JP3632403B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は芳香族ジカルボン酸とジオールとを反応させてポリエステルを製造する方法、特に未反応のジオールのリサイクル液を分析して反応条件を制御しポリエステルを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルはテレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコール等のジオールと、触媒とを反応器に供給し、エステル化反応および重縮合反応を経て製造される。この製造方法では反応条件を一定に保って均一な品質のポリエステルを製造することが重要であるが、ジオールおよび触媒の分析は分析に長時間を要したため反応条件および品質を精度よく一定に保つことが困難である。
【0003】
従来ポリエステルの製造における反応条件の制御のために、原料であるジカルボン酸の酸価、ジオールの水酸基価、生成物であるポリエステルのエステル価および水分を近赤外分光分析装置により分析し、その分析値により温度、圧力、時間等の反応条件を制御する方法が提案されている(特開平2−306937号)。
しかしこのような方法を適用するだけでは、ジオールの濃度を定量することは困難であった。ジオール化合物の濃度は、ポリエステルボトル等の成形品の耐熱性に強い影響を与える。そのためガスクロマトグラフィー分析並みの繰り返し誤差が3%以下の定量精度が必要であり、所定の波長精度およびノイズレベルでなければ実用に適さないことが分かった。また温度、圧力、時間等の反応条件の変更は困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、サンプルの処理を行うことなく、少量・短時間で精度よく連続的に分析して、安定した原料の供給制御を行い、これにより反応条件を一定にして、品質の安定したポリエステルの製造方法を提案することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、芳香族ジカルボン酸粉末を液状ジオール中に分散させてスラリーを形成し、触媒の存在下エステル化工程および重縮合工程を経てポリエステルを製造する方法において、
重縮合工程における未反応のジオールおよび触媒を含む液をリサイクル液としてエステル化工程に循環する際、
リサイクル液中のジオール濃度、ジオール縮合物濃度、水分濃度および触媒濃度を、ノイズレベルが50×10−6Abs以下、波長の再現性が0.01nm以下の近赤外分光分析装置および蛍光X線分析装置で分析し、
その分析値に基づいて、反応系に供給する原料およびリサイクル液の合計した組成が所定の範囲内となるように制御することを特徴とするポリエステルの製造方法である。
【0006】
本発明で原料となる芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などがあげられる。ジオールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどがあげられる。これらはそれぞれ1種単独または2種以上の組合せで原料とされる。
【0007】
本発明のポリエステルの製造方法は、上記のような芳香族ジカルボン酸の粉末をジオール中に分散させてスラリーを形成し、エステル化工程、重縮合工程を経てポリエステルを生成させる。スラリーの形成は上記の芳香族ジカルボン酸粉末および必要により添加される他のカルボン酸粉末を、エチレングリコールその他の液状ジオールおよび必要により添加される他のアルコール中に常温、常圧下に撹拌して懸濁分散させてスラリーを形成する。ジオールの使用量は芳香族ジカルボン酸粉末1モルに対して1〜2モル、好ましくは1.1〜1.2モルとするのが好適である。
【0008】
エステル化工程では、スラリー化工程で得られたスラリーを220〜300℃、好ましくは240〜270℃の温度、常圧ないし加圧下、好ましくは常圧ないし300,000Paの圧力下に反応させ、生成する水を除去しながら芳香族ジカルボン酸をジオールと反応させてエステル化する。エステル化反応により芳香族ジカルボン酸およびジオールのエステルおよびその多量体(オリゴマー)が生成する。エステル化反応には触媒を用いなくてもよいが、後の重縮合工程に用いられる重縮合触媒をこの段階で添加することもできる。
