投与してもよい。
【0035】
【実施例】
以下、参考例及び実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】
参考例1 2′,4′-ジフルオロ-2-(メチルチオ)アセトフェノン〔化合物(2a-1)〕の合成:
2-クロロ-2′,4′-ジフルオロアセトフェノン〔化合物(4)-1〕(0.262mol,50g)のメタノール500ml溶液に、氷冷下、15%メチルメルカプタンナトリウム水溶液(0.314mol,147g)を滴下し、室温にて2時間攪拌した。溶媒を減圧留去後、反応液に水を加えて混和後、クロロホルムで抽出し、抽出液を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物を減圧蒸留(93〜95℃,3mmHg)し、無色油状物として標記化合物(2a-1)を47.3g(収率89.2%)得た。
【0037】
1H-NMR(CDCl3)δppm:
2.10(s,3H), 3.77(d,2H), 6.80-7.18(m,2H), 7.92-8.20(m,1H)
【0038】
実施例1 2-メチルチオ-2,2,2′,4′-テトラフルオロアセトフェノン〔化合物(2c-1)〕の合成:
(1) N-フルオロ-4-メチルピリジニウム-2-スルホネートを用いた化合物(2c-1)の合成:
2′,4′-ジフルオロ-2-(メチルチオ)アセトフェノン〔化合物(2a-1)〕(2.5mmol,0.5g)の1,1,2-トリクロロエタン20ml溶液に、内温80℃にてN-フルオロ-4-メチルピリジニウム-2-スルホネート(ダイキン工業(株)製MEC-02,8.9mmol,1.7g)を加え、内温100℃で30分攪拌した。冷後、反応液をn-ヘキサン中に加え、析出した不溶物をろ去し、不溶物をエーテルで洗い、これをヘキサン層と合わせ、水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を、クロロホルムを用いたシリカゲルクロマトグラフィーに付し、淡黄色油状物の標記化合物(2c-1)を0.30g(収率50.8%)得た。
【0039】
1H-NMR(CDCl3)δppm:
2.35(t,3H), 6.91-7.05(m,2H), 7.94-8.00(m,1H)
【0040】
(2) N-フルオロピリジニウムトリフラートを用いた化合物(2c-1)の合成:
2′-4′-ジフルオロ-2-(メチルチオ)アセトフェノン〔化合物(2a-1)〕(2.5mmol,0.5g)の1,1,2-トリクロロエタン20ml溶液に、内温80℃にてN-フルオロピリジニウムトリフラート(秩父小野田(株)製オノダ・フロリネイトFP-T500,12.1mmol,3.0g)を加え、内温100℃で1時間攪拌した。冷後、反応液をn-ヘキサン中に加え、析出した不溶物をろ去し、不溶物をエーテルで洗い、これをヘキサン層と合わせ、水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を、クロロホルムを用いたシリカゲルクロマトグラフィーに付し、淡黄色油状物の標記化合物(2c-1)を0.28g(収率47.5%)得た。
【0041】
実施例2 2-メチルチオ-2,2′,4′-トリフルオロアセトフェノン〔化合物(2b-1)〕を経由する2-メチルチオ-2,2,2 ′,4′-テトラフルオロアセトフェノン〔化合物(2c-1)〕の合成:
(1) 2-メチルチオ-2,2′,4′-トリフルオロアセトフェノン〔化合物(2b-1)〕の合成:
2′,4′-ジフルオロ-2-(メチルチオ)アセトフェノン〔化合物(2a-1)〕(2.5mmol,0.5g)の1,2-ジクロロエタン20ml溶液に、室温にてN-フルオロ-2,4,6-トリメチルピリジニウムトリフラート(秩父小野田(株)製オノダ・フロリネイトFP-T300,3.8mmol,1.1g)を加え、同温にて12時間攪拌した。反応液をn-ヘキサン中に加え、析出した不溶物をろ去し、不溶物をエーテルで洗い、これをヘキサン層と合わせ、水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、淡黄色油状物の標記化合物(2b-1)を0.50g(収率91.7%)得た。
【0042】
1H-NMR(CDCl3)δppm:
2.10(d,3H), 6.70(d,1H), 6.80-7.20(m,2H), 7.95-8.30(m,1H)
【0043】
(2) 2-メチルチオ-2,2,2′,4′-テトラフルオロアセトフェノン〔化合物(2c-1)の合成:
2-メチルチオ-2,2′,4′-トリフルオロアセトフェノン〔化合物(2b-1)〕(2.3mmol,0.5g)の1,1,2-トリクロロエタン20ml溶液に、内温80℃にてN-フルオロ-4-メチルピリジニウム-2-スルホネート(ダイキン工業(株)製MEC-02,3.7mmol,0.7g)を加え、内温100℃で20分攪拌した。冷後、反応液をn-ヘキサン中に加え、析出した不溶物をろ去し、不溶物をエーテルで洗い、これをヘキサン層と合わせ、水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を、クロロホルムを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、淡黄色油状物の標記化合物(2c-1)を0.26g(収率48.1%)得た。
【0044】
実施例3 2-メチルチオ-2,2,4′-トリフルオロアセトフェノン〔化合物(2c-2)〕の合成:
化合物(2a-1)の代わりに4′-フルオロ-2-(メチルチオ)アセトフェノン〔化合物(2a-2)〕(5.4mmol,1.0g) を用いた以外は実施例1(1)と同様の操作により、淡黄色油状物の標記化合物(2c-2)を0.54g(収率45.0%)得た。
【0045】
1H-NMR(CDCl3)δppm:
2.37(t,3H), 7.15-7.22(m,2H), 8.18-8.20(m,2H)
【0046】
実施例4 2′,4′-ジクロロ-2,2-ジフルオロ-2-(メチルチオ)アセトフェノン〔化合物(2c-3)〕の合成:
化合物(2a-1)の代わりに2′,4′-ジクロロ-2-(メチルチオ)アセトフェノン〔化合物(2a-3)〕(8.5mmol,2.0g) を用いた以外は実施例1(1)と同様の操作により、淡黄色油状物の標記化合物(2c-3)を0.60g(収率26.0%)得た。
