JP3631449B2 - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents

薄膜磁気ヘッド Download PDF

Info

Publication number
JP3631449B2
JP3631449B2 JP2001241998A JP2001241998A JP3631449B2 JP 3631449 B2 JP3631449 B2 JP 3631449B2 JP 2001241998 A JP2001241998 A JP 2001241998A JP 2001241998 A JP2001241998 A JP 2001241998A JP 3631449 B2 JP3631449 B2 JP 3631449B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
shield layer
film
magnetic
hard bias
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001241998A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003059012A (ja
Inventor
修二 柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2001241998A priority Critical patent/JP3631449B2/ja
Publication of JP2003059012A publication Critical patent/JP2003059012A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3631449B2 publication Critical patent/JP3631449B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばハードディスク装置などに搭載される薄膜磁気ヘッドに係り、特にシールド層の磁化を単磁区化して再生特性を向上させることができる薄膜磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
図11は、従来の薄膜磁気ヘッドを磁気記録媒体との対向面であるABS面(Air Bearing Surface)側から示す拡大断面図である。この薄膜磁気ヘッドは、例えば浮上式ヘッドを構成するスライダのトレーリング側端面に、磁気抵抗効果を利用した読出しヘッドh1と、記録用のインダクティブヘッドh2とを積層している。
【0003】
同図に示す薄膜磁気ヘッドにおいて、下部シールド層101は、例えばセンダストやNi−Fe系合金(パーマロイ)などの軟磁性材料で形成されている。下部シールド層101の上に、非磁性材料による下部ギャップ層102が形成されている。そして、この下部ギャップ層102の上に、磁気抵抗効果、例えばAMR効果を発揮する多層膜103が形成されている。
【0004】
この多層膜103の両側には、縦バイアス層として、バイアス層104が形成されており、この縦バイアス磁界はX方向に向けられ、多層膜103が同じX方向に揃えられて単磁区化された状態になる。また、バイアス層104の上には、非磁性、かつ、導電性の材料で電極層105が形成されている。
【0005】
さらに、その上に、非磁性材料による上部ギャップ層106が形成され、その上部ギャップ層106の上には上部シールド層107が形成されている。そして、上部シールド層107の上には、絶縁層(図示しないが)が積層され、この絶縁層の上には、螺旋状のパターンに形成されたコイル層108が設けられている。また、この絶縁層の上には、上部コア層109がパーマロイなどの磁性材料でメッキ形成されている。
【0006】
この上部コア層109は、磁気記録媒体に記録磁界を与えるヘッドh2のトレーリング側コア部として機能している。上部コア層109は、図示のように、ABS面側で上部シールド層107の上にギャップ層110を介して対向し、磁気記録媒体に記録磁界を与える磁気ギャップが形成される。
【0007】
このような構成の薄膜磁気ヘッドでは、磁気記録媒体の信号磁界(紙面に対して垂直方向から印加)により、多層膜103の磁気抵抗効果層(AMR層)の抵抗値が変化し、この抵抗変化を利用して、ヘッドh1が磁気記録媒体から記録情報を読取っている。
【0008】
ところで、このような薄膜磁気ヘッドでは、多層膜103の上下に形成されている上部シールド層107と下部シールド層101に不規則な磁区の変化が発生すると、上部シールド層107及び下部シールド層101と、多層膜103との相互作用により、バルクハウゼンノイズが磁気記録媒体からの再生信号に重畳するなどの悪影響をもたらす。そこで、これらのシールド層101、107に対して、磁化方向を磁化容易軸(X)方向に揃えて単磁区化させ、シールド層101、107の磁化反転(磁気的可逆性)を良好にすることが必要になっている。
【0009】
このような事情から、これらシールド層101、107の磁化方向の制御として、一軸異方性を付与できる軟磁性材料、例えばパーマロイやCo系アモルファス合金などを使用し、これを磁場中で成膜及びアニ−ル処理を施したり、成膜及びアニ−ル処理後にX方向を磁化容易軸とするように磁化させることが行われてきた。
【0010】
しかしながら、このような方法では、これらのシールド層101、107の磁化方向を完全に揃えることが難しく、微視的にみると、磁気異方性が分散した状態(異方性分散)を生じて磁化容易軸がずれてしまう。特に、上部コア層109、上部シールド層(下部コア層)107の間に記録磁界を発生させるたびに、上部シールド層(下部コア層)107に不規則な磁区の変化が発生する。
【0011】
そこで、例えば図12に示すような薄膜磁気ヘッドが提案されている。この薄膜磁気ヘッドは図12に示すように、上下のシールド層107、101毎にトラック幅(Tw)方向の両側に、永久磁石膜からなるハードバイアス膜111、112をそれぞれ形成したものであり、これによってシールド層101、107の磁化を容易軸方向に揃えることができる。
【0012】
ところで、一般に、物性的に見ると、永久磁石のような硬磁性体では、端部に磁極が形成されるため、その端部近傍の特に角部での磁界の強さが最も強くなる傾向がある。この薄膜磁気ヘッドでも、ハードバイアス膜のハイト方向の両端部近傍の角部での磁界が強い。
【0013】
しかも、その一方の端部がABS面と同一面にまで達する状態で形成されて露出しているため、例えばこのハードバイアス膜が磁気記録媒体へ磁気的な影響を及ぼし、不要な書き込みや、書き込まれている情報を消去したり、磁気抵抗効果素子へ悪影響をもたらす、といった不都合を生じている。特に、記録情報の高密度化、狭ギャップ化の傾向とともに、磁気抵抗効果素子へ与えるノイズが問題となる虞れがある。
