JP3636501B2 - 穿孔用ロッドのねじ弛み検出装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、穿孔機のロッド自動交換装置等において、ロッドの継ぎ足し及び回収時のねじの弛みを自動的かつ正確に検出するための穿孔用ロッドのねじ弛み検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
長孔穿孔を行う穿孔機は、自走式の台車に穿孔ブームが回動、俯仰可能に枢支され、この穿孔ブームの先端にはガイドシェルが軸支されている。ガイドシェル上にはさく岩機が前後進可能に設けられており、さく岩機は打撃動作及び回転動作によってさく孔を行う。さく岩機で生ずる打撃力及び回転力はそれぞれねじによって結合したシャンクロッド、スリーブ、ロッド、穿孔ビットへと伝達される。ロッド長より深い穿孔を行うために、ガイドシェル上にはロッドを数本格納するロッド格納装置と、ロッド格納装置とさく岩機との間でロッドの受渡しを行うロッド交換装置が設けられている。
【0003】
長孔穿孔作業を行う際には、ロッド1本分の穿孔が終了すると、ロッドの継ぎ足し工程に入り、シャンクロッドとスリーブとのねじ結合を弛めるためにさく岩機によって無回転打撃を行う。ねじが弛むとシャンクロッドとスリーブを切離した後さく岩機は後退し、ロッド交換装置でロッド格納装置に格納してあるロッドをさく岩機の軸線上へと運搬し、再びシャンクロッドとスリーブ、ロッドとスリーブを螺着して穿孔を行う。
【0004】
所定の深度までの穿孔が終了すると、孔内にあるロッド及びスリーブを回収する工程に移る。継ぎ足されたすべてのロッド、シャンクロッドとスリーブ間のねじ結合を弛めるために無回転打撃を行い、ロッドを引き上げながらロッド交換装置によってさく岩機の軸線上からロッド格納装置へと順次格納してゆく。
近年ロッド格納装置とロッド交換装置は機械化、自動化が進んでおりこれらを統合した自動ロッド交換装置等が開発されているが、無回転打撃によってシャンクロッドやロッドのねじが弛んだ状態か否かを判断するのは困難で有効な検出装置の開発が望まれていた。
【0005】
そこで、ロッド自動交換装置においてロッドの継ぎ足し及び回収時のねじの弛みを無回転打撃の打撃音の特性の変化を用いて検出する方法が提案されている。たとえば、周波数の異なる2帯域のバンドパスフィルターにより打撃音を周波数分析し、この2帯域の音圧レベルの差値を判定基準の特性値として採用する方法である。この方法では、ロッド又はシャンクロッドのねじの弛んだ状態の打撃音の高周波数域と低周波数域の音圧レベルの差値は、ねじの締まった状態での打撃音の高周波数域と低周波数域の音圧レベルの差値に比べて大きいとし、判定基準値をこの両者の間に設定する。そして、測定された打撃音の高周波数域と低周波数域の音圧レベルの差値が判定基準値を越えた時点をねじ弛みと判定する(特公平5─75879号参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ロッドの継ぎ足し工程におけるねじ弛み検出はシャンクロッドのねじの弛みを検出すれば良いが、ロッドの回収工程においてはシャンクロッド及び、継ぎ足された全てのロッドのねじの弛みについて検出する必要がある。打撃音によるねじ弛み検出は一体となったシャンクロッドと各ロッドの結合が弛むことによりシャンクロッド、スリーブ、ロッドのそれぞれの振動が起因する高周波成分を含むようになる現象を利用しているが、無回転打撃によって最初に弛むのはシャンクロッドとスリーブのねじ結合で、シャンクロッドのねじが弛んだ後に他のロッドのねじが順次弛んでいくことになる。これら複数本のロッドのねじ弛みを打撃音の変化のみで判断するのは困難であり、継ぎ足すロッドの本数が増えれば増えるほどこの傾向は強まっていくため、打撃音によるねじ弛み検出は継ぎ足し工程には有効であるが回収工程には不適当であり、より正確なねじ弛み検出のためには別の判断材料が必要となる。
