JP3632898B2 - 放射線透過検査方法を用いて行う既設金属配管の耐用度判定方法及びこの方法の実施に用いられる試験体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設の金属配管に発生したピンホール等の腐食部分の残存肉厚を放射線透過検査(以下「X線検査」と称す)を行ってその残存肉厚を測定し、この値から耐用年数等を判定(推定)する方法及びこの方法の実施に際して用いられる試験体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種の金属配管においては、経年的に腐食が発生することがあるため、この腐食の発生を監視することは最重要課題であり、この腐食の発生を監視する方法として一般にX線検査を行うことが知られている。この検査方法は、既設金属配管を外部から直接X線で撮影し、この像中に腐食部が撮れていた場合に腐食ありと判定する方法であって、万一腐食部が発見されたときは、その部分の配管を交換又は修理する等の処置策がとられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記X線検査による腐食部の発見は、腐食部の進行がどの程度進んでいるかまでを判定することは困難であり、腐食部の像の濃淡等からある程度の進行度を推定し、安全サイドに判定しているのが現状である。この結果、腐食が未だ交換を必要とするところまで進行していないにも拘らず交換等の処置をとることが多く、経済性に欠けるという欠点がある。
【0004】
本発明の目的は、X線検査で腐食箇所を発見したときに、この腐食箇所の残存肉厚までを測定し、この値から腐食が交換や修理を必要とするところまで進行しているか否かを判定できる方法と、この方法の実施に用いられる試験体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、放射線透過検査方法を用いて行う既設金属配管の耐用度判定方法において、階段状に肉厚を変化させると共に、各階段ごとに深さの異なる人工孔を設けて成る既設金属配管と同一の材質で形成された試験体を検査対象既設金属配管と並べて同一条件によりX線撮影を行い、更に、このX線撮影したフィルムを同一条件で現像することによりX線写真フィルムを得る、次に、前記X線 写真フィルムにおける既設金属配管像と試験体の濃度又は階調度を測定し、先ず、既設金属配管像に最も近い濃度又は階調度となっている試験体の階段部分を特定し、次に、この特定された階段部分の人工孔像の濃度又は、階調度と既設金属配管の腐食部像における濃度又は、階調度とを比較し、この腐食部像の濃度又は、階調度に最も近い濃度又は、階調度の人工孔を特定し、この特定された人工孔像の濃度又は、階調度と人工孔の深さとの相関関係から既設金属配管に存在する腐食部の残存肉厚を求め、既設金属配管の耐用度を判定することを特徴とするものである。
【0006】
更に、請求項2に記載の発明においては、放射線透過検査方法を用いて行う既設金属配管の耐用度判定方法の実施に用いられる試験体において、肉厚を階段状に変化させると共に、この各階段部分ごとに深さの異なる人工孔を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
検査対象となる銅管又は鋼管等を用いた既設金属配管の口径は自由である。試験体は、検査対象となる既設金属配管と同一の材質であって、一枚の金属板を階段状に形成し、この各階段ごとに深さの異なる人工孔を設ける。この人工孔の数は任意であるが、少なくとも配管の肉厚に対して残存肉厚として許容できる厚さ(深さ)を中心としてその前後の肉厚(深さ)のものを設ける。人工孔の直径はあまり小さすぎない限り任意であり、又、形状は円形、四角形、六角形等、これも任意である。なお、試験体は、厚さの異なる一枚の金属板に夫々深さの異なる人工孔を設けた複数枚で構成してもよい。
【0008】
判定作業に際しては、先ず既設金属配管に並べて試験体を配置し、同一条件にてX線撮影を行う。更に、撮影済のフィルムは、同一条件で現像を行う。
残存肉厚の測定は、現像されたX線写真上の既設金属配管と試験体の像の濃度(O.D)又は、階調度(Pixel値)を精密濃度計又はフィルム画像解析装置を用いて測定し、先ず既設金属配管像に最も近い濃度又は階調度から成る試験体の階段部分を特定する。次に、この特定された階段部分に設けられた人工孔像と既設金属配管側の腐食部分像の濃度又は階調度を同じく精密濃度計又はフィルム画像解析装置を用いて判定し、腐食部像に最も近い人工孔像を特定する。
【0009】
既設金属配管の残存肉厚は、このようにして特定された人工孔像及びこの人工孔像が位置する階段部分又は腐食部像の周囲の配管像の濃度又は階調度と人工孔の深さとの相関関係から腐食部の残存肉厚をコンピュータ等を用いて求め、この値を判定材料とする。
【0010】
【実施例】
(請求項1及び2に対応)
