JP3637681B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気管内圧力に応じて燃料噴射を行なう燃料噴射装置に関し、特に、吸気管内圧力に応じて加速状態及び燃料噴射要求状態を判定し、この判定に基づいて非同期燃料噴射を行なって燃料供給量を増加させうるようにした、燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の内燃機関の燃料噴射装置では、内燃機関の燃焼室内に吸入される空気量に見合った燃料量を噴射し、混合気の空燃比を最適に保つ必要がある。そこで、いわゆるLジェトロニックと呼ばれているが、エアフローセンサにより吸入空気量を直接検出して、これに基づいて燃料噴射を制御する方式が開発されている。
【0003】
一方、特に、軽自動車等の大衆車においては、軽量化、エアフローセンサ等により生ずる吸気管内の抵抗の軽減による高出力化及び装置や制御の簡素化等を図るべく、エアフローセンサ等を特別に設けることなく、吸気管内圧力センサによる吸気管内圧力の検出情報に基づいて、燃料噴射制御を行なうようにしたものがあり、Dジェトロニックやスピードデンシティ方式燃料噴射制御と呼ばれている。
【0004】
また、このような燃料噴射制御では、特に、加速状態等の過渡時には、燃料量が不足するため、この場合には、所定クランク角又は点火時期に対して非同期に燃料噴射を行なうようにしている。
このように吸気管内圧力に基づいて非同期噴射を行なう燃料噴射装置に関しては、種々の技術が提案されている。例えば、特開平3−242440号公報(第1従来技術)や特開平3−217632号公報(第2従来技術)には、加速判定後に非同期噴射を行なう技術が開示されている。
【0005】
このうち、第2従来技術には、クランク角センサからの検出情報に基づく同期噴射に加え、圧力センサ値が圧力センサ平均値よりも所定値以上大きいか否かにより加速状態を判定し、加速を判定したら非同期噴射を行なうように構成されている。
具体的には、圧力センサ値と圧力センサ平均値に所定値を加えた値とを比較し、圧力センサ値が小さい場合は加速状態とは判定せず、圧力センサ値が大きい場合は、加速状態と判定し、インジェクタの駆動パルス幅を演算し、この駆動パルスをインジェクタに供給することによりインジェクタを駆動して非同期噴射を行なうように構成されている。
【0006】
また、第1従来技術には、複数の設定圧力値を設け、設定圧力値を小さい値から大きい値の方向へ越える毎に非同期噴射を行なう技術も開示されている。すなわち、この技術は、クランク角センサからの検出情報に基づく同期噴射に加え、複数の所定の設定値のうち、近接する二つの設定値を予め決められた時間よりも短い間に横切った場合に非同期噴射を行なうように構成されている。
【0007】
具体的には、圧力検出手段としての圧力センサの出力値が比較値(設定値)よりも小さな値から比較値(設定値)よりも大きな値へ増加したか否かを判定するが、これには、今回の一定時間割り込み処理タイミングにおける圧力センサの出力値が比較値(設定値)よりも大きいか否かを判定し、かつ、前回の一定時間割り込み処理タイミングにおける圧力センサの出力値が比較値(設定値)よりも小さいか否かを判定することにより行ない、さらに、第1設定値を横切った時刻の記憶値と第2設定値を横切った時刻との差が予め設定された時間より短いか否かの判定(急加速か緩加速かの判定)を行なう。
【0008】
この判定結果、予め設定された時間より短い場合(急加速の場合)には、第2設定値を横切った時点で、圧力センサにより検出された吸気管内部の圧力情報及びクランク角センサからの検出情報からインジェクタの駆動パルス幅を演算し、この駆動パルスをインジェクタに供給することによりインジェクタを駆動して非同期噴射を行なうように構成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の第1従来技術は、加速判定直後のみに非同期噴射を行なうものであり、特に加速が要求され吸入空気量が多い中吸気管内圧力域、即ち、中負荷域において十分な燃料噴射量が得られず、ドライバビリティの向上を図ることができないという課題がある。
【0010】
また、第2従来技術は、加速が要求された際に非同期噴射を行なうものではないため、加速時の応答性の向上を図ることができないという課題がある。
さらに、これらの従来技術には非同期噴射の際の噴射量については何ら示唆されておらず、たとえ第1従来技術と第2従来技術とを組み合わせたとしても、特に加速時に吸入空気量が多くなる中吸気管内圧力域において、十分な燃料噴射量を得ることは難しく、ドライバビリティを十分に高めることができないという課題がある。
【0011】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、吸気管内圧力に基づいて燃料噴射を行なう燃料噴射装置において、制御の簡素化を図り、しかも特に中吸気管内圧力域、即ち、中負荷域での加速時における適正な燃料噴射量を確保できるようにした、燃料噴射装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の燃料噴射装置は、内燃機関の吸気管内圧力を検出する圧力検出手段と、上記内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射弁と、上記圧力検出手段の出力に基づいて燃料噴射量を演算し所定クランク角毎又は点火時期毎に発生する信号に同期して上記燃料噴射弁を作動させる同期噴射制御手段と、上記圧力検出手段の検出結果に基づいて上記内燃機関の加速状態を判定する加速判定手段と、上記加速判定手段により加速状態が判定されたら上記の所定クランク角毎又は点火時期毎に発生する信号に対して非同期に上記燃料噴射弁を作動させる非同期噴射制御手段とをそなえ、上記非同期噴射制御手段が、上記加速状態の判定時に第1非同期噴射を行なうように上記燃料噴射弁を作動させ、さらに、予め設定された複数の設定圧力値に対し上記加速状態の判定後の上記吸気管内圧力上昇に伴い該設定圧力を小さい値から大きい値へ横切る毎に第2非同期燃料噴射を行なうように上記燃料噴射弁を作動させるとともに、中負荷域において非同期噴射量が増大するように上記の第1又は第2非同期噴射の少なくとも一方の燃料噴射量を上記吸気管内圧力に応じて可変設定したことを特徴としている。
【0013】
さらに、好ましい実施態様としては、第1非同期噴射の噴射量に対し第2非同期噴射の噴射量を多く設定することで、加速判定時に余分な燃料を噴射することなく、加速判定後の加速状態に応じた適正な燃料噴射量を確保でき、加速継続時のドライバビリティを向上することができる。
