JP3631824B2 - ライセンスガーニッシュにおける遮光リブ構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の車体後部に設けられる合成樹脂製のライセンスガーニッシュであって、略上下方向に延在して後面にライセンスプレートを支持するライセンスプレート支持壁と、ライセンスプレート支持壁の上端から略後方に延びる庇部と、庇部の後端から略上方に延びる周壁とを備え、庇部に形成した開口を通してライセンスプレートを照明すべく周壁の前面に照明手段が設けられるライセンスガーニッシュに関し、特にその遮光リブ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の車体後部に設けられるライセンスプレートをテールゲートやトランクリッドの金属パネルに直接支持することなく、車体後部に設けた合成樹脂製のライセンスガーニッシュに支持することにより、外観の向上及びコストの削減を図ったものが知られている。
【0003】
ところで、ライセンスプレートは夜間における視認性を高めるために上方からランプで照明されるが、その光がライセンスプレート以外の方向に漏れないようにランプの周囲を遮光リブで覆う必要がある。そのために従来は、別体に形成した遮光リブをライセンスガーニッシュの前面に接着により固定していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したように別体に形成した遮光リブをライセンスガーニッシュに接着する構造を採用すると、部品点数及び加工工数が増加する問題がある。そこで合成樹脂製のライセンスガーニッシュを射出成形する際に遮光リブを一体成形することが考えられるが、ライセンスガーニッシュの前面側に遮光リブを突設すると、外部から目視可能なライセンスガーニッシュの後面側の前記遮光リブに対応する位置にひけが発生してしまい、その凹凸によって外観が低下する問題がある。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、遮光リブを有するライセンスガーニッシュの部品点数及び加工工数を削減するとともに、ライセンスガーニッシュの成形時にひけによる凹凸の発生を防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、車両の車体後部に設けられる合成樹脂製のライセンスガーニッシュであって、略上下方向に延在して後面にライセンスプレートを支持するライセンスプレート支持壁と、ライセンスプレート支持壁の上端から略後方に延びる庇部と、庇部の後端から略上方に延びる周壁とを備え、庇部に形成した開口を通してライセンスプレートを照明すべく周壁の前面に照明手段が設けられるライセンスガーニッシュにおいて、照明手段の上部及び左右両側部を覆うべく周壁の前面から前方に向けて一体に突出する遮光リブを備えてなり、前記遮光リブが、肉厚の小さい薄肉部を介して周壁の前面に接続されると共に、照明手段を周壁の前面に固定するボルトを螺入するためのボスが前記薄肉部の前部に一体に形成されることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0009】
図1〜図8は本発明の一実施例を示すもので、図1は車両の斜視図、図2は図1の2−2線拡大断面図、図3は図2の3方向矢視図、図4は図3の4−4線拡大断面図、図5は図3の5−5線拡大断面図、図6はライセンスガーニッシュの部分斜視図、図7は図2の7方向拡大矢視図、図8は図7の8−8線断面図である。
【0010】
図1に示すように、車両Vの後部開口部1を開閉するテールゲート2の後面下部に合成樹脂製のライセンスガーニッシュ3が設けられており、このライセンスガーニッシュ3にライセンスプレート4が支持される。図2に示すように、テールゲート2は車体前側のパネルであるインナーパネル5と、車体後側のパネルであるアウターパネル6とを備える。インナーパネル5の前面に内装材7が張設されており、またアウターパネル6の中央開口部61 を塞ぐように溶接されたライセンスガーニッシュ支持プレート8の後面にライセンスガーニッシュ3が固定される。
【0011】
次に、図3〜図6を参照してライセンスガーニッシュ3の構造を説明する。
【0012】
