JP3632639B2 - 電気湯沸かし器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動給湯できる電気湯沸かし器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気湯沸かし器において、近年では電動ポンプによってお湯の給湯をおこなうことのできる製品が主流となってきている。この電動給湯タイプの電気湯沸かし器を更に使い勝手向上させるため、商用電源のない場所でも、バックアップ電源で電動給湯や湯温表示できるコードレス機能を保持した製品も発売されてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の電動給湯タイプの電気湯沸かし器においては、給湯起動時においても、一定の電圧を電動ポンプに印可するものであるため、容器内の液体が沸騰直後にある時の出湯は、電動ポンプの泡かみにより所望する吐出流量が得られなかったり、特にコードレス出湯には効率が落ちバックアップ電源が早く消耗してしまうという問題があった。また、電動ポンプの駆動源となるモーターは一般的に起動時は定常時の数倍の電流を消費するが、定常時の駆動電流を調整しモーター駆動の効率を上げたり、所望吐出量を設定したりする際、起動電流確保の問題でその調整幅が小さくなるという問題もあった。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、電動ポンプ起動時に定常動作時より大きい電圧をポンプに印可することで、電動ポンプに泡かみしている状態においても所望の吐出量やポンプ効率が得られ、且つ起動電流を安定供給できるため定常時のポンプ駆動電圧を自在に設定することができる電気湯沸かし器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために本発明の電気湯沸かし器は、液体を収容する容器と、前記容器内の液体を前記容器外へ吐出させる電動ポンプと、前記電動ポンプを駆動させる第1駆動手段と、前記第1駆動手段で駆動したときの電動ポンプ駆動電圧より小さくなるよう前記電動ポンプを駆動させる第2駆動手段と、前記電動ポンプに泡かみされている泡をとばし前記電動ポンプの効率を確保すべく、前記電動ポンプの前記吐出動作起動時は吐出量に影響を及ぼさない程度の所定時間、連続的もしくは断続的に前記第1駆動手段で前 記電動ポンプを駆動させ、前記所定時間経過後は前記第2駆動手段で前記電動ポンプを駆動させる制御手段を有するものである。
【0006】
これによって、電動ポンプに泡かみしている状態においても所望の吐出量や電動ポンプ効率が得られ、且つ起動電流を安定供給できるため定常時の電動ポンプ駆動電圧を自在に設定することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、液体を収容する容器と、前記容器内の液体を前記容器外へ吐出させる電動ポンプと、前記電動ポンプを駆動させる第1駆動手段と、前記第1駆動手段で駆動したときの電動ポンプ駆動電圧より小さくなるよう前記電動ポンプを駆動させる第2駆動手段と、前記電動ポンプに泡かみされている泡をとばし前記電動ポンプの効率を確保すべく、前記電動ポンプ動作の前記吐出動作起動時は吐出量に影響を及ぼさない程度の所定時間、連続的もしくは断続的に前記第1駆動手段で前記電動ポンプを駆動させ、前記所定時間経過後は前記第2駆動手段で前記電動ポンプを駆動させる制御手段を備えることにより、電動ポンプ起動時に定常動作時より大きい電圧を電動ポンプに印可でき、容器内の液体の沸騰直後や容器内の液体の長期保温時などの電動ポンプに泡かみしている状態においても所望の吐出量や電動ポンプ効率を得ることができる。また本形態では、起動電流を安定供給できるため定常時の電動ポンプ駆動電圧を自在に設定することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、液体を収容する容器と、前記容器内の液体を前記容器外へ吐出させる電動ポンプと、電動ポンプ駆動電源と、前記電動ポンプ駆動電源の出力電圧を切り替える切替手段と、前記電動ポンプ動作起動時の所定時間と、前記所定時間経過後で前記切替手段によって前記出力電圧を切り替え、前記電動ポンプに泡かみされている泡をとばし前記電動ポンプの効率を確保すべく、前記電動ポンプの前記吐出動作起動時は吐出量に影響を及ぼさない程度の前記所定時間、連続的もしくは断続的に前記電動ポンプ駆動電圧を大にし、前記所定時間経過後は前記電動ポンプ駆動電圧を小とする制御手段を備えることにより、電動ポンプ起動時に定常動作時より大きい電圧を電動ポンプに印可でき、容器内の液体の沸騰直後や容器内の液体の長期保温時などの電動ポンプに泡かみしている状態においても所望の吐出量やポンプ効率を得ることができる。