JP3630995B2 - 軸固定型モータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転多面鏡等を備えた偏向走査装置の駆動機構として用いられる軸固定型モータに関するものである。更に詳しくは、この種のモータにおいて、リサイクルするのに適した構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
偏向走査装置等に用いられる軸固定型モータは、例えば、特許第2684744号公報に開示されているように、モータフレームに固定軸の軸端部が嵌合固定され、この固定軸の外周に回転部材が回転可能に支持されている。この回転部材の外周面にはロータアセンブリが一体的に組み付けられ、このロータアセンブリに対峙する状態にステータアセンブリが配置されている。このステータアセンブリは直接的あるいは間接的にモータフレームに支持されている。また、固定軸の外周面には動圧発生溝が形成されており、固定軸の外周面と、この固定軸が差し込まれるように回転部材に形成された軸孔の内周面との間に動圧軸受け機構が構成されている。モータを駆動すると、回転部材に取り付けられている光偏向用の回転多面鏡が回転し、入射レーザビームが当該回転多面鏡で反射されて所定の方向に偏向される。
【0003】
この構成の軸固定型モータにおいて、回転部材が固定軸に対して回転している間は回転軸の外周面と軸孔の内周面との間に空気が介在し、両者は離間している。しかし、モータ起動時や停止時には固定軸の外周面と軸孔の内周面とが接触するので、固定軸の外周面と軸孔の内周面との凝着を防止するために、固定軸をセラミクス等の硬い材料から形成する一方、回転部材を軟らかい材料から形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の軸固定型モータでは、硬い方の固定軸の外周面に動圧発生溝が形成されているので、そのエッジによって、軟らかい方の回転部材において軸孔の内周面が削られるので、軸孔の内周面の摩耗が激しいという問題点がある。このため、動圧軸受け機構以外の他の部材はそれほど劣化していなくても、動圧軸受け機構の寿命が短いので、その分、モータの寿命が短くなるという問題がある。
【0005】
また、この種のモータに対してもリサイクル可能であることが求められている。従来のモータでも、軸孔の内周面が摩耗してモータの寿命が尽きた場合には、回転部材のみを新しいものと交換して、モータフレームや固定軸等の固定側の部材や回転多面鏡等の他の部材をリサイクルすることは可能である。しかし、回転部材の方を交換するには、固定側の部材から回転部材を取り外した後、その回転部材から回転多面鏡やロータアセンブリを取り外し、次に新しい回転部材にその回転多面鏡やロータアセンブリを取り付けた後、新しい回転部材の回転バランスを調整し、しかる後にその回転部材を固定側の部材に組み付けるという非常に煩雑な作業が必要である。従って、リサイクルにかかるコストが大きいという問題がある。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、寿命を長く保つことができ、しかも、寿命が尽きても低コストでリサイクルすることができる軸固定型モータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、モータフレームと、該モータフレームに固定された固定軸と、該固定軸が挿入された軸孔を備えて前記固定軸に回転可能に支持された回転部材と、前記固定軸の外周面と前記軸孔の内周面との間に構成された動圧軸受け機構と、前記回転部材に一体的に構成されたロータアセンブリと、前記モータフレームに取り付けられて前記ロータアセンブリと対向配置されたステータアセンブリとを有する軸固定型モータにおいて、前記固定軸の外周面は、前記軸孔の内周面との間に前記動圧軸受け機構を構成するための動圧発生溝を備えると共に、前記軸孔の内周面よりも硬度が低く形成され、かつ、前記固定軸は、着脱可能な締結部材によって前記モータフレームに固定されていることを特徴とする。