【0047】
1H-NMR(CDCl3)δppm:
2.35(t,3H), 7.34(dd,1H), 7.52(d,1H), 7.68(d,1H)
【0048】
実施例5 2,2-ジフルオロ-2-メチルチオ-4′-(トリフルオロメチル)アセトフェノン〔化合物(2c-4)〕の合成:
化合物(2a-1)の代わりに2-クロロ-4′-(トリフルオロメチル)アセトフェノン〔化合物(2a-4)〕(7.7mmol,2.0g) を用いた以外は実施例1(1)と同様の操作により、淡黄色油状物の標記化合物(2c-4)を1.0g(収率48.0%)得た。
【0049】
1H-NMR(CDCl3)δppm:
2.24(t,3H), 7.81(d,2H), 8.24(d,2H)
【0050】
実施例6 2,2-ジフルオロ-2-(メチルチオ)アセトフェノン〔化合物(2c-5)〕の合成:
2-クロロ-2,2-ジフルオロアセトフェノン〔化合物(5-1)〕(19.9mmol,3.8g) のメタノール50ml溶液に、氷冷下、15%ナトリウムメチルメルカプタン水溶液(23.9mmol,11.2g)を滴下し、35℃にて2時間攪拌した。溶媒を減圧留去後、反応液に水を加え、クロロホルムで抽出し、クロロホルム抽出液を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去し、無色油状物の標記化合物(2c-5)を3.1g(収率78.0%)得た。
【0051】
1H-NMR(CDCl3)δppm:
2.39(t,3H), 7.30-7.80(m,3H), 8.10-8.30(m,2H)
【0052】
実施例7 2-(1,1-ジフルオロ-1-メチルチオ)メチル-2-(2 ′,4′-ジフルオロフェニル)オキシラン〔化合物(3-1)〕の合成:
60%水素化ナトリウム(2.3mmol,0.09g)(n-ヘキサンで洗浄)をジメチルスルホキシド10mlとテトラヒドロフラン20mlに加えて55℃に加温し、これにトリメチルスルホキソニウムヨーダイド(2.4mmol,0.53g)を少量ずつ加え、同温にて15分攪拌した。これを-10℃に冷却し、2-メチルチオ-2,2,2′,4′-テトラフルオロアセトフェノン〔化合物(2c-1)〕(2.0mmol,0.48g)のテトラヒドロフラン10ml溶液を滴下し、室温に戻して1時間攪拌した。反応液を氷水中に注ぎ、エーテルにて抽出し、水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、淡黄色油状物の標記化合物(3-1)を0.48g(収率94.1%)得た。
【0053】
1H-NMR(CDCl3)δppm:
2.28(br.s,3H), 2.99(m,1H), 3.48(d,1H), 6.81-6.94(m,2H),
7.50-7.56(m,1H)
【0054】
実施例8 2-(1,1-ジフルオロ-1-メチルチオ)メチル-2-(4′-フルオロフェニル)オキシラン〔化合物(3-2)〕の合成:
化合物(2c-1)の代わりに2-メチルチオ-2,2,4′-トリフルオロアセトフェノン〔化合物(2c-2)〕(2.0mmol,0.54g)を用いた以外は実施例7と同様の操作により、淡黄色油状物の標記化合物(3-2)を0.55g(収率96.5%)得た。
【0055】
1H-NMR(CDCl3)δppm:
2.28(br.s,3H), 2.85(m,1H), 3.46(d,1H), 7.04-7.09(m,2H),
7.51-7.54(m,2H)
【0056】
実施例9 2-(2′,4′-ジクロロフェニル)-2-(1,1-ジフルオロ-1-メチルチオ)メチルオキシラン〔化合物(3-3)〕の合成:
化合物(2c-1)の代わりに2′,4′-ジクロロ-2,2-ジフルオロ-2-(メチルチオ)アセトフェノン〔化合物(2c-3)〕(2.2mmol,0.60g)を用いた以外は実施例7と同様の操作により、淡黄色油状物の標記化合物(3-3)を0.52g(収率82.5%)得た。
【0057】
1H-NMR(CDCl3)δppm:
2.29(br.s,3H), 3.03(m,1H), 3.57(d,1H), 7.30(dd,1H), 7.42(d,1H),
7.54(d,1H)
【0058】
実施例10 2-(1,1-ジフルオロ-1-メチルチオ)メチル-2-[4′-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシラン〔化合物(3-4)〕の合成:
化合物(2c-1)の代わりに2,2-ジフルオロ-2-メチルチオ-4′-(トリフルオロメチル)アセトフェノン〔化合物(2c-4)〕(3.7mmol,1.0g)を用いた以外は実施例7と同様の操作により、淡黄色油状物の標記化合物(3-4)を1.05g(収率99.9%)得た。
【0059】
1H-NMR(CDCl3)δppm:
2.29(br.s,3H), 2.85(m,1H), 3.50(d,1H), 7.66(s,4H)
【0060】
実施例11 2-(1,1-ジフルオロ-1-メチルチオ)メチル-2-フェニルオキシラン〔化合物(3-5)〕の合成:
化合物(2c-1)の代わりに2,2-ジフルオロ-2-(メチルチオ) アセトフェノン〔化合物(2c-5)〕(5.0mmol,1.0g)を用いた以外は実施例7と同様の操作により、淡黄色油状物の標記化合物(3-5)を1.02g(収率95.3%)得た。
【0061】
1H-NMR(CDCl3)δppm:
2.26(br.s,3H), 2.85(m,1H), 3.46(d,1H), 7.32-7.49(m,5H)
【0062】
実施例12 3,3-ジフルオロ-2-(2 ′,4′-ジフルオロフェニル)-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔化合物(1a-1)〕の合成:
2-(1,1-ジフルオロ-1-メチルチオ)メチル-2-(2′,4′-ジフルオロフェニル)
オキシラン〔化合物(3-1)〕(1.9mmol,0.48g)のN,N-ジメチルホルムアミド20ml溶液に、1,2,4-トリアゾール(7.2mmol,0.50g)及び無水炭酸カリウム(7.2mmol,1.00g)を加え、55℃にて1.5時間攪拌した。溶媒を減圧留去後、エーテルを加え、水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をクロロホルムを用いたシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製し、無色結晶の標記化合物(1a-1)を0.44g(収率72.1%)得た。
