JP3635127B2 - ブロックポリマーおよびその製造方法、表面改質剤、コーティング材組成物、多層塗膜並びに多層塗膜の形成方法 - Google Patents
ブロックポリマーおよびその製造方法、表面改質剤、コーティング材組成物、多層塗膜並びに多層塗膜の形成方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ブロックポリマー、特に、ポリオルガノシロキサンユニットとポリアルキレンオキサイドユニットとを含むブロックポリマーに関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
疎水性を示すポリオルガノシロキサンユニットと親水性を示すポリアルキレンオキサイドユニットとを有するブロックポリマーは、相反する特性を示すユニットを同一分子内に含むため、コーティング材料の表面改質剤として種々の分野での利用が期待されている。例えば、塗料に添加した場合、親水性を示すポリアルキレンオキサイドユニットのために塗膜の上塗り密着性を向上させることができると考えられる。しかし、現実には、ポリアルキレンオキサイドユニットの親水性が十分でないために、期待された効果は十分には得られない。
【0003】
このため、この種のブロックポリマーに関して、親水性を高めるための改良が検討されている。例えば、ポリアルキレンオキサイドユニット以外に極性の高い官能基を持てば、親水性が増加するものと考えられる。このような構造単位を有するブロックポリマーとして、例えば、末端に水酸基やカルボキシル基などの官能基を持つブロックポリマーがすでに知られている。ところが、このようなブロックポリマーも、全体の分子量に対して親水性に寄与する官能基濃度が低く、上述の効果は期待できない。
【0004】
また、特開平5−310944号には、ポリオルガノシロキサンユニット中に親水性を高め得る複数個の反応性官能基を有するブロックポリマーが開示されている。しかし、このブロックポリマーでは、反応性官能基が疎水性のポリオルガノシロキサンユニット中に存在するため、親水性の増加が小さく、目的とする効果は得られにくい。
従って、これらのブロックポリマーを用いた場合には、表面改質効果を十分達成することができない。
本発明の目的は、ポリオルガノシロキサンユニットとポリアルキレンオキサイドユニットとを含むブロックポリマーに関し、表面改質効果を高めることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のブロックポリマーは、少なくとも1つのポリオルガノシロキサンユニットと、少なくとも1つのポリアルキレンオキサイドユニットと、1級水酸基,カルボキシル基,カルボン酸塩基,1級アミノ基,2級アミノ基,アミド基,ウレタン結合を含む基およびアルコキシシリル基からなる群から選ばれる極性基を有しかつ両ユニットを連結する連結部とを含んでいる。
また、本発明のブロックポリマーは、下記の一般式(1)で表される。
【0006】
【化6】
【0007】
式中、
【0008】
【化7】
【0009】
【化8】
【0010】
R1 およびR2 は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、または炭素数7〜9のアラルキル基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0011】
【化9】
【0012】
R4およびR5は、炭素数1〜8でありかつ水酸基を有していてもよいアルキル基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。
Aは、水酸基、若しくは末端にカルボキシル基、カルボン酸塩基、1級アミノ基、2級アミノ基、アミド基またはウレタン結合を有する基を含む有機基である。
Ra〜Rfは、炭素数1〜8の有機基である。
aは1〜135、bは2〜230、cは1〜8の整数、および、dは1〜4の整数である。
【0013】
本発明に係るブロックポリマーの製造方法は、下記の工程を含んでいる。
◎ポリアルキレンオキサイドユニットおよびポリオルガノシロキサンユニットからなる群から選ばれた一方のユニットを含みかつ両末端にそれぞれ1級アミノ基を有するジアミン化合物の当該1級アミノ基と、1級水酸基とエポキシ基とを有するエポキシ化合物の当該エポキシ基とを反応させ、1級水酸基および2級アミノ基を有する化合物を製造する第1の反応工程。
◎前記第1の反応工程により得られた前記化合物に対し、ジアミン化合物に含まれるユニットとは異なる他方のユニットを含みかつ両末端にそれぞれエポキシ基を有するジエポキシ化合物をさらに反応させる第2の反応工程。
【0014】
この製造方法は、例えば、第2の反応工程により得られたブロックポリマーを2級アミンにより処理する工程をさらに含んでいる。
また、この製造方法は、例えば、第2の反応工程により得られたブロックポリマーにおいて、上述のエポキシ化合物に由来の1級水酸基を、カルボキシル基、カルボン酸塩基およびウレタン結合を含む基からなる群から選ばれた1つの基を末端に有する有機基に誘導する工程を更に含んでいる。
さらに、この製造方法では、例えば、ジアミン化合物1に対して、エポキシ化合物およびジエポキシ化合物をそれぞれ2および1の官能基当量比となるようジアミン化合物、エポキシ化合物およびジエポキシ化合物の量比を設定する。
【0015】
本発明に係るブロックポリマーの他の製造方法は、下記の工程を含んでいる。
◎ポリアルキレンオキサイドユニットおよびポリオルガノシロキサンユニットからなる群から選ばれた一方のユニットを含みかつ両末端にそれぞれエポキシ基を有するジエポキシ化合物Iの当該エポキシ基と、1級水酸基と1級アミノ基とを有するアミノ化合物の当該1級アミノ基とを反応させ、1級水酸基および2級アミノ基を有する化合物を製造する第1の反応工程。
◎第1の反応工程により得られた化合物に対し、ジエポキシ化合物Iに含まれるものとは異なる他方のユニットを含みかつ両末端にそれぞれエポキシ基を有するジエポキシ化合物IIをさらに反応させる第2の反応工程。
【0016】
この製造方法は、例えば、第2の反応工程により得られたブロックポリマーを2級アミンにより処理する工程をさらに含んでいる。
また、この製造方法は、例えば、第2の反応工程により得られたブロックポリマーにおいて、上述のアミノ化合物に由来の1級水酸基を、カルボキシル基、カルボン酸塩基およびウレタン結合を含む基からなる群から選ばれた1つの基を末端に有する有機基に誘導する工程を更に含んでいる。
さらに、この製造方法では、例えば、アミノ化合物1に対して、ジエポキシ化合物Iおよびジエポキシ化合物IIをそれぞれ0.5の官能基当量比となるようアミノ化合物、ジエポキシ化合物Iおよびジエポキシ化合物IIの量比を設定する。
【0017】
本発明に係るブロックポリマーの更に他の製造方法は、ポリアルキレンオキサイドユニットおよびポリオルガノシロキサンユニットからなる群から選ばれた一方のユニットを含みかつ両末端にそれぞれカルボキシル基を有するジカルボン酸化合物と、ジカルボン酸化合物に含まれるものとは異なるポリアルキレンオキサイドユニットまたはポリオルガノシロキサンユニットを含みかつ両末端にそれぞれ1級水酸基を有するジオール化合物と、多価アルコールとを反応させる工程を含んでいる。
