JP3635930B2 - 光通信ユニットの実装方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信ユニットの実装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信ユニットは、パッケージに発光素子、受光素子、ファイバを有するファイバ素子、コネクタなどの多品種のワークを実装して組み立てられる。これらのワークはそれぞれ形状が異っており、また要求される実装精度などの実装条件も異っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、上記多品種のワークをそれぞれの実装条件を満足しながら作業性よく実装できる実装技術は確立されておらず、したがってかなりの実装工程を作業者のマニュアル的な手作業に頼っている実情にあった。
【0004】
したがって本発明は、多品種のワークをそれぞれの実装条件を満足しながら作業性よく実装することができる光通信ユニットの実装方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の光通信ユニットの実装方法は、移載ヘッドのノズルに受光素子を有する受光体を真空吸着し、この受光体をパッケージに搭載する工程と、受光体の真空吸着状態を解除してノズルを上昇させた後、カメラで受光体の位置ずれを認識する工程と、ノズルを下降させて受光体を上方から押えつけて固定する工程と、パッケージをノズルで押えつけられた受光体に対して相対的にジグザグに水平移動させることにより受光体を目標位置まで移動させてその位置ずれを補正する工程とを含む。
【0006】
また本発明の光通信ユニットの実装方法は、前記パッケージは、キャリアにピッチをおいて搭載されており、このキャリアにより実装ラインを搬送される。
【0007】
上記構成の本発明によれば、パッケージに搭載された受光体の位置ずれを補正して、受光体を作業性よく実装することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の光通信ユニットの実装工程の説明図、図2は同パッケージを搭載したキャリアの斜視図、図3は同実装後の受光体と基板の部分斜視図、図4は同第1の実装機の斜視図、図5は同第2の実装機の斜視図、図6は同第3の実装機の斜視図である。
【0009】
まず図1および図2を参照して、光通信ユニットの実装工程の概略を説明する。図1において、(a),(b),(c)はキャリア上のパッケージに多品種のワークを実装する工程を工程順に示している。図1(a)において、1はキャリアである。キャリア1は細長いリードフレームであり(図2も参照)、複数本のリード2を有している。リード2上には略薄箱状のパッケージ3が搭載されている。図2に示すように、パッケージ3はキャリア1にピッチをおいて予め多数個搭載されており、キャリア1により実装ラインを搬送される。
【0010】
図1(a)において、パッケージ3はセラミックから成り、その上面には凹入部4が形成されている。またその側部には略U字形あるいは板状の受部5が形成されている。凹入部4と受部5の間の壁部6には凹部7が形成されている。
【0011】
11は受光体であって、その前面には受光素子12が形成されている。受光素子12はフォトダイオードである。13は基板であり、シリコンから成っている。基板13の上面中央には溝14が直線状に形成されており、溝14の端部には発光素子15が装着されている。発光素子15はレーザダイオードである。発光素子15と受光素子12は近接対向してパッケージ3の凹入部4に実装される(図1(b)を参照)。
【0012】
図1(a)において、16はファイバ素子であって、細長い円柱形の基体17と、基体17の前端面から前方へまっすぐに延出するファイバ18から成っている。ファイバ素子16は、基体17を凹部7に嵌合させ、またファイバ18を基板13の溝14に嵌合させて基板13上に実装される(図1(b)を参照)。図3は実装後の位置関係を示すものであって、受光素子12と発光素子15は近接対向し、またファイバ18の先端部は発光素子15の背面に近接対向する。
【0013】
図1(a)において、20はファイバ押えであり、板体から成っており、その下面には上記溝14に対向する溝21が直線状に形成されている。ファイバ押え20は、溝21をファイバ18に嵌合させてファイバ18上に実装される(図1(b)を参照)。22はコネクタである。コネクタ22の平面形状は略コの字形であり、受部5上に実装される。コネクタ22の下面中央にはファイバ素子16の基体17に嵌合する溝23が形成されている。
