JP3635778B2 - ベルト式無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

ベルト式無段変速機の変速制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルト式無段変速機の変速制御装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載される無段変速機としては、Vベルト式のものが従来から知られており、例えば、本願出願人が提案した特願平6−319913号等がある。
【0003】
これは、無段変速機のVベルトとの接触プーリ幅が、油圧に基づいて可変制御される入力側と出力側の一対の可変プーリを備え、入力プーリの可動円錐板を駆動するピストン室へ供給する油圧を変化させることにより、連続的に変速比を変更するものであり、この油圧を調整する変速制御弁は図5に示すように、ライン圧とドレーンの連通量を制御するスプール弁等で構成される。
【0004】
図5において、変速制御弁2は、ハウジング内周に軸方向へ変位可能なスプール5を収装しており、スプール5は図中左側からスプリング9に付勢される一方、図中右端をソレノイド4に付勢されており、スプリング9に抗してソレノイド4の推力が増大することにより、スプール5は図中左側へ向けて、図5(A)の最小推力(変位)の位置から図5(E)の最大推力(変位)の位置まで変位する。
【0005】
この変速制御弁2のハウジングには、ライン圧回路と連通するライン圧ポート2aと、入力プーリピストン室と連通するピストン圧ポート2bと、ドレーンポート2cが、それぞれスプール5に面した所定の位置に開口する。そして、スプール5には図中左側からランド5a、5b、5cそれぞれ所定の間隔で形成される。
【0006】
この変速制御弁2は、スプリング9に対抗したソレノイド4の推力に応じてスプール5を変位させることで、ピストン圧ポート2bへ作動油の給排を行って無段変速機の変速比を調整しており、この変速制御弁2の特性は、図6に示すようになる。
【0007】
いま、ソレノイド4が非動作状態のときには、スプール5はスプリング9に付勢されて図5(A)の位置にあり、図6では区間C1の最小推力位置となる。この位置では、ランド5a、5bがそれぞれドレーンポート2c、ライン圧ポート2aを遮断して、入力プーリピストン室内の圧油が封止されるため所定の変速比が保持される。
【0008】
そして、ソレノイド4の駆動が開始されると、図5(A)からスプール5は図中左側へ変位して、図5(B)のようにランド5a、5b間の油路を介してピストン圧ポート2bとドレーンポート2cが連通し、入力プーリピストン室の圧油が排出されてダウンシフトとなる。スプール5の変位に応じて、ピストン圧ポート2bとドレーンポート2cの連通量(ポートの開口面積)は変化し、図6の区間B1ではスプール5の変位に応じて連通量が増大し、図6に示した連通量最大の位置である点Dmaxからさらにスプール5が変位して図6の区間Aに入ると、連通量は次第に減少して、図5(C)に示す中立位置となる。中立位置では、ランド5bがピストン圧ポート2bを封止するため、上記最小推力位置と同様に所定の変速比が保持される。
【0009】
さらに、ソレノイド4がスプール5を図中左側へ駆動すると、ランド5b、5c間の油路を介してライン圧ポート2aとピストン圧ポート2bが連通し、入力プーリピストン室へ圧油が供給されて図5(D)に示すアップシフトとなる。スプール5の図中左側への変位に応じて、ライン圧ポート2aとピストン圧ポート2bの連通量(ポートは、図6の区間Aではスプール5の変位に応じて連通量が増大し、図6に示した連通量最大の位置である点Umaxからさらにスプール5が変位して図6の区間B2に入ると、連通量はスプール5の変位に応じて次第に減少する。そして、図6の区間C2に入ると、再びライン圧ポート2aとドレーンポート2cはランド5b、5cによって遮断され、ソレノイド4の推力が最大になると図5(E)に示す最大推力位置(最大動作状態)となる。この最大推力位置では、ピストン圧ポート2bへ作動油の給排が行われず、上記最小推力位置と同様に所定の変速比が保持される。
