JP3635691B2 - 冷媒蒸発器およびこれを用いた車両用空調装置 - Google Patents

冷媒蒸発器およびこれを用いた車両用空調装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は冷媒蒸発器に関するもので、特には積層型冷媒蒸発器に用いて有効なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷媒蒸発器として例えば特開平1−305275号公報に開示されたものが知られている。このものは図14に示すように、冷媒通路を形成するU字状の通路形成用くぼみ部101と、このくぼみ部101よりさらに深いくぼみ量を有し、かつ円形状の連通穴104および105が形成された第1タンク形成用くぼみ部102および第2タンク形成用くぼみ部103とが形成されたプレート100を対にして向かい合わせて接合し、この一対のプレート100を複数積層することによって、上記第1タンク形成用くぼみ部102にて入口タンク、第2タンク形成用くぼみ部103にて出口タンク、および通路形成用くぼみ部101にてチューブを構成している。
【0003】
そして、この複数積層された各プレート100の間に、冷媒と空気との熱交換を促進するためのフィン123を設けることによって、図4に示すような積層型冷媒蒸発器6を形成している。
さらに上記くぼみ部101と連通穴104との間には、略コの字状の保持部110が形成されている。また、この保持部110の受皿部110aは連通穴104の最下部点Lよりも下に位置し、受皿部110aの両端の先端部110bは上記最下部点Lよりも上に位置している。
【0004】
従って、積層されたプレート100のうちの一端側に設けられた入口パイプ121から流れてきた液冷媒は、まず入口パイプ121に最も近いプレート100の連通穴104を通ってこのプレート100の受皿部110aに溜まる。そしてこの受皿部110aの冷媒液面が上記最下部点Lよりも高くなったら、隣のプレート100の連通穴104を通ってこのプレート100の受皿部110aに液冷媒が溜まる。
【0005】
これを繰り返し、すべてのプレート100の受皿部110aに液冷媒が溜まり、すべての受皿部110aの冷媒液面が上記先端部110bよりも高くなったら、第1タンク形成用くぼみ部102と通路形成用くぼみ部101との間の連通通路107から液冷媒が各プレート100の通路形成用くぼみ部101(チューブ)に分配される。
【0006】
そして各チューブに分配された液冷媒は連通穴105を介して、積層されたプレート100のうちの他端側に設けられた出口パイプ122から導出され、図示しない圧縮機に導かれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記公知技術によると、入口パイプ121から連通穴104に導入される冷媒の流速が遅い場合は、すべてのプレート100において、受皿部110aに溜まった液冷媒が同じタイミングで連通通路107から各チューブに分配され、その結果、すべてのチューブに分配される液冷媒量が均一となる。
【0008】
しかし、入口パイプ121から連通穴104に導入される冷媒の流速が速い場合は図15に示すように、入口パイプから遠くなる程、入口タンク内での冷媒液面が高くなる。従って、入口パイプから遠くなる程、上記連通通路107からあふれる液冷媒量が多くなり、その結果、各チューブに分配される液冷媒量が不均一になるといった問題が発生する。
【0009】
そこで本発明は上記問題に鑑み、蒸発器内に導入される冷媒流速とは関係無く、常にすべてのチューブに液冷媒が分配されるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、
冷媒を導入するための導入口(104)を有する入口タンク(102)と、
この入口タンク(102)の長手方向に複数本並んで接続され、前記入口タンク(102)内の冷媒がそれぞれ分配されるチューブ(101)と、
このチューブ(101)内を通過した冷媒を導出するための導出口(105)を有する出口タンク(103)と、
前記入口タンク(102)内における前記導入口(104)と前記チューブ(101)との間に設けられ、前記導入口(104)より導入された冷媒を貯留する保持部(110)と
を備えた冷媒蒸発器(6)において、
前記保持部(110)の先端部(Q)は、前記導入口(104)の重力方向最下部(L)よりも重力方向上方にあり、
