JP3633547B2 - カラオケ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、カラオケ装置において各種の情報を利用者が指示に応じて表示し、且つ印刷することができるカラオケ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
利用者の歌唱をガイドメロディと比較することによって精度の高い採点を行うことができるカラオケ装置が提案されている。このようなカラオケ装置では、曲の演奏が終了したのち、得点とともに歌唱のアドバイスなどが表示される。また、カラオケ曲の演奏の合間にリクエストベスト20,タウンガイド,新曲情報などのカラオケ装置の利用者に役立つ情報を表示する機能をもったカラオケ装置も実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、カラオケ装置は、単にカラオケ曲を演奏するのみならず、利用者に役立つ情報を種々表示する機能を備えているが、いつどのタイミングでその情報が表示されるかが分からないため利用者が有効に利用することができないという問題点があった。また、利用者の操作で情報を表示できるようにしてもその操作が面倒な場合には、十分な情報の活用が図られないという問題点もあった。
【0004】
また、従来のカラオケ装置ではこの情報を一定時間モニタに表示するのみで消去し利用者の手元に残すことができなかったため、利用者が十分にこの情報を活用できているとはいえなかった。
【0005】
また、この表示内容をいわゆるハードコピーでプリントアウトすることも考えられるが、カラオケ装置のモニタはNTSCのきめの荒い表示器であり、この表示器の表示内容をそのままプリントしたのでは品質の悪い印刷物しかできない欠点があった。
【0006】
この発明は、利用者の慣れた操作に応じてモニタに各種情報を表示し、且つこの表示した情報を利用者の要求に応じて綺麗に印刷することができるカラオケ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、記憶手段と、演奏手段と、入力手段と、制御手段とを備えたカラオケ装置であって、記憶手段は、曲番号がそれぞれ付された楽曲データと採点機能データを記憶し、採点機能データは、採点スクリプトデータと、表示用ファイルと、印刷用ファイルを含み、演奏手段は、楽曲データの演奏を可能とし、入力手段は、利用者からの曲番号の入力を受け付け可能とし、制御手段は、入力された曲番号が楽曲データのものか、採点機能データのものかを判別し、楽曲データの場合は曲番号に対応する楽曲データを演奏手段に演奏させ、採点機能データの場合であって採点モード時でない場合は曲番号に対応する採点機能データを読み込んで採点モードにセットし、採点モード時は、読み込んだ採点機能データの採点スクリプトにしたがって採点処理を行い、採点処理は、歌唱音声信号の採点を行い、読み込んだ採点機能データの表示用ファイルを用いて採点結果をレイアウトし表示手段に表示させるとともに、読み込んだ採点機能データの印刷用ファイルを用いて採点結果をレイアウトし印刷手段に印刷させることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明では、上記発明において、上記制御手段は、入力された曲番号が採点機能データの場合であって採点モード時の場合には、採点モードをリセットすることを特徴とする。
【0009】
情報表示データを楽曲データと同形式の曲番号で識別し、楽曲データの選曲操作と同じ操作で指定できるようにしたことにより、利用者が選曲するときと同じ慣れた操作で情報表示データを指定することができ、利用者の役に立つ各種情報を十分に活用することができる。
ここで、各種情報としては、たとえばカラオケ曲の歌唱の採点結果やカラオケ曲の演奏の合間に表示されるリクエストベスト20,タウンガイド,新曲情報などのカラオケ装置利用者に役立つ情報である。装置は、これらの情報をモニタに表示して利用者に提供するが、利用者がこの情報を手元に残したいとき、その旨を指示すると、この情報の内容を印刷に適した形態で印刷する。
【0010】
印刷に適した形態とは、たとえば、CRTモニタに表示される文字や図形は荒いドットのものであるが、印刷する場合は印刷装置の解像度に合わせた精彩な文字や図形に変更すること、モニタがカラーで印刷が白黒の場合には図形の色を塗りつぶしパターンに変更すること、CRTモニタでスクロールや改ページで表示される内容を1枚の用紙に納まるように再レイアウトすることなどである。このように形態を変更することにより、使用者のために表示装置に表示された情報をより有効に利用者に活用してもらうことができる。