また、第1非同期噴射の噴射量を加速状態判定時の吸気管内圧力に応じた噴射量とすることで、内燃機関の負荷状態に適した加速判定時の燃料噴射を迅速に行なうことができ、過渡応答性が向上する。
【0014】
さらに、第2非同期噴射を吸気管内圧力に応じて可変設定し、第1非同期噴射の噴射量を吸気管内圧力に関係なく等しく設定することで、過渡時の応答性を確保し加速継続時のドライバビリティを向上させながら非同期噴射制御の簡素化が図れる。
また、中負荷域における第1又は第2非同期噴射の少なくとも一方の噴射量と、低負荷域又は高負荷域の少なくとも一方の第1非同期噴射及び第2非同期噴射の噴射量を等しく設定することで、過渡時のドライバビリティを確保しながら、非同期噴射制御の簡素化が図れる。
【0015】
【発明の実施形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。図1〜図10は本発明の一実施形態としての燃料噴射装置を示すもので、これらの図1〜図10を参照して説明する。
本発明の一実施形態としての燃料噴射装置は、自動車用エンジンに用いられるもので、図1は本装置の制御ブロック図である。図1に示すように、本燃料噴射装置は、吸気管内圧力検出手段としての吸気管内圧力センサ1,クランク角センサ2,制御手段3,点火プラグ11,燃料噴射弁(インジェクタ)12をそなえて構成される。なお、本実施形態では、燃料噴射弁12は、各気筒毎にそなえるマルチポイントタイプとされている。
【0016】
制御手段3は、同期噴射制御手段4と、加速状態判定手段5と、点火プラグ11に対して制御信号を出力する点火時期制御手段6と、非同期噴射制御手段7とを備え、さらに、非同期噴射制御手段7は、加速状態判定時非同期噴射制御手段8と、圧力上昇判定部9と、圧力上昇判定時非同期噴射制御手段10とを有する。また、吸気管内圧力センサ1の検出信号は、所定の時間割込処理によって、A/Dコンバータ(図示略)で、アナログからデジタルに変換され、出力される。
【0017】
ここで、同期噴射制御手段4は、吸気管内圧力センサ1からの検出情報をA/D変換された信号に基づいて燃料噴射量、即ち、燃料噴射弁12の作動パルス幅を演算し、クランク角センサ2からの所定クランク角毎のクランク角検出情報又は点火時期制御手段6からの点火時期毎の点火時期制御情報に同期して燃料噴射弁12を作動させるように構成されている。
【0018】
加速状態判定手段5は、吸気管内圧力センサ1からの検出情報に基づいて内燃機関の加速状態を判定するものである。ここでは、直近の所定期間内における吸気管内圧力平均値に対して、吸気管内圧力が所定圧以上大きくなった場合に加速状態になったと判定する。つまり、加速状態判定手段5では、クランク角センサ2からの信号に基づいて、クランクシャフトが所定回数回転した際に、A/Dコンバータを介して得られる吸気管内圧力のデジタル信号を平均して吸気管内圧力の平均値を算出する。この平均値は、クランク角センサ2から得られる所定のクランク角毎に、更新され、常に現時点から直近の期間(クランクシャフトの所要回転数分)において得られる複数の吸気管内圧力データ(デジタル信号)に基づき算出する。そして、こうして得られた吸気管内圧力の平均値に所定値を加えた値と吸気管圧力センサ1からの検出値とを比較して、吸気管内圧力センサ1からの検出値が大きい場合に加速状態と判定するように構成されている。
【0019】
非同期噴射制御手段7における加速状態判定時非同期噴射制御部8は、加速状態判定手段5において加速状態が判定された時に、この加速状態判定情報に基づいて、吸気管内圧力センサ1で検出された吸気管内圧力に応じた量の燃料噴射を行なうべく燃料噴射量、即ち、燃料噴射弁12の作動パルス幅を演算し、クランク角センサ2からの所定クランク角毎のクランク角検出情報又は点火時期制御手段6からの点火時期毎の点火時期制御情報に対して非同期に燃料噴射弁12を作動させるように構成されている。
【0020】
ここで、燃料噴射量は吸気管内圧力に応じて決定されるが、これについては、図2(a),(c)に基づいて説明する。図2(a)は、加速状態判定時非同期噴射量を制御する燃料噴射弁作動パルスを示す図である。また、図2(c)は、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pの区分領域を示すとともに検出値Pの変化の具体例を示す図であり、縦軸は吸気管内圧力センサ1からの検出値P,横軸は時間を示す。この図2(c)に示すように、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pは、4つの値α1〜α4によって5段階の領域に区分けされており、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが低い方から順に領域Aα1(低負荷域),領域Aα2(中負荷域),領域Aα3(中負荷域),領域Aα4(高負荷域),領域Aα5(高負荷域)と区別する。
【0021】
そして、加速状態判定時における吸気管内圧力が予め設定された圧力領域Aαn(n=1〜5)の内のいずれの領域に属するかにより、その圧力領域Aαnに応じて予め決められた燃料噴射量に基づいて、燃料噴射量が決定される。例えば、図2(a),(c)に示すように、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが圧力領域Aα1に属する時に加速状態が判定された場合は燃料噴射弁作動パルスp1,吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが圧力領域Aα2に属する時に加速状態が判定された場合は燃料噴射弁作動パルスp2,吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが圧力領域Aα3に属する時に加速状態が判定された場合は燃料噴射弁作動パルスp3,吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが圧力領域Aα4に属する時に加速状態が判定された場合は燃料噴射弁作動パルスp4,吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが圧力領域Aα5に属する時に加速状態が判定された場合は燃料噴射弁作動パルスp5がそれぞれ求められる。通常の車両の走行状態を考えると、加速判定時の吸気管内圧力は低い方の領域、例えばAα1,Aα2にあることが多いものと考えられる。
【0022】
