JP3636518B2 - 軌索式ケーブルクレーン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダム建設などに適用される軌索式ケーブルクレーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、軌索式ケーブルクレーンの運転は、熟練したオペレーターの技量に依存していた。
ダムの堤体(打設場)側の目標位置が一定である固定式ケーブルクレーンでは自動化された例があるが、軌索式ケーブルクレーンは、打設場側の目標位置がコンクリート打設の1バケット毎に変化するばかりでなく、軌索と主索の撓み量(サグ量)が大きく、且つ、絶えず変化するため、バケットの絶対位置を測定及び制御することも困難であり、自動運転に不可欠なバケットの位置決めが容易ではなく、今日まで自動運転が実現されなかった。
【0003】
軌索式ケーブルクレーンは、走行トロリーが軌索に沿って走行すると、主索固定端と走行トロリーとの距離が変化し、サグ量は、軌索の上流又は下流端に接近する程、少なくなるように変化しようとする。
ケーブルクレーンでは、通常、これを補償し、全体としてサグ量、つまり、バケット底部の標高を一定に保持するため、主索調整索と呼ばるロープの長さを走行トロリーが軌索の中央位置付近では短く、軌索の上、下流付近では長くなるように調整する主索調整装置が設けられている。
【0004】
しかし、この装置は、精度に限界があるばかりでなく、主索調整モーターの速度が走行トロリーの速度に追いつかないこともあり、現実には、走行トロリーが移動すると、サグ量が1〜4mも変動する場合がある。
また、自動運転時における打設場側のバケット目標位置は、打設点になるべく接近しているのが良く、上記の変動があってもサグ量をできる限り正確に知る必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ダムの打設場側のバケット目標位置(打設ポイントのダム座標系における標高、横行位置及び走行位置)が次々に変化する軌索式ケーブルクレーンを自動化するに際して、打設目標位置の座標は、ダムに固定した絶対座標値で与えられ、この座標値までバケットを移動させる必要がある。
【0006】
一方、自動運転装置において、測定されるバケットの位置座標は、通常、ドラムのエンコーダ値だけである。
従って、横行ウインチ、巻ウインチ及び走行ウインチの各エンコーダによる測定値、即ち、クレーンの座標系座標値(xd ,yd ,zd )からダム堤体に固定した絶対座標系におけるバケットの絶対座標、即ち、ダム座標系座標値(x,y,z)へ座標変換を行なう必要がある。例えば、z方向で説明すれば、巻上ウインチのエンコーダから得た巻上げロープ長からバケット底部の絶対座標(標高)を得るためには、打設場側の任意の位置におけるサグ量Fxを正確に知る必要がある。
【0007】
しかし、この任意座標でのサグ量(主索支持点の標高と、トロリー懸架位置での主索標高との差)は、通常、トータルステーション等の測量機器で測定されるが、この方法では、自動化のためのセンサーとして測定速度や費用の点で実用性に欠ける。
本発明は、係る従来の問題を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、エンコーダとリミットスイッチ等の信頼性の高い簡単な機器を用い、バケットヤードにおけるサグ量等の比較的簡単に得られるサグ量測定値とコンピュータによる計算からバケットヤード及び打設場側の任意の位置における実荷及び無負荷でのサグ量を精度良く計算及び推定する装置を実現し、ひいては、この装置を用いて安全性、経済性、停止位置精度、荷役効率の優れた軌索式ケーブルクレーンを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の軌索式ケーブルクレーンは、複数の固定塔間に張架した軌索に走行トロリーを懸吊すると共に、該走行トロリーと対岸の固定塔との間に主索調整手段を介して主索を張架し、該主索に横行トロリーを懸吊すると共に、該横行トロリーを横行ウインチに巻廻した横行索を操作することによって横行させ、更に、前記横行トロリーから懸吊したバケットを巻上ウインチに巻廻した巻上索を操作することによって昇降させるようにした軌索式ケーブルクレーンにおいて、
前記バケットに着床リミットスイッチを備え、前記バケットの離床と同時にサグ測定装置が着床リミットスイッチの離床信号を自動運転装置に入力すると共に、巻上ウインチのエンコーダで巻上げロープ長Lを読んでバケットヤードにおける実荷状態でのサグ量Fxを実測し、