【0014】
図1(a)は、上述した受光体11、基板13、ファイバ素子16などの様々なワークをパッケージ3に実装する前の分離状態を示している。また図1(b)は後述する第1の実装機、第2の実装機、第3の実装機によりこれらのワークをパッケージ3に実装した状態を示している。また図1(c)は、後工程において、図示しない手段により、ファイバケーブル26の保持体24を受部5上に実装し、またパッケージ3上にカバー板25を実装した状態を示している。
【0015】
次に、図4〜図6を参照して、上記各ワークを実装するための実装機について説明する。図4は第1の実装機の斜視図である。第1の実装機は図1(a)に示す受光体11と基板13の2つのワークをパッケージ3上に実装するものである。図4において、キャリア1は搬送路30Aを左方へ搬送される。搬送路30Aはガイドレールから成り、Xテーブル31とYテーブル32から成る可動テーブル33によりX方向とY方向の位置調整がなされる。なお搬送路30Aによるキャリア1の搬送方向をX方向、これに直交する方向をY方向とする。またキャリア1の正しい形状は図2に示すとおりであるが、図4〜図6ではキャリア1は簡略に示している。
【0016】
図4において、搬送路30Aの上方には、これと直交するY方向に長尺のスライドテーブル34が設けられている。スライドテーブル34には第1のサブ移載ヘッド35、第2のサブ移載ヘッド36、第1の移載ヘッド37、第2の移載ヘッド38、転写式の第1のボンド塗布ヘッド39と第2のボンド塗布ヘッド40が装着されている。これらのヘッドは、それぞれノズル41,42,43,44,45,46を有している。スライドテーブル34は、図外の手段に駆動されてY方向へ往復移動する。
【0017】
搬送路30Aの側方には、ワーク供給部50、ワークの位置ずれ補正部55、ボンド皿59がY方向に横一列に配設されている。ワーク供給部50は、ターンテーブル51上に複数個のトレイ52,53を装着して構成されている。一方のトレイ52には受光体11が収納されており、他方のトレイ53には基板13が収納されている。ターンテーブル51は、可動テーブル(図外)によりX方向やY方向へ水平移動し、各トレイ52,53に収納された受光体11や基板13を第1の移載ヘッド35および第2の移載ヘッド36によるピックアップ位置へ移動させる。54Aはワーク供給部50の上方に設けられたワーク認識用のカメラであって、ピックアップされる受光体11や基板13の位置認識や、それらが良品であるかどうかなどの認識を行う。
【0018】
位置ずれ補正部55は、テーブル56と位置ずれ補正爪57から成っている。第1の移載ヘッド35と第2の移載ヘッド36によりトレイ52,53からテーブル56上に移載された受光体11や基板13の角部には位置ずれ補正爪57に開口された角形の開口部58の角部が押し当てられ、その位置ずれ補正が行われる。
【0019】
ボンド皿59はボンドが貯溜されている。またキャリア1の上方には、キャリア1上のパッケージ3や、パッケージ3に実装された受光体11や基板13の位置認識などを行うカメラ54Bが設けられている。第1のボンド塗布ヘッド39と第2のボンド塗布ヘッド40は、ボンド皿59のボンドをノズル45,46の下端部に付着させ、キャリア1上のワークの所定の箇所に転写する。なおボンド塗布ヘッドとしてはディスペンサでもよく、この場合、ボンド皿59は不要である。
【0020】
次に図5を参照して第2の実装機を説明する。キャリア1は搬送路30Bを搬送される。また搬送路30Bは図4と同様の可動テーブル33によりその位置調整がなされる。搬送路30Bの上方にはスライドテーブル60が設けられている。スライドテーブル60には移載ヘッド61とボンド塗布ヘッド62が設けられており、図外の手段に駆動されてY方向へ往復移動する。63,64はそれぞれのノズルである。ボンド塗布ヘッド62はディスペンサであり、ノズル64からボンドを吐出する。ボンド塗布ヘッドは、図4に示す転写式のものでもよい。
【0021】
搬送路30Bの側方にはワーク供給部70が設けられている。ワーク供給部70のターンテーブル71には複数個の姿勢補正ユニット80が装着されており、姿勢補正ユニット80上にはトレイ72が装着されている。この姿勢補正ユニット80については、後で図7〜図9を参照して詳細に説明する。
【0022】
トレイ72には図1(a)に示すファイバ素子16が整列して収納されている。またワーク供給部70の上方にはファイバ素子16を認識するためのカメラ73が設けられている。また可動テーブル33上にはノズル63に真空吸着されたファイバ素子16を下方からカメラで認識するワーク認識ユニット74が設けられており、またキャリア1の上方にはパッケージ3を認識するカメラ75が設けられている。ワーク認識ユニット74は、図4の位置ずれ補正部55に替えて設けられている。
