JP3636958B2 - 化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚のひきしめ効果に優れ、かつ粉体の感触改善効果に優れた分子量が30000以上のアントシアニン重合体からなるクランベリーの実の圧搾濾過物及び/又は抽出物で被覆した顔料を配合した化粧料に関する。さらに詳しくは、天然成分であり、皮膚の引き締め効果と粉体の感触改善効果に優れたクランベリーの実の圧搾濾過物及び/又は抽出物にて被覆した粉体を配合することで、感触がさらさらしており、かつ化粧持続性に優れた化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
クランベリー(Vaccinium macrocarpon)は米国に多く産する赤色の実をつける植物で日本名「つるこけもも」の仲間である。クランベリーの抽出液は尿路感染症の治療薬としての効果や、特開平5−201846号公報にあるようにクランベリー等由来のカフェー酸配糖体を配合した美白料としての応用や、特開平9−221484号公報にあるようにクランベリーからプロアントシアニジンを得る方法のように種々の分野での有用性が知られている。しかしながら、クランベリーに皮膚の引き締め効果があり、さらにそれが化粧品に有効であるとの知見は得られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、緑茶やカキタンニンといった成分が皮膚のひきしめ効果を有するものとして用いられている。しかしながらこれらの成分は皮膚実感が得られるものの、製剤中での安定性に問題がある場合が多く、使用しにくい問題があった。また、植物の種類によっては、供給面に不安がある場合があった。
さらに、化粧料には各種粉体が配合され、粉体や化粧料の要求される機能として感触や化粧持続性の性能が挙げられ、これらを改善すべく種々の提案があるが必ずしも充分な効果が得られるものは少なかった。
すなわち、本発明の目的は、皮膚のひきしめ効果に優れ、また感触改善効果に優れ、かつ化粧持続性に優れた化粧料に関する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明人らは、種々の植物の圧搾濾過物、抽出物について、皮膚の引き締め効果の実感が得られるものの探索を行ってきた。その結果、偶然にもクランベリー圧搾濾過物、抽出物に皮膚引き締め効果があること、該圧搾液、抽出物が安定性に優れることを見出した。さらに、クランベリー圧搾濾過物または抽出物を精製分離してみたところ、より強い皮膚の引き締め実感が得られることを見出した。しかも、クランベリーは食品用素材として汎用されており、供給量の不安がない利点があった。そして、この精製物の本質が主として分子量が30000以上のアントシアニン重合体からなるポリマーであることが判り、粉体の被覆材料として検討してみたところ、粉体の感触を改善する効果に優れていることが判った。さらに、寒天やデオキシリボ核酸といった粘剤と組み合わせて被覆処理を行なって見たところ、化粧もちと感触により優れた化粧料が得られることが判った。
【0005】
すなわち、第1の本発明は、アントシアニン重合体からなるクランベリーの実の圧搾濾過物及び/又は抽出物で被覆した粉体を配合した化粧料であり、当該圧搾濾過物及び/又は抽出物が、ゲル濾過法、または限外濾過法で精製され、アントシアニジン含有量を0.5質量%未満に、アントシアニン重合物の分子量を30000以上とした精製物であることを特徴とする化粧料にある。
【0006】
第2の本発明は、アントシアニン重合体からなるクランベリーの実の圧搾濾過物及び/又は抽出物と、寒天及び/又はデオキシリボ核酸、その塩で被覆した粉体を配合した化粧料であり、当該圧搾濾過物及び/又は抽出物が、ゲル濾過法、または限外濾過法で精製され、アントシアニジン含有量を0.5質量%未満に、アントシアニン重合物の分子量を30000以上とした精製物であることを特徴とする化粧料にある。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるクランベリー(Vaccinium macrocarpon)とは、つつじ科の日本名「つるこけもも」の仲間である。本発明では、クランベリーの実の圧搾濾過物を使用するが、圧搾濾過物としては、クランベリーの実を破砕圧搾濾過して得られる搾汁、またはその濃縮物であり、この圧搾濾過前に濾過物の粘性を低下させるためペクチン不活性化処理することが好ましい。また、クランベリーの実の抽出物としては、クランベリーの実を、水、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン等の多価アルコール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール等の低級アルコール、アセトン等の溶媒、それらの混合溶媒、好ましくは水、多価アルコール、低級アルコール、それらの混合溶媒、さらに好ましくは、温水、熱水等の水で抽出して得られる抽出液、その濃縮物である。該抽出物の形態としては、溶媒を含む抽出液、溶媒除去物等が挙げられる。本発明では、圧搾濾過物を用いることが原料の製造が容易であり経済的であるので好ましい。