また本形態では、電動ポンプ駆動電圧を電源自体の可変により行っているため、電源と電動ポンプ間に抵抗を介在させて駆動電圧を可変させる手段より起動電流を安定供給でき、これにより定常時のポンプ駆動電圧を自在に設定することができる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図1〜9を参照しながら説明する。
【0010】
(実施例1)
図1は実施例1における構成図である。
【0011】
図1において、本体1内に上面開口の水を収容する容器2があり、容器2の上部を覆う蓋3が配置されている。また、容器2内の水を加熱する加熱ヒーター4と、容器2内の水温を検知する温度センサー5と、容器2内のお湯を、吐出口50から外部に導くための電動ポンプ7と、電動ポンプ7の1構成部品であるモーター6が下方に、使用者が容易に操作できる出湯スイッチ8と出湯動作の許可スイッチである出湯ロック解除スイッチ9が上方に配置されている。ここで加熱ヒーター4は、容器2内の水を沸騰させる大きな出力をもつもの、例えば1000Wの主ヒーターと、容器2内の水を保温する比較的小さな出力をもつもの、例えば75Wの補助ヒーターとで構成されている。
【0012】
また、10は電動ポンプ7を駆動させる第1駆動手段であり、11は第1駆動手段10で駆動させるより小さい出力で電動ポンプ7を駆動させる第2駆動手段であり、12は出湯スイッチ8と出湯ロック解除スイッチ9からの信号を入力とし、第1駆動手段10と第2駆動手段11へ信号を出力する制御手段である。
【0013】
図2は、図1の構成を有する実施例1の制御回路図である。
【0014】
図2において、商用電源30は、加熱ヒーターである主ヒーター4aが主ヒーター駆動用リレー31のリレー接点を介して、加熱ヒーターである補助ヒーター4bが補助ヒーター駆動用リレー32のリレー接点を介して接続されている。また商用電源30は整流回路33、変圧回路34、レギュレータ36を通して制御手段であるマイクロコンピュータ12に入力されており、また変圧回路34の出力(以降Vu電源とする)は、第1駆動手段であるトランジスタ10aもしくは第2駆動手段であるトランジスタ11a、抵抗器11cと出湯スイッチ8を介して電動ポンプの1構成部品であるモーター6にも入力されている。また更に、35はVu電源の安定化のためのコンデンサ、37はマイクロコンピュータ電源の安定化のためのコンデンサである。
【0015】
商用電源30が供給されると、温度センサー5と抵抗器42の分圧電圧を温度データとしてマイクロコンピュータ12内のAD変換器が取り込み(取り込んだ温度データを以降θとする)、マイクロコンピュータ12内であらかじめ設定された所定温度θ1(たとえば約90℃)と比較され、検知温度θがθ1より低ければ抵抗器38を介して主ヒーター駆動用リレー31をオンし、主ヒーター4aをオンさせる(以降主ヒーターを駆動し、容器内の水温を上昇させる動作モードを沸騰モードとする)。その後、検知された温度θの単位時間当たりの温度上昇Δθが、マイクロコンピュータ12内であらかじめ設定されたΔθ1と逐次比較され、ΔθがΔθ1より小さくなると容器内の水が沸騰したと判断し主ヒーター4aをオフする。沸騰検知した後も温度検知は繰り返され、θがマイクロコンピュータ12内であらかじめ設定されたθ2(たとえば約95℃)と比較されθがθ2より低くなると抵抗器39を介して補助ヒーター駆動用リレー32をオンし、補助ヒーター4bをオンさせ、θがθ2より高くなると補助ヒーター4bをオフさせ容器内のお湯が95℃を維持するよう動作する(以降所定温度を維持するため補助ヒーターをオンオフさせている動作モードを保温モードとする)。前述の検知した温度θに基づき、主ヒーター及び補助ヒーターをオンオフさせる制御はマイクロコンピュータ12内の中央制御装置で行われている。
【0016】