【0063】
融点;122-123℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3136, 1618, 1499, 1145
MS(FAB);322(M+H)+
1H-NMR(CDCl3)δppm:
2.27(t,3H), 4.82(d,1H), 5.28(d,1H), 5.78(s,1H),
6.71-6.88(m,2H), 7.71-7.77(m,1H), 7.80(s,1H), 8.09(s,1H)
【0064】
実施例13 3,3-ジフルオロ-2-(4′-フルオロフェニル)-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔化合物(1a-2)〕の合成:
化合物(3-1)の代わりに2-(1,1-ジフルオロ-1-メチルチオ)メチル-2-(4′-フルオロフェニル)オキシラン〔化合物(3-2)〕(2.4mmol,0.55g)を用いた以外は実施例12と同様の操作により、無色結晶の標記化合物(1a-2)を0.50g(収率70.4%)得た。
【0065】
融点;117-118℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3137, 1607, 1510, 1133
MS(FAB);304(M+H)+
1H-NMR(CDCl3)δppm:
2.23(t,3H), 4.73(d,1H), 4.89(d,1H), 5.31(s,1H), 7.01-7.05(m,2H),
7.52-7.55(m,2H), 7.86(s,1H), 7.92(s,1H)
【0066】
実施例14 2-(2′,4′-ジクロロフェニル)-3,3-ジフルオロ-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔化合物(1a-3)〕の合成:
化合物(3-1)の代わりに2-(2′,4′-ジクロロフェニル)-2-(1,1-ジフルオロ-1-メチルチオ)メチルオキシラン〔化合物(3-3)〕(1.8mmol,0.52g)を用いた以外は実施例12と同様の操作により、無色結晶の標記化合物(1a-3)を0.45g(収率69.2%)得た。
【0067】
融点;143-146℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3138, 1587, 1518, 1105
MS(FAB);354(M+H)+
1H-NMR(CDCl3)δppm:
2.27(t,3H), 4.87(d,1H), 5.82(d,1H), 5.93(s,1H), 7.23(dd,1H),
7.32(d,1H), 7.83(s,1H), 7.90(d,1H), 8.20(s,1H)
【0068】
実施例15 3,3-ジフルオロ-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-[4′-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン-2-オール〔化合物(1a-4)〕の合成:
化合物(3-1)の代わりに2-(1,1-ジフルオロ-1-メチルチオ)メチル-2-[4′-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシラン〔化合物(3-4)〕(3.7mmol,1.05g)を用いた以外は実施例12と同様の操作により、無色結晶の標記化合物(1a-4)を0.48g(収率36.5%)得た。
【0069】
融点;110-112℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3010, 1620, 1515, 1122
MS(FAB);354(M+H)+
1H-NMR(CDCl3)δppm:
2.24(t,3H), 4.77(d,1H), 4.92(d,1H), 5.52(s,1H), 7.61(d,2H),
7.70(d,2H), 7.86(s,1H), 7.95(s,1H)
【0070】
実施例16 3,3-ジフルオロ-3-メチルチオ-2-フェニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔化合物(1a-5)〕の合成:
化合物(3-1)の代わりに2-(1,1-ジフルオロ-1-メチルチオ)メチル-2-フェニルオキシラン〔化合物(3-5)〕(4.7mmol,1.02g)を用いた以外は実施例12と同様の操作により、無色結晶の標記化合物(1a-5)を0.54g(収率38.0%)得た。
【0071】
融点;130-132℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3135, 1516, 1498, 1135
MS(FAB);318(M+H)+
1H-NMR(CDCl3)δppm:
3.14(t,3H), 4.89(d,1H), 5.28(d,1H), 5.94(s,1H), 7.33-7.37(m,3H),
7.49-7.51(m,2H), 7.74(s,1H), 7.83(s,1H)
【0072】
実施例17 3,3-ジフルオロ-2-(2′,4′-ジフルオロフェニル)-3-メチルスルホニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔化合物(1c-1)〕の合成:
3,3-ジフルオロ-2-(2′,4′-ジフルオロフェニル)-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔化合物(1a-1)〕(1.6mmol,0.50g)のメタノール10ml溶液に、タングステン酸ナトリウム二水和物(0.03mmol,0.01g)を加え、攪拌下室温にて30%過酸化水素水溶液(4.7mmol,0.53g)を滴下した。室温にて16時間攪拌した後、反応液に10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて過剰の酸化剤を分解し、メタノールを減圧留去した。残渣にクロロホルムを加え、水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。析出した結晶をクロロホルムにて再結晶を行い、無色結晶の標記化合物(1c-1)を8.0g(収率74%)得た。
