JP3638134B2 - 炭化汚泥を利用した脱水方法並びにその脱水装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、産業排水や下水処理場などで発生する難ろ過性の汚泥の脱水方法に関し、ろ過助剤として下水処理場などから発生する炭化汚泥を利用した圧搾脱水方法とその脱水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、汚泥処理を円滑に行うために脱水機ではろ過助剤として凝集剤を使用している。加圧脱水機や真空脱水機では塩化第二鉄と消石灰を使用し、ベルトプレスや遠心脱水機では高分子凝集剤を使用している。汚泥処理に使用される薬品類は脱水と脱臭を目的としており、脱水汚泥量や維持管理費の増加を招いている。
【0003】
下水汚泥に炭化汚泥と高分子凝集剤を添加して、この混合物をフイルタープレスなどの加圧脱水機で脱水する脱水方法は、例えば、特開2001−62499号公報に記載してあるように公知である。また、遠心脱水機やベルトプレスで脱水する方法も、例えば、特開2001−62500号公報に記載してあるように知られている。炭化汚泥を利用する加圧脱水方法は、炭化汚泥及び高分子凝集剤の添加量が従来の石灰、塩鉄の添加量に比べ少量でよく、脱水ケーキの発生量が低減でき、炭化汚泥の吸着力により脱水ケーキの臭気濃度が低減できる利点があるが、ろ剤費用が高くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
炭化汚泥を利用する加圧脱水装置は、炭化汚泥が熱量を有するので、後工程の焼却や溶融において助燃料が不用となる。そして、ろ布からの脱水ケーキの剥離性も良いものであるが、フイルタープレスやベルトプレス、或は真空脱水機にあっては、炭化汚泥の添加により脱水ケーキの含水率で2〜3%の低減効果は認められるが、炭化汚泥を助剤として差し引きして、実質のろ過速度を向上させるには、添加率以上の向上が必要となる。ケーキ処理量は大幅に向上しないため、実質ろ過速度の向上はなく、むしろ能力低下となっていた。また、遠心脱水機にあっては、高速回転するスクリューが炭化汚泥により摩耗する懸念がある。この発明は、これら従来の問題点に鑑み、廃棄物となる炭化汚泥を利用して、常時ろ材面が再生されてろ過脱水効率が高く、低速で回転してスクリューの摩耗性の少ないスクリュープレスの脱水方法と脱水装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の要旨は、難ろ過性の汚泥に粒径を調整した炭化汚泥を添加して、この汚泥と炭化汚泥を急速攪拌して混合させ、次に、緩速混合して炭化汚泥を汚泥中に分散させて混合効率を高めた後、高分子凝集剤を添加して炭化汚泥を核としてフロックを形成させ、このフロックを含有する汚泥をスクリュープレスで脱水する炭化汚泥を利用した脱水方法である。粒径を調整する炭化汚泥は、粒径を5mm以下に調整して、汚泥に添加することが好ましい。そして、難ろ過性の汚泥に対し、10〜40%の炭化汚泥を添加した後、0.5〜1.5%の高分子凝集剤を添加すれば、脱水ケーキ水分、ろ過速度等処理能力の向上が得られる。
【0006】
炭化汚泥を利用した脱水方法を実施するろ過装置は、汚泥貯留タンクを急速攪拌槽と緩速攪拌槽に分割した混合タンクに連結し、混合タンクに炭化汚泥の粉砕機を連設して、混合タンクに供給した汚泥に粒径を調整した炭化汚泥を添加して急速攪拌槽で急速攪拌と緩速攪拌槽で緩速攪拌を行って、汚泥と炭化汚泥の混合と分散を行うと共に、混合タンクから凝集混和装置に混合汚泥を供給する供給管路に、高分子凝集剤の溶解タンクを接続して、高分子凝集剤を添加した混合汚泥を凝集混和装置に供給し、フロックを形成させた汚泥をスクリュープレスに圧入する炭化汚泥を利用した脱水装置である。使用するスクリュープレスの付帯機器は、炭化汚泥の粉砕機を好ましくは粒度調整用粉砕機とし、汚泥の混合タンクと高分子凝集剤の溶解タンクにそれぞれ可変量定量供給機を配設したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
