JP3634920B2 - エアゾール装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエアゾール装置に関する。さらに詳しくは、内容物の噴射量を調節することができるエアゾール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のエアゾール装置として、たとえば図13〜14に示すように、外筒(耐圧容器)101上にバルブ102が取り付けられているエアゾール容器103と、前記バルブ102の噴射バルブ104から突出するステム105に固着されている操作冠106とから構成されており、該操作冠106の下縁106aがカール部107に接するまで、前記ステム105がバルブハウジング108内にネジ込まれているものがある(実公昭35−6868号公報)。そして使用に際し、前記操作冠106を回転させて、ステム105とパッキン109とを離間することにより、内容物を通孔110より側孔111および噴射通路112を通過させ、噴射ノズル113から噴射させるようにしている。このように、前記エアゾール装置は、操作冠を回転させて、内容物を噴射させるようにしているため、操作冠の回転量により内容物の噴射量を調節することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記エアゾール装置では、噴射量の調節操作は、容器を片手に持ち、もう一方の手で操作冠を回転させなければならないため、両手の操作が必要で、操作性に問題を残している。
【0004】
本発明は、叙上の事情に鑑み、片手で操作して、内容物の噴射量を確実に調節することができるエアゾール装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のエアゾール装置は、バルブが装着されているエアゾール容器と、前記バルブのステムに嵌め込まれるステム嵌合部を有する押しボタンとからなるエアゾール装置であって、前記バルブのステムに、前記エアゾール容器内に充填される内容物の導出口が複数形成され、前記ステムの移動量を規制し、前記内容物の噴射量を調節する噴射調節手段を備え、前記押しボタンは該押しボタンを押し下げるための押圧部を2個有しており、そのうちの一方の押圧部が他方の押圧部とは別体に形成され、該一方の押圧部に前記噴射調節手段が形成されてなることを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明のエアゾール装置を説明する。
【0007】
図1は本発明のエアゾール装置の一実施例を示す断面図、図2は図1における噴射ノズルの他の実施例を示す断面図、図3は図1におけるI−I断面図、図4はステム嵌合部の他の案内構造を示す断面図、図5は図1におけるエアゾール装置の平面図、図6は図1における噴射調節手段の拡大図、図7は図1におけるエアゾール装置の噴射状態を示す断面図、図8は図1におけるエアゾール装置の他の噴射状態を示す断面図、図9は本発明のエアゾール装置の他の実施例を示す断面図、図10は本発明のエアゾール装置のさらに他の実施例を示す断面図、図11は図10におけるエアゾール装置の噴射状態を示す断面図、図12は図10におけるエアゾール装置の他の噴射状態を示す断面図である。
【0008】
図1に示すように、本実施例のエアゾール装置は、有底筒状の外筒1上に二重巻締めにより取り付けられた肩部(目金部)2にバルブ(エアゾールバルブ)3が装着されているエアゾール容器4と、該容器4にキャップ5を取り付けるために固着されるカバー6と、前記バルブ3のステム7を圧下することにより前記容器4内に充填される内容物を噴射ノズル8から噴射させる外径球面状の押しボタン9とから構成されている。また前記バルブ3は、肩部2にクリンチにより装着されるマウンティングカップ10と、該マウンティングカップ10に支持される噴射バルブ11とから構成されている。なお、本実施例では、バルブ3のマウンティングカップ10を二重巻締により取り付けられた肩部2にクリンチにより装着されているが、本発明においては、これに限定されるものではなく、外筒の中心に向かってしぼり、外部と肩部が一部材で形成され、肩部の上端開口部に外部にカールさせたビード部を設け、該ビード部にマウンティングカップをクリンチにて装着させることができる。またハウジング11a、ステムラバー11b、スプリング11cがセットされた部材、すなわち噴射バルブ11がマウンティングカップ10の中央凸部とかしめて装着されているが、本発明においては、これに限定されるものではなく、マウンティングカップを用いることなくを噴射バルブ11を蓋体などにより装着させてもよい。また本実施例では、外筒からなるエアゾール容器を示しているが、これに限定されるものではなく、外筒内に内筒を収納してなる二重構造のエアゾール容器とすることもできる。そして前記噴射ノズルの構造として、たとえば図2に示すように、外周からの内容物を前端部内面に形成される放射状溝8aを通して中心に集め噴射させるメカニカルブレークアップ構造とすることもできる。
【0009】
前記カバー6は、外筒1に装着する脚部12と、円錐形の膨出部13と、前記脚部12および膨出部13を連結する上壁部14とから構成されており、前記膨出部13には、前記押しボタン9のステム嵌合部15に外挿される案内手段である案内部16が形成されている。該案内部16により、前記押しボタン9の上下方向の移動が案内される。案内構造としては、たとえば図3に示すように、ステム嵌合部が円筒形状や角形状などにより面接触、または図4に示すように、歯形などにより線接触して案内されるようにできるし、逆に案内部の内径を歯形などにより線接触して案内されるようにしてもよい。前記脚部12の外周面には、段部17が形成されており、該段部17にキャップ5が取り付けられる。該キャップ5は前記段部17における微小突起18とキャップ5における微小くぼみ19との凹凸嵌合により着脱自在にされている。