【0023】
次に図6を参照して第3の実装機を説明する。第3の実装機は図4に示す第1の実装機とほぼ同一であり、第1の実装機と同一要素には同一符号を付して説明は省略する。ただし、一方のトレイ52にはファイバ押え20が収納されており、他方のトレイ53にはコネクタ22が収納されており、またノズル41A〜44Aの形状寸法が異っている。また第2の実装機(図5)と同様のワーク認識ユニット74が設けられている。また第1のボンド塗布ヘッド62Aと第2のボンド塗布ヘッド62Bは第2の実装機の場合と同様にディスペンサであり、したがってボンド皿は備えられていないが、ボンド塗布ヘッドとしては図4に示す転写式のものでもよい。
【0024】
第1の実装機の搬送路30Aと、第2の実装機の搬送路30Bと、第3の実装機の搬送路30Cは連続するラインとして配設され、また必要に応じてその途中にキュア炉などの他の設備を介在させ、キャリア1を搬送しながら、図1を参照して説明した受光体11、基板13、ファイバ素子16、ファイバ押え20、コネクタ22などの多品種のワークを一連の作業として実装する。
【0025】
この光通信ユニットの実装装置は上記のような構成より成り、次に全体の動作を説明する。図4において、キャリア1が搬送路30Aを所定の位置まで搬送されてくると、次のようにしてワークの実装が行われる。まず、第1の移載ヘッド35はノズル41の下端部にトレイ52の受光体11を真空吸着してピックアップし、テーブル56上の位置ずれ補正爪57の開口部58の内部に移載する。すると位置ずれ補正爪57はX方向やY方向へ水平移動し、開口部58の角部を受光体11の角部に押しつけてその位置ずれを補正する。
【0026】
次に第1のサブ移載ヘッド37はテーブル56上の受光体11をノズル43の下端部に真空吸着してピックアップし、キャリア1上のパッケージ3の凹入部4(図1(a))に実装する。これに先立ち、凹入部4には第1のボンド塗布ヘッド39によりボンド皿59に貯溜されたボンドが転写して塗布されており、受光体11はこのボンドでパッケージ3に接着される。
【0027】
次に、以下のようにして基板13がパッケージ3に実装される。すなわち、第2の移載ヘッド36がトレイ53の基板13をノズル42の下端部に真空吸着してピックアップし、テーブル56上の位置ずれ補正爪57の開口部58の内部に移載する。そこで開口部58の角部を基板13の角部に押しつけてその位置ずれを補正する。次に第2のサブ移載ヘッド38はそのノズル44でこの基板13を真空吸着してピックアップし、パッケージ3の凹入部4に実装する。この場合も、これに先立って第2のボンド塗布ヘッド40により凹入部4にボンドが塗布されており、基板13はこのボンドでパッケージ3に接着される。
【0028】
以上のようにして受光体11と基板13をパッケージ3に実装したならば、カメラ54Bで実装状態の良否を確認したうえで、キャリア1は搬送路30Aを第2の実装機へ向ってピッチ送りされる。
【0029】
次に図5を参照して第2の実装機の動作を説明する。キャリア1が搬送路30Bを所定の位置まで搬送されてくると、移載ヘッド61はトレイ72上のファイバ素子16をノズル63の下端部に真空吸着してピックアップし、ワーク認識ユニット74の上方へ移送する。この場合、ノズル63はファイバ素子16の基体17を真空吸着する。そこでカメラ75によるパッケージ3の認識後、ファイバ素子16の認識を行ったうえで、これをパッケージ3に実装する。これに先立ち、ボンド塗布ヘッド62はパッケージ3の凹部7(図1(a))に基体17を接着するためのボンドを塗布している。ファイバ素子16をパッケージ3に実装したならば、キャリア1は搬送路30Bを第3の実装機へ向ってピッチ送りされる。
【0030】
次に図6を参照して第3の実装機の動作を説明する。第3の実装機の動作は第1の実装機の動作と同様である。すなわち第1の移載ヘッド35はトレイ52に収納されたファイバ押え20をノズル41で真空吸着してピックアップし、テーブル56上の位置ずれ補正爪57の開口部58内に移載する。そこで位置ずれ補正爪57がX方向やY方向へ移動して開口部58の角部をファイバ押え20の角部に押しつけ、その位置ずれを補正する。次いで第1のサブ移載ヘッド37はファイバ押え20をピックアップしてパッケージ3に実装済の基板13上に実装する。これに先立ち、基板13上には第1のボンド塗布ヘッド62Aによりボンドが塗布されている。
