JP2003059012A - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents

薄膜磁気ヘッド

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JP2003059012A
JP2003059012A JP2001241998A JP2001241998A JP2003059012A JP 2003059012 A JP2003059012 A JP 2003059012A JP 2001241998 A JP2001241998 A JP 2001241998A JP 2001241998 A JP2001241998 A JP 2001241998A JP 2003059012 A JP2003059012 A JP 2003059012A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シールド層の磁化を所定の方向に安定化させ
ることにより、ノイズの発生を抑え、安定した状態で良
好な記録再生を行うことができなかった。 【構成】 上部シールド層3及び下部シールド層1のう
ちの少なくとも一方のトラック幅Tw方向の両側部1A
に、永久磁石膜からなるハードバイアス膜4が形成され
ているとともに、このハードバイアス膜4の磁気記録媒
体との対向面(ABS面)側の端面4Aが、磁気記録媒
体の対向面(ABS面)よりも内部に後退している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばハードディ
スク装置などに搭載される薄膜磁気ヘッドに係り、特に
シールド層の磁化を単磁区化して再生特性を向上させる
ことができる薄膜磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】図11は、従来の薄膜磁気
ヘッドを磁気記録媒体との対向面であるABS面(Air
Bearing Surface)側から示す拡大断面図である。この
薄膜磁気ヘッドは、例えば浮上式ヘッドを構成するスラ
イダのトレーリング側端面に、磁気抵抗効果を利用した
読出しヘッドh1と、記録用のインダクティブヘッドh
2とを積層している。
【0003】同図に示す薄膜磁気ヘッドにおいて、下部
シールド層101は、例えばセンダストやNi−Fe系
合金(パーマロイ)などの軟磁性材料で形成されてい
る。下部シールド層101の上に、非磁性材料による下
部ギャップ層102が形成されている。そして、この下
部ギャップ層102の上に、磁気抵抗効果、例えばAM
R効果を発揮する多層膜103が形成されている。
【0004】この多層膜103の両側には、縦バイアス
層として、バイアス層104が形成されており、この縦
バイアス磁界はX方向に向けられ、多層膜103が同じ
X方向に揃えられて単磁区化された状態になる。また、
バイアス層104の上には、非磁性、かつ、導電性の材
料で電極層105が形成されている。
【0005】さらに、その上に、非磁性材料による上部
ギャップ層106が形成され、その上部ギャップ層10
6の上には上部シールド層107が形成されている。そ
して、上部シールド層107の上には、絶縁層(図示し
ないが)が積層され、この絶縁層の上には、螺旋状のパ
ターンに形成されたコイル層108が設けられている。
また、この絶縁層の上には、上部コア層109がパーマ
ロイなどの磁性材料でメッキ形成されている。
【0006】この上部コア層109は、磁気記録媒体に
記録磁界を与えるヘッドh2のトレーリング側コア部と
して機能している。上部コア層109は、図示のよう
に、ABS面側で上部シールド層107の上にギャップ
層110を介して対向し、磁気記録媒体に記録磁界を与
える磁気ギャップが形成される。
【0007】このような構成の薄膜磁気ヘッドでは、磁
気記録媒体の信号磁界(紙面に対して垂直方向から印
加)により、多層膜103の磁気抵抗効果層(AMR
層)の抵抗値が変化し、この抵抗変化を利用して、ヘッ
ドh1が磁気記録媒体から記録情報を読取っている。
【0008】ところで、このような薄膜磁気ヘッドで
は、多層膜103の上下に形成されている上部シールド
層107と下部シールド層101に不規則な磁区の変化
が発生すると、上部シールド層107及び下部シールド
層101と、多層膜103との相互作用により、バルク
ハウゼンノイズが磁気記録媒体からの再生信号に重畳す
るなどの悪影響をもたらす。そこで、これらのシールド
層101、107に対して、磁化方向を磁化容易軸
(X)方向に揃えて単磁区化させ、シールド層101、
107の磁化反転(磁気的可逆性)を良好にすることが
必要になっている。
【0009】このような事情から、これらシールド層1
01、107の磁化方向の制御として、一軸異方性を付
与できる軟磁性材料、例えばパーマロイやCo系アモル
ファス合金などを使用し、これを磁場中で成膜及びアニ
−ル処理を施したり、成膜及びアニ−ル処理後にX方向
を磁化容易軸とするように磁化させることが行われてき
た。
【0010】しかしながら、このような方法では、これ
らのシールド層101、107の磁化方向を完全に揃え
ることが難しく、微視的にみると、磁気異方性が分散し
た状態(異方性分散)を生じて磁化容易軸がずれてしま
う。特に、上部コア層109、上部シールド層(下部コ
ア層)107の間に記録磁界を発生させるたびに、上部
シールド層(下部コア層)107に不規則な磁区の変化
が発生する。
【0011】そこで、例えば図12に示すような薄膜磁
気ヘッドが提案されている。この薄膜磁気ヘッドは図1
2に示すように、上下のシールド層107、101毎に
トラック幅(Tw)方向の両側に、永久磁石膜からなる
ハードバイアス膜111、112をそれぞれ形成したも
のであり、これによってシールド層101、107の磁
化を容易軸方向に揃えることができる。
【0012】ところで、一般に、物性的に見ると、永久
磁石のような硬磁性体では、端部に磁極が形成されるた
め、その端部近傍の特に角部での磁界の強さが最も強く
なる傾向がある。この薄膜磁気ヘッドでも、ハードバイ