【0009】
エステル化工程は複数段に分けて行うのが好ましい。エステル化工程で得られる反応混合物から大部分のジオールを分離してエステル化工程に循環する。生成物であるエステルおよびその多量体は重縮合触媒とともに小部分のジオールに分散した状態で重縮合工程に送られる。
【0010】
重縮合工程ではエステル化工程で生成したエステルおよび多量体を240〜300℃、好ましくは275〜290℃の温度、および常圧ないし減圧下、好ましくは14,000〜60Paの圧力下で重縮合させて、生成する水を除去しながらポリエステルを製造する。重縮合工程は1段で行うこともできるが、複数段に分けて行うのが好ましい。
【0011】
上記の液相重縮合工程における重縮合反応は、液相で重縮合触媒の存在下に行われる。重縮合触媒としては、二酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラn一ブトキシドなどのゲルマニウム化合物、三酸化アンチモンなどのアンチモン触媒およびチタニウムテトラブトキサイドなどのチタン触媒などを用いることができる。これらの重縮合触媒は、その品質目標においてその特徴を活かし、使いわけることが好ましい。
【0012】
上記液相中には重縮合触媒とともに安定剤を用いることができる。安定剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリn−ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェートなどの燐酸エステル類、トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類、メチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジオクチルホスフェートなどの酸性リン酸エステルおよびリン酸、ポリリン酸などのリン化合物が用いられる。
【0013】
これらの触媒あるいは安定剤の使用割合は、ジカルボン酸とグリコールとの混合物の重量に対して、触媒の場合には触媒中の金属の重量として、通常、0.0005〜0.2重量%、好ましくは0.001〜0.05重量%の範囲であり、また安定剤の場合には、安定剤中のリン原子の重量として通常、0.0001〜0.1重量%、好ましくは0.0002〜0.02重量%の範囲である。なお、例えば、2種以上のゲルマニウム系触媒を併用し、あるいはゲルマニウム系触媒とアンチモン触媒とを併用する場合には、これらの触媒総量中の金属総重量として計算する。
【0014】
上記重縮合触媒および安定剤の供給方法は、エステル化工程の段階において供給することもできるし、重縮合工程の各反応器に供給することもできる。液相重縮合工程では、重縮合触媒および安定剤は反応液相中に溶解または分散した状態で用いられる。
【0015】
液相における重縮合工程の最終段階で反応母液から生成したポリエステルを分離し、その後必要により造粒工程、結晶化工程、固相重縮合工程等の処理を行い、ポリエステルの最終製品を得る。反応母液からジオール回収工程により触媒および安定剤を含むジオールを回収し、所望により例えば特開平7−228677号に記載の精製工程を経てリサイクル液としてエステル化工程に循環する。
【0016】
本発明ではこのリサイクル液中のジオール濃度、ジオール縮合物濃度、水分濃度、および触媒濃度を近赤外分光分析装置および蛍光X線分析装置で分析し、その分析値に基づいて反応系に供給する原料(芳香族カルボン酸、ジオール、触媒を含む)とリサイクル液の合計した組成、例えば芳香族カルボン酸、ジオール、ジオール縮合物、水分、および触媒等の組成が所定値になるように原料の供給量および/またはリサイクル液のリサイクル量を制御する。
【0017】
高品質のポリエステル製品を得るためにエステル化および重縮合工程における反応を安定して行うには、反応系に導入する原料の組成を所定値に保つことが重要であり、このためには反応系に新しく供給する原料およびリサイクル液の合計した組成を所定値に保つ必要がある。例えばリサイクル液中のジオール濃度が高くなったときは原料供給量を少なくするか、あるいはリサイクル量を少なくすることにより、新しく供給する原料とリサイクル液の合計した導入量を所定値に制御する。この場合、さらに反応条件等を調整してもよい。またリサイクル液中の安定剤および金属の濃度についても同様に分析と制御を行うのが好ましい。