また、商用電源30が供給されている時、出湯ロック解除スイッチ9がオンされマイクロコンピュータ12内に抵抗器41との分圧電圧が入力されると、マイクロコンピュータ12内の中央制御装置は、第1駆動手段である抵抗器10bを介してやはり第1駆動手段であるトランジスタ10aをオンする。前記の状態で出湯スイッチ8がオンされマイクロコンピュータ12内に抵抗器40との分圧電圧が入力されると、マイクロコンピュータ12内であらかじめ設定された所定時間T1(ここでは0.3秒とする)後に、マイクロコンピュータ12内の中央制御装置は、第2駆動手段である抵抗器11bを介してやはり第2駆動手段であるトランジスタ11aをオンする。トランジスタ10aがオン時はVu電源が直接モーター6に印可され、トランジスタ11aがオン時は第2駆動手段である抵抗器11cを介してVu電源がモーター6に印可されるため、図9−(a)に示すように出湯起動時のT1間の電動ポンプ駆動電圧はT1以降の駆動電圧より大きくなる(ここではVu=8V、抵抗器11cによる電圧降下は2Vとしている)。
【0017】
この動作が、本発明の最大の特長であり、出湯起動時の電動ポンプ駆動を定常時より大きくすることで、容器内の液体の沸騰直後や容器内の液体の長期保温時などの電動ポンプに泡かみしている状態においても、起動時の駆動トルクで泡をとばすことで所望の吐出量、電動ポンプ効率を確保することができる。また、起動時の大駆動電圧印可時間を以降の定常動作時の吐出量に影響を及ぼさない程度の時間(本実施例では0.3秒として説明した)とすることで、泡かみの有無に関わらず同一の電動ポンプ駆動制御とでき、駆動制御を簡素化できる。
【0018】
また更に、起動時の駆動電圧と定常時の駆動電圧を切り分けることで、電動ポンプ起動電流を安定した一定値とでき、定常時の電動ポンプ駆動電圧を自在に設定することができる。
【0019】
なお、実施例1では出湯スイッチオン後の所定時間、連続的に駆動電圧を大とするとして説明したが、図9−(b)、(c)にあるように出湯スイッチオン後の所定時間、断続的に駆動電圧を大とするとしても同等の効果が得られる。
【0020】
また更に、実施例1では出湯スイッチは出湯スイッチ8の1ヶのみ、駆動手段は第1駆動手段10と第2駆動手段11の2系統のみとし、出湯スイッチ8をオンした時の第1駆動手段10のトランジスタ10aのオン動作と、所定時間T1経過後の第2駆動手段11のトランジスタ11aのオン動作により電動ポンプ6の起動時駆動電圧が定常時駆動電圧より大きくなるようにしたが、出湯スイッチ及び前記駆動手段の系統を複数個有し、各々の出湯スイッチをオンした時、複数の前記駆動手段の系統の動作の組み合わせにより、電動ポンプの起動時駆動電圧が定常時駆動電圧より大きくなるようにしても同等の効果が得られる。
【0021】
また更に、実施例1では、起動時の駆動電圧と定常時の駆動電圧を切り分ける動作や、起動時の所定時間の設定は、機器の動作モードや容器内の水の状態に関わらず一定としたが、例えば沸騰検知後の所定時間の間の出湯のみ駆動電圧を切り分けたり、起動時の所定時間の設定を長くしたり、出湯がなされない長期保温後の間や容器内の水温が所定温度以上の時の出湯時にのみ駆動電圧を切り分けたり、起動時の所定時間の設定を長くしたりなどして、機器の動作状態、容器内の水の状態や水量に応じて駆動動作を切り分けるとしても、駆動制御を簡素化を除けば同等の効果が得られる。
【0022】
(実施例2)
図3は実施例2における構成図である。
【0023】
図3において、13は電動ポンプ駆動電源であり、14は電動ポンプ駆動電源13の出力を切り換える切換手段であり、15は出湯スイッチ8と出湯ロック解除スイッチ9からの信号を入力とし、切換手段14へ信号を出力する制御手段である。その他の構成は、実施例1と同一であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0024】
図4は、図3の構成を有する実施例2の制御回路図である。
【0025】
図4において、実施例1と同一構成部分は同一の符号を付しており、以下、実施例1とその動作の相違する箇所に着目し説明する。
【0026】