【0018】
この製造方法では、例えば、多価アルコールに由来して得られる1級水酸基を、カルボン酸基、カルボン酸塩基、ウレタン結合を含む基およびアルコキシシリル基からなる群から選ばれた1つの基を末端に有する有機基に誘導する工程を更に含んでいる。
また、この製造方法では、例えば、ジカルボン酸化合物1に対して、ジオール化合物および多価アルコールをそれぞれ1および0.1〜0.3のモル比で反応させる。
【0019】
本発明に係るブロックポリマーの更に他の製造方法は、ポリアルキレンオキサイドユニットおよびポリオルガノシロキサンユニットからなる群から選ばれた一方のユニットを含みかつ両末端にそれぞれジイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物と、ジイソシアネート化合物に含まれるユニットとは異なる他方のユニットを含みかつ両末端にそれぞれ1級水酸基を有するジオール化合物と、多価アルコールとを反応させる工程を含んでいる。
【0020】
この製造方法は、例えば、多価アルコールに由来して得られる1級水酸基を、カルボキシル基、カルボン酸塩基、ウレタン結合を含む基およびアルコキシシリル基からなる群から選ばれた1つの基を末端に有する有機基に誘導する工程を更に含んでいる。
また、この製造方法では、例えば、ジイソシアネート化合物1に対して、ジオール化合物および多価アルコールをそれぞれの0.7〜0.8および0.3〜0.2のモル比で反応させる。
【0021】
本発明のコーティング材用表面改質剤は、本発明に係るいずれかのブロックポリマーを含んでいる。
【0022】
本発明のコーティング材組成物は、皮膜形成成分を含むコーティング材と、表面改質剤とを含んでいる。ここで、表面改質剤は、本発明に係るいずれかのブロックポリマーを含んでいる。なお、コーティング材は、例えば塗料である。
【0023】
本発明の多層塗膜は、少なくとも2層以上の塗膜が積層されており、最上層以外の層を形成している塗膜が皮膜形成成分と本発明に係るいずれかのブロックポリマーとを含んでいる。
本発明の多層塗膜の形成方法は、下記の工程を含んでいる。
◎皮膜形成成分と本発明に係るいずれかのブロックポリマーとを含む第1の塗料組成物による塗膜を形成する工程。
◎上述の塗膜上に、さらに第2の塗料組成物による塗膜を形成する工程。
【0024】
ブロックポリマー
本発明のブロックポリマーは、ポリオルガノシロキサンユニットと、ポリアルキレンオキサイドユニットと、連結部とを含んでいる。
<ポリオルガノシロキサンユニット>
ポリオルガノシロキサンユニットは、下記の一般式(I)で表される。
【0025】
【化10】
【0026】
一般式(I)において、R1 およびR2 は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、または炭素数7〜9のアラルキル基である。アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシルなどが例示できる。アリール基としては、フェニル、トリル、キシリル、t−ブチルフェニルなどが例示できる。アラルキル基としては、ベンジル、プロピルフェニルなどが例示できる。R1 およびR2 は、互いに同じであってもよいし異なっていてもよい。
aは1〜135である。
【0027】
このようなポリオルガノシロキサンユニットの具体例として好ましいのは、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチルプロピルシロキサンおよびポリジフェニルシロキサンである。ポリシロキサンユニットの重量平均分子量は、132〜10,000が好ましい。さらに好ましくは、600〜4,000である。重量平均分子量が132未満の場合には、本発明のブロックポリマーを表面改質剤として用いた場合の効果が得られにくい。逆に、10,000を上回ると、本発明のブロックポリマーを例えば塗料に添加した場合に、ハジキなどの不具合が生じる恐れがある。
本発明のブロックポリマーは、上述のポリオルガノシロキサンユニットを少なくとも1つ含んでいる。従って、本発明のブロックポリマーは、上述のポリオルガノシロキサンユニットを複数個含んでいてもよい。
【0028】
<ポリアルキレンオキサイドユニット>
ポリアルキレンオキサイドユニットは、下記の一般式(II)で表される。
−O(R3 O)b− (II)
式中、R3 は、−(CH2 )d−(dは1〜4の整数)、または、
−CH2(CH3)CH−であり、bは2〜230である。
【0029】
ポリアルキレンオキサイドユニットの具体例としては、例えば、ポリメチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサイドなどが挙げられる。親水性および製造の容易さを考慮すると、ポリエチレンオキサイドが好ましい。
【0030】
ポリアルキレンオキサイドユニットの重量平均分子量は、200〜10,000が好ましく、より好ましくは、400〜5,000である。重量平均分子量が200未満の場合には、本発明のブロックポリマーを表面改質剤として用いた場合の効果が得られにくい。逆に、10,000を上回ると、溶剤溶解性が低下するおそれがある。
本発明のブロックポリマーは、上述のポリアルキレンオキサイドユニットを少なくとも1つ含んでいる。従って、本発明のブロックポリマーは、上述のポリアルキレンオキサイドユニットを複数個含んでいてもよい。
【0031】
<連結部>
連結部は、上述のポリオルガノシロキサンユニットと上述のポリアルキレンオキサイドユニットとを結合している部分である。
連結部の構造は、極性基を含んでいる必要があるが、その他の部分については特に限定されない。例えば、当該連結部は、極性基を含んでいれば、炭素−炭素間の結合の他に、エステル結合、アミノエーテル結合、アミド結合、ウレタン結合などを含んでいてもよい。一般にその構造は、本発明のブロックポリマーの合成方法に依存する。
【0032】
連結部に含まれる極性基は、例えば、1級水酸基、カルボキシル基、カルボン酸塩基(例えば、カルボン酸のナトリウム塩やカリウム塩基)、1級アミノ基、2級アミノ基、アミド基、ウレタン結合を含む基(例えば、−OCONHC3H6等)またはアルコキシシリル基(例えば、トリメトキシシリル基やメチルジエトキシシリル基等)である。極性基は2種以上含まれていてもよい。なお、製造の容易さを考慮すると、好ましい極性基は1級水酸基またはアルコキシシリル基である。
連結部の分子量は400以下が好ましい。400を上回ると、ブロックポリマー中における連結部の占める割合が高くなり、本発明の効果が十分に得られにくい。なお、化学構造から計算される、極性基を含む連結部の分子量の下限は、29である。
【0033】
<ブロックポリマー>
本発明のブロックポリマーの重量平均分子量は、500〜50,000であることが好ましい。500未満では、表面改質剤として用いた場合の効果が不十分であり、50,000を上回ると溶剤溶解性が低下するおそれがある。
