JP3633391B2 - シート供給装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に装着されるシート供給装置、およびそのシート供給装置が装着された画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、給紙装置は、用紙をセットする給紙カセットに、シートが積載される用紙押圧板と、その用紙当接板の一端部を給紙ローラに向けて付勢するばねと、用紙押圧板に積載される用紙の幅方向を、その用紙のサイズに対応して規制するサイドガイドとを備えており、用紙押圧板に積載された用紙を、サイドガイドによって規制した状態で、最上位にある用紙の先端を、ばねの付勢力によって給紙ローラに押し付けて、給紙ローラの回転によって、1枚毎に給紙するようにしている。
【0003】
しかるに、このような給紙装置では、用紙のサイズが異なると、用紙押圧板にかかる重量が変化するため、ばねの押圧力も変化する。そのため、ばねによって常に一定の付勢力で付勢していても、異なるサイズの用紙をセットした時には、その重量変化に起因してばねの押圧力が変化してしまい、重送や空送を生じる原因となる。
【0004】
そのため、たとえば、特開平7−41187号公報では、用紙押圧板の一端部を給紙ローラに向けて付勢するばねを複数設けるとともに、サイドガイドのスライド移動に連動してスライド移動する移動部材を設けて、この移動部材のスライド移動によって、これらのばねの付勢力を選択に規制することにより、ばねの押圧力を選択的に切り換えて、用紙のサイズに対応した適切な押圧力を用紙押圧板に与えるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平7−41187号公報に記載される給紙装置では、複数設けられるばねを、サイドガイドのスライド移動に連動する移動部材によって規制するために、サイドガイドと移動部材とを連動させるための構成、および移動部材のスライド移動によってばねを規制するための構成が必要とされ、その構成が複雑となり部品点数も多くなる。
【0006】
また、この給紙装置では、ばねを移動部材で規制するためには、トレイを下げてばねを圧縮した状態で、その圧縮したばねの上に移動部材を係合させる必要があるなど、その動作が不安定である。
本発明は、上記した事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、簡易な構成によって、給紙される用紙に、その用紙のサイズに対応した適切な押圧力を確実に与えることができるシート供給装置、および、そのシート供給装置を装着した画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、画像形成装置のシート供給部に着脱自在なシート収容部と、前記シート収容部に、シートが積載される受け板部材、前記受け板部材の一端部を、前記シートが積載される側に向かって付勢する付勢手段、および、前記受け板部材の幅方向側方に配置され、前記シートのサイズに対応させて前記シートの幅方向端部を規制する幅規制部材とを備える、シート供給装置において、前記幅規制部材は、前記受け板部材の幅方向において、より大きなサイズの前記シートの幅方向端部を規制するための第1の位置と、より小さなサイズの前記シートの幅方向端部を規制するための第2の位置とに移動可能に設けられており、前記受け板部材は、前記シートを受ける第1板部材と、該第1板部材の前記シートを受ける側とは反対側に配置された、少なくとも1つの第2板部材とを備え、前記シート収容部を前記シート供給部から取り外したときには、自動的に前記付勢手段の付勢を規制して、前記第1板部材および前記第2板部材を最下位の位置に保持し、前記幅規制部材を前記第1の位置に移動させた状態で前記シート収容部を前記シート供給部に装着したときには、自動的に前記付勢手段の付勢の規制を解除して、前記第1板部材および前記第2板部材によって前記シートを付勢し、前記幅規制部材を前記第2の位置に移動させた状態で前記シート収容部を前記シート供給部に装着したときには、自動的に前記付勢手段の付勢の規制を解除して、前記第1板部材のみによって前記シートを付勢するロック手段を備えたことを特徴としている。
【0008】
このような構成によると、シート収容部をシート供給部から取り外すと、自動的に、付勢手段の付勢が規制されて、第1板部材および第2板部材が最下位の位置に保持される。そのため、シート収容部をシート供給部から取り外した後に、第1板部材および第2板部材を手動で最下位の位置に押し下げる必要がない。そして、より大きなサイズのシートを第1板部材上に積載するときには、幅規制部材を第1の位置に移動させて、シート収容部をシート供給部に装着すると、自動的に付勢手段の付勢の規制が解除されて、第1板部材および第2板部材によってシートが付勢される。また、より小さなサイズのシートを第1板部材上に積載するときには、幅規制部材を第2の位置に移動させて、シート収容部をシート供給部に装着すると、自動的に付勢手段の付勢が解除されて、第1板部材のみによってシートが付勢される。そのため、受け板部材上に載置されたシートに対して、そのシートのサイズに対応した適切な押圧力を与えることができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ロック手段は、前記受け板部材に設けられた係合部と、前記シート収容部に設けられた爪部材とを備えており、前記シート収容部を前記シート供給部から取り外したときには、前記係合部と前記爪部材との係合により、前記付勢手段の付勢を規制し、前記シート収容部を前記シート供給部に装着したときには、前記係合部と前記爪部材との係合解除により、前記付勢手段の付勢の規制を解除するように構成されていることを特徴としている。
【0010】
このような構成によると、シート収容部をシート供給部から取り外したときには、係合部と爪部材とが係合され、これによって、付勢手段の付勢が規制され、一方、シート供給部にシート収容部を装着したときには、係合部と爪部材との係合が解除され、これによって、付勢手段の付勢の規制が解除される。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記シート供給部は、前記シート収容部を前記シート供給部から取り外すときに、前記係合部と前記爪部材とを係合させるために、前記係合部を前記爪部材との係合位置に案内するガイド部材と、前記シート収容部を前記シート供給部に装着したときに、前記係合部と前記爪部材との係合を解除させるために、前記爪部材と当接する当接部材とを備えていることを特徴としている。
【0011】