【0009】
本発明で用いるクランベリーの実の圧搾濾過物または抽出物は、その製造条件によっては、光による褪色性の問題が発生する場合があるため、クランベリーの実の圧搾濾過物または抽出物をさらにゲル濾過法もしくは限外濾過法により精製する。精製の程度としては、精製物中のアントシアニジンの含有量を、化粧料に配合する性状の精製物の質量に対して、0.5質量%未満、好ましくは0.1質量%未満にまで除去する。上記クランベリーの精製物は、主としてアントシアニン重合物を含むものであり、その重合物の分子量としては、30000以上であり、これらの成分が皮膚のひきしめ効果をもたらすものと考える。
【0010】
アントシアニジン含量の測定方法としては、以下に挙げる方法を用いることができる。
試料2gを正確にとり2%塩酸メタノール60mLを加え、水浴上で30分間加熱還流したした後、冷却する。これに2%塩酸メタノールを加えて正確に100mLとし、濾紙で濾過をして検液とする。2%塩酸メタノールを対照として波長530nm〜550nm付近の極大吸収部における吸光度を測定し次式により求める。
アントシアニジン含量(質量%)={吸光度×希釈倍率(100)/試料採取量(g)}×{1/76000}×100
【0011】
以下、本発明で用いるクランベリー実の圧搾濾過物、または抽出物の精製方法を示す。クランベリーの実の圧搾濾過物、または抽出物を精製する方法は、限外濾過法とゲル濾過法である。限外濾過法で用いられる膜には分画分子量が5000から500000までの膜が有用であるが、好ましくは分画分子量が10000から100000までの膜が良好な結果が得られる。また膜の材質はポリエーテルスルフォンや再生セルロースが挙げられるが、ポリエーテルスルフォンが好ましい。濾過方法としてはポンプや遠心機を用いた加圧式、吸引式濾過方法等があるがいかなる方法を用いても良い。
【0012】
ゲル濾過法に用いるゲルには、セファデックス、セファロース(以上アマシャム・ファルマシア社製)、トヨパール(東ソー社製)、バイオゲル(バイオラット社製)等が挙げられる。また、溶出液には各種のバッファー、含水有機溶剤(メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル等)を用いることができる。
【0013】
本発明で用いる粉体は、化粧料の系中で粉体として存在する無機系、有機系の粉体であり、例えば、赤色104号アルミニウムレーキ、赤色102号アルミニウムレーキ、赤色226号、赤色201号、赤色202号、青色1号アルミニウムレーキ、黄色4号アルミニウムレーキ、黄色5号アルミニウムレーキ、黄色203号バリウムレーキ等の色素およびレーキ色素;ナイロンパウダー、シルクパウダー、ポリウレタンパウダー、ポリフッ化エチレンパウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子;黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料;タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料;雲母チタン等のパール顔料;硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、球状シリカ、アルミナ等の無機粉体;その他ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状など)に特に制限はない。粉体の大きさとしては、5nm〜100μmの範囲に入るものが好ましく、さらに好ましくは10nm〜25μmの範囲に入るものが好ましい。
【0014】
これらの粉体は、クランベリーの実の圧搾濾過物、または抽出物で被覆処理する前後、または同時に、さらに他の表面処理剤にて被覆処理が行われていることが好ましい。特に、クランベリーの実の圧搾濾過物、または抽出物と共に親水処理である、寒天及び/又はデオキシリボ核酸、その塩による被覆処理をクランベリー処理に組み合わせて用いると両者の相乗効果によって本発明の目的を達成し易く好ましい。特に、寒天及び/又はデオキシリボ核酸、その塩を、クランベリーの実の圧搾濾過物、または抽出物とともに混合して同時に粉体を被覆処理することが好ましい。
【0015】
本発明で用いるクランベリー実の圧搾濾過物、または抽出物による被覆処理の量としては、(クランベリー実の圧搾濾過物、または抽出物中の乾燥残分換算で)粉体100質量部に対して0.001〜10質量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜3質量部である。さらに、寒天及び/又はデオキシリボ核酸、その塩(以下、寒天またはDNAと略す)と組み合わせて用いる場合には、クランベリー実の圧搾濾過物、または抽出物の処理量としては前記と同様で構わないが、寒天またはDNAの処理量としては粉体100質量部に対して0.5〜15質量部が好ましく、さらに好ましくは1〜7質量部である。