アス膜のハイト方向の両端部近傍の角部での磁界が強
い。
【0013】しかも、その一方の端部がABS面と同一
面にまで達する状態で形成されて露出しているため、例
えばこのハードバイアス膜が磁気記録媒体へ磁気的な影
響を及ぼし、不要な書き込みや、書き込まれている情報
を消去したり、磁気抵抗効果素子へ悪影響をもたらす、
といった不都合を生じている。特に、記録情報の高密度
化、狭ギャップ化の傾向とともに、磁気抵抗効果素子へ
与えるノイズが問題となる虞れがある。
【0014】また、このような点からなるべく、シール
ド層の磁区制御に用いるハードバイアス膜を減らすた
め、特に記録時の記録磁界によって、不規則な磁区の変
動が発生し易い下部コア層の両側のハードバイアス膜を
設けたものが提案されている。これを図12に示す。
【0015】しかしながら、この図12に示す薄膜磁気
ヘッドは、下部コア層を兼用する上部シールド層107
のトラック幅(X)方向の両側のみにバイアス層111
を形成しているので、このバイアス層111のトラック
幅(X)方向の両側に位置する端部のうちABS面に臨
む角部とよぶ部位から発生する磁界は、前述したように
大きい。
【0016】このため、ここからの漏れ磁界(静磁界)
が図12に示すように下部シールド層101に作用し、
バイアス層111と下部シールド層との間に複数の磁界
ループA1、B1、C1を形成する。そして、この磁界
ループA1、B1、C1が存在するために、下部シール
ド層101のA領域とB領域、C領域との磁界の方向が
異なるために、下部シールド層101内に多磁区が形成
されやすく、異方分散性となりやすい。その結果、バル
クハウゼンノイズを発生し易いといった問題点を生じて
いる。
【0017】また、この図12に示すような構成の薄膜
磁気ヘッドで、仮に、下部シールド層101の両側にも
図12に破線で示すバイアス層112が形成されていた
としても、同様に、前述の磁界ループに起因した多磁区
化の問題を依然として発生する虞れがある。因みに、こ
の場合には、下部シールド層101内のB領域とC領域
とにバイアス層112の磁化方向とは逆向きの磁化が形
成される。
【0018】
【発明の目的】本発明の目的は、上記した事情に鑑み、
シールド層の磁化を所定の方向に安定化させることによ
り、ノイズの発生を抑え、安定した状態で良好な記録再
生を行うことができる薄膜磁気ヘッドを得ることにあ
る。
【0019】
【発明の概要】前記目的を達成するため、本発明に係る
薄膜磁気ヘッドは、下部シールド層と、この下部シール
ド層の上に下部ギャップ層を介して形成された磁気抵抗
効果を発揮する多層膜と、この多層膜にバイアス磁界を
与えるバイアス層と、前記多層膜にセンス電流を与える
電極層と、前記多層膜上に上部ギャップ層を介して形成
された上部シールド層とを備えた薄膜磁気ヘッドにおい
て、前記上部シールド層と下部シールド層のうちの少な
くとも一方のトラック幅方向の両側部に、永久磁石膜か
らなるハードバイアス膜が形成されているとともに、前
記ハードバイアス膜の磁気記録媒体寄りの端面が、磁気
記録媒体との対向面よりも内部に後退していることを特
徴とする。
【0020】前記一方のシールド層に形成されているハ
ードバイアス膜は、当該一方のシールド層の積層方向に
ついて上面および下面のうち、他方のシールド層に臨む
面から外部に露出しないように内部に埋設して形成され
る。
【0021】前記上部及び下部シールド層のうちハード
バイアス膜を設けていない他方のシールド層のトラック
幅方向の両側部の上面側および下面のうちの少なくとも
一方には、一対の反強磁性膜が積層形成される。
【0022】前記ハードバイアス膜によって磁化方向が
揃えられている前記上部および下部のシールド層のうち
の一方のシールド層の磁化方向と、前記反強磁性膜との
交換異方性磁界により磁化方向が揃えられている他方の
シールド層の磁化方向とは反平行(180°をなす反対
方向)であるのが好ましい。
【0023】また、本発明の薄膜磁気ヘッドは、下部シ
ールド層と、この下部シールド層の上に下部ギャップ層
を介して形成された磁気抵抗効果を発揮する多層膜と、
この多層膜にバイアス磁界を与えるバイアス層と、前記
多層膜にセンス電流を与える電極層と、前記多層膜上に
上部ギャップ層を介して形成された上部シールド層と、
上部シールド層の上に磁気ギャップ層を介して積層され
た上部コア層とを備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、前記
上部シールド層と下部シールド層のうちの少なくとも一
方のトラック幅方向の両側部に、永久磁石膜からなるハ
ードバイアス膜が形成されているとともに、前記ハード
バイアス膜の磁気記録媒体寄りの端面が、磁気記録媒体
との対向面よりも内部に後退していることを特徴とす
る。
【0024】本発明でも、前記一方のシールド層内に形
成されているハードバイアス膜は、当該一方のシールド
層の積層方向の上面および下面のうち、他方のシールド
層に臨む面から外部に露出しないように埋設されている
ことが好ましい。
【0025】また、本発明でも、前記上部及び下部シー
ルド層のうちハードバイアス膜を設けていない他方のシ
ールド層のトラック幅方向の両側部の上面および下面の
少なくとも一方には、一対の反強磁性膜が積層されてい
ることが好ましい。
【0026】また、本発明でも、前記ハードバイアス膜
によって磁化方向が揃えられている前記上部および下部
のシールド層のうちの一方のシールド層の磁化方向と、
前記反強磁性膜との交換異方性磁界により磁化方向が揃
えられている他方のシールド層の磁化方向とは反平行で
あるのが好ましい。
【0027】さらに、本発明は、下部シールド層と、こ
の下部シールド層の上に下部ギャップ層を介して形成さ
れた磁気抵抗効果を発揮する多層膜と、この多層膜にバ
イアス磁界を与えるバイアス層と、前記多層膜にセンス
電流を与える電極層と、前記多層膜上に上部ギャップ層
を介して形成された上部シールド層と、前記上部シール
ド層の上に形成された非磁性中間層と、この非磁性中間
層の上に磁気ギャップ層を介して対向する下部コア層及
