JP3637178B2 - 石英部材の成形装置および成形方法 - Google Patents

石英部材の成形装置および成形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石英ガラス管などの石英部材を連続的に形成する石英部材の成形装置および成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
石英ガラス管を連続的に形成する工程においては、電気的に加熱した炉において高純度に精製された水晶や合成石英などの粉末を溶解させ、この粉末が溶解するにつれて、炉の底に設けられた適当な形状の孔を構成するモールドやマンドレルを通じて炉から所要の形状のものが流れ落ちることにより、形成されている。
【0003】
この石英ガラス管を連続的に形成する従来の成形装置の構成を、以下に説明する。
【0004】
従来の成形装置は、細長い円筒形状のるつぼを有しており、このるつぼ内部には、上方に設けられた供給装置により、高純度に精製された水晶や合成石英などの粉末が供給されるようになっている。
【0005】
上記るつぼの底部には、モールドが設けられており、またこのモールドに連通するように、例えば柱状のマンドレルが設けられている。このモールドおよびマンドレルによって上記るつぼ内部に存在する溶融ガラスを所定の形状および肉厚に設定して、上記るつぼから溶融ガラスとして押し出すことを可能としている。このるつぼより流出した溶融ガラスは、上記モールドと連結して設けられた流出配管内部を流出して、次工程へ向かい送り出されるようになっている。
【0006】
上記るつぼの外周部分には、このるつぼを加熱するためのヒータが設けられている。このヒータは、上記るつぼの上部側を加熱する上部側ヒータ、および上記るつぼの下部側を加熱する下部側ヒータとがそれぞれ別個に設けられており、それぞれ例えば上部側ヒータでは1400℃、下部側ヒータでは1650℃に加熱するようになっている。
【0007】
このような連続形成装置を用いて石英ガラス管を製造する場合、まず上方に設けられた供給装置によって水晶や合成石英の粉末などの原料が供給され、そして上部側ヒータおよび下部側ヒータの加熱により、上記原料が溶融される。この場合、上記原料は例えば常圧程度の所定圧力の水素雰囲気中で溶融されるようになっている。
【0008】
この水素は、他の気体と比較して上記石英ガラスの溶融ガラスに溶けやすく、そのため上記るつぼはこの水素雰囲気で満たされた範囲内において溶融される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような成形装置により石英ガラス管を製作した場合、溶融ガラス中に水素の気泡が含まれてしまい、この気泡の発生を抑えるのは難しいものとなっている。また、水素雰囲気中ではこの溶融ガラス中に所定濃度の水素が溶け込んでしまい、この溶け込んだ水素の濃度によっては気泡が溶融ガラス中で溶けにくいものとなっている。この水素の気泡が上記溶融ガラス中に入り込むと、そのまま上記マンドレルとモールドの間から引き出され、この気泡が変形して筋状に存在したまま製品である石英ガラス管の内部に残留してしまう、といった不具合が生じている。
【0010】
このような筋状の気泡が上記石英ガラス管内部に存在すると、偏向性や光透過性が良好とならず、光学的な精度が低下してしまうということがあり、さらに気泡の存在により、機械的強度が低減する、ということも生じている。
【0011】
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、
気泡が実質的に存在せず、光学的精度が良好かつ機械的強度の高い石英部材が得られる石英部材の成形装置および成形方法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明は、石英の粉末などの原料を連続的にるつぼ内部に供給し、この原料を溶融してモールドとマンドレルの間から所定の形状で引き出して石英部材を連続的に形成する石英部材の成形装置において、
上記るつぼ内部に供給された原料を加熱して溶融ガラスとする第1の加熱手段と、
上記第1の加熱手段により形成された溶融ガラスを第1の加熱手段よりも高い温度で加熱する第2の加熱手段と、
上記るつぼ内部に設けられ、上記第2の加熱手段によって加熱され溶融ガラスが上記るつぼから引き出される前に所定の流動抵抗を与える抵抗体と、
上記第1、第2の加熱手段による溶融ガラスの加熱温度および滞留時間を制御する制御手段と、
を具備することを特徴とする石英部材の成形装置である。
【0013】