前記保持部(110)には、液冷媒を前記チューブ(101)に導く第1連通通路(106)が形成され、
この第1連通通路(106)は、重力方向の最も下方に位置する前記第1連通通路(106)と前記保持部(110)の前記導入口(104)側における内壁面とが接触する点(P)から、前記保持部(110)に液面を形成するのに必要な所定寸法だけ重力方向に上方の点(Q)までの範囲の部位に形成され、
前記第1連通通路(106)よりも重力方向上方に気冷媒を前記チューブ(101)に導く第2連通通路(107)が形成され、
前記第1連通通路(106)の冷媒流路面積(S1 )に対する前記第2連通通路(107)の冷媒流路面積(S2 )の比(S2 /S1 )が2.5以上である冷媒蒸発器を特徴とする。
【0011】
また請求項2記載の発明では、請求項1記載の冷媒蒸発器において、
前記所定寸法が3mmであることを特徴とする。
また請求項3記載の発明では、請求項1記載の冷媒蒸発器において、
前記第1連通通路(106)の冷媒流路面積(S1 )が50.24(mm2 )以下であることを特徴とする。
【0012】
また請求項4記載の発明では、
請求項1ないし3いずれか1つ記載の冷媒蒸発器(6)、圧縮機(2)、凝縮器(3)、および減圧手段(5)を備える冷凍サイクル装置(1)と、
空気流を発生する送風手段(14)と、
前記送風手段からの空気を車室内に導く空気通路(10)と
を備え、
前記冷媒蒸発器(6)は、前記第1連通通路(106)に対して前記第2連通通路(107)が重力方向上方に位置するように前記空気通路(10)内に設けられた車両用空調装置を特徴とする。
【0013】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施例の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0014】
【発明の作用効果】
請求項1記載の発明によれば、入口タンク(102)内における導入口(104)とチューブ(101)との間に保持部(110)が設けられており、この保持部には液冷媒をチューブに導く第1連通通路(106)と気冷媒をチューブに導く第2冷媒通路(107)とが形成されている。
【0015】
ここで第1連通通路(106)は、上記点(P)から、保持部に液面を形成するのに必要な所定寸法だけ重力方向に上方の点(Q)までの範囲の部位に形成され、かつ第2連通通路(107)は第1連通通路(106)よりも重力方向上方に形成されたものである。
そして第1連通通路(106)の冷媒流路面積(S1 )に対する第2連通通路(107)の冷媒流路面積(S2 )の比(S2 /S1 )が2.5以上に設定されているので、本発明の冷媒蒸発器(6)を冷凍サイクル中で使用した場合に、この冷凍サイクルの高圧圧力が例えば2〜3(kg/cm2.G)と低いときはもちろん、例えば15(kg/cm2.G)となっても、入口タンク内に流入する冷媒のうちの気冷媒は第2連通通路(107)からのみチューブに導かれる。従って第1連通通路(106)からは液冷媒のみがチューブに導かれるため、保持部(110)に液面が形成され、この保持部に液が貯留される。
【0016】
従って、入口タンク内に流入する冷媒の流速が遅い場合は、この冷媒はまず冷媒入口に近い側の保持部に貯留される。そしてこの保持部の第1連通通路(106)から一部の液冷媒がチューブに導かれながら保持部の液面が高くなり、液面が導入口の重力方向最下部(L)よりも重力方向上方になると、液は隣の保持部に貯留される。
【0017】
そしてこれを繰り返していき、すべての保持部の第1連通通路から液冷媒の一部がそれぞれのチューブに導かれながら、すべての保持部に液が貯留され、さらに液面が高くなって保持部の先端部(Q)よりも高くなると、第2連通通路(107)からも液冷媒がチューブに分配されるようになる。従って、この場合は各チューブにほぼ均等に液冷媒が分配される。
【0018】
また、入口タンク内に流入する冷媒の流速が速い場合は、冷媒入口から遠い側の方が入口タンク内における冷媒の液面が高くなるが、本発明では保持部に第1連通通路(106)が形成されており、保持部に貯留された液冷媒の一部がこの第1連通通路から常にチューブに導かれるので、この場合においてもすべてのチューブに液冷媒を分配することができる。
【0019】