【0018】
近赤外分光分析装置は一般に波長500〜3000nm、好ましくは800〜2500nm、さらに好ましくは1000〜2000nmの近赤外線を試料に照射して透過光または反射光を検出し、その吸収スペクトルにより、試料の物性、成分等の分析を行う装置である。本発明ではリサイクル液を前処理することなく、リサイクルの過程でそのまま試料として分析を行い、その結果に基づいて制御を行う。制御はコンピュータ等の制御装置を用い、反応系に供給する原料およびリサイクル液を合計した組成が所定の範囲内となるように制御する。
【0019】
近赤外分光分析装置は、ノイズレベルが50×10−6Abs以下、好ましくは20×10−6Abs以下、波長の再現性が0.01nm以下の高精度のものが必要である。ノイズレベルおよび波長現性の測定方法は次の通りである。
【0020】
ノイズレベルの測定方法
測定方法が反射式であればセラミック板を、透過式であれば空気中で2回測定し、前後の吸光度を2nm毎に20組測定する。1回目の測定値と2回目の測定値の差(実効値)の標準偏差をノイズレベルとしている。
【0021】
波長再現性の測定方法
JIS K0117−1979赤外分光分析通則を用い、標準ポリスチレンフィルムを光路に入れ測定する。この時、基準の近赤外吸収波長は1143.6330nm、1684.2700nm、2166.4000nm及び2305.9300nmの各4つである。10回の標準偏差が波長再現性の値である。
【0022】
近赤外分光分析の測定対象となるのはリサイクル液中のジオール濃度、ジオール縮合物濃度、水分濃度などである。近赤外線は紫外線に比べるとエネルギーが小さいので試料成分を変化させることがない。また可視光の場合とは異なり吸収スペクトルによる分析であるため、試料の透明性その他の形態による影響を受けないので、膜厚等の調整が不要となる。
【0023】
従ってリサイクル液は前処理を行うことなくそのままの状態で試料とすることができる。また分析によってリサイクル液は何ら化学的変化を受けることがないので、分析装置も汚染されることがなく、長期にわたって分析を継続することができる。
【0024】
蛍光X線分析装置は一般に試料に一定強度の1次X線を照射したときに発生する2次X線中の蛍光X線を検出することにより分析を行う装置である。この蛍光X線分析装置では元素の分析、特に無機元素の分析が可能であり、本発明では触媒中のゲルマニウム等の元素、安定剤中のリン等の元素、ならびにリサイクル液に含まれる鉄等の金属元素を分析する。蛍光X線分析装置でも試料の前処理を行うことなく分析を行うことができる。
【0025】
制御装置としてはコンピュータ等が使用でき、近赤外分析装置では、波長校正、スペクトル波形処理、数値演算処理、供給量制御、また蛍光X線分析装置では、校正、二次X線検出、信号の形成・増幅、スペクトルの形成、数値演算処理、供給量制御等を行うように構成する。
【0026】
【発明の効果】
本発明のポリエステルの製造方法では、リサイクル液中の変化する前記各成分を分析し分析結果に基づいて反応系に供給する原料およびリサイクル液を合計した組成が所定の範囲内となるように制御することにより、エステル化工程および重縮合工程の反応を安定した状態で行い、均一な品質のポリエステルを製造することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸(以下TAという)を用い、ジオールとしてエチレングリコール(以下EGという)を用い、ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)を製造する場合を図面を基づいて説明する。図1は実施形態の系統図である。
【0028】
PETの製造方法は、まず原料のTAおよびEGをエステル化工程1に導入する。原料の芳香族ジカルボン酸としてはTAを主成分として含むものであればよく、TA以外にフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の他のジカルボン酸を20モル%以下含んでいてもよい。
【0029】
エステル化工程1にはEGをTA1モルに対して1〜2モル、好ましくは1.1〜1.2モル添加し、攪拌してEG中にTAを懸濁分散させスラリーを生成する。原料兼分散媒としてのジオールはEGを主成分とするものであればよく、トリメチレングリコール、プロピレングリコール等の他のジオールを20モル%以下含んでいてもよい。