【0008】
本発明では、前記回転部材に形成された前記軸孔の内周面の硬度は、前記固定軸の外周面の硬度の5倍以上である。
【0009】
本発明では、回転部材に形成された軸孔の内周面の方が固定軸の外周面よりも硬く、軟らかい方の固定軸の外周面に動圧発生溝が形成されているので、固定軸の外周面に動圧発生溝が形成されているといっても、軸孔の内周面は摩耗しない。また、硬い軸孔の内周面は動圧発生溝のない滑らかな面をしているので、固定軸の外周面も摩耗しにくい。従って、動圧軸受け機構の寿命を長く保つことができる。また、固定軸の外周面は軸孔の内周面よりも軟らかいので、僅かずつではあるが摩耗していずれは寿命が尽きてしまうが、それでも、固定軸のみを交換すれば他の部材をリサイクルすることができる。すなわち、固定軸はモータフレームに対して着脱可能な締結部材で固定されているので、寿命の尽きた固定軸を簡単にモータフレームから取り外すことができ、新しい固定軸をモータフレームに取り付けることも簡単である。従って、回転部材の側は分解する必要がないので、回転部材に搭載された回転多面鏡およびロータアセンブリ等の着脱や回転バランスの調整といった煩雑な作業が不要であるので、リサイクルにかかるコストを低く抑えることができる。
【0010】
また、本発明では、前記固定軸の外周面は潤滑性フィラーが配合された樹脂から構成され、前記回転部材に形成された前記軸孔の内周面には硬質被膜が形成されている。このように構成すると、固定軸の外周面の潤滑性を高めることができるので、固定軸の摩耗を低減でき、動圧軸受け機構の寿命を延ばすことができる。また、軸孔の内周面の硬度を充分に高めることができるので、軸孔の内周面が殆ど摩耗しない。それ故、回転部材の方は何度でもリサイクルできる。
【0011】
本発明において、前記固定軸と前記モータフレームとは、前記締結部材によって前記固定軸を前記モータフレームに固定したときに相互に当接して前記固定軸の姿勢を前記モータフレームの底面部に対して垂直に規定する基準面を備えていることが好ましい。例えば、前記固定軸には、外周面に前記動圧発生溝が形成された本体胴部と、該本体胴部の端面部に前記本体胴部よりも小径に形成された凸部とを構成し、前記モータフレームは前記固定軸の前記凸部が嵌まる貫通孔を形成すれば、前記凸部の外周面と前記貫通孔の内周面を前記基準面とすることができる。このように構成すると、固定軸を交換する際に、固定軸およびモータフレームの基準面同士を当接させるだけで、モータフレームの底面に対して固定軸を垂直に立てることができる。従って、固定軸をモータフレームに取り付ける際に煩雑な角度調整を行う必要がないので、固定軸の交換が容易である。
【0012】
本発明において、前記締結部材は、該締結部材による締め付け応力を吸収可能なスペーサを介して前記モータフレームと前記固定軸とを固定していることが好ましい。このように構成すると、締結部材を締め付ける際にモータフレームに過大な応力がかからない。従って、固定軸を何度交換しても、モータフレームに歪み等が発生しないので、モータフレームを何度でもリサイクルすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明を適用した軸固定型モータを備えた回転多面鏡型偏向走査装置について説明する。
【0014】
図1は、回転多面鏡型偏向走査装置(回転多面鏡型偏向器)の半断面図である。この図を参照して説明すると、本例の偏向走査装置1は、モータフレーム2として機能するモータ回路基板と、この回路基板2に対して垂直状態で固着した固定軸3と、この固定軸3の外周に回転可能に保持された回転部材4と、この回転部材4に搭載された回転多面鏡5と、回転部材4に一体的に組付けられたロータアセンブリ6Aと、モータフレーム2の側に組み付けられたステータアセンブリ6Bから構成されている。
【0015】