このような構成によると、シート供給部からシート収容部を取り外すときには、係合部は、ガイド部材によって案内されて、爪部材と係合するようになる。一方、シート供給部にシート収容部を装着したときには、当接部材に爪部材が当接することによって、係合部と爪部材との係合が解除される。
また、請求項4に記載の発明は、画像形成装置のシート供給部に着脱自在なシート収容部と、前記シート収容部に、シートが積載される受け板部材、前記受け板部材の一端部を、前記シートが積載される側に向かって付勢する付勢手段、および、前記受け板部材の幅方向側方に配置され、前記シートのサイズに対応させて前記シートの幅方向端部を規制する幅規制部材とを備える、シート供給装置において、前記幅規制部材は、前記受け板部材の幅方向において、より大きなサイズの前記シートの幅方向端部を規制するために第1方向に、より小さなサイズの前記シートの幅方向端部を規制するために第2方向に移動可能に設けられており、前記受け板部材は、前記シートを受ける第1板部材と、前記第1板部材の前記シートを受ける側とは反対側に配置された、少なくとも1つの第2板部材とを備え、前記第1板部材および第2板部材は、前記付勢手段によって、それぞれ付勢されており、前記第2板部材は、前記幅規制部材と係合可能な第1係合部を有しており、前記第1係合部は、前記幅規制部材の第1方向への移動によりその幅規制部材との係合が解除され、前記幅規制部材の第2方向への移動によりその幅規制部材と係合され、前記幅規制部材と前記第1係合部とが係合していないときには、前記第2板部材が前記付勢手段の付勢力によって前記第1板部材を押圧するように、また、前記幅規制部材と前記第1係合部とが係合しているときには、前記第2板部材が前記付勢手段の付勢力に抗して、前記第1板部材を押圧しないように構成されており、前記シート収容部には、前記受け板部材に設けられた第2係合部と、前記シート収容部に設けられた爪部材とを備えており、前記シート供給部からこのシート収容部を取り外したときには、前記第2係合部と前記爪部材との係合により、前記付勢手段の付勢を規制して、前記幅規制部材の第1方向および第2方向への移動によって前記幅規制部材と前記第1係合部とを係合可能、または解除可能なように前記第2板部材を位置させ、また、前記シート収容部を前記シート供給部に装着したときには、前記第2係合部と前記爪部材との係合解除により、前記付勢手段の付勢の規制を解除する、ロック手段を備えていることを特徴としている。
【0012】
このような構成によると、シート供給部からシート収容部を取り外して、所定のサイズのシートを第1板部材上に積載するときにおいては、ロック手段の第2係合部と爪部材とが係合されることによって、付勢手段の付勢が規制されて、第2板部材が、幅規制部材と第1係合部との係合または係合解除を可能とする位置に保持されるので、たとえば、より小さなシートを積載する場合には、幅規制部材を、そのシートのサイズに合うように第2方向に移動させると、幅規制部材と第1係合部とは、そのまま係合される。すると、第2板部材が付勢手段の付勢力に抗して第1板部材を押圧しなくなる。一方、たとえば、より大きなシートを積載する場合に、幅方向規制部材を、そのシートのサイズに合うように第1方向に移動させると、幅規制部材と第1係合部との係合が、そのまま解除される。すると、第2板部材が付勢手段の付勢力によって第1板部材を押圧する。
【0013】
そして、シートを積載した後に、シート供給部にシート収容部を装着したときには、ロック手段の第2係合部と爪部材との係合が解除されることによって、付勢手段の付勢の規制が解除されるので、そのシートのサイズに応じて、より小さいサイズのシートでは、第1板部材からの押圧力のみによって押圧され、より大きいサイズのシートでは、第1板部材および第2板部材からの押圧力によって押圧される。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記シート供給部は、前記シート収容部を前記シート供給部から取り外すときに、前記第2係合部と前記爪部材とを係合させるために、前記第2係合部を前記爪部材との係合位置に案内するガイド部材と、前記シート収容部を前記シート供給部に装着したときに、前記第2係合部と前記爪部材との係合を解除させるために、前記爪部材と当接する当接部材とを備えていることを特徴としている。
【0015】
このような構成によると、シート供給部からこのシート収容部を取り外す時には、第2係合部は、ガイド部材によって案内されて、爪部材と係合するようになる。一方、シート供給部にこのシート収容部を装着した時には、当接部材に爪部材が当接することによって、第2係合部と爪部材との係合が解除される。
また、請求項6に記載の発明は、画像形成装置であって、請求項1ないし5のいずれかに記載のシート供給装置を備えていることを特徴としている。
【0016】
このような画像形成装置では、シート供給装置が、そのシートのサイズに対応した適切な押圧力を、そのシートに確実に与えているので、シートのサイズに起因する重送や空送などが有効に防止される。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。図1において、レーザプリンタ1は、本体ケーシング2に、本発明のシート供給装置の一実施形態としてのフィーダユニット4や、そのフィーダユニット4から供給されたシートとしての用紙3に所定の画像を形成するための画像形成ユニット5などを備えている。
【0018】
フィーダユニット4は、本体ケーシング2の底部に形成されるシート供給部としての給紙カセット収容部51と、この給紙カセット収容部51に着脱自在に装着されるシート収容部としての給紙カセット52と、給紙カセット52の一端側端部の上方に設けられる給紙ローラ7と、給紙ローラ7に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられるレジストローラ9とを備えている。
【0019】
給紙カセット52には、後で詳述するように、用紙3が積載される受け板部材としての用紙押圧板部材53と、この用紙押圧板部材53の前端部(用紙押圧板部材53における給紙ローラ7により近い側の端部)を、その裏側から、シートが積載される側(上方向)に向けて付勢する付勢手段としてのばね54と、分離パット8およびその分離パット8を付勢するばね10とを備えている。(分離パット8およびばね10は、図1にのみ現れ、図2ないし図9では省略されている。)用紙押圧板部材53上の最上位にある用紙3は、用紙押圧板部材53の裏側からのばね54の付勢力によって給紙ローラ7に向かって押圧され、その給紙ローラ7の回転によって、給紙ローラ7と分離パット8とで挟まれた後、1枚毎に給紙される。レジストローラ9は、駆動側および従動側の2つのローラから構成されており、給紙ローラ7から送られてくる用紙3を、所定のレジスト後に、画像形成ユニット5に送るようにしている。