【0007】
また、特公平5─75879号における無回転打撃の打撃音の周波数特性は高周波数域と低周波数域の2箇所において特徴的であり、この特徴的な2つの周波数域を利用した判定方法といえるが、さく岩機の打撃特性等によっては低周波数域においてねじ弛み前後で顕著な差異が認められないような周波数分布を示す場合があり、このような場合には低周波数帯域に判断基準値を設けるのは適当であるとはいえない。
【0008】
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解決し、穿孔機のロッド自動交換装置においてロッドの継ぎ足し及び回収時のねじの弛みを自動的かつ正確に検出するための穿孔用ロッドのねじ弛み検出装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、継ぎ足されたロッドやシャンクロッドのねじが弛むとロッドとスリーブ及びシャンクロッドとスリーブの結合部に隙間ができ、さく岩機側から先端ビットへ吐出するフラッシングの空気圧が低下するという現象に着目し、上記課題を解決するものであって、さく岩機のロッドの継ぎ足し及び回収を行うロッド交換装置において、フラッシングの空気圧を測定する圧力センサーと、この圧力センサーで得られた空気圧信号を増幅しA/D変換する空気圧信号処理部と、空気圧の基準値を記憶しこの基準値と前記空気圧信号処理部から出力される測定値とを比較してねじ弛み信号を出力する空気圧比較部とを備えて穿孔用ロッドのねじ弛み検出装置を構成している。
【0010】
請求項2の発明は、フラッシング空気圧の変化をねじ弛み状態の判定に使用する上記のねじ弛み検出装置に、打撃音を測定するマイクロホンと、このマイクロホンで得られた打撃音信号を増幅し特定周波数のみを抽出しA/D変換する打撃音信号処理部と、打撃音の基準値を記憶しこの基準値と前記打撃音信号処理部から出力される測定値とを比較してねじ弛み信号を出力する打撃音比較部とを備えたことを特徴とし、空気圧の変化と打撃音の変化とを組み合わせ、検出精度の向上を図るロッドのねじ弛み検出装置である。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2記載の穿孔用ロッドのねじ弛み検出装置に、ロッドの継ぎ足し工程時には打撃音比較部から出力されるねじ弛み信号に基づいてねじ弛みを判断し、ロッドの回収工程時には空気圧比較部から出力されるねじ弛み信号と打撃音比較部から出力されるねじ弛み信号の両信号に基づいてねじ弛みを判断する判断部を備えたことを特徴とし、ロッド交換作業の継ぎ足し工程と回収工程における最適なねじ弛み検出を実現するものである。即ち、ロッド継ぎ足し工程では検出のレスポンスを重視し、打撃音の特性の変化をねじ弛み状態の判断に使用するねじ弛み検出装置を選択しその信号に基づいてねじ弛みを判断し、ロッド回収工程では検出精度を重視し、打撃音の特性の変化をねじ弛み状態の判断に使用するねじ弛み検出装置と、フラッシング空気圧の変化をねじ弛み状態の判断に使用するねじ弛み検出装置の両方を選択しその信号に基づいてねじ弛みを判断する。
【0012】
【作用】
継ぎ足されたロッドやシャンクロッドのねじが弛むとロッドとスリーブ及びシャンクロッドとスリーブの結合部に隙間ができ、さく岩機側から先端ビットへ吐出するフラッシングの空気圧が低下する。よって、ロッドの継ぎ足し工程及び回収工程においてロッドのねじが弛んだ時のフラッシング空気圧を予め測定し、規準値として空気圧比較部に記憶させておく。圧力センサーで測定されたフラッシング空気圧信号は空気圧信号処理部で増幅してA/D変換され、この空気圧信号処理部から出力される測定値と基準値とが空気圧比較部で比較される。測定値が規準値まで低下すると、空気圧比較部はねじ弛み状態と判断しねじ弛み信号を出力する。
【0013】
フラッシング空気圧の変化によってねじ弛みを判断するねじ弛み検出装置はロッドの継ぎ足し工程と回収工程のどちらにも有効である。