請求項2記載の発明は、上記るつぼ内部の溶融ガラスの温度は、上記第1、第2の加熱手段により1000℃から2000℃の範囲で温度変化を与えて7時間以上加熱することを特徴とする請求項1記載の石英部材の成形装置である。
【0014】
請求項3記載の発明は、上記抵抗体は、上記るつぼ内部に複数個設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の石英部材の成形装置である。
【0015】
請求項4記載の発明は、上記第1の加熱手段と第2の加熱手段の間には、第3の加熱手段が設けられ、この第3の加熱手段は上記第1の加熱手段と第2の加熱手段の間の温度に加熱することを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の石英部材の成形装置である。
【0016】
請求項5記載の発明は、石英の粉末などの原料を連続的にるつぼ内部に供給し、この原料を溶融して所定形状の石英部材を連続的に形成する石英部材の成形方法において、
上記るつぼ内部に原料を供給する供給工程と、
上記るつぼ内部に供給された原料を第1の加熱手段で加熱して溶融ガラスとする溶融工程と、
上記溶融ガラスを第2の加熱手段によって第1の加熱手段よりも高い温度で加熱する加熱工程と、
上記溶融工程および加熱工程での加熱温度および滞留時間を制御する制御工程と、
上記制御工程で制御された溶融ガラスを所定の形状で引き出す引き出し工程と、
を具備したことを特徴とする石英部材の成形方法である。
【0017】
請求項1の発明によると、上記るつぼ内部に供給された原料を加熱溶融する第1の加熱手段と、上記第1の加熱手段により原料の溶融された溶融ガラスをさらに加熱する第2の加熱手段と、上記第2の加熱手段によって加熱された溶融ガラスが上記るつぼから引き出される前に所定の流動抵抗を与える抵抗体と、上記第1、第2の加熱手段による溶融ガラスの加熱温度および時間を制御する制御手段が設けられた構成のため、上記るつぼ内部で第1の加熱手段、および第2の加熱手段を用いれば、制御手段により所定の温度差を与えることが可能となっている。そのため、このるつぼ内部の温度差を適宜の値に調整可能となっている。また、抵抗体がるつぼ内部に設けられたことにより、上記るつぼ内部での溶融ガラスの滞留時間を設定することが可能となる。
【0018】
請求項2の発明によると、上記るつぼ内部の溶融ガラスの温度は、上記第1、第2の加熱手段により略1000℃から略2000℃の範囲で温度変化を与えて約7時間以上過熱するため、上記原料のるつぼ内部への供給部分が略1000℃となってこの溶融ガラス内部へ周辺雰囲気ガスが溶け難くなり、また上記るつぼの引き出し部分付近の温度が略2000℃となっているため、上記溶融ガラス中に気泡となって生じている気体がより一層溶けやすいものとなる。また、上記るつぼの内部で約7時間以上過熱するため、この溶融ガラス中に生じている気泡を消滅させて内部に気泡等が残留していないガラス管を製造することが可能となる。
【0019】
請求項3の発明によると、上記抵抗体は、上記るつぼ内部に複数個設けられたため、るつぼ内部での溶融ガラスの滞留時間を長くすることが可能となる。
【0020】
請求項4の発明によると、上記第1の加熱手段と第2の加熱手段の間には、第3の加熱手段が設けられ、この第3の加熱手段は上記第1の加熱手段と第2の加熱手段の間の温度に溶融ガラスを加熱するため、この第3の加熱手段の温度調整により一層溶融ガラス中の気泡を消去することが可能となる。
【0021】
請求項5の発明によると、上記るつぼ内部に原料を供給する供給工程と、上記るつぼ内部に供給された原料を加熱して溶融ガラスとする溶融工程と、上記溶融ガラスを更に加熱する加熱工程と、上記溶融工程および加熱工程での加熱温度および滞留時間を制御する制御工程と、上記加熱された溶融ガラスを所定の形状で引き出す引き出し工程とを具備しているため、上記るつぼの内部で溶融された溶融ガラス内部に生じる気泡を適宜消滅させることが可能となるとともに、上記るつぼ内部の溶融ガラスから連続的に石英ガラス管を成形することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図1ないし図3に基づいて説明する。
【0023】
図1に示す石英部材の成形装置10は、炉として例えば細長い円筒形状のるつぼ11を有している。このるつぼ11は、例えばタングステンやモリブテンのような耐火金属をその材質として構成されている。
【0024】
