JP3631945B2 - 小型動物飼育容器、小型動物飼育装置及び飼育方法 - Google Patents

小型動物飼育容器、小型動物飼育装置及び飼育方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マウス,ラット,犬,猫等の小型哺乳動物を清潔に且つ効率よく飼育する小型動物飼育容器、小型動物飼育装置及び飼育方法に関する。
【0002】
【背景技術】
従来においては、、マウスの居住空間を限定し、飼育に必要な全機能を一部屋に集約させている。その一例を図13に示す。
図13に示すように、従来の飼育容器01は透明な天井のない箱の底面におが屑等の敷料02を設けると共に敷料02の上に網03を設けておが屑等が飛び散らないようにして、マウス04を飼育している。なお、天井には金網05が設けられており、必要に応じて食餌用の餌06や給水用の水供給手段07が設けられている。
【0003】
このような、飼育容器では、この部屋内で居住,食餌及び交配とが行われているので、機能を確実に行うことが困難である。
また、マウスの排泄物の処理には、マウス04を人間によりその都度飼育容器から取り出し、洗浄している。
【0004】
このため、図14に示すように、マウス04を飼育する容器01の底を網状とした容器010を多数配置させ、その底側にベルトコンベア011を設けて排泄物012を落下させて、自動的に回収するような装置が提案されているが、飼育容器を洗浄する場合には、結局マウスを取り出すことになり、完全な自動化ではない。
【0005】
また、マウスを用いた医学実験には毒性の高いものがあり、人間が直接接触すると感染するおそれがある場合もあり、このようなマウス実験では、自動化が必須であるが、マウスを捕するために、ロボットを使用することも提案されているが、ロボットの制御機構は複雑であり、膨大な費用を装置が必要となるという問題があり、多種多な医学実験に適用することは困難である。
【0006】
また、ロボットで捕するには複雑な制御機構を必要とし、仮にマウスを捕できた場合にも、マウスが逃げた場合には、最初から捕制御をやり直すことになりので、適用が困難であった。
【0007】
また、近年、宇宙空間において、宇宙放射線や微少重力の人体に与える影響を究明するために、マウス,ラット等の小型哺乳動物の実験が不可欠となっているが、宇宙船や宇宙ステーション内では、一人の作業員が多種多様な作業を同時に行うために、小型哺乳動物の飼育の自動化が望まれている。
【0008】
特に長期間の継続実験が可能となる宇宙ステーション内の実験施設では、マウスの生殖,発生,継代に関する実験には全自動化を図った飼育装置の出現が望まれている。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑み、マウス,ラット,犬,猫等の小型哺乳動物を清潔に且つ効率よく飼育する小型動物飼育容器、小型動物飼育装置及び飼育方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の[請求項1]の小型動物飼育容器の発明は、飼育部屋の天井又は床面のいずれか一方を昇降させる昇降手段と、天井又は床面のいずれか一方に設けられ、小型動物を所定箇所へ追い込む複数のピストン手段からなる誘導手段とを具備してなることを特徴とする。
【0011】
[請求項2]の発明は、請求項1において、上記昇降手段により部屋の高さを居住空間の1/3〜1/5程度に規制することを特徴とする。
【0012】
[請求項3]の発明は、請求項1において、上記昇降手段がリンク機構により作動するものであることを特徴とする。
【0013】
[請求項4]の発明は、請求項1において、上記昇降手段及びピストン手段が形状記憶合金により作動するものであることを特徴とする。
【0014】
[請求項5]の発明は、請求項1において、上記ピストン手段の押圧面にシートを介して小型動物を誘導することを特徴とする。
【0015】
[請求項6]の発明は、請求項1において、上記飼育部屋が内部屋と外部屋とからなることを特徴とする。
【0016】
[請求項7]の発明は、請求項1において、上記内部屋の床面が網状であることを特徴とする。
【0017】
[請求項8]の発明は、請求項1において、上記内部屋の側壁が透明又は格子状であることを特徴とする。
【0018】
[請求項9]の発明は、請求項1において、上記飼育部屋に飼育支援設備を設けたことを特徴とする。
