JP3631895B2 - 沈殿物の脱水排出装置における沈殿物の掬い量制御方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、沈殿物を掬い上げて水切りした後に真空吸引による強制脱水を用いた脱水排出装置において、真空吸引を常時適正に行うために沈殿物の掬い量を制御する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からバケット式、スパイラル式、ロータリー式等の分級機が知られているが、いずれも砂等の沈殿物を水から分離するだけであり水切り状態が悪く泥砂状態となって後処理の扱い難いものであった。そこで、本願発明者が先の出願で、放射状に備えた先端部の掬いバケットで沈殿物を掬い上げて水切りし、ついで真空吸引で強制脱水する脱水排出装置を開発したのである。
【0003】
しかしながら、掬いバケットでの沈殿物の掬い量が少ないと水切体を沈殿物で閉塞できないことから下からの真空吸引が弱くなり、また逆に沈殿物の掬い量が多すぎると真空吸引は強いが上部の沈殿物の吸引脱水ができないことから均一な脱水とならない問題点が生じることが想到されるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、掬いバケットの回転を制御することで沈殿物の掬い量の均一化を図り、これにより真空吸引を均一円滑にできて強制脱水を良好にでき、含水率の少ない砂等の沈殿物を得るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため本発明は、上面を開口して内部に水切体を備えた掬いバケットを先端部に取り付けて回転させ、掬いバケットで沈殿物を掬って上昇反転部で排送シュートに落下させる回転掬い装置と、掬いバケットが沈殿槽液面からでてほぼ水平状態から垂直状態までの上向きに回転変位する位置範囲で水切体下の掬いバケットの下部を負圧吸引する吸引機を備えた真空脱水装置とから成る沈殿物の脱水排出装置において、掬いバケットが沈殿槽液面からでた所定の位置で、沈殿物を堆積した掬いバケットを、光電管によって該沈殿物の堆積部から掬いバケットの通過時間を計測することで堆積部の高さを判断し、その通過時間が許容時間範囲内を外れて短い時間を計測した場合、回転掬い装置のモータの回転を少し低速にして掬いバケットの回転をゆっくりさせると共に、許容時間範囲内を外れて長い時間を検知した場合、モータの回転を少し高速にして掬いバケットの回転を早くすることで、掬い量を均一化して水切体を沈殿物で良好に被覆堆積させる沈殿物の脱水排出装置における沈殿物の掬い量制御方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明方法の詳細を図示した装置例に基づいて説明する。まず図1乃至図4で示す装置を説明すると、これは沈殿槽1に配置されるもので、その供給口11から砂を含んだ泥漿が連続して送られるのである。
【0007】
2は沈殿槽1の上端で支持された回転筒であり、後部に備えたモータ21により連繋回転する回転軸20に固着されて上下方向に回転するものである。回転筒2の軸方向中央には円盤状の回転取付体22が固着してあり、該取付体22には半径方向に伸びる複数本の取付アーム23を介して夫々排水タンク3を先端に連結すると共に、夫々排水タンク3の前面に掬いバケット4を連結して放射状に16本備えた回転掬い装置としている。
【0008】
即ち、図3のように、取付アーム23の先端側の後に排水タンク3を固着し、排水タンク3の先端に前部に掬いバケット4の下部に固着して掬いバケット4を側面からみて前方に突出配置させている。掬いバケット4は、上面を開口し、内部に水切体41を備えて上下に仕切り、その上部を沈殿物載置部とすると共に、水切体41から下部を水切りされた分離水の落下部としている。なお、掬いバケット4の先端形状は掬い易いように傾斜させている。
【0009】
また、排水タンク3は後部下端に排水孔31を設けると共に、掬いバケット4の水切体の下の排出口42に連結させることで水切体41を通過した分離水を受けて排水孔31から沈殿槽1に戻し排水するものである。なお、排水タンク3は水切体41を通過した分離水を通過させ易いように少し下げて傾斜させた状態で掬いバケット4に固着してある。