び上部コア層とを備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、前記
上部シールド層と下部シールド層のうちの少なくとも一
方のトラック幅方向の両側部に、永久磁石膜からなるハ
ードバイアス膜が形成されているとともに、前記ハード
バイアス膜の磁気記録媒体寄りの端面が、磁気記録媒体
との対向面よりも内部に後退していることを特徴として
いる。
【0028】本発明でも、前記一方のシールド層内に形
成されているハードバイアス膜は、当該一方のシールド
層の積層方向の上面および下面のうち、他方のシールド
層に臨む面から外部に露出しないように埋設されている
のが好ましい。することができる。
【0029】また、本発明でも、前記上部及び下部シー
ルド層のうちハードバイアス膜を設けていない他方のシ
ールド層のトラック幅方向の両側部の上面および下面の
少なくとも一方には、一対の反強磁性膜が積層されてい
るのが好ましい。
【0030】また、本発明でも、前記ハードバイアス膜
によって磁化方向が揃えられている前記上部および下部
のシールド層のうちの一方のシールド層の磁化方向と、
前記反強磁性膜との交換異方性磁界により磁化方向が揃
えられている他方のシールド層の磁化方向とは反平行で
あるのが好ましい。
【0031】
【発明の実施形態】以下、この発明の実施の形態につい
て、添付図面を参照しながら説明する。 [第1の実施形態]図1(A)は、本発明の第1の実施
形態に係るマージド(merged)タイプの薄膜磁気ヘッドを
磁気記録媒体(図略)との対向面となるABS(Air Beari
ng Surface)面からみた正面図、同図(B)はこの薄膜
磁気ヘッドを積層方向の上側からみた平面図である。な
お、図示外のハードディスクまたは磁気テープなどの磁
気記録媒体の移動方向はZ方向であり、磁気記録媒体か
らの信号磁界の方向はY方向である。図1に示す薄膜磁
気ヘッドは、浮上式ヘッドを構成するスライダのトレー
リング側端面に形成されたものであリ、読出しヘッドh
1と、記録用のインダクティブヘッドh2とが積層され
ている。
【0032】この読出しヘッドh1は、磁気抵抗効果を
利用してハードディスクなどの磁気記録媒体からの信号
磁界を検出し、記録信号を読み取るものである。スライ
ダのトレーリング側端面には、軟磁性材料からなる下部
シールド層1が形成されている。
【0033】この下部シールド層1は、パーマロイやC
o(コバルト)系アモルファス合金のように、一軸異方
性をもつ軟磁性材やセンダストのような等方的な軟磁性
材料により形成される。
【0034】前記下部シールド層1の上側には、アルミ
ナ(Al23)などの非磁性材料により、下部ギャップ
層21が形成され、この下部ギャップ層21上には、磁
気抵抗効果を発揮する多層膜2が設けられている。
【0035】この多層膜2は、図示しないが、下から順
に、反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層、フリー磁
性層の順に積層させ、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子
(GMR)を構成している。なお、多層膜2の積層体
は、下から順に、フリー磁性層、非磁性導電層、固定磁
性層、反強磁性層の順に積層してもよい。また、多層膜
2は、磁気抵抗効果層、軟磁性層を備えた異方性磁気抵
抗効果素子(AMR)で構成してもよい。
【0036】多層膜2の反強磁性層は、PtMn(プラ
チナ・マンガン)から形成されているが、例えば、元素
X(ただし、Xは、Pt、Pd、Ir、Rh、Ru、O
sのうち1種または2種以上の元素である)とMnとを
含有する反強磁性材料、あるいは、元素Xと元素X′合
金(ただし、元素X′は、Ne、Ar、Kr、Xe、B
e、B、C、N、Mg、Al、Si、P、Ti、V、C
r、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Z
r、Nb、Mo、Ag、Cd、Sn、Hf、Ta、W、
Re、Au、Pb、及び希土類元素のうち1種または2
種以上の元素である)とMnを含有する反強磁性材料に
より形成することができる。
【0037】前記固定磁性層は、NiFe合金、CoF
e合金、Co、CoNiFe合金などにより形成され
る。この固定磁性層が積層された後、ハイト方向(図示
Y方向)への磁場中アニールを施すことで、固定磁性層
と反強磁性層との界面で発生する交換結合磁界により、
固定磁性層の磁化はハイト方向(図示Y方向)に強固に
固定される。
【0038】前記非磁性導電層は、例えばCuなどの電
気抵抗の低い導電性材料によって形成される。この非磁
性導電層上にはフリー磁性層が形成される。このフリー
磁性層は、NiFe合金、CoFe合金、Co、CoN
iFe合金などにより形成される。前記保護層はTaな
どで形成される。
【0039】このように略台形状に形成した多層膜2の
両側領域には、下から順にバイアス層22、電極層23
がそれぞれ積層されている。なお、バイアス層22の下
には図示しないバイアス下地層を形成してもよい。
【0040】バイアス層22の下に形成するバイアス下
地層は、例えば、結晶構造が体心立方構造(bcc構
造)の金属膜で形成される。具体的には、Cr、W、M
o、V、Mn、Nb、Taのいずれか1種または2種以
上の元素で形成することができるが、特に、Cr膜で形
成することが好ましい。このCr膜は、バイアス層22
の結晶配向を整える機能に優れ、バイアス層22の保磁
力を適切に大きくすることができるからである。
【0041】バイアス層22は、CoPt合金やCoP
tCr合金などの硬磁性材料で形成される。電極層23
には、Au、Ta、Cr、Rh、Wなどが一般に使用さ
れている。さらに、このバイアス層22上には、電極層
23が形成される。
【0042】次に、磁気抵抗効果を発揮する多層膜2、
及び電極層23の上には、アルミナ(Al23)などの
非磁性材料の上部ギャップ層24が形成される。この上
部ギャップ層24の上には、読出しヘッドh1の上部シ
ールド機能を有する上部シールド層3が形成される。
【0043】この上部シールド層3には、パーマロイや