【0011】
また、同じ情報を表示用に編集した表示用ファイルと印刷用に編集した印刷用ファイルとを別々に記憶することにより、カラオケ装置において情報を編集する必要がなく短い処理時間で印刷をすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図面を参照してこの発明の実施形態であるカラオケ装置について説明する。このカラオケ装置は、カラオケ曲の演奏に合わせてマイクから入力される歌唱音声信号をガイドメロディデータと比較することによって歌唱を採点する採点機能を備えており、採点モードでカラオケ曲を演奏したときは、演奏後に歌唱の得点やアドバイスなどをモニタ6に表示する。また、このカラオケ装置は、カラオケ演奏の合間にタウン情報やリクエストベスト20などの情報(曲間CM)を上映する機能を有している。このようにこのカラオケ装置はカラオケ曲の演奏と並行して利用者に有益な種々の情報をモニタ6に表示する。そして、上記採点結果や曲間CMをモニタ6に表示しているとき、利用者からの指示に応じて、この表示内容をプリンタ9でプリントアウトすることができる。これら採点機能や情報プリント機能は、カラオケ曲の演奏を主な機能としているカラオケ装置おいて、カラオケ曲の演奏以外の機能を実行させるためのデータであるICMデータによって実行される。
【0013】
図1は採点機能や情報プリント機能を実行可能なカラオケ装置のブロック図である。図2は同カラオケ装置の音声信号処理装置3の機能ブロック図である。図3は同カラオケ装置に付属している赤外線リモコン8の外観図である。図4はカラオケ装置本体1のハードディスク記憶装置17の一部構成図である。図5は同カラオケ装置本体1のRAM12の一部構成図である。
【0014】
図1において、カラオケ装置は、カラオケ装置本体1,コントロールアンプ2,音声信号処理装置3,LDチェンジャ4,スピーカ5,モニタ6,プリンタ9,マイク7および赤外線のリモコン装置8で構成されている。カラオケ装置本体1はこのカラオケ装置全体の動作を制御する。該カラオケ装置本体1に内蔵されているCPU10には、内部バスを介してROM11,RAM12,ハードディスク記憶装置17,通信制御部16,リモコン受信部13,表示パネル14,パネルスイッチ15,音源装置18,音声データ処理部19,文字表示部20,表示制御部21が接続されるとともに、上記外部装置であるコントロールアンプ2,音声信号処理装置3,LDチェンジャ4およびプリンタ9がインタフェースを介して接続されている。
【0015】
ROM11にはこの装置を起動するために必要な起動プログラムなどが記憶されている。装置の動作を制御するシステムプログラム,アプリケーションプログラムなどはハードディスク記憶装置17に記憶されている。アプリケーションプログラムはカラオケ演奏プログラムやICM実行プログラムなどである。カラオケ装置の電源がオンされると上記起動プログラムによってシステムプログラムやカラオケ演奏プログラムがRAM12に読み込まれる。
【0016】
RAM12には、上記システムプログラム,カラオケ演奏プログラム,ICM実行プログラムなどが読み込まれ、カラオケ曲の演奏やICM機能などを実行するときCPU10がこれを使用する。また、RAM12には図4(B)に示すように、演奏楽曲データ記憶エリア220、実行ICMデータ記憶エリア221および予約リスト222などが設定されている。演奏楽曲データ記憶エリア220は、利用者が選択したカラオケ曲の楽曲データを読み込むエリアである。実行ICMデータ記憶エリア221は、ICM実行プログラムによって実行される採点機能ICMデータや曲間CM用ICMデータなどのICMデータを読み込むエリアである。また、予約リスト222には、利用者がリモコン8を用いて予約したカラオケ曲やICMデータの曲番号が順番に記憶される。曲番号は4桁の歌手番号+2桁の歌手別曲番号の6桁で構成されており、全てのカラオケ曲の曲番号の上位4桁はその曲のオリジナル歌手の歌手番号になっている。そして、歌手番号のうち、“8000”がICMデータに割り当てられており、ICMデータもカラオケ曲と同じ構成の6桁の曲番号(たとえば“8000−10”など)で識別される。カラオケ曲の曲番号は予約順に記憶されるが、ICMデータの曲番号が入力された場合には、先に予約されているカラオケ曲の曲番号に優先してこのICMデータの曲番号が最上位に記憶される。