連結部が有する極性基の含有量は、ブロックポリマー中における官能基価で、15〜500であることが好ましい。さらに好ましくは、40〜200である。5未満では、表面改質剤として用いた場合の効果が十分でなく、500を上回ると溶剤溶解性が低下するおそれがある。なお、本発明における官能基価は以下の式で表される。
【0034】
【数1】
【0035】
本発明のブロックポリマーは、例えば、下記の一般式(1)で表すことができる。
【0036】
【化11】
【0037】
式中、U1 およびU2 は、それぞれポリオルガノシロキサンユニットまたはポリアルキレンオキサイドユニットを含んでいる。ただし、U1 およびU2 は、同時に同一のユニットを含まない。具体的には、U1 がポリオルガノシロキサンユニットを含んでいるときには、U2 はポリアルキレンオキサイドユニットを含んでいる。逆に、U1 がポリアルキレンオキサイドユニットを含んでいるときには、U2 はポリオルガノシロキサンユニットを含んでいる。より具体的に説明すると、下記の通りである。
【0038】
【化12】
【0039】
式中、R1 、R2 、R3 、aおよびbは、上述の通りである。
Ra〜Rfは、炭素数1〜8の有機基である。具体的には、−(CH2 )e−(eは1〜8の整数である)で表される有機基である。好ましくは、e=3のもの、すなわち、−(CH2)3−で表される有機基である。
Xは、−CH2CH(OH)CH2−である。
Yは、下記の(i)、(ii)または(iii)から選ばれる。
【0040】
【化13】
【0041】
Z1 およびZ2 は、下記の(iv)または(v)から選ばれる。なお、Z1 およびZ2 は互いに同一でもよいし、異なっていてもよい。
【0042】
【化14】
【0043】
式中、R4 およびR5 は、炭素数1〜8でありかつ水酸基を有していてもよいアルキル基であり、互いに同一でもよいし、異なっていてもよい。
Aは、水酸基、若しくは末端にカルボキシル基、カルボン酸塩基、1級アミノ基、2級アミノ基、アミド基、ウレタン結合を含む基またはアルコキシシリル基を含む有機基である。このようなAの具体例は、例えば次の通りである。
【0044】
【化15】
【0045】
上述の一般式(1)で表されるブロックポリマーについて、ポリオルガノシロキサンユニット、ポリアルキレンオキサイドユニットおよび連結部の位置関係を示すと下記のようになる。
【0046】
【化16】
【0047】
ブロックポリマーの製造方法
〔連結部に含まれる極性基が1級水酸基の場合〕
この場合、本発明のブロックポリマーは、ポリオルガノシロキサンユニットを有しかつ反応性官能基を2つ有する化合物A、ポリアルキレンオキサイドユニットを有しかつ反応性官能基を2つ有する化合物B、および1級水酸基を有しかつ反応性官能基を少なくとも1つ有する化合物Cを反応させることにより得られる。
【0048】
このような反応を実施するためには、化合物A,BおよびCが有する反応性官能基の組み合わせを調整する必要がある。可能な組み合わせとしては、アミノ基−エポキシ基、水酸基−カルボキシル基、アミノ基−酸ハライド基、水酸基−酸ハライド基、アミノ基−イソシアネート基、水酸基−イソシアネート基、エポキシ基−カルボキシル基が例示できる。
化合物A,BおよびCに含まれる反応性官能基の組み合せは、原料入手の容易性および反応設計の点を考慮すると、下記の表1に示すものが好ましい。
【0049】
【表1】
【0050】
表1における1A〜4Bの組み合わせは、反応方法によって、1A、1Bおよび2Aのグループ(グループa)と、3A、3B、4Aおよび4Bのグループ(グループb)とに分類することができる。グループaとグループbとは、前者が、まず化合物AまたはBのどちらかに化合物Cを反応させ(第1の反応)、次に先ほどと異なる化合物AまたはB(先に化合物Aを用いた場合は化合物B、先に化合物Bを用いた場合は化合物A)を反応させる(第2の反応)、2段階の反応を用いるのに対して、後者は、化合物A、BおよびCを一度に反応させる点で異なる。
【0051】
<グループaの反応について>
このグループは、アミノ基とエポキシ基との反応を利用している。すなわち、1級アミノ基とエポキシ基とが反応すると、2級アミノ基が生成する。この2級アミノ基はさらにエポキシ基と反応しうる。そこで、1級アミノ基またはエポキシ基および極性基である1級水酸基を分子内に有する化合物Cを化合物AまたはB、すなわち1級ジアミン化合物またはジエポキシ化合物とまず最初に反応させ、1級水酸基および2級アミノ基を有する化合物を製造する(第1の反応)。これに先に用いたものと異なる化合物AまたはB、すなわちジエポキシ化合物または1級ジアミン化合物を加えることで、連続した鎖延長反応が進行し(第2の反応)、ポリアルキレンオキサイドユニット、ポリオルガノシロキサンユニットおよび1級水酸基を有する連結部を含むブロックポリマーを得ることができる。これを模式的に表すと、下記のようになる。
【0052】
【化17】
【0053】
【化18】
【0054】
グループa、すなわち、アミノ基とエポキシ基との反応を利用する系では、表1に示したように、化合物AおよびBは、ポリアルキレンオキサイドユニットまたはポリオルガノシロキサンユニットのどちらかを有する1級ジアミン化合物またはジエポキシ化合物である。これらの化合物AおよびBが有するポリアルキレンオキサイドユニットおよびポリオルガノシロキサンユニットは、ブロックポリマーの項で述べたものである。具体的な市販されている化合物の例を下記の表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
化合物Cは、1Aおよび1Bの系で用いる場合は、表1に示すように、エポキシ基と1級水酸基とを有する化合物である。このような化合物としては、例えば、グリシドール、4−ヒドロキシメチル−1,2−シクロヘキセンオキサイド、および2官能以上のアルコールに含まれる少なくとも1つの水酸基をエピハロヒドリンによってグリシジル化したもの(例えば、ジオールのモノグリシジルエーテル)が挙げられる。この中で、グリシドールが反応性および入手容易性の点から好ましい。一方、2Aの系で用いられる化合物Cは、1級アミノ基と1級水酸基とを有するものである。この種の化合物としては、モノエタノールアミン、2−アミノ−1,3−プロパンジオールが挙げられる。
【0057】
グループaで得られるブロックポリマーは、上記の一般式(1)で表される。ここでは、一般式(1)中のU1 は、第1の反応において用いられる化合物AまたはBが有するユニットにより決定される。一方、U2 は、第2の反応において用いられる化合物AまたはBが有するユニットにより決定される。Yは、化合物Cによって決定される。例えば、化合物Cがグリシドール、モノエタノールアミンおよび2−アミノ−1,3−プロパンジオールの時は、Yはそれぞれ下記の(i)、(ii)および(iii)となる。
【0058】
【化19】
【0059】
次に好ましい反応条件について説明する。
1Aおよび1Bの場合には、第1の反応において、化合物AまたはBのうち、1級アミノ基を有する方の化合物と化合物Cとを反応させる。反応方法は、40〜100℃に加熱した1級アミノ基を有する化合物AまたはBに対して、化合物Cを滴下するのが好ましい。40℃未満の場合には、反応の進行が遅く、100℃を上回ると、エポキシの自己重合などの副反応が生じやすい。滴下終了後、エポキシ基が消失するまで反応を継続する。エポキシ基の消失は、塩酸による逆滴定により確認することができる。