【0020】
画像形成ユニット5は、スキャナユニット11、現像ユニット12、定着ユニット13などを備えている。
スキャナユニット11は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示せず。)、回転駆動されるポリゴンミラー14、レンズ15および16、反射鏡17、18および19などを備えており、レーザ発光部からの発光される所定の画像データに基づくレーザビームを、鎖線で示すように、ポリゴンミラー14、レンズ15、反射鏡17および18、レンズ16、反射鏡19の順に通過あるいは反射させて、現像ユニット12の感光ドラム21の表面上に高速走査にて照射させている。
【0021】
現像ユニット12は、スキャナユニット11の下方に配設され、本体ケーシング2に対して着脱自在に装着されるドラムカートリッジ20内に、感光ドラム21、現像カートリッジ36、スコロトロン型帯電器25、転写ローラ26などを備えている。
現像カートリッジ36内は、現像ローラ22、層厚規制ブレード23および供給ローラ24が収容される現像室37と、トナーが収容されるトナー収容室27とに区画形成されている。トナー収容室27内には、正帯電性の非磁性1成分のトナーが収容されており、トナー収容室27の中心に設けられるアジテータ29により攪拌されて現像室37に放出される。現像室37には、トナー収容室27に近い側に、供給ローラ24が回転可能に配設されるとともに、この供給ローラ24に対向して、現像ローラ22が回転可能に配設されており、これら供給ローラ24と現像ローラ22とが、程度圧縮されるような状態で互いに当接されている。供給ローラ24は、金属製のローラ軸に、導電性の発泡材料からなるローラが被覆されている。また、現像ローラ22は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料からなるローラが被覆されている。なお、現像ローラ22には、感光ドラム21との間に電位差が生じるようなバイアスが印加されている。また、現像ローラ22の近傍には、層厚規制ブレード23が配設されている。
【0022】
そして、トナー収容室27から現像室37に放出されたトナーは、供給ローラ24の回転により、現像ローラ22に供給され、この時、供給ローラ24と現像ローラ22との間で正に摩擦帯電され、さらに、現像ローラ22上に供給されたトナーは、現像ローラ22の回転に伴って、層厚規制ブレード23と現像ローラ22との間に進入し、これらの間で擦られて、十分に摩擦帯電され、一定厚さの薄層として現像ローラ22上に担持される。
【0023】
一方、感光ドラム21は、現像ローラ22の側方位置において、現像ローラ22に対向状に回転可能に配設されている。この感光ドラム21は、ドラム本体が接地されるとともに、その表面が、ポリカーボネートを主成分とする有機感光体などの正帯電性の材料により形成されている。また、スコロトロン型帯電器25は、感光ドラム21の上方に、所定の間隔を隔てて配設されている。このスコロトロン型帯電器25は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光ドラム21の表面を一様に正帯電させることができるように構成されている。
【0024】
そして、感光ドラム21の表面は、スコロトロン型帯電器25により一様に正帯電された後、スキャナユニット11からのレーザービームの高速走査により露光され、所定の画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、現像ローラ22の回転により、現像ローラ22上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光ドラム21に対向して接触する時に、感光ドラム21の表面上に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム21の表面のうち、レーザービームによって露光され電位が下がっている部分に、選択的に転着することによって可視像化され、これによって現像(反転現像)が達成される。
【0025】
感光ドラム21の下方には、この感光ドラム21に対向する転写ローラ26が回転可能に配設されている。転写ローラ26は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、所定の転写バイアスが印加されている。そのため、感光ドラム21上に現像されたトナーは、用紙3が感光ドラム21と転写ローラ26との間を通る間に用紙3に転写される。
【0026】
定着ユニット13は、図1に示すように、現像ユニット12の側方下流側に配設され、加熱ローラ32、加熱ローラ32に押圧される押圧ローラ31、および、これら加熱ローラ32および押圧ローラ31の下流側に設けられる1対の搬送ローラ33を備えている。加熱ローラ32は、金属製で加熱のためのハロゲンランプを備えており、現像ユニット12において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ32と押圧ローラ31との間を通過する間に熱定着させ、その後、その用紙3を搬送ローラ33によって、1対の排紙ローラ34に搬送するようにしている。1対の排紙ローラ34に送られた用紙3は、その排紙ローラ34によって排紙トレイ35上に排紙される。
【0027】
そして、このような本実施形態のレーザプリンタ1では、サイズの異なる用紙3を給紙カセット52に積載しても、その用紙3に、適切な押圧力が与えられるようにするために、給紙カセット52を次のように構成している。
すなわち、図2および図3に示すように、この給紙カセット52は、上側が開放される矩形ボックス状をなし、幅方向両側に対向状に配置される側板55および56と、用紙3の供給方向前端および後端に設けられる把持部57および後板58と、底板59とによって形成されている。
【0028】
この給紙カセット52内には、用紙押圧部材53、ばね54、幅規制部材としてのサイドガイド60、用紙支持部材61、エンドガイド62、ロック手段としての上板押え部材63などが設けられている。
用紙押圧部材53は、用紙3の前端側部分を受ける第1板部材としての上板64と、第2板部材としての下板65と、揺動アーム66とを備えている。
【0029】
