JP3634051B2 - キャリブレーション装置およびキャリブレーション方法 - Google Patents

キャリブレーション装置およびキャリブレーション方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は,カラープリンタやカラースキャナ・カラー複写機などのカラーデバイスの色再現性を複数のキャリブレーション式を用いてキャリブレーション(校正)するキャリブレーション装置およびキャリブレーション方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,カラープリンタの色再現性を予測するための関連する参考技術文献として,多色刷り印刷における複数の原色信号,たとえば各原色の網点面積率を視覚の三刺激値に変換する際に,実用上において精度が十分であり,しかも計算負荷を小さくできる印刷色再現予測式を決定する方法が特開平6−350844号公報に開示されている。
【0003】
上記印刷色再現予測式を決定する方法は,分解原色を網点面積率c,m,yに基づいて作成した複数の説明変数をすべて使った重回帰フルモデル式を設定し,実測データを用いて重回帰フルモデル式の係数を決定し,その重回帰フルモデル式を用いて予測の三刺激値XYZを求め,その予測三刺激値と実測三刺激値との色差が目標色差以下となる範囲内で重回帰フルモデル式の説明変数を1個ずつ取外してゆき,最終的に,目標色差以下で再現色を与える,最も計算負荷の小さい(この場合の計算負荷は色再現式を用いて色変換する時間であり,係数を設定する時間ではない)再現色予測式を与えるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記に示されるような従来における印刷色再現予測式を決定する方法にあっては,精度の高い再現色を予測することができるが,たとえばカラーデバイスの色再現性をキャリブレーションする場合に,フルパラメータで高精度な変換系を定めてから,順次パラメータを削減してゆくため,係数を決定するまでに要する計算時間が長くかかるという問題点があった。
【0005】
本発明は,上記に鑑みてなされたものであって,カラーデバイスをキャリブレーションする場合に,ユーザーの要求精度に応じたキャリブレーションの計算時間を最小限にすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために,請求項1に係るキャリブレーション装置にあっては,カラーデバイスから出力された基準色票を色計測し,得られた色計測値と前記カラーデバイス出力信号との対応関係に基づいて,前記カラーデバイスの色再現性を校正するキャリブレーション装置において,色再現精度および計算時間が異なる複数のキャリブレーション設定方式が格納されている設定方式格納手段と,前記設定方式格納手段に格納されているキャリブレーション設定方式のうち,計算時間の短い方式から順次選択する制御手段と,前記制御手段により選択された前記キャリブレーション設定方式に基づいてキャリブレーション演算を実行し,さらに演算結果を前記制御手段にフィードバックする演算手段と,を備え,前記制御手段は,フィードバックされた前記演算結果が所定の値に達した場合,キャリブレーションを終了させるものである。
【0007】
すなわち,色再現精度および/または計算時間が異なる複数のキャリブレーション設定方式を準備しておき,希望する色再現精度(校正精度)およびその計算時間に応じたキャリブレーションを行うことにより,ユーザーの要求精度に応じたキャリブレーションが実現する。
【0008】
また,請求項2に係るキャリブレーション装置にあっては,所望の色再現精度を指示するための入力手段をさらに備え,前記演算手段により得られた前記演算結果が前記入力手段により入力された所望の色再現精度に達した場合,キャリブレーションを終了させるものである。
【0009】
すなわち,実際のカラーデバイスの状況に応じて,あらかじめ用意した色再現精度および計算時間が異なる複数のキャリブレーション設定方式を計算時間の短いレベルから順次選択し,演算することにより,所望の精度に対応したキャリブレーションが実現する。
【0010】