【0010】
前記噴射バルブ11のステム7は、ハウジング11a内に収納され、スプリング11cにより上方に付勢されている。そして、前記内容物を噴射通路20に導びき出すための導出口が2個形成されており、各導出口21a、21bは上下方向にズラして配置され、常時ステムラバー11bにより封止されている。前記下部に配置される導出口21aと上部に配置される導出口21bの孔径は、下部導出口21aが小さく、上部導出口21bが大きく設定されている。これにより、ステム7が前記押しボタンにより押し下げられると、まず下部導出口21aが開口し、微量の内容物が噴射され、ついで上部導出口21bも開口すると、通常使用する量だけ噴射される。かかる噴射動作は、操作者の指先で行なうことができるが、本発明においては、かかる噴射動作を確実かつ簡単に行なうために、後述する噴射調節手段を備えるのが好ましい。なお、本実施例では、導出口を2個形成しているが、本発明においては、これに限定されるものではなく、ガスケットの厚さの範囲内に導出口を3個以上形成するようにしてもよい。また本実施例では、導出口をその孔径が順次大径となるように下部から上部に配置するようにされているが、本発明においては、これに限定されるものではなく、逆に導出口をその孔径が順次小径となるように下部から上部に配置してもよく、またはすべての孔径を同一としてもよい。
【0011】
前記押しボタン9は、カバー6に内装され、その基部22の上部に形成される前記ステム嵌合部15が前記ステム7に嵌め込まれており、また前記噴射ノズル8はステム嵌合部15から押しボタン9を貫通する噴射通路20の上端に圧入により嵌着されている。前記押しボタン9は、前記ステム7の導出口の個数に合わせて、2個の押圧部23、24を有しており、図1および図5に示すように、押圧部23、24はカバー6の上壁部14に形成される開口部14a、14bからそれぞれ突出されている。前記押圧部24は基部22に一体に形成され、一方の押圧部23は別体に形成されている。該一方の押圧部23には、前記ステムの移動量を規制し、前記内容物の噴射量を調節するための噴射調節手段が設けられている。該噴射調節手段は、図1および図6に示すように、前記押圧部23の押し下げにより、ステム7が移動し押圧部23が上壁部14に係止するとともに、前記下部導出口21aが噴射通路20に連通するまでの移動量を規制するために、押圧部23の外周面に形成される段部25と、同様に前記押圧部24の押し下げにより、下部および上部導出口21a、21bが噴射通路20に連通するまでの移動量を規制するための係止部26とから構成されている。該係止部26は、本実施例では、押圧部23の外周壁27と該外周壁27内に基部22から立設される一対の柱部28とのあいだの摺動可能な嵌合部に形成される係止突起29、30からなるが、本発明においては、これに限定されるものではなく、前記外周壁と該外周壁外に立設させる一対の柱部とのあいだの嵌合部に係止突起を形成するようにしてもよい。
【0012】
つぎに前記噴射調節手段を備えたエアゾール装置の動作を説明する。図7に示すように、使用に際し、キャップを取り外し、押しボタン9の押圧部23を段部25が上壁部14に係止するまで押すと、該押しボタン9は案内部16により案内されてステム7を押し下げる。ついで、ステム7がステムラバー11bと摺動しつつ、ハウジング11a内を下降し、下部導出口21aを通して容器4内外が連通する。そして、容器4内に充填された内容物がガス圧力により下部導出口21aおよび噴射通路20を通して噴射ノズル8から微量噴射される。つぎに図8に示すように、押圧部24を段部25が上壁部14に係止し、さらに図6に示すように、係止突起29、30が係合するまで押すと、同様にステム7が下降し、下部および上部導出口21a、21bを通して容器4内外が連通する。そして下部および上部導出口21a、21bと噴射通路20を通して噴射ノズル8から通常の内容物の噴射量が噴射される。本実施例では、押しボタンの押圧部を適宜切り換えて微量および通常の噴射量を噴射させることができるので、非常に使い勝手がよい。
【0013】
つぎに本発明の他の実施例を説明する。図9に示すように、噴射調節手段が前記実施例と相違している。押圧部33の外周壁37には、段部35だけが形成されている。そして係止部36は、押圧部33の底部33aに内周壁37aを形成し、該内周壁37aと該内周壁37a内に基部32から立設される柱部38とのあいだの嵌合部に形成される係止突起39、40からなる。本発明においては、これに限定されるものではなく、前記内周壁と該内周壁外に立設される一対の柱部とのあいだの嵌合部に係止突起を形成するようにしてもよい。
【0014】
つぎに本発明のさらに他の実施例を説明する。図10に示すように、噴射調節手段が図1および図9の実施例と相違している。本実施例の噴射調節手段は、押圧部43における外周壁47の外周面に形成される段部45と、押圧部43における外周壁47の内周面に係止突起により凹凸嵌合される係止部材46とから構成されている。該係止部である係止部材46は、基部42とは別体に形成されており、端部46aが押しボタン49のステム嵌合部55に差し込まれて抜け止されている。
【0015】