【0031】
次に第2の移載ヘッド36によりトレイ53のコネクタ22をピックアップしてテーブル56に移載し、同様にしてその位置ずれを補正する。次に第2のサブ移載ヘッド38はコネクタ22をピックアップし、パッケージ3の受部5(図1(a))上に実装する。これに先立ち、受部5には第2のボンド塗布ヘッド62Bによりコネクタ22を接着するためのボンドが塗布されている。上記の場合も、ワーク認識ユニット74によりファイバ押え20やコネクタ22の認識が行われる。
【0032】
以上の一連の動作により、図1(b)に示す光通信ユニットが完成する。この光通信ユニットは次の工程へ送られ、図外の手段により図1(c)に示すケーブル23の保持体24やカバー板25が実装され一連の実装作業を終了する。
【0033】
ところで、ファイバ素子16は、円柱形の基体17から細長いファイバ18が延出している異形状であり、しかもその実装位置精度などの実装条件は厳しいことから、正しい姿勢で正確にパッケージ3に実装しなければならない。具体的には、基体17の軸心を中心とする回転方向と長手方向の位置・姿勢を厳密に管理して実装しなければならない。そこで次にファイバ素子16をパッケージ3に正しく実装するための手段について説明する。
【0034】
図7は本発明の実施の形態1のワークの姿勢補正ユニットの斜視図、図8は同ワークの姿勢補正ユニットのX方向の断面図、図9は同ワークの姿勢補正ユニットのY方向の断面図である。図8および図9の(a),(b),(c)は、姿勢補正方法を順に示している。
【0035】
まず姿勢補正ユニット80の全体構造を説明する。この姿勢補正ユニット80は、図5に示す第2の実装機のワーク供給部70に設けられている。なお図5では、この姿勢補正ユニット80は簡略に示している。この姿勢補正ユニット80は、ファイバ素子16が載せられたトレイ72のX方向とY方向の傾斜方向の姿勢を補正し、以ってこれに載せられたファイバ素子16の姿勢を補正して、ファイバ素子16の基体17を移載ヘッド61のノズル63の下端部にしっかり真空吸着させてピックアップするための装置である。
【0036】
図7および図9(a)において、81は箱形の本体部であり、その両側部の上部からは側方へフランジ82が延出している。本体部81上にはピン93を中心にY方向に回転する(図7および図9(a)の矢印Y)揺動ブロック83が載せられている。揺動ブロック83から側方へフランジ84が延出している。フランジ82とフランジ84は重なり合っている。フランジ82に突設されたピン85とフランジ84に突設されたピン86はスプリング87で連結されており、そのばね力により揺動ブロック83は本体部81に押しつけられる方向に付勢されている。
【0037】
88はベース部材であり、ピン89,90とねじ91が挿着されている。図8(a)において、ピン89,90は本体部81に挿入されており、ねじ91の上端部は本体部81の下面に当接している。本体部81の側面にはねじ92が挿着されている。ねじ91のねじ込み量を調整することにより本体部81の高さは調整され、ねじ92をねじ込んでその先端部をピン90に押しつけることにより、本体部81は所定の高さで固定される。また図9(a)においてフランジ82にはねじ94が挿着されており、ねじ94の上端部はフランジ84の下面に当接している。したがってねじ94のねじ込み量を調整することにより、揺動ブロック83のY方向の傾斜角度は調整される。
【0038】
図8(a)において、揺動ブロック83の上部にはX方向に揺動するフレーム95がピン96で軸着されている。フレーム95上には台板97が装着されている。揺動ブロック83のフランジ98にはねじ99が挿着されている。ねじ99の上端部は台板97の下面に当接している。またフランジ98と台板97にはピン101,102が突設されている。ピン101とピン102はスプリング103で連結されており、そのばね力により台板97はねじ99の上端部に押しつけられている。したがって左右のねじ99のねじ込み量を調整することにより、台板97のX方向の傾斜角度が調整される。
【0039】
図8(a),(b),(c)は、X方向の傾斜角度の補正方法を示している。図8(b)は、右側のねじ99をねじ込んでトレイ72を左方へ傾斜させた場合を示している(矢印X1)。図8(c)は左側のねじ99をねじ込んでトレイ72を右方へ傾斜させた場合を示している(矢印X2)。また図9(b)は右側のねじ94をねじ込んでトレイ72を左方へ傾斜させた場合を示している(矢印Y1)。図9(c)は左側のねじ94をねじ込んでトレイ72を右方へ傾斜させた場合を示している(矢印Y2)。このようにこの姿勢補正ユニット80によれば、トレイ72のX方向やY方向の傾斜角度を調整し、これにより図5に示す移載ヘッド61のノズル63をトレイ72上のファイバ素子16の基体17に確実に当接させてファイバ素子16をピックアップすることができる。