サグ計算装置は、走行ウインチエンコーダが読んだ走行ロープ長yd及び横行ウインチエンコーダが読んだ横行ロープ長xdからバケットヤードAにおける無負荷サグ量を計算すると共に、前記サグ測定装置が実測したバケットヤードAにおける実荷時のサグ量Fxからサグ計算式を補正し、補正されたサグ計算式により打設場B側における実荷時のサグ量を計算し、これらのサグ量とバケット停止位置座標から目標位置に停止するための巻上げロープ長L及び横行ロープ長xdとを計算して前記自動運転装置を介して各ウインチ制御盤を制御することを特徴とするものである。
【0009】
上記の構成により、予め、打設場側の打設目標位置におけるサグ量を正確に知ることができる。そして、巻き上げロープ、横行ロープ等のロープ長を精度良く計算できる。
従って、打設場での目標位置(絶対位置)及び自動的にバケットヤードに戻る自動運転におけるバケットヤード目標位置において、バケットを正確な位置に停止させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、走行トロリー1は、第2、第3の固定塔2,3間に張架させた軌索5に懸架されており、上記トロリー1に取り付けたロープ6を走行ウインチ7によって巻き取ったり、巻き戻すことにより軌索5に沿って走行するようになっている。そして、走行ウインチ7の回転数は、エンコーダ8によって図3のサグ計算装置42に入力されるようになっている。
【0011】
一方、横行トロリー10は、主索11に懸架されており、上記トロリー10に取り付けたロープ12を横行ウインチ13によって巻き取ったり、巻き戻すことにより主索11に沿って横行するようになっている。そして、横行ウインチ13の回転数は、エンコーダ14によって図3のサグ計算装置42に入力されるようになっている。
【0012】
主索11は、第1の固定塔4と主索調整装置15の滑車16間に張架されている。この主索調整装置15は、一対の滑車16,17と、これらの滑車16,17間に巻き掛けた主索調整索18及び主索調整索18を巻き取ったり、巻き戻す主索調整ウインチ19から構成されており、走行トロリー1が軌索5の中央位置付近に達すると滑車16,17間が短くなり、軌索5の上、下流付近に達すると滑車16,17間が長くなるようになっている。符号20は、主索調整ウインチ19のエンコーダを示している。
【0013】
また、バケット21の昇降は、エンコーダ23付の巻上げウインチ22によって巻きロープ24を巻き取ったり、巻き戻すことにより行なわれるようになっている。巻きロープ24の先端は、横行トロリー後部滑車25、バケット枠26の頂部滑車27、横行トロリー前部滑車28を経て主索調整装置の滑車16に取り付けられている。また、バケット21は、その側部に着床リミットスイッチ29を備えており、バケット21がバケットヤードAから離床すると、ウエイト31によってワイヤー30が緊張してリミットスイッチ29が『ON』になるようになっている。
【0014】
図3は、サグ測定・推定処理フロー図であり、サグ測定装置41は、バケット21(実荷)がバケットヤードAから離床した時にバケットリミットスイッチ29が『ON』し、その時に巻上げウインチ22のエンコーダ23で巻上げロープ長Lを読み、実荷時におけるサグ量Fxを計算するようになっている。また、リミットスイッチ29の信号は、無線機33を介して自動運転装置34に入力されるようになっている。
【0015】
ここで、サグ量Fxは、次式により求められる(図4参照)。
即ち、
Fx=Lg−L−Z1 −Z2
ここで、
Lg(定数):固定側EL−バケットヤードEL
L :巻上げロープ長
Z1 (定数):バケット全高
Z2 (定数):バケット標高(Z2 =0)
一方、サグ計算装置42は、走行ウインチエンコーダ8が読んだ走行ロープ長yd及び横行ウインチエンコーダ14が読んだ横行ロープ長xdからバケットヤードAにおける定格サグ量を計算すると共に、当該定格サグ量と、サグ測定装置41が計算したバケットヤードAにおける実荷時のサグ量Fxから主索調整索長などのパラメータを推定した後、このパラメーターに基づいてサグ計算式を補正し、補正されたサグ計算式により打設場B側における実荷時のサグ量及びバケットヤードAにおける空荷時のサグ値を計算し、これらのサグ量とバケット停止位置座標から目標位置に停止するための巻上げロープ長L及び横行ロープ長xdを計算して上記自動運転装置34を介して各ウインチ制御盤35を制御するようになっている。
【0016】
従って、打設場Bの目標位置(絶対位置)に自動的に横行する自動運転及びバケットヤードAに自動的に戻る自動運転に際し、バケット21を正確な位置に停止させることができる。