【0019】
[請求項10]の発明は、請求項1において、上記外部屋の側壁及び床面が透明であることを特徴とする。
【0020】
[請求項11]の発明は、請求項10において、上記外部屋の床面から内部の小型動物を確認する画像処理手段を設けてなり、画像処理により、小型動物の位置を確認しつつ、複数のピストン手段からなる誘導手段で小型動物を誘導して所定の箇所へ小型動物を導くことを特徴とする。
【0021】
[請求項12]の発明は、請求項11において、上記画像認識処理から小型動物を誘導するまでを自動的に行い、特定の小型動物のみを誘導することを特徴とする。
【0022】
[請求項13]の発明の小型動物飼育装置は、請求項1乃至12のいずれか一項の小型動物飼育容器と、上記飼育容器を格納する少なくとも2以上の格納空間と、上記昇降手段により居住部屋の高さを規制した状態の小型動物飼育部屋を保持しつつ移動させ、一の格納空間から他の一の格納空間へ居住部屋を移動させる移動手段とを具備してなることを特徴とする。
【0023】
[請求項14]の発明は、請求項13において、上記複数の格納空間に外部屋を設置し、居住空間と、食餌空間と、交配空間とに区別することを特徴とする。
【0024】
[請求項15]の発明は、請求項13又は14の小型動物飼育装置を用い、居住空間と、食餌空間と、交配空間とに区別しつつ小型動物を飼育することを特徴とする。
【0025】
[請求項16]の発明は、請求項15において、宇宙空間で小型動物を飼育することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0027】
[第1の実施の形態]
本実施の形態にかかる小型動物飼育容器(以下「飼育容器」という。)11は、飼育部屋12の天井13又は床板14のいずれか一方を昇降させる昇降手段15と、上記天井13側又は床板14側のいずれか一方に設けられ、飼育する小型動物(以下、「飼育動物」という。)16を所定場所(例えば出口等)へ追い込む複数のピストン手段17からなる誘導手段とを具備してなるものであり、本実施の形態では、飼育外箱20に収納されている。
【0028】
以下、本実施の形態では、天井13側を固定し、床板14を昇降手段15により昇降自在とし、上記天井13側に、複数のピストン手段17からなる誘導手段を設けたものについて説明する。
【0029】
ここで、本発明で飼育する小型動物16とは、例えばマウス,ラット,犬,猫等の小型哺乳動物を挙げることができるが、例えば動物実験用に飼育する種々の小型動物であれば、特に限定されるものではない。
【0030】
本発明では、通常は飼育部屋12内の天井の位置は、飼育動物16にストレスがかからない状態で飼育できる所定の高さを有するものであり、図2(A)に示すように、必要に応じて天井13又は床板14を昇降させることで、その飼育部屋12の高さを所定高さに規制できるものである。
【0031】
ここで、飼育部屋12の規制する高さは特に限定されるものではないが、飼育動物16に圧迫感等の負荷がかからない程度の高さとすればよく、例えば規制する部屋の高さを、図1に示す居住空間の高さ(H)の1/3〜1/5程度に規制するればよい。
なお、この高さの規制は、飼育する動物16の種類,固体差等により適宜設定するようにすればよいが、小さい程コンパクト化を図るので好ましい。
【0032】
本発明で上記昇降手段15は特に限定されるものではないが、飼育動物に振動や音等でストレスを与えない手段とするのが好ましい。
本実施の形態では、図3及び図4に示すように、昇降手段としてはX状のリンク機構を採用しており、このリンク機構を駆動する手段として、電流を流すことによりその抵抗熱により収縮する形状記憶合金(SMA:Shape−Memory Alloy) 線21を用いており、通常は電流を付与しない状態のとき(形状記憶合金線が伸びた状態)に、床板14を下方位置に位置する状態としている。
なお、圧縮バネ等の規制手段や別の形状記憶合金線を用いて規制することにより、床板14が下方位置の状態を強制的に保つようにしている。
【0033】
このリンク機構の詳細を以下に図4を参照しつつ説明する。
図4に示すように、第1及び第2の2本のリンク23,24の一端は天井13の側壁13aに各々回動自在に枢支されている。また、第1及び第2のリンク23,24の中央は互いに回動自在に連結されている。そして、第2リンク24の一端はスライダ25に回動自在に支持されており、該スライダ25は天井13の側壁13aに設けた長孔13bに水平方向に往復自在に支持されている。