【0010】
なお、図6において、スプール5が中立位置となるソレノイド4の指令値を中立値とする。
【0011】
上記のような変速制御弁2によって、車両の運転状態に応じた目標変速比を決定するコントロールユニットは、ソレノイド4等のアクチュエータに操作量を送出して、実際の変速比を目標変速比に一致させるのである。
【0012】
そして、ソレノイド4が非動作状態(最小推力時)又は最大動作状態(最大推力時)に、入力プーリのピストン圧ポート2bを封止して作動油の給排を禁止することで、コントロールユニットやソレノイド4などに故障が発生したときに、急激な変速動作が発生するのを防いで、エンジンの過回転や運転者への違和感を防止している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例においては、変速比の制御を目標変速比と実変速比の偏差に基づくフィードバック制御(例えば、PID制御など)を行う場合、コントロールユニットからの指令信号が図6に示した区間Aにある間は安定したフィードバック制御が期待できるが、変速要求が大きくなると変速速度を増大するため、変速制御弁2の操作量(スプール5の変位量)が図6の区間B1又はB2に入ると、制御ゲインは負(発散)の領域に入ってフィードバック制御が困難になり、さらに、操作量が増大して図6の区間C1、C2に入ると制御不能となって変速ができない場合があるという問題があった。
【0014】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、フェイルセーフを確保しながら、変速制御の制御ゲインが負(発散)の領域に入るのを防いで、常時安定した変速制御を行うことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、図7に示すように、ベルトの接触プーリ幅が油圧に基づいて可変制御される入力プーリ101及び出力プーリ102と、前記入力プーリと出力プーリにそれぞれ形成されてプーリ幅を縮小する方向に駆動するピストン室103、104と、前記出力プーリ102のピストン室104へ所定のライン圧を供給するライン圧供給手段105と、前記入力プーリ101のピストン室103への作動油を、ライン圧ポートまたはドレーンポートの一方との連通量に応じて供給する変速制御弁106と、この変速制御弁106を駆動するアクチュエータ107と、車両の運転状態に応じて演算した操作量に基づいて前記アクチュエータ107を駆動する変速制御手段100と、前記変速制御弁106に形成されて、前記アクチュエータ107が非動作状態または最大動作状態のときに前記入力プーリピストン室103への作動油の給排を禁止する変速禁止手段108とを備えたベルト式無段変速機の変速制御装置において、前記変速制御手段100は、前記操作量が所定の上限値及び下限値を超えないように規制する規制手段110を備え、前記規制手段は、前記上限値を変速制御弁が入力プーリピストン室とライン圧ポートの連通量が最大となる位置に設定する一方、下限値を変速制御弁が入力プーリピストン室とドレーンポートの連通量が最大となる位置に設定する。
【0017】
また、第2の発明は、ベルトの接触プーリ幅が油圧に基づいて可変制御される入力プーリ101及び出力プーリ102と、前記入力プーリと出力プーリにそれぞれ形成されてプーリ幅を縮小する方向に駆動するピストン室103、104と、前記出力プーリ102のピストン室104へ所定のライン圧を供給するライン圧供給手段105と、前記入力プーリ101のピストン室103への作動油を、ライン圧ポートまたはドレーンポートの一方との連通量に応じて供給する変速制御弁106と、この変速制御弁106を駆動するアクチュエータ107と、車両の運転状態に応じて演算した操作量に基づいて前記アクチュエータ107を駆動する変速制御手段100と、前記変速制御弁106に形成されて、前記アクチュエータ107が非動作状態または最大動作状態のときに前記入力プーリピストン室103への作動油の給排を禁止する変速禁止手段108とを備えたベルト式無段変速機の変速制御装置において、前記変速制御手段100は、前記操作量が所定の上限値及び下限値を超えないように規制する規制手段110を備え、前記規制手段は、前記上限値を変速制御弁が入力プーリピストン室とライン圧ポートの連通量が最大となる位置よりも所定の中立値側に設定する一方、前記下限値を変速制御弁が入力プーリピストン室とドレーンポートの連通量が最大となる位置よりも所定の中立値側に設定する。