特に請求項3記載の発明では、第1連通通路の冷媒流路面積(S1 )が50.24(mm2 )以下であるので、上記比(S2 /S1 )を2.5以上にするにあたって、第1連通通路からチューブに導かれる冷媒量があまり多くならないようにすることができ、保持部に液面が形成され易くなる。
また請求項4記載の発明のように構成した車両用空調装置では、車両の環境条件等から冷凍サイクルを夏場も冬場も作動させる必要があり、この冷凍サイクルの高圧圧力が冬場で約2〜3(kg/cm2.G)、夏場で約15(kg/cm2.G)に達する。
【0020】
従って、本発明では上記のように高圧圧力が約2〜15(kg/cm2.G)の範囲で変化するので、請求項1ないし3いずれか1つ記載の蒸発器をこの冷凍サイクル中に用いることによって、季節に関係無く、常に所定量の液冷媒をすべてのチューブに分配することができ、これによって車室内へ吹き出す空気の温度の偏りを極力少なくすることができる。
【0021】
【実施例】
次に、本発明を自動車用空調装置としての冷媒蒸発器に適用した実施例について、図1ないし図13に基づいて説明する。
まず初めに本実施例の冷凍サイクルおよび通風系について図1を用いて説明する。
【0022】
図1に示すように、冷凍サイクル1は、冷媒を吸入、圧縮、吐出する圧縮機2と、圧縮機2からの高圧冷媒を凝縮する凝縮器3と、凝縮器3からの気液2層冷媒のうちの液冷媒のみを吐出する受液器4と、受液器4からの冷媒を減圧膨張する膨張弁(減圧手段)5と、膨張弁5からの冷媒を蒸発させる蒸発器6とからなる。
【0023】
また上記圧縮機2は、マグネットクラッチ7およびベルト8を介して自動車エンジン9と連結されており、マグネットクラッチ7が通電されてオンすることによって自動車エンジン9の回転動力が圧縮機2に伝達される。
また上記蒸発器6は、車室内と連通した空調ダクト10(空気通路)内に配設されている。この空調ダクト10の空気上流側には、車室内気を吸入する内気吸入口11と外気を吸入する外気吸入口12とが形成されており、これら吸入口11、12は内外気切換手段13によって選択的に開閉される。そしてこの下流側には、内気または外気を吸入して車室内側に送風する送風手段14が設けられている。
【0024】
また空調ダクト10内のうち蒸発器6の空気下流側には、空気を加熱する加熱手段15が設けられており、空調ダクト10の下流端には、車両窓ガラスに向けて空気を吹き出すためのデフロスタ吹出口16、車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すためのフェイス吹出口17、および車室内乗員の足元に向けて空気を吹き出すためのフット吹出口18が形成されている。そしてこれらの吹出口は吹出口切換手段19によって選択的に開閉される。
【0025】
そしてマグネットクラッチ7がオンして圧縮機2が駆動すると、蒸発器6が送風手段14からの空気を除湿冷却し、この冷風がエアミックスドア(温度調節手段)20によって温度調節された後、上記吹出口16〜18のいずれかから車室内に吹き出される。
次に上記蒸発器6の具体的構造について説明する。
【0026】
図2において、プレート100は板厚が0.5〜0.6(mm)の両面クラッド材よりなる。具体的にその心材はA3003材等よりなり、またクラッドされる皮材としてはA4004材よりなり、片側クラッド率は10〜15(%)の板材よりプレス成形される。
このプレート100にはプレス成形によってU字状をなす通路形成用くぼみ部101が形成されている。この通路形成用くぼみ部101はU字状をなすものであるので、その中心部には仕切りリブ108が形成されている。また、通路形成用くぼみ部101には、図中紙面上方に浮き上がる複数のリブ109が膨出形成されている。
【0027】
このU字状をなす通路形成用くぼみ部101の両端には、このくぼみ部101よりさらに深いくぼみ量を有する第1タンク形成用くぼみ部102および第2タンク形成用くぼみ部103が形成されている。
この第1タンク形成用くぼみ部102の底部には、ほぼ円形状をなす第1連通穴104が貫通して設けられている。また、第2タンク形成用くぼみ部103の底部には、ほぼ円形状をなす第2連通穴105が貫通して設けられている。なお、第2連通穴105の周縁部には、プレート100を向かい合わせて接合し、これによって形成される通路ユニットを複数段積層する際に位置決めの役割をなすフランジ部(図示しない)が形成されている。
【0028】