請求項2の穿孔用ロッドのねじ弛み検出装置では、ロッドのねじが弛んだ時の打撃音の基準値を打撃音比較部に記憶させておく。マイクロホンで得られた打撃音信号は打撃音信号処理部で増幅して特定周波数のみを抽出しA/D変換され、この打撃音信号処理部から出力される測定値と基準値とが打撃音比較部で比較される。測定値が規準値に達すると、打撃音比較部はねじ弛み状態と判断しねじ弛み信号を出力する。そこで、打撃音比較部からのねじ弛み信号と上記の空気圧比較部からのねじ弛み信号とを組み合わせて最終的にねじ弛み状態が判断される。
【0014】
このように、空気圧の変化によるねじ弛み判定と打撃音の特性の変化によるねじ弛み判定を組み合わせることで、打撃音の特性の変化によるねじ弛み判定だけでは不完全だったロッド回収工程において検出の精度が向上する。
請求項3記載の穿孔用ロッドのねじ弛み検出装置では、請求項2の穿孔用ロッドのねじ弛み検出装置に、ロッドの継ぎ足し工程時には打撃音比較部から出力されるねじ弛み信号に基づいてねじ弛みを判断し、ロッドの回収工程時には空気圧比較部から出力されるねじ弛み信号と打撃音比較部から出力されるねじ弛み信号の両信号に基づいてねじ弛みを判断する判断部を備えており、ロッド継ぎ足し工程では検出のレスポンスを重視し、打撃音の特性の変化をねじ弛み状態の判断に使用するねじ弛み検出装置を選択しその信号に基づいてねじ弛みを判断し、ロッド回収工程では検出精度を重視し、打撃音の特性の変化をねじ弛み状態の判断に使用するねじ弛み検出装置と、フラッシング空気圧の変化をねじ弛み状態の判断に使用するねじ弛み検出装置の両方を選択しその信号に基づいてねじ弛みを判断する。
【0015】
このように、空気圧の変化によるねじ弛み判断と打撃音の特性の変化によるねじ弛み判断とを選択自在とし、これらを組合せすることで継ぎ足し工程及び回収工程のそれぞれにおける最適な判断方法を選択できるので、ロッド交換作業の継ぎ足し工程と回収工程とにおいて、より高精度で柔軟性に富む最適なねじ弛み検出が可能になる。
【0016】
【実施例】
本発明の実施例を図面を参照し説明する。
図6は本発明の一実施例である穿孔用ロッドのねじ弛み検出装置を備えた穿孔機の側面図、図7はシャンクロッド又はロッドとロッドとをスリーブで結合するねじ結合部の説明図である。
【0017】
ここで、長孔穿孔を行う穿孔機30は、自走式の台車31に穿孔ブーム32が回動、俯仰可能に枢支され、この穿孔ブーム32の先端にはガイドシェル33が軸支されている。ガイドシェル33上にはさく岩機34が前後進可能に設けられており、さく岩機34は打撃動作及び回転動作によってさく孔を行う。さく岩機34で生ずる打撃力及び回転力はそれぞれねじによって結合したシャンクロッド35、スリーブ36、ロッド37、穿孔ビット(図示略)へと伝達される。ロッド長より深い穿孔を行うために、ガイドシェル33上にはロッド37を数本格納する公知のロッド格納装置(図示略)と、ロッド格納装置とさく岩機34との間でロッド37の受渡しを行う公知のロッド交換装置(図示略)が設けられている。
【0018】
この穿孔機30は、穿孔中の繰り粉の排出のためにさく岩機34内からシャンクロッド35、ロッド37、スリーブ36内を通して先端ビットに向けてフラッシング空気を供給しており、台車31側からさく岩機34へフラッシング用の空気を送るエアライン38の途中には、フラッシングの空気圧を測定する圧力センサー1が設けられている。また、台車31の前部には、打撃音を測定するマイクロホン2が設けられている。
【0019】
長孔穿孔作業を行う際には、ロッド1本分の穿孔が終了すると、ロッドの継ぎ足し工程に入り、シャンクロッド35とスリーブ36とのねじ結合を弛めるためにさく岩機34によって無回転打撃を行う。ねじが弛むとシャンクロッド35とスリーブ36を切離した後さく岩機34は後退し、ロッド交換装置でロッド格納装置に格納してあるロッド37をさく岩機34の軸線上へと運搬し、再びシャンクロッド35とスリーブ36、ロッド37とスリーブ36を螺着して穿孔を行う。