【0014】
また、このような点からなるべく、シールド層の磁区制御に用いるハードバイアス膜を減らすため、特に記録時の記録磁界によって、不規則な磁区の変動が発生し易い下部コア層の両側のハードバイアス膜を設けたものが提案されている。これを図12に示す。
【0015】
しかしながら、この図12に示す薄膜磁気ヘッドは、下部コア層を兼用する上部シールド層107のトラック幅(X)方向の両側のみにバイアス層111を形成しているので、このバイアス層111のトラック幅(X)方向の両側に位置する端部のうちABS面に臨む角部とよぶ部位から発生する磁界は、前述したように大きい。
【0016】
このため、ここからの漏れ磁界(静磁界)が図12に示すように下部シールド層101に作用し、バイアス層111と下部シールド層との間に複数の磁界ループA1、B1、C1を形成する。そして、この磁界ループA1、B1、C1が存在するために、下部シールド層101のA領域とB領域、C領域との磁界の方向が異なるために、下部シールド層101内に多磁区が形成されやすく、異方分散性となりやすい。その結果、バルクハウゼンノイズを発生し易いといった問題点を生じている。
【0017】
また、この図12に示すような構成の薄膜磁気ヘッドで、仮に、下部シールド層101の両側にも図12に破線で示すバイアス層112が形成されていたとしても、同様に、前述の磁界ループに起因した多磁区化の問題を依然として発生する虞れがある。因みに、この場合には、下部シールド層101内のB領域とC領域とにバイアス層112の磁化方向とは逆向きの磁化が形成される。
【0018】
【発明の目的】
本発明の目的は、上記した事情に鑑み、シールド層の磁化を所定の方向に安定化させることにより、ノイズの発生を抑え、安定した状態で良好な記録再生を行うことができる薄膜磁気ヘッドを得ることにある。
【0019】
【発明の概要】
本発明は、下部シールド層と、この下部シールド層の上に下部ギャップ層を介して形成された磁気抵抗効果を発揮する多層膜と、この多層膜にバイアス磁界を与えるバイアス層と、多層膜にセンス電流を与える電極層と、多層膜上に上部ギャップ層を介して形成された上部シールド層とを備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、上記上部シールド層と下部シールド層のうちの少なくとも一方には、トラック幅方向の左右両側に位置する両側部に、永久磁石膜からなるハードバイアス膜が、該一方のシールド層の積層方向について上下に位置する上面および下面のうち他方のシールド層に臨む上面または下面から露出しないように内部に埋設されていて、ハードバイアス膜の磁気記録媒体寄りの端面が、磁気記録媒体との対向面よりも内部に後退していることを特徴としている。
【0021】
前記上部及び下部シールド層のうちハードバイアス膜を設けていない他方のシールド層のトラック幅方向の両側部の上面側および下面のうちの少なくとも一方には、一対の反強磁性膜が積層形成される。
【0022】
前記ハードバイアス膜によって磁化方向が揃えられている前記上部および下部のシールド層のうちの一方のシールド層の磁化方向と、前記反強磁性膜との交換異方性磁界により磁化方向が揃えられている他方のシールド層の磁化方向とは反平行(180°をなす反対方向)であるのが好ましい。
【0023】
また本発明は、下部シールド層と、この下部シールド層の上に下部ギャップ層を介して形成された磁気抵抗効果を発揮する多層膜と、この多層膜にバイアス磁界を与えるバイアス層と、多層膜にセンス電流を与える電極層と、多層膜上に上部ギャップ層を介して形成された上部シールド層と、上部シールド層の上に磁気ギャップ層を介して積層された上部コア層とを備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、上記上部シールド層と下部シールド層のうちの少なくとも一方には、トラック幅方向の両側部に、永久磁石膜からなるハードバイアス膜が、該一方のシールド層の積層方向について上下に位置する上面および下面のうち他方のシールド層に臨む上面または下面から露出しないように内部に埋設されていて、ハードバイアス膜の磁気記録媒体寄りの端面が、磁気記録媒体との対向面よりも内部に後退していることを特徴としている。
【0025】
また、本発明でも、前記上部及び下部シールド層のうちハードバイアス膜を設けていない他方のシールド層のトラック幅方向の両側部の上面および下面の少なくとも一方には、一対の反強磁性膜が積層されていることが好ましい。
【0026】
また、本発明でも、前記ハードバイアス膜によって磁化方向が揃えられている前記上部および下部のシールド層のうちの一方のシールド層の磁化方向と、前記反強磁性膜との交換異方性磁界により磁化方向が揃えられている他方のシールド層の磁化方向とは反平行であるのが好ましい。
【0027】
さらに本発明は、下部シールド層と、この下部シールド層の上に下部ギャップ層を介して形成された磁気抵抗効果を発揮する多層膜と、この多層膜にバイアス磁界を与えるバイアス層と、多層膜にセンス電流を与える電極層と、多層膜上に上部ギャップ層を介して形成された上部シールド層と、上部シールド層の上に形成された非磁性中間層と、この非磁性中間層の上に磁気ギャップ層を介して対向する下部コア層及び上部コア層とを備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、上記上部シールド層と下部シールド層のうちの少なくとも一方には、トラック幅方向の両側部に、永久磁石膜からなるハードバイアス膜が、該一方のシールド層の積層方向について上下に位置する上面および下面のうち他方のシールド層に臨む上面または下面から露出しないように内部に埋設されていて、ハードバイアス膜の磁気記録媒体寄りの端面が、磁気記録媒体との対向面よりも内部に後退していることを特徴としている。
【0029】
また、本発明でも、前記上部及び下部シールド層のうちハードバイアス膜を設けていない他方のシールド層のトラック幅方向の両側部の上面および下面の少なくとも一方には、一対の反強磁性膜が積層されているのが好ましい。
【0030】
また、本発明でも、前記ハードバイアス膜によって磁化方向が揃えられている前記上部および下部のシールド層のうちの一方のシールド層の磁化方向と、前記反強磁性膜との交換異方性磁界により磁化方向が揃えられている他方のシールド層の磁化方向とは反平行であるのが好ましい。
【0031】
【発明の実施形態】
以下、この発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