上記るつぼ11には、この内部を水素雰囲気とするために図示しない閉塞空間を有している。この閉塞空間は、例えばるつぼ11の上端に図示しない閉塞蓋が取り付けられ、あるいはこのるつぼ11自体が図示しない閉塞室内部に設けられることによって、この内部に供給する水素が外方へ漏れないような構成となっている。このるつぼ11内部の水素雰囲気は、例えば大気圧のような所定圧力に保たれるようになっている。
【0025】
なお、このるつぼ11内部が満たされる水素雰囲気は、例えば窒素やヘリウムなどとの混合ガスであっても構わない。
【0026】
上記るつぼ11の上方には、電気的に加熱した炉において高純度に精製された水晶や合成石英などの粉末の原料12を上記るつぼ11内部に供給を可能とするように、所定の高さ位置に供給装置13が設けられている。この供給装置13は、その形状を例えば漏斗状等としており、上方の供給部に原料12を供給して、この下方に設けられた連通管によって上記るつぼ11内部の所定位置に上記原料12を供給することが可能に設けられている。このるつぼ11内部への上記原料12の供給は、この原料12の自重により、あるいは供給量を制御する制御手段により適宜調整されるようになっている。
【0027】
上記るつぼ11の上部側の所定位置には、例えば誘導加熱コイルなどの電熱線からなる第1の加熱手段としての上部ヒータ15aが設けられる。つまり、この上部ヒータ15aは、上記供給装置13によって供給される固体である水晶や合成石英などの原料12と、この原料12が溶融した液体の溶融ガラス14との境界部分にまたがって設けられる。
【0028】
また上記るつぼ11の下方側の所定位置には、同じく第2の加熱手段である下部ヒータ15bが設けられており、この下部ヒータ15bはるつぼ11内部から溶融ガラス14が流出されるるつぼ11底部に位置するようになっている。
【0029】
上記コイル状の上部ヒータ15aおよび下部ヒータ15bは、上記るつぼ11の外周を、例えば巻回するように取り付けられており、このるつぼ11外周に対応するるつぼ11内部側が、上部ヒータ15aおよび下部ヒータ15bによって所定の温度に調整できるようになっている。
【0030】
これら上部ヒータ15aおよび下部ヒータ15bは、制御装置16に接続されている。この制御装置16は、本実施の形態では上記上部ヒータ15aにより加熱される上記るつぼ11内部の原料と溶融ガラス14との境界部分の温度を略1000℃となるように制御しており、一方、上記下部ヒータ15bにより加熱される上記るつぼ11内部から溶融ガラス14が流出される部分であるるつぼ11底部の温度を略2000℃となるように制御している。
【0031】
ここで本実施の形態では、上記下部ヒータ15bは、65kWの発熱量を生じて上記るつぼ11の底部付近の温度を略2000℃に維持可能としており、また上記上部ヒータ15aは24kWの発熱量を生じ、この上部ヒータ15aの発熱と上記下部ヒータ15bからの熱の伝達により、上記境界部分の温度を略1000℃に維持可能としている。
【0032】
なお、るつぼ11には上部ヒータ15aおよび下部ヒータ15b以外にも、例えば図5に示すように、上記上部ヒータ15aおよび下部ヒータ15bの間に第3のヒータ15c等、複数のヒータを設ける構成としても良い。この場合、例えば上部ヒータ15aを11kW、下部ヒータを53kW、第3のヒータを25kW等、適宜の値に調整すれば、上記溶融ガラス14への水素の気泡の溶解をより一層早く行うことができる構成となる。
【0033】
上記るつぼ11の底部には、モールド17が設けられている。このモールド17には、成形孔17aが形成されており、上記溶融ガラス14がこのモールド17の有する所定の形状に応じて流出され、かつ製品として製造される石英ガラス管の外面を成形する役割を有している。
【0034】
また、このモールド17の成形孔17aには、マンドレル18が設けられている。このマンドレル18は、成形部と軸部とからなり、成形部が成形孔17a内に位置するようになっている。またこの軸部は、上端が図示されない固定壁などに取り付けられて、このマンドレル18を支持するようになっている。このマンドレル18の成形部は、石英ガラス管の内面を成形するものであり、そのため上記るつぼ11内部側では、所定の内径を有する石英ガラス管を形成するように、上記モールド17と向かい合う部分が太径となるように形成されている。
【0035】
このマンドレル18は、上記るつぼ11の底部で上記モールド17との間に所定間隔の隙間を生じさせるようになっており、この隙間より上記溶融ガラス14を下方に押し出して、中空状の石英ガラス管を形成するようになっている。
【0036】