【0073】
融点;158-160℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3136, 1617, 1503, 1323
MS(FAB);354(M+H)+
H−NMR(CDCl)δppm:
3.22(t,3H), 5.17(d,1H), 5.34(d,1H), 6.11(s,1H),
6.74-6.89(m,2H), 7.65-7.71(m,1H), 7.79(s,1H), 8.06(d,1H)
【0074】
実施例18 3,3-ジフルオロ-2-(4′-フルオロフェニル)-3-メチルスルホニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル) プロパン-2-オール〔化合物(1c-2)〕の合成:
化合物(1a-1)の代わりに 3,3-ジフルオロ-2-(4′-フルオロフェニル)-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル) プロパン-2-オール〔化合物(1a-2)〕(1.2mmol,0.35g)を用いた以外は実施例17と同様の操作により、無色結晶の標記化合物(1c-2)を0.13g(収率33.3%)得た。
【0075】
融点;169-171℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3135, 1605, 1514, 1324
MS(FAB);336(M+H)+
1H-NMR(CDCl3)δppm:
3.17(t,3H), 4.84(d,1H), 5.27(d,1H), 5.90(s,1H), 7.02-7.06(m,2H),
7.46−7.49(m,2H), 7.83(s,1H), 7.88(s,1H)
【0076】
実施例19 2-(2′,4′-ジクロロフェニル)-3,3-ジフルオロ-3-メチルスルホニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔化合物(1c-3)〕の合成:
化合物(1a-1)の代わりに2-(2′,4′-ジクロロフェニル)-3,3-ジフルオロ-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔化合物(1a-3)〕(1.1mmol,0.40g)を用いた以外は実施例17と同様の操作により、無色結晶の標記化合物(1c-3)を0.40g(収率91.0%)得た。
【0077】
融点;147-148℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3040, 1588, 1514, 1337
MS(FAB);386(M+H)+
1H-NMR(CDCl3)δppm:
3.23(t,3H), 5.21(d,1H), 5.97(d,1H), 6.38(s,1H), 7.23(dd,1H),
7.35(d,1H), 7.81(s,1H), 7.83(d,1H), 8.12(s,1H)
【0078】
実施例20 3,3-ジフルオロ-3-メチルスルホニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-[4′-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン-2-オール〔化合物(1c-4)〕の合成:
化合物(1a-1)の代わりに3,3-ジフルオロ-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-[4′-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン-2-オール〔化合物(1a-4)〕(5.7mmol,0.20g)を用いた以外は実施例17と同様の操作により、無色結晶の標記化合物(1c-4)を0.12g(収率53.2%)得た。
【0079】
融点;185-187℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3029, 1619, 1521, 1326
MS(FAB);386(M+H)+
1H-NMR(CDCl3)δppm:
3.21(t,3H), 4.90(d,1H), 5.33(d,1H), 6.13(s,1H), 7.61(d,2H),
7.65(d,2H), 7.83(s,1H), 7.89(s,1H)
【0080】
実施例21 3,3-ジフルオロ-3-メチルスルホニル-2-フェニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔化合物(1c-5)〕の合成:
化合物(1a-1)の代わりに3,3-ジフルオロ-3-メチルチオ-2-フェニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔化合物(1a-5)〕(0.6mmol,0.17g)を用いた以外は実施例17と同様の操作により、無色結晶の標記化合物(1c-5)を0.08g(収率46%)得た。
【0081】
融点;85-86℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3023, 1617, 1510, 1320
MS(FAB);318(M+H)+
1H-NMR(CDCl3)δppm:
3.14(t,3H), 4.89(d,1H), 5.28(d,1H), 5.94(s,1H), 7.33-7.37(m,3H),
7.49-7.51(m,2H), 7.74(s,1H), 7.83(s,1H)
【0082】
実施例22 3,3-ジフルオロ-2-(2′,4′-ジフルオロフェニル)-3-メチルスルフィニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔化合物(1b-1)〕の合成:
3,3-ジフルオロ-2-(2′,4′-ジフルオロフェニル)-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔化合物(1a-1)〕(0.47mmol,150mg)の塩化メチレン10ml溶液に、室温にてm-クロロ過安息香酸(0.56mmol,114mg)を加え30分攪拌した。反応液に水を加えクロロホルムにて抽出し、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液及び10%炭酸ナトリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をクロロホルム:メタノール(10:1)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製し、無色結晶の標記化合物(1b-1)〔ジアステレオマー(1b-1A):(1b-1B)=2.5:1〕を64mg(収率40%)得た。
【0083】
実施例23 ジアステレオマー(1b-1A)及び(1b-1B)の分離:
3,3-ジフルオロ-2-(2′,4′-ジフルオロフェニル)-3-メチルスルフィニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔化合物(1b-1)〕1.1gを、クロロホルム:メタノール(19:1)を用いた中圧シリカゲルクロマトグラフィー〔カラム:ULTRA PACK SI-40B,26×300mm(山善(株)製),流量:8ml/min,波長:254nm〕に付して精製し、無色結晶のジアステレオマー(1b-1A)を418mg(収率38%)及び(1b-1B)を242mg(収率22%)得た。
【0084】
(1) ジアステレオマー〔化合物(1b-1A)〕:
融点;154-155℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3150, 1617, 1505
MS(FAB);338(M+H)+
1H-NMR(CDCl3)δppm:
2.71(t,3H), 5.09(d,1H), 5.31(d,1H), 6.12(s,1H), 6.78-6.89(m,2H),
7.60-7.66(m,1H), 7.76(s,1H), 8.12(s,1H)
【0085】
(2) ジアステレオマー〔化合物(1b-1B)〕:
融点;152-153℃
IR(KBr)νmaxcm-1
1618, 1505, 1113
MS(FAB);338(M+H)+
1H-NMR(CDCl3)δppm:
2.78(t,3H), 4.92(d,1H), 5.31(d,1H), 6.07(s,1H), 6.80-6.89(m,2H),
7.60-7.67(m,1H), 7.84(s,1H), 8.16(s,1H)
【0086】
実施例24 3,3-ジフルオロ-2-(2′,4′-ジフルオロフェニル)-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔化合物(1a-1)〕の(+)体と(-)体の分離:
3,3-ジフルオロ-2-(2′,4′-ジフルオロフェニル)-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔化合物(1a-1)〕のラセミ体50mgを、キラルセルOD光学異性体分離用カラム(ダイセル化学工業(株)製)を用い、ヘキサン:イソプロピルアルコール(19:1)を移動相としてそれぞれの光学異性体に分離し、初めに溶出するフラクションより無色結晶の(-)体を20mg(収率40.0%,光学純度99.4%e.e.)及び次いで溶出するフラクションより無色結晶の(+)体を21mg(収率42.0%,光学純度99.2%e.e.)得た。
【0087】
(1)(-)-3,3-ジフルオロ-2-(2′,4′-ジフルオロフェニル)-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔(-)-化合物(1a-1)〕:
[α]D 25 -65.0°(C=0.5,アセトン)
融点;154-156℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3136, 1618, 1499, 1145
MS(FAB);322(M+H)+
H−NMR(CDCl)δppm:
2.27(t,3H), 4.82(d,1H), 5.28(d,1H), 5.78(s,1H),
6.71-6.88(m,2H), 7.71-7.77(m,1H), 7.80(s,1H), 8.09(d,1H)
【0088】
(2)(+)-3,3-ジフルオロ-2-(2′,4′-ジフルオロフェニル)-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔(+)-化合物(1a-1)〕:
[α]D 25 +64.6°(C=0.5,アセトン)
融点;154-156℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3136, 1618, 1499, 1145
MS(FAB);322(M+H)+
1H-NMR(CDCl3)δppm:
2.27(t,3H), 4.82(d,1H), 5.28(d,1H), 5.78(s,1H),
6.71-6.88(m,2H), 7.71-7.77(m,1H), 7.80(s,1H), 8.09(d,1H)
【0089】
実施例25 2-(2′,4′-ジクロロフェニル)-3,3-ジフルオロ-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔化合物(1a-3)〕の(+)体と(-)体の分離:
実施例24と同様の操作により、2-(2′,4′-ジクロロフェニル)-3,3-ジフルオロ-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔化合物(1a-3)〕のラセミ体100mgより、溶出順に無色結晶の(-)体を48mg(収率48.0%, 光学純度99.1%e.e.)、無色結晶の(+)体を41mg(収率41.0%,光学純度99.3%e.e.)それぞれ得た。
【0090】
(1)(-)-2-(2′,4′-ジクロロフェニル)-3,3-ジフルオロ-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔(-)-化合物(1a-3)〕:
[α]D 25 -87.5°(C=0.02,メタノール)