固定軸3の外周面31と回転部材4に形成した軸孔41との間には、第1および第2の動圧発生溝71、72を備えた動圧軸受機構7が構成されている。この実施例では、固定軸3の外周面31に、軸線1aの方向に所定の間隔をあけて、ヘリングボーン状の第1の動圧発生溝71および第2の動圧発生溝72が形成されている。また、固定軸3の外周面31と回転部材4の軸孔41の内周面410との間には5〜10ミクロン程度の極僅かな空隙が形成され、この空隙内には空気などの流体が介在している。空気を介在させた動圧軸受機構を採用することにより、回転多面鏡(ポリゴンミラー)5を1分当たり回転数が数万回転といった超高速でかつ安定して回転させることが出来る。
【0016】
回転部材4は、内側に軸孔41を備えた円筒部42と、この円筒部42の外周面における軸線方向の略中程の位置から半径方向の外側に向けて環状に張り出しているミラー載置部分43と、このミラー載置部43の外周縁から軸線1aの方向に直角に折れ曲がって延びている円筒状のフランジ部44とを備えている。
【0017】
ミラー載置部43の表面はミラー取り付け面であり、ここに回転多面鏡5が載置されている。回転多面鏡5は、ミラー押さえばね8を介して、ミラー押さえキャップ9によってミラー載置部43の側に押し付けられている。このミラー押さえキャップ9は止めねじ10によって回転部材4の円筒部42の上端に固定されており、ミラー押さえキャップ9の円筒部42よりも外周側に張り出した部分が回転多面鏡5を固定するためのクランプ部91となっている。
【0018】
一方、回転部材4の円筒部42の外周側において、ミラー載置部43よりも下側には、当該円筒部42の外周を同心状に取り囲む状態にステータアセンブリ6Bが配置されている。ステータアセンブリ6Bはコアホルダ61を備え、このコアホルダ61の下端がモータフレーム2に固定されている。このコアホルダ61の上端側の外周部分にはステータコア62が同心状に取り付けられている。このステータコア62は、周方向に一定の間隔で形成された複数の突極を備え、これらの突極にはステータコイル64が巻き付けられている。
【0019】
これに対して、ロータアセンブリ6Aは、上記のステータコア62の外周を同心状に取り囲む状態に配置した環状の駆動マグネット65を備え、この駆動マグネット65は、回転部材4に形成したフランジ部44の内周面に固着したマグネットヨーク66の内周面に取り付け固定されている。このように、本例では、ステータコア62と駆動マグネット65が同心状態に配列された、所謂、周対向型のモータ構造となっている。
【0020】
また、固定軸3の上端部には円形の凹部35が形成され、この凹部35の内周側面には環状のステータマグネット16が固定されている。一方、回転部材4の円筒部42の上端部に固定されたミラー押さえキャップ9のうちの内周側91の下面部には、環状のロータマグネット14がクリップリング15によって押しつけ固定されており、このロータマグネット14はステータマグネット16と対向配置されている。ここで、ロータマグネット14のモータ軸線1aの方向における磁気中心は、ステータマグネット16のモータ軸線1aの方向における磁気中心に対して、モータ軸線1aの方向において固定軸3の側にわずかにずれている。また、ステータマグネット16とロータマグネット14とは、同じ極同士が対向しているので、それらの間に発生する磁気的な反発力によってスラスト軸受が構成され、回転部材4のモータ軸線1aの方向のがたの発生を抑制している。
【0021】
なお、ステータコア62、駆動マグネット65の下方におけるモータフレーム2(モータ回路基板)の上面部23には、モータ駆動用IC17等の電子部品が搭載されている。
【0022】
また、固定軸3はモータフレーム2の底面部24に対して垂直に固定されており、回転多面鏡5のミラー面の倒れを防止している。すなわち、モータフレーム2は、偏向走査装置1が取り付けられるレーザビームプリンタ等の光学機器の本体フレーム(図示せず)に固定される。この固定の際の基準面としては、モータフレーム2の底面部24を用いることができる。固定軸3がモータフレーム2の底面部24に対して正確に垂直固定されていれば、モータフレーム2の底面部24を本体フレームに当接させて固定すると、本体フレームの側に対して、固定軸3の取り付け角を高精度で所望の角度に設定できる。その結果、回転多面鏡5のミラー面が傾くことなく良好な光走査が可能となる。