【0034】
一方、第1及び第2リンク23,24の他端には、第3及び第4のリンク26,27の一端が回動自在に支持されており、第3及び第4リンク26,27の他端はは底板14のフレーム14aに各々回動自在に枢支されている。また、第3及び第4のリンク26,27の中央は互いに回動自在に連結されている。そして、第4リンク24の他端はスライダ(図示せず)に回動自在に支持されており、該スライダ25は側壁14aに設けた長孔14bに水平方向に往復自在に支持されている。
【0035】
第1及び第2リンク23,24が回動して開くと、第2リンク24の一端は図中左方向へスライダ25と共に移動し、第1及び第2リンク23,24の他端が開くことになり、これに連結されている第3及び第4リンクも同様に回動するので、第4リンク27のが天井側のスライダ25と共に動くので、底板14がスライダ25の移動方向と直交する方向に移動することになり、この結果、底板14が天井側へ上昇することになる。
【0036】
上記第1及び第2リンク23,24を回動させるには、1本の形状記憶合金線21を用いて駆動させている。すなわち、1本の形状記憶合金線21は、第2リンク24の一端側で固定プーリー27に固定されており、第1及び第2リンクの中央部分と第1リンクの一端側と天井の奥側と天井の手前側に各々設けた回転プーリ28a,28b,28c,28dと天井手前側に設けた固定プーリ27bに巻きわたされている。
図4においては、形状記憶合金線21が伸びている状態であり、電流をかけると床板1を上方位置に移動するものである。
なお、無重力状態の場合には、床板14の下降を支援する支援手段(例えば圧縮バネや別の形状記憶合金線等)を設けるとよい。
なお、本実施の形態では上記形状記憶合金線21は1本であるが、必要に応じてその本数を多くしたり、それらをよじり一纏めにして出力の向上を図るようにしてもよい。
【0037】
また、移動高さを高くしたい場合等にはX状リンク機構を本実施の形態のように2段とせずに、3段又はそれ以上とするようにしてもよい。また、本実施の形態では、図4中手前側と奥側とで同様なリンク機構を設けているが、手前側のリンク機構のみとしてもよい。
【0038】
本実施の形態では、X状のリンクを2段として手前側と奥側とに設けているが、本発明では昇降手段は何等限定されるものではなく、例えばモータ等のアクチュエータにより、昇降させるようにしてもよい。
【0039】
次に、図5を参照してピストン手段17について説明する。
本発明のピストン手段17は天井13側から鉛直方向に垂下する軸部17aと、該軸部17aに対して鉛直軸方向に移動自在なシリンダ部17bと、該シリンダ部17bの他端側に設けたピストン部17cと、上記軸部17aの周囲に設けられた圧縮バネ17dと、上記天井13側のフランジ(磁石)とシリンダ部17b側のフランジ(軟鉄板)との間に設けられた形状記憶合金線21とから構成されている。
【0040】
そして、通常は電流を付与して形状記憶合金線21を収縮させておき、圧縮バネ17dの付勢力に抗して、シリンダ17bを天井13側へ規制している。これにより、ピストン17cを天井側13に位置する状態としている。
なお、本実施の形態では、形状記憶合金線21でフランジ同志を接続しているが、天井13側のフランジとピストン部17c、天井13側のフランジとシート22を個々に設けるようにしてもよい。
また、上記天井13側のフランジ部分を磁石とすることにより、上昇させた状態で磁石により軟鉄製のフランジを吸着させることでその状態を保持することができ、消費電力を節約するようにすることもできる。
ここで、上記シート22の材質は特に限定されるものではないが、ゴム製や可撓性を有する合成樹脂等のシートを用いることができる。また、シート材料に抗菌剤を混入した抗菌シートとすることもできる。
【0041】
また、本実施の形態では、ピストン手段17のピストン部17cの押圧面にはシート22が設けられており、該シート22を介して小型動物16を誘導するようにして、直接押圧面が飼育動物16に接触するのを防止し、過度のストレスを与えないようにしている。
なお、ピストン部17cを柔らかい部材とすることにより、誘導時における刺激が少なくなり、シート22は必ずしも設ける必要はない。
【0042】