【0030】
さらにスラリー中には酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、および/または酢酸アンチモン等のアンチモン化合物などの触媒を、スラリーに対する金属濃度として5〜1000wtppm、好ましくは100〜300wtppm添加する。
【0031】
生成したスラリーはエステル化工程1において220〜300℃、好ましくは240〜260℃の温度、常圧ないし加圧下、好ましくは常圧ないし300,000Paの圧力下で反応させ、TAとEGをエステル化して生成する水を除去しながらエステルを形成する。
エステル化工程1では、TAとEGのエステル化反応(酸とアルコールが反応して水を生成する反応)により、BHT(ビス−β−ヒドロキシエチルテレフタレート)を製造する工程であり、このエステル化反応は次の式〔1〕〜〔4〕で示される。なお、MHTはモノ−β−ヒドロキシエチルテレフタレートである。
【0032】
【化1】
【0033】
エステル化工程1では上記の式〔1〕〜〔4〕の反応が起こっており、BHTが数個結合した物の混合物(総称してBHTという)となっている。EG/TA=2(モル比)の場合は、式〔2〕の反応が主となるが、実際の反応ではEG/TAモル比が低い条件で反応するため、式〔3〕および〔4〕の反応も進行する。通常は1〜4量体になると言われているが、実際には10量体位まで多量体が存在している。エステル化反応は反応熱は、ほぼ“ゼロ”である。
【0034】
エステル化工程で生成したエステル(BHT)および分散媒としてのEGを含む反応液は、大部分のEGを除去したのち重縮合工程2において240〜300℃、好ましくは260〜290℃の温度、常圧ないし減圧下、好ましくは14,000〜60Pa圧力で反応させ重縮合を行い、PETを製造する。
重縮合工程2は、高温、高真空下でBHTからEGを引抜いて重縮合させる重縮合反応により、PET樹脂を製造する工程であり、重縮合反応を効率的に行うために複数段の反応器を使用して反応を行う。
【0035】
重縮合工程2では、主反応である重縮合反応およびエステル化反応の他に副反応として熱分解反応、加水分解反応、DEG(ジエチレングリコール)生成反応およびオリゴマーの生成反応等が起こる。重縮合反応は次の式〔5〕に示すように、BHTからEGが引抜かれ、BHTが次々と結合して行く反応であり、EGを除去することにより反応が進行する。エステル化反応は式〔6〕に示すように、エステル化工程で未反応であったカルボン酸および熱分解反応で生成したカルボン酸と、エチレングリコールとのエステル化反応であり、水を生成する。
【0036】
【化2】
【0037】
上記の反応では次の式〔7〕により、エチレングリコールが縮合してジエチレングリコール(DEG)が生成する。このDEGが生成すると式〔8〕によりMHTと反応してDEGエステルが生成する。
【0038】
【化3】
【0039】
上記の重縮合工程2における重縮合反応により生成したPETは製品化工程において、造粒処理、結晶化等を行って製品を得る。
【0040】
重縮合工程2から分離した反応母液およびエステル化工程から分離したEGは、EG精製工程3で不用物を除き、その後リサイクル液としてエステル化工程1に循環する。このときリサイクル液の一部を試料としてバイパスし、近赤外分光分析装置4および蛍光X線分析装置5でEG濃度、DEG濃度、水分濃度、触媒濃度などの分析を行う。
【0041】
近赤外分光分析装置4ではリサイクル液をサンプルとして前処理を行うことなく、オンストリームでEG、DEGおよび水分濃度を測定する。例えばEGは1710nm、DEGは1728nmおよび1914nm、水分は1922nmで測定することができる。測定結果は制御装置6に入力し、ここでそれぞれの濃度の演算を行う。それぞれの濃度の演算式は下記式またはその近似式で与えられる。
【0042】
【数1】
EG濃度=14.8380+70.7468×吸光度(1710nm) ・・・・〔I〕
DEG濃度=7.1835−379.4968×吸光度(1728nm)−16.3079×吸光度(1914nm) ・・・・〔II〕
水分濃度=0.1351−14.9260×吸光度(1922nm) ・・・・〔III〕