ここで、燃料噴射弁作動パルスp1の幅(燃料噴射弁12の作動時間)は燃料噴射量が基準量になるように1.0に、燃料噴射弁作動パルスp2の幅は燃料噴射量が基準量になるように1.0に、燃料噴射弁作動パルスp3の幅は燃料噴射量が基準量の1.5倍になるように1.5に、燃料噴射弁作動パルスp4の幅は燃料噴射量が基準量の1.25倍になるように1.25に、燃料噴射弁作動パルスp5の幅は燃料噴射量が基準量になるように1.0にそれぞれ設定されている。これは、負圧(吸気圧)が高い程、吸気管内への空気量増加幅が少なくなることを考慮して、吸気管内圧力が高くなる程、パルス幅を小さく設定している。
【0023】
非同期噴射制御手段7における圧力上昇判定部9は、加速状態判定手段5による加速状態の判定に続いて、吸気管内圧力が上昇して、予め設定された複数の設定圧力値αn(n=1〜4)を越えた場合に圧力上昇を判定するように構成されている。
非同期噴射制御手段7における圧力上昇判定時非同期噴射制御部10は、加速状態判定手段5において加速状態が判定され、かつ、圧力上昇部9により吸気管内圧力の上昇が判定された場合、この設定圧力値αnに応じた量の燃料噴射を行なうべく燃料噴射量、即ち、燃料噴射弁12の作動パルス幅を演算し、クランク角センサ2からの所定クランク角毎のクランク角検出情報又は点火時期制御手段6からの点火時期毎の点火時期制御情報に対して非同期に燃料噴射弁12を作動させるように構成されている。
【0024】
ここで、燃料噴射量は設定圧力値αnに応じて決定されるが、これについては、図2(b),(c)に基づいて説明する。図2(b)は、圧力上昇判定時非同期噴射量を制御する燃料噴射弁作動パルスを示す図であり、図2(c)は、前述のように、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pの変化を示す図である。図2(c)に示すように、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pに応じて、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが低いほうから順にα1(第1設定圧力値),α2(第2設定圧力値),α3,α4と4つの設定圧力値αnが設けられており、時刻t1,t2,t3,t4は、図2(c)に示す吸気管内圧力の変化による圧力上昇判定時の非同期噴射のタイミングを示している。
【0025】
具体的には、吸気管内圧力Pが予め設定された設定圧力値αn(n=1〜4)を越えた場合に、その設定圧力値αnに応じて予め決められた燃料噴射量に基づいて、燃料噴射量が決定される。例えば、図2(b),(c)に示すように、設定圧力値α1を越えた場合(時刻t1)は燃料噴射弁作動パルスp6,設定圧力値α2を越えた場合(時刻t2)は燃料噴射弁作動パルスp7,設定圧力値α3を越えた場合(時刻t3)は燃料噴射弁作動パルスp8,設定圧力値α4を越えた場合(時刻t4)は燃料噴射弁作動パルスp9がそれぞれ求められ、各パルスの幅に応じて燃料噴射量が決められる。
【0026】
ところで、パルスp6〜p9の幅は、前述のパルスp2〜p5と同様に設定されている。つまり、燃料噴射弁作動パルスp6の幅(燃料噴射弁12の作動時間)は燃料噴射量が基準量になるように1.0に、燃料噴射弁作動パルスp7の幅は燃料噴射量が基準量の1.5倍になるように1.5に、燃料噴射弁作動パルスp8の幅は燃料噴射量が基準量の1.25倍になるように1.25に、燃料噴射弁作動パルスp9の幅は燃料噴射量が基準量になるように1.0にそれぞれ設定されている。
【0027】
また、上述の各パルスp1〜p5の幅、即ち、各圧力領域Aαn(n=1〜5)に対応する燃料噴射量や、各パルスp2〜p9の幅、即ち、各圧力(n=1〜4)に対応する燃料噴射量は、上述のような設定比に限定されるものでなく、種々の考えに基づいて、吸気管内圧力の大きさに対応して設定することが考えられる。
【0028】
例えば、α1やAα1,Aα2に対応しては基準量の燃料噴射を行ない、α2やAα3に対応しては基準量の1.5倍の燃料噴射を行ない、α3,α4やAα4,Aα5に対応しては、基準量の燃料噴射を行なうような構成も考えられる。いずれにしても、設定圧力領域Aαnについては、低圧力領域(例えば、Aα1,Aα2)に対応する燃料噴射量の方が多くなるように、また、設定圧力値αnに対応する燃料噴射量については、少なくとも設定圧力値α1(設定圧力値のうちの最小値である第1設定圧力値)に対応する燃料噴射量よりも設定圧力値α2(第2設定圧力値)に対応する燃料噴射量の方が多くなるように、それぞれ設定するのが好ましい。
【0029】
また、本実施形態のように、加速判定時の圧力領域Aαnに応じた燃料噴射量と、加速判定に続く圧力上昇時の基準圧力αnに応じた燃料噴射量とで対応するものは一致させる方が都合がよい。つまり、一般に、急加速の要求が多いのは期間の中低速時、即ち、吸気管内圧力が低い状態であると考えられる。すなわち、通常、吸気管内圧力が圧力領域Aα1に属する時に加速が開始され、吸気管内圧力が圧力領域Aα2に属する時に加速状態と判定されることが多いと考えられる。したがって、圧力領域Aα2で加速状態が判定され、加速要求が大きければその後吸気管内圧力の増加が継続し、設定圧力値α2を越えることが、通常、想定される。
【0030】
このため、吸気管内圧力が設定圧力値α2よりも低い領域(即ち、Aα1及びAα2の領域)に対応する燃料噴射量が、設定圧力値α1に対応する燃料噴射量と等しくなるように設定するのが都合がよい。また、単なる加速判定時には、基準量の燃料を噴射するだけで、非同期噴射を行ない、その後、特に急加速の要求が大きければ、最初の非同期噴射に対して増量して非同期噴射を行なうことにより、要求に応じた量の燃料噴射を実現し易い。
【0031】
また、このような観点から、設定圧力値α2は、通常加速が開始される時の吸気管内圧力レベルよりも大きな値に設定しておくことが必要である。即ち、加速判定が、通常設定圧力値α2より吸気管内圧力レベルが低い領域(例えばAα1及びAα2の領域)で行なわれるように設定圧力値α2を設定することが必要である。
【0032】
なお、設定圧力値αnに対応する燃料噴射量、即ち、吸気管内圧力の上昇による非同期噴射の燃料噴射量は、圧力領域Aαnに対応する燃料噴射量、即ち、加速状態判定時における非同期噴射の燃料噴射量とは別個に設定してもよい。この場合、設定圧力値αnに対応する燃料噴射量が圧力領域Aαnに対応する燃料噴射量よりも多くなるように設定することにより加速判定後のさらなる加速要求に燃料量を対応させることも考えられる。
【0033】
本実施形態の燃料噴射装置は、このように構成されるが、次に、具体的な動作について、4気筒の内燃機関の場合を例にして説明する。