【0023】
本例の偏向走査装置1においては、固定軸3の外周面31と軸孔41の内周面410との間に構成された動圧軸受け機構7の寿命を長く保つために、次のように構成されている。
【0024】
まず、固定軸3はカーボンやポリテトラフルオロエチレン等の潤滑性を有するフィラーが拡散配合された樹脂から形成されている。この第1および第2の動圧発生溝71、72が形成された固定軸3の外周面31のビッカース硬さHvは40以下である。一方、軸孔41が形成された回転部材4はアルミニウムから形成されている。軸孔41の内周面410には硬質アルマイト処理が施されて硬質被膜が形成されている。この軸孔41の内周面410のビッカース硬さHvは200〜500である。
【0025】
このように、本例の偏向走査装置1では、回転部材4に形成された軸孔41の内周面410の方が固定軸3の外周面31よりも5倍以上も硬いので、固定軸3の外周面31に第1および第2の動圧発生溝71、72が形成されていても、軸孔41の内周面410は殆ど摩耗しない。特に、軸孔41の内周面410の硬さを固定軸3の外周面31の硬さの10倍以上にすることにより、さらに摩耗が防止される。また、軸孔41の内周面410は動圧発生溝のない滑らかな面をしているので、固定軸3の外周面31は軸孔41の内周面410より軟らかいといっても固定軸3の外周面31は摩耗しにくい。すなわち、硬い部材に動圧発生溝等の凹凸が形成されている場合には、そのエッジ部分によって軟らかい部材を削ってしまうので軟らかい部材の摩耗が大きいが、本例では、逆に、平坦な面(軸孔41の内周面41)を硬くして、凹凸(動圧発生溝71、72)が形成されている面(固定軸3の外周面31)を軟らかくしてあるので、軟らかい部材(固定軸3)の摩耗を非常に少なくすることができる。しかも、固定軸3の外周面31は潤滑性フィラーが拡散された樹脂から構成されており、軸孔41の内周面410との潤滑性が高いので、固定軸3の外周面31と軸孔41の内周面410とのかじりによる摩耗も発生しない。それ故、固定軸3の外周面31が摩耗するといっても、その摩耗は少ないので、固定軸3の外周面31と軸孔41の内周面411との間に構成された動圧軸受け機構7の寿命を長く保つことができる。
【0026】
また、固定軸3の外周面31は軸孔41の内周面410よりも軟らかいので、僅かずつではあるが摩耗して、いずれは固定軸3の寿命が尽きてしまうが、軸孔4の内周面411には硬質被膜が形成されており、殆ど摩耗しない。それ故、固定軸3が摩耗しても回転部材4はリサイクル可能である。また、モータフレーム2、回転多面鏡5、ロータアセンブリ6Aおよびステータアセンブリ6B等の他の部材も消耗することはない。
【0027】
そこで、本例の偏向走査装置1では、以下に説明するように、摩耗した固定軸3のみを交換して、固定軸3以外の他の部分をリサイクルすることができるように構成されている。
【0028】
すなわち、固定軸3は、外周面31に第1および第2の動圧発生溝71、72が形成された本体胴部32と、この本体胴部24のモータフレーム2側の端面に形成された円柱状の凸部33を備えている。凸部33は本体胴部34よりも小径に形成され、モータ軸線1aと同軸状に突出している。従って、凸部33の外周面331はモータ軸線1aに平行に延びている。また、凸部33よりも外周側で下方を向いて露出した本体胴部34の環状端面321には、内周面に雌ねじが切られたねじ孔34が形成されている。このねじ孔34は、モータ軸線1aの周りに等角度間隔の3箇所に形成されており、環状端面321からモータ軸線1aに平行に開けられている。
【0029】