この発明に係る装置は上記のように構成してあり、先ず、炭化汚泥を粉砕機で粒径を5mm以下に調整する。粒径を調整することにより、汚泥供給ポンプの摩耗・閉塞を防止する。下水汚泥などの難ろ過性の汚泥に、最適粒径とした10〜40%の炭化汚泥を添加して急速攪拌して汚泥中に炭化汚泥を混合さる。次に、この混合汚泥を緩速混合して汚泥中に炭化汚泥を均一に分散させて混合効率を高めた後、0.5〜1.5%の高分子凝集剤を添加して凝集混和装置に供給する。凝集混和装置で攪拌混合して炭化汚泥を核としてフロックを形成させ、このフロックを含有する汚泥をスクリュープレスに圧入して圧搾脱水する。一般的に、スクリュープレスの機内の含水率の分布は、スクリュー羽根に押される直近の部分のケーキが最も低含水率でそこから離れるに従い含水率が上昇し、最も遠くて次ぎの羽根に近い部分が含水率が高い傾向にあるが、スクリュープレスのろ過室のケーキ水分の分布が炭化汚泥の添加により均一化され脱水性が向上する。
【0008】
この発明に係る炭化汚泥を利用した脱水方法とその脱水装置について図面に基づき詳述すると、図1は炭化汚泥を利用した脱水装置のフローチャートであって、下水処理場などから発生する難ろ過性の汚泥は汚泥貯留タンク1に貯えられ、汚泥移送ポンプ2で混合タンク3に移送される。この混合タンク3には前段と後段に分割された急速攪拌槽4と緩速攪拌槽5が配設してあり、急速攪拌槽4の底部と緩速攪拌槽5の上部が混合タンク3の中間部に設けた連通路3aで連通してある。急速攪拌槽4と緩速攪拌槽5に攪拌機4a、5aがそれぞれ設けてある。
【0009】
下水処理場等に設置したスクリュープレス6または他の脱水機で脱水したケーキを炭化装置7で炭化汚泥を製造し、炭化汚泥の所定必要量をサイロ8に移送する。サイロ8からスクリューコンベアー9で粒度調整用粉砕機10に炭化汚泥を供給し、炭化汚泥の粒径を5mm以下に調整する。粒度調整用粉砕機10は、篩による除去の必要がないため、粗大粒径の除去物の発生がなく、助剤としての最適な粒径が得られる。炭化汚泥の全量を助剤として利用が可能となり、炭化汚泥の製造コストが低減できる。最適粒径に調整した炭化汚泥をコンベアー11で混合タンク3の上方に設けたサービスホッパー12に移送して貯留する。
【0010】
混合タンク3に移送された難ろ過性汚泥は、先ず混合タンク3の急速攪拌槽4に供給され、この難ろ過性汚泥に対しサービスホッパー12に設けた容積式の可変量定量供給機13から粒径を調整した10〜40%の炭化汚泥を投入する。粒度調整用粉砕機10は炭化汚泥を最適な粒径とするので、容積式の可変量定量供給機13は投入した炭化汚泥の定量性の向上が得られる。また、粗大粒径の除去物の発生がないので、容積式の可変量定量供給機13の閉塞事故が解消される。難ろ過性の汚泥と調整された炭化汚泥を急速攪拌槽4の攪拌機4aで急速攪拌して均一に攪拌混合し、急速攪拌槽4から緩速攪拌槽5に流入させる。緩速攪拌槽5では汚泥中の炭化汚泥を攪拌機5aで緩速攪拌し均一に分散させる。なお、炭化汚泥は活性炭と同様の脱臭効果により、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタンなどの臭気を吸着する。
【0011】
混合タンク3から凝集混和装置14に混合汚泥を供給する供給管路15が連結してあり、混合タンク3で攪拌混合して混合効率を高めた汚泥を汚泥供給ポンプ17で凝集混和装置14に供給する。粒径を最適粒径に調整することにより、汚泥供給ポンプ17の摩耗・閉塞が防止される。混合タンク3と凝集混和装置14に連結した供給管路15に溶解タンク16が接続してあり、定量供給機18から供給されて溶解タンク16で溶解させた0.5〜1.5%の高分子凝集剤が、炭化汚泥の混合効率を高めた汚泥の供給管路15に薬液供給ポンプ19で圧入される。高分子凝集剤を添加して凝集混和装置14に供給した汚泥は攪拌機14aで攪拌混合され、炭化汚泥を核としてフロックを形成させる。
【0012】