なお、本実施の形態では、飼育動物は飼育部屋12内で飼育されており、その排泄物等を処理するために、床板14は網状としている。
【0043】
また、網状の床とした場合には、飼育外箱20の床板におが屑等の敷料を設けるようにして、排泄物を吸収させるようにしている。
なお、飼育部屋12の床板を網状としない場合には、当該床板に敷料を設けるようにすればよい。
【0044】
また、飼育部屋は特に囲い等を必要とするものではないが、図1に示すように、必要に応じて例えば側壁12aを設けるようにしてもよい。
また、上記側壁12aは板状のものでもよいが、格子状であってもよい。
なお、板状の場合には、透明とすることで、外部から監視できるのでより、好ましい。なお、側壁等を設ける場合には、天井側に接触しないように、側壁12aの高さは収縮したときの規制高さよりも低いものとする必要がある。
【0045】
[第2の実施の形態]
本発明の小型動物飼育装置の構成を次に説明する。この小型動物飼育装置は飼育部屋をそのままの状態で移動させることができるものであり、複数の機能を設けた部屋で飼育動物を飼育することが可能となる。
図6は本小型動物飼育装置の概略斜視図である。図6に示すように、本実施の形態にかかる小型動物飼育装置は、架台30上に設けた装置基部31と、該装置基部31に設けられた4つの格納空間(本実施の形態では4ヵ所)31A〜31Dと、基部31の中央に設けられ、空間内に設け、上記昇降手段15により居住部屋12の高さを規制した状態の飼育容器11をアーム33により吊り上げつつ保持すると共に回動する回動手段32とを具備してなり、アーム手段33の先端側には飼育容器11の天井部分を掴み吊り下げ保持する保持手段34が設けられている。
【0046】
本実施の形態においては、図7に示すように、上記複数の格納空間には、図1で説明した透明の飼育外箱20が内装されており、各々居住空間(31A)と、食餌空間(31B)と、交配空間(31C)及び育児空間(31D)等のように、用途に応じて部屋を使い分けている。
【0047】
装置全体の一例としては、基部31の大きさを600×600×600[mm]とした場合、約0.85kgであった。このような装置において飼育部屋11の昇降移動の場合には、約15秒で完了し、A室からB室への回転移動(90度)の場合には、約150秒で完了した。
この間、マウスには何等ストレスを与えることがなく、網状床板14の網にじっとしがみついていただけであった。
【0048】
本試験においては、図1に示すような側壁12aを設けることなく何度も繰返して昇降を行ったが、昇降手段15にマウスが挟みこまれるようなことは一度もなかった。
なお、側壁12aを設けると安全性が向上するので、より好ましい。
【0049】
本実施の形態においては、各種機能別の部屋を移動させる方法として、中心に回動手段を設けて、各回動位置に所定の飼育容器を収納する部屋を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば複数の部屋を直線又は矩形型に配し、これに沿ってレールを設けて該レール上を飼育容器を保持しつつ移動手段を移動させることにより、任意の部屋へ移動させることもできる。
【0050】
[第3の実施の形態]
次に飼育動物16としてマウスを例にして説明する。
図8乃至図11はマウスを実際に特定箇所(出口)へ誘導する実施形態の概要の概略である。
図8は手動操作によるマウス誘導のオペレーションの一例を示す概略図である。図8に示すように、飼育容器11を外部から監視する図示しない撮像手段により監視し、ディスプレイ41の画面42に映し出された状態でピストン手段17を操作して、誘導箇所である出口11aへマウス16を導くものである。
ここで、マウス16の位置情報は、飼育容器16の下面側に例えばCCD等のような撮影手段を設け、その位置情報を複数に区画することにより得ることができる。
【0051】
その具体的な誘導の手法を図9及び図10を用いて説明する。
図9はマウスの居住スペースである飼育容器11には、内部の状態を観察するCCDカメラ60とマウスを誘導する上述した誘導手段61が設けられており、CCDカメラ60のマウス位置検出用画像情報62は、画像処理手段63に送られ、ここで演算処理される。そして、画像処理手段63で処理された後、制御信号64とマウス位置情報(例えば25bit)65とを記憶手段(マイクロコンピュータ等)66に記憶させる。