さらに、通路形成用くぼみ部101と第1連通穴104との間、および通路形成用くぼみ部101と第2連通穴105との間には、略円弧状の補強用リブ110、111が形成されている。なお、補強用リブ110、111の先端部110a、111aは第1連通穴104および第2連通穴105の最下部点Lよりも上方に位置するとともに、第1連通穴104および第2連通穴105の最上部点Uよりも下方に位置している。
【0029】
さらにリブ110、111には、くぼみ部102とくぼみ部101、およびくぼみ部103とくぼみ部101をそれぞれ連通させる第1連通通路106および第2連通通路107が形成されている。ここで第1連通通路106は断面略円形状であり、その直径は8mm以下である。つまり、第1連通通路106の冷媒流路面積S1 は50.24(mm2 )以下である。また、第1連通通路106の冷媒流路面積S1 に対して第2連通通路107の冷媒流路面積S2 の方が大きく設定されており、この実施例ではS2 /S1 が2.5より大きくなるように設定されている。
【0030】
また、上記第1連通通路106のリブ110内壁面側端部P(図3参照)から重力方向の上方に3mmのところに、上記第2連通通路107の最下部点Q(図3参照)が形成されている。また、上記第1連通通路106のリブ111内壁面側端部R(図3参照)から重力方向の上方に3mmのところに、上記第2連通通路107の最下部点S(図3参照)が形成されている。
【0031】
以上のようにプレス成形されたプレート100を一対にして向かい合わせて接合した場合、プレート100の外周100a、仕切りリブ108、リブ109、リブ110、およびリブ111どうしが互いに当接した状態となる。そしてくぼみ部101によってチューブが形成される。また、リブ110と相手側のプレートのリブ111とが当接することによって、第1連通穴104からの冷媒を貯留する保持部が形成される。
【0032】
そしてこれら一対のプレート100を図4、図5に示すように互いの連通穴104、105が重なり合うようにして複数段積層する。
複数積層されることによって形成される通路ユニット300のそれぞれの間には、空気との接触面積を増大させ放熱効果を促進させるための波状のコルゲートフィン123が設けられている。また、通路ユニット300の積層方向両端にはサイドプレート131、132が設けられている。そしてこの通路ユニット300の積層方向一端部に位置する通路ユニットには第1連通穴104に接合される入口パイプ121が連結されている。また、通路ユニット300の積層方向他端部の第2連通穴105には出口パイプ122が連結されている。
【0033】
そしてこれらは炉中で一体ろう付けすることによって一体成形される。
このようにして積層された通路ユニット300の第1連通穴104は互いに連通した状態となっており、前述した第1タンク形成用くぼみ部102によって長手方向に伸びる略円筒状のタンク部が形成されている。ここでこのタンク部は、入口パイプ121から冷媒を導入して各チューブに分配するので入口タンクと呼ぶ。
【0034】
また、積層された通路ユニット300の第2連通穴105は互いに連通した状態となっており、前述した第2タンク形成用くぼみ部103によって長手方向に伸びる略円筒状のタンク部が形成されている。ここでこのタンク部は、通路形成用くぼみ部101からの冷媒を集合させて出口パイプ122から上記圧縮機2(図1)に導出するので出口タンクと呼ぶ。
【0035】
また、補強用リブ110、111は各タンク部の長手方向に並んで接続されている。また、補強用リブ110、111の先端部110a、111aの高さはすべて等しい。
ところで本実施例の冷凍サイクル1は自動車に搭載されるものである。自動車のような車両では、夏場は車室内を冷房するために圧縮機2を駆動して冷凍サイクル1を作動させ、蒸発器6にて空調ダクト10内の空気を冷却する。また冬場にも、窓ガラスの防曇のために圧縮機2を駆動して冷凍サイクル1を作動させ、蒸発器6にて空調ダクト10内の空気を除湿する。
【0036】
ここで、夏場は外気温度が高いので、この高温外気で凝縮器3を放熱する能力が不足し、その結果、冷凍サイクル1の高圧圧力が約15(kg/cm2.G)に達する。一方、冬場は外気温度が低いので、凝縮器3を放熱する能力が十分であり、高圧圧力は約2〜3(kg/cm2.G)と低くなる。このように車両用空調装置における冷凍サイクルでは、年間を通してみると高圧圧力の変動幅が大きい。
【0037】