【0020】
所定の深度までの穿孔が終了すると、孔内にあるロッド37及びスリーブ36を回収する工程に移る。継ぎ足されたすべてのロッド37、シャンクロッド35とスリーブ36間のねじ結合を弛めるために無回転打撃を行い、ロッド37を引き上げながらロッド交換装置によってさく岩機34の軸線上からロッド格納装置へと順次格納してゆく。
【0021】
図1はねじ弛み前後のフラッシング空気圧の変化を示したグラフである。ここで、横軸を時間T、縦軸をフラッシング空気圧Pとし、経時的なフラッシング空気圧Pの変化が示されている。ロッド37の継ぎ足し及び回収のための無回転打撃によってシャンクロッド35とスリーブ36及び、ロッド37とスリーブ36のねじ結合部Cが弛むと、図7に示すように、それらに生じる隙間から空気が漏れてフラッシング空気圧が低下する。
【0022】
ロッドが複数本(n本)継ぎ足された状態において、無回転打撃を行うことによって先ずシャンクロッド35とスリーブ36のねじ結合が弛み、次にさく岩機34側から先端のビット側へと各ロッド37とスリーブ36のねじ結合が段階的に弛んでいく。これに伴いねじ結合部Cの隙間が累積して増加するためフラッシング空気圧Pも段階的に低下する。全てのねじ結合部Cが弛むことにより空気圧はP1 からPn まで低下して安定する。全てのねじ結合部Cのうち弛まない箇所があれば、空気の漏れ量は全てのねじ結合部Cが弛んだ場合に比べて減少し空気圧はPn まで低下しない。
【0023】
継ぎ足し工程では、シャンクロッド35とスリーブ36のねじ弛みのみを検出すれば良く、フラッシング空気圧PがP0 からP1 へと低下した時点をねじ弛みと判断すればよいので、このときの空気圧P1 を判断のための空気圧の基準値Sp1とする。
回収工程では、全てのねじ結合部Cのねじ弛みを検出する必要があり、フラッシング空気圧PがPn へと低下した時点をねじ弛みと判断するため、このときの空気圧Pnを判断のための空気圧の基準値Spnとする。
【0024】
ここで、継ぎ足し工程で実際にフラッシング空気圧がP0 からP1 まで低下すとき圧力センサー1がフラッシング空気圧P1 を測定する時刻Tl1より以前に時刻Tt1からねじは弛み始めており、時刻Tt1から時刻Tl1に至るまでΔT1 (ΔT1 =Tl1−Tt1)のタイムラグが生じてしまい、検出のレスポンスは低下する。これは、回収工程においても同様でΔTn (ΔTn =Tln−Ttn)のタイムラグが生じる。
【0025】
図2はねじ弛みの前後における打撃音の変化を示すグラフである。ここで、横軸を周波数f、縦軸を音圧レベルLとし、Xがねじ弛み前、Yがねじ弛み後、Zが穿孔作業中の打撃音を示している。
本実施例では低周波数帯域においてはねじ弛み前後で音圧レベルに有意な差がないものとし、中〜高周波数帯域に的を絞っている。f1 はねじ弛み前後で音圧レベルに有意な差が現れるはじめる周波数で、f2 とf3 はねじ弛み前後で音圧レベルに顕著な差が現れる周波数であり、特にf3 はねじ弛み後の音圧レベルが最大になる周波数である。f1 、f2 、f3 それぞれの周波数におけるねじ弛み前の音圧レベルをLt1、Lt2、Lt3、ねじ弛み後の音圧レベルをLl1、Ll2、Ll3として比較すると、
f1 において、 Lt1>Ll1 (Lt1≒Ll1 )
f2 において、 Lt2<Ll2
f3 において、 Lt3<Ll3
となり、周波数f1 、f2 、f3 それぞれにおけるねじ弛み前後の各音圧レベルの差値をΔL1 、ΔL2 、ΔL3 とすると、
ΔL1 =Ll1−Lt1(≒0)
ΔL2 =Lt2−Ll2
ΔL3 =Lt3−Ll3
となり、
ΔL1 <ΔL2
ΔL1 <ΔL3
の関係が得られ、有意な差が認められる。そして、打撃音の基準値Sl をΔL1 <Sl <ΔL(ΔLはΔL2 とΔL3 の値の小さい方を選択)の範囲に設定する。実際の判定は規準設定の際に採用した周波数f(f2 とf3 のどちらか)についての音圧レベルを測定し、すでに記憶されたその周波数でのねじ弛み前の音圧レベルとの差値ΔLを演算し、ΔLを打撃音規準値Sl と比較する。