まず、本実施形態の燃料噴射装置における同期噴射制御について、図3のクランク角割り込みルーチンを示すフローチャートに基づいて説明する。なお、このルーチンは、各燃料噴射弁毎に行なわれるもので、一定クランク角毎の割り込み処理により行なわれる。
【0034】
ステップS301では、クランク角センサ2からの信号を4回検出したか否かの判定が行なわれる。つまり、マルチポイントインジェクチョンのエンジンでは同期燃料噴射を行なうためのクランク角信号が気筒毎に出力されるため、4気筒エンジンでは、1つの気筒の燃料噴射弁(インジェクタ)は、クランク角信号の4回に1回ずつ作動させればよい。したがって、信号を4回検出した場合はステップS302に進み、信号を4回検出していない場合は処理は終了する。
【0035】
ステップS302では、図5に示す加速状態判定ルーチンにおけるステップS501において積算した吸気管内圧力センサ1からの検出値Pの積算値Pbsum及びステップS502においてカウントした積算回数Nから、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pの平均値Pb(=Pbsum/N)を演算する演算処理が行なわれる。
【0036】
ステップS303では、平均値Pbの演算が済んだため、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pの積算値Pbsumをクリアする処理が行なわれる。
ステップS304では、平均値Pbの演算が済んだため、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pの積算回数のカウントを行なうカウンタ値Nをクリアする処理が行なわれる。
【0037】
ステップS305では、同期噴射制御手段5によって、燃料噴射弁12を作動させるための作動パルス幅を演算する演算処理が行なわれる。
ステップS306では、ステップS305において求めた作動パルスにより燃料噴射弁12を作動させる処理(同期噴射処理)が行なわれる。
次に、本実施形態の燃料噴射装置における非同期噴射制御について、図4の非同期噴射制御のメインルーチンを示すフローチャートに基づいて説明する。なお、このメインルーチンは一定時間毎に実行されるものである。
【0038】
ステップS401では、加速状態が継続しているか否か(加速状態判定後所定時間T0以内であるか否か)の判断が行なわれる。具体的には、加速状態判定フラグF1が1であるか否かが判断される。ここで、加速状態判定フラグF1は、加速状態にある場合はF1=1にセットされており、加速状態にない場合はF1=0にセットされている。なお、この加速状態判定フラグF1はF1=0に初期設定されている。
【0039】
この判断の結果、F1=1である場合は前回の制御周期から加速状態が継続しているため、加速状態にあるか否かの判定は行なわずにステップS408に進み、F1=1でない場合は加速状態の継続中でないため、ここで、加速状態にあるか否かの判定を行なうべくステップS402に進む。
ステップS402では、加速状態判定手段5により加速状態にあるか否かが判定される。この加速状態にあるか否かの判定は図5に示す加速状態判定ルーチンにしたがって行なわれる。
【0040】
ステップS403では、加速状態の判定結果としてフラグF1が1であるか否かの判断が行なわれる。この判断の結果、F1=1である場合は加速状態であり、非同期噴射を行なうためステップS404に進み、F1=1でない場合は加速状態でないため処理は終了する。
ステップS404では、非同期噴射制御手段7における加速状態判定時非同期噴射制御部8によって、吸気管内圧力検出手段としての吸気管内圧力センサ1により検出された吸気管内圧力Pが、図2に示す圧力領域Aαnの内のいずれの領域に属するかが判定される。
【0041】
ステップS405では、非同期噴射制御手段7における加速状態判定時非同期噴射制御部8によって、燃料噴射弁12を作動させるための作動パルス幅を設定する処理が行なわれる。具体的には、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが圧力領域Aα1に属する時に加速状態が判定された場合は燃料噴射弁作動パルスp1の幅(燃料噴射弁12の作動時間)は燃料噴射量が基準量になるように1.0に、圧力領域Aα2に属する時に加速状態が判定された場合は燃料噴射弁作動パルスp2の幅は燃料噴射量が基準量になるように1.0に、圧力領域Aα3に属する時に加速状態が判定された場合は燃料噴射弁作動パルスp3の幅は燃料噴射量が基準量の1.5倍になるように1.5に、圧力領域Aα4に属する時に加速状態が判定された場合は燃料噴射弁作動パルスp4の幅は燃料噴射量が基準量の1.25倍になるように1.25に、圧力領域Aα5に属する時に加速状態が判定された場合は燃料噴射弁作動パルスp5の幅は燃料噴射量が基準量になるように1.0にそれぞれ設定される。
【0042】
ステップS406では、ステップS405において求めた作動パルスにより燃料噴射弁12を作動させる処理が行なわれる。
ステップS407では、加速状態判定後の経過時間を計測するため、カウンタTaをスタートさせる。
ステップS408では、カウンタTaのカウンタ値T1が所定時間T0以上か否か(T1≧T0)が判断される。この結果、カウンタ値T1がT0以上の場合は、ステップS414に進み、カウンタ値T1がT0以上でない場合は、ステップS409に進む。
【0043】
ステップS409では、圧力上昇判定部9によって、圧力が上昇したか否かが判定される。この圧力が上昇したか否かの判定は、図7に示す圧力上昇判定ルーチンにしたがって行なわれる。
ステップS410では、圧力が上昇したと認められるか否かの判断が行なわれる。具体的には、圧力上昇判定フラグF2が1であるか否かが判断される。この判断の結果、F2=1である場合は圧力が上昇したと認められるから非同期噴射を行なうためステップS411に進み、F2=1でない場合は圧力が上昇したと認められないため処理は終了する。
【0044】
ステップS411では、非同期噴射制御手段7における圧力上昇判定時非同期噴射制御部10によって、燃料噴射弁12を作動させるための作動パルス幅を設定する処理が行なわれる。具体的には、設定圧力値α1を越えた場合は燃料噴射弁作動パルスp6の幅(燃料噴射弁12の作動時間)は燃料噴射量が基準量になるように1.0に、設定圧力値α2を越えた場合は燃料噴射弁作動パルスp7の幅は燃料噴射量が基準量の1.5倍になるように1.5に、設定圧力値α3を越えた場合は燃料噴射弁作動パルスp8の幅は燃料噴射量が基準量の1.25倍になるように1.25に、設定圧力値α4を越えた場合は燃料噴射弁作動パルスp9の幅は燃料噴射量が基準量になるように1.0にそれぞれ設定される。