図4において、商用電源30は電動ポンプ駆動電源の1構成部品であるAC−DCコンバータ13a、レギュレータ36を通して制御手段であるマイクロコンピュータ15に入力されており、またAC−DCコンバータ13aの出力(以降Vu電源とする)は、トランジスタ43と出湯スイッチ8を介して電動ポンプの1構成部品であるモーター6にも入力されている。また、フォトカプラ13b、ツェナーダイオード13c、13dは電動ポンプ駆動電源の1構成部品であり、フォトカプラ13bとツェナーダイオード13c、13dを流れる電流がAC−DCコンバータ13aにフィードバックされることにより、Vu電源をツェナーダイオード13cのツェナー電圧(VZD13C)とツェナーダイオード13dのツェナー電圧(VZD13D)を足し合わせた電圧にほぼ安定化としている(ここではVZD13C=6V、VZD13D=2Vとする)。ここでVrはAC−DCコンバータ13aで生成される定電圧源である。
【0027】
商用電源30が供給されると、Vu電源はAC−DCコンバータ13a、フォトカプラ13b、ツェナーダイオード13c、13dによりVZD13C+VZD13Dすなわち約8Vに安定化され、この状態で出湯ロック解除スイッチをオンすると制御手段であるマイクロコンピュータ15は抵抗器44を介してトランジスタ43をオンし出湯スタンバイ状態となる。更に、出湯スイッチ8をオンすると、マイクロコンピュータ15内であらかじめ設定された所定時間T1(ここでは0.3秒とする)後に、マイクロコンピュータ15内の中央制御装置は、切換手段である抵抗器14bを介してやはり切換手段であるトランジスタ14aをオンする。トランジスタ14aがオン時は、ツェナーダイオード13dはほぼ短絡されVu電源がVZD13C(約6V)となるため、図10−(a)に示すように出湯起動時のT1間の電動ポンプ駆動電圧はT1以降の駆動電圧より大きくなる。
【0028】
この動作が、本発明の最大の特長であり、出湯起動時の電動ポンプ駆動を定常時より大きくすることで、容器内の液体の沸騰直後や容器内の液体の長期保温時などの電動ポンプに泡かみしている状態においても、起動時の駆動トルクで泡をとばすことで所望の吐出量、電動ポンプ効率を確保することができる。また、起動時の大駆動電圧印可時間を以降の定常動作時の吐出量に影響を及ぼさない程度の時間(本実施例では0.3秒として説明した)とすることで、泡かみの有無に関わらず同一の電動ポンプ駆動制御とでき、駆動制御を簡素化できる。
【0029】
また更に、電動ポンプ駆動電圧を電源自体の可変により行っているため、電源と電動ポンプ間に抵抗を介在させて駆動電圧を可変させる手段より起動電流を安定供給でき、これにより定常時のポンプ駆動電圧を自在に設定することができる。
【0030】
なお、実施例2では出湯スイッチオン後の所定時間、連続的に駆動電圧を大とするとして説明したが、図10−(b)、(c)にあるように出湯スイッチオン後の所定時間、断続的に駆動電圧を大とするとしても同等の効果が得られる。
【0031】
また更に、実施例2では出湯スイッチは出湯スイッチ8の1ヶのみ、切換手段は切換手段14の1系統のみで構成し、出湯スイッチ8をオンすると、所定時間T1後に、切換手段14を構成するトランジスタ14aをオンすることより、電動ポンプの出湯起動時のT1間の駆動電圧がT1以降の駆動電圧より大となるようにしたが、出湯スイッチ及び切換手段の系統を複数個有し、各々の出湯スイッチをオンした時、複数の前記切換手段の系統の動作の組み合わせにより、電動ポンプの出湯起動時駆動電圧が定常時駆動電圧より大となるようにしても同等の効果が得られる。
【0032】
また更に、実施例2では、起動時の駆動電圧と定常時の駆動電圧を切り分ける動作や、起動時の所定時間の設定は、機器の動作モードや容器内の水の状態に関わらず一定としたが、例えば沸騰検知後の所定時間の間の出湯のみ駆動電圧を切り分けたり、起動時の所定時間の設定を長くしたり、出湯がなされない長期保温後の間や容器内の水温が所定温度以上の時の出湯時にのみ駆動電圧を切り分けたり、起動時の所定時間の設定を長くしたりなどして、機器の動作状態、容器内の水の状態や水量に応じて駆動動作を切り分けるとしても、駆動制御を簡素化を除けば同等の効果が得られる。
【0033】
(実施例3)
図5は実施例3における構成図である。
【0034】