図1(A)は、本発明の第1の実施形態に係るマージド(merged)タイプの薄膜磁気ヘッドを磁気記録媒体(図略)との対向面となるABS(Air Bearing Surface)面からみた正面図、同図(B)はこの薄膜磁気ヘッドを積層方向の上側からみた平面図である。なお、図示外のハードディスクまたは磁気テープなどの磁気記録媒体の移動方向はZ方向であり、磁気記録媒体からの信号磁界の方向はY方向である。図1に示す薄膜磁気ヘッドは、浮上式ヘッドを構成するスライダのトレーリング側端面に形成されたものであリ、読出しヘッドh1と、記録用のインダクティブヘッドh2とが積層されている。
【0032】
この読出しヘッドh1は、磁気抵抗効果を利用してハードディスクなどの磁気記録媒体からの信号磁界を検出し、記録信号を読み取るものである。スライダのトレーリング側端面には、軟磁性材料からなる下部シールド層1が形成されている。
【0033】
この下部シールド層1は、パーマロイやCo(コバルト)系アモルファス合金のように、一軸異方性をもつ軟磁性材やセンダストのような等方的な軟磁性材料により形成される。
【0034】
前記下部シールド層1の上側には、アルミナ(Al)などの非磁性材料により、下部ギャップ層21が形成され、この下部ギャップ層21上には、磁気抵抗効果を発揮する多層膜2が設けられている。
【0035】
この多層膜2は、図示しないが、下から順に、反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層、フリー磁性層の順に積層させ、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子(GMR)を構成している。なお、多層膜2の積層体は、下から順に、フリー磁性層、非磁性導電層、固定磁性層、反強磁性層の順に積層してもよい。また、多層膜2は、磁気抵抗効果層、軟磁性層を備えた異方性磁気抵抗効果素子(AMR)で構成してもよい。
【0036】
多層膜2の反強磁性層は、PtMn(プラチナ・マンガン)から形成されているが、例えば、元素X(ただし、Xは、Pt、Pd、Ir、Rh、Ru、Osのうち1種または2種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁性材料、あるいは、元素Xと元素X′合金(ただし、元素X′は、Ne、Ar、Kr、Xe、Be、B、C、N、Mg、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ag、Cd、Sn、Hf、Ta、W、Re、Au、Pb、及び希土類元素のうち1種または2種以上の元素である)とMnを含有する反強磁性材料により形成することができる。
【0037】
前記固定磁性層は、NiFe合金、CoFe合金、Co、CoNiFe合金などにより形成される。この固定磁性層が積層された後、ハイト方向(図示Y方向)への磁場中アニールを施すことで、固定磁性層と反強磁性層との界面で発生する交換結合磁界により、固定磁性層の磁化はハイト方向(図示Y方向)に強固に固定される。
【0038】
前記非磁性導電層は、例えばCuなどの電気抵抗の低い導電性材料によって形成される。この非磁性導電層上にはフリー磁性層が形成される。このフリー磁性層は、NiFe合金、CoFe合金、Co、CoNiFe合金などにより形成される。前記保護層はTaなどで形成される。
【0039】
このように略台形状に形成した多層膜2の両側領域には、下から順にバイアス層22、電極層23がそれぞれ積層されている。なお、バイアス層22の下には図示しないバイアス下地層を形成してもよい。
【0040】
バイアス層22の下に形成するバイアス下地層は、例えば、結晶構造が体心立方構造(bcc構造)の金属膜で形成される。具体的には、Cr、W、Mo、V、Mn、Nb、Taのいずれか1種または2種以上の元素で形成することができるが、特に、Cr膜で形成することが好ましい。このCr膜は、バイアス層22の結晶配向を整える機能に優れ、バイアス層22の保磁力を適切に大きくすることができるからである。
【0041】
バイアス層22は、CoPt合金やCoPtCr合金などの硬磁性材料で形成される。電極層23には、Au、Ta、Cr、Rh、Wなどが一般に使用されている。さらに、このバイアス層22上には、電極層23が形成される。
【0042】
次に、磁気抵抗効果を発揮する多層膜2、及び電極層23の上には、アルミナ(Al)などの非磁性材料の上部ギャップ層24が形成される。この上部ギャップ層24の上には、読出しヘッドh1の上部シールド機能を有する上部シールド層3が形成される。
【0043】
この上部シールド層3には、パーマロイやCo(コバルト)系アモルファス合金のように、一軸異方性をもつ軟磁性材やセンダストのような等方的な軟磁性材料により形成される。なお、この実施形態では、上部シールド層3が、記録用のインダクティブヘッドh2側の下部コア層を兼用している。この上部シールド層3には、トラック幅(Tw)方向の両側領域に位置する両側部3Aに、本発明の特徴の一つである、永久磁石膜のハードバイアス膜4が形成されている。
【0044】
このハードバイアス膜4は、上部シールド層3に対して、磁化方向を磁化容易軸方向(X方向)に揃えて単磁区化させ、上部シールド層3の磁化反転(磁気的可逆性)を良好にするためのものであり、多層膜2中のバイアス層22と同様に、CoPt合金やCoPtCr合金などの硬磁性材料で形成される。
【0045】
本実施形態では、特に、このハードバイアス膜4のハイト(Y)方向の前後に位置する両端面4A、4A´(図1(B)参照)が磁界が最も強い磁極の形成部分となるが、このうち特に、本発明では、磁気記録媒体の対向面寄りの端面4Aを、磁気記録媒体(図略)との対向面となるABS(Air Bearing Surface)面よりもハイト(Y)方向の内部側にΔhだけ後退して形成させている。
【0046】
上部シールド層3の上には、非磁性材料で磁気ギャップ層6が形成される。この磁気ギャップ層6上には、ポリイミドまたはレジスト材料を用いた図示外の絶縁層を介して平面的に螺旋状にパターン形成されたコイル層25が設けられている。なお、このコイル層25は、Cuなどの電気抵抗の小さな非磁性、かつ、導電性の材料で形成される。このコイル層25上には、絶縁層を介して記録用のインダクティブヘッドh2のトレーリング側コア部となる上部コア層7が軟磁性材料で形成されている。なお、この上部コア層7のX方向の幅寸法が、トラック幅Twとなる。
【0047】
▲1▼従って、この実施形態によれば、上部シールド層3のトラック幅(X)方向の両側に永久磁石のハードバイアス膜4を形成し、この上部シールド層3を、ハードバイアス膜4との接触面からの漏れ磁界(残留磁化)により、トラック幅(X)方向が磁化容易軸方向となるように単磁区化することによって、薄膜磁気ヘッドとしてのヒシテリシスが無くなり、保磁力は非常に小さくなる。
【0048】
▲2▼このハードバイアス膜4は、前述したように、端面4Aを磁気記録媒体の対向面となるABS(Air Bearing Surface)面から後退させた内部に設けることにより、ハードバイアス膜4が磁気記録媒体に対して離間するので、例えば、磁気記録媒体への不要な磁気的書込み、或は書き込まれている情報の不必要な消去、といった問題を防止できる。