【0018】
【作用】
したがって、第1の発明は、変速比制御用の入力プーリのピストン室への作動油の給排を、変速制御弁のライン圧ポートまたはドレーンポートの連通量に応じて行い、アクチュエータは運転状態に応じた変速比となるような操作量に基づいて変速制御弁を駆動する。そして、アクチュエータが非動作状態または最大動作状態となると入力プーリピストン室の作動油は封止されるため、変速制御手段等の故障時には急激な変速動作を防止でき、さらに、アクチュエータの操作量は、所定の上限値、下限値以内に規制されるため、例えば、目標変速比と実変速比の偏差が所定値を超えて増大しても、制御ゲインが負(発散)となる領域の使用を避けることができ、ベルト式無段変速機のフェイルセーフを確保しながら常時安定した変速制御を行うことができる。
【0019】
そして、アクチュエータの操作量は、変速制御弁が入力プーリピストン室とライン圧ポートの連通量が最大となる位置から、入力プーリピストン室とドレーンポートの連通量が最大となる位置の間となり、この上限値と下限値の間で迅速な変速動作を確保しながら制御ゲインが負(発散)となる領域の使用を避けることができ、ベルト式無段変速機のフェイルセーフを確保しながら常時安定した変速制御を行うことができる。
【0020】
また、第2の発明は、操作量の上限値及び下限値を入力プーリピストン室とライン圧ポート又はドレーンポートの連通量が最大となる位置よりも所定の中立値側に設定したため、変速速度が過大になるのを防いで円滑な変速動作を行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0022】
図1はVベルト式の無段変速機の変速制御装置の概略構成図を示し、無段変速機17は、可変プーリとして図示しないエンジンに接続された入力プーリ16と、駆動軸に連結された出力プーリ26を備え、これら可変プーリはVベルト24によって連結されている。
【0023】
入力プーリ16は、図示しないエンジンに結合された軸と一体となって回転する固定円錐板22と、固定円錐板22と対向配置されてV字状のプーリ溝を形成するとともに、変速制御弁2から入力プーリピストン室20へ作用する油圧に応じて軸方向へ変位可能な可動円錐板18から構成される。
【0024】
一方、出力プーリ26は車軸に連結された軸と一体となって回転する固定円錐板30と、この固定円錐板30と対向配置されてV字状のプーリ溝を形成するとともに、出力プーリピストン室32へ作用する油圧コントロールユニット3からのライン圧に応じて軸方向へ変位可能な可動円錐板34から構成される。
【0025】
このような、入力プーリ16と出力プーリ26のV字状プーリ溝の幅を変化させる変速制御は、入力プーリピストン室20への作動油の給排を調整する変速制御弁2によって行われる。
【0026】
すなわち、CVTコントロールユニット1からの指令に応動するアクチュエータとしてのソレノイド4と、ソレノイド4に駆動される変速制御弁2等からなる油圧コントロールユニット3によって制御され、この変速制御弁2及びソレノイド4は前記図5の従来例と同様に構成され、以下、同一の図番を付して重複説明を省略する。なお、変速禁止手段としては、ソレノイド4の非動作状態または最大動作状態のときに入力プーリピストン室20を封止するランド5a、5b、5cが変速制御弁2のスプール5に形成される。
【0027】
なお、油圧コントロールユニット3には、図示しないライン圧供給手段が配設され、出力プーリピストン室32と変速制御弁2へ所定のライン圧を供給する。
【0028】
マイクロコンピュータ等を主体に構成されたCVTコントロールユニット1は、車両の運転状態に基づいて演算した目標変速比を、実変速比に一致させるように、目標変速比と実変速比の偏差に応じた操作量をソレノイド4へ指令する。
【0029】