【0010】
5は排水孔31の蓋開閉部材であり、取付アーム23の突出軸231にシーソー材51を取り付け、該シーソー材51の一端に排水タンクの排水孔31を閉塞するゴム製の蓋体52を設けると共に、シーソー材51の他端に蓋体52より重い錘53を取り付けて成る。
【0011】
6は真空脱水装置であり、夫々の掬いバケット4がほぼ水平状態から垂直状態までの上向きに回転変位する範囲内において排水タンク3内を吸引作動させるものである。即ち、図4のように、真空吸引作用を施すブロア61の吸引側に接続した吸引管62を、回転軸20を収容させた固定筒63に連結し、これにより固定筒63に固着して不動の吸引板64の導通溝640を真空状態としている。導通溝640は、吸引板64内でほぼ水平状態から垂直状態までの位置に欠設され、前端面に導通溝640を開口している。
【0012】
そして、回転筒2の後端に制御板25を固着し、周方向に等間隔な通孔250を制御板25に貫通させて吸引板64と接面させている。33は吸引ホースであり、制御板25の前面で夫々の通孔250に連通接続すると共に、排水タンク3の後端部に開口接続している。
【0013】
なお、7は中央上部に設置した排送シュートであり、上昇し反転する掬いバケット21の下に位置している。
【0014】
次にこの装置の作用を説明する。まず、供給口11から沈殿槽1に含砂泥漿を送ると砂9が沈殿する。ついでモータ21の駆動で回転筒2がゆっくりと回転し、図6及び図7のように、沈殿槽内に入り、図1のように、夫々の掬いバケット4が底部に沈降した砂9を掬い、図8のように、分離された水は水切体41を落下して排水タンク3の排水孔31から排水されるのである。この際、錘53の下向きで蓋体52が排水孔31を塞ごうとするが、重い排水圧によって蓋体52が開けられて排水されるのである。
【0015】
ブロア61の吸引作動により吸引管62に導通させた吸引板64の導通溝640が常時真空状態となっているため、掬いバケット2がほぼ水平から上向きまでの図1で示す矢印範囲8の回転変位範囲内においては、吸引ホース33によって制御板25の通孔250が導通溝640と連通する。即ち、吸引板64に接面しながら制御板25が回転筒2と一体に回転して通孔250が導通溝640と連通するのである。
【0016】
これにより排水タンク3内が吸引され、排水タンク3内が負圧状態となるため掬いバケット4で保持した砂9の間を外からの空気が通過し、砂9間に残留した水が払拭されて排水タンク3に導かれて砂9が強制脱水されるのである。
【0017】
この際、吸引作用範囲である図1の矢印範囲8の回転変位範囲は、図9のように、排水が少なくなり弱まった排水圧に抗して錘53の重力によって蓋体52が上方向に移動させられるため、且つ吸引力によって強く蓋体52が排水タンク3の排水孔31を閉塞することから外気が入ることがなく、良好な吸引脱水が図れるのである。なお、真空吸引によって脱水された分離水は排水タンク3内に溜まるのである。
【0018】
真空吸引による強制脱水が終了して反転を始めると、図2のように、砂9が排送シュート7に落下するのであり、この際、排水タンク3内に残った水は、排水孔31が蓋体52で閉塞されているため沈殿槽1に落下することはないが、仮に水圧で蓋体52が開いて落下してもよく、排送シュート7に落下することがない。
【0019】
このように本例によると、水切りと空気吸引による脱水が施されてベトつきのない砂9が得られるのである。また、掬いバケット4から水切りされた水は排水タンク3から直ちに沈殿槽1に排水されることから排水タンクを軽くできて回転動力を小さくできるのである。
【0020】
そして本例において特徴ある方法として、図10のように、掬いバケット4が沈殿槽液面からでて水切りした直後の一定の高さ位置で、両側に光電管Sを配置することで回転する掬いバケット4が光電管Sの間を通過できるようにし、光電管Sで砂9を堆積した掬いバケット4の通過時間を測定することで砂9の堆積高さ判断するものである。
【0021】