また,請求項3に係るキャリブレーション装置にあっては,前記設定方式格納手段に格納されている複数のキャリブレーション設定方式は,キャリブレーション用データ数に基づいて調整されているものである。
【0011】
すなわち,キャリブレーション用データ数に基づいて異なる複数のキャリブレーション設定方式を準備しておくことにより,カラーデバイスをキャリブレーションする際に,ユーザーが希望するレベルのキャリブレーション計算時間/精度が選択可能となる。
【0012】
また,請求項4に係るキャリブレーション装置にあっては,前記設定方式格納手段に格納されている複数のキャリブレーション設定方式は,キャリブレーション式の収束方法に基づいて調整されているものである。
【0013】
すなわち,キャリブレーション式のパラメータを設定する場合における収束方法に基づいて異なる複数のキャリブレーション設定方式を準備しておくことにより,カラーデバイスをキャリブレーションする際に,ユーザーが希望するレベルのキャリブレーション計算時間/精度が選択可能となる。
【0014】
また,請求項5に係るキャリブレーション方法にあっては,カラーデバイスから出力された基準色票を色計測し,得られた色計測値と前記カラーデバイス出力信号との対応関係に基づいて,前記カラーデバイスの色再現性を校正するキャリブレーション方法において,あらかじめ再現精度および計算時間が異なる複数のキャリブレーション設定方式を用意しておき,前記用意してあるキャリブレーション設定方式の中から前記計算時間の短い方式から順次選択して,キャリブレーション演算を実行し,得られた演算結果が所定の値に達した場合,キャリブレーションを終了させるものである。
すなわち,色再現精度および計算時間が異なる複数のキャリブレーション設定方式を準備しておき,計算時間の短い方式から順次選択し,演算するため,所望の精度に対応したキャリブレーションが実現する
また,請求項6に係るキャリブレーション方法にあっては,あらかじめ求める色再現精度を入力しておき,キャリブレーション演算により得られた演算結果が前記色再現精度に達した場合,キャリブレーションを終了させるものである。
すなわち,あらかじめ求める色再現精度を入力しておき,入力された所望の色再現精度に達した場合,キャリブレーションを終了させることにより,所望の精度に対応したキャリブレーションが実現する。
また,請求項7に係るキャリブレーション方法にあっては,キャリブレーション演算により得られた演算結果を表示し,さらにキャリブレーション処理を継続するかの入力を受け取るものである。
すなわち,キャリブレーション演算により得られた演算結果を表示し,さらにキャリブレーション処理を継続するかの入力を受け取ることにより,所望の精度に対応したキャリブレーションが実現する。
また,請求項8に係るキャリブレーション方法にあっては,あらかじめ複数のキャリブレーション設定方式を用意する方法は,キャリブレーション用データ数に基づいて行うものである。
すなわち,キャリブレーション用データ数に基づいて異なる複数のキャリブレーション設定方式を準備しておくことにより,カラーデバイスをキャリブレーションする際に,ユーザーが希望するレベルのキャリブレーション計算時間/精度が選択可能となる。
また,請求項9に係るキャリブレーション方法にあっては,あらかじめ複数のキャリブレーション設定方式を用意する方法は,キャリブレーション式の収束方法に基づいて行なうものである。
すなわち,キャリブレーション式のパラメータを設定する場合における収束方法に基づいて異なる複数のキャリブレーション設定方式を準備しておくことにより,カラーデバイスをキャリブレーションする際に,ユーザーが希望するレベルのキャリブレーション計算時間/精度が選択可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1は,本実施の形態に係るカラーデバイスのキャリブレーション装置の構成を示すブロック図である。
【0019】
図において,101はあらかじめ複数の異なるキャリブレーション設定方式が設定されている設定方式格納手段としてのメモリである。該メモリ101には後述する第1のキャリブレーション方法あるいは第2のキャリブレーション方法に基づいて変換精度レベル毎に,キャリブレーション設定方式A101aとキャリブレーション設定方式B101b・キャリブレーション設定方式C101cというように設定しておく。