上記るつぼ11内部の下方側には、図2に示すように、内部の溶融ガラス14に対して流動抵抗を与える抵抗体としてのバッフル19が設けられている。このバッフル19は、上記るつぼ11の内径と係合する大きさの円板状に形成されており、このバッフル19の所定位置に複数の孔20が形成されている。この孔20を通過すれば、上記るつぼ11内部で溶融ガラス14が自重によって下方のモールド17側へ流出することが可能となっているが、このバッフル20に形成された孔20の大きさは単位時間当たり所定量の溶融ガラス14のみ通過させる大きさに形成されているため、この孔20の大きさによって滞留時間を設定できるようになっている。
【0037】
ここで、上記孔20の大きさは、上記るつぼ11内部に原料が投入されてから石英ガラスの溶融ガラス14としてモールド17から流出するまで約7時間となるように設定されている。
【0038】
以上のような構成を有する石英部材の成形装置10の作用について、以下に説明する。
【0039】
上記るつぼ11は、この周囲が水素雰囲気中となるように設けられている。この水素雰囲気は、他の気体と比較して、上記溶融ガラス14中に溶けやすい性質を有しており、そのため上記溶融ガラス14に気泡などが生じても、この溶融ガラス14を加熱等すれば気泡などが比較的消滅され易いものとなっている。
【0040】
このような水素雰囲気中に設けられたるつぼ11には、上方の供給装置13より、電気的に加熱した炉において高純度に精製された水晶や合成石英などの粉末の原料12が供給される。ここで、上記原料12の供給は、この原料12の自重を利用して自動的に行う場合と、図示しない制御手段によりこのるつぼ11内部への供給量を制御する場合とが存在する。
【0041】
このようにして上記供給装置13から供給された原料12は、上記るつぼ11への投入により上記上部ヒータ15aによって温度が略1000℃となるまで加熱され、それによって溶融ガラス14となる。この場合、新たに溶融された液体である溶融液14と、固体である原料12が投下される境界部分は、周囲の水素雰囲気と接する。そのため、水素が気泡として上記溶融ガラス14に含まれ、また上記溶融ガラス14中に所定の濃度の水素が溶け込むこととなる。
【0042】
しかしながら、従来の石英部材の成形装置の境界部分の温度である、例えば略1400℃と比較して、この境界部分の温度が略1000℃と低い温度に設けられているため、この境界部分で上記溶融ガラス14に溶ける水素濃度を、従来の石英部材の成形装置と比較して低くすることが可能となっている。
【0043】
この水素の上記溶融ガラス14への溶解は、この溶融ガラス14の成分と化学反応によって溶解する場合と、この溶融ガラス14に物理的に溶解する場合とが両方同時に発生する。ここで、境界部分の温度が略1000℃と低い温度に設けられることは、物理的、化学的な両面で上記溶融ガラス14中に溶ける水素濃度を低くすることが可能となる。
【0044】
ここで、一般に上記溶融ガラス14に溶け込む水素の濃度を低減すれば、溶融ガラス14に水素の気泡が含まれても、この気泡の溶融ガラス14への溶解を比較的容易にすることが可能となっている。
【0045】
ここで、るつぼ11内部での時間と温度変化との関係を表すグラフを図3に示す。図3においては、ケース1は従来の石英部材の成形装置のるつぼ内部での温度変化の一例、ケース2は上部ヒータ15aと下部ヒータ15bとを制御手段16で適宜の発熱量に制御した場合のるつぼ11内部での温度変化の一例、ケース3は上部ヒータ15aと下部ヒータ15bの間に第3のヒータ15cを設け、これらヒータ15a,15b,15cを制御手段16で適宜の発熱量に制御した場合のるつぼ11内部での温度変化の一例をそれぞれ示すものである。
【0046】
また、上記ケース1からケース3までの時間と気泡半径との関係を表すグラフを図4に示す。
【0047】
従来のケース1では、図3より、上記るつぼ11に原料12が供給されて少々時間が経過すると、この原料12の温度が略1400℃となってこの原料12が溶融され、そして上記るつぼ11底部のモールド17付近でこの溶融ガラス14の温度は、略1650℃まで加熱されている。この場合、図4に示す気泡半径の変化のグラフより、7時間後においても当初2.5mmの半径を有する気泡は上記溶融ガラス14中では消滅しないものとなっている。
【0048】
このケース1と比較して、ケース2では原料12の温度が略1000℃から略2000℃まで加熱されるようになっており、この場合、原料12は略1000℃では溶融されなく、図4より略1350℃付近で溶融が開始されるようになっている。そしてこの場合、上記るつぼ11内部で約6.5時間で溶融ガラス14中の2.5mmの半径を有する気泡が消滅する。
【0049】