即ち、砂9の堆積頂部から掬いバケット4の底部の通過までが光電管Sの照射光を遮るのであり、この堆積頂部から掬いバケット4の底部の長さCの通過時間を計測することで堆積量が推定できるのである。図11のように堆積頂部が計測開始点であり、図12が計測終了点である。そしてその計測時間が設定した許容時間範囲内であれば堆積層の高さ、即ち、堆積量が適切であるとして同じ回転で掬いバケット4が継続回転するのである。
【0022】
一方、その計測通過時間が許容時間範囲から外れて短い時間であれば、制御回路により該モータ21の回転を少し低速にして掬いバケット4の回転をゆっくりさせるのである。即ち、その時間が短い場合は、図13のように、砂9の堆積量が少ないことであって水切体41が砂9で完全に閉塞されていない事態が発生する事が考えられるのであり、正常な真空吸引ができないのである。そこで、掬いバケット4の回転をゆっくりとすることにより、掬いバケット4での砂9の掬い上げ量が多くなって水切体41が閉塞されるため真空吸引が正常に行われることになる。図15では、許容範囲から外れて短い時間を計測した場合S2スイッチがONとなってモータ21が低速回転するのである。
【0023】
また、その計測通過時間が許容時間範囲から外れて長い時間を計測した場合、制御回路により該モータ21の回転を少し高速にして掬いバケット4の回転を少し速くさせるのである。即ち、その通過時間が長い場合は、図14のように、砂9の堆積量が過多であることであり、水切体41が砂9で完全に閉塞されているものの厚い堆積層のため大気からの空気の吸引ができず、良好な吸引脱水ができないのである。そこで、制御回路で掬いバケット4の回転を速くすることにより、掬いバケット4での砂9の掬い上げ量が少なくなって適正な高さの堆積層となるため真空吸引が正常に行われることになる。図15では、許容範囲から外れて長い時間を計測した場合S3スイッチがONとなってモータ21が高速回転するのである。
【0024】
即ち、良好な真空吸引による強制脱水は、掬いバケット4での砂9の掬い上げ量に関係することが実験により判明したものであり、適度の堆積で水切体41を閉塞し、且つ吸引するのが適切である。なお、光電管Sの計測始点となる堆積部頂点の位置は沈殿物の種類によって異なるが同一沈殿物であれば通常同一位置であり、実験的に判明できるためその位置に光電管Sをセットすればよい。
【0025】
本発明方法は前記例に限定されない。例えば、通過時間の計測センサーの種類は問わず、光電管の他、超音波センサー等でもよい。また、掬いバケットの通過時間を計測する高さ位置は、掬いバケットが沈殿槽液面より出た直後から真空吸引する前が最適である。
【0026】
なお、通過時間計測でモータの回転数を制御し、掬いバケットの回転を可変する制御手段も任意である。また、モータの種類も限定されず、油圧モータでもよい。なお、回転取付体、掬いバケット、水切体等の構成も適宜であり、水切体で水切りされた水及び吸引脱水された水を沈殿槽外に排水するものでもよい。
【0027】
【発明の効果】
本発明方法によると、掬いバケットで掬い上げた沈殿物の堆積量を掬いバケットの通過時間計測から判断し、モータの回転制御により掬いバケットでの沈殿物の掬い量を適切に加減でき、真空吸引による強制脱水を常時良好にできると共に、均一且つ含水率の少ない沈殿物を得る効果が大きく、簡単な構成で設備できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる脱水排出装置の一部切欠した正面図である。
【図2】その一部縦断した側面図である。
【図3】その掬いバケット及び排水タンク部の拡大斜視図である。
【図4】その吸引手段部の一部切欠斜視図である。
【図5】その蓋開閉手段部の一部切欠正面図である。
【図6】掬いバケットが沈殿槽に入る直前の一部切欠正面図である。
【図7】掬いバケットが沈殿物を掬う状態の一部切欠正面図である。
【図8】掬いバケットが沈殿槽の水面から出た状態の一部切欠正面図である。
【図9】真空吸引によって強制脱水している状態の一部切欠正面図である。
【図10】光電管センサーで堆積した掬いバケット部の通過時間を計測している状態の概略平面図である。
【図11】適正な堆積量とした掬いバケットの計測開始点を示す一部切欠正面図である。
【図12】適正な堆積量とした掬いバケットの計測終了点を示す一部切欠正面図である。