【0049】
▲3▼このハードバイアス膜4は、上部シールド層3に埋め込まれており、積層方向(Z)の下側に位置する下面4Bは上部シールド層3から外部へ露出しないようになっている。このように、ハードバイアス膜4を埋め込むことで、ハードバイアス膜4の角部4Eから漏れ出る磁界が減少し、下部シールド層1、上部シールド層3の一軸異方性が安定化するという効果が得られる。
【0050】
即ち、ハードバイアス膜4、4と下部シールド層1との間には、上部シールド層3において、下部シールド層1に臨む下面寄りの一部3B(以下、これを延出部とよぶ)が延出して形成されている。この延出部3Bが存在することにより、ハードバイアス膜4、4の角部4Eは、延出部3Bで被覆される。このハードバイアス膜4、4の角部4Eが、上部シールド層3の延出部3Bで覆われていることにより、上部シールド層3と下部シールド層1との間には、局部的な磁気ループが形成されるのを回避することができる。
【0051】
▲4▼さらに、このハードバイアス膜4と上部シールド層3とは、直接接触しており、強磁性結合が相互作用しているため、上部シールド層3の延出部3Bをハードバイアス膜4の磁化方向と同一方向に磁化し、ハードバイアス膜4、4の角部4Fにおける磁気勾配を緩慢にさせる効果をもたらしている。
【0052】
▲5▼また、前述したように、上部シールド層3は一対のハードバイアス膜4により磁化方向を揃えて単磁区化できるが、上部シールド層3のトラック幅(X)方向の両側部3Aと下部シールド層1の両側部1Aとにおける静磁界B2、C2の磁界ループ(磁路)の形成により、下部シールド層1の磁化方向も揃えることができる。従って、上部シールド層3は、記録時の記録磁界および磁気記録媒体からの信号磁界が印加されても、磁化反転が可逆的に発生し、不規則な磁区の変化を伴わずに、出力信号にはバルクハウゼンノイズが重畳することがない。
【0053】
なお、この実施形態では、ハードバイアス膜4、4の積層方向(Z)の上側に位置する上面4Dは、上部シールド層3から外部に露出しているが、上部シールド層3の一部に埋め込んで露出しないように形成してもよい。
【0054】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図2(A)は、本発明の第2の実施形態に係るマージド(merged)タイプの薄膜磁気ヘッドを磁気記録媒体(図略)との対向面となるABS(Air Bearing Surface)面からみた概略正面図、同図(B)はこの薄膜磁気ヘッドを積層方向の上側からみた概略平面図である。なお、図示外のハードディスクまたは磁気テープなどの磁気記録媒体の移動方向はZ方向であり、磁気記録媒体からの信号磁界の方向はY方向である。図2に示す薄膜磁気ヘッドが、第1の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドと異なるところは、ハードバイアス膜4を上部シールド層3に形成する替わりに、下部シールド層1にハードバイアス膜4を形成している点である。
【0055】
即ち、この下部シールド層1には、トラック幅(X)方向の両側端部に位置する両側部1Aに、永久磁石膜からなるハードバイアス膜4が形成されている。このハードバイアス膜4は、下部部シールド層1に対して、磁化方向を磁化容易軸方向(X方向)に揃えて単磁区化させ、下部シールド層1の磁化反転(磁気的可逆性)を良好にするためのものであり、多層膜2中のバイアス層22と同様に、CoPt合金やCoPtCr合金などの硬磁性材料で形成される。
【0056】
また、本実施形態でも、特に、このハードバイアス膜4のハイト(Y)方向の前後に位置する両端面4A、4A´(図2(B)参照)が磁界が最も強い磁極の形成部分となるが、このうち特に、本発明では、磁気記録媒体の対向面寄りの端面4Aを、磁気記録媒体(図略)との対向面となるABS(Air Bearing Surface)面よりもハイト(Y)方向の内部側にΔhだけ後退して形成させている。
【0057】
▲1▼従って、この実施形態によれば、下部シールド層1のトラック幅(X)方向の両側に永久磁石膜のハードバイアス膜4を形成し、この下部シールド層1を、ハードバイアス膜4との接触面からの漏れ磁界(残留磁化)により、X方向が磁化容易軸方向となるように単磁区化することによって、薄膜磁気ヘッドとしてのヒシテリシスが無くなり、保磁力は非常に小さくなる。
【0058】
▲2▼このハードバイアス膜4は前述したように、磁気記録媒体の対向面寄りの端面4Aを磁気記録媒体の対向面となるABS(Air Bearing Surface)面から後退させた内部に設けることにより、ハードバイアス膜4が磁気記録媒体に対して離間するので、例えば、磁気記録媒体への不要な磁気的書込み、或は書き込まれている情報の不必要な消去、といった問題を防止できる。
【0059】
▲3▼しかも、このハードバイアス膜4は、下部シールド層1に埋め込まれており、積層方向(Z)の上側に位置する上面4Dは下部シールド層1から外部へ露出しないようになっている。このように、ハードバイアス膜4を埋めこむことで、ハードバイアス膜4の角部4Eから漏れ出る磁界が減少し、下部シールド層1と上部シールド層3の一軸異方性が安定化するといった効果が得られる。
【0060】
即ち、ハードバイアス膜4と上部シールド層3との間には、下部シールド層1において、上部シールド層3に臨む上面寄りの一部1B(以下、これを延出部とよぶ)が延出して形成されており、この延出部1Bが存在することにより、ハードバイアス膜4、4の角部4Eは上部シールド層3に向けて露出せずに済む。その結果、このハードバイアス膜4、4の角部4Eが、下部シールド層1の延出部1Bで覆われていることにより、下部シールド層1と上部シールド層3との間には、局部的な磁気ループが形成されるのを回避することができる。
【0061】
▲4▼さらに、ハードバイアス膜4と下部シールド層1とは、直接接触しており、強磁性結合が相互作用しているため、下部シールド層1の延出部1Bをハードバイアス膜4の磁化方向と同一方向に磁化し、ハードバイアス膜4、4の角部4Fにおける磁気勾配を緩慢にさせる効果をもたらす。
【0062】
▲5▼また、前述したように、下部シールド層1は一対のハードバイアス膜4により磁化方向を揃えて単磁区化できるが、下部シールド層1のトラック幅(X)方向の両側部1Aと上部シールド層3の両側部3Aとにおける静磁界B2、C2の磁界ループ(磁路)の形成により、上部シールド層3の磁化方向も揃えることができる。従って、下部シールド層1は、記録時の記録磁界および磁気記録媒体からの信号磁界が印加されても、磁化反転が可逆的に発生し、不規則な磁区の変化を伴わずに、出力信号にはバルクハウゼンノイズが重畳することがない。
【0063】
