JP2001124708A - 放射線透過検査方法を用いて行う既設金属配管の耐用度判定方法及びこの方法の実施に用いられる試験体 - Google Patents
放射線透過検査方法を用いて行う既設金属配管の耐用度判定方法及びこの方法の実施に用いられる試験体Info
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Abstract
定し、金属配管交換の必要の有無を容易に判定する方法
及び試験体を提供する。 【解決手段】 階段状に肉厚を変化させると共に、各階
段ごとに深さの異なる人工孔を設けて成る既設金属配管
と同一の材質で形成された試験体1を検査対象既設金属
配管4と並べて同一条件によりX線撮影を行い、得られ
たフィルム5を同一条件で現像する。次に、この現像さ
れたX線写真フィルム5上の既設金属配管4と試験体1
の像から、夫々の濃度又は階調度を測定し、既設金属配
管4の像に最も近い濃度又は階調度となっている試験体
1の階段部分を特定し、人工孔の濃度又は階調度と深さ
との相関関係から既設金属配管4に存在する腐食部の残
存肉厚を測定し、この値で配管の耐用度を判定する。
Description
発生したピンホール等の腐食部分の残存肉厚を放射線透
過検査(以下「X線検査」と称す)を行ってその残存肉
厚を測定し、この値から耐用年数等を判定(推定)する
方法及びこの方法の実施に際して用いられる試験体に関
するものである。
食が発生することがあるため、この腐食の発生を監視す
ることは最重要課題であり、この腐食の発生を監視する
方法として一般にX線検査を行うことが知られている。
この検査方法は、既設金属配管を外部から直接X線で撮
影し、この像中に腐食部が撮れていた場合に腐食ありと
判定する方法であって、万一腐食部が発見されたとき
は、その部分の配管を交換又は修理する等の処置策がと
られる。
による腐食部の発見は、腐食部の進行がどの程度進んで
いるかまでを判定することは困難であり、腐食部の像の
濃淡等からある程度の進行度を推定し、安全サイドに判
定しているのが現状である。この結果、腐食が未だ交換
を必要とするところまで進行していないにも拘らず交換
等の処置をとることが多く、経済性に欠けるという欠点
がある。
見したときに、この腐食箇所の残存肉厚までを測定し、
この値から腐食が交換や修理を必要とするところまで進
行しているか否かを判定できる方法と、この方法の実施
に用いられる試験体を提供することである。
め、請求項1に記載の発明においては、放射線透過検査
方法を用いて行う既設金属配管の耐用度判定方法におい
て、検査対象既設金属配管と同一材質により製作された
深さの異なる人工孔を設けた試験体を検査対象既設金属
配管の腐食部に並べて同一条件でX線撮影を行うと共
に、同一条件でこのX線撮影したフィルムの現像を行
う、前記現像で得たX線写真フィルム上の金属配管像と
腐食部像及び試験体像と人工孔像の濃度又は階調度を夫
々測定し、この濃度又は階調度を利用して既設金属配管
における腐食部の残存肉厚を求め、この値から既設金属
配管の耐用度を判定する、ことを特徴とするものであ
る。
放射線透過検査方法を用いて行う既設金属配管の耐用度
判定方法において、階段状に肉厚を変化させると共に、
各階段ごとに深さの異なる人工孔を設けて成る既設金属
配管と同一の材質で形成された試験体を検査対象既設金
属配管と並べて同一条件によりX線撮影を行い、更にこ
のX線撮影したフィルムを同一条件で現像することによ
りX線写真フィルムを得る、次に前記X線写真フィルム
における既設金属配管像と試験体の濃度又は階調度を測
定し、先ず既設金属配管像に最も近い濃度又は階調度と
なっている試験体の階段部分を特定し、次に、この特定
された階段部分の人工孔像の濃度又は階調度と既設金属
配管の腐食部像における濃度又は階調度とを比較し、こ
の腐食部像の濃度又は階調度に最も近い濃度又は階調度
の人工孔を特定し、この特定された人工孔像の濃度又は
階調度と人工孔の深さとの相関関係から既設金属配管に
存在する腐食部の残存肉厚を求め、既設金属配管の耐用