【図13】短い通過時間を計測した堆積量の少ない掬いバケットの一部切欠正面図である。
【図14】長い通過時間を計測した堆積量過多の掬いバケットの一部切欠正面図である。
【図15】本発明の一形態例の制御回路のシーケンス回路である。
【符号の説明】
1 沈殿槽
2 回転筒
21 モータ
3 排水タンク
4 掬いバケット
41 水切り体
6 真空脱水装置
61 ブロア
7 排送シュート
9 砂
S 光電管
【発明の属する技術分野】
本発明は、沈殿物を掬い上げて水切りした後に真空吸引による強制脱水を用いた脱水排出装置において、真空吸引を常時適正に行うために沈殿物の掬い量を制御する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からバケット式、スパイラル式、ロータリー式等の分級機が知られているが、いずれも砂等の沈殿物を水から分離するだけであり水切り状態が悪く泥砂状態となって後処理の扱い難いものであった。そこで、本願発明者が先の出願で、放射状に備えた先端部の掬いバケットで沈殿物を掬い上げて水切りし、ついで真空吸引で強制脱水する脱水排出装置を開発したのである。
【0003】
しかしながら、掬いバケットでの沈殿物の掬い量が少ないと水切体を沈殿物で閉塞できないことから下からの真空吸引が弱くなり、また逆に沈殿物の掬い量が多すぎると真空吸引は強いが上部の沈殿物の吸引脱水ができないことから均一な脱水とならない問題点が生じることが想到されるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、掬いバケットの回転を制御することで沈殿物の掬い量の均一化を図り、これにより真空吸引を均一円滑にできて強制脱水を良好にでき、含水率の少ない砂等の沈殿物を得るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため本発明は、上面を開口して内部に水切体を備えた掬いバケットを先端部に取り付けて回転させ、掬いバケットで沈殿物を掬って上昇反転部で排送シュートに落下させる回転掬い装置と、掬いバケットが沈殿槽液面からでてほぼ水平状態から垂直状態までの上向きに回転変位する位置範囲で水切体下の掬いバケットの下部を負圧吸引する吸引機を備えた真空脱水装置とから成る沈殿物の脱水排出装置において、掬いバケットが沈殿槽液面からでた所定の位置で、沈殿物を堆積した掬いバケットを、光電管によって該沈殿物の堆積部から掬いバケットの通過時間を計測することで堆積部の高さを判断し、その通過時間が許容時間範囲内を外れて短い時間を計測した場合、回転掬い装置のモータの回転を少し低速にして掬いバケットの回転をゆっくりさせると共に、許容時間範囲内を外れて長い時間を検知した場合、モータの回転を少し高速にして掬いバケットの回転を早くすることで、掬い量を均一化して水切体を沈殿物で良好に被覆堆積させる沈殿物の脱水排出装置における沈殿物の掬い量制御方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明方法の詳細を図示した装置例に基づいて説明する。まず図1乃至図4で示す装置を説明すると、これは沈殿槽1に配置されるもので、その供給口11から砂を含んだ泥漿が連続して送られるのである。
【0007】
2は沈殿槽1の上端で支持された回転筒であり、後部に備えたモータ21により連繋回転する回転軸20に固着されて上下方向に回転するものである。回転筒2の軸方向中央には円盤状の回転取付体22が固着してあり、該取付体22には半径方向に伸びる複数本の取付アーム23を介して夫々排水タンク3を先端に連結すると共に、夫々排水タンク3の前面に掬いバケット4を連結して放射状に16本備えた回転掬い装置としている。
【0008】
即ち、図3のように、取付アーム23の先端側の後に排水タンク3を固着し、排水タンク3の先端に前部に掬いバケット4の下部に固着して掬いバケット4を側面からみて前方に突出配置させている。掬いバケット4は、上面を開口し、内部に水切体41を備えて上下に仕切り、その上部を沈殿物載置部とすると共に、水切体41から下部を水切りされた分離水の落下部としている。なお、掬いバケット4の先端形状は掬い易いように傾斜させている。