合成樹脂で一体成形されたライセンスガーニッシュ3の外周部は、比較的に幅広の上部周壁31 と、上部周壁31 の両端部から下方に延びる比較的に幅狭の側部周壁32 ,32 と、左右の側部周壁32 ,32 の下端間を接続する比較的に幅狭の下部周壁33 とから構成される。ライセンスプレート4を支持するライセンスプレート支持壁34 と前記上部周壁31 、側部周壁32 ,32 及び下部周壁33 とは、水平方向に延びる上部接続壁35 と、車体前方側が相互に接近するように傾斜した左右の側部接続壁36 ,36 と、水平方向に延びる下部接続壁37 とによって接続される。
【0013】
ライセンスガーニッシュ3の前面には5個の取付部38 …が一体に形成されており、これら取付部38 …に装着したクリップ9…によってライセンスガーニッシュ3がライセンスガーニッシュ支持プレート8に固定される。
【0014】
ライセンスガーニッシュ3の上部周壁31 の前面側、且つ上部接続壁35 の上面側に形成された空間に、左右一対の照明手段10,10が装着される。照明手段10は、不透明な合成樹脂で成形された容器状のランプハウジング11と、透明な合成樹脂で成形されてランプハウジング11の下面開口部を覆うレンズ12と、ランプハウジング11に設けられたソケット13と、ソケット13に羅着されたランプ14とを備える。レンズ12が対向するライセンスガーニッシュ3の上部接続壁35 には開口39 が開設されており、従ってランプ14からの光りは、レンズ12及び上部接続壁35 の開口39 を通ってライセンスプレート4を照明する(図4参照)。
【0015】
図4及び図6に最も良く示されているように、ランプ14の光りがライセンスプレート4を照射する方向である下方以外の方向に漏れるのを防止すべく、遮光リブ15がライセンスガーニッシュ3に一体に形成される。遮光リブ15は照明手段10の上部を覆うように上部周壁31 の前面から前方に突設された上部遮光リブ151 を備えており、この上部遮光リブ151 が上部周壁31 に接続する帯状の部分は肉厚が小さい薄肉部152 とされる。
【0016】
図5及び図6に最も良く示されているように、上部遮光リブ151 の左右両端部に連なるように、上部周壁31 の前面から階段状に連続する3枚の薄肉部153 …が前方に突設される。前記3枚の薄肉部153 …の前端にはボス支持壁154 が一体に接続されており、更にボス支持壁154 は前記上部遮光リブ151 の端部に接続されるとともに側部遮光リブ155 を介して上部周壁31 に接続される。そしてボス支持壁154 から前方に向けて、後述するボルト16を螺入するためのボス156 が一体に突設される。
【0017】
図6から明らかなように、照明手段10のランプハウジング11の左右両側部に一体に形成したフランジ111 ,111 にボルト孔112 ,112 が形成されており、このボルト孔112 ,112 を貫通する2本のボルト16,16を遮光リブ15のボス156 ,156 に螺入することにより、照明手段10がライセンスガーニッシュ3に固定される。そして、この状態では照明手段10のランプ14からの光りが上部遮光リブ151 及び側部遮光リブ155 ,155 により遮られ、上方及び側方に漏れることが防止される。
【0018】
上述したように、上部遮光リブ151 は薄肉部152 を介してライセンスガーニッシュ3の上部周壁31 に接続されており、且つ側部遮光リブ155 ,155 及びボス支持壁154 は左右各3枚の薄肉部153 …を介してライセンスガーニッシュ3の上部周壁31 に接続されているので、ライセンスガーニッシュ3を合成樹脂で射出成形した際に、前記薄肉部152 ,153 …が早期に冷却固化するため、ヒートマスが大きい上部遮光リブ151 、ボス支持壁154 ,154 、側部遮光リブ155 ,155 ,ボス156 ,156 が遅れて冷却固化する際に容積が減少しても、薄肉部152 ,薄肉部153 …に対向する上部周壁31 の後面(図4のa部及び図5のb部参照)にひけが発生することが防止される。
【0019】
而して、遮光リブ15をライセンスガーニッシュ3と一体に形成して部品点数及び組付工数を削減しながら、ひけの発生によるライセンスガーニッシュ3の外観の低下を防止することが可能となる。
【0020】
次に、図2、図7及び図8を参照してテールゲートハンドル17の構造を説明する。
【0021】