上板64は、その前端部67および後端部68が、給紙カセット52の幅方向両側にわたって延びるように形成されており、その中央部73が、前端部67および後端部68よりも両側の幅が狭せまくなるような略矩形状に形成されている。そのため、上板64の両側部には、前端部67の後端縁と中央部73の両側端縁と後端部68の前端縁とで、幅方向内側に向かって凹状に形成される略矩形状の側開放部69がそれぞれ形成される。また、後端部68には、その後端縁から前側に向かって凹状に形成される略矩形状の後開放部71が形成されている。また、中央部73の前後方向途中には、その両側端縁から幅方向外方に向かって延びる略矩形状の係合部および第2係合部としての係合板72がそれぞれ突出形成されている。
【0030】
下板65は、上板64の裏面側の下方において、この上板64と重なるように配置されており、その後端部74が、給紙カセット52の幅方向両側にわたって延びるように形成されており、その中央部75が、後端部74よりも両側の幅が狭せまくなるような略矩形状(上板64の中央部73と略同一幅の矩形状)に形成されている。また、その前端部76が、中央部75よりもさらに両側の幅が狭せまくなるような略矩形状に形成されており、後端部74には、その後端縁から前側に向かって凹状に形成される略矩形状(上板64の後開放部71よりもわずかに大きい矩形状)の後開放部77が形成されている。また、中央部75の前端部には、その両側端縁から幅方向外側に向かって延びる突起状の第1係合部としての係合突起78がそれぞれ突出形成されている。
【0031】
揺動アーム66は、給紙カセット52の各側板55および56にそれぞれ設けられるアームホルダ79と、このアームホルダ79のそれぞれに上下方向に揺動自在に支持されてる上板アーム80および下板アーム81とを備えている。アームホルダ79は、上板64および下板65の後端部68および74の後側近傍の上方にそれぞれ設けられるホルダ部材82と、このホルダ部材82にそれぞれ支持される揺動軸83とを備えている。各上板アーム80は、略くの字状をなし、その一端部が各揺動軸83に上下方向に揺動自在に支持されるとともに、その他端部が上板64の後端部68の両側端縁にそれぞれ連結されている。各下板アーム81は、各上板アーム80と同様に、略くの字状をなし、その一端部が各揺動軸83に上下方向に揺動自在に支持されるとともに、その他端部が下板65の後端部74の両側端縁にそれぞれ連結されている。
【0032】
これによって、上板64は、上板アーム80を介して揺動軸83に揺動可能に支持されて、その上板64より上方の揺動軸83を支点として、その前端部67が上下方向に回動可能とされる。また、下板65も同様に、下板アーム81を介して揺動軸83に揺動可能に支持されて、その下板65より上方の揺動軸83を支点として、その前端部76が上下方向に回動可能とされる。
【0033】
また、ばね54は、給紙カセット52の底板59に、その前端部の幅方向に沿って3つ設けられており、中央のばね54aが、下板65の前端部76の裏面に対向するように配置され、両端のばね54bおよび54cが、上板64の前端部67の裏面に対向するように配置されている。そのため、上板64の前端部67は、両端の2つのばね54bおよび54cによって、その用紙3が積載される側、すなわち、給紙ローラ7側に向かって付勢され、また、下板65の前端部76は、中央の1つのばね54aによって、その用紙3が積載される側、すなわち、給紙ローラ7側に向かって付勢される。そのため、下板65が、ばね54aにより付勢されることにより、この下板65が、ばね54bおよび54cにより付勢される上板64をさらに押圧するような構成となる。
【0034】
サイドガイド60は、用紙押圧部材53の幅方向両側方であって、上板64の側開放部69に対向する位置にそれぞれ設けられている。各サイドガイド60は、用紙3の幅方向両側端部に当接させるための略矩形板状の側端当接部材84と、この側端当接部材84を支持する側端スライド部材85とを備えている。側端当接部材84には、その中央部に、上板64の係合板72を挿通可能な矩形状の開口部87が形成されるとともに、その前方下端部に、下板65の係合突起78に係合する係合段部99が形成されており、側端スライド部材85には、その裏面側に突起部88が設けられている。また、底板59には、このサイドガイド60を、用紙3のサイズに対応させて配置させるために、幅方向に沿って案内するためのサイドガイド案内溝86が、各サイドガイド60の側端スライド部材85に対向する位置において、給紙カセット52の幅方向に沿ってそれぞれ形成されている。
【0035】
そして、各サイドガイド案内溝86に各側端スライド部材85の突起部88を係合させることによって、各サイドガイド60を、各サイドガイド案内溝86に沿って幅方向外側(第1方向)または幅方向内側(第2方向)にそれぞれスライド移動可能としている。これによって、給紙カセット52に、より大きなサイズの用紙3(たとえば、A3など)を積載する時には、各サイドガイド60を幅方向外側に移動させてその用紙3の側端部を規制すればよく、また、給紙カセット52に、より小さなサイズの用紙3(たとえば、A4など)を積載する時には、各サイドガイド60を幅方向内側に移動させてその用紙3の側端部を規制すればよい。なお、各スライドガイド60を幅方向内側に移動させた時には、図6に示すように、各スライドガイド60が、上板64の各側開放部69内に入り込む一方で、各側端当接部材84の開口部87に、上板64の各係合板72が入り込んだ状態となる。
【0036】
また、用紙支持部材61は、略矩形板状をなし、積載される用紙3の後端側部分を受けるために、用紙押圧部材53の後側に設けられている。また、底板59上には、この用紙支持部材61を前後方向に沿って案内するための、略コ字状の用紙支持部材案内板70が、この用紙支持部材61の裏面側において対向する位置に設けられており、用紙支持部材61は、この用紙支持部材案内板70に沿って前後方向に移動可能に配置されている。また、この用紙支持部材61は、その前端部が、上板64の後開放部71および下板65の後開放部77の下側に入り込むように配置され、その前端部における幅方向両側部には、内側に向かって凹状に形成されるスリット89がそれぞれ形成されている。一方、上板64の後端部68の後端縁90は、下方に向かって屈曲形成される断面L字状に形成されており、後開放部71に臨む各後端縁90が、各スリット89に係合されている。そのため、このような各後端縁90と各スリット89との係合によって、用紙支持部材61は、上板64の上下方向の揺動動作に連動して前後方向に移動される。
【0037】
また、エンドガイド62は、用紙支持部材61上に設けられており、用紙3の後端部に当接させるための後端当接部材91と、この後端当接部材91を支持する後端スライド部材92とを備えている。後端当接部材91は、略矩形板状をなし、後端スライド部材92上に起立状に設けられている。また、用紙支持部材61には、このエンドガイド62を、用紙3のサイズに対応させて配置させるために、前後方向に沿って案内するためのエンドガイド案内溝93が、エンドガイド62の後端スライド部材92に対向する位置において形成されるとともに、各種の規格のサイズに対応する位置には、その位置決めのためのストッパ溝94が、複数形成されている。