【0020】
また,102はメモリ101に設定されているキャリブレーション設定方式のうちどの方式を用いて選択するかを制御する制御手段としてのキャリブレーション方式設定制御部,103はキャリブレーション方式設定制御部102により選択・指示されたキャリブレーション設定方式に基づいてキャリブレーション演算を実行する演算手段としてのキャリブレーション演算部である。
【0021】
また,104はキャリブレーション精度やキャリブレーションの開始・終了を指示・入力するキーや表示パネルなどが設けられている入力手段としてのオペレーションパネルである。
【0022】
以上の構成において,キャリブレーション方式設定制御部102は,メモリ101に格納されているキャリブレーション設定方式を選択し,該設定方式を読み出しキャリブレーション演算部103に与える。さらにキャリブレーション演算部103は,上記選択されたキャリブレーション設定方式に基づいて演算を実行し,この中間情報,たとえば色差値などをキャリブレーション方式設定制御部102にフィードバックする。そして,キャリブレーション方式設定制御部102は,上記演算結果が所定の値に達した場合に上記演算を終了させる。
【0023】
次に,上記キャリブレーション設定方式について詳細に説明する。
【0024】
カラープリンタの色再現性をキャリブレーションする方法として,以下の2つの方法がある。すなわち,
第1に,色再現予測式を使わずに直接的に実色変換式を設定する第1の方法(以下,第1のキャリブレーション方法という),
第2に,色再現予測式をあらかじめ求めてから実色変換式を設定する第2の方法(以下,第2のキャリブレーション方法という),
である。
【0025】
また,上記2つのキャリブレーション方法は,いずれもカラーパッチをプリントアウトし,該カラーパッチを色計測し,その(y,m,c)プリント出力信号と色計測値(三刺激値X,Y,ZやLab値や濃度値など)との対応関係でキャリブレーションを行う。以下,これら第1のキャリブレーション方法と第2のキャリブレーション方法とに分けて詳述する。
【0026】
(第1のキャリブレーション方法)
第1のキャリブレーション方法は,三刺激値X,Y,Zをy,m,c信号に変換する実際の色変換式を設定し,上記各種パッチに対するデータに基づいて,y,m,c信号の誤差二乗和を最小にさせるような色変換式のパラメータを求めるのが一般的である。
【0027】
上記色変換式としては,多次多項式(1次の線形マスキング式を含む)やメモリマップ補間法などが考えられる。ただし,メモリマップ補間法の場合,パラメータ設定の困難さ(分割数が多い場合,データ数をかなり多くしないと,該当するデータがない分割領域が発生してパラメータが最適化できない)を考慮すれば分割数の少ないものにほぼ限定される。
【0028】
いずれにせよ,上記の場合,線形最小二乗法の手法でパラメータを設定することができる。なお,少数のパッチの計測データに基づいて,ほぼ直接的にパラメータを設定する方法があるが,精度の面では期待できない。
【0029】
(第2のキャリブレーション方法)
次に,第2のキャリブレーション方法をステップ1とステップ2とに分けて説明する。
【0030】
(ステップ1)
y,m,c信号を三刺激値X,Y,Zに変換する色再現予測式を設定する。色再現予測式として何を使うかによって,様々な方法があり,その代表的な3つを以下に説明する。
【0031】
▲1▼ メモリマップ補間法による色再現予測式
前述の各種パッチに対するデータに基づいて,色空間を分割した格子点に設定する値を変動させ,そのときのXYZ値あるいはLab値の誤差二乗和を最小にさせる非線形最適化手法により,格子点に設定する値を最終的に求める。この場合,分割数を多くすると演算時間がかなり長くなる。
【0032】
▲2▼ 多次多項式による色再現予測式
前述の各種パッチに対するデータに基づいて,X,Y,Z値の誤差二乗和を最小にさせるような色再現予測式を求める。この場合,線形最小二乗法を用いてパラメータを設定することができる。
【0033】
また,X,Y,Z値ではなくLab値の誤差二乗和を最小にさせるには,非線形最適化手法が必要となる。なお,三刺激値XYZをLab値に変換するには,公知の変換式を用いることができる。また,このLab値の誤差二乗和を最小にさせる方法は,演算時間が増えるが,人間の視覚特性を考慮した最適化が可能となる。