図5において、本体1側方に商用電源が供給されないとき機器に電源供給するバックアップ電源19と、商用電源供給手段であるマグネット式コネクタ20が配置されている。また、16は商用電源が供給されているときに電動ポンプ7を駆動させる第1駆動手段であり、17は商用電源がなくバックアップ電源19により電源供給されているときに電動ポンプ7を駆動させる第2駆動手段であり、18は出湯スイッチ8と出湯ロック解除スイッチ9からの信号を入力とし、第1駆動手段16と第2駆動手段17へ信号を出力する制御手段である。その他の構成は、実施例1と同一であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0035】
図6は、図5の構成を有する実施例3の制御回路図である。
【0036】
図6において、実施例1と同一構成部分は同一の符号を付しており、以下、実施例1とその動作の相違する箇所に着目し説明する。
【0037】
図6において、商用電源30は、商用電源供給手段であるマグネット式コネクタ20を介して制御回路に電源を供給しており、整流回路33、変圧回路34逆流阻止用のダイオード51、レギュレータ36を通して制御手段であるマイクロコンピュータ18に入力されており、またダイオード51の出力(以降Vu電源とする)は、第1駆動手段であるトランジスタ16a、抵抗器16cもしくは第2駆動手段であるトランジスタ17aと出湯スイッチ8を介して電動ポンプの1構成部品であるモーター6にも入力されている。また、バックアップ電源19はDC−DCコンバータ50、逆流防止用ダーオート52を介してVu電源に電源供給している。商用電源14が供給されずバックアップ電源19で電源供給していることを、電流制限抵抗器53を介してマイクロコンピュータ18内の電源認識装置で検知している状態で、出湯ロック解除スイッチ9をオンするとマイクロコンピュータ18は第2駆動手段である抵抗器17bを介してやはり第2駆動手段であるトランジスタ17aをオンする(出湯スタンバイ状態)。
【0038】
出湯スタンバイ状態で出湯スイッチがオンすると、モーター6にDC−DCコンバータの出力から得られたVu電源(ここでは5.5Vとする)が抵抗成分を介さず供給される。
【0039】
次に、マグネット式コネクタ20から商用電源30が供給されていることをマイクロコンピュータ18が認識している状態で、出湯ロック解除スイッチをオンすると、マイクロコンピュータ18は、第2駆動手段である抵抗器17bを介してやはり第2駆動手段であるトランジスタ17aをオンする。前記の状態で出湯スイッチ8がオンされると、マイクロコンピュータ18内であらかじめ設定された所定時間T1(ここでは0.3秒とする)後に、マイクロコンピュータ18内の中央制御装置は、第1駆動手段である抵抗器16bを介してやはり第1駆動手段であるトランジスタ16aをオンする。トランジスタ17aがオン時はVu電源が直接モーター6に印可され、トランジスタ16aがオン時は第1駆動手段である抵抗器16cを介してVu電源がモーター6に印可されるため、図11−(a)に示すように出湯起動時のT1間の電動ポンプ駆動電圧はT1以降の駆動電圧より大きくなる。ここで、Vu電源はダイオード51の出力から供給されており、Vu=8Vとしている。また、抵抗器16cによる電圧降下は2Vとしている。
【0040】
この動作が、本発明の最大の特長であり、出湯起動時の電動ポンプ駆動を定常時より大きくすることで、容器内の液体の沸騰直後や容器内の液体の長期保温時などの電動ポンプに泡かみしている状態においても、起動時の駆動トルクで泡をとばすことで所望の吐出量、電動ポンプ効率を確保することができる。また、起動時の大駆動電圧印可時間を以降の定常動作時の吐出量に影響を及ぼさない程度の時間(本実施例では0.3秒として説明した)とすることで、泡かみの有無に関わらず同一の電動ポンプ駆動制御とでき、駆動制御を簡素化できる。
【0041】
また、起動時の駆動電圧と定常時の駆動電圧を切り分けることで、電動ポンプ起動電流を安定した一定値とでき、定常時の電動ポンプ駆動電圧を自在に設定することができる。
【0042】
また更に、商用電源の供給がなくバックアップ電源により電源供給されている時の電動ポンプ駆動装置と、商用電源供給時で電動ポンプ起動の電動ポンプ駆動装置を共用しているため安価な構成となる。
【0043】
なお、実施例3では出湯スイッチオン後の所定時間、連続的に駆動電圧を大とするとして説明したが、図11−(b)(c)にあるように出湯スイッチオン後の所定時間、断続的に駆動電圧を大とするとしても同等の効果が得られる。