【0045】
ステップS412では、ステップS411において求めた作動パルスにより燃料噴射弁12を作動させる処理が行なわれる。
ステップS413では、圧力上昇判定フラグF2がクリアされる。
ステップS414では、加速状態判定フラグF1,カウンタTaのカウント値T1がクリアされる。
【0046】
このように、非同期燃料噴射については、既に加速状態が判定され加速状態が継続している場合は、加速判定及び加速判定後の非同期噴射に関する処理(ステップS402からステップS406までの処理)は行なわれず、ステップS401からステップS408に進み、加速判定後の非同期噴射からの時間が所定時間T0以内であれば圧力上昇判定及び圧力上昇判定後の非同期噴射に関する処理(ステップS409からステップS413までの処理)に移る。これに対し、加速状態がまだ判定されていない場合は、加速判定に関する処理が行なわれ、その後に、加速判定後の非同期噴射からの時間が所定時間T0以内であれば圧力上昇判定に関する処理に移る。なお、加速状態と判定されない場合は、非同期噴射の必要がないため処理が終了される。また同様に、加速判定後所定時間T0内に圧力上昇と判定されない場合も、非同期噴射の必要がないため処理が終了される。
【0047】
なお、加速判定後の非同期噴射からの時間が所定時間T0以上が経過したら、ここでの非同期噴射を終了するが、これは加速判定後ある程度の時間(即ち、T0)が経過してから圧力上昇があった場合には、急加速ではないと考えられ、加速判定後の非同期噴射で十分であって、圧力上昇に応じた非同期噴射を行なって燃料噴射量を追加する必要性がないと考えられるためである。この場合は、圧力上昇判定及び圧力上昇判定後の非同期噴射に関する処理(ステップS409からステップS413までの処理)は行なわず、その後の処理に備えて、加速状態判定フラグF1,カウンタ値T1がそれぞれリセットされる。
【0048】
これにより、急加速時には、加速状態判定後に非同期噴射が行なわれ、その後の吸気管内圧力の上昇に応じて引続き加速要求操作が継続する場合は、必要に応じた量の燃料噴射を行なうべく追加の燃料噴射が行なわれることになる。
次に、上述のメインルーチンにおけるステップS402の加速状態判定ルーチンについて、図5のフローチャートに基づいて説明する。なお、この加速状態判定ルーチンに基づく処理は加速状態判定手段5が行なう。
【0049】
ステップS501では、図3に示すクランク角割り込みルーチンにおけるステップS302における吸気管内圧力センサ1からの検出値Pの平均値Pbの演算に使用するため、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pを積算して積算値が求められる。
ステップS502では、図3に示すクランク角割り込みルーチンにおけるステップS302における吸気管内圧力センサ1からの検出値Pの平均値Pbの演算に使用するため、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pの積算回数がカウントされる。
【0050】
ステップS503では、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが、図3に示すクランク角割り込みルーチンにおけるステップS302において演算された吸気管内圧力センサ1からの検出値Pの平均値Pbに所定値aを加えた値より大きいか否かが判断される。この結果、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが大きい場合は、ステップS504に進み、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが小さい場合は処理は終了する。
【0051】
ステップS504では、ステップS503において加速状態と判断され、加速状態判定フラグF1がF1=1にセットされる。
このようなフローチャートに基づいて加速状態の判定が行なわれ、この処理は一定時間毎に行なわれるが、吸気管内圧力の具体的な時間変化を示しながら、加速状態の判定とこの判定時の非同期噴射について、図6に基づいて説明する。図6(a)は、加速状態判定時非同期噴射量を制御する燃料噴射弁作動パルスp2を示す図であり、ここでは、燃料噴射量を基準量とすべくパルス幅を1.0にしている。また、図6(b)は、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pの変化を示す図であり、縦軸は吸気管内圧力センサ1からの検出値P,横軸は時間を示す。この図6(b)中、α1,α2は、設定圧力値を示しており、Aα2は圧力領域を示している。また、t5,t8,t9は、同期噴射のタイミングを示している。さらに、階段状の直線の水平部は、同期噴射と同期噴射との間の吸気管内圧力センサ1からの検出値Pの平均値Pbを示しており、破線はこの平均値Pbに所定値aを加えた値を示している。
【0052】
例えば、時刻t6においてこの処理が実行された場合には、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pは、同期噴射の行なわれる時刻である時刻t5と時刻t8との間の吸気管内圧力センサ1からの検出値Pの平均値Pbに所定値aを加えた値(破線)を越えていないため、加速状態とは判定せずに処理は終了する。
時刻t7においてこの処理が実行された場合には、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pは、同期噴射の行なわれる時刻である時刻t5と時刻t8との間の吸気管内圧力センサ1からの検出値Pの平均値Pbに所定値aを加えた値(破線)を越えるため、加速状態と判定され、加速状態判定フラグF1はF1=1にセットされて処理が終了する。この場合、吸気管内圧力が圧力領域Aα2に属している時に加速状態と判定されたため、圧力領域Aα2に対応して決められている燃料噴射弁作動パルス、即ち、図6(a)の燃料噴射弁作動パルスp2に応じた燃料噴射量(基準量1.0)が噴射される。
【0053】
したがって、加速状態が判定された直後に非同期噴射が行なわれることになる。
次に、上述のメインルーチンにおけるステップS409の圧力上昇判定ルーチンについて、図7のフローチャートに基づいて説明する。この図7に示す圧力上昇判定ルーチンは非同期噴射制御手段7における圧力上昇判定部9の動作を表すものである。
【0054】
ステップS701では、図4のメインルーチンにおけるステップS404で判定された圧力領域Aαnによって設定圧力値と兼用する判定値αnが決められる。