このため、本発明のように原料12の供給部分の温度を略1000℃、溶融ガラス14の流出部分の温度を2000℃と制御することは、溶融ガラス14中で気泡を消滅させるのに、効果的であるといえる。
【0050】
さらにケース3では、上記ケース2と同様に、原料12の供給部分の温度を略1000℃、溶融ガラス14の流出部分の温度を2000℃と制御している点では共通しているが、上記上部ヒータ15aと下部ヒータ15bの間に第3のヒータを設け、この第3のヒータにより上記るつぼ11内部の上記上部ヒータ15aと下部ヒータ15bの間の温度を略2000℃に近接させるようになっている。このため、上記るつぼ11での水素の気泡の消滅をより一層効果的に行うことが可能となっている。この場合には、上記るつぼ11内部の2.5mmの半径を有する気泡は、略4.5時間強で消滅する。
【0051】
なお、本実施の形態では、ケース2では上部ヒータ15aが24kW、下部ヒータ15bが65kWの発熱量を生じるものであり、ケース3では上部ヒータ15aが11kW、下部ヒータ15bが53kW、第3のヒータが25kWの発熱量を生じるものである場合を示している。
【0052】
上記溶融ガラス14は、徐々にこのるつぼ11の下方側に向かって流出されるようになっている。ここで上記るつぼ11内部には、バッフル19が設けられているため、この内部での溶融ガラス14の滞留時間が増加して約7時間程るつぼ11内部に存在することを可能としている。そのため、水素の気泡が溶融ガラス14に存在する時間が長くなり、よって水素の気泡の寸法が徐々に小さくなり、もしくは消滅する。
【0053】
上記バッフル19に形成された孔20を通過してモールド17に向かい流出された溶融ガラス14は、このモールド17付近で上記下部ヒータ15bによって加熱され、この溶融ガラス14の温度が略2000℃となるように維持される。ここで、溶融ガラス14中の水素の気泡は、高温になればなる程溶融ガラス14に溶解され易い。そのため、上記モールド17付近が略2000℃に維持されることにより、この溶融ガラス14中に水素が溶解し、気泡として残留し難く、残留してもその気泡は微細化されてしまう。
【0054】
つまり、光学的に影響がない大きさ程度、かつ機械的強度に影響を与えない大きさ程度の気泡として、上記溶融ガラス14中に存在するから、実用上、なんら差し支えがない。
【0055】
このような上記下部ヒータ15bの加熱により、気泡が消去された溶融ガラス14は、モールド17により外面側、マンドレル18により内面側が成形されつつ、下方へ向かい流出されることとなる。
【0056】
このようにして、ガラス管内部に気泡が残留しない石英ガラス管を連続的に製造することが可能となっている。
【0057】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下それについて述べる。
【0058】
上記実施の形態においては、るつぼ11内部にバッフル19を一つのみ設けた構成について説明したが、図6に示すように、バッフル19はこのるつぼ11内部に二つ以上設けられていても構わなく、この場合には、上記るつぼ11内部での溶融ガラス14の滞留時間を一層調整することが可能となっている。ここで、バッフル19に形成された孔20の位置を、それぞれのバッフル19でずらすことにより、上記溶融ガラス14の滞留時間のばらつきを防止することが可能となる。
【0059】
また上記実施の形態では、石英ガラス管を連続的に形成する成形装置について述べたが、本装置の適用範囲はこれに限られず、種々の製品の製造に適用可能となっている。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によると、上記るつぼ内部に供給された原料を加熱溶融する第1の加熱手段と、上記第1の加熱手段により原料の溶融された溶融ガラスをさらに加熱する第2の加熱手段と、上記第2の加熱手段によって加熱された溶融ガラスが上記るつぼから引き出される前に所定の流動抵抗を与える抵抗体と、上記第1、第2の加熱手段による溶融ガラスの加熱温度および時間を制御する制御手段が設けられた構成のため、上記るつぼ内部で第1の加熱手段、および第2の加熱手段を用いれば、制御手段により所定の温度差を与えることができる。そのため、このるつぼ内部の温度差を適宜の値に調整可能となっている。また、抵抗体がるつぼ内部に設けられたことにより、上記るつぼ内部での溶融ガラスの滞留時間を延長させることができる。
【0061】