【0060】
次に、第2の反応では、化合物AまたはBのうち、エポキシ基を有する方の化合物(アミノ基を有する化合物が化合物Aのときは化合物B、アミノ基を有する化合物が化合物Bのときは化合物A)を加える。反応は、40〜100℃で行い、エポキシ当量が変化しないところで反応を終了することが好ましい。ここで得られるブロックポリマーは、その末端、すなわち一般式(1)におけるZ1 およびZ2 が上述の一般式(v)で表されるものである。
【0061】
なお、得られるブロックポリマーの安定性を考慮する場合には、さらに、2級アミンを加えて、ブロックポリマー末端のエポキシ基を開環させるのが好ましい。ここで用いられる2級アミンとしては、例えば、HNR4 R5 で示されるものが用いられる。なお、R4 およびR5 は、炭素数1〜8でありかつ水酸基を有していてもよいアルキル基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。このような2級アミンとして好ましいのは、ジエタノールアミンである。なお、このような2級アミンによる処理を施した場合には、一般式(1)中のZ1 およびZ2 が上述の一般式(iv)で表されるブロックポリマーとなる。
【0062】
反応に用いられる化合物A、BおよびCの量比は以下の通りである。すなわち、アミノ基を有する化合物AまたはBの1に対して、化合物Cおよびエポキシ基を有する化合物(アミノ基を有する化合物が化合物Aのときは化合物B、アミノ基を有する化合物が化合物Bのときは化合物A)をそれぞれ2および1の官能基当量比となるように設定するのが好ましい。化合物Cの割合が、2より小さいときには、ゲル化するおそれがあり、2より大きいときには、第2の反応がうまく進行しないおそれがある。また、エポキシ基を有する化合物の割合が1より小さいときには、目的とするブロックポリマーが得られず、1より大きいときには、エポキシを有する化合物が消費されず残存し、ブロックポリマー中の不純物となるおそれがある。
なお、反応を行う際には、反応制御のために溶媒を用いることができる。溶媒の種類は特に限定されるものでなく、アミン−エポキシの反応を阻害しないものであれば、種々のものを利用することができる。
【0063】
次に2Aの場合には、第1の反応において、化合物AまたはBと、化合物Cとを反応させる。なお、化合物A、Bの選択は、上述の1Aおよび1Bと異なり、自由に行うことができる。反応方法は、40〜100℃に加熱したエポキシ基を有する化合物AまたはBに対して、化合物Cを滴下するのが好ましい。40℃未満の場合には、反応の進行が遅く、100℃を上回ると、エポキシの自己重合などの副反応が生じやすい。滴下終了後、エポキシ基が消失するまで反応を継続する。エポキシ基の消失は、塩酸による逆滴定により確認することができる。
【0064】
次に、第2の反応では、化合物AまたはBのうち、先の反応に用いたものと異なる化合物(第1の反応に用いた化合物が化合物Aのときは化合物B、第1の反応に用いた化合物が化合物Bのときは化合物A)を加える。反応は、40〜100℃で行ない、エポキシ当量が変化しないところで終了することが好ましい。
なお、上述の反応の場合も1Aおよび1Bの場合と同様に、溶媒を使用することができる。また、得られたブロックポリマーの末端のエポキシ基は、1Aおよび1Bの場合と同様に、2級アミンにより開環させて安定化することもできる。
【0065】
2Aの系で用いられる化合物A、BおよびCの量比は以下の通りである。すなわち、アミノ基を有する化合物Cの1に対して、化合物AおよびBをそれぞれ0.5の官能基当量比となるように設定するのが好ましい。第1の反応に用いる化合物AまたはBの割合が、0.5より小さいときには、ゲル化するおそれがあり、0.5より大きいときには、第2の反応がうまく進行しないおそれがある。また、第2の反応に用いる化合物AまたはB(第1の反応に用いた化合物が化合物Aのときは化合物B、第1の反応に用いた化合物が化合物Bのときは化合物A)の割合が0.5より小さいときには、目的とするブロックポリマーが得られず、0.5より大きいときには、エポキシを有する化合物が消費されず残存し、ブロックポリマー中の不純物となるおそれがある。
【0066】
このようにして合成されたブロックポリマーは、GPCによる分子量測定、水酸基価の測定、および必要によりその他の機器分析法を併用することにより、目的とするブロックポリマーであることを確認することができる。
【0067】
<グループbの反応について>
このグループでは、化合物A、B、およびCを一度に反応させる。このグループで用いられる官能基の組み合わせは、表1に示すように水酸基−カルボキシル基および水酸基−イソシアネート基である。このグループで用いられる化合物AおよびBは、ポリアルキレンオキサイドユニットまたはポリオルガノシロキサンユニットのどちらかを有する、ジオール化合物、ジカルボン酸化合物またはジイソシアネート化合物である。これらの化合物AおよびBが有するポリアルキレンオキサイドユニットおよびポリオルガノシロキサンユニットは、ブロックポリマーの項で述べたものである。このようなジオール化合物およびジカルボン酸化合物で市販されているものの具体例を表3に示す。
【0068】
【表3】
【0069】
また、上述のジイソシアネート化合物は、この種のジオール化合物にトルエンジイソシアネート(TDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)またはイソホロンジイソシアネート(IPDI)などを反応させることにより得ることができる。具体的には、キシレンなどの溶媒中で、触媒として一般にウレタン化に用いられる有機錫化合物(例えば、ジブチル錫ラウレートやジブチル錫オキサイド)や3級アミン化合物(例えば、ジメチルベンジルアミン)などの存在下、ジオール化合物1モルに対してジイソシアネート2モルを加えることで得ることができる。
化合物Cは、1級水酸基を3つ以上有する化合物であり、例えば、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトールが挙げられる。
【0070】
次に好ましい反応条件について説明する。
3Aおよび3Bの系では、反応は通常のポリエステル合成反応に従って行われる。化合物A、BおよびCを一度に混合して、100〜240℃に加熱し、脱水反応を進行させる。この際、触媒が用いられてもよい。触媒としては、一般にエステル化反応に用いられるものが使用できる。例えば、ジブチル錫ラウレートやp−トルエンスルホン酸などが挙げられる。また、溶媒として、キシレンやメチルイソブチルケトンなどを用いることができる。なお、反応終了は、酸価を測定することによって決定できる。
【0071】
化合物A、BおよびCの量比は、カルボキシル基を有する化合物AまたはBの1に対して、水酸基を有する化合物AまたはB(カルボキシル基を有する化合物が化合物Aのときは化合物B、カルボキシル基を有する化合物が化合物Bのときは化合物A)および多価アルコール(化合物C)をモル比でそれぞれ1および0.1〜0.3に設定するのが好ましい。このような比率以外の場合には、目的とするブロックポリマーが得られないおそれがある。