【0017】
通信制御部16はISDN回線を介して配信センタから楽曲データなどをダウンロードしハードディスク記憶装置17に書き込む。この書込動作はDMA回路を用いてハードディスク記憶装置17に直接行われる。ハードディスク記憶装置17には、図4(A)に示すように、前記システムプログラム,カラオケ演奏プログラム,ICM実行プログラムなどを記憶するプログラム記憶エリア270、約1万曲の楽曲データを記憶する楽曲データ記憶エリア271および複数のICMデータを記憶するICMデータ記憶エリア272が設定されている。
【0018】
リモコン8は、図3に示すように、種々のキースイッチを備えており、利用者がこれらのスイッチを操作するとその操作に応じたコード信号が赤外線で出力される。リモコン受信部13はリモコン装置8から送られてくる赤外線信号を受信して、そのコード信号を復元しCPU10に入力する。
【0019】
図3において、リモコン8は、種々のキー群51〜56、赤外線発光部57およびLCD表示部58を備えている。キー群は、Aキー,Bキーを含むテンキー51,メモリ/セットキー52,スタートキー53,転送キー54,取り消しキー55,キーコンキー56からなっている。曲番号をカラオケ装置本体に入力する場合、まずテンキー51を操作して曲番号を入力すると、入力内容がLCD表示部58に表示される。この曲番号の入力が間違っている場合には取り消しキー55をオンして入力内容を取り消し、最初から入力しなおすことができる。曲番号の入力ののち、メモリ/セットキー52をオンしてバッファの内容を確定し、転送キー54をオンするとこの確定した曲番号に対応する赤外線コード信号が赤外線発光部57から発信され、該曲番号がカラオケ装置本体1に伝達される。このときカラオケ装置本体1は、受信した曲番号を予約リストに登録する。スタートキー53は、予約リストに登録されているカラオケ曲を利用者の指示を待ってスタートする単曲モード時に使用されるキーであり、このスタートキー53がオンされたとき先頭に登録されているカラオケ曲の演奏をスタートする。また、前記取り消しキー55をカラオケ曲の演奏中にオンするとその曲の演奏が中止される。また、キーコンキー56はシーソー構造になっており、キーの右側が△キー56b、キーの左側が▽キー56aになっている。△キー56bを1回オンすると演奏のキーが半音上昇する。また、▽キー56aを1回オンすると演奏のキーが半音低下する。
【0020】
表示パネル14はこのカラオケ装置本体1の前面に設けられており、現在演奏中の曲番号や予約曲数を表示するマトリクス表示器や現在設定されているキーやテンポを表示するLED群などを含んでいる。パネルスイッチ15は、前記リモコン装置8と同様の曲番号入力用のテンキーやキーチェンジスイッチ、テンポチェンジスイッチを備えている。
【0021】
音源装置18は、楽曲データの楽音トラックのデータに基づいて楽音信号を形成する。楽音トラックは、複数のトラックを有しており、音源装置18はこのデータに基づいて複数パートの楽音信号を同時に形成する。音声データ処理部19は、楽曲データに含まれる音声データに基づき、指定された長さ、指定された音高の音声信号を形成する。音声データは、バックコーラスなどの人声など電子的に形成しにくい信号波形をそのままPCM信号として記憶したものである。前記音源装置18が形成した楽音信号および音声データ処理部19が再生した音声信号は、コントロールアンプ2に入力される。コントロールアンプ2には、マイク7が接続されており、カラオケ歌唱者の歌唱音声信号が入力される。コントロールアンプ2はこれらのオーディオ信号に、それぞれエコーなど所定の効果を付与したのち増幅してスピーカ5に出力する。また、コントロールアンプ2は、採点モード時に歌唱音声信号を音声信号処理装置3に入力する。
【0022】