Co(コバルト)系アモルファス合金のように、一軸異
方性をもつ軟磁性材やセンダストのような等方的な軟磁
性材料により形成される。なお、この実施形態では、上
部シールド層3が、記録用のインダクティブヘッドh2
側の下部コア層を兼用している。この上部シールド層3
には、トラック幅(Tw)方向の両側領域に位置する両
側部3Aに、本発明の特徴の一つである、永久磁石膜の
ハードバイアス膜4が形成されている。
【0044】このハードバイアス膜4は、上部シールド
層3に対して、磁化方向を磁化容易軸方向(X方向)に
揃えて単磁区化させ、上部シールド層3の磁化反転(磁
気的可逆性)を良好にするためのものであり、多層膜2
中のバイアス層22と同様に、CoPt合金やCoPt
Cr合金などの硬磁性材料で形成される。
【0045】本実施形態では、特に、このハードバイア
ス膜4のハイト(Y)方向の前後に位置する両端面4
A、4A´(図1(B)参照)が磁界が最も強い磁極の形
成部分となるが、このうち特に、本発明では、磁気記録
媒体の対向面寄りの端面4Aを、磁気記録媒体(図略)と
の対向面となるABS(Air Bearing Surface)面よりも
ハイト(Y)方向の内部側にΔhだけ後退して形成させ
ている。
【0046】上部シールド層3の上には、非磁性材料で
磁気ギャップ層6が形成される。この磁気ギャップ層6
上には、ポリイミドまたはレジスト材料を用いた図示外
の絶縁層を介して平面的に螺旋状にパターン形成された
コイル層25が設けられている。なお、このコイル層2
5は、Cuなどの電気抵抗の小さな非磁性、かつ、導電
性の材料で形成される。このコイル層25上には、絶縁
層を介して記録用のインダクティブヘッドh2のトレー
リング側コア部となる上部コア層7が軟磁性材料で形成
されている。なお、この上部コア層7のX方向の幅寸法
が、トラック幅Twとなる。
【0047】従って、この実施形態によれば、上部シ
ールド層3のトラック幅(X)方向の両側に永久磁石の
ハードバイアス膜4を形成し、この上部シールド層3
を、ハードバイアス膜4との接触面からの漏れ磁界(残
留磁化)により、トラック幅(X)方向が磁化容易軸方
向となるように単磁区化することによって、薄膜磁気ヘ
ッドとしてのヒシテリシスが無くなり、保磁力は非常に
小さくなる。
【0048】このハードバイアス膜4は、前述したよ
うに、端面4Aを磁気記録媒体の対向面となるABS(A
ir Bearing Surface)面から後退させた内部に設けるこ
とにより、ハードバイアス膜4が磁気記録媒体に対して
離間するので、例えば、磁気記録媒体への不要な磁気的
書込み、或は書き込まれている情報の不必要な消去、と
いった問題を防止できる。
【0049】このハードバイアス膜4は、上部シール
ド層3に埋め込まれており、積層方向(Z)の下側に位
置する下面4Bは上部シールド層3から外部へ露出しな
いようになっている。このように、ハードバイアス膜4
を埋め込むことで、ハードバイアス膜4の角部4Eから
漏れ出る磁界が減少し、下部シールド層1、上部シール
ド層3の一軸異方性が安定化するという効果が得られ
る。
【0050】即ち、ハードバイアス膜4、4と下部シー
ルド層1との間には、上部シールド層3において、下部
シールド層1に臨む下面寄りの一部3B(以下、これを
延出部とよぶ)が延出して形成されている。この延出部
3Bが存在することにより、ハードバイアス膜4、4の
角部4Eは、延出部3Bで被覆される。このハードバイ
アス膜4、4の角部4Eが、上部シールド層3の延出部
3Bで覆われていることにより、上部シールド層3と下
部シールド層1との間には、局部的な磁気ループが形成
されるのを回避することができる。
【0051】さらに、このハードバイアス膜4と上部
シールド層3とは、直接接触しており、強磁性結合が相
互作用しているため、上部シールド層3の延出部3Bを
ハードバイアス膜4の磁化方向と同一方向に磁化し、ハ
ードバイアス膜4、4の角部4Fにおける磁気勾配を緩
慢にさせる効果をもたらしている。
【0052】また、前述したように、上部シールド層
3は一対のハードバイアス膜4により磁化方向を揃えて
単磁区化できるが、上部シールド層3のトラック幅
(X)方向の両側部3Aと下部シールド層1の両側部1
Aとにおける静磁界B2、C2の磁界ループ(磁路)の
形成により、下部シールド層1の磁化方向も揃えること
ができる。従って、上部シールド層3は、記録時の記録
磁界および磁気記録媒体からの信号磁界が印加されて
も、磁化反転が可逆的に発生し、不規則な磁区の変化を
伴わずに、出力信号にはバルクハウゼンノイズが重畳す
ることがない。
【0053】なお、この実施形態では、ハードバイアス
膜4、4の積層方向(Z)の上側に位置する上面4D
は、上部シールド層3から外部に露出しているが、上部
シールド層3の一部に埋め込んで露出しないように形成
してもよい。
【0054】[第2の実施形態]次に、本発明の第2の
実施形態について説明する。図2(A)は、本発明の第
2の実施形態に係るマージド(merged)タイプの薄膜磁気
ヘッドを磁気記録媒体(図略)との対向面となるABS(A
ir Bearing Surface)面からみた概略正面図、同図
(B)はこの薄膜磁気ヘッドを積層方向の上側からみた
概略平面図である。なお、図示外のハードディスクまた
は磁気テープなどの磁気記録媒体の移動方向はZ方向で
あり、磁気記録媒体からの信号磁界の方向はY方向であ
る。図2に示す薄膜磁気ヘッドが、第1の実施形態に係
る薄膜磁気ヘッドと異なるところは、ハードバイアス膜
4を上部シールド層3に形成する替わりに、下部シール
ド層1にハードバイアス膜4を形成している点である。
【0055】即ち、この下部シールド層1には、トラッ
ク幅(X)方向の両側端部に位置する両側部1Aに、永
久磁石膜からなるハードバイアス膜4が形成されてい
る。このハードバイアス膜4は、下部部シールド層1に
対して、磁化方向を磁化容易軸方向(X方向)に揃えて
単磁区化させ、下部シールド層1の磁化反転(磁気的可
逆性)を良好にするためのものであり、多層膜2中のバ
イアス層22と同様に、CoPt合金やCoPtCr合