このようなCVTコントロールユニット1で行われる変速制御の一例について、図2のフローチャートを参照しながら詳述する。
【0030】
ステップS1では、無段変速機17から入力回転数Ninと出力回転数Nout(=車速VSP)と、運転者の操作に応じたスロットル開度TVO並びにインヒビタスイッチ8からの信号(変速モード等)を読み込むとともに、図示しないエンジンコントロールユニットからエンジン回転数Neを読み込んで、車両の運転状態に応じた目標変速比を演算する一方、無段変速機17の実変速比を求めてから、実変速比と目標変速比の偏差を演算する。
【0031】
偏差 = 実変速比−目標変速比 …(1)
ステップS2では、この偏差に基づいてソレノイド4の操作量、すなわち、変速制御弁2のスプール5の目標位置をフィードバック制御などにより演算する。
【0032】
この変速制御を例えば、PID(比例、積分、微分)制御により行う場合では、操作量を次式のように演算する。
【0033】
操作量 = 中立値 + P分ゲイン×偏差+I分ゲイン×∫偏差dt+D分ゲイン×d/dt偏差 …(2)
なお、中立値とは、スプリング9に抗してスプール5を駆動するソレノイド4が、図3に示すように、スプール5の全ストローク範囲(=ソレノイド4の信号出力範囲)の略中央で、図5(C)の中立位置となるようスプール5を駆動する操作量(信号出力値)であり、この中立位置では前記従来例と同様に、スプール5のランド5bがピストン圧ポート2bを遮断して所定の変速比を保持する。
【0034】
上記(2)式より、ソレノイド4の操作量は、偏差に応じた中立値からの値として求められる。
【0035】
次に、ステップS3では上記ステップS2で求めた操作量が、予め設定した上限値以下であるかを判定し、この上限値を超えるときには、ステップS4へ進んで操作量を上限値に規制する。
【0036】
さらに、ステップS5では上記ステップS2で求めた操作量が、予め設定した下限値以上であるかを判定し、下限値未満のときには、ステップS6へ進んで操作量を下限値に規制する。
【0037】
ここで、上限値及び下限値は、図3の変速制御弁2の特性図に示すように、ソレノイド4の中立位置からスプール5を駆動して、変速制御弁2のピストン圧ポート2bとライン圧ポート2aの連通量が最大となる点Umaxと、同じく変速制御弁2のピストン圧ポート2bとドレーンポート2cの連通量が最大となる点Dmaxに設定され、CVTコントロールユニット1からソレノイド4へ指令する操作量の範囲は、図3の区間Aとなる。
【0038】
こうして、変速制御弁2の特性に応じて上限値、下限値を規制された操作量はステップS7で出力され、ソレノイド4は変速比の偏差に応じて図3の区間A内でスプール5を駆動する。
【0039】
上記ステップS1〜S7の処理を所定時間毎等に繰り返すことにより、変速制御弁2は必ず図3の区間Aで駆動されるため、制御ゲインが負となる区間A以外の領域に入ることがなくなって、常時安定した変速動作を行うとともに、前記従来例と同様に、CVTコントロールユニット1等の故障時には、ソレノイド4は最小推力または最大推力を発生して、その時点の変速比を保持して急激な変速を防ぐことができるのである。
【0040】
例えば、実変速比が目標変速比よりも小さい(High側)場合、上記(1)式より偏差は負となり、ソレノイド4の操作量は図3において中立値よりも小さくなる。従って、ソレノイド4はスプール5をダウンシフト側(Dmax側)へ向けて駆動して、入力プーリピストン室20はドレーンポート2cと連通するため、圧油が排出されてダウンシフトし、無段変速機17の変速比は大きくなる。
【0041】
このとき、中立値からの操作量が大きくなっても、CVTコントロールユニット1からの指令値は、図3の下限値以上に規制されるため、前記従来例のように図5に示した区間B1、C1へ入ることがなくなって、変速不能となるのを防いで常時安定した変速制御を行うことができるのである。
【0042】
逆に、実変速比が目標変速比よりも大きい(Low側)場合、上記(1)式より偏差は正となり、ソレノイド4の操作量は図3において中立値よりも大きくなる。
【0043】