【0016】
本発明における上記各成分の被覆処理方法としては、顔料と水とクランベリー実の圧搾濾過物または抽出物と、場合により寒天またはDNAとのスラリーを形成し、これをスプレードライ法、減圧乾燥法、(送風)加熱乾燥法、凍結乾燥法やこれらの方法を組み合わせた方法により表面処理するか、流動層造粒機を用いて顔料にクランベリー実の圧搾濾過物または抽出物を噴霧しながら乾燥させる方法などが挙げられる。尚、一般的にはこれらの処理を行うと粒子の凝集が発生するため、微粉砕や篩といった手法で粉砕または分吸を行うことが好ましい。
【0017】
本発明では、上記の表面処理粉体を化粧料100質量部に対して0.1〜99.5質量部配合することが好ましく、さらに好ましくは1〜93質量部である。
【0018】
本発明の化粧料には、上記の各成分以外に、通常化粧料に用いられる油剤、フッ素化合物、界面活性剤、粘剤、防腐剤、香料、有機系紫外線吸収剤(UV−A、Bのいずれに対応していても構わない)、保湿剤、塩類、溶媒、生理活性成分、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤等の成分を本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合することができる。
【0019】
有機系紫外線吸収剤の例としては、例えば、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、p−メトキシハイドロケイ皮酸 ジエタノールアミン塩、パラアミノ安息香酸(以後、PABAと略す)、サリチル酸ホモメンチル、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチルジメチルPABA、サリチル酸オクチル、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、サリチル酸トリエタノールアミン、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェニン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン、4−イソプロピル ジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。これらの紫外線吸収剤の配合量としては、化粧料に対して0〜10質量%の範囲にあることが好ましい。
【0020】
油剤としては、通常化粧料に用いられる揮発性および不揮発性の油剤および溶剤および樹脂が挙げられ、常温で液体、ペースト、固体であっても構わないが、ハンドリングに優れる液体が好ましい。油剤の例としては、例えばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ等のロウ、ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂、エチレン・α−オレフィン・コオリゴマー等が挙げられる。
【0021】
また、別の形態の油剤の例としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコーン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、シリコーンRTVゴム等のシリコーン化合物、パーフルオロポリエーテル、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール等のフッ素化合物が挙げられる。特にフッ素系化合物は化粧持ちなどを改善する効果に優れるため好ましい。
【0022】
溶媒の例としては、精製水、環状シリコーン、エタノール、軽質流動イソパラフィン、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N−メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、分岐状揮発性シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
【0023】
界面活性剤の例としては、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤を用いることができる。より詳しくは脂肪酸石鹸、α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、スルホコハク酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤、ラウリン酸アルカノールアミド、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POE脂肪酸エステル、ポリエーテル変性シリコーン等のノニオン性界面活性剤、カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等の両性界面活性剤が挙げられる。また、サポニン、糖系界面活性剤等の天然系界面活性剤を用いることもできる。