【0043】
蛍光X線分析装置5ではリサイクル液をサンプルとして前処理を行うことなく、近赤外分光分析装置4とシリーズまたはパラレルに液を流してオンストリームでGe、Fe、Pなどの元素の分析を行う。例えばGeは9.876KeV、Feは6.400KeV、Pは2.013KeVのエネルギーで分析を行う。分析結果はそのまま制御装置6に入力する。
【0044】
制御装置6では上記の測定および演算値を設定値と比較し、原料とリサイクル液の合計の組成が所定の範囲内を維持するように制御信号を出力し、原料供給量、リサイクル量、反応条件等を制御する。
【0045】
このように新しく供給する原料およびリサイクル液の合計の組成を上記範囲内に維持するように原料供給量および/またはリサイクル量を制御することにより、前記エステル化工程および重縮合工程は常にほぼ同一の条件で反応を行うことになり、安定してエステル化および重縮合反応を行うことができ、均一な品質のポリエステルを得ることができる。
【0046】
【実施例】
以下、本発明の実施例および比較例について説明する。各例中、%およびppmは重量基準である。
【0047】
実施例1
EG 98%、DEG 1.5%、水分 0.3%、Ge 2000ppm、Fe 0.5ppm、P 70ppmのリサイクル液を500ml/minで表1に示す近赤外分光分析装置(NIRSシステムズ社製OL−6500、ノイズレベル20×10−6Abs)に流して、波長1710nm、1728nm、1914nm、1922nmで吸光度を測定したのち、蛍光X線分析装置(Mitsuisekka & Technos社製オンストリーム600型)に流してエネルギー9.876KeV、6.400KeV、2.013KeVで測定した。
【0048】
上記測定は2分間以内に終了した。結果を制御装置で前記式〔I〕〜〔III〕により演算し、これを30回繰返して再現性を確認したところ表2に示す結果が得られた。実施例1の装置は水分濃度とDEG濃度のいずれも相関係数および標準誤差が良好であった。また長期間補正、洗浄等をすることなく、安定して6カ月以上運転できた。
【0049】
比較例1
リサイクル液中のEGおよびDEGをガスクロマトグラフィ(DB−WAX、温度150℃、キャリヤーガスHe 5ml/min)で測定したところ、測定に20分間を要し、試料10本程度でカラムの劣化が認められ、8時間に1回強でカラム交換等のメンテナンスが必要となる。また延命するためには前処理が必要である。水分をカールフィッシャ定量滴定法により分析したところ、滴定に5分間を要した。またGe、Fe、Pを原子吸光法(ICPプラズマガス:1.2 liter、高周波1.2KW)で分析したところ、測定に30分間を要し、変化する濃度に対して対応がおくれ、品質のバラツキを生み、また経済性も損なわれる。
【0050】
比較例2
実施例1のNIR装置を表1に示す装置に変更し、再現性を確認した。その結果表2に示すように、ノイズレベルおよび波長の再現性が悪い比較例2の装置は、水分濃度とDEG濃度のいずれも相関係数および標準誤差が実施例1の装置よりも劣っている。水分の分析には装置の性能の差に影響は認められなかったが、DEGの分析では相関係数が低く、使用に適さなかった。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の製造方法を示す系統図である。
【符号の説明】
1 エステル化工程
2 重縮合工程
3 EG精製工程
4 近赤外分光分析装置
5 蛍光X線分析装置
6 制御装置
Claims (1)
- 芳香族ジカルボン酸粉末を液状ジオール中に分散させてスラリーを形成し、触媒の存在下エステル化工程および重縮合工程を経てポリエステルを製造する方法において、
重縮合工程における未反応のジオールおよび触媒を含む液をリサイクル液としてエステル化工程に循環する際、
リサイクル液中のジオール濃度、ジオール縮合物濃度、水分濃度および触媒濃度を、ノイズレベルが50×10−6Abs以下、波長の再現性が0.01nm以下の近赤外分光分析装置および蛍光X線分析装置で分析し、
その分析値に基づいて、反応系に供給する原料およびリサイクル液の合計した組成が所定の範囲内となるように制御することを特徴とするポリエステルの製造方法。
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