図2は前記音声信号処理装置3の機能ブロック図である。音声信号処理装置3はDSPを有し、マイクロプログラムに基づくディジタル処理で音声信号を処理するが、この図はその機能をブロック化して表している。音声信号処理装置3は、カラオケ演奏時に楽曲データから読み出されるガイドメロディデータをリファレンス32として入力する。ガイドメロディデータはMIDIデータであるが、CPU10はこのMIDIイベントデータを周波数データおよび音量データに変換して音声信号処理装置3に入力する。また、マイク7から入力された歌唱音声信号をコントロールアンプ2から入力し、要素抽出部30において、歌唱周波数データ,歌唱音量データの音楽要素を抽出する。この抽出された歌唱周波数データおよび歌唱音量データを比較部31においてガイドメロディのリファレンス32と比較することにより、その差分データを割り出す。また、歌唱音量データとガイドメロディの音量データの立ち上がりタイミングのずれに基づいてタイミング差分データを割り出す。この比較処理は150ms毎に実行される。割り出された周波数差分データおよび音量差分データは、CPU10に送信される。CPU10は、カラオケ曲の1フレーズ毎にこの差分データを集計し、フレーズ毎の周波数ポイント,音量ポイント,タイミングポイントを算出する。カラオケ曲演奏が終了したとき、各フレーズ毎に算出されたポイントを集計することによって全曲ポイントを算出する。この全曲ポイントは、周波数,音量,タイミングの3つの要素について別々に算出されるとともに、全ての要素を考慮した総合ポイントも算出される。
【0023】
文字表示部20は、CPU10から入力される文字データに基づいて曲名や歌詞、または、採点結果,曲間CMなどの文字パターンを生成する。また、外付装置であるLDチェンジャ4は、CPU10から入力された映像選択データに基づいて動画の映像を背景映像として再生する。映像選択データは楽曲データのヘッダに書き込まれているジャンルデータなどに基づいて決定される。表示制御部21はLDチェンジャ4から入力された背景映像に文字表示部20から入力される歌詞などの文字パターンをスーパーインポーズで合成してモニタ6に表示する。
【0024】
また、プリンタ9は、モニタ6に表示された内容を用紙にプリントアウトするためのものであり、サーマルプリンタやインクジェットプリンタなどの簡便なものが使用される。
【0025】
図5(A)、(B)は、楽曲データおよびICMデータの構成例を示す図である。
同図(A)は楽曲データの構成を示している。楽曲データは、ヘッダ,楽音トラック,ガイドメロディトラック,歌詞トラック,音声制御トラック,DSP制御トラックからなっている。ヘッダは、この楽曲データに関する種々のデータが書き込まれる部分であり、曲名,ジャンル,発売日,曲の演奏時間などのデータを含んでいる。
【0026】
楽音トラック,ガイドメロディトラック,歌詞トラック,音声制御トラック,DSP制御トラックの各トラックは全てMIDIフォーマットで記述されている。MIDIフォーマットは、複数のイベントデータと各イベントデータ間の時間間隔を示すデュレーションデータΔtからなっている。シーケンスプログラムは、所定のテンポクロックでΔtをカウントし、Δtをカウントアップしたときこれに続くイベントデータを読み出して所定の処理部へ出力する。
【0027】
楽音トラックは、メロディトラック,リズムトラックを初めとして種々のパートのトラックを含んでいる。楽音トラックのイベントデータは楽音の発音や楽音の消音などを指示するノートオンイベントデータやノートオフイベントデータなどで構成されている。
【0028】
ガイドメロディトラックは、歌唱者が歌唱するメロディ音を発生するためのMIDIデータで構成されており、採点モード時には、このデータがリファレンスデータとして音声信号処理装置3に入力される。
【0029】
歌詞トラックは、モニタ6に歌詞を表示するためのシーケンスデータを記憶したトラックである。このシーケンスデータは楽音データではないが、インプリメンテーションの統一をとり、作業工程を容易にするためこのトラックもMIDIデータ形式のシステム・エクスクルーシブ・メッセージで記述されている。音声制御トラックは、音声データ部に記憶されている音声データの発生タイミングや再生ピッチなどを指定するシーケンストラックである。音声データ部には、音源18で合成しにくいバックコーラスやハーモニー歌唱などの人声が記憶されている。効果制御トラックには、コントロールアンプ2による効果の付与を制御する効果制御データがデュレーションデータΔtとともに書き込まれている。
【0030】