請求項2記載の発明によると、上記るつぼ内部の溶融ガラスの温度は、上記第1、第2の加熱手段により略1000℃から略2000℃の範囲で温度変化を与えて約7時間以上過熱するため、上記原料のるつぼ内部への供給部分が低温の略1000℃となってこの溶融ガラス内部へ周辺雰囲気が溶け難くなり、また上記るつぼの引き出し部分付近の温度が高温の略2000℃となっているため、上記溶融ガラス中に気泡となって生じている気体がより一層溶けやすいものとなる。また、上記るつぼの内部で約7時間以上過熱するため、この溶融ガラス中に生じている気泡を消滅させて内部に気泡等が残留していないガラス管を製造することができる。
【0062】
請求項3記載の発明によると、上記抵抗体は、上記るつぼ内部に複数個設けられたため、るつぼ内部での溶融ガラスの滞留時間を長くすることができる。
【0063】
請求項4記載の発明によると、上記第1の加熱手段と第2の加熱手段の間には、第3の加熱手段が設けられ、この第3の加熱手段は上記第1の加熱手段と第2の加熱手段の間の温度に溶融ガラスを加熱するため、この第3の加熱手段の温度調整によりより一層溶融ガラス中の気泡を消去することができる。
【0064】
請求項5記載の発明によると、上記るつぼ内部に原料を供給する供給工程と、上記るつぼ内部に供給された原料を加熱して溶融ガラスとする溶融工程と、上記溶融ガラスを更に加熱する加熱工程と、上記溶融工程および加熱工程での加熱温度および時間を制御する制御工程と、上記加熱された溶融ガラスを所定の形状で引き出す引き出し工程とを具備しているため、上記るつぼの内部で溶融された溶融ガラス内部に生じる気泡を適宜消滅させることが可能となるとともに、上記るつぼ内部の溶融ガラスから連続的に石英ガラス管を成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる石英部材の成形装置の構成を示す側断面図。
【図2】同実施の形態に係わるバッフルの形状を示す平面図。
【図3】同実施の形態に係わるるつぼ内部における溶融ガラスの温度と時間の変化の関係を示す図。
【図4】同実施の形態に係わるるつぼ内部における2.5mmの水素の気泡の変化の状態を示す図。
【図5】本発明の石英部材の成形装置の構成の一変形例を示す図。
【図6】本発明の石英部材の連続形成装置の構成の一変形例を示す図。
【符号の説明】
10…石英部材の成形装置
11…るつぼ
12…原料
14…溶融ガラス
15…上部ヒータ
16…下部ヒータ
17…モールド
18…マンドレル
19…バッフル(抵抗体)

Claims (5)

  1. 石英の粉末などの原料を連続的にるつぼ内部に供給し、この原料を溶融してモールドとマンドレルの間から所定の形状で引き出して石英部材を連続的に形成する石英部材の成形装置において、
    上記るつぼ内部に供給された原料を加熱して溶融ガラスとする第1の加熱手段と、
    上記第1の加熱手段により形成された溶融ガラスを第1の加熱手段よりも高い温度で加熱する第2の加熱手段と、
    上記るつぼ内部に設けられ、上記第2の加熱手段によって加熱され溶融ガラスが上記るつぼから引き出される前に所定の流動抵抗を与える抵抗体と、
    上記第1、第2の加熱手段による溶融ガラスの加熱温度および滞留時間を制御する制御手段と、
    を具備することを特徴とする石英部材の成形装置。
  2. 上記るつぼ内部の溶融ガラスの温度は、上記第1、第2の加熱手段により1000℃から2000℃の範囲で温度変化を与えて7時間以上加熱することを特徴とする請求項1記載の石英部材の成形装置。
  3. 上記抵抗体は、上記るつぼ内部に複数個設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の石英部材の成形装置。
  4. 上記第1の加熱手段と第2の加熱手段の間には、第3の加熱手段が設けられ、この第3の加熱手段は上記第1の加熱手段と第2の加熱手段の間の温度に加熱することを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の石英部材の成形装置。
  5. 石英の粉末などの原料を連続的にるつぼ内部に供給し、この原料を溶融して所定形状の石英部材を連続的に形成する石英部材の成形方法において、
    上記るつぼ内部に原料を供給する供給工程と、
    上記るつぼ内部に供給された原料を第1の加熱手段で加熱して溶融ガラスとする溶融工程と、
    上記溶融ガラスを第2の加熱手段によって第1の加熱手段よりも高い温度で加熱する加熱工程と、
    上記溶融工程および加熱工程での加熱温度および滞留時間を制御する制御工程と、
    上記制御工程で制御された溶融ガラスを所定の形状で引き出す引き出し工程と、
    を具備したことを特徴とする石英部材の成形方法。
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