凝集混和装置14からフロックを含有する汚泥をスクリュープレス6に圧入して圧搾脱水する。炭化汚泥を脱水助剤とすることにより、スクリュープレス6のろ過室のケーキ水分の分布が均一化されて脱水性が向上し、脱水ケーキ水分やろ過速度などの処理能力が得られる。また、スクリュープレス6はスクリューでろ材面が常に再生されろ過性が維持されて、低速回転のため摩耗の心配もない。実質水分効果が1〜2%となり、実質水分でろ過速度が20〜30%向上する。
【0013】
下水汚泥を炭化処理することにより生成される炭化汚泥は、スクリューフプレスの助剤とした脱水が可能であり、炭化汚泥による脱水性の改善が可能となる。炭化汚泥は下水汚泥から製造するので、汚泥の有効利用が図れる。また、炭化汚泥は活性炭と同様の脱臭効果があり、炭化汚泥の作用により汚泥脱水時の臭気発生が少なくなる。脱水ケーキ自体も臭気発生が少なくなり、脱水以降の臭気抑制効果が期待でき、脱臭設備の低減が図れる。炭化汚泥の吸着作用による溶解性全リンの減少率に若干の効果が期待できる。そして、多孔質である炭化汚泥はアルカリ性であり、微生物の増殖と腐熟の促進効果が期待でき、脱臭効果も得られ、コンポスト性も向上する。コンポスト化に用いられる従来の副資材の代替品として炭化汚泥は脱水助剤として利用でき、副資材として脱水ケーキへの混合が容易である。
【0014】
【実施例】
この発明の炭化汚泥を利用した脱水方法並びにその脱水装置をスクリーン径φ300mmのスクリュープレスのテスト機ユニットを各処理場に持ち込み、表1に示す汚泥の種類と薬注条件を設定して脱水実験を行った。薬注添加率は汚泥固形物量(TS)に対する割合を示す。ろ過速度および脱水ケーキ含水率の算出にあたっては薬品添加量を除いて求めた。
【0015】
【表1】
Figure 0003638134
【0016】
表2は汚泥の種類を変えたときの高分子単独法に対する炭化汚泥の脱水効率を示す図表であって、汚泥の種類による炭化汚泥の脱水効果についてテストを行った。縦軸にろ過速度変化率(%)、横軸に脱水ケーキ含水率変化量(ポイント)を示す。
【0017】
【表2】
Figure 0003638134
【0018】
上記実験データより、高分子凝集剤+炭化汚泥併用法における効果は、汚泥の種類により異なる。特に、OD法や標準法の余剰濃縮汚泥など難ろ過性汚泥に高価が大きかった。炭化汚泥を脱水助剤として30%添加した時の脱水効果を以下にまとめる。
▲1▼OD法余剰濃縮汚泥の場合、含水率は1.9〜2.4ポイント程度低下し、ろ過速度は50〜160%程度向上する。
▲2▼標準法余剰濃縮汚泥の場合、含水率は1.5ポイント程度低下し、ろ過速度は40〜100%程度向上する。
▲3▼混合生汚泥の場合、含水率は1.7ポイント程度低下し、ろ過速度は10〜20%程度向上する。
▲4▼嫌気性消化汚泥の場合、含水率は0.4〜0.7ポイント程度低下し、ろ過速度は10〜20%程度向上する。
一般的に脱水性の劣るOD汚泥に対して最も改善効果が大きく、含水率の低減効果が大きかった。嫌気性消化汚泥に対しては、含水率の低減に若干の効果があったが、10%添加程度では脱水性能が逆に劣ることもあった。全体的な傾向として、炭化汚泥の添加率が高いほど脱水性能が向上した。
【0019】
表3は混合生汚泥に対し、炭化汚泥に高分子凝集剤を添加した脱水助剤と、従来の薬剤に高分子凝集剤を添加した脱水法とを比較した各種薬注法の脱水効果を示す。高分子凝集剤+ポリ塩化鉄+消石灰併用法はろ過速度の向上効果が大きかったが、塩鉄と消石灰の組合せによりその効果に大きな違いが見られた。高分子凝集剤+ポリ塩化鉄併用法含水率の軽減に効果があったが、特に、高分子凝集剤+ポリ塩化鉄併用法ではポリ塩化鉄の添加率を増やすと含水率の低下とともにろ過速度も低下する傾向を示した。一方、高分子凝集剤+消石灰併用法は効果がなく、逆に消石灰添加率を増やすと含水率が高くなった。高分子凝集剤+炭化汚泥併用法は、炭化汚泥の添加率増大とともに処理性能は図の左方向にシフトしており、炭化汚泥による脱水効果が明らかである。
【0020】
【表3】
Figure 0003638134
【0021】