【0017】
【発明の効果】
上記のように、本発明によれば、エンコーダやリミットスイッチ等の信頼性の高い簡単な機器を用い、バケットヤードにおけるサグ量等の比較的簡単に得られるサグ量測定値とコンピュータによる計算からバケットヤード及び堤体側の任意の位置における実荷及び無負荷でのサグ量を精度良く計算及び推定することができるため、コンクリートの打設を安全に、高精度で、且つ、効率的に行うことができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軌索式ケーブルクレーンの概略図である。
【図2】バケットに装着した検知装置の説明図である。
【図3】サグ測定・推定処理フロー図である。
【図4】サグ量を求める説明図である。
【符号の説明】
A バケットヤード B 打設場
L 巻上げロープ長 xd 横行ロープ長
35 ウインチ制御盤 41 サグ測定装置
42 サグ計算装置
Claims (1)
- 複数の固定塔間に張架した軌索に走行トロリーを懸吊すると共に、該走行トロリーと対岸の固定塔との間に主索調整手段を介して主索を張架し、該主索に横行トロリーを懸吊すると共に、該横行トロリーを横行ウインチに巻廻した横行索を操作することによって横行させ、更に、前記横行トロリーから懸吊したバケットを巻上ウインチに巻廻した巻上索を操作することによって昇降させるようにした軌索式ケーブルクレーンにおいて、
前記バケットに着床リミットスイッチを備え、前記バケットの離床と同時にサグ測定装置が着床リミットスイッチの離床信号を自動運転装置に入力すると共に、巻上ウインチのエンコーダで巻上げロープ長Lを読んでバケットヤードにおける実荷状態でのサグ量Fxを実測し、
サグ計算装置は、走行ウインチエンコーダが読んだ走行ロープ長yd及び横行ウインチエンコーダが読んだ横行ロープ長xdからバケットヤードAにおける無負荷サグ量を計算すると共に、前記サグ測定装置が実測したバケットヤードAにおける実荷時のサグ量Fxからサグ計算式を補正し、補正されたサグ計算式により打設場B側における実荷時のサグ量を計算し、これらのサグ量とバケット停止位置座標から目標位置に停止するための巻上げロープ長L及び横行ロープ長xdとを計算して前記自動運転装置を介して各ウインチ制御盤を制御することを特徴とする軌索式ケーブルクレーン。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP28610995A JP3636518B2 (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 軌索式ケーブルクレーン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP28610995A JP3636518B2 (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 軌索式ケーブルクレーン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09124273A JPH09124273A (ja) | 1997-05-13 |
JP3636518B2 true JP3636518B2 (ja) | 2005-04-06 |
Family
ID=17700057
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28610995A Expired - Lifetime JP3636518B2 (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 軌索式ケーブルクレーン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3636518B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4151002B2 (ja) * | 2001-10-19 | 2008-09-17 | 株式会社ダイフク | 吊下搬送設備とその学習装置 |
-
1995
- 1995-11-02 JP JP28610995A patent/JP3636518B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH09124273A (ja) | 1997-05-13 |
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