【0044】
また更に、実施例3では、起動時の駆動電圧と定常時の駆動電圧を切り分ける動作や、起動時の所定時間の設定は、機器の動作モードや容器内の水の状態に関わらず一定としたが、例えば沸騰検知後の所定時間の間の出湯のみ駆動電圧を切り分けたり、起動時の所定時間の設定を長くしたり、出湯がなされない長期保温後の間や容器内の水温が所定温度以上の時の出湯時にのみ駆動電圧を切り分けたり、起動時の所定時間の設定を長くしたりなどして、機器の動作状態、容器内の水の状態や水量に応じて駆動動作を切り分けるとしても、駆動制御を簡素化を除けば同等の効果が得られる。
【0045】
(参考例1)
図7は参考例1における構成図である。
【0046】
図7において、本体1側方に商用電源が供給されないとき機器に電源供給するバックアップ電源19と、商用電源供給手段であるマグネット式コネクタ20が配置されている。また、21はバックアップ電源19を入力とした電動ポンプ駆動電源であり、22は電動ポンプ駆動電源21の出力を切り換える切換手段であり、23は出湯スイッチ8と出湯ロック解除スイッチ9からの信号を入力とし、切換手段22へ信号を出力する制御手段である。その他の構成は、実施例1と同一であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0047】
図8は、図7の構成を有する参考例1の制御回路図である。
【0048】
図8において、実施例1と同一構成部分は同一の符号を付しており、以下、実施例1とその動作の相違する箇所に着目し説明する。
【0049】
図8において、商用電源30は、商用電源供給手段であるマグネット式コネクタ20を介して制御回路に電源を供給しており、整流回路33、変圧回路34、逆流阻止用のダイオード51、レギュレータ36を通して制御手段であるマイクロコンピュータ23に入力されており、またダイオード51の出力(以降Vu電源とする)は、出湯スイッチ8とトランジスタ46を介して電動ポンプの1構成部品であるモーター6にも入力されている。また、バックアップ電源19は電動ポンプ駆動電源であるDC−DCコンバータ50、逆流防止用ダーオート52を介してVu電源に電源供給している。また、抵抗器21b、抵抗器21cは電動ポンプ駆動電源の1構成部品であり、抵抗器21bと抵抗器21cの分圧電圧がフィードバックされVu電源を安定化させている。ここで、抵抗器21bは10kΩで抵抗器21cは2kΩであり、DC−DCコンバータ50内のコンパレータ基準電圧(Vr2)は1Vとしているため、Vu電源は
Vu=1×(10/2)+1
で約6Vで安定化される。
【0050】
商用電源30が供給されずバックアップ電源19で電源供給していることを、電流制限抵抗器53を介してマイクロコンピュータ23内の電源認識装置で検知している状態で、出湯ロック解除スイッチをオンするとマイクロコンピュータ23は抵抗器45を介してトランジスタ46をオンする(出湯スタンバイ状態)。
【0051】
出湯スタンバイ状態で出湯スイッチがオンすると、マイクロコンピュータ23内であらかじめ設定された所定時間T1(ここでは3秒とする)後に、マイクロコンピュータ23内の中央制御装置は、切換手段である抵抗器22c(ここでは100kΩ)を介してやはり切換手段であるトランジスタ22aをオンする。トランジスタ22aがオンすると、Vu電源の抵抗分割比が10kΩ対2kΩから、100kΩと10kΩの並列合成抵抗対2kΩに変動することよりVu電源は
Vu=1×((10×100)/(10+100)/2)+1
で約5.5Vで安定化され、図12−(a)に示すように出湯起動時のT1間の電動ポンプ駆動電圧はT1以降の駆動電圧より大きくなる。
【0052】
この動作が、本発明の最大の特長であり、バックアップ電源からの電源供給状態においても出湯起動時の電動ポンプ駆動を定常時より大きくし、容器内の液体の沸騰直後や容器内の液体の長期保温後などの電動ポンプに泡かみしている状態においても、起動時の駆動トルクで泡をとばすことで所望の吐出量、電動ポンプ効率を確保することができる。また、起動時の大駆動電圧印可時間を以降の定常動作時の吐出量に影響を及ぼさない程度の時間(本実施例では3秒として説明した)とすることで、泡かみの有無に関わらず同一の電動ポンプ駆動制御とでき、駆動制御を簡素化できる。
【0053】