左右の照明手段10,10の間に挟まれるように、ライセンスガーニッシュ3の上部にテールゲートハンドル17が設けられる。テールゲートハンドル17のベースプレート18は金属板を平面視(図7参照)で概略コ字状に折り曲げてなり、ライセンスガーニッシュ3の上部周壁31 の前面に沿って平行に配置される後壁181 と、この後壁181 の左右両端部から前方に向けて延びる左右の側壁182 ,182 とを備える。後壁181 の左右上部にはボルト孔183 ,183 を有する取付部184 ,184 が上向きに突設されるとともに、後壁181 の下部には板状の取付フランジ185 が後向に突設される。また左右の側壁182 ,182 の前端は外向きに折り曲げられて取付部186 ,186 が形成されており、その取付部186 ,186 にスタッドボルト19,19が植設される。
【0022】
合成樹脂製のハンドルグリップ20がベースプレート18の左右の側壁182 ,182 間に架設した枢軸21によって揺動自在に枢支される。枢軸21の回りに巻き付けられたネジリばね22の一端がベースプレート18に設けたばね座187 に係止され、他端がハンドルグリップ20に係止される。これにより、ハンドルグリップ20は図8の矢印A方向に付勢される。
【0023】
ハンドルグリップ20は下向きに延びる指掛け201 を一体に備えており、この指掛け201 はライセンスガーニッシュ3の上部接続壁35 に形成した開口310に臨んでいる。
【0024】
ハンドルグリップ20から前方に延びるアーム202 の先端と、車両Vの後部開口部1に臨むようにテールゲート2の下端に設けられたロック手段23とが、テールゲート2の内部に上下動自在に収納されたロッド24により接続される(図2参照)。而して、図8においてライセンスガーニッシュ3の開口310から指を挿入してハンドルグリップ20の指掛け201 を矢印B方向に引くと、ロッド34が矢印C方向に押圧されてロック手段23の作動が解除され、テールゲート2を上方に回動させて開くことができる。
【0025】
さて、テールゲート2に対するテールゲートハンドル17の組付は次のようにして行われる。
【0026】
ベースプレート18及びハンドルグリップ20を一体化したテールゲートハンドル17を予めユニットとして組み立てておく。ベースプレート18から後方に延びる板状の取付フランジ185 の後縁を、ライセンスガーニッシュ3の上部周壁31 の前面に突設した5枚の取付リブ311…に形成したスリット312…に前方から係合させる。そしてベースプレート18から上方に延びる取付部184 ,184 のボルト孔183 ,183 を貫通する2本のボルト25,25を、ライセンスガーニッシュ3の上部周壁31 の前面に突設した2個のボス313,313,に螺入することにより、テールゲートハンドル17をライセンスガーニッシュ3に組み付けることができる。
【0027】
前記5枚の取付リブ311…は極めて薄肉に形成されているため、ライセンスガーニッシュ3の射出成形時に取付リブ311…に対応する上部周壁31 の後面にひけが発生することが防止される。
【0028】
このようにしてテールゲートハンドル17を組み付けたライセンスガーニッシュ3は、ベースプレート18に植設した2本のスタッドボルト19,19をライセンスガーニッシュ支持プレート8を貫通させてナット26,26で締結し、且つライセンスガーニッシュ3に設けた5個のクリップ9…をライセンスガーニッシュ支持プレート8に圧入することにより固定される。そして最後にハンドルグリップ20のアーム202 の先端とロック手段23とがロッド24により接続されるが、その際にロック手段23をスムーズに作動させるべくロッド24の長さが微調整される。
【0029】
上述したように、ユニット化したテールゲートハンドル17を予めライセンスガーニッシュ3に組み付けておき、このライセンスガーニッシュ3をライセンスガーニッシュ支持プレート8に固定しているので、同時に3個以上の部材を共締めする必要がなくなって組付作業の作業性が向上する。特に、ベースプレート18が取付フランジ185 をライセンスガーニッシュ3の取付リブ311…のスリット312…に係合させて仮組みした状態でボルト25,25をボス313,313,に螺入しているので、ライセンスガーニッシュ3に対するベースプレート18の位置決めを正確に行うことが可能となるばかりか、前記ボルト25,25の螺入作業を容易に行うことができる。