つぎに本実施例における噴射調節手段を備えたエアゾール装置の動作は、図7〜8における前記実施例の基本動作と同様であり、図11に示すように、押圧部43を段部45が上壁部14に係止するまで押すと、係止部材46を介して押しボタン49が押され、ステム7がハウジング11a内を下降する。そして下部導出口21aを通して容器4内外が連通し、内容物が下部導出口21aおよび噴射通路20を通して噴射ノズル8から微量噴射される。つぎに図12に示すように、押圧部44を押すと、係合部材46と基部42の係合が解除され、押しボタン49の基部42によりステム7が押し下げられる。これにより、下部および上部導出口21a、21bを通して容器4内外が連通し、下部および上部導出口21a、21bと噴射通路20を通して噴射ノズル8から通常の内容物の噴射量が噴射される。
【0016】
本発明のエアゾール装置として、とくに上方向噴射の頭髪化粧料、空間消臭剤、殺虫剤、塗料などに用いることにより、好みの噴射部分に狙いをつけて簡単に噴射することができるため、使い勝手がよい。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明では、ステムに複数、たとえば2個の導出口を上下に配置し、たとえば下部導出口の孔径を小さくし、上部導出口の孔径を大きくすることにより、内容物を微量から通常の噴射量に調節することができる。またかかる噴射量の調節をステムの移動量を規制する噴射調節手段により確実および簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアゾール装置の一実施例を示す断面図である。
【図2】図1における噴射ノズルの他の実施例を示す断面図である。
【図3】図1におけるI−I断面図である。
【図4】ステム嵌合部の他の案内構造を示す断面図である。
【図5】図1におけるエアゾール装置の平面図である。
【図6】図1における噴射調節手段の拡大図である。
【図7】図1におけるエアゾール装置の噴射状態を示す断面図である。
【図8】図1におけるエアゾール装置の他の噴射状態を示す断面図である。
【図9】本発明のエアゾール装置の他の実施例を示す断面図である。
【図10】本発明のエアゾール装置のさらに他の実施例を示す断面図である。
【図11】図10におけるエアゾール装置の噴射状態を示す断面図である。
【図12】図10におけるエアゾール装置の他の噴射状態を示す断面図である。
【図13】従来のエアゾール装置を示す断面図である。
【図14】図13におけるエアゾール装置の噴射状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 外筒
2 肩部
3 バルブ
4 エアゾール容器
5 キャップ
6 肩カバー
7 ステム
8 噴射ノズル
9、49 押しボタン
10 マウンティングカップ
11 噴射バルブ
15、55 ステム嵌合部
21a 下部導出口
21b 上部導出口
23、24、33 押圧部
26、36、43、44 係止部
29、30、39、40 係止突起
46 係止部材
Claims (9)
- バルブが装着されているエアゾール容器と、前記バルブのステムに嵌め込まれるステム嵌合部を有する押しボタンとからなるエアゾール装置であって、前記バルブのステムに、前記エアゾール容器内に充填される内容物の導出口が複数形成され、前記ステムの移動量を規制し、前記内容物の噴射量を調節する噴射調節手段を備え、前記押しボタンは該押しボタンを押し下げるための押圧部を2個有しており、そのうちの一方の押圧部が他方の押圧部とは別体に形成され、該一方の押圧部に前記噴射調節手段が形成されてなることを特徴とするエアゾール装置。
- 前記複数の導出口をその孔径が順次大径となるように下部から上部に配置してなる請求項1記載の装置。
- 前記噴射調節手段が、前記一方の押圧部の移動量を規制するためにその外周面に形成される段部と、前記他方の押圧部の移動量を規制するための係止部とからなる請求項1または2記載の装置。
- 前記係止部が、前記一方の押圧部と他方の押圧部に連結される基部とのあいだの摺動可能な嵌合部における係止突起である請求項3記載の装置。
- 前記係止部が前記一方の押圧部に形成される係止部材である請求項3記載の装置。
- 前記ステム嵌合部を上下方向に案内する案内手段が備えられてなる請求項1、2、3、4または5記載の装置。
- 前記案内手段が前記ステム嵌合部に外挿される案内部である請求項6記載の装置。
- 前記ステム嵌合部が面接触により案内されてなる請求項7記載の装置。
- 前記ステム嵌合部が線接触により案内されてなる請求項7記載の装置。
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JPH09290873A JPH09290873A (ja) | 1997-11-11 |
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Family Applications (1)
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JP10713396A Expired - Fee Related JP3634920B2 (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | エアゾール装置 |
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JP (1) | JP3634920B2 (ja) |
-
1996
- 1996-04-26 JP JP10713396A patent/JP3634920B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09290873A (ja) | 1997-11-11 |
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