また更に、電動ポンプ駆動電圧を電源自体の可変により行っているため、電源と電動ポンプ間に抵抗を介在させて駆動電圧を可変させる手段より起動電流を安定供給でき、これにより定常時のポンプ駆動電圧を自在に設定することができる。
【0054】
なお、参考例1では出湯スイッチオン後の所定時間、連続的に駆動電圧を大とするとして説明したが、図12−(b)、(c)にあるように出湯スイッチオン後の所定時間、断続的に駆動電圧を大とするとしても同等の効果が得られる。
【0055】
また更に、参考例1では切換手段はトランジスタ22aと抵抗器22cの1系統のみで構成し、出湯スイッチ8をオンすると、所定時間T1後に、切換手段22を構成するトランジスタ22aをオンすることより、電動ポンプの出湯起動時のT1間の駆動電圧がT1以降の駆動電圧より大となるようにしたが、切換手段の系統を複数個有し、出湯スイッチをオンした時のポンプ駆動は複数の切換手段の系統の動作の組み合わせにより、電動ポンプの出湯起動時駆動電圧が定常時駆動電圧より大となるようにしても同等の効果が得られる。
【0056】
また更に、参考例1では、起動時の駆動電圧と定常時の駆動電圧を切り分ける動作や、起動時の所定時間の設定は、機器の動作モードや容器内の水の状態に関わらず一定としたが、例えば沸騰検知後の所定時間の間の出湯のみ駆動電圧を切り分けたり、起動時の所定時間の設定を長くしたり、出湯がなされない長期保温後の間や容器内の水温が所定温度以上の時の出湯時にのみ駆動電圧を切り分けたり、起動時の所定時間の設定を長くしたりなどして、機器の動作状態、容器内の水の状態や水量に応じて駆動動作を切り分けるとしても、駆動制御を簡素化を除けば同等の効果が得られる。
【0057】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、電動ポンプ起動時に定常動作時より大きい電圧をポンプに印可することで、電動ポンプに泡かみしている状態においても所望の吐出量やポンプ効率が得られ、且つ起動電流を安定供給できるため定常時のポンプ駆動電圧を自在に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す構成図
【図2】本発明の第1の実施例の制御回路図
【図3】本発明の第2の実施例を示す構成図
【図4】本発明の第2の実施例の制御回路図
【図5】本発明の第3の実施例を示す構成図
【図6】本発明の第3の実施例の制御回路図
【図7】本発明の第1の参考例を示す構成図
【図8】本発明の第1の参考例の制御回路図
【図9】本発明の第1の実施例の電動ポンプ駆動タイミング図
【図10】本発明の第2の実施例の電動ポンプ駆動タイミング図
【図11】本発明の第3の実施例の電動ポンプ駆動タイミング図
【図12】本発明の第1の参考例の電動ポンプ駆動タイミング図
【符号の説明】
2 容器
7 電動ポンプ
10 第1駆動手段
11 第2駆動手段
12、15、18、23 マイクロコンピュータ(制御手段)
Claims (2)
- 液体を収容する容器と、前記容器内の液体を前記容器外へ吐出させる電動ポンプと、前記電動ポンプを駆動させる第1駆動手段と、前記第1駆動手段で駆動したときの電動ポンプ駆動電圧より小さくなるよう前記電動ポンプを駆動させる第2駆動手段と、前記電動ポンプに泡かみされている泡をとばし前記電動ポンプの効率を確保すべく、前記電動ポンプの前記吐出動作起動時は吐出量に影響を及ぼさない程度の所定時間、連続的もしくは断続的に前記第1駆動手段で前記電動ポンプを駆動させ、前記所定時間経過後は前記第2駆動手段で前記電動ポンプを駆動させる制御手段を有した電気湯沸かし器。
- 液体を収容する容器と、前記容器内の液体を前記容器外へ吐出させる電動ポンプと、電動ポンプ駆動電源と、前記電動ポンプ駆動電源の出力電圧を切り替える切替手段と、前記電動ポンプ動作起動時の所定時間と、前記所定時間経過後で前記切替手段によって前記出力電圧を切り替え、前記電動ポンプに泡かみされている泡をとばし前記電動ポンプの効率を確保すべく、前記電動ポンプの前記吐出動作起動時は吐出量に影響を及ぼさない程度の前記所定時間、連続的もしくは断続的に前記電動ポンプ駆動電圧を大にし、前記所定時間経過後は前記電動ポンプ駆動電圧を小とする制御手段を有した電気湯沸かし器。
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