【0072】
4Aおよび4Bの系では、反応は通常のポリウレタン合成反応に従って行われる。ここでは、上述の方法で得られたジイソシアネート化合物に化合物A、BおよびCを一度に混合し、50〜80℃に加熱する。触媒としては、有機錫化合物や3級アミンなど一般にウレタン化に用いられるものが利用できる。ジイソシアネート化合物の合成の際に触媒を用いたときには、新たに触媒を添加してもよいし、しなくてもよい。溶媒は、原料および生成物を溶解し、活性水素を持たないものであれば特に限定されない。反応終了は、IRスペクトルでイソシアネート基の消失を確認することにより決定できる。
【0073】
化合物A、BおよびCの量比は、イソシアネート基を有する化合物AまたはBの1に対して、水酸基を有する化合物AまたはB(イソシアネート基を有する化合物が化合物Aのときは化合物B、イソシアネート基を有する化合物が化合物Bのときは化合物A)および多価アルコール(化合物C)をモル比でそれぞれ0.7〜0.8および0.3〜0.2に設定するのが好ましい。また、水酸基を有する化合物と多価アルコールとのモル数の合計が、イソシアネート基を有する化合物のモル数に等しいことが好ましい。なお、このような比率以外の場合には、目的とするブロックポリマーが得られないおそれがある。
【0074】
〔連結部に含まれる極性基がカルボキシル基、カルボン酸塩基、1級アミノ基、2級アミノ基、アミド基またはウレタン結合を含む基の場合〕
このようなブロックポリマーは、上述の方法により製造されるブロックポリマーの連結部に含まれる1級水酸基を所望の極性基に誘導することにより製造することができる。
【0075】
具体的には、極性基がカルボキシル基の場合は、連結部の1級水酸基に酸無水物を作用させる。酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物が例示できる。極性基がカルボン酸塩の場合は、上述のように1級水酸基から誘導されたカルボキシル基を更に水酸化ナトリウム溶液や水酸化カリウム溶液により処理して塩にする。極性基が1級アミノ基または2級アミノ基の場合は、連結部の1級水酸基にハロゲン化アルキルアミン化合物を作用させる。ハロゲン化アルキルアミン化合物としては、例えば、3−クロロプロピルアミンが例示できる。極性基がアミド基の場合は、連結部の1級水酸基にアミノ酸化合物を作用させる。アミノ酸化合物としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニンが挙げられる。さらに、極性基がウレタン結合を含む基の場合は、連結部の1級水酸基にイソシアネート化合物を反応させる。イソシアネート化合物としては、メチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、フェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート等が例示できる。
【0076】
〔連結部に含まれる極性基がアルコキシシリル基の場合〕
このようなブロックポリマーは、連結部に1級水酸基を含むブロックポリマーの製造方法において、化合物Cとしてエポキシ基とアルコキシシリル基とを有するものを用いかつグループaのうちの組み合わせ1Aまたは1Bの場合と同じ方法を採用することにより製造することができる。ここで用いられる化合物Cとしては、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランや3−グリシジルオキシプロピル−メチルジエトキシシランが例示できる。
また、この種のブロックポリマーは、連結部に1級水酸基を含むブロックポリマーの当該1級水酸基をアルコキシシリル基に誘導することにより製造することもできる。1級水酸基をアルコキシシリル基に誘導する方法としては、例えば、連結部の1級水酸基にハロシラン化合物を作用させる方法を採用することができる。ハロシラン化合物としては、例えば、γ−クロロプロピルトリメトキシシランが例示できる。
【0077】
ブロックポリマーの利用
本発明に係る上述のブロックポリマーは、例えば、表面改質剤として用いられる。ここでいう表面改質剤は、塗膜やプラスチックなどの合成高分子および紙・パルプや頭髪などの天然高分子の表面に作用し、例えば、表面密着性、柔軟性などを改善するものである。
特に、このブロックポリマーは、コーティング材の表面改質剤として有用である。コーティング材としては、皮膜形成成分を含むものであれば、公知のものが対象となる。コーティング材の具体例としては、塗料、繊維処理剤、頭髪改質剤(リンス)などが挙げられる。
【0078】
特に、当該ブロックポリマーは、塗料に用いるのが好ましい。上述のブロックポリマーを含む塗料(コーティング材組成物の一例)による塗膜の表層部は、ブロックポリマーが多数含まれる結果、主として当該ブロックポリマーの連結部に含まれる極性基のために極性が高まり、表面密着性が改善されると考えられる。ここで、塗膜の表層部にブロックポリマーが多数含まれるのは、ブロックポリマーが、ポリオルガノシロキサンユニットを有しているために、膜形成過程において塗膜の表層部に移行しやすいためであると考えられる。なお、ここでいう表面密着性とは、塗膜の上にさらに塗料を塗布して重ねて塗膜を形成した場合の、両塗膜間の密着性(はがれにくさ)をいう。
【0079】
多層塗膜の形成方法
本発明に係る多層塗膜の形成方法は、既製の塗膜の上に、他の塗膜が積層された多層塗膜の形成方法である。なお、ここでの多層塗膜は、少なくとも2層以上の塗膜を含んでいる。
この種の塗膜を形成する場合には、まず上述のブロックポリマーを含む塗料(第1の塗料組成物)による塗膜を形成する。ここでは、通常の方法により塗料を塗布して塗膜を形成する。こうして得られた塗膜の表層部は、上述のようにブロックポリマーが多数含まれるので、表面の極性が高まり、表面密着性の改善が期待される。
【0080】
次に、得られた塗膜上に重ねて塗膜を形成する。ここでは、先に得られた塗膜の上に、第2の塗料組成物を塗布することにより塗膜を形成する。
ここで用いられる第1および第2の塗料組成物は、膜形成能を有するものであれば、特に限定されない。但し、硬化性を有しているものであれば、より好ましい。なお、第1の塗料組成物と第2の塗料組成物とは同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、第2の塗料組成物がシリコーン系の硬化剤(アルコキシシラン系の硬化剤)を含む場合は、第1の塗料組成物として、連結部の極性基としてアルコキシシリル基を有するブロックポリマーを含むものを用いるのが好ましい。
【0081】
3層以上の多層塗膜を形成する際には、最上層以外の層を形成するための塗料組成物として、上述のブロックポリマーを含むものを用いるのが好ましい。勿論、最上層を形成するための塗料組成物として、上述のブロックポリマーを含むものを用いてもよい。
このような方法により、多層塗膜を形成した場合には、各層間の密着性に優れた多層塗膜が得られる。
【0082】
【実施例】
実施例1〜18(連結部にアミノエーテル結合および1級水酸基を含むブロックポリマーの合成)