金などの硬磁性材料で形成される。
【0056】また、本実施形態でも、特に、このハード
バイアス膜4のハイト(Y)方向の前後に位置する両端
面4A、4A´(図2(B)参照)が磁界が最も強い磁極
の形成部分となるが、このうち特に、本発明では、磁気
記録媒体の対向面寄りの端面4Aを、磁気記録媒体(図
略)との対向面となるABS(Air Bearing Surface)面よ
りもハイト(Y)方向の内部側にΔhだけ後退して形成
させている。
【0057】従って、この実施形態によれば、下部シ
ールド層1のトラック幅(X)方向の両側に永久磁石膜
のハードバイアス膜4を形成し、この下部シールド層1
を、ハードバイアス膜4との接触面からの漏れ磁界(残
留磁化)により、X方向が磁化容易軸方向となるように
単磁区化することによって、薄膜磁気ヘッドとしてのヒ
シテリシスが無くなり、保磁力は非常に小さくなる。
【0058】このハードバイアス膜4は前述したよう
に、磁気記録媒体の対向面寄りの端面4Aを磁気記録媒
体の対向面となるABS(Air Bearing Surface)面から
後退させた内部に設けることにより、ハードバイアス膜
4が磁気記録媒体に対して離間するので、例えば、磁気
記録媒体への不要な磁気的書込み、或は書き込まれてい
る情報の不必要な消去、といった問題を防止できる。
【0059】しかも、このハードバイアス膜4は、下
部シールド層1に埋め込まれており、積層方向(Z)の
上側に位置する上面4Dは下部シールド層1から外部へ
露出しないようになっている。このように、ハードバイ
アス膜4を埋めこむことで、ハードバイアス膜4の角部
4Eから漏れ出る磁界が減少し、下部シールド層1と上
部シールド層3の一軸異方性が安定化するといった効果
が得られる。
【0060】即ち、ハードバイアス膜4と上部シールド
層3との間には、下部シールド層1において、上部シー
ルド層3に臨む上面寄りの一部1B(以下、これを延出
部とよぶ)が延出して形成されており、この延出部1B
が存在することにより、ハードバイアス膜4、4の角部
4Eは上部シールド層3に向けて露出せずに済む。その
結果、このハードバイアス膜4、4の角部4Eが、下部
シールド層1の延出部1Bで覆われていることにより、
下部シールド層1と上部シールド層3との間には、局部
的な磁気ループが形成されるのを回避することができ
る。
【0061】さらに、ハードバイアス膜4と下部シー
ルド層1とは、直接接触しており、強磁性結合が相互作
用しているため、下部シールド層1の延出部1Bをハー
ドバイアス膜4の磁化方向と同一方向に磁化し、ハード
バイアス膜4、4の角部4Fにおける磁気勾配を緩慢に
させる効果をもたらす。
【0062】また、前述したように、下部シールド層
1は一対のハードバイアス膜4により磁化方向を揃えて
単磁区化できるが、下部シールド層1のトラック幅
(X)方向の両側部1Aと上部シールド層3の両側部3
Aとにおける静磁界B2、C2の磁界ループ(磁路)の
形成により、上部シールド層3の磁化方向も揃えること
ができる。従って、下部シールド層1は、記録時の記録
磁界および磁気記録媒体からの信号磁界が印加されて
も、磁化反転が可逆的に発生し、不規則な磁区の変化を
伴わずに、出力信号にはバルクハウゼンノイズが重畳す
ることがない。
【0063】なお、この実施形態では、ハードバイアス
膜4の積層方向(Z)の下側に位置する下面4Bは、下
部シールド層1から外部に露出しているが、下部シール
ド層1の一部に埋め込んで露出しないように形成しても
よい。
【0064】[第3の実施形態]次に、本発明の第3の実
施形態について、図3を参照しながら説明する。なお、
この実施形態において、第1の実施形態と同一部分には
同一符号を付して重複説明を避ける。図3に示す薄膜磁
気ヘッドが、第1の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドと異
なるところは、下部シール層1の積層(Z)方向の上下
両面のうち上面に、反強磁性膜27が形成されている点
であり、この反強磁性膜27との交換結合により、下部
シールド層1は上部シールド層3の磁化方向と反対方向
に磁化が揃えられている。また、下部シールド層1は、
積層(Z)方向の上下両面のうち下面に、反強磁性膜2
8が形成される構成としてもよく、或いは上面及び下面
の双方にそれぞれ反強磁性膜27、28が形成されてい
てもよい。
【0065】一方、上部シールド層3には、トラック幅
(X)方向の両側端部に位置する両側部3Aに、永久磁
石膜からなるハードバイアス膜4が形成されている。こ
のハードバイアス膜4は、上部シールド層3に対して、
磁化方向を磁化容易軸方向(X方向)に揃えて単磁区化
させ、上部シールド層3の磁化反転(磁気的可逆性)を
良好にするためのものであり、多層膜2中のバイアス層
22と同様に、CoPt合金やCoPtCr合金などの
硬磁性材料で形成される。
【0066】従って、この実施形態によれば、この上部
シールド層3は、ハードバイアス膜4により磁化方向が
揃えられ、単磁区化できる一方、下部シールド層1は反
強磁性膜27との交換異方性磁界により、磁化方向が揃
えられ、単磁区化できる。なお、上部シールド層3と下
部シールド層1との磁化方向は反平行が好ましく、この
場合、上部シールド層3と下部シールド層1との両側部
3A、1Aで発生する静磁界B2、C2による磁界ルー
プにより、磁化方向がより安定となる。
【0067】[第4の実施形態]次に、本発明の第4の実
施形態について、図4を参照しながら説明する。なお、
この実施形態において、第1の実施形態と同一部分には
同一符号を付して重複説明を避ける。図4に示す薄膜磁
気ヘッドが、第1の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドと異
なるところは、上部シールド層3の積層(Z)方向の上
下に位置する両面のうち上面に反強磁性膜29が形成さ
れている点であり、この反強磁性膜29との交換結合に
より、上部シールド層3は下部シールド層1の磁化方向
と反対方向に磁化が揃えられている。また、上部シール
ド層3は、積層(Z)方向の上下に位置する両面のうち