この記憶手段(マイクロコンピュータ等)66により記憶された情報により、特定位置にいるマウスを目的の箇所へ誘導することが可能となる。
【0052】
この際、図1乃至図3に示すような床側又は天井側が昇降することで飼育部屋内の居住空間を平面的にすることが可能となり、底面側からのマウス16の位置検出が容易となる。
また、複数匹を飼育している場合にも、各々の固体の認識を画像処理することで認識が可能となり、分離作業が容易となる。
【0053】
さらに、飼育部屋を他の飼育部屋へ移動させるには、部屋間移動装置駆動回路68の制御により、図6に示すような部屋間移動させる装置69を制御させて、移動するようにしている。
【0054】
具体的な誘導方法を図10に示す。
図10に示すように、飼育容器11の底面側からCCDカメラによりマウス16を撮影すると、図11のようにCCD画像44が得られる。
それをデータ処理して二値化画像45とし、さらに処理して位置データ46を求める(I) 。
誘導する出口11aを決ると、誘導手段であるピストン手段17をスイッチパネル群43のパネル(位置情報と対応して25分割されている)を指示することで、マウスを誘導する(II〜IV) 。
そして、マウス16が出口11aに出るまで(V) 、これを繰り返す。
【0055】
また、この人為的に行った誘導情報を記憶手段に記憶させて学習させることにより、特定位置にいるマウス16を自動的に特定の出口11aへ誘導することが可能となる。
【0056】
次に、自動操作による誘導の一例を図10を用いて具体的に説明する。
(I) 先ず、飼育容器11内のマウス16を9箇所の区画で捕捉する。
(II)ピストン手段を用いて、マウス16を出口11a側へ誘導する指令を出す。
(III) 出口側へ誘導したら、位置情報を4 箇所に狭めるように、誘導指令を出す。
(IV)この場所に約5秒間いると、さらに、位置情報を2箇所に狭めるように、誘導指令を出す。
(V) マウスの情報が消失したら、出口からマウスが出たことになる。
(VI) なお、他の箇所へマウスが移動した場合には、捕捉から再度やりなおす。
これにより、マウスに人為的に掴むことなく、自発的に出口から出すことができる。
なお、出口側へ他の飼育容器の出口を設置することで他の飼育容器へ移動させることも可能となる。
【0057】
[第4の実施の形態]
次に、飼育容器を移動させるシステムについて説明する。
図6及び図7に示す移動手段を用い、特定箇所から飼育容器のみを移動させることができる。
図12に示すように、装置の外観をCCDカメラにより撮影し、現在収納されている空間Aの飼育容器11を収納空間Bへ移動させることができる。
これにより、マウスを飼育部屋内に存在させたまま、次の収納空間Bへ移動することができ、人間の手をかえさずにマウスのスムーズな移動が可能となる。そして、移動した後の汚れた収納空間A内を洗浄手段で洗浄することができる。
そして、収納空間Bで他の機能の飼育を行うことができ、飼育機能を分割することができる。
【0058】
このように、本発明によれば、宇宙ステーションにおいて、マウスの長期間に亙っての飼育が可能となる。また、飼育に必要な各種機能を複数の部屋に分散することができ、マウスを必要の応じて部屋間を移動させることができる。
この移動はマウスに何等ストレスを与えることなくでき、しかも完全自動化を図ることができる。
【0059】
そして、マウスの移動は宇宙ステーション又は宇宙船等のオペレータのみならず、地上支援側のオペレータによっても行うことができ、宇宙ステーション等の作業員の手を煩わすことなく可能となり、作業効率が向上する。
【0060】
なお、本実施の形態においては、マウスを用いて説明したが、本発明は何等マウスの限定されることはない。
【0061】
また、マウスに作業者が接触することなく、移動することができるので、外部刺激によるストレスを得ることがなく、宇宙における微少重力作用の影響を測定する測定精度が向上する。
【0062】
また、多くの研究機関や病院等では、研究用にマウス等の哺乳小動物が飼育されているが、本発明の飼育容器及び装置を用いることにより、哺乳小動物に接触することなく飼育が可能となり、癌や感染性等の飼育や極めて取り扱いの難しいマウスの飼育等のように、高度の隔離状態や静音状態を維持する必要がある場合にも適用でき、安全性及び飼育性が向上する。
【0063】