高圧圧力が高いときは蒸発器6の入口タンク内に流入する冷媒乾き度が高く、冷媒のガス含有量が多くなるため、第1連通通路106の冷媒流路面積S1 に対する第2連通通路107の冷媒流路面積S2 の比(S2 /S1 )を大きくしないと第1連通通路106からもガスが流出してしまい、保持部110に液面が形成されなくなる。
【0038】
逆に高圧圧力が低いときには蒸発器6の入口タンク内に流入する冷媒乾き度が低く、ガス含有量も少なくなるため、上記比(S2 /S1 )をそれほど大きくしなくてもガス冷媒は第2連通通路107からしか流出せず、保持部110に液面が形成される。
ここで、高圧圧力と上記比(S2 /S1 )との関係を図6に示す。つまり、蒸発器6側の低圧圧力が2〜3(kg/cm2.G)のときにおいて、高圧圧力が低いときにはS2 /S1 が小さくても保持部110に液面が形成される。そして高圧圧力が大きくなるに応じて保持部110に液面が形成されるのに必要なS2 /S1 が大きくなり、高圧圧力が15(kg/cm2.G)のときにはS2 /S1 ≧2.5としなければ保持部110に液面が形成されなくなる。
【0039】
従って、本実施例では上記のように高圧圧力が約15(kg/cm2.G)にまで達するので、常に保持部110に液面を形成させるためにS2 /S1 ≧2.5となるように第1連通通路106および第2連通通路107を形成している。
次に上記構成における作動を説明する。
冷凍サイクル1が作動すると冷媒が入口パイプ121から入口タンクに流入する。ここで、例えば冬場のように高圧圧力が低いと入口タンクに流入する冷媒の乾き度が低いので、入口タンクに流入する冷媒の速度は遅くなる。このように冷媒の流入速度が遅いときは、入口タンクのうちの最も入口パイプ121側に位置する一対のプレート100の補強用リブ110(以下、保持部110という)にまず液冷媒が貯留され、この貯留された液冷媒の一部が第1連通通路106からチューブへ流出する。
【0040】
そして液冷媒の液面の高さが上記最下部点Lよりも高くなると、隣に位置する一対のプレートの保持部110に液冷媒が貯留され、この貯留された液冷媒の一部が第1連通通路106からチューブへ流出する。そしてこれらを繰り返し、導入パイプ121から最も離れた一対のプレートの保持部110に液冷媒が貯留され、この貯留された液冷媒の一部が第1連通通路106からチューブへ流出する。
【0041】
そしてすべての保持部110に液冷媒が貯留され、各保持部110の液面の高さが各保持部110の先端部110aよりも高くなると、第2連通通路107より各チューブに気液2層冷媒が分配される。ここで、各先端部110aの高さがすべて等しいため、各保持部110に貯留される液冷媒の液面の高さが均一となり、各チューブに分配される液冷媒量は均一となる。
【0042】
そして各チューブに分配された冷媒はこのチューブをU字状に流れ、出口タンクに流入する。そして出口タンクに流入した冷媒は出口パイプ122から圧縮機2に導かれる。
一方、夏場のように高圧圧力が高いと入口タンクに流入する冷媒の乾き度が高いので、入口タンクに流入する冷媒の速度は速くなる。このように冷媒の流入速度が速いときは、図14に示すように入口パイプ121から遠くなる程、入口タンク内での冷媒の液面が高くなるが、本実施例では保持部110に第1連通通路106が形成されているので、入口パイプ121に近い側においても第1連通通路106から常に液冷媒が流れる。
【0043】
このように本実施例では、入口タンクに流入する冷媒速度に関係なく、常に所定量の液冷媒を各チューブに流入させることができるので、従来のように冷媒流入速度が速いときに入口パイプ121に近い側のチューブに液冷媒が分配されないといった問題をなくすことができる。
特に本実施例では、上記比(S2 /S1 )が2.5以上となるように設定しているので、冬場のように高圧圧力が低いときから夏場のように高圧圧力が高いときまで、常に保持部110に冷媒液面を形成することができる。
【0044】
つまり、保持部110に液面が形成されない場合は、保持部110に液冷媒が貯留されず第1連通通路106からそのままチューブに流れるということなので、入口タンク内に流入した冷媒は入口パイプ121に近い側から優先的にチューブに流入する。従って、入口パイプ121に遠い側のチューブには液冷媒が十分にいきわたらなくなる。
【0045】
その点本実施例は保持部110に液面が常に形成される(保持部110に液が貯留される)ので、これによってこの貯留された液冷媒を第1連通通路106から各チューブに分配することができ、入口パイプ121に遠い側のチューブにも液冷媒を分配することができる。