融点;120-123℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3138, 1587, 1518, 1105
MS(FAB);354(M+H)+
H−NMR(CDCl)δppm:
2.27(t,3H), 4.87(d,1H), 5.82(d,1H), 5.93(s,1H), 7.23(dd,1H),
7.32(d,1H), 7.83(s,1H), 7.90(d,1H), 8.20(s,1H)
【0091】
(2)(+)-2-(2′,4′-ジクロロフェニル)-3,3-ジフルオロ-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔(+)-化合物(1a-3)〕:
[α]D 25 +85.0°(C=0.03,メタノール)
融点;121-123℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3138, 1587, 1518, 1105
MS(FAB);354(M+H)+
H−NMR(CDCl)δppm:
2.27(t,3H), 4.87(d,1H), 5.82(d,1H), 5.93(s,1H), 7.23(dd,1H),
7.32(d,1H), 7.83(s,1H), 7.90(d,1H), 8.20(s,1H)
【0092】
実施例26 (-)-3,3-ジフルオロ-2-(2′,4′-ジフルオロフェニル)-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔(-)-化合物(1a-1)〕の酸化による(-)-3,3-ジフルオロ-2-(2′,4′-ジフルオロフェニル)-3-メチルスルホニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔(-)-化合物(1c-1)〕の合成:
実施例17と同様の操作により、(-)-化合物(1a-1)の59mgから無色結晶の(-)-化合物(1c-1)を54mg(収率83.2%,光学純度99.7%e.e.)得た。
【0093】
[α]D 25 -28.0°(C=0.25,アセトン)
融点;102-103℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3136, 1617, 1503, 1323
MS(FAB);354(M+H)+
H−NMR(CDCl)δppm:
3.22(t,3H), 5.17(d,1H), 5.34(d,1H), 6.11(s,1H),
6.74-6.89(m,2H), 7.65-7.71(m,1H), 7.79(s,1H), 8.06(s,1H)
【0094】
実施例27 (+)-3,3-ジフルオロ-2-(2′,4′-ジフルオロフェニル)-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔(+)-化合物(1a-1)〕の酸化による(+)-3,3-ジフルオロ-2-(2′,4′-ジフルオロフェニル)-3-メチルスルホニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔(+)-化合物(1c-1)〕の合成:
実施例17と同様の操作により、(+)-化合物(1a-1)の100mgから無色結晶の(+)-化合物(1c-1)を107mg(収率97.3%,光学純度99.5%e.e.)得た。
【0095】
[α]D 25 +28.4°(C=0.125,アセトン)
融点;102-103℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3136, 1617, 1503, 1323
MS(FAB);354(M+H)+
H−NMR(CDCl)δppm:
3.22(t,3H), 5.17(d,1H), 5.34(d,1H), 6.11(s,1H),
6.74-6.89(m,2H), 7.65-7.71(m,1H), 7.79(s,1H), 8.06(d,1H)
【0096】
実施例28 (-)-2-(2′,4′-ジクロロフェニル)-3,3-ジフルオロ-3-メチルスルホニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔(-)-化合物(1c-3)〕の合成:
実施例17と同様の操作により(-)-2-(2′,4′-ジクロロフェニル)-3,3-ジフルオロ-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔(-)-化合物(1a-3)〕48mgより無色結晶の標記化合物(-)-(1c-3)を38mg(収率72.7%,光学純度96.9%e.e.)得た。
【0097】
[α]D 20 -29.5°(C=0.1,メタノール)
融点;165-167℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3040, 1588, 1514, 1337
MS(FAB);386(M+H)+
H−NMR(CDCl)δppm:
3.23(t,3H), 5.21(d,1H), 5.97(d,1H), 6.38(s,1H), 7.23(dd,1H),
7.35(d,1H), 7.81(s,1H), 7.83(d,1H), 8.12(s,1H)
【0098】
実施例29 (+)-2-(2′,4′-ジクロロフェニル)-3,3-ジフルオロ-3-メチルスルホニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔(+)-化合物(1c-3)〕の合成:
実施例17と同様の操作により(+)-2-(2′,4′-ジクロロフェニル)-3,3-ジフルオロ-3-メチルチオ-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔(+)-化合物(1a-3)〕41mgより無色結晶の標記化合物(+)-(1c-3)を33mg(収率73.8%,光学純度100%e.e.)得た。
【0099】
[α]D 20 +30.2°(C=0.04, メタノール)
融点;165-167℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3040, 1588, 1514, 1337
MS(FAB);386(M+H)+
H−NMR(CDCl)δppm:
3.23(t,3H), 5.21(d,1H), 5.97(d,1H), 6.38(s,1H), 7.23(dd,1H),
7.35(d,1H), 7.81(s,1H), 7.83(d,1H), 8.12(s,1H)
【0100】
実施例30 3,3-ジフルオロ-2-(4′-フルオロフェニル)-3-メチルスルホニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔化合物(1c-2)〕の(+)体と(-)体の分離:
3,3-ジフルオロ-2-(4′-フルオロフェニル)-3-メチルスルホニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔化合物(1c-2)〕のセラミ体50mgをヘキサン:イソプロピルアルコール(3:1)を移動相として、キラルセルOD光学異性体分離用カラム(ダイセル化学工業(株)製)に付し、初めに溶出するフクラションより無色結晶の(+)体を23mg(収率46.0%,光学純度99.8%e.e.)、次いで溶出するフラクションより無色結晶の(-)体を20mg(40.0%,光学純度99.0%e.e.)得た。
【0101】
(1)(+)-3,3-ジフルオロ-2-(4′-フルオロフェニル)-3-メチルスルホニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔(+)-化合物(1c-2)〕:
【0102】
[α]D 20 +27.0°(C=0.1,メタノール)
融点;103-106℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3135, 1605, 1514, 1324
MS(FAB);336(M+H)+
H−NMR(CDCl)δppm:
3.17(t,3H), 4.84(d,1H), 5.27(d,1H), 5.90(s,1H), 7.02-7.06(m,2H),
7.46−7.49(m,2H), 7.83(s,1H), 7.88(s,1H)
【0103】
(2)(-)-3,3-ジフルオロ-2-(4′-フルオロフェニル)-3-メチルスルホニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔(-)-化合物(1c-2)〕:
【0104】
[α]D 20 -31.0°(C=0.1,メタノール)
融点;102-105℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3135, 1605, 1514, 1324
MS(FAB);336(M+H)+
H−NMR(CDCl)δppm:
3.17(t,3H), 4.84(d,1H), 5.27(d,1H), 5.90(s,1H), 7.02-7.06(m,2H),
7.46−7.49(m,2H), 7.83(s,1H), 7.88(s,1H)
【0105】
実施例31 3,3-ジフルオロ-3-メチルスルホニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-[4′-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン-2-オール〔化合物(1c-4)〕の(+)体と(-)体の分離:
実施例30と同様の操作により、3,3-ジフルオロ-3-メチルスルホニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-[4′-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン-2-オール〔化合物(1c-4)〕のセラミ体50mgより、溶出順に無色結晶の(+)体を18mg(収率36.0%,光学純度99.5%e.e.)、無色結晶の(-)体を25mg(50.0%,光学純度99.4%e.e.)それぞれ得た。
【0106】
(1)(+)-3,3-ジフルオロ-3-メチルスルホニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-[4′-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン-2-オール〔(+)-化合物(1c-4)〕:
【0107】
[α]D 20 +20.5°(C=0.1,メタノール)
融点;147-150℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3029, 1619, 1521, 1326
MS(FAB);386(M+H)+
H−NMR(CDCl)δppm:
3.21(t,3H), 4.90(d,1H), 5.33(d,1H), 6.13(s,1H), 7.61(d,2H),
7.65(d,2H), 7.83(s,1H), 7.89(s,1H)
【0108】
(2)(-)-3,3-ジフルオロ-3-メチルスルホニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-[4′-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン-2-オール〔(-)-化合物(1c-4)〕:
【0109】
[α]D 20 -20.0°(C=0.1,メタノール)
融点;153-154℃
IR(KBr)νmaxcm-1
3029, 1619, 1521, 1326
MS(FAB);386(M+H)+
H−NMR(CDCl)δppm:
3.21(t,3H), 4.90(d,1H), 5.33(d,1H), 6.13(s,1H), 7.61(d,2H),
7.65(d,2H), 7.83(s,1H), 7.89(s,1H)
【0110】
実施例32 光学分割剤を用いた(-)-3,3-ジフルオロ-2-(2′,4′-ジフルオロフェニル)-3-メチルスルホニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール〔(-)-化合物(1c-1)〕の製造:
(±)-化合物(1c-1)(1.0g,2.83mmol)のイソプロピルアルコール20ml溶液に、70℃にて(+)-3-ブロモカンファー-8-スルホン酸(925mg,2.97mmol)のイソプロピルアルコール10ml溶液を加え、90℃で30分攪拌した。反応液を50℃まで放冷後、種結晶を接種し、25℃で3日間静置した。析出した結晶をろ取し、イソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥して無色結晶の(-)-化合物(1c-1)の(+)-3-ブロモカンファー-8-スルホン酸塩を940mg(収率50.0%,光学純度64.0%e.e.)得た。得られた(-)-化合物(1c-1)の塩からイソプロピルアルコールにより再結晶を繰り返し、無色結晶の(-)-化合物(1c-1)の(+)-3-ブロモカンファー-8-スルホン酸塩を216mg(収率11.5%,光学純度98%e.e.)得た。この塩に、10%炭酸カリウム水溶液を加えてアルカリ性溶液とし、酢酸エチルで抽出し、水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物からイソプロピルエーテルにて再結晶を行い、無色結晶の(-)-化合物(1c-1)を66mg(収率6.6%,光学純度98%e.e.)得た。
【0111】
[α]D 25 -28.0°(C=0.25,アセトン)
融点;102-103℃
【0112】
実施例33 Candida albicansに対する作用
96穴マイクロプレートに各ウエル内の最終容量が150μlとなるように、10%ウシ胎仔血清添加イーグルMEM培地(グルタミン,炭酸塩含有)に各濃度の薬剤及びC. albicans ATCC 44859 の2.0×104 cells/mlを加え、炭酸ガスインキュベーターにて37℃、20時間培養した。培養後、薬剤無添加の場合と薬剤を添加した場合のC. albicansの形態変化を倒立顕微鏡下で観察した。C. albicansが菌糸型となり、菌糸が著しく伸長している薬剤無添加対照と比較して、酵母型に抑制した薬剤の最小阻止濃度(ng/ml)を求めた。この結果を表1に示す。
【0113】
【表1】
Figure 0003638390
【0114】
実施例34 Aspergillus fumigatusに対する作用
96穴マイクロプレートに各ウエル内の最終容量が200μlとなるように、緩衝液として0.165Mの3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸を加え、pH7に修正したRPMI MEDIUM 1640(グルタミン,フェノールレッド含有,炭酸塩不含有)に各濃度の薬剤及びA. fumigatus IFM 40808の3.0×104 cells/mlを加え、35℃で24時間培養した。培養後、薬剤無添加対照と比較して、ほぼ75%以上の菌糸の生育を抑制した最小阻止濃度(μg/ml)を求めた。この結果を表2に示す。
【0115】
【表2】
Figure 0003638390
【0116】
Figure 0003638390
常法により、上記組成の錠剤を製造した。この錠剤は、必要に応じ、糖衣錠又はフィルムコート錠とすることができる。
【0117】
Figure 0003638390
上記の成分を1号カプセルに充填し、カプセル剤を得た。
【0118】
Figure 0003638390
常法により、上記組成の顆粒剤を製造した。
【0119】
Figure 0003638390
常法により、上記組成の散剤を製造した。
【0120】
Figure 0003638390
常法により、上記組成の注射剤を製造した。
【0121】
Figure 0003638390
常法により、上記組成の静注点滴剤を製造した。
【0122】
【発明の効果】
本発明のトリアゾール誘導体(1)は、強い抗真菌作用を有し、アスペルギルス菌及びカンジダ菌にも有効で、かつ安全性が高いものであり、抗真菌剤等の医薬として極めて有用である。

Claims (7)

  1. 次の一般式(1)
    Figure 0003638390
    〔式中、Y1及びY2は同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基を示し、nは0、1又は2を示す。〕で表わされるトリアゾール誘導体又はその塩のラセミ体あるいは(−)体。
  2. 次の一般式(2)
    Figure 0003638390
    〔式中、Y1及びY2は同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基を示す。〕で表わされる2-(メチルチオ)アセトフェノン誘導体。
  3. 次の一般式(3)
    Figure 0003638390
    〔式中、Y1及びY2は同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基を示す。〕で表わされる化合物。
  4. 次の一般式(2a)
    Figure 0003638390
    〔式中、Y1及びY2は同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基を示す。〕で表わされる2-(メチルチオ)アセトフェノン誘導体をフッ素化して次式(2c)
    Figure 0003638390
    〔式中、Y1及びY2は前記と同じ。〕で表わされる2,2-ジフルオロ-2-メチルチオアセトフェノン誘導体となし、これにエポキシメチル化剤及び1,2,4-トリアゾール又はその塩を反応せしめ、必要に応じて更に酸化することを特徴とする請求項1記載のトリアゾール誘導体(1)又はその塩の製造方法。
  5. 次の一般式(5)
    Figure 0003638390
    〔式中、Y1及びY2は同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基を示し、X2はハロゲン原子を示す。〕で表わされる2-(ハロゲノ)アセトフェノン誘導体をメチルチオ化して次式(2c)
    Figure 0003638390
    〔式中、Y1及びY2は前記と同じ。〕で表わされる2,2-ジフルオロ-2-(メチルチオ)アセトフェノン誘導体となし、これにエポキシメチル化剤及び1,2,4-トリアゾール又はその塩を反応せしめ、必要に応じて更に酸化することを特徴とする請求項1記載のトリアゾール誘導体(1)又はその塩の製造方法。
  6. 請求項1記載のトリアゾール誘導体又はその塩を有効成分とする医薬。
  7. 抗真菌剤である請求項6記載の医薬。
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