これに対して、モータフレーム2には、固定軸3の凸部33が嵌まる円形状の貫通孔21が形成されている。貫通孔21の内周面210はモータフレーム2の底面部24に対して直角に形成されている。ここで、固定軸3の凸部33の外周面331とモータフレーム2の貫通孔21の内周面210は相互に当接して固定軸3のモータフレーム2に対する姿勢を規定する基準面となっている。すなわち、固定軸3の凸部33がモータフレーム2の貫通孔21に差し込まれて、凸部33の外周面331が貫通孔21の内周面210に当接すると、固定軸3の姿勢はモータフレーム2の底面部24に対して垂直に規定される。
【0030】
また、貫通孔21の周りにはねじ止め孔22が貫通している。このねじ止め孔22は固定軸3に形成されたねじ孔34と一致する位置に形成されている。これらのねじ止め孔22を通して固定軸3のねじ孔34に締結ねじ11(締結部材)を螺合させることにより、固定軸3がモータフレーム2に締結される。
【0031】
この締結の際には、締結ねじ11の頭部111とモータフレーム2との間にスペーサ12が挟まれる。スペーサ12は所定の厚さをもって全体として環状に形成されたものであり、モータフレーム2の貫通孔21と一致する位置に形成された中央孔122と、モータフレーム2のねじ止め孔22と一致する位置に形成されて締結ねじ11が通されるねじ止め孔121を備えている。このスペーサ12は樹脂から形成されており、締結ねじ11による締め付け力を受けると変形可能である。従って、スペーサ12は、締結ねじ11をねじ込んだときには締結ねじ11の頭部111とモータフレーム2の底面部24との間において変形し、締結ねじ11による締め付け応力を吸収可能である。
【0032】
以上説明したように、本例の偏向走査装置1は、第1および第2の動圧発生溝71、72が形成された固定軸3の外周面31よりも軸孔41の内周面410を硬くすることにより双方の摩耗を抑えてあるので、寿命が長い。しかも、交換に手間のかかる回転部材の方を長寿命に構成し、先に寿命の尽きる固定軸3をモータフレーム2に対して締結ねじ11を用いて固定しているので、締結ねじ11を着脱するだけで、摩耗して先に寿命の尽きた固定軸3をモータフレーム2から取り外し、新しい固定軸3をモータフレーム2に取り付けることができる。しかも、固定軸3の凸部33の外周面331とモータフレーム2の貫通孔21の内周面210は、締結ねじ11によって固定軸3をモータフレーム2に固定したときに相互に当接し、固定軸3の姿勢をモータフレーム2の底面部24に対して垂直に規定する。従って、固定軸3を交換する際には、固定軸3の凸部33の外周面331とモータフレーム2の貫通孔21の内周面210を当接させるだけでよく、煩雑な固定軸3の角度調整を行う必要がない。従って、固定軸3を簡単に交換することができる。また、回転部材4の側は分解する必要がないので、回転部材4に搭載された回転多面鏡5やロータアセンブリ6A等を着脱したり、回転バランスの調整を行うといった煩雑な作業が不要である。従って、偏向走査装置1をリサイクルする際に、固定軸3を交換するだけでよく、その交換も容易なので、リサイクルにかかるコストを低く抑えることができる。
【0033】
また、締結ねじ11は、締め付け応力を吸収可能なスペーサ12を介してモータフレーム2と固定軸3とを固定しているので、締結ねじ11を締め付ける際にモータフレーム2に過大な応力がかからない。従って、固定軸3を何度交換しても、モータフレーム2に歪み等が発生しないので、モータフレーム2を何度でもリサイクルすることが可能である。
【0034】
(その他の実施の形態)
なお、上記形態では、固定軸3の全体が潤滑性フィラーの拡散配合された樹脂から形成されているが、固定軸3をアルミニウムから形成して、固定軸3の外周面31に潤滑性フィラーの配合された樹脂を積層してもよい。
【0035】
また、上記形態では、軸孔41の内周面410に硬質アルマイト処理を施すことにより硬質被膜を形成しているが、硬質アルマイト処理に限らず、硬質ニッケルメッキ、セラミクスの溶射、或いは粒状ダイヤモンドの塗装等を施して硬質被膜を形成してもよい。
【0036】