ステップS702では、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが、ステップS701で決められた判定値αn以上か否かが判断される。この結果、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが判定値αn以上である場合は、圧力が上昇したと認められるためステップS703に進み、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが判定値αn以上でない場合は、圧力が上昇したとは認められないためステップS705に進む。
【0055】
ステップS703では、ステップS702において圧力が上昇したと判断されるため、圧力上昇判定フラグF2がF2=1にセットされる。
ステップS704では、ステップS702で圧力が上昇したと認められるため、次回の圧力上昇判定にそなえて判定値αnが判定値αn+1に書き換えられる。
【0056】
ステップS705では、吸気管内圧力が高圧になった場合には急加速を行なうことは考えにくいため圧力上昇判定をしないように、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが、判定値α4を越えたか否かが判断される。この結果、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが判定値α4を越えた場合は、ステップS707に進み、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが判定値α4を越えない場合は、ステップS706に進む。
【0057】
ステップS706では、吸気管内圧力が下降していく場合には急加速を要求しているとは言えないため、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが、判定値αn−1以下か否かが判断される。この結果、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが、判定値αn−1以下である場合は、ステップS707に進み、吸気管内圧力センサ1による検出値Pが、判定値αn−1以下でない場合は処理が終了される。
【0058】
このようなフローチャートに基づいて圧力上昇の判定が行なわれ、この処理は一定時間毎に行なわれるが、吸気管内圧力の具体的な時間変化を示しながら、加速判定後の圧力上昇に応じた非同期噴射について、図8に基づいて説明する。図8(a)は、圧力上昇判定時非同期噴射量を制御する燃料噴射弁作動パルスp7,p8,p9を示す図であり、この燃料噴射弁作動パルスp7の幅は燃料噴射量を基準量の1.5倍になるように1.5に、燃料噴射弁作動パルスp8の幅は燃料噴射量を基準量の1.25倍になるように1.25に、燃料噴射弁作動パルスp9の幅は燃料噴射量を基準量になるように1.0に設定されている。なお、仮想線で示されているp2は加速状態判定時の非同期噴射量を制御する燃料噴射弁作動パルスである。
【0059】
また、図8(b)は、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pの変化を示す図であり、縦軸は吸気管内圧力センサ1からの検出値P,横軸は時間を示す。この図8(b)中、α1,α2,α3,α4は、設定圧力値と兼用する判定値を示している。また、t2,t3,t4は、圧力上昇判定時の非同期噴射のタイミングを示している。さらに、t7は、加速状態判定時の非同期噴射のタイミングを示している。
【0060】
例えば、吸気管内圧力が圧力領域Aα2に属している時に加速状態と判定され、加速状態判定時の非同期噴射が燃料噴射弁作動パルスp2に基づいて行なわれた後、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが引続き上昇する場合を例にして説明する。ここで、吸気管内圧力が圧力領域Aα2に属している時に加速状態が判定されているため、これに続いて用いる判定値としてはα2が選定される。
【0061】
時刻t2においてこの処理が実行された場合には、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが上昇して判定値α2を越えるため、圧力上昇判定フラグF2がF2=1にセットされ、燃料噴射弁作動パルスp7に基づいて圧力上昇判定時の非同期噴射が行なわれる。ここで、吸気管内圧力は判定値α2を越えているため、その後の圧力上昇の判定に備えて判定値はα3に変更される。
【0062】
時刻t3においてこの処理が実行された場合には、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが上昇して判定値α3を越えるため、圧力上昇判定フラグF2がF2=1にセットされ、燃料噴射弁作動パルスp8に基づいて圧力上昇判定時の非同期噴射が行なわれる。ここで、吸気管内圧力は判定値α3を越えているため、その後の圧力上昇の判定に備えて判定値はα4に変更される。
【0063】
時刻t4においてこの処理が実行された場合には、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが上昇して判定値α4を越えるため、圧力上昇判定フラグF2がF2=1にセットされ、燃料噴射弁作動パルスp9に基づいて圧力上昇判定時の非同期噴射が行なわれる。
これに対し、時刻t10においてこの処理が実行された場合には、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pは判定値α3を越えていないため、圧力上昇とは判定されない。また、時刻t11においてこの処理が実行された場合には、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pは判定値α4を越えており、その後は圧力上昇の判定は行なわず、加速状態判定後の非同期噴射を行なわないため、加速状態判定フラグF1及び圧力上昇判定フラグF2はクリアされる。
【0064】
次に、図8(b)において破線で示すように吸気管内圧力が下降する場合について説明する。時刻t3において処理が実行された場合には、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pは判定値α3を越えていないため、圧力上昇とは判定されない。また、時刻t4において処理が実行された場合には、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pは判定値α3を越えていないため、圧力上昇とは判定されず、また、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pは判定値α2以下になっており加速要求操作が継続していないと判断できるため、その後は加速状態判定後の非同期噴射を行なわないようにすべく加速状態判定フラグF1及び圧力上昇判定フラグF2がクリアされる。