度を判定することを特徴とするものである。
請求項1又は2に記載の発明において、X線写真の既設
金属配管像と試験体像及び人工孔像の濃度又は階調度を
精密濃度計又はフィルム画像解析装置を用いて測定する
ことを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明において、既設金属配管像と腐食
部像及び試験体像及び人工孔像の濃度を目視により判定
して試験体の階段部分と人工孔像を特定し、この人工孔
像の表記から残存肉厚を読み取ることを特徴とするもの
である。
放射線透過検査方法を用いて行う既設金属配管の耐用度
判定方法の実施に用いられる試験体において、肉厚を階
段状に変化させると共に、この各階段部分ごとに深さの
異なる人工孔を設けたことを特徴とするものである。
用いた既設金属配管の口径は自由である。試験体は、検
査対象となる既設金属配管と同一の材質であって、一枚
の金属板を階段状に形成し、この各階段ごとに深さの異
なる人工孔を設ける。この人工孔の数は任意であるが、
少なくとも配管の肉厚に対して残存肉厚として許容でき
る厚さ(深さ)を中心としてその前後の肉厚(深さ)の
ものを設ける。人工孔の直径はあまり小さすぎない限り
任意であり、又、形状は円形、四角形、六角形等、これ
も任意である。なお、試験体は、厚さの異なる一枚の金
属板に夫々深さの異なる人工孔を設けた複数枚で構成し
てもよい。
並べて試験体を配置し、同一条件にてX線撮影を行う。
更に、撮影済のフィルムは、同一条件で現像を行う。残
存肉厚の測定は、現像されたX線写真上の既設金属配管
と試験体の像の濃度(O.D)又は、階調度(Pixe
l値)を精密濃度計又はフィルム画像解析装置を用いて
測定し、先ず既設金属配管像に最も近い濃度又は階調度
から成る試験体の階段部分を特定する。次に、この特定
された階段部分に設けられた人工孔像と既設金属配管側
の腐食部分像の濃度又は階調度を同じく精密濃度計又は
フィルム画像解析装置を用いて判定し、腐食部像に最も
近い人工孔像を特定する。
て特定された人工孔像及びこの人工孔像が位置する階段
部分又は腐食部像の周囲の配管像の濃度又は階調度と人
工孔の深さとの相関関係から腐食部の残存肉厚をコンピ
ュータ等を用いて求め、この値を判定材料とする。ある
いは、目視で前記各部の濃度の判定を行い、あらかじめ
人工孔ごとに残存肉厚を示す数値が表記されている場合
には、この数値を読み取り、耐用度の判定を行う(請求
項4)。
試験体を示すもので、この試験体1は、銅板を8階段の
厚さに加工し、この階段部分2a〜2hに夫々深さの異
なる(残存肉厚の異なる)人工孔3a〜3dを設けた構
成である。図2はX線撮影状況を示し、4は銅管、5は
フィルム、6はX線発生器であって、試験体1は銅管4
に沿って並置し、X線発生器6で発生したX線によりフ
ィルム5上に銅管4と試験体1の透過写真を撮影する。
この撮影したフィルム5を現像し、得られた画像を図3
に示す。
又はフィルム画像解析装置に取り込み、試験体1と銅管
4の画像の濃度(O.D)又は階調度(Pixel値)
を測定する。このときの測定位置は、図3に示す腐食部
像(孔食像又は潰食像)P及びこの腐食部像Pの近傍の
健全な母材(銅管4)及び試験体1の階段部分2a〜2
h全体の像及び各々の人工孔3a〜3dの像である。
各階段部分2a〜2hの厚さに対する濃度又は階調度と
銅管4の濃度又は階調度を比較し、最も近い数値の階段
部分を特定し、更に、銅管4の腐食部像Pの濃度又は階
調度に最も近い濃度又は階調度の人工孔3a〜3dの像
部分を特定する。その上で、この特定された人工孔3a
〜3dの像の濃度又は階調度と深さとの相関関係から残
存肉厚を求める。図4は、この人工孔3a〜3dの像の
深さと濃度差との関係を示すもので、濃度差(母材濃度
−人工孔濃度)が大きくなるほど、人工孔の深さは大き
くなる。
る人工孔3a〜3dの像の濃度と人工孔3a〜3dの深
さとの相関関係を示すものである。図6は、腐食部近傍
像の健全な母材濃度(1.3)に対する人工孔3a〜3
dの深さと濃度差との関係を示すもので、濃度差が0.