【0024】
粘剤の例としては、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、エチレン/アクリル酸共重合体、ビニルピロリドン系ポリマー、ビニルアルコール/ビニルピロリドン共重合体、窒素置換アクリルアミド系ポリマー、ポリアクリルアミド、カチオン化ガーガムなどのカチオン系ポリマー、ジメチルアクリルアンモニウム系ポリマー、アクリル酸メタクリル酸アクリル共重合体、POE/POP共重合体、ポリビニルアルコール、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、ガーガム、アラビアゴム、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン、ポリエチレンイミン、高重合ポリエチレングリコール、カチオン化シリコーン重合体、合成ラテックス、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、フッ素化シリコーン樹脂等が挙げられる。
【0025】
生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。その中でも、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が特に好ましい。本発明では、これらの生理活性成分を1種または2種以上配合することが好ましい。
【0026】
これらの成分の例としては、例えばアシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0027】
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA,B2,B6,C,D,E,パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコルチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシキエキス等の育毛剤などが挙げられる。
【0028】
本発明の化粧料としては、ファンデーション、チークカラー、頬紅、コンシーラー、アイシャドウ、アイライナー、アイブロー等のメイクアップ化粧料、クリーム、乳液、サンスクリーン剤、化粧下地等の基礎化粧料、ボディローション、頭髪化粧料、入浴剤等が挙げられる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明を更に詳細に説明する。
【0030】
製造例1
クランベリーの実の圧搾濾過して得られた搾汁原液(製造元:米国のMILNE FRUIT PRODUCTS社、商品名:クランベリーコンセントレート)を、限外濾過により精製を行う。すなわち、クランベリー搾汁原液10kgをザルトリウス社製ザルトコンスライスPSU−30K(分画分子量30000)を用いてポンプによる加圧により分画を行った。濃縮液400gは10%エタノール溶液400gを5回加えて洗浄して低分子成分の除去を行った。得られた精製クランベリー濃縮液に10%エタノール1600gを加えて精製クランベリーエキスとした。この精製クランベリーエキスのアントシアニジン含量を前記の方法にて試験したところ0.01質量%であり、ポリフェノール含有量としては0.2質量%であり、乾燥残分量は2.1質量%であった。また、高速液体クロマトグラフィーにより下記条件で分析した結果、カフェー酸配糖体のピークは検出できなかった。
【0031】
【0032】
また、上記精製クランベリーエキスについて特許第2528087号等に示されている既知のプロアントシアニジンとの相違を明確化するため、下記の確認実験を行った。
【0033】
▲1▼精製クランベリーエキスのクエン酸緩衝液(pH3.0)希釈液のUV−Visスペクトル(図1)により510〜520nmにおいて極大吸収を持つことを確認した。酸性溶液において520nm付近に極大吸収を持つ性質はアントシアニンの特徴的な性質である。
▲2▼アントシアニンの確認試験
精製クランベリーエキスのクエン酸緩衝液(pH3.0)溶液(1+100)は、赤〜暗青色を呈し、この液に水酸化ナトリウム溶液(1+25)を加えてアルカリ性にするとき変色することからアントシアニンであることを確認した。
▲3▼HPLCのチャートより構成成分はほとんどが重合物であることを確認した。(図2)
【0034】
特許第2528087号によると、プロアントシアニジンとは下記化1で示されるフラバン−3−オールまたはフラバン−3,4−ジオールを構成単位として結合した2〜10量体の群より選ばれた少なくとも一種を含むものであり、トチの実の殻、つるこけもも(クランベリー)および大麦等の各種の植物体を原料として溶剤を用いて抽出し、この抽出物を液体クロマトグラフィー等により分別精製するか、あるいはプロシアニジンの選択的吸着剤で処理して該プロアントシアニジン区分を濃縮することによって得られるものと規定されている。
【0035】
【化1】
【0036】