下面に反強磁性膜30が形成された構成としてもよく、
或いは上面及び下面の双方にそれぞれ反強磁性膜29、
30が形成されていてもよい。
【0068】一方、下部シールド層1には、トラック幅
(X)方向の両側端部に位置する両側部1Aに、永久磁
石膜からなるハードバイアス膜4が形成されている。こ
のハードバイアス膜4は、下部シールド層1に対して、
磁化方向を磁化容易軸方向(X方向)に揃えて単磁区化
させ、下部シールド層1の磁化反転(磁気的可逆性)を
良好にするためのものであり、多層膜2中のバイアス層
22と同様に、CoPt合金やCoPtCr合金などの
硬磁性材料で形成される。
【0069】従って、この実施形態によれば、この下部
シールド層1は、ハードバイアス膜4により磁化方向が
揃えられ、単磁区化できる一方、上部シールド層3は反
強磁性膜29との交換異方性磁界により、磁化方向が揃
えられ、単磁区化できる。なお、上部シールド層3と下
部シールド層1との磁化方向は反平行が好ましく、この
場合、上部シールド層3と下部シールド層1との両側部
3A、1Aで発生する静磁界B2、C2による磁界ルー
プにより、磁化方向がより安定となる。
【0070】[第5の実施形態]次に、本発明の第5の実
施形態について、図5を参照しながら説明する。なお、
この実施形態において、第1の実施形態と同一部分には
同一符号を付して重複説明を避ける。図5に示す薄膜磁
気ヘッドが、図1に示す第1の実施形態に係る薄膜磁気
ヘッドと異なるのは、上部シールド層3がシールド専用
層であり、非磁性中間層26を介して下部コア層5がコ
ア専用層として設けられている点である。従って、この
ような構成によれば、下部コア専用層として下部コア層
5が設けられているため、記録磁界の生成時に、上部シ
ールド層3に直接磁界を印加されずにすみ、上部シール
ド層3内の不規則な磁区の発生をさらに防止することが
できる。
【0071】なお、この実施形態では、ハードバイアス
膜4、4の積層(Z)方向の上下に位置する上面4D及
び下面4Bが上部シールド層3に埋め込まれて外部に露
出しないようになっているが、このように露出させない
ように構成することで、下部コア層5には、静磁界によ
る多磁区の発生を抑制することができる。これにより、
安定した記録磁界を磁気記録媒体に供給することができ
る。また、ハードバイアス膜4は、製造を容易にするた
めに、上面4Dを上部シールド層3の上面と同一位置ま
で形成して非磁性中間層26に、直接、臨ませるように
してもよい。
【0072】[第6の実施形態]次に、本発明の第6の実
施形態について、図6を参照しながら説明する。なお、
この実施形態において、第2の実施形態と同一部分には
同一符号を付して重複説明を避ける。図6に示す薄膜磁
気ヘッドが、図2に示す第2の実施形態に係る薄膜磁気
ヘッドと異なるところは、上部シールド層3がシールド
専用層であり、非磁性中間層26を介して下部コア層5
がコア専用層として設けられている点である。従って、
このような構成によれば、下部コア専用層として下部コ
ア層5が設けられているため、記録磁界の生成時に、上
部シールド層3に直接磁界を印加させずにすみ、上部シ
ールド層3内の不規則な磁区の発生をさらに防止するこ
とができる。
【0073】なお、この実施形態では、ハードバイアス
膜4が下部シールド層1に埋め込まれて上面4D及び下
面4Bが外部に露出しないようになっている。このよう
に上面4D及び下面4Bを露出させないようにハードバ
イアス膜4を埋めこむことで、ハードバイアス膜4の角
部4Eから漏れ出る磁界が減少し、下部シールド層1、
上部シールド層3の一軸異方性が安定化するといった効
果が得られる。また、ハードバイアス膜4は、製造を容
易にするために、上面4Dを下部シールド層1の上面と
同一位置まで形成して上部ギャップ層24に臨ませるよ
うにしてもよい。
【0074】[第7の実施形態]次に、本発明の第7の実
施形態について、図7を参照しながら説明する。なお、
この実施形態において、第3の実施形態と同一部分には
同一符号を付して重複説明を避ける。図7に示す薄膜磁
気ヘッドが、図3に示す第3の実施形態に係る薄膜磁気
ヘッドと異なるのは、上部シールド層3がシールド専用
層であり、非磁性中間層26を介して下部コア層5がコ
ア専用層として設けられている点である。従って、この
ような構成によれば、下部コア専用層として下部コア層
5が設けられているため、記録磁界の生成時に、上部シ
ールド層3に直接磁界を印加されずにすみ、上部シール
ド層3内の不規則な磁区の発生をさらに防止することが
できる。
【0075】なお、この実施形態では、ハードバイアス
膜4、4の上面4D及び下面4Bが上部シールド層3に
埋め込まれて外部に露出しないようになっているが、こ
のように、ハードバイアス膜4を埋め込んで露出させな
いようにすることで、ハードバイアス膜4の角部4Eか
ら漏れ出る磁界が減少し、下部シールド層1と上部シー
ルド層3の一軸異方性が安定化するといった効果が得ら
れる。また、ハードバイアス膜4は、製造を容易にする
ために、上面4Dを上部シールド層3の上面と同一位置
まで形成して非磁性中間層26に臨ませるようにしても
よい。
【0076】[第8の実施形態]次に、本発明の第8の実
施形態について、図8を参照しながら説明する。なお、
この実施形態において、第4の実施形態と同一部分には
同一符号を付して重複説明を避ける。図8に示す薄膜磁
気ヘッドが、図4に示す第4の実施形態に係る薄膜磁気
ヘッドと異なるのは、上部シールド層3がシールド専用
層であり、非磁性中間層26を介して下部コア層5がコ
ア専用層として設けられている点である。従って、この
ような構成によれば、下部コア専用層として下部コア層
5が設けられているため、記録磁界の生成時に、上部シ
ールド層3に直接磁界を印加されずにすみ、上部シール
ド層3内の不規則な磁区の発生をさらに防止することが
できる。
【0077】また、この薄膜磁気ヘッドでも、第4の実
施形態と同様に、上部シールド層3の上下両面のうち、
上面に反強磁性膜29が形成されており、この反強磁性
膜29との交換結合により、上部シールド層3は下部シ
ールド層1の磁化方向と反対方向に磁化が揃えられてい