なお、この実施形態では、ハードバイアス膜4の積層方向(Z)の下側に位置する下面4Bは、下部シールド層1から外部に露出しているが、下部シールド層1の一部に埋め込んで露出しないように形成してもよい。
【0064】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について、図3を参照しながら説明する。なお、この実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。図3に示す薄膜磁気ヘッドが、第1の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドと異なるところは、下部シール層1の積層(Z)方向の上下両面のうち上面に、反強磁性膜27が形成されている点であり、この反強磁性膜27との交換結合により、下部シールド層1は上部シールド層3の磁化方向と反対方向に磁化が揃えられている。また、下部シールド層1は、積層(Z)方向の上下両面のうち下面に、反強磁性膜28が形成される構成としてもよく、或いは上面及び下面の双方にそれぞれ反強磁性膜27、28が形成されていてもよい。
【0065】
一方、上部シールド層3には、トラック幅(X)方向の両側端部に位置する両側部3Aに、永久磁石膜からなるハードバイアス膜4が形成されている。このハードバイアス膜4は、上部シールド層3に対して、磁化方向を磁化容易軸方向(X方向)に揃えて単磁区化させ、上部シールド層3の磁化反転(磁気的可逆性)を良好にするためのものであり、多層膜2中のバイアス層22と同様に、CoPt合金やCoPtCr合金などの硬磁性材料で形成される。
【0066】
従って、この実施形態によれば、この上部シールド層3は、ハードバイアス膜4により磁化方向が揃えられ、単磁区化できる一方、下部シールド層1は反強磁性膜27との交換異方性磁界により、磁化方向が揃えられ、単磁区化できる。
なお、上部シールド層3と下部シールド層1との磁化方向は反平行が好ましく、この場合、上部シールド層3と下部シールド層1との両側部3A、1Aで発生する静磁界B2、C2による磁界ループにより、磁化方向がより安定となる。
【0067】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について、図4を参照しながら説明する。なお、この実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図4に示す薄膜磁気ヘッドが、第1の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドと異なるところは、上部シールド層3の積層(Z)方向の上下に位置する両面のうち上面に反強磁性膜29が形成されている点であり、この反強磁性膜29との交換結合により、上部シールド層3は下部シールド層1の磁化方向と反対方向に磁化が揃えられている。また、上部シールド層3は、積層(Z)方向の上下に位置する両面のうち下面に反強磁性膜30が形成された構成としてもよく、或いは上面及び下面の双方にそれぞれ反強磁性膜29、30が形成されていてもよい。
【0068】
一方、下部シールド層1には、トラック幅(X)方向の両側端部に位置する両側部1Aに、永久磁石膜からなるハードバイアス膜4が形成されている。このハードバイアス膜4は、下部シールド層1に対して、磁化方向を磁化容易軸方向(X方向)に揃えて単磁区化させ、下部シールド層1の磁化反転(磁気的可逆性)を良好にするためのものであり、多層膜2中のバイアス層22と同様に、CoPt合金やCoPtCr合金などの硬磁性材料で形成される。
【0069】
従って、この実施形態によれば、この下部シールド層1は、ハードバイアス膜4により磁化方向が揃えられ、単磁区化できる一方、上部シールド層3は反強磁性膜29との交換異方性磁界により、磁化方向が揃えられ、単磁区化できる。
なお、上部シールド層3と下部シールド層1との磁化方向は反平行が好ましく、この場合、上部シールド層3と下部シールド層1との両側部3A、1Aで発生する静磁界B2、C2による磁界ループにより、磁化方向がより安定となる。
【0070】
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について、図5を参照しながら説明する。なお、この実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図5に示す薄膜磁気ヘッドが、図1に示す第1の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドと異なるのは、上部シールド層3がシールド専用層であり、非磁性中間層26を介して下部コア層5がコア専用層として設けられている点である。
従って、このような構成によれば、下部コア専用層として下部コア層5が設けられているため、記録磁界の生成時に、上部シールド層3に直接磁界を印加されずにすみ、上部シールド層3内の不規則な磁区の発生をさらに防止することができる。
【0071】
なお、この実施形態では、ハードバイアス膜4、4の積層(Z)方向の上下に位置する上面4D及び下面4Bが上部シールド層3に埋め込まれて外部に露出しないようになっているが、このように露出させないように構成することで、下部コア層5には、静磁界による多磁区の発生を抑制することができる。これにより、安定した記録磁界を磁気記録媒体に供給することができる。
また、ハードバイアス膜4は、製造を容易にするために、上面4Dを上部シールド層3の上面と同一位置まで形成して非磁性中間層26に、直接、臨ませるようにしてもよい。
【0072】
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態について、図6を参照しながら説明する。なお、この実施形態において、第2の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図6に示す薄膜磁気ヘッドが、図2に示す第2の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドと異なるところは、上部シールド層3がシールド専用層であり、非磁性中間層26を介して下部コア層5がコア専用層として設けられている点である。
従って、このような構成によれば、下部コア専用層として下部コア層5が設けられているため、記録磁界の生成時に、上部シールド層3に直接磁界を印加させずにすみ、上部シールド層3内の不規則な磁区の発生をさらに防止することができる。
【0073】
なお、この実施形態では、ハードバイアス膜4が下部シールド層1に埋め込まれて上面4D及び下面4Bが外部に露出しないようになっている。このように上面4D及び下面4Bを露出させないようにハードバイアス膜4を埋めこむことで、ハードバイアス膜4の角部4Eから漏れ出る磁界が減少し、下部シールド層1、上部シールド層3の一軸異方性が安定化するといった効果が得られる。