【0040】
次に図4に示す第1の実装機で受光体11をパッケージ3の凹入部4(図1(a))に搭載し、かつその位置ずれを補正する方法を説明する。図10は本発明の実施の形態1の受光体の実装方法の説明図であって、(a),(b),(c),(d),(e),(f)は動作順に示している。また図11は同受光体の位置ずれ補正方法の説明図であって、(a),(b),(c),(d),(e)は動作順に示している。まずノズル43を下降させて受光体11をパッケージ3の凹入部4上に搭載する(図10(a))。次に受光体11の真空吸着状態を解除したうえでノズル43を上昇させる(図10(b))。次に可動テーブル33(図4)を駆動して受光体11をカメラ54Bの下方へ移動させ(図10(c))、カメラ54Bで受光体11の位置ずれを認識する。次に受光体11をノズル43の下方へ復帰させ(図10(d))、ノズル43を下降させて受光体11を上方から固定する(図10(e))。次いでノズル43で受光体11を固定したまま、可動テーブル33を駆動して受光体11の位置ずれを補正する。
【0041】
図11は、図10(f)の位置ずれ補正方法を示している。図11(a)において、11は現在位置の受光体であって、図10(f)において実線で示すようにノズル43で押えつけて固定されている。Kは受光体11の目標位置(正しい実装位置)である。受光体11を目標位置Kまで移動させてその位置ずれを補正するために、可動テーブル33を駆動してパッケージ3をノズル43で押えつけられた受光体11に対して相対的に水平移動させる。図11(b)〜(e)はこの水平移動動作を示すものであって、矢印イ,ロ,ハ,ニで示すように、受光体11をのこ歯状の斜方向にジグザグにパッケージ3に対して水平移動させて図11(e)に示す目標位置Kまで移動させる。
【0042】
このように受光体11をパッケージ3に対してジグザグに相対移動させる理由は次のとおりである。図10(f)において、受光体11は横長の箱形であり、鎖線で示すように横方向へストレートに移動させると(矢印ホ)、受光体11は横倒れしやすい。これに対し、図11に示すように、受光体11をその長手方向に近い斜方向にジグザグ移動させても、受光体11は横長なので転倒しにくい。したがってこのように受光体11を斜方向にジグザグ移動させて目標位置Kまで移動させ、その位置ずれを補正するものである。
【0043】
次に、第2の実装機(図5)の移載ヘッド61のノズル63の構造を説明する。図12は本発明の実施の形態1のノズルの上下反転斜視図、図13は同ノズルの側面図、図14は同ファイバ素子の基体を真空吸着中の側面図である。ノズル63の下面(吸着面)は基体17の周面と同じ曲率の円曲面部67と、円曲面部67の両側部から下方へ向って末広がり状に傾斜する誘い込み部68から成っている。円曲面部67には吸着孔65が開口されている。
【0044】
図14において、トレイ72には粘着シートなどの粘着材68が付着されており、ファイバ素子16は基体17を粘着材68に付着させてトレイ72上に整列して載置されている。ファイバ素子16のファイバ18は、その軸心を中心とする回転方向の方向性を有しており、正しい回転方向の向きでパッケージ3に実装しなければならない。したがってファイバ素子16は、正しい回転方向の向きで粘着材68に貼着されている。
【0045】
図14において、ノズル63は円曲面部67を基体17の胴面に着地させ、真空吸着してピックアップする。ピックアップできるように、ノズル63の真空吸着力F1は、粘着材68の粘着力F2よりもかなり大きく設定される。また円曲面部67の両側部に末広がり状の誘い込み部68を形成することにより、円曲面部67をスムーズに基体17の胴面に着地させてこれを真空吸着し、ピックアップすることができる。
【0046】
次に第3の実装機(図6)の位置ずれ補正部55のステージ56の構造を説明する。図15は本発明の実施の形態1の位置ずれ補正部のステージの斜視図である。ステージ56の中央にはスリット孔56aが形成されており、その両側方に大形の4角形の孔56bと、小形の丸い吸着孔56cが形成されている。
【0047】
ファイバ押え20は、その下面の直線状の溝21をスリット孔56aに合わせてステージ56上に載置され、吸着孔56cで真空吸着してステージ56上に半固される。そこで位置ずれ補正爪57の開口部58の内角部がファイバ押え20の角部に押し当てられ、その位置ずれが補正される。