【0038】
そして、エンドガイド案内溝93に後端スライド部材92を係合させることによって、エンドガイド62を、エンドガイド案内溝93に沿って前後方向にスライド移動可能にするとともに、所定の規格に応じた位置で、後端スライド部材92とストッパ溝94とを係合させることにより、その規格に対応した用紙3の後端を規制するようにしている。
【0039】
上板押え部材63は、給紙カセット52の各側板55および56における、上板64の各係合板72の前方近傍にそれぞれ設けられており、軸部95と、この軸部95に揺動自在に取り付けられる爪部材96とを備えている。爪部材96は、略三角形板状をなし、その下側には、下方に向かって突出する当接突部97と、角部において鉤状に形成される段部98とが形成されている。爪部材96は、軸部95を支点として、その段部98と係合板72とが係合する位置と、その当接突部97が後述する当接部材44に当接する位置とに揺動自在とされている。
【0040】
また、この給紙カセット52が着脱自在に装着される、本体ケーシング2の給紙カセット収容部51には、給紙カセット52の前端側両側方において、上板64の各係合板72を、爪部材96との係合位置に案内するための略ひし形状のガイド部材41がそれぞれ設けられている。各ガイド部材41には、給紙カセット収容部51から給紙カセット52を取り外すために、矢印42方向に引き抜く時に、上板64の各係合板72に当接して、各係合板72を下方に向けて案内するための傾斜面43が形成されている。
【0041】
また、給紙カセット収容部51には、給紙カセット52の前端側両側方であって、爪部材96の下側には、断面矩形状の当接部材44が設けられている。給紙カセット52が給紙カセット収容部51に装着されている時には、爪部材96の当接突部97が、この当接部材44に当接する。
次に、このように構成された給紙カセット52によって、まず、より小さなサイズの用紙3(たとえば、レター、B5またはA4など)を給紙する場合について述べる。
【0042】
まず、図3に示すように、上板64上に用紙3がなくなった時には、給紙カセット52を矢印42方向に引き抜いて、用紙3を上板64上に積載する。この引き抜き時において、給紙カセット52を矢印42方向に引くと、図4に示すように、上板64の各係合板72が各ガイド部材41の傾斜面43に当接して、この傾斜面43に沿って下方に案内されるようになる。そのため、上板64の前端部67が、下板65の前端部76を押圧しながら、ばね54の付勢力に抗して下向きに回動される。
【0043】
そして、給紙カセット52の引き抜きが完了した時には、図5に示すように、最下位に下がった各係合板72に、各爪部材96の段部98が自重により係合するため、上板64および下板65は、ばね54の付勢が規制されて、最下位に下がった状態で保持される。そして、たとえば、レター、B5またはA4などのより小さなサイズの用紙3を上板64上に積載するとともに、図6に示すように、各サイドガイド60をその小さなサイズに対応させて幅方向内側に移動させる。そうすると、図6に示すように、各サイドガイド60の係合段部99に、下板65の係合突起78が係合するようになる。また、エンドガイド62を用紙3のサイズに対応させて移動させる。そして、給紙カセット52を給紙カセット収容部51に差し込むことによって装着する。この装着時においては、図7に示すように、給紙カセット52を矢印45方向に差し込むと、各爪部材96の当接突部97が、給紙カセット収容部51の各当接部材44に当接するようになる。そうすると、各爪部材96は、軸部95を支点として上方向に揺動され、これによって、各爪部材96の段部98と各係合板72との係合が解除される。そのため、給紙カセット52の差込みが完了した時には、図8に示すように、下板65が、各係合突起78と各サイドガイド60の係合段部99との係合によって、ばね54aの付勢力に抗して最下位に保持されたままの状態である一方で、上板64が、各係合板72と各爪部材96の段部98との係合が解除された状態で、ばね54b、54cの付勢力によって、用紙3の積載量が少なくなるに従って、その前端部68が上方向に回動動作される。
【0044】
したがって、本実施形態の給紙カセット52を用いて、より小さなサイズの用紙3を給紙する時には、下板65は、ばね54aの付勢力に抗して保持されて、上板64を押圧しないため、積載されるより小さなサイズの用紙3は、2つのばね54bおよび54cの付勢力により付勢される上板64のみによって押圧されるようになる。
【0045】
次いで、この、より小さなサイズの用紙3の給紙が完了した後に、より大きなサイズの用紙3(たとえば、B4、A3など)を給紙する場合について述べる。
まず、図8に示すように、上板64上に用紙3がなくなった時には、上記したように、給紙カセット52を引き抜いて、用紙3を上板64上に積載する。給紙カセット52の引き抜きが完了した時には、図5に示すように、最下位に下がった各係合板72に、各爪部材96の段部98が係合して、上板64および下板65が、最下位に下がった状態で保持されている。そして、たとえば、B4またはA3などのより大きなサイズの用紙3を上板64上に積載するとともに、図2に示すように、各サイドガイド60をその大きなサイズに対応させて幅方向外側に移動させる。そうすると、図2に示すように、各サイドガイド60の係合段部99と下板65の係合突起78との係合が解除される。また、エンドガイド62を用紙3のサイズに対応させて移動させる。
【0046】
そして、上板64上に、より大きなサイズの用紙3を積載した後に、給紙カセット52を給紙カセット収容部51に差し込むことによって装着する。そうすると、上記したように、各爪部材96の段部98と各係合板72との係合が解除されるので、給紙カセット52の差込みが完了した時には、図3に示すように、ばね54の付勢の規制が解除されて、上板64が、ばね54bおよび54cによって付勢されるとともに、下板65もばね54aにより付勢される。その結果、上板64は、下板65によってさらに押圧された状態で、用紙3の積載量が少なくなるに従って、その前端部68が上方向に回動動作される。
【0047】
したがって、本実施形態の給紙カセット52を用いて、より大きなサイズの用紙3を給紙する時には、上板64が下板65によってさらに押圧されるので、積載されるより大きなサイズの用紙3は、3つのばね54a、54bおよび54cの付勢力により付勢される上板64および下板65によって押圧されるようになる。
【0048】