【0065】
これにより、加速状態判定直後に、まず1回目の非同期噴射が行なわれ、その後引続き加速要求操作が継続する場合は、吸気管内圧力の上昇に応じて2回目,3回目,4回目の非同期噴射が行なわれることになる。
このようにして、本装置によれば、緩加速時と区別して急加速時のみ加速状態と判定することができ、無駄な燃料噴射を避けつつ、効率的な燃料噴射量を確保することができる。
【0066】
したがって、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pに応じた燃料噴射量を必要に応じて供給することができ、効率的な燃料噴射制御を行なうことができる。特に、急加速時において、加速要求が大きく吸気管内圧力の増加が継続する場合は連続して燃料噴射を行なうようにしているため燃料噴射量を適正に調整することができ、精度の高い燃料噴射制御を行なうことができるという利点がある。
【0067】
すなわち、急加速時において、加速状態判定直後の非同期燃料噴射では燃料噴射量が足りない場合にも、連続してより多くの燃料噴射を行なうことにより、急加速時のような過渡時において、急激に吸気管内圧力Pが高くなった場合(即ち、急激にシリンダへの吸入空気量の多くなった場合)にも空燃比リーンの状態が発生しにくく、トルクダウンを防ぐことができ、これによって運転者の要求に応じた操作性を実現できドライバビリティの向上を図ることができるという利点がある。
【0068】
特に、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが低い場合に、運転者からの急加速の要求に応じて急激に吸気管内圧力が高くなる場合(急激にシリンダへの吸入空気量の多くなる場合)が多く、より多くの燃料噴射量が必要となるが、このような要求にも的確に対応し、適切な量の燃料噴射量を確保することができるという利点がある。また、通常、運転者からの急加速の要求が多い吸気管内圧力レベルを重視して燃料噴射量を設定しているため、運転者からの要求に的確に対応できる。さらに、加速状態判定直後の非同期噴射とその後の吸気管内圧力の上昇による非同期噴射とに分けて、必要に応じて複数回の非同期噴射を行なうようにしているため、加速状態判定直後の非同期噴射による燃料噴射量が多すぎることによる空燃比リッチの状態を防ぐこともでき、燃料噴射量を適切に調整することができるという利点もある。
【0069】
このように、吸気管内圧力センサ1を用いて燃料噴射制御を行なう本燃料噴射装置によれば、例えば、従来エアーフローセンサを用いて燃料噴射制御を行なっていた装置に近い制御性能を得られるようになり、本装置は、軽自動車などの大衆車のみならず、高級な自動車等に十分に適用しうるものである。
また、スロットル・ポジション・センサを用いずに吸気管内圧力センサ1を用いて加速状態を検出するためコストパフォーマンスに優れているという利点もある。
【0070】
次に、上述のメインルーチンにおけるステップS402の加速状態判定ルーチンの他の構成例について、図9のフローチャートに基づいて説明する。なお、この加速状態判定ルーチンに基づく処理は加速状態判定手段5が行なう。
ステップS901では、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが判定値βn以上か否かが判断される。この結果、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが判定値βn以上である場合は、ステップS902に進み、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが判定値βn以上でない場合は処理は終了する。
【0071】
ステップS902では、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが判定値βnを越えているため、次の判定に備えて判定値βnが判定値βn+1に書き換えられる。
ステップS903では、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが判定値βn及び判定値βn+1を越えるのにかかる時間を計測するため、カウンタTbをスタートさせる。
【0072】
ステップS904では、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが判定値βn+1以上か否かが判断される。この結果、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが判定値βn+1以上である場合は、ステップS905に進み、吸気管内圧力センサ1による検出値Pが判定値βn+1以上でない場合は処理は終了する。
ステップS905では、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pが判定値βn+1を越えているため、次の判定に備えて判定値βnが判定値βn+2に書き換えられる。
【0073】
ステップS906では、カウンタTbのカウンタ値T2が所定時間T3以上か否か(T2≧T3)が判断される。この結果、カウンタ値T2がT3以上の場合は処理を終了し、カウンタ値T2がT3以上でない場合は、ステップS907に進む。
ステップS907では、所定時間T3内に急激な圧力上昇をしていると認められ、加速状態と判定されるため加速状態判定フラグF1がF1=1にセットされる。
【0074】
ステップS908では、カウンタ値T2がリセットされる。
このようなフローチャートに基づいて加速状態の判定が行なわれるが、この処理は一定時間毎に行なわれるため、時間及び吸気管内圧力との関係における具体的な動作について、図10に基づいて説明する。図10(a)は、加速状態判定時非同期噴射量を制御する燃料噴射弁作動パルスp10を示す図であり、ここでは、燃料噴射量を基準量とすべくパルス幅を1.0にしている。また、図10(b)は、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pの変化を示す図であり、縦軸は吸気管内圧力センサ1からの検出値P,横軸は時間を示す。この図6(b)中、仮想線は設定圧力値を示しており、Aα2は圧力領域を示している。また、β1,β2,β3は判定値を示している。なお、判定値βnはβ1に初期設定されており、判定値βnは加速状態を判定するのに適するように設定すればよい。