【0034】
▲3▼ ニューラルネットワークによる色再現予測式
ニューラルネットワークにより色再現予測式を構築する場合は,バックプロパゲーション(逆伝播)により学習し,最適化する方法である。
【0035】
(ステップ2)
上記ステップ1により設定した色再現予測式に基づいて三刺激値X,Y,Zをy,m,c信号に変換する実際の色変換式を設定する。この設定方法にも様々な方法があり,その代表的なもののうち3つを以下に説明する。
【0036】
▲1▼ ルックアップテーブルによる色変換式
色再現予測式の逆解を解くことにより,テーブル値を求める。
▲2▼ メモリマップ補間法による色変換式
色空間を分割した格子点に色再現予測式の逆解を解いた値を設定する。
▲3▼ 多次多項式による色変換式
Lab値の誤差二乗和を最小にさせる非線形最適化手法により,色予測式に基づいて色変換式のパラメータを最適化させる。
【0037】
次に,前述したキャリブレーション方法1およびキャリブレーション方法2による実施の形態を説明する。
【0038】
(第1のキャリブレーション方法による実施の形態)
ここでは,三刺激値(XYZ)を入力し,該入力色をymcの3版で出力するプリンタを例にとってキャリブレーション方法1の実施の形態を説明する。なお,本実施の形態では,色変換式として下記多次多項式を用いるものとする。
【0039】
Figure 0003634051
また,m,c値への変換式についても上記式と同様とする。
【0040】
次いで,キャリブレーションで使うデータに基づいて実施する方法を説明する。データ数が多くなるほど,高精度な変換パラメータを作ることが可能である。一方,データ数が多くなれば計算時間も増加する。このため,下記3つを準備しておく。
【0041】
すなわち,
A:少ないデータ数(たとえば,50パッチ)
B:中位のデータ数(たとえば,500パッチ)
C:多いデータ数(たとえば,5000パッチ)
【0042】
さらに,色再現精度評価用データを必要に応じて別途準備しておく。
【0043】
第1の方法は,ユーザー自身に上記A/B/Cの何れかのデータに応じた変換方法を選択させることである。ただし,ユーザーにとっては上記A/B/Cの方法といっても不明な点があるので,この場合,ユーザーには計算時間あるいはキャリブレーション精度といった情報を提示することにより選択させる。
【0044】
第2の方法は,上記A/B/Cを順に実行し,各ステップにおける色変換精度が所定の値以下になった場合,自動的のキャリブレーションを停止させるものである。この場合における色変換精度は,色再現精度評価用データを対象にして評価する。また,この場合,仮にAの段階で所定の精度以下となれば,次のB/Cを実行しないため,短時間でキャリブレーションを終了することができる。
【0045】
第3の方法は,ユーザーが希望する精度をユーザー自身が指定し,上記第2の方法に基づいて実行させるものである。この場合,計算時間および精度を考慮したキャリブレーションを行うことが可能となる。
【0046】
第4の方法は,A→B→Cと順次実行してゆき,各ステップにおける色変換精度をユーザーに知らせ,これ以降継続して実行させるかどうかの判断をユーザーに委ねるものである。この場合も上記と同様に,計算時間および精度を考慮したキャリブレーションを行うことが可能となる。
【0047】
なお,上記実施の形態では,多次多項式を例にとって説明したが,もちろんメモリマップ補間法を用いても全く同様に実行することができる。
【0048】
(第2のキャリブレーション方法による実施の形態)
ここでは,カラープリンタの色再現予測式を求め,該色再現予測式に基づいてキャリブレーションを行う場合について説明する。この場合,色再現予測式をどのように設定するかと,色再現予測式に基づいて実色変換式をどのように設定するかの2つの課題がある。
【0049】
まず,カラープリンタの色再現予測式(カラープリンタのy,m,cの3版出力での色再現(本実施の形態では三刺激値X,Y,Zを求める)を予測する)を求める場合に,本発明を適用した実施の形態を,以下に説明する。
【0050】