【0026】
図3はこの実施例の穿孔用ロッドのねじ弛み検出装置のブロック図である。この穿孔用ロッドのねじ弛み検出装置は、圧力センサー1、空気圧信号処理部3、空気圧比較部5、マイクロホン2、打撃音信号処理部4、打撃音比較部6、判断部7を備えている。
フラッシング空気圧は圧力センサー1で電気信号として検出され、空気圧信号処理部3の空気圧アンプ13で増幅され、空気圧A/D変換器16でデジタル変換された後、空気圧比較部5の空気圧の基準値との比較部10で記憶部19に記憶された空気圧の規準値Sp (Sp1又はSpn)との比較が行なわれる。
【0027】
打撃音はマイクロホン2で電気信号として検出され、打撃音信号処理部4の打撃音アンプ14で増幅され、バンドパスフィルター15で所定の帯域周波数のデータのみを抽出し、打撃音A/D変換器17でデジタル変換された後、打撃音比較部6の演算部18で先に記憶部9に記憶されているねじ弛み前の音圧レベル値と現データの音圧レベル値との差値ΔLの算出を行い、打撃音の規準値との比較部11で演算結果ΔLと記憶部9に記憶された打撃音の規準値Sl との比較が行なわれる。この空気圧比較部5からの比較データと打撃音比較部6からの比較データとは、判断部12で統合又は選択して最終的なねじ弛みの判断が行なわれる。
【0028】
図4は空気圧の変化のみで、ねじ弛みの判断を行う場合のフローチャートである。穿孔作業開始後、1ロッド長の穿孔が終了した時さく岩機34が停止し、穿孔が所定の深さまで達していなければ次工程は継ぎ足し工程で、所定の深さまで達していれば次工程は回収工程になる。継ぎ足し工程と回収工程のいずれもフラッシング空気圧Pを測定し、継ぎ足し工程時には、継ぎ足し工程時の空気圧の基準値Sp1と、回収工程時には、回収工程時の空気圧の基準値Spnとの比較を行う。継ぎ足し工程時にはフラッシング空気圧Pが空気圧の基準値Sp1まで低下した時をねじ弛み状態と判断し、ロッド交換装置により継ぎ足し作業を行う。又、回収工程時にはフラッシング空気圧Pが空気圧の基準値Spnまで低下した時をねじ弛み状態と判断し、ロッド交換装置により回収作業を行う。
【0029】
図5は空気圧の変化によるねじ弛みの判断と打撃音の特性の変化によるねじ弛みの判断とを工程別に選択する場合のフローチャートである。穿孔作業開始後、1ロッド長の穿孔が終了した時さく岩機34が停止し、この時穿孔が所定の深さまで達していなければ次工程は継ぎ足し工程で、所定の深さまで達していれば次工程は回収工程になる。継ぎ足し工程ならば打撃音の特性の変化によるねじ弛みの判断を判断部7の選択手段8が選択し、回収工程ならば空気圧の変化によるねじ弛みの判断と打撃音の特性の変化によるねじ弛みの判断の併用を判断部7の選択手段8が選択する。
【0030】
継ぎ足し工程時には打撃音を測定し音圧レベルの差値ΔLを演算し判定基準値Sl との比較を行う。音圧レベルの差値ΔLが判定基準値Sl を越えた時が継ぎ足し工程時におけるねじ弛み状態でロッド交換装置により継ぎ足し作業を行う。回収工程時には打撃音を測定し音圧レベルの差値ΔLを演算し判定基準値Sl との比較を行い、同時にフラッシング空気圧Pを測定し判定基準値Spnとの比較を行う。音圧レベルの差値ΔLが判定基準値Sl を越え、且つフラッシング空気圧Pが判定基準値Spnまで低下した時を回収工程時のねじ弛み状態とし、ロッド交換装置により回収作業を行う。
【0031】
このように2つの判定規準値Sl 、Sp (Sp1又はSpn)の取扱いはロッドの継ぎ足し工程と回収工程において異なる。継ぎ足し工程ではシャンクロッドとスリーブのねじの弛みを検出すればよく、全ての結合部のねじの弛みを検出する必要がないため、検出のレスポンスが優れた打撃音による判定規準値Sl が有効で空気圧による判定規準値Sp を併せて使用する必要はない。回収工程では全ての結合部のねじの弛みを検出する必要があり、打撃音による判定規準値Sl だけでは不十分で空気圧による判定規準値Sp を併せて使用する。