(他の実施例)
図7に示すように、保持部110を構成するリブ110を複数設け、これによって開口部121〜125を形成する。このうち最も下に位置する開口部122のリブ110内壁面側端部Pから重力方向上方(図中上方)3mmまでの通路が第1連通通路を構成する。つまり開口部122〜124は第1連通通路を構成し、開口部125は第2連通通路を構成する。また開口部121は線Tよりも図中下方側が第1連通通路を構成し、線Tよりも図中上方側が第2連通通路を構成する。
【0046】
この場合も第1連通通路の冷媒流路面積S1 に対する第2連通通路の冷媒流路面積S2 の比(S2 /S1 )は2.5以上に設定されており、これによって常に保持部110に液面が形成される。
また図8に示すように、図7のものに対してリブ111を無くしても良い。
また図9に示す実施例では、略円弧状となるようにリブ110を複数設け、各リブ間に開口部131〜134を形成している。そしてこのうち最も下方に位置する開口部134のリブ110内壁面側端部Pから、重力方向上方(図中上方)3mmのところの点Qまでの開口部を第1連通通路とする。つまり開口部133、134にて第1連通通路を構成している。そして点Qより上方の開口部131、132にて第2連通通路を構成している。なお、点Qより下方にあるリブ110にて保持部を構成している。
【0047】
この実施例の場合も第1連通通路の冷媒流路面積S1 に対する第2連通通路の冷媒流路面積S2 の比(S2 /S1 )は2.5以上に設定されており、これによって常に保持部110に液面が形成される。
また図10、図11に示すように、一端側が閉塞し、他端側に突起部144が形成され、側面に複数の穴141〜143(図11参照)が形成された別設パイプ140を入口タンクの第1連通穴104の中に設けることによって上記第1連通通路106および第2連通通路107を構成しても良い。
【0048】
具体的には、ろう材にて片面クラッドされたA3003材等の心材を、所定の型によって他端側に突起部144を有するパイプ状に形成し、その後打ち抜きによって複数の穴141〜143を形成することによって別設パイプ140を形成する。そしてこの別設パイプ140を上記一端側から第1連通穴104内に挿入する。このとき上記突起部144がストッパの役目を果たす。ここで別設パイプ140を第1連通穴104内に挿入するとき、直径8mm以下に形成された穴142が最も下に位置するように挿入する。
【0049】
そして別設パイプ140を挿入した後にサイドプレート131を被せ、これを炉中で一体ろう付けすることによって蒸発器6を形成する。
この実施例によると、図10のA−A矢視断面図である図11に示すように、穴141および穴143が穴142に対して上方に位置する。ここでは、穴141、143の重力方向最下部点(図中最下部点)Qは、穴142のリブ110内壁面側端部の点Pに対して重力方向において3mm以上上方となるように設定されている。つまり、別設パイプ140のうち穴141と142との間の部位、および穴143と142との間の部位にて保持部110を構成している。
【0050】
さらに穴141の開口面積と穴143の開口面積との和(S2 )と、穴142の開口面積(S1 )との関係が、S2 /S1 ≧2.5となるように設定されている。
これによって、上記各実施例と同様の効果が得られると同時に、本実施例では保持部110を別設パイプ140によって構成するので、別設パイプ140を除く蒸発器6本体を同一形状としながら別設パイプ140の穴の形状を変えることによって、色々な保持部110を持った蒸発器6を構成することができる。
【0051】
また図12、図13に示すように、プレートに保持部110が形成された蒸発器6の第1連通穴104内に、一端側が閉塞し、他端側に上記突起部144と同様の機能を果たす突起部152が形成され、側面に複数(本実施例では3つ)の穴151が形成された別設パイプ150を設けても良い。
この実施例の場合、上記穴151が図13中上方に位置している。この場合、入口タンク内に流入した冷媒が穴151から第1連通穴104内に分配された後、冷媒が各保持部110に分配されるので、この別設パイプ150が無い場合に比べて、入口タンク内に流入する冷媒速度が速いときにおける各保持部110の液面の高さを均一にすることができる。
【0052】