色再現予測式として,下記3つの変換式を準備しておく。
Figure 0003634051
また,Y,Z値への変換式についても上記式と同様とする。
【0051】
上記において,各式のパラメータを設定する再に,パラメータの数の次数が大きくなるにつれて計算時間が長くなる。しかし,その一方で色再現予測精度の向上を期待することができる。
【0052】
第1の方法は,ユーザー自身に上記A/B/Cの何れかのデータに応じた変換方法を選択させることである。ただし,ユーザーにとっては上記A/B/Cの方法といっても不明な点があるので,この場合,ユーザーには計算時間あるいはキャリブレーション精度といった情報を提示することにより,選択させる。
【0053】
第2の方法は,上記A/B/Cを順に実行し,各ステップにおける色変換精度が所定の値以下になった場合,自動的のキャリブレーションを停止させるものである。この場合における色変換精度は,色再現精度評価用データを対象にして評価する。また,この場合,仮にAの段階で所定の精度以下となれば,次のB/Cを実行しないため,短時間でキャリブレーションを終了することができる。
【0054】
第3の方法は,ユーザーが希望する精度をユーザー自身が指定し,上記第2の方法に基づいて実行させるものである。この場合,計算時間および精度を考慮したキャリブレーションを行うことが可能となる。
【0055】
第4の方法は,A→B→Cと順次実行してゆき,各ステップにおける色変換精度をユーザーに知らせ,これ以降継続して実行させるかどうかの判断をユーザーに委ねるものである。この場合も上記と同様に,計算時間および精度を考慮したキャリブレーションを行うことが可能となる。
【0056】
なお,上記実施の形態では,多次多項式を例にとって説明したが,本例に限定されることなく,もちろんニューラルネットワークによる色予測式などを用いても容易に適用することができる。
【0057】
また,上記では,色予測式の複雑さに基づいた多次多項式による実施の形態について示したが,メモリマップ補間法により上記色再現予測式を構築する方法もある。このメモリマップ補間法とは,色空間を複数の領域に分割し,該分割した領域の格子点に設定した値に基づいて内挿演算により任意に入力に対する出力応答を求めるのである。
【0058】
また,空間の分割方法により,たとえば,一般的に知られている補間方法として,四面体補間,三角柱補間(プリズム補間)などの手法がある。
【0059】
そこで,上記ymc色空間の分割数を変える方法もある。たとえば,
A:色空間の3軸を2分割して立方体補間
B:色空間の3軸を4分割して立方体補間
C:色空間の3軸を8分割して立方体補間
とする方法も多次多項式によるものと同様の効果が得られる。なお,分割数を多くするほど,キャリブレーションに使うデータも多数必要となる。
【0060】
また,ニューラルネットワークでも,複数の規模のニューラルネットワークを準備することにより上記と同様にキャリブレーションを行うことができる。さらに,多次多項式やメモリマップ補間法やニューラルネットワークを適宜組み合わせてシステムを構築することも有効である。
【0061】
また,別の方法として,キャリブレーションで使うデータ数に基づいて実施する方法もある。データ数が多くなるほど,高精度な変換パラメータを作ることが可能である。一方,データ数が多くなれば計算時間も増加する。このため,下記3つを準備しておく。
【0062】
すなわち,
A:少ないデータ数(たとえば,50パッチ)
B:中位のデータ数(たとえば,500パッチ)
C:多いデータ数 (たとえば,5000パッチ)
とし,色予測式の複雑さに基づいて,前述と同様に実施すればよい。
【0063】
さらに,別の方法として,色再現予測式のパラメータを設定するときの収束方法を変える方法もある。この収束方法には,線形最適化手段と非線形最適化手段とがある。
【0064】
上記では三刺激値の誤差二乗和を最小にさせる最小二乗法(線形最適化)によりパラメータを求めている。一般に色再現精度は色差で評価する場合が多く,色差の誤差二乗和を最小にさせることにより精度の向上を図ることができる。この場合,非線形最適化手法が必要となる。
【0065】
また,色再現精度を考慮した場合には色差最小に基づいた非線形最適化手法が優れているが,一方,計算時間を考慮すると,線形最適化手法が優れている。