る。また、この薄膜磁気ヘッドでも、第4の実施形態と
同様に、上部シールド層3は、上下両面のうち、下面に
反強磁性膜30が形成された構成としてもよく、或いは
上面及び下面の双方にそれぞれ反強磁性膜29、30が
形成されていてもよい。
【0078】[第9の実施形態]次に、本発明の第9の実
施形態について、図9を参照しながら説明する。なお、
この実施形態において、第1の実施形態と同一部分には
同一符号を付して重複説明を避ける。図9に示す薄膜磁
気ヘッドが、図1に示す第1の実施形態に係る薄膜磁気
ヘッドと異なる点は、下部シールド層1と上部シールド
層3の双方に、ハードバイアス膜4が形成されており、
下部シールド層1と上部シールド層3の磁化方向が同一
であるところである。なお、この場合に、静磁界の単一
磁界ループは形成されない。
【0079】しかしながら、この実施形態でも、ハード
バイアス膜4の端面4Aを磁気記録媒体の対向面側の端
面に露出させずにハイト(Y)方向の内部に後退させた
状態に形成してあるため、磁気記録媒体上の情報を消去
するといった虞れはない。また、下部シールド層1と上
部シールド層3とにハードバイアス膜4が形成されてい
るため、各々のシールド層は単磁区化されて磁化方向が
揃っている。
【0080】[第10の実施形態]次に、本発明の第10
の実施形態について、図10を参照しながら説明する。
なお、この実施形態において、第9の実施形態と同一部
分には同一符号を付して重複説明を避ける。図10に示
す薄膜磁気ヘッドが、図9に示す第9の実施形態に係る
薄膜磁気ヘッドと異なるのは、上部シールド層3がシー
ルド専用層であり、非磁性中間層26を介して下部コア
層5がコア専用層として設けられている点である。従っ
て、このような構成によれば、下部コア専用層として下
部コア層5が設けられているため、記録磁界の生成時
に、上部シールド層3に直接磁界を印加されずにすみ、
上部シールド層3内の不規則な磁区の発生をさらに防止
できる。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、上
部シールド層及び下部シールド層のうち少なくとも一方
のシールド層には、トラック幅方向の両端部側に、永久
磁石膜からなるハードバイアス膜が形成されているとと
もに、このハードバイアス膜の磁気記録媒体と対向する
面側の端面が、磁気記録媒体の対向面よりも内部へ後退
している。
【0082】従って、シールド層の磁化を所定の方向に
安定化させることができるばかりか、ハードバイアス膜
が磁気記録媒体に対して離間するので、例えば、このハ
ードバイアス膜が磁気記録媒体へ磁気的な悪影響を及ぼ
し、不要な書き込みや、書き込まれている情報を不必要
に消去したり、磁気抵抗効果素子へ悪影響をもたらす、
といった不都合が発生するのを同時に防止できるように
なる。これにより、ノイズの発生を抑え、安定した状態
で良好な記録再生を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、本発明の第1の実施形態に係る薄膜
磁気ヘッドをABS面から見た正面図、(B)は、同平
面図である。
【図2】(A)は、本発明の第2の実施形態に係る薄膜
磁気ヘッドをABS面から見た正面図、(B)は、同平
面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る薄膜磁気ヘッド
をABS面から見た正面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る薄膜磁気ヘッド
をABS面から見た正面図である。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る薄膜磁気ヘッド
をABS面から見た正面図である。
【図6】本発明の第6の実施形態に係る薄膜磁気ヘッド
をABS面から見た正面図である。
【図7】本発明の第7の実施形態に係る薄膜磁気ヘッド
をABS面から見た正面図である。
【図8】本発明の第8の実施形態に係る薄膜磁気ヘッド
をABS面から見た正面図である。
【図9】本発明の第9の実施形態に係る薄膜磁気ヘッド
をABS面から見た正面図である。
【図10】本発明の第10の実施形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドをABS面から見た正面図である。
【図11】従来の薄膜磁気ヘッドをABS面側から見た
断面図である。
【図12】従来の他の薄膜磁気ヘッドをABS面側から
見た断面図である。
【符号の説明】
1 下部シールド層 1A 両側部 1B 延出部 2 多層膜 21 下部ギャップ層 22 バイアス層 23 電極層 24 上部ギャップ層 25 コイル層 26 非磁性中間層 27 反強磁性膜 28 反強磁性膜 29 反強磁性膜 3 上部シールド層 3A 両側部 3B 延出部 4 ハードバイアス膜 4A 端面 4B 下面 4D 上面 4E 角部 4F 角部 5 下部コア層 6 磁気ギャップ層 7 上部コア層 B2 静磁界 C2 静磁界 h1 読出しヘッド h2 インダクティブヘッド(記録用) X トラック幅方向 Y ハイト方向 Z 積層方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 43/08 G01R 33/06 R

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部シールド層と、この下部シールド層
    の上に下部ギャップ層を介して形成された磁気抵抗効果
    を発揮する多層膜と、この多層膜にバイアス磁界を与え
    るバイアス層と、前記多層膜にセンス電流を与える電極
    層と、前記多層膜上に上部ギャップ層を介して形成され
    た上部シールド層とを備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、 前記上部シールド層と下部シールド層のうちの少なくと
    も一方のトラック幅方向の左右両側に位置する両側部
    に、永久磁石膜からなるハードバイアス膜が形成されて