【0075】
例えば、時刻t12においてこの処理が実行された場合には、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pは判定値β1を越えるため、判定値β1は判定値β2に書き換えられ、カウンタTbをスタートさせ、処理は終了される。
時刻t13においてこの処理が実行された場合には、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pは判定値β2を越えるが、時刻t12と時刻t13との間の時間が所定時間T3を越えているため、加速状態とは判定されず、処理は終了される。
【0076】
時刻t14においてこの処理が実行された場合には、吸気管内圧力センサ1からの検出値Pは判定値β3を越え、時刻t13と時刻t14との間の時間が所定時間T3を越えていないため、加速状態と判定され、加速状態判定フラグF1はF1=1にセットされる。
このようにして、加速状態の判定についての他の構成例によれば、スロットル・ポジション・センサを用いずに吸気管内圧力センサ1を用いて加速状態を検出するためコストパフォーマンスに優れているという利点がある。
【0077】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の燃料噴射装置によれば、内燃機関の吸気管内圧力を検出する圧力検出手段と、上記内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射弁と、上記圧力検出手段の出力に基づいて燃料噴射量を演算し所定クランク角毎又は点火時期毎に発生する信号に同期して上記燃料噴射弁を作動させる同期噴射制御手段と、上記圧力検出手段の検出結果に基づいて上記内燃機関の加速状態を判定する加速判定手段と、上記加速判定手段により加速状態が判定されたら上記の所定クランク角毎又は点火時期毎に発生する信号に対して非同期に上記燃料噴射弁を作動させる非同期噴射制御手段とをそなえ、上記非同期噴射制御手段が、上記加速状態の判定時に第1非同期噴射を行なうように上記燃料噴射弁を作動させ、さらに、予め設定された複数の設定圧力値に対し上記加速状態の判定後の上記吸気管内圧力上昇に伴い該設定圧力を小さい値から大きい値へ横切る毎に第2非同期燃料噴射を行なうように上記燃料噴射弁を作動させるとともに、中負荷域において非同期噴射量が増大するように上記の第1又は第2非同期噴射の少なくとも一方の燃料噴射量を上記吸気管内圧力に応じて可変設定したことにより、制御の簡素化を図りながら、吸気管内圧力に応じた燃料噴射量を必要に応じて供給することができ、効率的な燃料噴射制御を行なうことができる。特に、急加速時において、加速要求が継続した場合、加速開始時から継続的に燃料噴射を行なうため燃料噴射量を適切に調整することができ、精度の高い燃料噴射制御を行なうことができるという利点がある。
【0078】
また、急加速時のような過渡時において、急激に吸気管内圧力が高くなった場合、即ち、中負荷のように急激にシリンダへの吸入空気量の多くなる場合にも空燃比リーンの状態が発生しにくくなるためトルクダウンを防ぐことができ、これによって運転者の要求に応じた操作性を実現できドライバビリティの向上を図ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる燃料噴射装置の制御ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる設定圧力値αn,圧力領域Aαnを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかるクランク角割り込みルーチンを示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態にかかる燃料噴射装置の非同期噴射制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態にかかる加速状態判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態にかかる加速状態判定ルーチンにより加速状態が判定された場合の非同期噴射を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる圧力上昇判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態にかかる圧力上昇判定ルーチンにより圧力上昇が判定された場合の非同期噴射を説明するための図である。
【図9】本発明の一実施形態にかかる加速状態判定ルーチンの他の構成例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態にかかる加速状態判定ルーチンの他の構成例により加速状態が判定された場合の非同期噴射を説明するための図である。
【符号の説明】
1 吸気管内圧力検出手段
2 クランク角センサ
3 制御手段
4 同期噴射制御手段
5 加速状態判定手段
6 点火時期制御手段
7 非同期噴射制御手段
8 加速状態判定時非同期噴射制御部
9 圧力上昇判定部
10 圧力上昇判定時非同期噴射制御部
11 点火プラグ
12 燃料噴射弁

Claims (1)

  1. 内燃機関の吸気管内圧力を検出する圧力検出手段と、
    上記内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    上記圧力検出手段の出力に基づいて燃料噴射量を演算し所定クランク角毎又は点火時期毎に発生する信号に同期して上記燃料噴射弁を作動させる同期噴射制御手段と、
    上記圧力検出手段の検出結果に基づいて上記内燃機関の加速状態を判定する加速判定手段と、
    上記加速判定手段により加速状態が判定されたら上記の所定クランク角毎又は点火時期毎に発生する信号に対して非同期に上記燃料噴射弁を作動させる非同期噴射制御手段とをそなえ、
    上記非同期噴射制御手段が、上記加速状態の判定時に第1非同期噴射を行なうように上記燃料噴射弁を作動させ、さらに、予め設定された複数の設定圧力値に対し上記加速状態の判定後の上記吸気管内圧力上昇に伴い該設定圧力を小さい値から大きい値へ横切る毎に第2非同期燃料噴射を行なうように上記燃料噴射弁を作動させるとともに、中負荷域において非同期噴射量が増大するように上記の第1又は第2非同期噴射の少なくとも一方の燃料噴射量を上記吸気管内圧力に応じて可変設定したことを特徴とする、燃料噴射装置。
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