【0032】
また、図2には穿孔作業中の周波数スペクトルも示しているが、穿孔作業中のデータZと無回転打撃のねじ弛み前のデータXを比較すると周波数f1 、f2 、f3 における音圧レベルはほぼ同じであるため、このねじ弛み検出装置は穿孔中のねじ弛みの検出にも有効であるといえる。穿孔中にねじ弛み検出装置を作動させることにより、穿孔中に継ぎ足されたロッドやスリーブのねじが弛んで脱落し回収不能に陥ることを防止することも可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は穿孔機のロッド交換装置におけるねじ弛みの判断にフラッシング空気圧の変化を用いることで、ロッドの継ぎ足し及び回収時のねじの弛みを自動的かつ正確に検出することができる。
このようにねじ弛み検出の精度が向上することで信頼性の高いロッド自動交換装置が実現可能になり、穿孔機による穿孔作業のより一層の簡略化、省力化が期待できる。また、ねじ弛みの状態を正確に検出することでシャンクロッド、ロッド、スリーブへの無回転打撃による負荷を軽減し、寿命の延長が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ねじ弛み前後のフラッシング空気圧の変化を示すグラフである。
【図2】ねじ弛みの前後における打撃音の変化を示すグラフである。
【図3】本発明の一実施例の穿孔用ロッドのねじ弛み検出装置のブロック図である。
【図4】空気圧の変化のみでねじ弛みの判断を行う場合のフローチャートである。
【図5】空気圧の変化によるねじ弛みの判断と打撃音の特性の変化によるねじ弛みの判断とを工程別に選択する場合のフローチャートである。
【図6】本発明の一実施例である穿孔用ロッドのねじ弛み検出装置を備えた穿孔機の側面図である。
【図7】シャンクロッド又はロッドとロッドとをスリーブで結合するねじ結合部の説明図である。
【符号の説明】
1 圧力センサー
2 マイクロホン
3 空気圧信号処理部
4 打撃音信号処理部
5 空気圧比較部
6 打撃音比較部
7 判断部
8 選択手段
9 記憶部
10 空気圧の基準値との比較部
11 打撃音の基準値との比較部
13 空気圧アンプ
14 打撃音アンプ
15 バンドパスフィルタ
16 空気圧A/D変換器
17 打撃音A/D変換器
18 演算部
19 記憶部
30 穿孔機
34 さく岩機
35 シャンクロッド
36 スリーブ
37 ロッド
Claims (3)
- さく岩機のロッドの継ぎ足し及び回収を行うロッド交換装置において、フラッシングの空気圧を測定する圧力センサーと、この圧力センサーで得られた空気圧信号を増幅しA/D変換する空気圧信号処理部と、空気圧の基準値を記憶しこの基準値と前記空気圧信号処理部から出力される測定値とを比較してねじ弛み信号を出力する空気圧比較部とを備えてなる穿孔用ロッドのねじ弛み検出装置。
- 打撃音を測定するマイクロホンと、このマイクロホンで得られた打撃音信号を増幅し特定周波数のみを抽出しA/D変換する打撃音信号処理部と、打撃音の基準値を記憶しこの基準値と前記打撃音信号処理部から出力される測定値とを比較してねじ弛み信号を出力する打撃音比較部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の穿孔用ロッドのねじ弛み検出装置。
- ロッドの継ぎ足し工程時には打撃音比較部から出力されるねじ弛み信号に基づいてねじ弛みを判断し、ロッドの回収工程時には空気圧比較部から出力されるねじ弛み信号と打撃音比較部から出力されるねじ弛み信号の両信号に基づいてねじ弛みを判断する判断部を備えたことを特徴とする請求項2記載の穿孔用ロッドのねじ弛み検出装置。
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