従って、ソレノイド4はスプール5をアップシフト側(Umax側)へ向けて駆動して、入力プーリピストン室20はライン圧ポート2aと連通するため、圧油が供給されてアップシフトし、無段変速機17の変速比は小さくなる。
【0044】
このとき、中立値からの操作量が大きくなっても、CVTコントロールユニット1からの指令値は、図3の上限値以下に規制されるため、前記従来例のように図5に示した区間B2、C2へ入ることがなくなって、変速不能となるのを防いで常時安定した変速制御を行うことができ、ベルト式無段変速機を備えた車両のフェイルセーフを確保しながら変速動作を安定させることが可能となり、また、最大の変速速度で変速動作を行うことで応答性を向上させることができる。
【0045】
図4は第2の実施形態を示し、前記第1実施形態の上限値及び下限値を、それぞれ中立値側へ移動したもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
【0046】
すなわち、上限値は、変速制御弁2のピストン圧ポート2bとライン圧ポート2aの連通量が最大となる点Umaxよりも小さい所定値に設定され、下限値は、同じく変速制御弁2のピストン圧ポート2bとドレーンポート2cの連通量が最大となる点Dmaxよりも大きい所定値に設定され、CVTコントロールユニット1からソレノイド4へ指令する操作量は、図4の区間A’となる。
【0047】
この場合では、上限値及び下限値は点Umax及びDmaxよりも中立値側に設定されるため、入力プーリピストン室20への作動油の過大な給排を抑制でき、変速速度が過大になるのを規制して、ベルト式無段変速機を備えた車両のフェイルセーフを確保しながら、円滑な変速制御を行うことができ、上限値、下限値の設定によって、変速特性(最大変速速度)を容易に変更することができるのである。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、第1の発明は、変速比制御用の入力プーリのピストン室への作動油の給排を、変速制御弁のライン圧ポートまたはドレーンポートの連通量に応じて行い、アクチュエータは運転状態に応じた変速比となるような操作量に基づいて変速制御弁を駆動する。そして、アクチュエータが非動作状態または最大動作状態となると入力プーリピストン室の作動油は封止されるため、変速制御手段等の故障時には急激な変速動作を防止でき、さらに、アクチュエータの操作量は、所定の上限値、下限値以内に規制されるため、例えば、目標変速比と実変速比の偏差が所定値を超えて増大しても、制御ゲインが負(発散)となる領域の使用を避けることができ、ベルト式無段変速機を備えた車両のフェイルセーフを確保しながら常時安定した変速制御を行うことが可能となる。
【0049】
そして、アクチュエータの操作量は、変速制御弁が入力プーリピストン室とライン圧ポートの連通量が最大となる位置から、入力プーリピストン室とドレーンポートの連通量が最大となる位置の間となり、この上限値と下限値の間で迅速な変速動作を確保しながら制御ゲインが負(発散)となる領域の使用を避けることができ、ベルト式無段変速機のフェイルセーフを確保しながら常時安定した変速制御を行うことができ、また、最大の変速速度で応答性を向上することができる。
【0050】
また、第2の発明は、操作量の上限値及び下限値を入力プーリピストン室とライン圧ポート又はドレーンポートの連通量が最大となる位置よりも所定の中立値側に設定したため、変速速度が過大になるのを防いで、フェイルセーフを確保しながら円滑な変速動作を行うことができ、上限値、下限値の設定に応じて変速特性を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を示すベルト式無段変速機のブロック図。
【図2】 CVTコントルールユニットで行われる変速制御の一例を示すフローチャート。
【図3】 CVTコントロールユニットからソレノイドへの操作量(スプールの位置)と、ピストン室とライン圧ポート又はドレーンポートの連通量の関係を示すグラフ。
【図4】 第2の実施形態を示し、CVTコントロールユニットからソレノイドへの操作量と変速制御弁の連通量の関係を示すグラフ。