ここで言うフラバン−3,4−ジオールの化学構造を鑑みるとき、フラバン−3,4−ジオールの分子量は306でありプロアントシアニジンはフラバン−3,4−ジオールの2〜10量体であるので分子量は5000以下のものであることが判った。
これらの点から、精製クランベリーエキスは分子量30000以上のアントシアニン重合物を主とした化合物であると考えられ、一方、プロアントシアニジンは分子量5000以下のフラバン−3,4−ジオールやフラバン−3−オールを構成単位とした縮合型タンニンであることが判っているので、本発明の抽出液はアントシアニン重合物であって既知のプロアントシアニジンではなく、かつプロアントシアニジンを含んでもいないことが判った。
【0037】
次ぎに、実施例および比較例の各化粧料の各種特性に対する評価方法を以下に示す。
【0038】
[皮膚有用性評価]
専門パネラーを各評価品目ごとに10名ずつ用意し(但し、品目によりパネラーが重複する場合もある)、表1に示す評価基準に従って評価を行い、全パネラーの合計点数を以て評価結果とした。従って、点数が高いほど評価項目に対する有用性が高いことを示す(満点:50点)。
【0039】
【0040】
製造例2
上記精製クランベリーエキス100質量部にセリサイト50質量部と精製水150質量部を混合しスラリーとした後、スプレードライヤーを用いて噴霧乾燥し、クランベリー4.2質量%被覆処理セリサイトを得た。同様にして精製クランベリーエキス処理タルクを作成した。
【0041】
製造例3
シリカ処理球状酸化チタン(平均粒子径0.3μm)100質量部と上記精製クランベリーエキス100質量部のスラリーを作成した。一方、寒天(ゼリー強度500g/cm2)3質量部を精製水70質量部に80℃にて溶解し、これに前記スラリーを加えて加温下に激しく混合し、最後にスクワラン0.3質量部を加えてさらに混合した。得られた混合物をステンレスバットに移した後、送風気流乾燥機(乾燥温度70℃)にて乾燥した。得られた粉体をアトマイザーにて粉砕し、メッシュをかけて精製クランベリー(2.1質量%)、寒天(3質量%)、スクワラン(0.3質量%)で被覆したシリカ処理球状酸化チタン(以後、クランベリー・寒天処理酸化チタンと言う)を得た。同様にして、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラを処理した。
【0042】
実施例1
製造例2、製造例3で作製した精製クランベリー処理粉体を用いて、表2の処方によりファンデーションを得た。尚、配合量の単位は質量%である(以下同様である)。
【0043】
【0044】
成分Aをミキサーを用いて混合した。混合した成分Aを撹拌しながら、その上に混合した成分Bをゆっくりと滴下した。さらによくミキサーを用いて混合した後、アトマイザーを用いて粉砕を行い、メッシュを通した後、金型を用いて金皿に打型してファンテーションを得た。
【0045】
実施例2
実施例1にて、クランベリー・寒天処理酸化チタンとクランベリー・寒天処理酸化鉄の代わりにシリコーン処理酸化チタンとシリコ−ン処理酸化鉄を用いる以外は実施例1と同様にして実施例2のファンデーションを作製した。
【0046】
比較例1
実施例1で用いた精製クランベリーエキス処理粉体とクランベリー・寒天処理理粉体の代わりに、それぞれ対応する未処理粉体を用いた他はすべて実施例1と同様にしてファンデーションを得た。
【0047】
実施例および比較例の評価結果を表3に示す。
【0048】
【0049】
表3の結果より、本発明の実施例は比較例と比べて化粧持続性(化粧もち)に優れている他、感触がさらさらしていて好ましいことが判る。
【0050】
【発明の効果】
以上のことから、本発明は、分子量が30000以上のアントシアニン重合体からなるクランベリーの実の圧搾濾過物及び/又は抽出物で被覆した粉体を配合した化粧料を提供することは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】精製クランベリーエキスのクエン酸緩衝液(pH3.0)希釈液のUV−Visスペクトル図である。
【図2】精製クランベリーエキスのHPLCチャート図である。
Claims (2)
- アントシアニン重合体からなるクランベリーの実の圧搾濾過物及び/又は抽出物で被覆した粉体を配合した化粧料であり、当該圧搾濾過物及び/又は抽出物が、ゲル濾過法、または限外濾過法で精製され、アントシアニジン含有量を0.5質量%未満に、アントシアニン重合物の分子量を30000以上とした精製物であることを特徴とする化粧料。
- アントシアニン重合体からなるクランベリーの実の圧搾濾過物及び/又は抽出物と、寒天及び/又はデオキシリボ核酸、その塩で被覆した粉体を配合した化粧料であり、当該圧搾濾過物及び/又は抽出物が、ゲル濾過法、または限外濾過法で精製され、アントシアニジン含有量を0.5質量%未満に、アントシアニン重合物の分子量を30000以上とした精製物であることを特徴とする化粧料。
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