【0048】
またコネクタ22は、その両脚部22aをスリット孔56bに嵌入させてステージ56上に載せられ、吸着孔56cに真空吸着して半固される。そこで同様にしてコネクタ22の位置ずれを補正する。したがってこのステージ56は、異種ワークであるファイバ押え20とコネクタ22の位置ずれ補正用ステージとして共用できる。
【0049】
(実施の形態2)
図16は本発明の実施の形態2のファイバ素子の認識装置の斜視図である。この実施の形態2の認識装置は、図7〜図9に示す姿勢補正ユニットに替えて使用されるものである。ターンテーブル110のパレット111上にはトレイ112が載せられており、トレイ112にファイバ素子16が載せられている。このトレイ112はガラス板や樹脂板などの透明板から成っており、透明な粘着材でファイバ素子16は接着されている。
【0050】
トレイ112の下方には面発光体113が設けられている。面発光体113はファイバケーブル114を介して光源ユニット115に接続されている。またトレイ112の上方にはカメラ116が設けられている。
【0051】
したがって光源115を点灯すれば、面発光体113は発光し、上方のカメラ116でファイバ素子16のシルエットを観察してその位置を認識できる。そしてこの認識結果にしたがって、移載ヘッド61のノズル63(図5)でこの光ファイバ素子16をピックアップする。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、パッケージに搭載された受光体の位置ずれを補正して、受光体を作業性よく実装することができる。特に、受光体をノズルで押えた状態で、パッケージをジグザグに相対的に水平移動させて受光体の位置ずれを補正するようにしているので、受光体の転倒を防止しながら、受光体を目標位置へ移動させて、その位置ずれを補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の光通信ユニットの実装工程の説明図
【図2】本発明の実施の形態1のパッケージを搭載したキャリアの斜視図
【図3】本発明の実施の形態1の実装後の受光体と基板の部分斜視図
【図4】本発明の実施の形態1の第1の実装機の斜視図
【図5】本発明の実施の形態1の第2の実装機の斜視図
【図6】本発明の実施の形態1の第3の実装機の斜視図
【図7】本発明の実施の形態1のワークの姿勢補正ユニットの斜視図
【図8】本発明の実施の形態1のワークの姿勢補正ユニットのX方向の断面図
【図9】本発明の実施の形態1のワークの姿勢補正ユニットのY方向の断面図
【図10】本発明の実施の形態1の受光体の実装方法の説明図
【図11】本発明の実施の形態1の受光体の位置ずれ補正方法の説明図
【図12】本発明の実施の形態1のノズルの上下反転斜視図
【図13】本発明の実施の形態1のノズルの側面図
【図14】本発明の実施の形態1のファイバ素子の基体を真空吸着中の側面図
【図15】本発明の実施の形態1の位置ずれ補正部のステージの斜視図
【図16】本発明の実施の形態2のファイバ素子の認識装置の斜視図
【符号の説明】
1 キャリア
3 パッケージ
4 凹入部
7 凹部
11 受光体
13 基板
16 ファイバ素子
17 基体
18 ファイバ
20 ファイバ押え
22 コネクタ

Claims (3)

  1. 移載ヘッドのノズルに受光素子を有する受光体を真空吸着し、この受光体をパッケージに搭載する工程と、
    受光体の真空吸着状態を解除してノズルを上昇させた後、カメラで受光体の位置ずれを認識する工程と、
    ノズルを下降させて受光体を上方から押えつけて固定する工程と、
    パッケージをノズルで押えつけられた受光体に対して相対的にジグザグに水平移動させることにより受光体を目標位置まで移動させてその位置ずれを補正する工程と、
    を含むことを特徴とする光通信ユニットの実装方法
  2. 前記パッケージは、キャリアにピッチをおいて搭載されており、このキャリアにより実装ラインを搬送されることを特徴とする請求項1に記載の光通信ユニットの実装方法。
  3. 前記パッケージに前記受光体を搭載した後、前記受光素子に近接対向する発光素子を有する基板を前記パッケージに実装し、更に発光素子の背面に近接対向するファイバを有するファイバ素子を基板に実装することを特徴とする請求項1または2に記載の光通信ユニットの実装方法。
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