本発明は宇宙又は地上において、小型動物を飼育する場合における必要な支援設備については言及していないが、公知の支援設備(例えば清掃の際の洗浄手段や、食餌の際の餌供給手段や、隔離の際の隔離手段や空気清浄手段や換気手段等)を適宜必要に応じて設けることができることはいうまでもない。
【0064】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の[請求項1]の発明によれば、飼育部屋の天井又は床面のいずれか一方を昇降させる昇降手段と、天井又は床面のいずれか一方に設けられ、小型動物を所定箇所へ追い込む複数のピストン手段からなる誘導手段とを具備してなるので、規制された空間内で誘導することができるので、小型動物の誘導が容易となる。
【0065】
[請求項2]の発明によれば、請求項1において、上記昇降手段により部屋の高さを居住空間の1/3〜1/5程度に規制するので、より規制された空間内で誘導することができるので、小型動物の誘導が更に確実となる。
【0066】
[請求項3]の発明によれば、請求項1において、上記昇降手段がリンク機構により作動するものであるので、昇降がスムーズに行うことができる。
【0067】
[請求項4]の発明によれば、請求項1において、上記昇降手段及びピストン手段が形状記憶合金により作動するものであるので、モータ等のような回転音が発生せず、静寂状態で昇降手段を駆動することができる。
【0068】
[請求項5]の発明によれば、請求項1において、上記ピストン手段の押圧面にシートを介して小型動物を誘導するので、小型動物の誘導する際の刺激が緩和される。
【0069】
[請求項6]の発明によれば、請求項1において、上記飼育部屋が内部屋と外部屋とからなるので、内部屋のみを移動することができ、外部屋の洗浄が容易となる。
【0070】
[請求項7]の発明によれば、請求項1において、上記内部屋の床面が網状であるので、排泄物が外部屋へ移行し、内部屋の洗浄回数を低減することができる。
【0071】
[請求項8]の発明によれば、請求項1において、上記内部屋の側壁が透明又は格子状であるので、昇降の際には小型動物の安全であると共に外部から小型動物の視認が確実となる。
【0072】
[請求項9]の発明によれば、請求項1において、上記飼育部屋に飼育支援設備を設けたので、各種飼育環境が良好となる。
【0073】
[請求項10]の発明によれば、請求項1において、上記外部屋の側壁及び床面が透明であるので、外部又は床面側からの小型動物の視認が確実となる。
【0074】
[請求項11]の発明によれば、請求項10において、上記外部屋の床面から内部の小型動物を確認する画像処理手段を設けてなり、画像処理により、小型動物の位置を確認しつつ、複数のピストン手段からなる誘導手段で小型動物を誘導して所定の箇所へ小型動物を導くので、任意の誘導箇所への小型動物の誘導が確実となる。
【0075】
[請求項12]の発明によれば、請求項11において、上記画像認識処理から小型動物を誘導するまでを自動的に行い、特定の小型動物のみを誘導するので、完全自動化を図ることができる。また、誘導は遠隔操作することにより直接又は間接的に操作が可能となる。
【0076】
[請求項13]の発明の小型動物飼育装置は、請求項1乃至12のいずれか一項の小型動物飼育容器と、上記飼育容器を格納する少なくとも2以上の格納空間と、上記昇降手段により居住部屋の高さを規制した状態の小型動物飼育部屋を保持しつつ移動させ、一の格納空間から他の一の格納空間へ居住部屋を移動させる移動手段とを具備してなるので、飼育空間を複数設けることができ、飼育機能を分割して、良好な飼育環境を整備することができる。
【0077】
[請求項14]の発明によれば、請求項13において、上記複数の格納空間に外部屋を設置し、居住空間と、食餌空間と、交配空間とに区別するので、特定飼育環境下で飼育でき、小型動物への刺激がなく、実験目的の達成が確実となる。
【0078】
[請求項15]の小型動物飼育方法の発明によれば、請求項13又は14の小型動物飼育装置を用いることで、居住空間と、食餌空間と、交配空間とに区別しつつ小型動物を飼育することができ、実験目的の達成が確実となる。
【0079】
[請求項16]の発明によれば、請求項15において、宇宙空間で小型動物を飼育するので、宇宙空間において、宇宙放射線や微少重力の人体に与える影響を究明することができ、また、宇宙船や宇宙ステーション内における作業員の手を煩わせることなく、飼育することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる飼育容器の概略図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる飼育容器の概略図である。