以上述べたように、本実施形態の給紙カセット52では、たとえば、より大きなサイズの用紙3を上板64上に積載する時には、サイドガイド60を幅方向外側に移動させて、サイドガイド60の係合段部99と下板65の係合突起78との係合を解除すれば、下板65がばね54aの付勢力によって上板64を押圧するので、より大きなサイズの用紙3は、上板64からの押圧力に加えて、下板65からの押圧力によって押圧される。また、たとえば、より小さなサイズの用紙3を上板64に積載する時には、サイドガイド60を幅方向内側に移動させて、サイドガイド60の係合段部99と下板65の係合突起78とを係合させれば、下板65がばね54aの付勢力に抗して上板64を押圧しなくなるので、より小さなサイズの用紙3は、上板64からの押圧力のみによって押圧される。そのため、より大きなサイズの用紙3を積載した時には、より大きな押圧力で、用紙3を押圧させることができ、また、より小さなサイズの用紙3を積載した時には、より小さな押圧力で、用紙3を押圧させることができる。したがって、サイドガイド60を用紙3のサイズに対応させて幅方向に移動させるのみで、その用紙3のサイズに対応した適切な押圧力を、その用紙3に確実に与えることができる。しかも、サイドガイド60の係合段部99と下板65の係合突起78との係合または係合解除によって、用紙3に対する押圧力を変更することができるので、簡単かつ確実に適切な動作を確保することができる。その結果、用紙3のサイズに起因する重送や空送などが有効に防止され、良好な用紙3の給紙を達成することができる。
【0049】
また、本実施形態の給紙カセット52では、給紙カセット供給部51から給紙カセット52を取り外した時には、爪部材96と上板64の係合板72との係合によって、ばね54の付勢を規制して、下板65を、サイドガイド60の係合段部99と下板65の係合突起78との係合または係合解除を可能な位置に保持するので、その積載する用紙3のサイズに応じて、サイドガイド60を移動させるのみで、サイドガイド60の係合段部99と下板65の係合突起78とを自動的に係合または係合解除することができ、また、給紙カセット供給部51に給紙カセット52を装着した時には、爪部材96と上板64の係合板72との係合が解除されるので、選択されたばね54の付勢力によって、その用紙3に、その用紙3のサイズに応じた適切な押圧力を確実に与えることができる。また、このような爪部材96と上板64の係合板72との係合または係合解除によって構成すると、簡易かつ確実に、ばね54の付勢の規制および付勢の規制の解除を行なうことができる。
【0050】
さらに、本実施形態の給紙カセット52では、給紙カセット供給部51から給紙カセット52を取り外す時には、各ガイド部材41の傾斜面43が、上板64の各係合板72を、各爪部材96の段部98と係合するように案内するので、給紙カセット供給部51から給紙カセット52を取り外す時には、上板64の各係合板72を各爪部材96の段部98と自動的に係合させることができる。また、給紙カセット供給部51に給紙カセット52を装着した時には、当接部材44に爪部材96の当接突部97を当接させるので、給紙カセット供給部51に給紙カセット52を装着した時には、上板64の各係合板72と各爪部材96の段部98との係合を自動的に解除させることができる。
【0051】
したがって、給紙カセット供給部51から給紙カセット52を取り外して、所定のサイズの用紙3を上板64上に積載するとともに、サイドガイド60を、その用紙3のサイズに合うように幅方向に移動させるだけで、給紙カセット供給部51に給紙カセット52を装着した時には、その用紙3に、その用紙3のサイズに応じた適切な押圧力を与えることができる。
【0052】
そして、このような給紙カセット52を備える本実施形態のレーザプリンタ2は、給紙カセット52が、その用紙3のサイズに対応した適切な押圧力を、その用紙3に確実に与えているので、用紙3のサイズに起因する重送や空送などが有効に防止され、良好な画像形成動作を達成することができる。
また、この給紙カセット52では、図9に示すように、用紙3の積載量が少なくなるに従って上板64の前端部67が上方向に回動すると、上板64は前方向に移動するので、上板64の各後端縁90と用紙支持部材61の各スリット89とが係合しているため、その上板64の前端部67の上方向への回動に連動して、用紙支持部材61およびこの用紙支持部材61上に設けられるエンドガイド62が矢印100に示すように、前方向に移動する。(図9において、前方向に移動した用紙支持部材61およびエンドガイド62が仮想線で示されている。なお、上板64の前端部67が下方向に回動すると、上板64が後方向に移動するので、同様に、その上板64の前端部67の下方向への回動に連動して、用紙支持部材61およびエンドガイド62は、後方向に移動する。)
そのため、上板64は、その前端部67とエンドガイド62との間の距離を実質的に同じ距離に保ちながら回動されるので、上板64のみが回動することによる用紙3の位置ずれは生じず、しかも、エンドガイド62を、たとえば、ばねなどで付勢することによって用紙3の位置ずれを防いでいるものでもないため、簡易な構成によって、確実かつ安定した給紙を行なうことができる。
【0053】
また、用紙支持部材61が上板64の前端部67の回動に連動するため、積載される用紙3の後端側部分が、前方向移動における摺動抵抗を受けることがなく、そのため、より確実かつ安定した給紙を行なうことができる。
また、エンドガイド62が、用紙支持部材61上に設けられているので、上板64の前端部67の上方向への回動に連動して、用紙支持部材61とエンドガイド62とが一体として前方向に移動するので、確実な連動動作を確保することができ、より一層安定した給紙を達成することができる。
【0054】
さらに、本実施形態の給紙カセット52では、このような上板64と用紙支持部材61との連動を、上板64の各後端縁90と用紙支持部材61の各スリット89との係合により構成しているので、簡易な構成によって、確実な連動動作を確保している。
そして、このような給紙カセット52を備える本実施形態のレーザプリンタ2は、給紙カセット52の確実かつ安定した給紙によって、画像が形成されるので、良好な画像形成動作を達成することができる。
【0055】
なお、本実施形態の給紙カセット52では、サイドガイド60の係合段部99と下板65の係合突起78との係合または係合解除により、ばね54の付勢力を選択的に規制するようにしたが、サイドガイド60と下板65の係合状態が変化する構成であれば、このような構成に限らず、たとえば、図10および図11に示すような構成としてもよい。
【0056】