なお、この実施例では穴151が図13中上方となるように位置させたが、穴151の位置としては第1連通通路106および第2連通通路107と対向する位置でなく、かつ第1連通穴104の長手方向に対して略垂直方向であればどこでも良い。
また上記各実施例では、入口タンク長手方向における各プレート100について、上記比(S2 /S1 )がすべて同じであったが、図14に示す従来例のように入口タンクに流入する冷媒流速が速いときは入口パイプから遠い方の液面が高くなることから、これに対応するために、入口パイプから遠くなるに応じてS1 またはS2 を小さくするようにしても良い。この場合、各プレートのS2 /S1 の平均値が2.5以上となるようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施例の冷凍サイクルおよび通風系を示す概略構成図である。
【図2】上記実施例のプレート100を示す正面図である。
【図3】図2の一部拡大図である。
【図4】上記実施例および従来の冷媒蒸発器6を示す斜視図である。
【図5】図4に示す蒸発器6の上面図である。
【図6】上記実施例における、第1連通通路106の冷媒流路面積S1 に対する第2連通通路107の冷媒流路面積S2 の比(S2 /S1 )と高圧圧力との関係を示すグラフである。
【図7】本発明他の実施例のプレート100の要部拡大図である。
【図8】本発明他の実施例のプレート100の要部拡大図である。
【図9】本発明他の実施例のプレート100の要部拡大図である。
【図10】本発明他の実施例の蒸発器6の分解斜視図である。
【図11】図10実施例のプレート100の要部拡大図である。
【図12】本発明他の実施例の蒸発器6の分解斜視図である。
【図13】図12実施例のプレート100の要部拡大図である。
【図14】従来の蒸発器のプレート100を示す正面図である。
【図15】上記従来の蒸発器の冷媒流速が速いときを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1……冷凍サイクル、6……冷媒蒸発器、10……空調ダクト(空気通路)
14……送風手段、
101……チューブ、
102……第1タンク形成用くぼみ部(入口タンク)、
103……第2タンク形成用くぼみ部(出口タンク)、
104……第1連通穴(導入口)、105……第2連通穴(導出口)
106……第1連通通路、107……第2連通通路、
110……補強用リブ(保持部)

Claims (4)

  1. 冷媒を導入するための導入口を有する入口タンクと、
    この入口タンクの長手方向に複数本並んで接続され、前記入口タンク内の冷媒がそれぞれ分配されるチューブと、
    このチューブ内を通過した冷媒を導出するための導出口を有する出口タンクと、
    前記入口タンク内における前記導入口と前記チューブとの間に設けられ、前記導入口より導入された冷媒を貯留する保持部と
    を備えた冷媒蒸発器において、
    前記保持部の先端部は、前記導入口の重力方向最下部よりも重力方向上方にあり、
    前記保持部には、液冷媒を前記チューブに導く第1連通通路が形成され、
    この第1連通通路は、重力方向の最も下方に位置する前記第1連通通路と前記保持部の前記導入口側における内壁面とが接触する点から、前記保持部に液面を形成するのに必要な所定寸法だけ重力方向に上方の点までの範囲の部位に形成され、
    前記第1連通通路よりも重力方向上方に気冷媒を前記チューブに導く第2連通通路が形成され、
    前記第1連通通路の冷媒流路面積に対する前記第2連通通路の冷媒流路面積の比が2.5以上であることを特徴とする冷媒蒸発器。
  2. 前記所定寸法が3mmであることを特徴とする請求項1記載の冷媒蒸発器。
  3. 前記第1連通通路の冷媒流路面積が50.24(mm2 )以下であることを特徴とする請求項1記載の冷媒蒸発器。
  4. 請求項1ないし3いずれか1つ記載の冷媒蒸発器、圧縮機、凝縮器、および減圧手段を備える冷凍サイクル装置と、
    空気流を発生する送風手段と、
    前記送風手段からの空気を車室内に導く空気通路と
    を備え、
    前記冷媒蒸発器は、前記第1連通通路に対して前記第2連通通路が重力方向上方に位置するように前記空気通路内に設けられたことを特徴とする車両用空調装置。
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