図1(a)(b)は試験体を示すもので、この試験体1は、銅板を8階段の厚さに加工し、この階段部分2a〜2hに夫々深さの異なる(残存肉厚の異なる)人工孔3a〜3dを設けた構成である。
図2はX線撮影状況を示し、4は銅管、5はフィルム、6はX線発生器であって、試験体1は銅管4に沿って並置し、X線発生器6で発生したX線によりフィルム5上に銅管4と試験体1の透過写真を撮影する。この撮影したフィルム5を現像し、得られた画像を図3に示す。
【0011】
次に、このX線写真フィルムを精密濃度計又はフィルム画像解析装置に取り込み、試験体1と銅管4の画像の濃度(O.D)又は階調度(Pixel値)を測定する。このときの測定位置は、図3に示す腐食部像(孔食像又は潰食像)P及びこの腐食部像Pの近傍の健全な母材(銅管4)及び試験体1の階段部分2a〜2h全体の像及び各々の人工孔3a〜3dの像である。
【0012】
次に、コンピュータを用いて、試験体1の各階段部分2a〜2hの厚さに対する濃度又は階調度と銅管4の濃度又は階調度を比較し、最も近い数値の階段部分を特定し、更に、銅管4の腐食部像Pの濃度又は階調度に最も近い濃度又は階調度の人工孔3a〜3dの像部分を特定する。その上で、この特定された人工孔3a〜3dの像の濃度又は階調度と深さとの相関関係から残存肉厚を求める。
図4は、この人工孔3a〜3dの像の深さと濃度差との関係を示すもので、濃度差(母材濃度−人工孔濃度)が大きくなるほど、人工孔の深さは大きくなる。
【0013】
図5は、健全な母材濃度(1.3)に対する人工孔3a〜3dの像の濃度と人工孔3a〜3dの深さとの相関関係を示すものである。
図6は、腐食部近傍像の健全な母材濃度(1.3)に対する人工孔3a〜3dの深さと濃度差との関係を示すもので、濃度差が0.9の場合、人工孔3a〜3dの深さは1.3mmとなり、この深さ1.3mmが腐食部の深さに相当し、この値から、残存肉厚を求める。
【0014】
以上の手順により、銅管4に存在する腐食部の残存肉厚を診断し、交換又は修理等の要,不要を判定する。なお、実施例は銅管の例であるが、鋼管においても同様の手法で腐食部の残存肉厚を測定することが可能である。この際の試験体の材質は鋼管と同一の材質のものとなる。
【0015】
【発明の効果】
本発明は以上のように、試験体と検査対象となる既存金属配管を一枚のフィルム上に同時にX線撮影を行い、このフィルムを同一条件で現像することで、同一条件のX線透過濃度又は階調度像を得ることができる。そして、夫々の像を精密濃度計或いはフィルム画像解析装置で解析し、濃度又は階調度と試験体に設けた人工孔の深さとの相関関係により既設金属配管の腐食部分の残存肉厚、つまり耐用度を容易に知ることが可能である。
【0016】
よって、従来のX線透過検査方法に比較して、精度が高まり、既設金属配管を耐用年数まで使用することができ、経済性において極めて有効である。
次に、試験体を階段状に形成、更に深さの違う人工孔を複数設けることにより、1つの試験体で肉厚の異なるあるいは肉厚の解らない配管に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る試験体の説明図。
【図2】X線撮影の説明図。
【図3】X線写真フィルムの画像の説明図。
【図4】人工孔像の深さと濃度差との関係を示すグラフ。
【図5】腐食部近傍の母材濃度における人工孔の深さと濃度差との関係を示すグラフ。
【図6】腐食部近傍濃度における人工孔の深さと濃度差との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 試験体
2a〜2h 階段部分
3a〜3d 人工孔
4 銅管
5 フィルム
6 X線発生器
Claims (2)
- 階段状に肉厚を変化させると共に、各階段ごとに深さの異なる人工孔を設けて成る既設金属配管と同一の材質で形成された試験体を検査対象既設金属配管と並べて同一条件によりX線撮影を行い、更に、このX線撮影したフィルムを同一条件で現像することによりX線写真フィルムを得る、次に、前記X線写真フィルムにおける既設金属配管像と試験体の濃度又は階調度を測定し、先ず、既設金属配管像に最も近い濃度又は階調度となっている試験体の階段部分を特定し、次に、この特定された階段部分の人工孔像の濃度又は、階調度と既設金属配管の腐食部像における濃度又は、階調度とを比較し、この腐食部像の濃度又は、階調度に最も近い濃度又は、階調度の人工孔を特定し、この特定された人工孔像の濃度又は、階調度と人工孔の深さとの相関関係から既設金属配管に存在する腐食部の残存肉厚を求め、既設金属配管の耐用度を判定する放射線透過検査方法を用いて行う既設金属配管の耐用度判定方法。
- 肉厚を階段状に変化させると共に、この各階段部分ごとに深さの異なる人工孔を設けて成る放射線透過検査方法を用いて行う既設金属配管の耐用度判定方法の実施に用いられる試験体。
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