9の場合、人工孔3a〜3dの深さは1.3mmとな
り、この深さ1.3mmが腐食部の深さに相当し、この
値から、残存肉厚を求める。
部の残存肉厚を診断し、交換又は修理等の要,不要を判
定する。なお、実施例は銅管の例であるが、鋼管におい
ても同様の手法で腐食部の残存肉厚を測定することが可
能である。この際の試験体の材質は鋼管と同一の材質の
ものとなる。
象となる既存金属配管を一枚のフィルム上に同時にX線
撮影を行い、このフィルムを同一条件で現像すること
で、同一条件のX線透過濃度又は階調度像を得ることが
できる。そして、夫々の像を精密濃度計或いはフィルム
画像解析装置で解析し、濃度又は階調度と試験体に設け
た人工孔の深さとの相関関係により既設金属配管の腐食
部分の残存肉厚、つまり耐用度を容易に知ることが可能
である(請求項1〜4)。
て、精度が高まり、既設金属配管を耐用年数まで使用す
ることができ、経済性において極めて有効である。次
に、試験体を階段状に形成、更に深さの違う人工孔を複
数設けることにより、1つの試験体で肉厚の異なるある
いは肉厚の解らない配管に対応できる(請求項1〜
5)。
フ。
濃度差との関係を示すグラフ。
との関係を示すグラフ。
Claims (5)
- 【請求項1】 検査対象既設金属配管と同一材質により
製作された深さの異なる人工孔を設けた試験体を検査対
象既設金属配管の腐食部に並べて同一条件でX線撮影を
行うと共に、同一条件でこのX線撮影したフィルムの現
像を行う、 前記現像で得たX線写真フィルム上の金属配管像と腐食
部像及び試験体像と人工孔像の濃度又は階調度を夫々測
定し、この濃度又は階調度を利用して既設金属配管にお
ける腐食部の残存肉厚を求め、この値から既設金属配管
の耐用度を判定する放射線透過検査方法を用いて行う既
設金属配管の耐用度判定方法。 - 【請求項2】 階段状に肉厚を変化させると共に、各階
段ごとに深さの異なる人工孔を設けて成る既設金属配管
と同一の材質で形成された試験体を検査対象既設金属配
管と並べて同一条件によりX線撮影を行い、更にこのX
線撮影したフィルムを同一条件で現像することによりX
線写真フィルムを得る、次に前記X線写真フィルムにお
ける既設金属配管像と試験体の濃度又は階調度を測定
し、先ず既設金属配管像に最も近い濃度又は階調度とな
っている試験体の階段部分を特定し、次に、この特定さ
れた階段部分の人工孔像の濃度又は階調度と既設金属配
管の腐食部像における濃度又は階調度とを比較し、この
腐食部像の濃度又は階調度に最も近い濃度又は階調度の
人工孔を特定し、この特定された人工孔像の濃度又は階
調度と人工孔の深さとの相関関係から既設金属配管に存
在する腐食部の残存肉厚を求め、既設金属配管の耐用度
を判定する放射線透過検査方法を用いて行う既設金属配
管の耐用度判定方法。 - 【請求項3】 X線写真の既設金属配管像と試験体像及
び人工孔像の濃度又は階調度を精密濃度計又はフィルム
画像解析装置を用いて測定する請求項1又は2記載の放
射線透過検査方法を用いて行う既設金属配管の耐用度判
定方法。 - 【請求項4】 既設金属配管像と腐食部像及び試験体像
及び人工孔像の濃度を目視により判定して試験体の階段
部分と人工孔像を特定し、この人工孔像の表記から残存
肉厚を読み取る請求項1記載の放射線透過検査方法を用
いて行う既設金属配管の耐用度判定方法。 - 【請求項5】 肉厚を階段状に変化させると共に、この
各階段部分ごとに深さの異なる人工孔を設けて成る放射
線透過検査方法を用いて行う既設金属配管の耐用度判定
方法の実施に用いられる試験体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30493499A JP3632898B2 (ja) | 1999-10-27 | 1999-10-27 | 放射線透過検査方法を用いて行う既設金属配管の耐用度判定方法及びこの方法の実施に用いられる試験体 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010038598A (ja) * | 2008-08-01 | 2010-02-18 | Nippon Kogyo Kensa Kk | 金属管の残厚推定方法 |
JP2013532823A (ja) * | 2010-07-28 | 2013-08-19 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | 医薬品の重量を、x線源を用いて測定する装置及び方法 |
JP2020112524A (ja) * | 2019-01-17 | 2020-07-27 | 東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社 | 溶接検査方法、溶接検査装置及び溶接検査システム |
JP2020118552A (ja) * | 2019-01-24 | 2020-08-06 | 札幌施設管理株式会社 | 厚さ検出方法及び配管検査方法 |
JP7410606B1 (ja) | 2023-06-20 | 2024-01-10 | 株式会社ウィズソル | 非破壊検査方法及び非破壊検査装置 |
-
1999
- 1999-10-27 JP JP30493499A patent/JP3632898B2/ja not_active Expired - Fee Related
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