【0009】
また、排水タンク3は後部下端に排水孔31を設けると共に、掬いバケット4の水切体の下の排出口42に連結させることで水切体41を通過した分離水を受けて排水孔31から沈殿槽1に戻し排水するものである。なお、排水タンク3は水切体41を通過した分離水を通過させ易いように少し下げて傾斜させた状態で掬いバケット4に固着してある。
【0010】
5は排水孔31の蓋開閉部材であり、取付アーム23の突出軸231にシーソー材51を取り付け、該シーソー材51の一端に排水タンクの排水孔31を閉塞するゴム製の蓋体52を設けると共に、シーソー材51の他端に蓋体52より重い錘53を取り付けて成る。
【0011】
6は真空脱水装置であり、夫々の掬いバケット4がほぼ水平状態から垂直状態までの上向きに回転変位する範囲内において排水タンク3内を吸引作動させるものである。即ち、図4のように、真空吸引作用を施すブロア61の吸引側に接続した吸引管62を、回転軸20を収容させた固定筒63に連結し、これにより固定筒63に固着して不動の吸引板64の導通溝640を真空状態としている。導通溝640は、吸引板64内でほぼ水平状態から垂直状態までの位置に欠設され、前端面に導通溝640を開口している。
【0012】
そして、回転筒2の後端に制御板25を固着し、周方向に等間隔な通孔250を制御板25に貫通させて吸引板64と接面させている。33は吸引ホースであり、制御板25の前面で夫々の通孔250に連通接続すると共に、排水タンク3の後端部に開口接続している。
【0013】
なお、7は中央上部に設置した排送シュートであり、上昇し反転する掬いバケット21の下に位置している。
【0014】
次にこの装置の作用を説明する。まず、供給口11から沈殿槽1に含砂泥漿を送ると砂9が沈殿する。ついでモータ21の駆動で回転筒2がゆっくりと回転し、図6及び図7のように、沈殿槽内に入り、図1のように、夫々の掬いバケット4が底部に沈降した砂9を掬い、図8のように、分離された水は水切体41を落下して排水タンク3の排水孔31から排水されるのである。この際、錘53の下向きで蓋体52が排水孔31を塞ごうとするが、重い排水圧によって蓋体52が開けられて排水されるのである。
【0015】
ブロア61の吸引作動により吸引管62に導通させた吸引板64の導通溝640が常時真空状態となっているため、掬いバケット2がほぼ水平から上向きまでの図1で示す矢印範囲8の回転変位範囲内においては、吸引ホース33によって制御板25の通孔250が導通溝640と連通する。即ち、吸引板64に接面しながら制御板25が回転筒2と一体に回転して通孔250が導通溝640と連通するのである。
【0016】
これにより排水タンク3内が吸引され、排水タンク3内が負圧状態となるため掬いバケット4で保持した砂9の間を外からの空気が通過し、砂9間に残留した水が払拭されて排水タンク3に導かれて砂9が強制脱水されるのである。
【0017】
この際、吸引作用範囲である図1の矢印範囲8の回転変位範囲は、図9のように、排水が少なくなり弱まった排水圧に抗して錘53の重力によって蓋体52が上方向に移動させられるため、且つ吸引力によって強く蓋体52が排水タンク3の排水孔31を閉塞することから外気が入ることがなく、良好な吸引脱水が図れるのである。なお、真空吸引によって脱水された分離水は排水タンク3内に溜まるのである。
【0018】
真空吸引による強制脱水が終了して反転を始めると、図2のように、砂9が排送シュート7に落下するのであり、この際、排水タンク3内に残った水は、排水孔31が蓋体52で閉塞されているため沈殿槽1に落下することはないが、仮に水圧で蓋体52が開いて落下してもよく、排送シュート7に落下することがない。
【0019】
このように本例によると、水切りと空気吸引による脱水が施されてベトつきのない砂9が得られるのである。また、掬いバケット4から水切りされた水は排水タンク3から直ちに沈殿槽1に排水されることから排水タンクを軽くできて回転動力を小さくできるのである。
【0020】