同図(B)はICMデータの構成を示す図である。ICMデータは、上述した採点機能を実現するための採点機能ICMデータ、カラオケ曲の予約がないときに「リクエストベスト20」や「タウンガイド」などの曲間CMを上映するための曲間CM用ICMデータ、および、上記曲間CMを利用者の選択に応じて上映するための情報選択機能ICMデータなどがある。ICMデータも上記楽曲データとほぼ同様の構成になっており、このICMデータの名称,リリース日などのデータが書き込まれるヘッダ、画面表示や採点機能などを制御するためのスクリプトデータ、および、該スクリプトの実行時に使用される画像データ,テキストデータなどからなっている。上述したように、採点結果や曲間CMはモニタ6に表示されるとともに、利用者の指示に応じてプリンタ9でプリントアウトされるため、画像データおよびテキストデータはモニタ6に表示するために構成されたものとプリンタ9でプリントするために構成されたものが並行して記憶されている。
【0031】
上記のようにICMデータも楽曲データとほぼ同様の構成をしているため、楽曲データとともに配信センタからダウンロードしてデータを更新することができる。ICMデータの更新はデータ全体の書き換えのみならず、一部のスクリプトや画像データ,テキストデータのみの書き換えも可能である。
【0032】
図6〜図11のフローチャート、図12〜図14のモニタ表示例,プリント例を参照して同カラオケ装置の動作を説明する。
【0033】
図6は曲予約動作を示すフローチャートである。リモコン装置8から曲番号が入力されると(s1)、この曲番号がICMデータを指定する曲番号であるかを判断する(s2)。ICMデータを指定する曲番号の場合には予約リスト122の最上位にこれを登録し、現在演奏中のカラオケ曲の次にこれが実行されるようにする(s3)。一方、通常のカラオケ曲の曲番号であった場合には予約リスト122の最下位にこれを登録する(s4)。なお、現在カラオケ曲が演奏されていない場合には、この曲番号が入力されたICMデータまたはカラオケ曲が即座に実行される。
【0034】
図7は、予約リスト処理動作を示すフローチャートである。この動作は先のカラオケ曲の演奏が終了したとき実行される動作である。まず予約リスト122に登録されている曲番号があるか否かを判断する(s7)。登録されている曲番号がない場合には曲間CM上映処理動作(s8:図10)を実行する。この曲間CMはICMデータによって実行されるものであり、リクエストベスト20,新曲情報,タウンガイド,イベント情報などを表示するものである。
【0035】
曲番号が予約リスト122に予約登録されている場合には、そのうち最上位のものを読み出し(s9)、これがICMデータを指定する曲番号であるか否かを判断する(s10)。ICMデータを指定する曲番号でない場合には通常のカラオケ曲を指定する曲番号であるため、カラオケ演奏処理動作(s11:図8)を実行する。また読み出された曲番号がICMデータを指定する曲番号であった場合には、この曲番号が採点機能ICMデータのものであるか情報表示ICMデータのものであるかを判断する(s12)。情報表示ICMデータの曲番号の場合にはs17に進んで情報表示処理(図11)を実行する。情報表示ICMデータは、曲間CMとして表示される情報を利用者が自分の選択で見たいとき指定するICMデータであり、複数の曲間CMの情報から所望のものを選択して表示する機能を有するものである。また、採点機能ICMデータを指定する曲番号であった場合には、現在採点モードがセットされているか否かを判断する(s13)。現在採点モードでない場合には、採点機能ICMデータをICMデータ記憶エリア172から読み出し(s14)、必要なスクリプトデータや画像データ,テキストデータをRAM12に書き込んで採点モードをセットする(s15)。こののち次の予約曲の処理に進む。一方、s13において、既に採点モードがセットされている場合には、採点モードを解除するためにこの曲番号が予約登録されたと判断し、採点モードをリセットして(s16)次の予約曲の処理に進む。
【0036】
図8はカラオケ演奏処理動作を示すフローチャートである。上記予約リスト処理動作(図7)においてカラオケ曲の楽曲データを指定する曲番号が読み出され、動作がこの処理動作に進むと、まず、指定された曲番号の楽曲データをハードディスク記憶装置17の楽曲データ記憶エリア171からRAM12の演奏楽曲データ記憶エリア120に読み出し(s20)、この楽曲データのヘッダに含まれるジャンルデータに基づいて背景映像を選択してLDチェンジャ4に通知する(s21)。これにより、LDチェンジャ4は所定の背景映像を再生して表示制御部21に入力する。こののち、各トラックのデータをクロックに従って並行して読み出し(s22)、読み出されたイベントデータを対応する処理部(音源18,文字表示部20,音声データ処理部19,コントロールアンプ2など)に出力する(s23)。