【0030】
また、テールゲートハンドル17をライセンスガーニッシュ3に組み付けるとき、或いはライセンスガーニッシュ3をライセンスガーニッシュ支持プレート8に組み付けるときに、取付ブラケット等の特別の部材を用いていないので、部品点数の削減に寄与することができる。しかも、テールゲートハンドル17のベースプレート18が2本のスタッドボルト19,19を介してライセンスガーニッシュ支持プレート8に直接結合されているので、テールゲートハンドル17をライセンスガーニッシュ支持プレート8に対して、つまりテールゲート2に対して正しく位置決めして固定することができる。これにより、ロッド24の長さの調節を最小限に抑えて組付作業の作業性を向上させることができる。
【0031】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0032】
例えば、実施例ではテールゲート2に設けられるライセンスガーニッシュ3を例示したが、本発明はトランクリッドに設けられるライセンスガーニッシュに対しても適用することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載された発明によれば、照明手段の上部及び左右両側部を覆うべく周壁の前面から前方に向けて一体に突出する遮光リブを備えてなり、前記遮光リブは肉厚の小さい薄肉部を介して周壁の前面に接続されるので、別体の遮光リブを周壁に前面に接着するものに比べて部品点数及び加工工数を削減することが可能であり、しかもライセンスガーニッシュを合成樹脂で成形する際に薄肉部の合成樹脂を早期に冷却固化させて周壁の後面にひけが発生するのを防止することができる。
【0034】
また特に照明手段を周壁の前面に固定するボルトを螺入するためのボスを前記薄肉部の前部に一体に形成したので、ヒートマスが大きいボスが周壁の前面に直接接触するのを回避してひけの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の斜視図
【図2】図1の2−2線拡大断面図
【図3】図2の3方向矢視図
【図4】図3の4−4線拡大断面図
【図5】図3の5−5線拡大断面図
【図6】ライセンスガーニッシュの部分斜視図
【図7】図2の7方向拡大矢視図
【図8】図7の8−8線断面図
【符号の説明】
3 ライセンスガーニッシュ
31 上部周壁(周壁)
34 ライセンスプレート支持壁
35 上部接続壁(庇部)
39 開口
4 ライセンスプレート
10 照明手段
151 上部遮光リブ(遮光リブ)
152 薄肉部
153 薄肉部
155 側部遮光リブ(遮光リブ)
156 ボス
16 ボルト
V 車両
Claims (1)
- 車両(V)の車体後部に設けられる合成樹脂製のライセンスガーニッシュ(3)であって、略上下方向に延在して後面にライセンスプレート(4)を支持するライセンスプレート支持壁(34 )と、ライセンスプレート支持壁(34 )の上端から略後方に延びる庇部(35 )と、庇部(35 )の後端から略上方に延びる周壁(31 )とを備え、庇部(35 )に形成した開口(39 )を通してライセンスプレート(4)を照明すべく周壁(31 )の前面に照明手段(10)が設けられるライセンスガーニッシュにおいて、
照明手段(10)の上部及び左右両側部を覆うべく周壁(31 )の前面から前方に向けて一体に突出する遮光リブ(151 ,155 )を備えてなり、
前記遮光リブ(151 ,155 )が、肉厚の小さい薄肉部(152 ,153 )を介して周壁(31 )の前面に接続されると共に、照明手段(10)を周壁(3 1 )の前面に固定するボルト(16)を螺入するためのボス(15 6 )が前記薄肉部(15 3 )の前部に一体に形成されることを特徴とする、ライセンスガーニッシュにおける遮光リブ構造。
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- 1995-11-15 JP JP29711595A patent/JP3631824B2/ja not_active Expired - Fee Related
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