すなわち、図10および図11において、この用紙押圧機構は、用紙3が積載される上板101と、その上板101の裏面側において重なり合うように設けられる下板102と、これら上板101および下板102を付勢するばね103と、上板101および下板102の幅方向両側に設けられるサイドガイド104とから構成されている。サイドガイド104は、上記と同様に、幅方向に移動可能に設けられており、その下端部には、下板102の側端縁部と摺動可能な傾斜面108が形成されている。上板101は、その前端部107が上下方向に回動可能支持されるとともに、その裏面側からばね103cおよび103dによって用紙積載方向に付勢されており、また、その両側部には、上記と同様に、このサイドガイド104を受け入れる側開放部105がそれぞれ形成されている。また、下板102は、その前端部106を頂部とする略三角形状に形成されており、その前端部106が上下方向に回動可能支持されるとともに、その裏面側からばね103aおよび103bによって用紙積載方向に付勢されている。
【0057】
そして、より小さいサイズの用紙を上板101に積載する時には、サイドガイド104を幅方向内側に移動させることによって、このサイドガイド104の傾斜面108と下板102の側端縁部とを摺動させて、下板102の前端部106をばね103aおよび103bの付勢力に抗して下向きに回動させるようにすればよい。そうすると、下板102の上向きの押圧力がサイドガイド104の傾斜面108によって規制されるので、より小さいサイズの用紙は、上板101の押圧力のみを受けようになる。
【0058】
一方、より大きいサイズの用紙を上板101に積載する時には、サイドガイド104を幅方向外側に移動させることによって、このサイドガイド104の傾斜面108と下板102の側端縁部とを摺動させて、下板102の前端部106をばね103aおよび103bの付勢力によって上向きに回動させるようにすればよい。そうすると、下板102が上板101を押圧するので、より大きいサイズの用紙は、上板101および下板102の押圧力を受けようになる。
【0059】
また、上記した実施形態では、下板65を1枚のみ設けたが、複数枚設けるようにしてもよい。たとえば、用紙3のサイズに対応する数の下板65と、それに対応する複数のばねを設ければ、そのサイズ毎に応じた適切な押圧力を、用紙3に与えることができる。また、各ばね54a、54bおよび54cは、同じものであっても、ばね定数の異なるものであってもよく、その目的および用途によって適宜選択される。
【0060】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1の発明によれば、シート収容部をシート供給部から取り外した後に、受け板部材を手動で最下位の位置に押し下げる必要がない。また、シート収容部をシート供給部に装着したときには、シートのサイズに対応した適切な押圧力を、そのシートに確実に与えることができる。したがって、シートのサイズに起因する重送や空送などを有効に防止して、良好なシートの供給を達成することができる。
【0061】
請求項2の発明によれば、ロック手段を、係合部と爪部材とにより構成しているので、簡易かつ確実に、付勢手段の付勢の規制および付勢の規制の解除を行なうことができる。
請求項3の発明によれば、シート供給部からシート収容部を取り外すときには、ガイド部材によって、係合部と爪部材とが自動的に係合し、また、シート供給部にシート収容部を装着したときには、当接部材によって、係合部と爪部材との係合が自動的に解除される。これにより、ロック手段による付勢手段の付勢または付勢の規制が自動的に行なわれるようになる。したがって、シート供給部からシート収容部を取り外して、所定のサイズのシートを第1板部材上に積載した後、幅規制部材を、そのシートのサイズに合うように幅方向に移動させるだけで、シート供給部にこのシート収容部を装着した時には、そのシートに、そのシートのサイズに応じた適切な押圧力を与えることができる。
【0062】
請求項4の発明によれば、より大きなサイズのシートを第1板部材上に積載するときには、幅規制部材を第1方向に移動させて、幅規制部材と第1係合部との係合状態を解除すれば、より大きな押圧力で、シートを押圧させることができ、また、より小さなサイズのシートを第1板部材上に積載するときには、幅規制部材を第2方向に移動させて、幅規制部材と第1係合部との係合を解除すれば、より小さな押圧力で、シートを押圧させることができる。
【0063】
そのため、幅規制部材をシートのサイズに対応させて幅方向に移動させることにより、そのシートのサイズに対応した適切な押圧力を、そのシートに確実に与えることができる。したがって、シートのサイズに起因する重送や空送などを有効に防止して、良好なシートの供給を達成することができる。
しかも、幅規制部材と第1係合部との係合または係合解除によって、シートに対する押圧力を変更することができるので、より簡単かつ確実に適切な動作を確保することができる。
【0064】
また、シート供給部からシート収容部を取り外して、所定のサイズのシートを第1板部材上に積載する時には、その積載するシートのサイズに応じて幅規制部材を移動させるのみで、幅規制部材と第1係合部とが自動的に係合し、または係合解除されるので、シート供給部にこのシート収容部を装着した時には、付勢手段の選択的な付勢によって、そのシートに、そのシートのサイズに応じた適切な押圧力を与えることができる。
【0065】
さらに、ロック手段を、第2係合部と爪部材とにより構成しているので、簡易かつ確実に、付勢手段の付勢の規制および付勢の規制の解除を行なうことができる。
請求項5に記載の発明によれば、シート供給部からこのシート収容部を取り外すときには、ガイド部材によって、第2係合部と爪部材とが自動的に係合し、また、シート供給部にこのシート収容部を装着したときには、当接部材によって、第2係合部と爪部材との係合が自動的に解除されるので、ロック手段による付勢手段の付勢または付勢の規制が自動的に行なわれるようになる。したがって、シート供給部からシート収容部を取り外して、所定のサイズのシートを第1板部材上に積載した後、幅規制部材を、そのシートのサイズに合うように幅方向に移動させるだけで、シート供給部にこのシート収容部を装着した時には、そのシートに、そのシートのサイズに応じた適切な押圧力を与えることができる。
【0066】
請求項6に記載の発明によれば、シートのサイズに起因する重送や空送などが良好に防止されるので、良好な画像形成動作を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態としてのレーザプリンタを示す要部側断面図である。
【図2】図1のレーザプリンタに備えられる、本発明のシート供給装置の一実施形態としての給紙カセットの要部平面図である。