脱水ケーキを脱水助剤として利用するため、炭化汚泥20%添加時において、同一含水率で比較すると1.5〜2倍の処理量向上が、同一処理量で比較すると5〜8%の水分低減が認められる。混合生汚泥に対し高分子凝集剤+炭化汚泥併用法は、炭化汚泥を20%以上添加することで脱水性とコンポスト性が向上する。炭化汚泥は下水汚泥から製造するので、汚泥の有効利用が図れる。炭化汚泥はOD法汚泥に対して脱水助剤としての効果が大きく、コンポスト性も向上することから、炭化汚泥を脱水助剤に使用してコンポスト化するシステムは、小規模下水道に適したものとなる。スクリュープレスは炭化汚泥を助剤とした脱水が可能であり、炭化汚泥による脱水性の改善やコンポスト性の向上が図れる。
【0022】
表4はスクリュープレスで脱水した脱水ケーキからの臭気測定結果を示すもので、縦軸に臭気成分濃度(ppm)、横軸に経過時間(hr)を示す。脱水ケーキからの脱臭効果について、炭化汚泥無添加でH2Sの発生濃度50〜60ppm脱水ケーキが、炭化汚泥の添加後1〜24Hr経過するとほとんど検知されなくなった。脱水以降の臭気抑制効果が期待でき、脱臭設備の低減が図れる。
【0023】
【表4】
Figure 0003638134
【0024】
表5は溶解性全リンの減少率を示す図表であって、各資料混合生汚泥に対して脱水ろ液中に含まれる溶解性全リン濃度を調査した。
高分子+炭化汚泥併用法は、溶解性全リンの減少率に若干の効果が見られるが、炭化汚泥の吸着作用によるものと思われる。高分子+炭化汚泥併用法は、炭化汚泥を20%以上添加することで脱水性とコンポスト性が向上すると共に、無機塩や消石灰ほどではないが吸着作用により、高分子単独法に比べ10%程度溶解性リンの固定化効果がある。
【0025】
【表5】
Figure 0003638134
【0026】
炭化汚泥を添加した混合生汚泥脱水ケーキのコンポスト化の実験を行なった。表5は各資料の性状とコンポスト性の結果の図表であって、各資料の脱水条件、脱水ケーキ性状及びコンポスト結果を示す。実験条件として、コンポストを副資材とした資料は、水分が55%となるように返送量を調整した。その他の資料は、水分が55%となるように自然乾燥を行なった。初期の通気量は20l/min/m3とした。その後は排ガス中の酸素濃度が5%以下にならないように通気量を調整した。コンポストの評価条件を▲1▼醗酵温度条件(65℃以上の醗酵温度を2日以上継続)を基準に、▲2▼最高醗酵温度、▲3▼65℃以上の継続日数、▲4▼醗酵温度が65℃になるまでに要する日数の4項目とした。
【0027】
【表6】
Figure 0003638134
【0028】
表6に示すように、高分子+塩鉄+消石灰併用法は、高分子単独法に比べ含水率が2〜3ポイント程度低下し、ろ過速度が30〜120%程度向上し、コンポスト性もよくなる。そして、Ca成分によるコンポストの品質改良となるが、これらの助剤は購入し、処理場の外部から持込むもので、汚泥量が増加する。炭化汚泥の混入量は、20%より50%の方が最高醗酵温度が高く、65℃までの到達日数も短かかった。下水汚泥を炭化処理することにより生成される炭化汚泥はコンポスト化の改善に役立つ性能を有している。炭化汚泥は脱水助剤としての効果が大きく、多孔質である炭化汚泥はアルカリ性であり、微生物の増殖と腐熟の促進効果が期待でき、脱臭効果も得られる。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る炭化汚泥を利用した脱水方法は、粒径を調整した炭化汚泥を難ろ過性の汚泥中に分散させた後、高分子凝集剤を添加して炭化汚泥を核としてフロックを形成させ、このフロックを含有する汚泥をスクリュープレスで脱水するもので、スクリュープレスのろ過室のケーキ水分が炭化汚泥の添加により均一化され脱水性が向上する。また、スクリュープレスはスクリューでろ材面が常に再生されろ過性が維持されて、低速回転のため摩耗の心配もない。そして、炭化汚泥は活性炭と同様の脱臭効果があり、炭化汚泥の作用により汚泥脱水時の臭気発生を抑制し、脱水ケーキ自体も臭気が少なくなる。
【0030】