【図3】第1の実施の形態にかかる飼育容器の斜視図である。
【図4】第1の実施の形態にかかる飼育容器のリンク機構の斜視図である。
【図5】第1の実施の形態にかかる飼育容器のピストン手段の斜視図である。
【図6】第2の実施の形態にかかる飼育装置の斜視図である。
【図7】第2の実施の形態にかかる飼育装置の平面図である。
【図8】第3の実施の形態にかかる飼育装置のオペレーションの概略図である。
【図9】第3の実施の形態にかかるシステム構成図である。
【図10】第3の実施の形態にかかる自動操作による誘導図である。
【図11】第3の実施の形態にかかる自動操作の画面の状態図である。
【図12】第4の実施の形態にかかる自動操作の画面の状態図である。
【図13】従来技術にかかる飼育容器の概略図である。
【図14】従来技術にかかる飼育装置の自動化の概略図である。
【符号の説明】
11 小型動物飼育容器(飼育容器)
12 飼育部屋
13 天井
14 床板
15 昇降手段
16 飼育小型動物(飼育動物)
17 ピストン手段
20 飼育外箱
21 形状記憶合金線
22 シート

Claims (16)

  1. 飼育部屋の天井又は床面のいずれか一方を昇降させる昇降手段と、天井又は床面のいずれか一方に設けられ、小型動物を所定箇所へ追い込む複数のピストン手段からなる誘導手段とを具備してなることを特徴とする小型動物飼育容器。
  2. 請求項1において、
    上記昇降手段により部屋の高さを居住空間の1/3〜1/5程度に規制することを特徴とする小型動物飼育容器。
  3. 請求項1において、
    上記昇降手段がリンク機構により作動するものであることを特徴とする小型動物飼育容器。
  4. 請求項1において、
    上記昇降手段及びピストン手段が形状記憶合金により作動するものであることを特徴とする小型動物飼育容器。
  5. 請求項1において、
    上記ピストン手段の押圧面にシートを介して小型動物を誘導することを特徴とする小型動物飼育容器。
  6. 請求項1において、
    上記飼育部屋が内部屋と外部屋とからなることを特徴とする小型動物飼育容器。
  7. 請求項1において、
    上記内部屋の床面が網状であることを特徴とする小型動物飼育容器。
  8. 請求項1において、
    上記内部屋の側壁が透明又は格子状であることを特徴とする小型動物飼育容器。
  9. 請求項1において、
    上記飼育部屋に飼育支援設備を設けたことを特徴とする小型動物飼育容器。
  10. 請求項1において、
    上記外部屋の側壁及び床面が透明であることを特徴とする小型動物飼育容器。
  11. 請求項10において、
    上記外部屋の床面から内部の小型動物を確認する画像処理手段を設けてなり、画像処理により、小型動物の位置を確認しつつ、複数のピストン手段からなる誘導手段で小型動物を誘導して所定の箇所へ小型動物を導くことを特徴とする小型動物飼育容器。
  12. 請求項11において、
    上記画像認識処理から小型動物を誘導するまでを自動的に行い、特定の小型動物のみを誘導することを特徴とする小型動物飼育容器。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項の小型動物飼育容器と、 上記飼育容器を格納する少なくとも2以上の格納空間と、
    上記昇降手段により居住部屋の高さを規制した状態の小型動物飼育部屋を保持しつつ移動させ、一の格納空間から他の一の格納空間へ居住部屋を移動させる移動手段とを具備してなることを特徴とする小型動物飼育装置。
  14. 請求項13において、
    上記複数の格納空間に外部屋を設置し、居住空間と、食餌空間と、交配空間とに区別することを特徴とする小型動物飼育装置。
  15. 請求項13又は14の小型動物飼育装置を用い、居住空間と、食餌空間と、交配空間とに区別しつつ小型動物を飼育することを特徴とする小型動物飼育方法。
  16. 請求項15において、
    宇宙空間で小型動物を飼育することを特徴とする小型動物飼育方法。
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