冷却器、撹拌機、窒素導入管および反応温度制御装置を備え付けたフラスコに、キシレン50gと表4に示す所定量(A)のポリオルガノシロキサンユニットを有するジアミン化合物とを仕込み、撹拌しながら65℃に加熱した。
【0083】
次に、n−ブタノール20gと所定量(B)のグリシドールとを加え、反応温度を65℃に保ちながら、90分間撹拌した。なお、反応終了後にサンプリングを実施し、塩酸による逆滴定法によりエポキシ残基がないことを確認した。その後、キシレン20gと表4に示す所定量(C)のポリアルキレンオキサイドユニットを有するジエポキシ化合物とをさらに加え、反応温度を65℃に保ちながら、エポキシ基当量が変化しなくなるまで90分間撹拌した。
さらに、n−ブタノール10gと所定量(D)のジエタノールアミンとを加え、反応温度を65℃に保ちながら、180分間撹拌した。なお、反応終了後にサンプリングを実施し、塩酸による逆滴定法によりエポキシ残基がないことを確認した。
【0084】
【表4】
【0085】
表中、
TSL−9346:東芝シリコーン株式会社製のポリジメチルシロキサンユニットを有するジアミン(分子量505)
X−22−161AS:信越化学工業株式会社製のポリジメチルシロキサンユニットを有するジアミン(分子量900)
X−22−161A:信越化学工業株式会社製のポリジメチルシロキサンユニットを有するジアミン(分子量1,680)
デナコールEX−821:ナガセ化成株式会社製のポリエチレンオキサイドのグリシジルエーテル(分子量390)
デナコールEX−841:ナガセ化成株式会社製のポリエチレンオキサイドのグリシジルエーテル(分子量764)
ここで得られた各ブロックポリマーは、下記の一般式(2)の通りである。
【0086】
【化20】
【0087】
一般式(2)において、a、bおよびnは表5に示す通りである。
【0088】
【表5】
【0089】
なお、各ブロックポリマーの物性値および分析値を表6に示す。
【0090】
【表6】
【0091】
実施例19(連結部にエステル結合および1級水酸基を含むブロックポリマーの合成1)
冷却器、撹拌機、窒素導入管および反応温度制御装置を備え付けたフラスコにX−22−160AS(信越化学工業株式会社製のポリジメチルシロキサンユニットを有するジオール、分子量900)70.4g、PEO酸#400(川研ファインケミカル株式会社製のポリエチレンオキサイドユニットを有するジカルボン酸、分子量400)28.2g、トリメチロールプロパン1.4gおよびジブチル錫オキサイド0.05gとを仕込み、撹拌しながら3時間かけて200℃に加熱した。約170℃で脱水反応が始まり、200℃でクリヤーな外観を示した。続いて200℃から210℃まで4時間かけて昇温後、酸価を測定したところ22であった。その後、反応系を120℃まで冷却し、キシレン2gを加えて還流させながら脱水反応を約5時間行い、酸価が14で変化しないことを確認して反応を終了した。得られたブロックポリマーは無色透明であり、GPCによる分子量測定を行ったところ、数平均分子量/重量平均分子量=5,800/8,600であった。また、1級水酸基価は31.2であった。
【0092】
実施例20(連結部にエステル結合および1級水酸基を含むブロックポリマーの合成2)
実施例19において、X−22−160ASの量を70.4gを49.3gに変更し、また、PEO酸#400をPEO酸#1000(川研ファインケミカル株式会社製のポリエチレンオキサイドユニットを有するジカルボン酸、分子量1,000)49.3gに変更し、ほかは同条件でブロックポリマーを合成した。得られたブロックポリマーは無色透明であり、GPCによる分子量測定を行ったところ、数平均分子量/重量平均分子量=6,200/8,900であった。また、1級水酸基価は31.4であった。
【0093】
実施例21(連結部にウレタン結合および1級水酸基を含むブロックポリマーの合成1)
冷却器、撹拌機、窒素導入管および反応温度制御装置を備え付けたフラスコに分子量400のポリエチレングリコール26.3gおよびジブチル錫ラウレート0.05gを加え、撹拌しながら65℃に加熱した。ここに、ヘキサメチレンジイソシアネート22.2gを滴下した。IRでイソシアネート基を示す吸収ピークの高さが変化しなくなったことを確認し、さらにX−22−160ASを49.3gとトリメチロールプロパン2.2gを加えた。65℃で3時間反応を継続し、IRでイソシアネート基を示す吸収が消失したことを確認して反応を終了した。得られたブロックポリマーは無色透明であり、GPCによる分子量測定を行ったところ、数平均分子量/重量平均分子量=4,200/5,900であった。また、1級水酸基価は28.1であった。
【0094】
実施例22(連結部にウレタン結合および1級水酸基を含むブロックポリマーの合成2)
実施例21において、分子量400のポリエチレングリコールを分子量1,000のポリエチレングリコール47.2gに、X−22−160ASの量を49.3gから35.4gに、さらにヘキサメチレンジイソシアネートの量を22.2gから15.8gにそれぞれ変更し、ほかは同条件でブロックポリマーを合成した。得られたブロックポリマーは無色透明であり、GPCによる分子量測定を行ったところ、数平均分子量/重量平均分子量=6,700/8,100であった。また、1級水酸基価は19.8であった。
【0095】
実施例23(連結部にアミノエーテル結合およびカルボキシル基を含むブロックポリマーの合成)
冷却器、撹拌機、窒素導入管および反応温度制御装置を備え付けたフラスコに、キシレン50gとポリオルガノシロキサンユニットを有するジアミン化合物(TSL−9346:東芝シリコーン株式会社製)41.8部とを仕込み、撹拌しながら60〜70℃に加熱した。
【0096】
次に、n−ブタノール20gとグリシドール10.3部とを加え、反応温度を60〜70℃に保ちながら、90分間撹拌した。なお、反応終了後にサンプリングを実施し、塩酸による逆滴定法によりエポキシ残基がないことを確認した。その後、キシレン20gとポリアルキレンオキサイドユニットを有するジエポキシ化合物(デナコールEX−821:ナガセ化成株式会社製)40.7部とをさらに加え、反応温度を60〜70℃に保ちながら、エポキシ基当量が変化しなくなるまで90分間撹拌した。
【0097】
さらに、n−ブタノール10gとジエタノールアミン7.2部とを加え、反応温度を60〜70℃に保ちながら、90分間撹拌した。なお、反応終了後にサンプリングを実施し、塩酸による逆滴定法によりエポキシ残基がないことを確認した。
ここで得られたブロックポリマーは、連結部に1級水酸基を有するものである。具体的には、上記一般式(2)において、a、bおよびnがそれぞれ4、7および3のものである。
【0098】
次に、得られたブロックポリマー100部と無水コハク酸27.8部とを混合し、反応温度を60〜70℃に保ちながら、60分間撹拌した。これにより、上記ブロックポリマーの連結部に含まれる1級水酸基がカルボキシル基に誘導されたブロックポリマーが得られた。得られたブロックポリマーの数平均分子量および重量平均分子量はそれぞれ2,500および6,000である。
【0099】
実施例24(連結部にアミノエーテル結合およびカルボン酸塩基を含むブロックポリマーの合成)