そして本例において特徴ある方法として、図10のように、掬いバケット4が沈殿槽液面からでて水切りした直後の一定の高さ位置で、両側に光電管Sを配置することで回転する掬いバケット4が光電管Sの間を通過できるようにし、光電管Sで砂9を堆積した掬いバケット4の通過時間を測定することで砂9の堆積高さ判断するものである。
【0021】
即ち、砂9の堆積頂部から掬いバケット4の底部の通過までが光電管Sの照射光を遮るのであり、この堆積頂部から掬いバケット4の底部の長さCの通過時間を計測することで堆積量が推定できるのである。図11のように堆積頂部が計測開始点であり、図12が計測終了点である。そしてその計測時間が設定した許容時間範囲内であれば堆積層の高さ、即ち、堆積量が適切であるとして同じ回転で掬いバケット4が継続回転するのである。
【0022】
一方、その計測通過時間が許容時間範囲から外れて短い時間であれば、制御回路により該モータ21の回転を少し低速にして掬いバケット4の回転をゆっくりさせるのである。即ち、その時間が短い場合は、図13のように、砂9の堆積量が少ないことであって水切体41が砂9で完全に閉塞されていない事態が発生する事が考えられるのであり、正常な真空吸引ができないのである。そこで、掬いバケット4の回転をゆっくりとすることにより、掬いバケット4での砂9の掬い上げ量が多くなって水切体41が閉塞されるため真空吸引が正常に行われることになる。図15では、許容範囲から外れて短い時間を計測した場合S2スイッチがONとなってモータ21が低速回転するのである。
【0023】
また、その計測通過時間が許容時間範囲から外れて長い時間を計測した場合、制御回路により該モータ21の回転を少し高速にして掬いバケット4の回転を少し速くさせるのである。即ち、その通過時間が長い場合は、図14のように、砂9の堆積量が過多であることであり、水切体41が砂9で完全に閉塞されているものの厚い堆積層のため大気からの空気の吸引ができず、良好な吸引脱水ができないのである。そこで、制御回路で掬いバケット4の回転を速くすることにより、掬いバケット4での砂9の掬い上げ量が少なくなって適正な高さの堆積層となるため真空吸引が正常に行われることになる。図15では、許容範囲から外れて長い時間を計測した場合S3スイッチがONとなってモータ21が高速回転するのである。
【0024】
即ち、良好な真空吸引による強制脱水は、掬いバケット4での砂9の掬い上げ量に関係することが実験により判明したものであり、適度の堆積で水切体41を閉塞し、且つ吸引するのが適切である。なお、光電管Sの計測始点となる堆積部頂点の位置は沈殿物の種類によって異なるが同一沈殿物であれば通常同一位置であり、実験的に判明できるためその位置に光電管Sをセットすればよい。
【0025】
本発明方法は前記例に限定されない。例えば、通過時間の計測センサーの種類は問わず、光電管の他、超音波センサー等でもよい。また、掬いバケットの通過時間を計測する高さ位置は、掬いバケットが沈殿槽液面より出た直後から真空吸引する前が最適である。
【0026】
なお、通過時間計測でモータの回転数を制御し、掬いバケットの回転を可変する制御手段も任意である。また、モータの種類も限定されず、油圧モータでもよい。なお、回転取付体、掬いバケット、水切体等の構成も適宜であり、水切体で水切りされた水及び吸引脱水された水を沈殿槽外に排水するものでもよい。
【0027】
【発明の効果】
本発明方法によると、掬いバケットで掬い上げた沈殿物の堆積量を掬いバケットの通過時間計測から判断し、モータの回転制御により掬いバケットでの沈殿物の掬い量を適切に加減でき、真空吸引による強制脱水を常時良好にできると共に、均一且つ含水率の少ない沈殿物を得る効果が大きく、簡単な構成で設備できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる脱水排出装置の一部切欠した正面図である。
【図2】その一部縦断した側面図である。
【図3】その掬いバケット及び排水タンク部の拡大斜視図である。
【図4】その吸引手段部の一部切欠斜視図である。
【図5】その蓋開閉手段部の一部切欠正面図である。
【図6】掬いバケットが沈殿槽に入る直前の一部切欠正面図である。
【図7】掬いバケットが沈殿物を掬う状態の一部切欠正面図である。
【図8】掬いバケットが沈殿槽の水面から出た状態の一部切欠正面図である。