【図5】 従来例の変速制御弁を示す概略図で、(A)はソレノイドの推力が最小のときのスプールの位置を示し、(B)は無段変速機がダウンシフト状態のスプールの位置を、(C)は同じくスプールの中立位置を、(D)は同じくアップシフト状態のスプールの位置を、(E)はソレノイドの推力が最大のときのスプールの位置をそれぞれ示す。
【図6】 同じく従来のCVTコントロールユニットからソレノイドへの操作量と変速制御弁の連通量の関係を示すグラフ。
【図7】 第1または第2の発明に対応するクレーム対応図。
【符号の説明】
1 CVTコントロールユニット
2 変速制御弁
2a ライン圧ポート
2b ピストン圧ポート
2c ドレーンポート
3 油圧コントロールバルブ
4 ソレノイド
5 スプール
5a,5b,5c ランド
6 入力回転数センサ
7 出力回転数センサ
9 スプリング
16 入力プーリ
17 無段変速機
22 固定円錐板
20 入力プーリピストン室
18 可動円錐板
24 Vベルト
26 出力プーリ
30 固定円錐板
32 出力プーリピストン室
34 可動円錐板
100 変速制御手段
101 入力プーリ
102 出力プーリ
103、104 ピストン室
105 ライン圧供給手段
106 変速制御弁
107 アクチュエータ
100 変速制御手段
108 変速禁止手段
110 規制手段

Claims (2)

  1. ベルトの接触プーリ幅が油圧に基づいて可変制御される入力プーリ及び出力プーリと、
    前記入力プーリと出力プーリにそれぞれ形成されてプーリ幅を縮小する方向に駆動するピストン室と、
    前記出力プーリのピストン室へ所定のライン圧を供給するライン圧供給手段と、
    前記入力プーリのピストン室への作動油を、ライン圧ポートまたはドレーンポートの一方との連通量に応じて給排する変速制御弁と、
    この変速制御弁を駆動するアクチュエータと、
    車両の運転状態に応じて演算した操作量に基づいて前記アクチュエータを駆動する変速制御手段と、
    前記変速制御弁に形成されて、前記アクチュエータが非動作状態または最大動作状態のときに前記入力プーリピストン室への作動油の給排を禁止する変速禁止手段とを備えたベルト式無段変速機の変速制御装置において、
    前記変速制御手段は、前記操作量が所定の上限値及び下限値を超えないように規制する規制手段を備え
    前記規制手段は、前記上限値を変速制御弁が入力プーリピストン室とライン圧ポートの連通量が最大となる位置に設定する一方、
    下限値を変速制御弁が入力プーリピストン室とドレーンポートの連通量が最大となる位置に設定したことを特徴とするベルト式無段変速機の変速制御装置。
  2. ベルトの接触プーリ幅が油圧に基づいて可変制御される入力プーリ及び出力プーリと、
    前記入力プーリと出力プーリにそれぞれ形成されてプーリ幅を縮小する方向に駆動するピストン室と、
    前記出力プーリのピストン室へ所定のライン圧を供給するライン圧供給手段と、
    前記入力プーリのピストン室への作動油を、ライン圧ポートまたはドレーンポートの一方との連通量に応じて給排する変速制御弁と、
    この変速制御弁を駆動するアクチュエータと、
    車両の運転状態に応じて演算した操作量に基づいて前記アクチュエータを駆動する変速制御手段と、
    前記変速制御弁に形成されて、前記アクチュエータが非動作状態または最大動作状態のときに前記入力プーリピストン室への作動油の給排を禁止する変速禁止手段とを備えたベルト式無段変速機の変速制御装置において、
    前記変速制御手段は、前記操作量が所定の上限値及び下限値を超えないように規制する規制手段を備え
    前記規制手段は、前記上限値を変速制御弁が入力プーリピストン室とライン圧ポートの連通量が最大となる位置よりも所定の中立値側に設定する一方、
    前記下限値を変速制御弁が入力プーリピストン室とドレーンポートの連通量が最大となる位置よりも所定の中立値側に設定したことを特徴とするベルト式無段変速機の変速制御装置。
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