さらに、固定軸3を固定するための締結ねじ11の本数は3本に限らない。また、着脱可能な締結部材であれば、固定軸3を固定するのは締結ねじ11に限らない。
【0037】
さらにまた、上記形態は本発明の軸固定型モータを回転多面鏡の駆動源として用いた場合の例である。光ディスクや磁気ディスク等の回転駆動する装置に対して本発明を同様に適用できることは勿論である。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の軸固定型モータにおいては、動圧発生溝が形成された固定軸の外周面よりも、回転部材に形成された軸孔の内周面の方が硬いので、軸孔の内周面は摩耗しない。また、硬い方の軸孔の内周面は動圧発生溝のない滑らかな面をしているので、固定軸の外周面も摩耗しにくい。従って、動圧軸受け機構の寿命を長く保つことができる。また、回転部材よりも先に寿命の尽きる固定軸はモータフレームに対して着脱可能な締結部材で固定されているので、固定軸の寿命が尽きても簡単にモータフレームから取り外すことができると共に、新しい固定軸を簡単にモータフレームに取り付けることができる。しかも、回転部材の側は分解する必要がないので、回転部材に搭載された回転多面鏡やロータアセンブリ等を着脱したり、回転バランスの調整を行うといった煩雑な作業が不要である。従って、リサイクルにかかるコストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した回転多面鏡型偏向走査装置(回転多面鏡型光偏向器)の半断面図である。
【符号の説明】
1 偏向走査装置
1a モータ軸線
2 モータフレーム
3 固定軸
4 回転部材
5 回転多面鏡(ポリゴンミラー)
6A ロータアセンブリ
6B ステータアセンブリ
7 動圧軸受け機構
8 ミラー押さえばね
9 ミラー押さえキャップ
11 締結ねじ(締結部材)
12 スペーサ
21 モータフレームの貫通孔
31 固定軸の外周面
32 固定軸の本体胴部
33 凸部
41 軸孔
71 第1の動圧発生溝
72 第2の動圧発生溝
111 締結ねじの頭部
210 貫通孔の内周面
331 凸部の外周面
410 軸孔の内周面
Claims (4)
- モータフレームと、該モータフレームに固定された固定軸と、該固定軸が挿入された軸孔を備えて前記固定軸に回転可能に支持された回転部材と、前記固定軸の外周面と前記軸孔の内周面との間に構成された動圧軸受け機構と、前記回転部材に一体的に構成されたロータアセンブリと、前記モータフレームに取り付けられて前記ロータアセンブリと対向配置されたステータアセンブリとを有する軸固定型モータにおいて、
前記固定軸は、着脱可能な締結部材によって前記モータフレームに固定され、
前記固定軸の外周面は、潤滑性フィラーが配合された樹脂から構成されているとともに、前記軸孔の内周面との間に前記動圧軸受け機構を構成するための動圧発生溝を備えており、
前記回転部材に形成された前記軸孔の内周面には硬質被膜が形成されているとともに、当該軸孔の内周面の硬度は、前記固定軸の外周面の硬度の5倍以上であることを特徴とする軸固定型モータ。 - 請求項1において、前記固定軸と前記モータフレームとは、前記締結部材によって前記固定軸を前記モータフレームに固定したときに相互に当接して前記固定軸の姿勢を前記モータフレームの底面部に対して垂直に規定する基準面を備えていることを特徴とする軸固定型モータ。
- 請求項2において、前記固定軸は、外周面に前記動圧発生溝が形成された本体胴部と、該本体胴部の端面部に前記本体胴部よりも小径に形成された凸部とを備え、
前記モータフレームは前記固定軸の前記凸部が嵌まる貫通孔を備え、
前記凸部の外周面と前記貫通孔の内周面が前記基準面であることを特徴とする軸固定型モータ。 - 請求項1ないし3の何れかにおいて、前記締結部材は、該締結部材による締め付け応力を吸収可能なスペーサを介して前記モータフレームと前記固定軸とを固定していることを特徴とする軸固定型モータ。
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