また、ハードバイアス膜4は、製造を容易にするために、上面4Dを下部シールド層1の上面と同一位置まで形成して上部ギャップ層24に臨ませるようにしてもよい。
【0074】
[第7の実施形態]
次に、本発明の第7の実施形態について、図7を参照しながら説明する。なお、この実施形態において、第3の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図7に示す薄膜磁気ヘッドが、図3に示す第3の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドと異なるのは、上部シールド層3がシールド専用層であり、非磁性中間層26を介して下部コア層5がコア専用層として設けられている点である。
従って、このような構成によれば、下部コア専用層として下部コア層5が設けられているため、記録磁界の生成時に、上部シールド層3に直接磁界を印加されずにすみ、上部シールド層3内の不規則な磁区の発生をさらに防止することができる。
【0075】
なお、この実施形態では、ハードバイアス膜4、4の上面4D及び下面4Bが上部シールド層3に埋め込まれて外部に露出しないようになっているが、このように、ハードバイアス膜4を埋め込んで露出させないようにすることで、ハードバイアス膜4の角部4Eから漏れ出る磁界が減少し、下部シールド層1と上部シールド層3の一軸異方性が安定化するといった効果が得られる。
また、ハードバイアス膜4は、製造を容易にするために、上面4Dを上部シールド層3の上面と同一位置まで形成して非磁性中間層26に臨ませるようにしてもよい。
【0076】
[第8の実施形態]
次に、本発明の第8の実施形態について、図8を参照しながら説明する。なお、この実施形態において、第4の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図8に示す薄膜磁気ヘッドが、図4に示す第4の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドと異なるのは、上部シールド層3がシールド専用層であり、非磁性中間層26を介して下部コア層5がコア専用層として設けられている点である。
従って、このような構成によれば、下部コア専用層として下部コア層5が設けられているため、記録磁界の生成時に、上部シールド層3に直接磁界を印加されずにすみ、上部シールド層3内の不規則な磁区の発生をさらに防止することができる。
【0077】
また、この薄膜磁気ヘッドでも、第4の実施形態と同様に、上部シールド層3の上下両面のうち、上面に反強磁性膜29が形成されており、この反強磁性膜29との交換結合により、上部シールド層3は下部シールド層1の磁化方向と反対方向に磁化が揃えられている。
また、この薄膜磁気ヘッドでも、第4の実施形態と同様に、上部シールド層3は、上下両面のうち、下面に反強磁性膜30が形成された構成としてもよく、或いは上面及び下面の双方にそれぞれ反強磁性膜29、30が形成されていてもよい。
【0078】
[第9の実施形態]
次に、本発明の第9の実施形態について、図9を参照しながら説明する。なお、この実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図9に示す薄膜磁気ヘッドが、図1に示す第1の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドと異なる点は、下部シールド層1と上部シールド層3の双方に、ハードバイアス膜4が形成されており、下部シールド層1と上部シールド層3の磁化方向が同一であるところである。なお、この場合に、静磁界の単一磁界ループは形成されない。
【0079】
しかしながら、この実施形態でも、ハードバイアス膜4の端面4Aを磁気記録媒体の対向面側の端面に露出させずにハイト(Y)方向の内部に後退させた状態に形成してあるため、磁気記録媒体上の情報を消去するといった虞れはない。また、下部シールド層1と上部シールド層3とにハードバイアス膜4が形成されているため、各々のシールド層は単磁区化されて磁化方向が揃っている。
【0080】
[第10の実施形態]
次に、本発明の第10の実施形態について、図10を参照しながら説明する。なお、この実施形態において、第9の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図10に示す薄膜磁気ヘッドが、図9に示す第9の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドと異なるのは、上部シールド層3がシールド専用層であり、非磁性中間層26を介して下部コア層5がコア専用層として設けられている点である。
従って、このような構成によれば、下部コア専用層として下部コア層5が設けられているため、記録磁界の生成時に、上部シールド層3に直接磁界を印加されずにすみ、上部シールド層3内の不規則な磁区の発生をさらに防止できる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、上部シールド層及び下部シールド層のうち少なくとも一方のシールド層には、トラック幅方向の両端部側に、永久磁石膜からなるハードバイアス膜が埋設されているとともに、このハードバイアス膜の磁気記録媒体と対向する面側の端面が、磁気記録媒体との対向面よりも内部へ後退している。
【0082】
従って、シールド層の磁化を所定の方向に安定化させることができるばかりか、ハードバイアス膜が磁気記録媒体に対して離間するので、例えば、このハードバイアス膜が磁気記録媒体へ磁気的な悪影響を及ぼし、不要な書き込みや、書き込まれている情報を不必要に消去したり、磁気抵抗効果素子へ悪影響をもたらす、といった不都合が発生するのを同時に防止できるようになる。これにより、ノイズの発生を抑え、安定した状態で良好な記録再生を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、本発明の第1の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドをABS面から見た正面図、(B)は、同平面図である。
【図2】(A)は、本発明の第2の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドをABS面から見た正面図、(B)は、同平面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドをABS面から見た正面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドをABS面から見た正面図である。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドをABS面から見た正面図である。