そして、現在採点モードがセットされているか否かを判断し(s24)、セットされていない場合には曲が終了するまで上記s22,s23の動作を繰り返し実行する。採点モードの場合にはガイドメロディトラックから読み出したデータをリファレンスデータとして音声信号処理装置3に出力する(s25)。そして、このリファレンスデータに基づいて割り出された歌唱音声信号の周波数、音量、タイミングの差分データを音声処理処理装置3から受信し(s26)。このデータをRAM22の差分データ記憶エリアに記憶する(s27)。採点モードの場合には上記s22〜s27の動作を曲が終了するまで繰り返し実行する(s28)。
【0037】
図9は採点モード時における前記音声信号処理装置3の動作を示すフローチャートである。音声信号処理装置はDSPを内蔵しており、マイクロプログラムによる動作で入力された歌唱音声信号とガイドメロディデータであるリファレンスデータとの周波数差,音量差,タイミング差を割り出す。まずCPU10からガイドメロディデータをリファレンスデータとして入力する(s40)。そしてコントロールアンプ2から歌唱音声信号を入力する(s41)。そしてこの歌唱音声信号から周波数および音量の要素を抽出し(s42)、リファレンスデータと比較することによって周波数差分データ,音量差分データを算出する(s43)。そして、音量の変化タイミングの時間差に基づいてタイミング差分データを割り出す(s44)。これらの差分データをカラオケ装置本体1のCPU10に送信する(s45)。以上の動作をカラオケ曲が終了するまで、150ms毎に繰り返し実行する(s46)。
【0038】
図8において、曲が終了すると、現在採点モードであるか否かを判断する(s29)。採点モードでない場合にはカラオケ演奏処理動作を終了し、図7の予約リスト処理動作に移行する。採点モードの場合には全曲の差分データを集計して、周波数,音量,タイミング毎に得点を算出し、さらに、総合得点を算出する(s30)。そして、この歌唱に対するアドバイス文言をICMデータのテキストデータ群から読み出し、図12(A)に示すように、音程(周波数)、音量、リズム感(タイミング)および総合の各得点およびアドバイス文言をモニタ6に表示する(s31)。そして、この表示画面でこの内容をプリントするか否かの選択を受け付け(s32)、プリントする旨が入力された場合には、図12(B)に示すように、音程,音量,リズム感,総合の各得点とともに、このカラオケ曲の全曲の歌詞に対して矢印でフレーズを指定したアドバイス文言が印刷されたものをプリントアウトする(s34)。この採点結果の印刷物には、カラオケ曲の歌詞の該当箇所を指示してアドバイスが印刷されているため、曲のどの箇所をどの様に直せばよいのかがよくわかり今後の歌唱の参考になる。s32でプリントしない旨が選択された場合には、そのままこの動作を終了する。
【0039】
図10は曲間CM上映動作を示すフローチャートである。カラオケ曲の演奏が終了したとき、次の曲番号が予約リスト122に登録されていない場合に、図7のs7によってこの動作が実行される。複数の「リクエストベスト20」,「新曲紹介」,「タウンガイド」,「イベント情報」などの曲間CM用ICMデータのなかからCM上映のスケジュールに従って1つを選択し、そのICMデータをハードディスク記憶装置17のICMデータ記憶エリア172からRAM12の実行ICMデータ記憶エリア121に読み出す(s50)。そして、このデータに基づいて構成された表示用情報をモニタ6に表示する(s51)。そして、この表示画面においてこの内容をプリントするか否かの選択を受け付け(s52)、プリントする旨が入力された場合には、この表示用データと同じ内容で印刷用に編集されているプリント用データを用いてプリントする(s53)。
【0040】
「リクエストベスト20」のモニタ7の表示例および印刷例を図13(A)および同図(B)に示す。同図(A)はモニタ6への表示例である。モニタ6には一度に6〜7曲分しか表示できないため、ベスト20のリストをスクロールさせて20曲全部を順次表示する。一方、同図(B)の印刷例では10曲ずつ2列に配置して1枚の用紙にベスト20曲を全部印刷している。このようにモニタ6およびA4程度の大きさの用紙の特性をそれぞれ生かしたレイアウトで表示および印刷を行うため、モニタ6の表示においても用紙へのプリントにおいても見やすいものになっている。
【0041】