粒径を調整する炭化汚泥は、粒径を5mm以下に調整することが好ましく、粒径を最適粒径に調整することにより、汚泥供給ポンプの摩耗・閉塞が防止される。そして、難ろ過性の汚泥に対し、10〜40%の炭化汚泥を添加した後、0.5〜1.5%の高分子凝集剤を添加すれば、炭化汚泥を核としてフロックが形成され、脱水ケーキ水分、ろ過速度等処理能力の向上が得られる。
【0031】
炭化汚泥を利用した脱水方法を実施するための脱水装置は、汚泥貯留タンクを急速攪拌槽と緩速攪拌槽に分割した混合タンクに連結し、炭化汚泥の粉砕機を混合タンクに配設して、混合タンクに供給した汚泥に粒径を調整した炭化汚泥を添加して、汚泥と炭化汚泥の混合と分散を行うと共に、混合タンクから凝集混和装置に混合汚泥を供給する供給管路に、高分子凝集剤の溶解タンクを接続して、フロックを形成させた汚泥をスクリュープレスに圧入するもので、スクリュープレスは炭化汚泥を助剤とした脱水が可能であり、炭化汚泥を脱水助剤とすることにより、脱水ケーキ水分とろ過速度などの処理能力が得られる。炭化汚泥による脱水性の改善やコンポスト性の向上が図れる。
【0032】
スクリュープレスに使用する補機は、炭化汚泥の粉砕機を粒度調整用粉砕機とし、汚泥の混合タンクと高分子凝集剤の溶解タンクにそれぞれ可変量定量供給機を配設したもので、粒度調整用粉砕機が炭化汚泥を最適粒径にして、可変量定量供給機の定量性の向上が得られる。また、粒度調整用粉砕機は粗大粒径の除去物の発生がなく、脱水助剤としての最適な粒径が得られ、可変量定量供給機の閉塞事故が解消される。そして、炭化汚泥の全量を助剤として利用が可能となり、炭化汚泥の製造コストが低減できる。したがって、スクリュープレスは各種汚泥に対して脱水が可能であり、炭化汚泥による脱水性の改善やコンポスト性の向上が図れ、炭化汚泥を脱水助剤に使用してコンポスト化するシステムは、特に、小規模下水道に適したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る炭化汚泥を利用した脱水装置のフローチャートである。
【符号の説明】
1 汚泥貯留タンク
3 混合タンク
4 急速攪拌槽
5 緩速攪拌槽
6 スクリュープレス
10 粒度調整用粉砕機
13 可変量定量供給機
14 凝集混和装置
15 供給管路
16 溶解タンク
18 定量供給機

Claims (5)

  1. 難ろ過性の汚泥に粒径を調整した炭化汚泥を添加して、この汚泥と炭化汚泥を急速攪拌して混合させ、次に、緩速混合して炭化汚泥を汚泥中に分散させて混合効率を高めた後、高分子凝集剤を添加して炭化汚泥を核としてフロックを形成させ、このフロックを含有する汚泥をスクリュープレスで脱水することを特徴とする炭化汚泥を利用した脱水方法。
  2. 上記炭化汚泥は、粒径を5mm以下に調整して汚泥に添加することを特徴とする請求項1記載の炭化汚泥を利用した脱水方法。
  3. 上記汚泥に対し、10〜40%の炭化汚泥を添加した後、0.5〜1.5%の高分子凝集剤を添加することを特徴とする請求項1または2に記載の炭化汚泥を利用した脱水方法。
  4. 汚泥貯留タンク(1)を急速攪拌槽(4)と緩速攪拌槽(5)に分割した混合タンク(3)に連結し、混合タンク(3)に炭化汚泥の粉砕機(10)を連設して、混合タンク(3)に供給した汚泥に粒径を調整した炭化汚泥を添加して急速攪拌槽(4)で急速攪拌と緩速攪拌槽(5)で緩速攪拌を行って、汚泥と炭化汚泥の混合と分散を行うと共に、混合タンク(3)から凝集混和装置(14)に混合汚泥を供給する供給管路(15)に、高分子凝集剤の溶解タンク(16)を接続して、高分子凝集剤を添加した混合汚泥を凝集混和装置(14)に供給し、フロックを形成させた汚泥をスクリュープレス(6)に圧入することを特徴とする炭化汚泥を利用した脱水装置。
  5. 上記炭化汚泥の粉砕機を粒度調整用粉砕機(10)とし、汚泥の混合タンク(3)と高分子凝集剤の溶解タンク(16)にそれぞれ可変量定量供給機(13、18)を配設したことを特徴とする請求項4記載の炭化汚泥を利用した脱水装置。
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