【0066】
そこで,
A:線形最適化手法によるパラメータ設定
B:非線形最適化手法によるパラメータ設定
の2つを用意し,色予測式の複雑さに基づいて同様に実施すればよい。
【0067】
次に,色再現予測式に基づいて実色変換式のパラメータを設定する場合における適用例を説明する。色再現予測式を基に三刺激値X,Y,Zをy,m,c信号に変換する色変換式を設定する。
【0068】
この色変換式の設定方法として,色変換方法に対応した以下の3つがある。
第1に,ルックアップテーブルによる色変換式の場合,色再現予測式の逆解を解くことにより,テーブル値を設定する。
第2に,メモリマップ補間法による色変換式の場合,色空間を分割した格子点に色再現予測式の逆解を解いた値を設定する。
第3に,多次多項式による色変換式の場合,Lab値の誤差二乗和を最小にさせる非線形最適化手法により,色予測式に基づいて色変換式のパラメータを最適化させる。
【0069】
また,上記において,キャリブレーション方法1とは異なり,実データに基づいてパラメータを設定するものではなく,色再現予測式により導き出されたデータを用いてパラメータを設定する。さらに,色再現予測式に基づいて実色変換式のパラメータを設定する場合にも,キャリブレーションで使うデータ数に基づいてキャリブレーションを制御する方法が有効である。
【0070】
なお,これまで説明してきた実施の形態では,標準信号を入力としたカラープリンタを例にとったが,カラースキャナや複写機キャリブレーションなどの他のカラーデバイスに対しても,もちろん有効である。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明に係るキャリブレーション装置(請求項1)によれば,色再現精度および計算時間が異なる複数のキャリブレーション設定方式を準備しておき,計算時間の短い方式から順次選択し,演算するため,所望の精度に対応したキャリブレーションを実現することができる。
【0072】
本発明に係るキャリブレーション装置(請求項2)によれば,あらかじめ求める色再現精度を入力しておき,入力された所望の色再現精度に達した場合,キャリブレーションを終了させることにより,所望の精度に対応したキャリブレーションが実現する。
【0073】
また,本発明に係るキャリブレーション装置(請求項3)によれば,キャリブレーション用データ数に基づいて異なる複数のキャリブレーション設定方式を準備しておくことにより,カラーデバイスをキャリブレーションする際に,ユーザーが希望するレベルのキャリブレーション計算時間/精度が選択可能となる。
【0074】
また,本発明に係るキャリブレーション装置(請求項4)によれば,キャリブレーション式のパラメータを設定する場合における収束方法に基づいて異なる複数のキャリブレーション設定方式を準備しておくことにより,カラーデバイスをキャリブレーションする際に,ユーザーが希望するレベルのキャリブレーション計算時間/精度が選択可能となる。
【0075】
また,本発明に係るキャリブレーション方法(請求項5)によれば,色再現精度および計算時間が異なる複数のキャリブレーション設定方式を準備しておき,計算時間の短い方式から順次選択し,演算するため,所望の精度に対応したキャリブレーションを実現することができる。
【0076】
また,本発明に係るキャリブレーション方法(請求項6)によれば,あらかじめ求める色再現精度を入力しておき,入力された所望の色再現精度に達した場合,キャリブレーションを終了させることにより,所望の精度に対応したキャリブレーションが実現する。
また,本発明に係るキャリブレーション方法(請求項7)によれば,,キャリブレーション演算により得られた演算結果を表示し,さらにキャリブレーション処理を継続するかの入力を受け取ることにより,所望の精度に対応したキャリブレーションが実現する。
また,本発明に係るキャリブレーション方法(請求項8)によれば,キャリブレーション用データ数に基づいて異なる複数のキャリブレーション設定方式を準備しておくことにより,カラーデバイスをキャリブレーションする際に,ユーザーが希望するレベルのキャリブレーション計算時間/精度が選択可能となる。