【図9】真空吸引によって強制脱水している状態の一部切欠正面図である。
【図10】光電管センサーで堆積した掬いバケット部の通過時間を計測している状態の概略平面図である。
【図11】適正な堆積量とした掬いバケットの計測開始点を示す一部切欠正面図である。
【図12】適正な堆積量とした掬いバケットの計測終了点を示す一部切欠正面図である。
【図13】短い通過時間を計測した堆積量の少ない掬いバケットの一部切欠正面図である。
【図14】長い通過時間を計測した堆積量過多の掬いバケットの一部切欠正面図である。
【図15】本発明の一形態例の制御回路のシーケンス回路である。
【符号の説明】
1 沈殿槽
2 回転筒
21 モータ
3 排水タンク
4 掬いバケット
41 水切り体
6 真空脱水装置
61 ブロア
7 排送シュート
9 砂
S 光電管
Claims (1)
- 上面を開口して内部に水切体(41)を備えた掬いバケット(4)を先端部に取り付けて回転させ、掬いバケット(4)で沈殿物を掬って上昇反転部で排送シュート(7)に落下させる回転掬い装置と、掬いバケット(4)が沈殿槽液面からでてほぼ水平状態から垂直状態までの上向きに回転変位する位置範囲で水切体下の掬いバケットの下部を負圧吸引する吸引機を備えた真空脱水装置とから成る沈殿物の脱水排出装置において、掬いバケット(4)が沈殿槽液面からでた所定の位置で、沈殿物を堆積した掬いバケットを、光電管等の通過時間計測センサーによって該沈殿物の堆積部から掬いバケットの通過時間を計測することで堆積部の高さを判断し、その通過時間が許容時間範囲内を外れて短い時間を計測した場合、回転掬い装置のモータ(21)の回転を少し低速にして掬いバケット(4)の回転をゆっくりさせると共に、許容時間範囲内を外れて長い時間を検知した場合、モータ(21)の回転を少し高速にして掬いバケット(4)の回転を早くすることで、掬い量を均一化して水切体(41)を沈殿物で良好に被覆堆積させることを特徴とする沈殿物の脱水排出装置における沈殿物の掬い量制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34376797A JP3631895B2 (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | 沈殿物の脱水排出装置における沈殿物の掬い量制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP34376797A JP3631895B2 (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | 沈殿物の脱水排出装置における沈殿物の掬い量制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11156109A JPH11156109A (ja) | 1999-06-15 |
JP3631895B2 true JP3631895B2 (ja) | 2005-03-23 |
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Family Applications (1)
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JP34376797A Expired - Fee Related JP3631895B2 (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | 沈殿物の脱水排出装置における沈殿物の掬い量制御方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3631895B2 (ja) |
-
1997
- 1997-11-28 JP JP34376797A patent/JP3631895B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11156109A (ja) | 1999-06-15 |
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