実施例23で得られたブロックポリマー127.8gに1Nのエタノール性水酸化ナトリウム溶液278.3mlを加え、撹拌した。これにより、実施例23で得られたブロックポリマーの連結部に含まれるカルボキシル基がナトリウム塩に誘導されたブロックポリマーが得られた。
【0100】
実施例25(連結部にアミノエーテル結合およびウレタン結合を含む基を有するブロックポリマーの合成)
実施例23において、中間物として得られたブロックポリマー(連結部に1級水酸基を有するもの)100部にn−プロピルイソシアネート2.12部を加え、反応温度を60〜70℃に保ちながら、90分間撹拌した。これにより、ブロックポリマーの連結部に含まれる1級水酸基がウレタン結合を含む基に誘導されたブロックポリマーが得られた。得られたブロックポリマーの数平均分子量および重量平均分子量はそれぞれ2,400および5,700である。
【0101】
実施例26(連結部にアミノエーテル結合およびアルコキシシリル基を有するブロックポリマーIの合成)
冷却器、撹拌機、窒素導入管および反応温度制御装置を備え付けたフラスコに、キシレン50部と下記の構造式で示されるポリオルガノシロキサンユニットを有するジアミン化合物(BY−16−853C、分子量=750:東レダウシリコーン株式会社製)41.4部とを仕込み、撹拌しながら60〜70℃に加熱した。
【0102】
【化21】
【0103】
次に、n−ブタノール20部と3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(東京化成株式会社製)26.1部とを加え、反応温度を60〜70℃に保ちながら、90分間撹拌した。なお、反応終了後にサンプリングを実施し、塩酸による逆滴定法によりエポキシ残基がないことを確認した。その後、キシレン20部とポリアルキレンオキサイドユニットを有するジエポキシ化合物(デナコールEX−821:ナガセ化成株式会社製)28.7部とをさらに加え、反応温度を60〜70℃に保ちながら、エポキシ基当量が変化しなくなるまで90分間撹拌した。
【0104】
さらに、n−ブタノール10部とジエタノールアミン3.8部とを加え、反応温度を60〜70℃に保ちながら、90分間撹拌した。なお、反応終了後にサンプリングを実施し、塩酸による逆滴定法によりエポキシ残基がないことを確認した。
ここで得られたブロックポリマーは、連結部にトリメトキシシリル基を有するものである。具体的には、下記の一般式(3)で示されるものである。
【0105】
【化22】
【0106】
得られたブロックポリマーの数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれ2,000および12,900であった。
【0107】
実施例27(連結部にアミノエーテル結合およびアルコキシシリル基を有するブロックポリマーIIの合成)
冷却器、撹拌機、窒素導入管および反応温度制御装置を備え付けたフラスコに、キシレン50部と実施例26で用いたものと同じジアミン化合物26.0部とを仕込み、撹拌しながら60〜70℃に加熱した。
【0108】
次に、n−ブタノール20部と3−グリシジルオキシプロピル−メチルジエトキシシラン(KBE−402:信越化学工業株式会社製)17.2部とを加え、反応温度を60〜70℃に保ちながら、90分間撹拌した。なお、反応終了後にサンプリングを実施し、塩酸による逆滴定法によりエポキシ残基がないことを確認した。その後、キシレン20部とポリアルキレンオキサイドユニットを有するジエポキシ化合物(デナコールEX−821:ナガセ化成株式会社製)54.4部とをさらに加え、反応温度を60〜70℃に保ちながら、エポキシ基当量が変化しなくなるまで90分間撹拌した。
【0109】
さらに、n−ブタノール10部とジエタノールアミン2.4部とを加え、反応温度を60〜70℃に保ちながら、90分間撹拌した。なお、反応終了後にサンプリングを実施し、塩酸による逆滴定法によりエポキシ残基がないことを確認した。
ここで得られたブロックポリマーは、連結部にメチルジエトキシシリル基を有するものである。具体的には、下記の一般式(4)で示されるものである。
【0110】
【化23】
【0111】
得られたブロックポリマーの数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれ3,300および10,000であった。
【0112】
実施例28〜49(塗料組成物の調製)
アクリルメラミンクリヤーワニスに、実施例1〜22で合成した各ブロックポリマーを1種類ずつ添加した。この際、添加量はアクリルメラミンクリヤーワニスの固形分に対して1重量%に設定した。
【0113】
実施例50〜52(塗料組成物の調製)
アクリルメラミンクリヤーワニスに、実施例23〜25で合成した各ブロックポリマーを1種類ずつ添加した。この際、添加量はアクリルメラミンクリヤーワニスの固形分に対して0.3重量%に設定した。
【0114】
実施例53,54(塗料組成物の調製)
アクリルメラミンクリヤーワニスに、実施例26,27で合成した各ブロックポリマーを1種類ずつ添加した。この際、添加量はアクリルメラミンクリヤーワニスの固形分に対して0.5重量%に設定した。
【0115】
実施例55〜76(多層塗膜の形成I)
実施例28〜49で得られた塗料組成物を、基板に下塗りおよび中塗りを施して得られた塗膜の上にスプレー塗装し、10分間静置した後に、140℃で25分焼き付けた(第1層の形成)。得られた塗膜が室温になるまで空冷し、その後、酸無水物ハーフエステル基、エポキシ基および水酸基を含むアクリル樹脂ワニスを重ねてスプレー塗装し、10分間静置した後に、140℃で25分焼き付けた(第2層の形成)。
得られた多層塗膜について、ゴバン目剥離試験を実施し、第1層と第2層との密着性を調べた。結果を表7に示す。
【0116】
【表7】
【0117】
実施例77〜98(多層塗膜の形成II)
実施例55〜76において、第1層の焼き付け条件を160℃×25分、第2層の焼き付け条件を120℃×25分に変更し、ほかは同条件で多層塗膜を形成した。
得られた多層塗膜について、実施例55〜76と同様にして密着性を調べた。結果を表8に示す。
【0118】
【表8】
【0119】
実施例99〜103(多層塗膜の形成III)
実施例28〜30および実施例46、48で得られた塗料組成物を、基板に下塗りおよび中塗りを施して得られた塗膜の上にスプレー塗装し、10分間静置した後に、140℃で25分焼き付けた(第1層の形成)。得られた塗膜が室温になるまで空冷し、その後、実施例28〜49で用いたアクリルメラミンクリヤーワニスをそのまま重ねてスプレー塗装し、10分間静置した後に、140℃で25分焼き付けた(第2層の形成)。
得られた多層塗膜について、実施55〜76と同様にして密着性を調べた。結果を表9に示す。
【0120】
【表9】
【0121】
実施例104〜108(多層塗膜の形成IV)
実施例99〜103において、第1層の焼き付け条件を160℃×25分、第2層の焼き付け条件を120℃×25分に変更し、ほかは同条件で多層塗膜を形成した。
得られた多層塗膜について、実施例55〜76と同様にして密着性を調べた。結果を表10に示す。
【0122】
【表10】
【0123】
実施例109〜113(多層塗膜の形成V)