    いるとともに、 前記ハードバイアス膜の磁気記録媒体寄りの端面が、磁
    気記録媒体との対向面よりも内部に後退していることを
    特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記一方のシールド層に形成されている
    ハードバイアス膜は、当該一方のシールド層の積層方向
    について上下に位置する上面および下面のうち、他方の
    シールド層に臨む前記上面または下面から露出しないよ
    うに内部に埋設されたことを特徴とする請求項1に記載
    の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記上部及び下部シールド層のうちハー
    ドバイアス膜を設けていない他方のシールド層のトラッ
    ク幅方向の両側部の上面側および下面のうちの少なくと
    も一方には、一対の反強磁性膜が積層されていることを
    特徴とする請求項2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記ハードバイアス膜によって磁化方向
    が揃えられている前記上部および下部のシールド層のう
    ちの一方のシールド層の磁化方向と、前記反強磁性膜と
    の交換異方性磁界により磁化方向が揃えられている他方
    のシールド層の磁化方向とは反平行であることを特徴と
    する請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 下部シールド層と、この下部シールド層
    の上に下部ギャップ層を介して形成された磁気抵抗効果
    を発揮する多層膜と、この多層膜にバイアス磁界を与え
    るバイアス層と、前記多層膜にセンス電流を与える電極
    層と、前記多層膜上に上部ギャップ層を介して形成され
    た上部シールド層と、上部シールド層の上に磁気ギャッ
    プ層を介して積層された上部コア層とを備えた薄膜磁気
    ヘッドにおいて、 前記上部シールド層と下部シールド層のうちの少なくと
    も一方のトラック幅方向の両側部に、永久磁石膜からな
    るハードバイアス膜が形成されているとともに、 前記ハードバイアス膜の磁気記録媒体寄りの端面が、磁
    気記録媒体との対向面よりも内部に後退していることを
    特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記一方のシールド層内に形成されてい
    るハードバイアス膜は、当該一方のシールド層の積層方
    向の上面および下面のうち、他方のシールド層に臨む面
    から外部に露出しないように埋設されたことを特徴とす
    る請求項5に記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記上部及び下部シールド層のうちハー
    ドバイアス膜を設けていない他方のシールド層のトラッ
    ク幅方向の両側部の上面および下面の少なくとも一方に
    は、一対の反強磁性膜が積層されていることを特徴とす
    る請求項6に記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記ハードバイアス膜によって磁化方向
    が揃えられている前記上部および下部のシールド層のう
    ちの一方のシールド層の磁化方向と、前記反強磁性膜と
    の交換異方性磁界により磁化方向が揃えられている他方
    のシールド層の磁化方向とは反平行であることを特徴と
    する請求項7に記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 下部シールド層と、この下部シールド層
    の上に下部ギャップ層を介して形成された磁気抵抗効果
    を発揮する多層膜と、この多層膜にバイアス磁界を与え
    るバイアス層と、前記多層膜にセンス電流を与える電極
    層と、前記多層膜上に上部ギャップ層を介して形成され
    た上部シールド層と、前記上部シールド層の上に形成さ
    れた非磁性中間層と、この非磁性中間層の上に磁気ギャ
    ップ層を介して対向する下部コア層及び上部コア層とを
    備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、 前記上部シールド層と下部シールド層のうちの少なくと
    も一方のトラック幅方向の両側部に、永久磁石膜からな
    るハードバイアス膜が形成されているとともに、 前記ハードバイアス膜の磁気記録媒体寄りの端面が、磁
    気記録媒体との対向面よりも内部に後退していることを
    特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記一方のシールド層内に形成されて
    いるハードバイアス膜は、当該一方のシールド層の積層
    方向の上面および下面のうち、他方のシールド層に臨む
    面から外部に露出しないように埋設されたことを特徴と
    する請求項9に記載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記上部及び下部シールド層のうちハ
    ードバイアス膜を設けていない他方のシールド層のトラ
    ック幅方向の両側部の上面および下面の少なくとも一方
    には、一対の反強磁性膜が積層されていることを特徴と
    する請求項10に記載の薄膜磁気ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記ハードバイアス膜によって磁化方
    向が揃えられている前記上部および下部のシールド層の
    うちの一方のシールド層の磁化方向と、前記反強磁性膜
    との交換異方性磁界により磁化方向が揃えられている他
    方のシールド層の磁化方向とは反平行であることを特徴
    とする請求項11に記載の薄膜磁気ヘッド。
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