図11は情報表示処理動作を示すフローチャートである。まず、図14に示す情報選択画面を表示する(s60)。この画面をみながら利用者は所望の情報を選択する(s61)。所望の情報が選択されると、この情報を表示するための曲間CM用ICMデータを読み出し(s62)、上記曲間CMのときと同じように内容をモニタ6に表示する(s63)。そして、この表示画面においてこの内容をプリントするか否かの選択を受け付け(s64)、プリントする旨が入力された場合には、この表示用データと同じ内容で印刷用に編集されているプリント用データを用いてプリントする(s65)。プリントしない旨が選択された場合にはこのまま動作を終了する。
【0042】
上記実施形態において、プリントする内容はカラオケ歌唱の採点結果や曲間CMとして上映される情報の内容であったが、この発明はこれに限定されるものではない。たとえば、公共交通機関の時刻表と最寄りの駅、利用者のポイント数による特典、上手な歌の歌い方や練習方法に関する一般的なアドバイスなどを表示・プリントできるようにしてもよい。
【0043】
また、上記ICMデータは配信センタから各カラオケ装置に配信されるようになっているが、カラオケ装置を設置している店舗でローカルに独自の情報を書き込んだICMデータを記憶するようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、利用者がカラオケ曲を選曲する操作と同じ操作で各種の情報を選択指定することができるため、利用者の役に立つ各種の情報を十分に活用することが可能になる。
【0045】
また、カラオケ曲の演奏と並行して表示される情報が、利用者の選択により、印刷に適した形態で印刷されるため、利用者はこの情報を手元に残すことができ、モニタに表示するのみの場合に比べて、より有効に情報を活用することができる。さらに、表示用ファイルと印刷用ファイルとを別々に記憶しておくことにより、カラオケ装置における処理が不要になるため、短時間で美しい印刷物を印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態であるカラオケ装置のブロック図
【図2】同カラオケ装置の音声信号処理装置の構成図
【図3】同カラオケ装置に付属するリモコン装置の外観図
【図4】同カラオケ装置のハードディスク記憶装置,RAMの構成図
【図5】同カラオケ装置の楽曲データ,ICMデータの構成図
【図6】同カラオケ装置の曲番号の予約登録時の動作を示すフローチャート
【図7】予約リスト処理動作を示すフローチャート
【図8】カラオケ演奏処理動作を示すフローチャート
【図9】前記音声信号処理装置の採点動作を示すフローチャート
【図10】曲間CM上映動作を示すフローチャート
【図11】情報表示動作を示すフローチャート
【図12】採点結果の表示および印刷例を示す図
【図13】曲間CMの表示および印刷例を示す図
【図14】情報選択画面の例を示す図
【符号の説明】
1…カラオケ装置本体、3…音声信号処理装置、6…モニタ、9…プリンタ、
17…ハードディスク記憶装置、172…ICMデータ記憶エリア
Claims (2)
- 記憶手段と、演奏手段と、入力手段と、制御手段とを備えたカラオケ装置であって、
記憶手段は、曲番号がそれぞれ付された楽曲データと採点機能データを記憶し、
採点機能データは、採点スクリプトデータと、表示用ファイルと、印刷用ファイルを含み、
演奏手段は、楽曲データの演奏を可能とし、
入力手段は、利用者からの曲番号の入力を受け付け可能とし、
制御手段は、入力された曲番号が楽曲データのものか、採点機能データのものかを判別し、楽曲データの場合は曲番号に対応する楽曲データを演奏手段に演奏させ、採点機能データの場合であって採点モード時でない場合は曲番号に対応する採点機能データを読み込んで採点モードにセットし、
採点モード時は、読み込んだ採点機能データの採点スクリプトにしたがって採点処理を行い、
採点処理は、歌唱音声信号の採点を行い、読み込んだ採点機能データの表示用ファイルを用いて採点結果をレイアウトし表示手段に表示させるとともに、読み込んだ採点機能データの印刷用ファイルを用いて採点結果をレイアウトし印刷手段に印刷させる
カラオケ装置。 - 制御手段は、入力された曲番号が採点機能データの場合であって採点モード時の場合には、採点モードをリセットする
請求項1に記載のカラオケ装置。
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