実施例50〜54で得られた塗料組成物を、基板に下塗りおよび中塗りを施して得られた塗膜の上にスプレー塗装し、10分間静置した後に、160℃で25分焼き付けた(第1層の形成)。得られた塗膜が室温になるまで空冷し、その後、実施例28〜49で用いたアクリルメラミンクリヤーワニスをそのまま重ねてスプレー塗装し、10分間静置した後に、120℃で25分焼き付けた(第2層の形成)。
得られた多層塗膜について、実例例55〜76と同様にして密着性を調べた。結果を表11に示す。
【0124】
【表11】
【0125】
比較例1
実施例28〜49で用いたアクリルメラミンクリヤーワニスをそのまま、基板に下塗りおよび中塗りを施して得られた塗膜の上にスプレー塗装し、10分間静置した後に、140℃で25分焼き付けた(第1層の形成)。得られた塗膜が室温になるまで空冷し、その後、酸無水物ハーフエステル基、エポキシ基および水酸基を含むアクリル樹脂ワニスを重ねてスプレー塗装し、10分間静置した後に、140℃で25分焼き付けた(第2層の形成)。
得られた多層塗膜について、実施例55〜76と同様にして密着性を調べた。結果を表12に示す。
【0126】
比較例2
比較例1において、第1層の焼き付け条件を160℃×25分、第2層の焼き付け条件を120℃×25分に変更し、ほかは同条件で多層塗膜を形成した。
得られた多層塗膜について、実施例55〜76と同様にして密着性を調べた。結果を表12に示す。
【0127】
比較例3
実施例28〜49で用いたアクリルメラミンクリヤーワニスをそのまま、基板に下塗りおよび中塗りを施して得られた塗膜の上にスプレー塗装し、10分間静置した後に、140℃で25分焼き付けた(第1層の形成)。得られた塗膜が室温になるまで空冷し、その後、第1層の形成に用いたアクリルメラミンクリヤーワニスを重ねてスプレー塗装し、10分間静置した後に、140℃で25分焼き付けた(第2層の形成)。
得られた多層塗膜について、実施例55〜76と同様にして密着性を調べた。結果を表12に示す。
【0128】
比較例4
比較例3において、第1層の焼き付け条件を160℃×25分、第2層の焼き付け条件を120℃×25分に変更し、ほかは同条件で多層塗膜を形成した。
得られた多層塗膜について、実施例55〜76と同様にして密着性を調べた。結果を表12に示す。
【0129】
【表12】
【0130】
【発明の効果】
本発明によれば、多層塗膜の密着性改善等に有用な、新規なブロックポリマーが得られる。
本発明によるブロックポリマーの製造方法によれば、多層塗膜の密着性改善等に有用な、新規なブロックポリマーが得られる。
本発明のコーティング材用表面改質剤は、上述のブロックポリマーを含むので、例えば多層塗膜の密着性を改善できる。
本発明のコーティング剤組成物によれば、例えば重ね塗りしたコーティング層との密着性が良好なコーティング膜が形成できる。
本発明の多層塗膜は、各層間の密着性に優れている。
本発明に係る多層塗膜の形成方法によれば、層間の密着性が良好な多層塗膜を形成できる。
Claims (16)
- 前記一般式(1)中の前記Ra〜Rfが、−(CH2)e−(eは1〜8の整数である)で表される、請求項1に記載のブロックポリマー。
- 前記一般式(1)中の前記Ra〜Rfが、−(CH2)3−で表される、請求項2に記載のブロックポリマー。
- ポリアルキレンオキサイドユニットおよびポリオルガノシロキサンユニットからなる群から選ばれた一方のユニットを含みかつ両末端にそれぞれ1級アミノ基を有するジアミン化合物の前記1級アミノ基と、1級水酸基とエポキシ基とを有するエポキシ化合物の前記エポキシ基とを反応させ、1級水酸基および2級アミノ基を有する化合物を製造する第1の反応工程と、
前記第1の反応工程により得られた前記化合物に対し、前記ジアミン化合物に含まれるユニットとは異なる他方のユニットを含みかつ両末端にそれぞれエポキシ基を有するジエポキシ化合物をさらに反応させる第2の反応工程と、
を含むブロックポリマーの製造方法。 - 前記第2の反応工程により得られたブロックポリマーを2級アミンにより処理する工程をさらに含む、請求項4に記載のブロックポリマーの製造方法。
- 前記第2の反応工程により得られたブロックポリマーにおいて、前記エポキシ化合物に由来の前記1級水酸基を、カルボキシル基、カルボン酸塩基およびウレタン結合を含む基からなる群から選ばれた1つの基を末端に有する有機基に誘導する工程を更に含む、請求項4または5に記載のブロックポリマーの製造方法。
- 前記ジアミン化合物1に対して、前記エポキシ化合物および前記ジエポキシ化合物をそれぞれ2および1の官能基当量比となるよう前記ジアミン化合物、前記エポキシ化合物および前記ジエポキシ化合物の量比を設定する、請求項4、5または6に記載のブロックポリマーの製造方法。
- ポリアルキレンオキサイドユニットおよびポリオルガノシロキサンユニットからなる群から選ばれた一方のユニットを含みかつ両末端にそれぞれエポキシ基を有するジエポキシ化合物Iの前記エポキシ基と、1級水酸基と1級アミノ基とを有するアミノ化合物の前記1級アミノ基とを反応させ、1級水酸基および2級アミノ基を有する化合物を製造する第1の反応工程と、
前記第1の反応工程により得られた前記化合物に対し、前記ジエポキシ化合物Iに含まれるユニットとは異なる他方のユニットを含みかつ両末端にそれぞれエポキシ基を有するジエポキシ化合物IIをさらに反応させる第2の反応工程と、
を含むブロックポリマーの製造方法。 - 前記第2の反応工程により得られたブロックポリマーを2級アミンにより処理する工程をさらに含む、請求項8に記載のブロックポリマーの製造方法。
- 前記第2の反応工程により得られたブロックポリマーにおいて、前記アミノ化合物に由来の前記1級水酸基を、カルボキシル基、カルボン酸塩基およびウレタン結合を含む基からなる群から選ばれた1つの基を末端に有する有機基に誘導する工程を更に含む、請求項8または9に記載のブロックポリマーの製造方法。
- 前記アミノ化合物1に対して、前記ジエポキシ化合物Iおよび前記ジエポキシ化合物IIをそれぞれ0.5の官能基当量比となるよう前記アミノ化合物、前記ジエポキシ化合物Iおよび前記ジエポキシ化合物IIの量比を設定する、請求項8、9または10に記載のブロックポリマーの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のブロックポリマーからなるコーティング材用表面改質剤。
- 皮膜形成成分を含むコーティング材と、
表面改質剤とを含み、
前記表面改質剤は、請求項1〜3のいずれかに記載のブロックポリマーを含んでいる、
コーティング材組成物。 - 前記コーティング材が塗料である、請求項13に記載のコーティング材組成物。
- 少なくとも2層以上の塗膜が積層されており、
最上層以外の層を形成している塗膜が皮膜形成成分と請求項1〜3のいずれかに記載のブロックポリマーとを含んでいる、
多層塗膜。 - 皮膜形成成分と請求項1〜3のいずれかに記載のブロックポリマーとを含む第1の塗料組成物による塗膜を形成する工程と、
前記塗膜上に、さらに第2の塗料組成物による塗膜を形成する工程と、
を含む多層塗膜の形成方法。
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