また,本発明に係るキャリブレーション方法(請求項9)によれば,キャリブレーション式のパラメータを設定する場合における収束方法に基づいて異なる複数のキャリブレーション設定方式を準備しておくことにより,カラーデバイスをキャリブレーションする際に,ユーザーが希望するレベルのキャリブレーション計算時間/精度が選択可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るカラーデバイスのキャリブレーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
101 メモリ
101a キャリブレーション設定方式A
101b キャリブレーション設定方式B
101c キャリブレーション設定方式C
102 キャリブレーション方式設定制御部
103 キャリブレーション演算部
104 オペレーションパネル

Claims (9)

  1. カラーデバイスから出力された基準色票を色計測し,得られた色計測値と前記カラーデバイス出力信号との対応関係に基づいて,前記カラーデバイスの色再現性を校正するキャリブレーション装置において,
    色再現精度および計算時間が異なる複数のキャリブレーション設定方式が格納されている設定方式格納手段と,
    前記設定方式格納手段に格納されているキャリブレーション設定方式のうち,計算時間の短い方式から順次選択する制御手段と,
    前記制御手段により選択された前記キャリブレーション設定方式に基づいてキャリブレーション演算を実行し,さらに演算結果を前記制御手段にフィードバックする演算手段と,
    を備え,
    前記制御手段は,フィードバックされた前記演算結果が所定の値に達した場合,キャリブレーションを終了させることを特徴とするキャリブレーション装置。
  2. 所望の色再現精度を指示するための入力手段をさらに備え,
    前記演算手段により得られた前記演算結果が前記入力手段により入力された所望の色再現精度に達した場合,キャリブレーションを終了させることを特徴とする請求項1に記載のキャリブレーション装置。
  3. 前記設定方式格納手段に格納されている複数のキャリブレーション設定方式は,キャリブレーション用データ数に基づいて調整されていることを特徴とする請求項1または2に記載のキャリブレーション装置。
  4. 前記設定方式格納手段に格納されている複数のキャリブレーション設定方式は,キャリブレーション式の収束方法に基づいて調整されていることを特徴とする請求項1または2に記載のキャリブレーション装置。
  5. カラーデバイスから出力された基準色票を色計測し,得られた色計測値と前記カラーデバイス出力信号との対応関係に基づいて,前記カラーデバイスの色再現性を校正するキャリブレーション方法において,
    あらかじめ再現精度および計算時間が異なる複数のキャリブレーション設定方式を用意しておき,
    前記用意してあるキャリブレーション設定方式の中から前記計算時間の短い方式から順次選択して,キャリブレーション演算を実行し,
    得られた演算結果が所定の値に達した場合,キャリブレーションを終了させることを特徴とするキャリブレーション方法。
  6. あらかじめ求める色再現精度を入力しておき,キャリブレーション演算により得られた演算結果が前記色再現精度に達した場合,キャリブレーションを終了させることを特徴とする請求項に記載のキャリブレーション方法。
  7. キャリブレーション演算により得られた演算結果を表示し,さらにキャリブレーション処理を継続するかの入力を受け取ることを特徴とする請求項に記載のキャリブレーション方法。
  8. あらかじめ複数のキャリブレーション設定方式を用意する方法は,キャリブレーション用データ数に基づいて行うことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載のキャリブレーション方法。
  9. あらかじめ複数のキャリブレーション設定方式を用意する方法は,キャリブレーション式の収束方法に基づいて行なうことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載のキャリブレーション方法。
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