【図3】図2に示す給紙カセットの用紙の積載量が最小時の状態における要部側断面図である。
【図4】図2に示す給紙カセットを、給紙カセット収容部から引き抜く状態を示す要部側断面図である。
【図5】図2に示す給紙カセットを、給紙カセット収容部から引き抜いた状態を示す要部側断面図である。
【図6】図2に示す給紙カセットのサイドガイドを幅方向内側に移動させた状態を示す要部平面図である。
【図7】図2に示す給紙カセットを、給紙カセット収容部に差し込む状態を示す要部側断面図である。
【図8】図2に示す給紙カセットの要部側断面図であって、上板のみが回動する状態を示す図である。
【図9】図2に示す給紙カセットの要部側断面図であって、用紙の積載量が最大時および最小時のエンドガイドの移動状態を示す図である。
【図10】図2および図3に示す給紙カセットとは異なる実施形態の給紙カセットの用紙押圧機構を示す要部平面図である。
【図11】図10に示す給紙カセットの要部側断面図である。
【符号の説明】
1 レーザプリンタ
3 用紙
41 ガイド部材
44 当接部材
51 給紙カセット収容部
52 給紙カセット
53 用紙押圧部材
54 ばね
60 サイドガイド
64 上板
65 下板
72 係合板
78 係合突起
96 爪部材
99 係合段部
Claims (6)
- 画像形成装置のシート供給部に着脱自在なシート収容部と、前記シート収容部に、シートが積載される受け板部材、前記受け板部材の一端部を、前記シートが積載される側に向かって付勢する付勢手段、および、前記受け板部材の幅方向側方に配置され、前記シートのサイズに対応させて前記シートの幅方向端部を規制する幅規制部材とを備える、シート供給装置において、
前記幅規制部材は、前記受け板部材の幅方向において、より大きなサイズの前記シートの幅方向端部を規制するための第1の位置と、より小さなサイズの前記シートの幅方向端部を規制するための第2の位置とに移動可能に設けられており、
前記受け板部材は、前記シートを受ける第1板部材と、該第1板部材の前記シートを受ける側とは反対側に配置された、少なくとも1つの第2板部材とを備え、
前記シート収容部を前記シート供給部から取り外したときには、自動的に前記付勢手段の付勢を規制して、前記第1板部材および前記第2板部材を最下位の位置に保持し、前記幅規制部材を前記第1の位置に移動させた状態で前記シート収容部を前記シート供給部に装着したときには、自動的に前記付勢手段の付勢の規制を解除して、前記第1板部材および前記第2板部材によって前記シートを付勢し、前記幅規制部材を前記第2の位置に移動させた状態で前記シート収容部を前記シート供給部に装着したときには、自動的に前記付勢手段の付勢の規制を解除して、前記第1板部材のみによって前記シートを付勢するロック手段を備えたことを特徴とする、シート供給装置。 - 前記ロック手段は、前記受け板部材に設けられた係合部と、前記シート収容部に設けられた爪部材とを備えており、
前記シート収容部を前記シート供給部から取り外したときには、前記係合部と前記爪部
材との係合により、前記付勢手段の付勢を規制し、
前記シート収容部を前記シート供給部に装着したときには、前記係合部と前記爪部材との係合解除により、前記付勢手段の付勢の規制を解除するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のシート供給装置。 - 前記シート供給部は、前記シート収容部を前記シート供給部から取り外すときに、前記係合部と前記爪部材とを係合させるために、前記係合部を前記爪部材との係合位置に案内するガイド部材と、前記シート収容部を前記シート供給部に装着したときに、前記係合部と前記爪部材との係合を解除させるために、前記爪部材と当接する当接部材とを備えていることを特徴とする、請求項2に記載のシート供給装置。
- 画像形成装置のシート供給部に着脱自在なシート収容部と、前記シート収容部に、シートが積載される受け板部材、前記受け板部材の一端部を、前記シートが積載される側に向かって付勢する付勢手段、および、前記受け板部材の幅方向側方に配置され、前記シートのサイズに対応させて前記シートの幅方向端部を規制する幅規制部材とを備える、シート供給装置において、
前記幅規制部材は、前記受け板部材の幅方向において、より大きなサイズの前記シートの幅方向端部を規制するために第1方向に、より小さなサイズの前記シートの幅方向端部を規制するために第2方向に移動可能に設けられており、
前記受け板部材は、前記シートを受ける第1板部材と、前記第1板部材の前記シートを受ける側とは反対側に配置された、少なくとも1つの第2板部材とを備え、
前記第1板部材および第2板部材は、前記付勢手段によって、それぞれ付勢されており、
前記第2板部材は、前記幅規制部材と係合可能な第1係合部を有しており、
前記第1係合部は、前記幅規制部材の第1方向への移動によりその幅規制部材との係合が解除され、前記幅規制部材の第2方向への移動によりその幅規制部材と係合され、前記幅規制部材と前記第1係合部とが係合していないときには、前記第2板部材が前記付勢手段の付勢力によって前記第1板部材を押圧するように、また、前記幅規制部材と前記第1係合部とが係合しているときには、前記第2板部材が前記付勢手段の付勢力に抗して、前記第1板部材を押圧しないように構成されており、
前記シート収容部には、前記受け板部材に設けられた第2係合部と、前記シート収容部に設けられた爪部材とを備えており、前記シート供給部からこのシート収容部を取り外したときには、前記第2係合部と前記爪部材との係合により、前記付勢手段の付勢を規制して、前記幅規制部材の第1方向および第2方向への移動によって前記幅規制部材と前記第1係合部とを係合可能、または解除可能なように前記第2板部材を位置させ、また、前記シート収容部を前記シート供給部に装着したときには、前記第2係合部と前記爪部材との係合解除により、前記付勢手段の付勢の規制を解除する、ロック手段を備えていることを特徴とする、シート供給装置。 - 前記シート供給部は、前記シート収容部を前記シート供給部から取り外すときに、前記第2係合部と前記爪部材とを係合させるために、前記第2係合部を前記爪部材との係合位置に案内するガイド部材と、前記シート収容部を前記シート供給部に装着したときに、前記第2係合部と前記爪部材との係合を解除させるために、前記爪部材と当接する当接部材とを備えていることを特徴とする、請求項4に記載のシート供給装置。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載のシート供給装置を備えていることを特徴とする、画像形成装置。
Priority Applications (1)
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