【図6】本発明の第6の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドをABS面から見た正面図である。
【図7】本発明の第7の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドをABS面から見た正面図である。
【図8】本発明の第8の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドをABS面から見た正面図である。
【図9】本発明の第9の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドをABS面から見た正面図である。
【図10】本発明の第10の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドをABS面から見た正面図である。
【図11】従来の薄膜磁気ヘッドをABS面側から見た断面図である。
【図12】従来の他の薄膜磁気ヘッドをABS面側から見た断面図である。
【符号の説明】
1 下部シールド層
1A 両側部
1B 延出部
2 多層膜
21 下部ギャップ層
22 バイアス層
23 電極層
24 上部ギャップ層
25 コイル層
26 非磁性中間層
27 反強磁性膜
28 反強磁性膜
29 反強磁性膜
3 上部シールド層
3A 両側部
3B 延出部
4 ハードバイアス膜
4A 端面
4B 下面
4D 上面
4E 角部
4F 角部
5 下部コア層
6 磁気ギャップ層
7 上部コア層
B2 静磁界
C2 静磁界
h1 読出しヘッド
h2 インダクティブヘッド(記録用)
X トラック幅方向
Y ハイト方向
Z 積層方向

Claims (9)

  1. 下部シールド層と、この下部シールド層の上に下部ギャップ層を介して形成された磁気抵抗効果を発揮する多層膜と、この多層膜にバイアス磁界を与えるバイアス層と、前記多層膜にセンス電流を与える電極層と、前記多層膜上に上部ギャップ層を介して形成された上部シールド層とを備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、
    前記上部シールド層と前記下部シールド層のうちの少なくとも一方には、トラック幅方向の左右両側に位置する両側部に、永久磁石膜からなるハードバイアス膜が、該一方のシールド層の積層方向について上下に位置する上面および下面のうち他方のシールド層に臨む前記上面または下面から露出しないように内部に埋設されていて、
    前記ハードバイアス膜の磁気記録媒体寄りの端面が、磁気記録媒体との対向面よりも内部に後退していることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記上部及び下部シールド層のうちハードバイアス膜を設けていない他方のシールド層のトラック幅方向の両側部の上面側および下面のうちの少なくとも一方には、一対の反強磁性膜が積層されていることを特徴とする請求項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記ハードバイアス膜によって磁化方向が揃えられている前記上部および下部のシールド層のうちの一方のシールド層の磁化方向と、前記反強磁性膜との交換異方性磁界により磁化方向が揃えられている他方のシールド層の磁化方向とは反平行であることを特徴とする請求項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 下部シールド層と、この下部シールド層の上に下部ギャップ層を介して形成された磁気抵抗効果を発揮する多層膜と、この多層膜にバイアス磁界を与えるバイアス層と、前記多層膜にセンス電流を与える電極層と、前記多層膜上に上部ギャップ層を介して形成された上部シールド層と、上部シールド層の上に磁気ギャップ層を介して積層された上部コア層とを備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、
    前記上部シールド層と前記下部シールド層のうちの少なくとも一方には、トラック幅方向の両側部に、永久磁石膜からなるハードバイアス膜が、該一方のシールド層の積層方向について上下に位置する上面および下面のうち他方のシールド層に臨む前記上面または下面から露出しないように内部に埋設されていて、
    前記ハードバイアス膜の磁気記録媒体寄りの端面が、磁気記録媒体との対向面よりも内部に後退していることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  5. 前記上部及び下部シールド層のうちハードバイアス膜を設けていない他方のシールド層のトラック幅方向の両側部の上面および下面の少なくとも一方には、一対の反強磁性膜が積層されていることを特徴とする請求項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 前記ハードバイアス膜によって磁化方向が揃えられている前記上部および下部のシールド層のうちの一方のシールド層の磁化方向と、前記反強磁性膜との交換異方性磁界により磁化方向が揃えられている他方のシールド層の磁化方向とは反平行であることを特徴とする請求項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 下部シールド層と、この下部シールド層の上に下部ギャップ層を介して形成された磁気抵抗効果を発揮する多層膜と、この多層膜にバイアス磁界を与えるバイアス層と、前記多層膜にセンス電流を与える電極層と、前記多層膜上に上部ギャップ層を介して形成された上部シールド層と、前記上部シールド層の上に形成された非磁性中間層と、この非磁性中間層の上に磁気ギャップ層を介して対向する下部コア層及び上部コア層とを備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、
    前記上部シールド層と前記下部シールド層のうちの少なくとも一方には、トラック幅方向の両側部に、永久磁石膜からなるハードバイアス膜が、該一方のシールド層の積層方向について上下に位置する上面および下面のうち他方のシールド層に臨む前記上面または下面から露出しないように内部に埋設されていて、
    前記ハードバイアス膜の磁気記録媒体寄りの端面が、磁気記録媒体との対向面よりも内部に後退していることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  8. 前記上部及び下部シールド層のうちハードバイアス膜を設けていない他方のシールド層のトラック幅方向の両側部の上面および下面の少なくとも一方には、一対の反強磁性膜が積層されていることを特徴とする請求項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 前記ハードバイアス膜によって磁化方向が揃えられている前記上部および前記下部のシールド層のうちの一方のシールド層の磁化方向と、前記反強磁性膜との交換異方性磁界により磁化方向が揃えられている他方のシールド層の磁化方向とは反平行であることを特徴とする請求項に記載の薄膜磁気ヘッド。
JP2001241998A 2001-08-09 2001-08-09 薄膜磁気ヘッド Expired - Fee Related JP3631449B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001241998A JP3631449B2 (ja) 2001-08-09 2001-08-09 薄膜磁気ヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001241998A JP3631449B2 (ja) 2001-08-09 2001-08-09 薄膜磁気ヘッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003059012A JP2003059012A (ja) 2003-02-28
JP3631449B2 true JP3631449B2 (ja) 2005-03-23

Family

ID=19072346

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001241998A Expired - Fee Related JP3631449B2 (ja) 2001-08-09 2001-08-09 薄膜磁気ヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3631449B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4185528B2 (ja) 2005-03-18 2008-11-26 Tdk株式会社 薄膜磁気ヘッド
US7961438B2 (en) * 2008-05-28 2011-06-14 Tdk Corporation Magnetoresistive device of the CPP type, and magnetic disk system
JP5505817B2 (ja) 2010-06-09 2014-05-28 アルプス・グリーンデバイス株式会社 磁気平衡式電流センサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003059012A (ja) 2003-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0790600B1 (en) Magnetoresistive effect head
JP3947727B2 (ja) 磁気的に軟かつ安定した高磁気モーメントの主磁極を有する垂直ライタ
US7554765B2 (en) Magnetic head for perpendicular recording with suppressed side writing and erasing
US6018443A (en) Thin film magnetic head having hard films for magnetizing a shield layer in a single domain state
US6466419B1 (en) Current perpendicular to plane spin valve head
KR100319035B1 (ko) 박막자기헤드,기록재생분리형자기헤드,및이들을이용한자기기록재생장치
US7382574B2 (en) Layered perpendicular writer with pole tip partially embedded in yoke
JP3657916B2 (ja) 磁気抵抗効果ヘッドおよび垂直磁気記録再生装置
US6556392B1 (en) Spin valve head with exchange bias stabilized free layer
US20030193757A1 (en) Magnetic head and magnetic recording/reproduction device
JP2004030881A (ja) 磁気再生ヘッドおよびその製造方法
US9053720B1 (en) High moment wrap shields for magnetic read head to improve micro-magnetic read width
US20090080125A1 (en) Magnetic head
KR100278873B1 (ko) 자기저항효과소자 및 그 제조방법
JP3734716B2 (ja) 磁気検出素子の製造方法
JPH0877519A (ja) 磁気抵抗効果型トランスジューサ
JP3817399B2 (ja) 磁気抵抗センサー
US7145755B2 (en) Spin valve sensor having one of two AP pinned layers made of cobalt
JP4549546B2 (ja) スピンバルブ構造,磁気抵抗効果素子および薄膜磁気ヘッド
US7173796B2 (en) Spin valve with a capping layer comprising an oxidized cobalt layer and method of forming same
US6731478B2 (en) Magnetoresistive effect head
JP3631449B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド
JP2008192269A (ja) 磁気リード・ヘッド及びその製造方法
JP2001067862A (ja) 磁気メモリ素子
US20070047140A1 (en) Electroplated multiple layer soft magnetic materials with high magnetic moment

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071224

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091224

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091224

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091224

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees