JP3630826B2 - レンズ鏡筒および光学機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレンズ鏡筒及び光学機器に関し、特に、超音波モータによるオートフォーカス動作とマニュアルフォーカス動作とを特別な切り換え操作を要せずに行わせることができるレンズ鏡筒及び光学機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来のレンズ鏡筒の断面図を表している。
【0003】
図6において、501はレンズ鏡筒の外筒、503は外筒501の前方に配置される外筒部分503aと外筒部分503aの内側に配置されるヘリコイド形成部503bとを有した固定筒、504は固定筒503の外周部分503aの外周面に形成された周方向溝503cと外筒501の外周面に形成された周方向溝501aとに嵌装され、レンズLの光軸Zを中心として回転可能なマニュアル操作環、505はレンズLを保持したレンズホルダーであり、その外周に形成されたヘリコイド505bが固定筒503のヘリコイド形成部503bの内周面に形成されたヘリコイド503dに螺合している。このレンズホルダー505には光軸Zと平行に延在する溝505aが貫設され、溝505a内には光軸Zと平行な部分を有した後述のレンズホルダー駆動腕520がレンズLの半径方向のみ摺動可能に挿入されている。
【0004】
502は筒状体であり、一端の外向きフランジ部502aを固定筒503の後端にビス522によって締結し、他端の内向きフランジ部502bを外筒501にビス523で締結している。この筒状体502の外周面上には、超音波モータ530の全構成部品と、超音波モータ530の回転リング512に接触する出力部材531と、前記マニュアル操作環504の回転トルクを入力させるためのマニュアル操作力入力リング516とが搭載されている。
【0005】
以下には超音波モータ530の構成部材や、出力部材531の構造等について説明する。
【0006】
超音波モータ530は、横断面形状が台形を成した環状の振動部材506(ステータに相当する)、振動部材506の一端面に物理的に接合された電歪素子507、電歪素子507の表面に圧接されたフェルト等から成る環状の振動吸収体510、振動吸収体510の一方の端面に接して配置された第1の環状のスペーサ509、スペーサ509を環状振動部材の方へ押す第1の環状の皿ばね508、筒状体502の外周面に形成されたねじ部502dに螺合された第1の環状のナット511、超音波モータ530のロータの一部となる回転リング512、この回転リング512に軸方向振動を伝達させぬためのゴムリング513、環状の周方向移動部材514、筒状体502の外周に嵌着されるとともに外周縁の突起515aが振動部材506の溝506a内に挿入されている振動部材回転止め部材515等の諸部材によって構成されている。
【0007】
回転リング512とゴムリング513及び周方向移動部材514は一体となって超音波モータ530のロータを構成しており、振動部材506に発生する周方向進行波振動によって回転リング512及びゴムリング513並びに周方向移動部材514から成るロータが光軸Zを中心として回転する。
【0008】
ナット511は皿ばね508の弾性力を調整することによって振動部材506と周方向移動部材514との接触圧を調整するための部材である。
【0009】
超音波モータ530の回転リング512(すなわちロータ) の端面に隣接して配置された出力リング531は、筒状体502の外周面にのみ回転可能に嵌装されたリング519と、このリング519の周上の少なくとも3ケ所において、光軸(超音波モータの軸線) に直交する放射方向軸線上にリング519の外周面から突出するように固定されたローラー支持軸518と、このローラー支持軸518に嵌装された中空形のローラー517とによって構成されている。
【0010】
リング519は駆動力発生ユニット(超音波モータ530と出力リング531とを含めたもの)532の出力部材をも兼ねており、レンズホルダー505を回転駆動させるためのL形のレンズホルダー駆動腕520がビス521によってリング519の端面に締結されている。
【0011】
ローラー517は、その外周面において回転リング512の端面とマニュアル操作力入力リング516の端面とに接触している。
【0012】
マニュアル操作力入力リング516は筒状体502に回転可能に嵌装されており、リング516は一端面(図中、右側の端面)においてローラー517の外周面に接触している。
【0013】
マニュアル操作力入力リング516の外周縁部はマニュアル操作環504の内周面の凹部に係合しており、リング516はマニュアル操作環504によって回転されるようになっている。
【0014】
上記レンズホルダー駆動腕520は筒状体502の周面に貫設された穴502cを通ってレンズホルダー505の溝505a内に挿入されている。なお、筒状体502の周面に貫設された穴502cは周方向に沿つて延在する溝形の穴である。
【0015】
上記ローラー517は、マニュアルフォーカス動作を行うためのマニュアル操作力入力リング516と、オートフォーカス動作を行うための超音波モータの回転リング512との間に挟まれて差動機構を構成している。そして、その出力側でフォーカシング用のレンズを駆動するようになっており、特にマニュアルフォーカス動作の際には、超音波モータの構造の特徴が充分に活かされている。
【0016】
この超音波モータの構造の特徴が充分に活かされるとは、超音波モータの特徴であるロータがステータに圧接状態となっていることにより、モータが駆動される以外はロータとステータの摩擦力によってロータの非回転状態が常に維持され、それと連結しているモータ入力リングは何ら特別な構造を必要としてなくても非回転状態が維持されるようになっていることである。
【0017】
上記差動機構では回転リング512が回転してもマニュアル操作力入力リング516が非回転状態を維持する様に加圧部材としての皿ばね508の加圧力が作用し、逆にマニュアル操作力入力リング516を回転してマニュアルフォーカスを行う際には、超音波モータのロータ(512〜514)がステータに圧接状態であるために、該ロータの非回転状態が維持され、何らの切り換え機構を用いることなく、オートフォーカス動作とマニュアルフォーカス動作の切り換えが行える様になっている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のレンズ鏡筒では、マニュアルフォーカス動作とオートフォーカス動作とを無変換動作で切り換えるための差動機構における遊星機構にローラーを使用し、このローラーを挟む両側の超音波モータの回転リングによる出力端面とマニュアルフォーカス操作力入力リングによる出力端面とを摩擦接触させて駆動力の伝達を行っている。そして、その摩擦接触のための加圧力は、超音波モータのステータ側の加圧部材の加圧を利用して、超音波モータからの出力を効率よく伝達することができるように、上記ローラーと超音波モータの出力端面及びマニュアルフォーカスリングの出力端面の摩擦接触のスリップトルクバランスをとるように加圧力を設定していた。そのため、レンズ負荷の大きいフォーカスレンズを駆動する場台、ローラーとの摩擦接触に滑りが発生し、超音波モータからの出力を効率よく伝達することができず、レンズの駆動が充分に行えなくなるという課題があった。
【0019】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、超音波モータの出力を効率よく伝達することのできるレンズ鏡筒および光学機器を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明のレンズ鏡筒は、光軸を中心に回転する第1の回転環と、前記光軸と同心に配置された環状のロータとステータを備える超音波モータと、前記第1の回転環または前記ロータによって回転力を伝えられ、光軸に対して直交する放射方向を中心として回転する回転部材とを有し、前記第1の回転環及び前記超音波モータ及び前記回転部材にて構成された差動機構により前記回転部材を光軸回りに公転させ、前記回転部材を備えた第2の回転環を光軸を中心に回転させるレンズ鏡筒において、
前記超音波モータのロータとステータを圧接させるために圧力を加える第1の加圧手段と、
前記第1の回転環と前記回転部材との間、及び前記回転部材と前記ロータとの間に圧力を加える第2の加圧手段とを有することを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第1の加圧手段の圧力を前記回転部材に伝えることを防止し、且つ前記回転部材及び前記ロータの一部を介して受けた前記第2の加圧手段の圧力を前記ロータとステータの接触面に伝えることを防止する圧力伝達防止手段とを有することを特徴としている。
請求項3の発明のレンズ鏡筒は、光軸を中心に回転する第1の回転環と、前記光軸と同心に配置された環状のロータとステータを備える超音波モータと、前記第1の回転環または前記ロータによって回転力を伝えられ、光軸に対して直交する放射方向を中心として回転する回転部材とを有し、前記第1の回転環及び前記超音波モータ及び前記回転部材にて構成された差動機構により前記回転部材を光軸回りに公転させ、前記回転部材を備えた第2の回転環を光軸を中心に回転させるレンズ鏡筒において、
前記超音波モータのロータとステータを圧接させるために圧力を加える第1の加圧手段と、
第1の回転環を前記回転部材に圧接させるために圧力を加える第2の加圧手段とを有しており、前記回転部材は第1のローラーであり、前記第1の回転環及び前記ロータは摩擦力によって該第1のローラーに回転力を伝えることを特徴としている。
請求項4の発明のレンズ鏡筒は、光軸を中心に回転する第1の回転環と、前記光軸と同心に配置された環状のロータとステータを備える超音波モータと、前記第1の回転環または前記ロータによって回転力を伝えられ、光軸に対して直交する放射方向を中心として回転する回転部材とを有し、前記第1の回転環及び前記超音波モータ及び前記回転部材にて構成された差動機構により前記回転部材を光軸回りに公転させ、前記回転部材を備えた第2の回転環を光軸を中心に回転させるレンズ鏡筒において、
前記超音波モータのロータとステータを圧接させるために圧力を加える第1の加圧手段と、
第1の回転環を前記回転部材に圧接させるために圧力を加える第2の加圧手段と、
前記第1の加圧手段の圧力を前記回転部材に伝えることを防止し、且つ前記回転部材及び前記ロータの一部を介して受けた前記第2の加圧手段の圧力を前記ロータとステータの接触面に伝えることを防止する圧力伝達防止手段とを有しており、
前記第1の加圧手段の圧力を受ける前記ロータの少なくとも一部は、ラジアル玉軸受の一部を構成する軌道輪であり、前記圧力伝達防止手段は、少なくとも該ラジアル玉軸受により構成されることを特徴としている。
請求項5の発明のレンズ鏡筒は、光軸を中心に回転する第1の回転環と、前記光軸と同心に配置された環状のロータとステータを備える超音波モータと、前記第1の回転環または前記ロータによって回転力を伝えられ、光軸に対して直交する放射方向を中心として回転する回転部材とを有し、前記第1の回転環及び前記超音波モータ及び前記回転部材にて構成された差動機構により前記回転部材を光軸回りに公転させ、前記回転部材を備えた第2の回転環を光軸を中心に回転させるレンズ鏡筒において、
前記超音波モータのロータとステータを圧接させるために圧力を加える第1の加圧手段と、
第1の回転環を前記回転部材に圧接させるために圧力を加える第2の加圧手段と、
前記第1の加圧手段の圧力を前記回転部材に伝えることを防止し、且つ前記回転部材及び前記ロータの一部を介して受けた前記第2の加圧手段の圧力を前記ロータとステータの接触面に伝えることを防止する圧力伝達防止手段と、
前記第1の加圧手段の圧力を受け、光軸に対して直交する放射方向の回転軸を中心として回転する第2のローラーと、前記第2の加圧手段の圧力を受け、前記第2のローラーと同じ回転軸を中心として回転する第3のローラーとを有しており、
前記圧力伝達防止手段は、少なくとも該第2、第3のローラー及びその回転軸とにより構成されることを特徴としている。
【0021】
請求項6の発明のレンズ鏡筒は、レンズを保持するレンズホルダーと、
光軸を中心に回転する第1の回転環と、
制御回路の動作によって振動が生じる振動部材と、前記光軸と同心に配置され、前記振動部材の振動によって回転する回転リングと、前記第1の回転環または前記回転リングによって回転力を伝えられ、前記光軸に対して直交する放射方向を中心として回転する回転部材を含む第2の回転環とを備える駆動力発生ユニットとを有するレンズ鏡筒において、
前記第1の回転環及び前記駆動力発生ユニットにて構成された差動機構により前記回転部材に与えられた回転力を用いて、前記回転部材が前記光軸の回りに公転するように、前記第2の回転環を前記光軸を中心に回転させており、
前記回転リングと振動部材を圧接させるために圧力を加える第1の加圧手段と、
前記第1の回転環と前記回転部材との間、及び前記回転部材と前記回転リングとの間に圧力を加える第2の加圧手段とを有することを特徴としている。
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記第1の加圧手段の圧力を前記回転部材に伝えることを防止し、且つ前記回転部材及び前記回転リングの一部を介して受けた前記第2の加圧手段の圧力を前記回転リングと振動部材の接触面に伝えることを防止する圧力伝達防止手段とを有することを特徴としている。
請求項8の発明は、請求項6又は7の発明にいおいて、前記回転部材は第1のローラーであり、前記第1の回転環及び前記回転リングは摩擦力によって該第1のローラーに回転力を伝えることを特徴としている。
【0022】
請求項9の発明の光学機器は、請求項1乃至いずれか1項記載のレンズ鏡筒を有したことを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態について説明する。
【0024】
実施の形態例1.
図1は本発明によるレンズ鏡筒の実施の形態例1を示した要部縦断面図、図2は図1のレンズ鏡筒内に着脱自在に組込まれている駆動力発生ユニットの縦断面図である。
【0025】
図1及び図2において、1は光学機器本体(図示せず)に取付けるレンズ鏡筒の外筒、3は外筒1の前方に配置される外筒部分3aと外筒1の内側に配置される内筒部分3bと外筒部分3aの内側に配置されるヘリコイド形成部3cとを有した固定筒、4は固定筒3の外筒部分3aの外周面に形成された周方向溝3eと外筒1の外周面に形成された周方向溝1bとに嵌装されてレンズLの中心軸線Z(すなわち光軸)を中心として回転可能なマニュアル操作環、5はレンズLを固定したレンズホルダーであり、この外周面に形成されたヘリコイド5bが固定筒3のヘリコイド形成部3cの内周面に形成されたヘリコイド3dに螺合している。このレンズホルダー5には光軸Zと平行に延在する溝5aが貫設され、この溝5a内には光軸Zと平行な部分を有した後述のレンズホルダー駆動腕26がレンズLの半径方向のみ摺動可能に挿入されている。
【0026】
外筒1と固定筒3の内周部分3bとの間の環状の空間には図2に示す筒形の駆動力発生ユニット30が挿入されており、この駆動力発生ユニット30のフレームもしくは地板となっている筒状体2がその後端の内向きフランジ部2eにおいてビス28によって固定筒3の内向きフランジ部3e及び外筒1の内向きフランジ部1aに締結されている。
【0027】
筒状体2の外周面上には、図2に示したように、超音波モータ29の全構成部品と、超音波モータ29の回転リング12に接触する出力部材31と、前記マニュアル操作環4の回転トルクを入力させるためのマニュアル操作力入力リング19とが搭載されている。
【0028】
以下、上記駆動力発生ユニット30の構成要素である超音波モータ29の構成部材や、出力部材31の構造等について説明する。
【0029】
超音波モータ29は、横断面形状が台形を成した環状の振動部材6(ステータに相当する)、この振動部材6の一端面に物理的に接合された電歪素子7、この電歪素子7の表面に圧接されたフェルト等から成る環状の振動吸収体10、この振動吸収体10の一方の端面に接して配置された第1の環状のスペーサ9、このスペーサ9を環状振動部材の方へ押圧する第1の環状の皿ばね8、筒状体2の外周面に形成されたねじ部2aに螺合された第1の環状のナット11、内周に軸受ボール16を受けるV字形状のボールレース溝12aが形成された超音波モータ29のロータの一部となる回転リング12、この回転リング12に軸方向振動を伝達させぬためのゴムリング13、環状の周方向移動部材14、筒状体2の外周に嵌着されるとともに外周縁の突起15aが振動部材6の溝6a内に挿入されている振動部材回転止め部材15、筒状体2の外周に嵌着され一端に傾斜面を設けた第1のボール受けリング17、筒状体2の外周面に形成されたねじ部2bに螺合され第1のボール受けリング17の傾斜面に対向する一端に傾斜面を設けた第2のボール受けリング18、回転リング12のボールレース溝12a、第1のボール受けリング17の傾斜面及び第2のボール受けリング18の傾斜面により保持された複数個の軸受ボール16、等の諸部材によって構成されている。
【0030】
上記回転リング12と軸受けボール16及びボール受けリング17・18とはラジアルボールベアリング構造を構成しているため、回転リング12には転がり摩擦抵抗しか加わらないので、回転トルクは少なくなる。従って、モータにかかる負荷トルクも軽減され、モータの出力が効率よく伝達されるという効果がある。
【0031】
上記の回転リング12とゴムリング13及び周方向移動部材14は一体となって超音波モータ29のロータを構成しており、振動部材6に発生する周方向進行波振動によって回転リング12及びゴムリング13並びに周方向移動部材14から成るロータが光軸Zを中心として回転する。
【0032】
ナット11は皿ばね8の弾発力を調整することによって、振動部材6と周方向移動部材14との接触圧を調整する。即ち、ナット11と皿ばね8とにより本発明の第1の加圧手段を構成している。
【0033】
超音波モータ29の回転リング12(すなわちロータ)の端面に隣接して配置された出力部材31は、図2に示されるように、筒状体2の外周面に回転のみ可能に嵌装されたリング22と、このリング22の軸線Z(超音波モータの軸線)に直交する放射方向軸線上に該リング22の周上の少なくとも3ケ所の複数ケ所において、リング22の外周面から突出するように固定されたローラー支持軸21と、このローラー支持軸21に嵌装された中空形のローラー20と、によって構成されている。
【0034】
上記リング22は駆動力発生ユニット30の出力部材31の一要素であり、レンズホルダー5を回転駆動させるためのL形のレンズホルダー駆動腕26がビス27によってリング22の端面に締結されている。
【0035】
ローラー20は、その外周面において回転リング12の端面とマニュアル操作力入力リング19(以下、リング19と略称する)の端面とに接触している。このリング19は筒状体2に回転可能に嵌装されており、リング19は一端面(図1及び図2において右側の端面)においてローラー20の外周面に接触し、他方の端面において第2の環状のスペーサ23に接触している。
【0036】
筒状体2の外周面に形成されたねじ部2cに螺合された第2の環状のナット25は、第2の環状の皿ばね24の弾発力を調整することによって、ローラー20と回転リング12及びリング19との接触圧、リング19とスペーサ23との接触圧を調整する。即ち、ナット25と皿ばね24とにより本発明の第2の加圧手段を構成している。
【0037】
リング19の外周縁部はマニュアル操作環4の内周面の凹部4aに係合しており、このリング19はマニュアル操作環4によって回転されるようになっている。このリング19はスペーサ23との間の摩擦抵抗よりも大きな駆動トルクがマニュアル操作環4から伝達された時のみ回転することができ、それ以外は回転しない。従って、レンズ鏡筒の使用者がリング19とスペーサ23との間の摩擦抵抗に打ち勝ったトルクでマニュアル操作環4を回転操作しないがぎり、リング19は回転しない。
【0038】
26はビス27によって前記リング22に固定されたレンズホルダー駆動腕であり、このレンズホルダー駆動腕26は筒状体2の周面に貫設された穴2dと固定筒3の内筒部分3bに貫設された穴3eとを通ってレンズホルダー5の溝5a内に挿入されている。なお、筒状体2の周面に貫設された穴2d及び固定筒3の内筒部分3bに貫設された穴3eは周方向に沿って延在する溝形の穴である。
【0039】
次に、前記の如き構造を有する本実施の形態例のレンズ鏡筒の動作を説明する。
【0040】
レンズ鏡筒の使用者がレンズホルダー5を超音波モータ29の力で駆動させようとする時には、不図示のフォーカシングスイッチを操作する。すると、不図示の制御回路の動作によって電歪素子7に電圧が印加され、その結果、円周方向に進行する振動が振動部材6に生じ、この振動部材6の振動によって回転リング12及びゴムリング13並びに周方向移動部材14から成るロータが光軸Zを中心として回転される。
【0041】
このロータの回転によって中空ローラー20は回転リング12から回転トルクを受けるが、この時にはマニュアル操作環4が回動操作されていないので、前記リング19も回転していない。従って、ローラー20はローラー支持軸21のまわりを回転しつつ前記リング19の端面に沿って転動し、ローラー支持軸21を介して前記リング22が光軸Zを中心として回転される。このため、レンズホルダー駆動腕26も前記リング22とともに光軸Zを中心として回動されるので、レンズホルダー5は光軸Zを中心として回転されるとともにヘリコイド3d、5bの作用で軸方向に移動してオートフォーカシングが行われる。
【0042】
一方、レンズ鏡筒使用者がレンズホルダー5を超音波モータ29の力で駆動せずに指先の力で駆動させようとする時には、前記フォーカシングスイッチを操作せずマニュアル操作環4を光軸Zを中心として指先で回転操作する。すると、前記リング19がスペーサ23との摩擦抵抗に打ち勝って光軸Zを中心として回転されるが、この時には超音波モータ29は駆動されていないので、この超音波モータ29のロータである回転リング12は静止している。従って、ローラ20は前記リング19によって回転されつつ回転リング12の端面に沿って転動する。その結果、ローラー支持軸21を介して前記リング22は光軸Zを中心として回転され、レンズホルダー5はレンズホルダー駆動腕26によって回転されつつ軸方向移動してマニュアルフォーカシングが行われる。
【0043】
実施の形態例2.
図3は本発明によるレンズ鏡筒の実施の形態例2を示した要部縦断面図であり、図4は図3のレンズ鏡筒内に着脱自在に組込まれている駆動力発生ユニットの縦断面図である。
【0044】
図3及び図4において、101はレンズ鏡筒の外筒、103は外筒101の前方に配置される外筒部分103aと外筒101の内側に配置される内筒部分103bと後述するマニュアル操作環104の内側に配置されるカム穴形成部103cとを有した固定筒、104は固定筒103の外筒部分103aの外周面に形成された周方向溝103eと外筒101の外周面に形成された周方向溝101bとに嵌装されレンズLの中心軸線Z(すなわち光軸)を中心として回転可能なマニュアル操作環、105はレンズLを固定したレンズホルダーであり、固定筒103のカム穴形成部103cに形成されたカム穴103dに後述するコロ127によって係合している。このレンズホルダー105には光軸Zに対して放射方向軸線上に該レンズホルダー105の周上において、このレンズホルダー105の外周面から突出するようにコロ127がビス128によって固定されている。
【0045】
外周101と固定筒103の内筒部分103bとの間の環状の空間には図4に示す筒形の駆動力発生ユニット132が挿入されており、この駆動力発生ユニット132のフレームもしくは地板となっている筒状体102がその後端部においてビス130によって外筒101の内向きフランジ部101aに締結されている。
【0046】
筒状体102の内周面上には、図3に示したように、超音波モータ131の全構成部品と、該超音波モータ131の回転リング112に接触する出力部材133と、前記マニュアル操作環104の回転トルクを入力させるためのマニュアル操作力入力リング119と、が搭載されている。
【0047】
以下、超音波モータ131の構成部材や、出力部材133の構造等について説明する。
【0048】
超音波モータ131は、横断面形状が台形を成した環状の振動部材106、この振動部材106の一端面に物理的に接合された電歪素子107、この電歪素子107の表面に圧接されたフェルト等からなる環状の振動吸収体110、この振動吸収体110の一方の端面に接して配置された第1の環状のスペーサ109、このスペーサ109を環状振動部材の方へ押圧する第1の環状の皿ばね108、筒状体102の内周面に形成されたねじ部102aに螺合された第1の環状のナット111、外周に軸受ボール116を受けるV字形状のボールレース溝112aが形成された超音波モータ131のロータの一部となる回転リング112、この回転リング112に軸方向振動を伝達させぬためのゴムリング113、環状の周方向移動部材114、筒状体102の内周に嵌着されるとともに内周縁の突起115aが振動部材106の溝106a内に挿入されている振動部材回転止め部材115、筒状体102の内周に嵌着され一端に傾斜面を設けた第1のボール受けリング117、筒状体102の内周面に形成されたねじ部102bに螺合され第1のボール受けリング117の傾斜面に対向する一端に傾斜面を設けた第2のボール受けリング118、回転リング112のボールレース溝112a、第1のボール受けリング117の傾斜面及び第2のボール受けリング118の傾斜面により保持された複数個の軸受ボール116、等の諸部材によって構成されている。
【0049】
上記回転リング212と軸受けボール216及びボール受けリング217・218とはラジアルボールベアリング構造を構成しているため、回転リング212には転がり摩擦抵抗しか加わらないので、回転トルクは少なくなる。従って、モータにかかる負荷トルクも軽減され、モータの出力が効率よく伝達されるという効果がある。
【0050】
回転リング112とゴムリング113及び周方向移動部材114は一体となって超音波モータ131のロータを構成しており、振動部材106に発生する周方向進行波振動によって回転リング112及びゴムリング113並びに周方向移動部材114から成るロータが光軸Zを中心として回転する。
【0051】
ナット111は皿ばね108の弾発力を調整することによって振動部材106と周方向移動部材114との接触圧を調整する。即ち、ナット111と皿ばね108とにより第1の加圧手段を構成している。
【0052】
超音波モータ131の回転リング112(すなわちロータ)の端面に隣接して配置された出力部材133は、図4に示されるように、後述する回転筒126の外周面に回転のみ可能に嵌装されたリング122と、このリング122の軸線Z(超音波モータの軸線)に直交する放射方向軸線上に該リング122の周上の少なくとも3ケ所の複数ケ所において、このリング122の外周面から突出するように固定されたローラー支持軸121と、該ローラー支持軸121に嵌装された中空形のローラー120と、によって構成されている。
【0053】
上記リング122の内周には駆動力発生ユニット132の出力部材133となる回転筒126が配置されており、この回転筒126は固定筒103の内周部分103bとカム穴形成部103cの外周に回転のみ可能に嵌挿されている。この回転筒126は固定筒103のカム穴形成部103cの外周に嵌装されている直進穴形成部126aと、固定筒103の内筒部分103bの外周に嵌装されている内筒部分126bを有している。直進穴形成部126aにはコロ127が光軸Z方向のみ移動可能に係合し、コロ127を光軸Zを中心として回転させてレンズホルダー105を回転駆動させるための直進穴126cが設けられている。
【0054】
ローラー120は、その外周面において回転リング112の端面とマニュアル操作力入力リング119(以下、リング119と略称する)の端面とに接触している。このリング119は後述するスペーサ123の内周に回転可能に嵌装されており、その一端面(図3及び図4において右側の端面)においてローラー120の外周面に接触し、他方の端面において第2の環状のスペーサ123に接触している。
【0055】
筒状体102の内周面に形成されたねじ部102cに螺合された第2の環状のナット125は、第2の環状の皿ばね124の弾発力を調整することによってローラー120と回転リング112及びリング119との接触圧、リング119とスペーサ123との接触圧を調整する。即ち、ナット125と皿ばね124とにより、第2の加圧手段を構成している。
【0056】
リング119の突部119aはマニュアル操作環104の内周面の凹部104aに係合しており、マニュアル操作環104によって回転されるようになっている。このリング119はスペーサ123との間の摩擦抵抗よりも大きな駆動トルクがマニュアル操作環104から伝達された時のみ回転することができ、それ以外は回転しない。従って、レンズ鏡筒の使用者がリング119とスペーサ123との間の摩擦抵抗に打ち勝った回転トルクでマニュアル操作環104を回動操作しないかぎり、リング119は回転しない。
【0057】
次に、前記の如き構造を有する本実施の形態例2のレンズ鏡筒の動作を説明する。
【0058】
レンズ鏡筒の使用者がレンズホルダー105を超音波モータ131の力で駆動させようとする時には不図示のフォーカシングスイッチを操作する。すると、不図示の制御回路の動作によって電歪素子107に電圧が印加され、その結果、円周方向に進行する振動が振動部材106に生じ、該振動部材106の振動によって回転リング112及びゴムリング113並びに周方向移動部材114から成るロータが光軸Zを中心として回転される。
【0059】
このロータの回転によって中空ローラー120は回転リング112から回転トルクを受けるが、この時にはマニュアル操作環104が回動操作されていないので、前記リング119も回転していない。従って、ローラー120はローラー支持軸121のまわりを回転しつつ前記リング119の端面に沿って転動し、ローラー支持軸121を介して前記リング122が光軸Zを中心として回転される。このため、リング122の突部122aと回転筒126の溝部126bとの係合によって、回転筒126も前記リング122とともに光軸Zを中心として回動されるので、レンズホルダー5は光軸Zを中心として回転されるとともに固定筒103のカム穴形成部103cに形成されたカム穴103dに沿って軸方向移動してオートフォーカシングが行われる。
【0060】
一方、レンズ鏡筒使用者がレンズホルダー105を超音波モータ131の力で駆動せずに指先の力で駆動させようとする時には、前記フォーカシングスイッチを操作せず、マニュアル操作環104を光軸Zを中心として指先で回動操作する。すると、前記リング119がスペーサ123との摩擦抵抗に打ち勝って光軸Zを中心として回転されるが、この時には超音波モータ131は駆動されていないので、この超音波モータのロータである回転リング112は静止している。
【0061】
従って、ローラー120は前記リング119によって回転されつつ回転リング112の端面に沿って転動する。その結果、ローラー支持軸を介して前記リング122は光軸Zを中心として回転される。このため、突部122aと溝部126dの係合によって回転筒126も回転し、レンズホルダー105は該回転筒126によって回転されつつカム穴103dに沿って軸方向移動してマニュアルフォーカシングが行われる。
【0062】
実施の形態例3.
図5は本発明によるレンズ鏡筒の実施の形態例3を示した要部縦断面図である。
【0063】
図5において、201は案内筒で、後述のカム環202の径方向の回転のみ許容し、光軸方向の移動を規制する突起201a、後述の駆動コロ208が係合する直進溝201bを有している。202はカム環で案内筒201に回転可能に係合しており、後述の駆動コロ208に係合するカム202a及び後述する出力リング227に係合して、回転力が伝達される突起202bを有している。203は第1群レンズでフォーカス時に光軸方向に移動してピントを調整する。204は第2群レンズで常に固定されている。205は第1群鏡筒で、第1群レンズを保持し、案内筒201の内径に嵌合しており、一体的に取り付けられた後述の駆動コロ208により光軸方向に駆動される。206は第2群レンズを保持し、絞りユニット7を保持すると共に、案内筒201に一体的に固定される第2群鏡筒、208は第1群鏡筒205に一体的に取り付けられており、案内筒201の直進溝201b、カム環202のカム202aに係合して、カム環202が回転すると第1群鏡筒205を光軸方向に前後させる駆動コロである。209は不図示のカメラボディーと係合するマウント、210は案内筒201及び後述するフォーカスユニット外筒212を一体的に保持すると共にマウント9が一体的に取り付く固定筒である。211は後述のフォーカスユニット外筒212と回転可能に係合するフォーカス操作環で、後述のマニュアル連結環222に回転を伝達するように係合する爪部211aを有している。
【0064】
212〜232はフォーカス駆動のアクチュエータを構成するフォーカスユニットであり、212はユニット内の個々の部品を保持するフォーカスユニット外筒である。超音波モータ部は、横断面の形状が台形のリングから成る環状の振動部材213(ステータに相当する)、振動部材213と一体に形成された電歪素子214、電歪素子214の表面に圧接されたフェルト等から成る環状の振動吸収体215、振動吸収体215を環状振動部材の方へ押す第1の環状の皿ばね216、フォーカスユニット外筒212に螺合する第1の環状ナット217、このナット217の螺合位置を調整することで超音波モータ部側の加圧力を調整している振動部材213の溝に係合して振動部材213の回転を規制する回り止め218、振動部材213の端面に圧接された周方向移動部材219、周方向移動部材219からの振動を吸収するゴムリング220、ゴムリング220を介して周方向移動部材219と一体的に回転し、後述する第2連結環229に回転を伝える爪221aを有する環状の第1連結環221等により構成されている。
【0065】
一方、マニュアル入力部は、フォーカス操作環211の爪部211aと係合して回転が伝えられるマニュアル連結環222、フォーカスユニット外筒212に回転を規制され、光軸方向に前後可能に係合し、マニュアル連結環222の端面に圧接されるマニュアルリングカラー223、マニュアルリングカラー223の剛性を高めるための補強板224、補強板224を超音波モータ方向へ付勢する第2の環状皿ばね225、フォーカスユニット外筒212に螺合し、前述のナット217と同様にナット226の螺合位置の調整によりマニュアル側の加圧力を調整する第2の環状ナット226等により構成されている。
【0066】
以上の部品によって構成されたマニュアル入力部は、後述の227〜232の部品と合せ差動機構を構成している。
【0067】
227は前述のカム環202の突起202bと係合する出力リングであり、光軸に対し直交する放射方向軸線上に延びる少なくとも3ヶ所の支持軸227aを有し、支持軸227aには中間形の第1のローラー228が回転可能に係合する。229は前述の第1連結環221の爪部221aと係合して回転が伝達される係合部229aを有する第2連結環で端面を第1のローラー28に圧接されている。230はベアリング構造で、後述の固定軸232に内輪が圧入され、外輪はボールを介して回転自由な第2のローラーであり、第1連結環221の端面に圧接されて、超音波モータ部側からの加圧を受ける。31は、同じくベアリング構造で、後述の固定軸332に内輪が圧入され、外輪はボールを介して回転自由な第3のローラーであり、第2の連結環229の端面に圧接されて第1のローラー228を介してマニュアル入力部側からの加圧を受ける。332はフォーカスユニット外筒212に軸支され、光軸に直交する放射方向軸線上に少なくとも3ヶ所内径方向に向かって突出する固定軸で、前述の第2,第3のローラーを保持する。
【0068】
第2のローラー230は、第2連結環229の端面と接触しておらず、第3のローラー231は、第1連結環の端面と接触していない。このような構成により、超音波モータ部側、マニュアル入力部側それぞれの側からの加圧力は、反対側には伝わらず、したがって、それぞれの加圧力を最適な値に設定できるため、超音波モータの出力を効率よく伝達することができる。
【0069】
次に本実施形態におけるレンズ鏡筒の動作を説明する。
【0070】
まず、オートフォーカスモード時には、不図示の制御回路の動作によって電歪素子214に電圧が印加され、その結果、円周方向に進行する振動が振動部材213に生じ、その振動によって周方向移動部材219及びゴムリング220、第1連結環221が一体的に回転する。更に、その回転は第1連結環221の爪部221a、第2連結環の係合部229aを介して第2連結環229にも伝えられる。このとき第1連結環221の端面より超音波モータ側からの加圧を受ける第2のローラー230の外輪及び第2連結環229の端面よりマニュアル入力側からの加圧を受ける第3のローラー231の外輪は固定軸232の回りを回転する。
【0071】
第2連結環の回転によって第1のローラー228は回転トルクを受け、出力リング227の支持軸227aの周りを回転しつつ、静止しているマニュアル連結環222の端面に沿って転動し、それに伴い出力リング227も光軸を中心として回転させる。そして出力リング227の回転は突起202bを介してカム環202にも伝達され、オートフォーカスが行なわれる。
【0072】
上述の説明からも明らかなように、本実施形態においては周方向移動部材219、ゴムリング220、第1連結環221、第2連結環229によって超音波モータのロータを構成している。
【0073】
次に、撮影者が手動でピントを合わせる場合の動作について説明する。フォーカス操作環211を回転させると、その回転はマニュアル連結環222に伝えられ、マニュアル連結環222がマニュアルリングカラー223との摩擦抵抗に打ち勝って回転する。このとき超音波モータは駆動されていない為、第2連結環229は静止しており、従って第1ローラー228はマニュアル連結環222によって回転されつつ、第2連結環229の端面に沿って転動する。その結果、出力リング227も光軸を中心に回転させられ、突起202bを介して回転はカム環202へと伝達され、マニュアルフォーカスが行なわれる。尚同構成において超音波モータ部側は超音波モータの性能を十分に引き出せるような加圧力が設定されており、一方、マニュアル入力部側では、前述のレンズ群の駆動に必要なトルクを得るために、差動機構を構成する上での摩擦接触部での滑りが生じないような加圧力に設定されている。
【0074】
レンズ鏡筒を上述してきたような構成にすることにより、超音波モータの性能に関係なく、差動機構部の摩擦接触のスリップトルクを自由に設定でき、超音波モータの出力を効率よく伝達することが簡単な構成、組立作業で実現できる。
【0075】
また、実施形態1〜3にて示したレンズ鏡筒をカメラ等の光学機器に適用しても同様の効果が期待できる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレンズ鏡筒及び光学機器によれば、超音波モータの出力を効率よく伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例1によるレンズ鏡筒を示した縦断面図
【図2】実施の形態例1における駆動力発生ユニットの縦断面図
【図3】本発明の実施の形態例2によるレンズ鏡筒を示した縦断面図
【図4】実施の形態例2における駆動力発生ユニットの縦断面図
【図5】本発明の実施の形態例3によるレンズ鏡筒を示した縦断面図
【図6】従来のレンズ鏡筒を示した縦断面図
【符号の説明】
6、106、213 振動部材
8、108、216 第1の環状皿ばね
11、111、217 第1の環状ナット
12、112 回転リング
14、114、219 周方向移動部材
16、116 軸受ボール
17、117 第1のボール受けリング
18、118 第2のボール受けリング
19、119 マニュアル操作力入力リング
20、120 ローラー
21、121 ローラー支持軸
22、122、227 出力リング
24、125、225 第2の環状皿ばね
25、125、226 第2の環状ナット
29、131 超音波モータ
30 駆動力発生ユニット
31、133 出力部材
221 第1連結環
222 マニュアル連結環
228 第1のローラー
229 第2連結環
230 第2のローラー
231 第3のローラー
232 固定軸

Claims (9)

  1. 光軸を中心に回転する第1の回転環と、前記光軸と同心に配置された環状のロータとステータを備える超音波モータと、前記第1の回転環または前記ロータによって回転力を伝えられ、光軸に対して直交する放射方向を中心として回転する回転部材とを有し、前記第1の回転環及び前記超音波モータ及び前記回転部材にて構成された差動機構により前記回転部材を光軸回りに公転させ、前記回転部材を備えた第2の回転環を光軸を中心に回転させるレンズ鏡筒において、
    前記超音波モータのロータとステータを圧接させるために圧力を加える第1の加圧手段と、
    前記第1の回転環と前記回転部材との間、及び前記回転部材と前記ロータとの間に圧力を加える第2の加圧手段とを有することを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 前記第1の加圧手段の圧力を前記回転部材に伝えることを防止し、且つ前記回転部材及び前記ロータの一部を介して受けた前記第2の加圧手段の圧力を前記ロータとステータの接触面に伝えることを防止する圧力伝達防止手段とを有することを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
  3. 光軸を中心に回転する第1の回転環と、前記光軸と同心に配置された環状のロータとステータを備える超音波モータと、前記第1の回転環または前記ロータによって回転力を伝えられ、光軸に対して直交する放射方向を中心として回転する回転部材とを有し、前記第1の回転環及び前記超音波モータ及び前記回転部材にて構成された差動機構により前記回転部材を光軸回りに公転させ、前記回転部材を備えた第2の回転環を光軸を中心に回転させるレンズ鏡筒において、
    前記超音波モータのロータとステータを圧接させるために圧力を加える第1の加圧手段と、
    第1の回転環を前記回転部材に圧接させるために圧力を加える第2の加圧手段とを有しており、前記回転部材は第1のローラーであり、前記第1の回転環及び前記ロータは摩擦力によって該第1のローラーに回転力を伝えることを特徴とするレンズ鏡筒。
  4. 光軸を中心に回転する第1の回転環と、前記光軸と同心に配置された環状のロータとステータを備える超音波モータと、前記第1の回転環または前記ロータによって回転力を伝えられ、光軸に対して直交する放射方向を中心として回転する回転部材とを有し、前記第1の回転環及び前記超音波モータ及び前記回転部材にて構成された差動機構により前記回転部材を光軸回りに公転させ、前記回転部材を備えた第2の回転環を光軸を中心に回転させるレンズ鏡筒において、
    前記超音波モータのロータとステータを圧接させるために圧力を加える第1の加圧手段と、
    第1の回転環を前記回転部材に圧接させるために圧力を加える第2の加圧手段と、
    前記第1の加圧手段の圧力を前記回転部材に伝えることを防止し、且つ前記回転部材及び前記ロータの一部を介して受けた前記第2の加圧手段の圧力を前記ロータとステータの接触面に伝えることを防止する圧力伝達防止手段とを有しており、
    前記第1の加圧手段の圧力を受ける前記ロータの少なくとも一部は、ラジアル玉軸受の一部を構成する軌道輪であり、前記圧力伝達防止手段は、少なくとも該ラジアル玉軸受により構成されることを特徴とするレンズ鏡筒。
  5. 光軸を中心に回転する第1の回転環と、前記光軸と同心に配置された環状のロータとステータを備える超音波モータと、前記第1の回転環または前記ロータによって回転力を伝えられ、光軸に対して直交する放射方向を中心として回転する回転部材とを有し、前記第1の回転環及び前記超音波モータ及び前記回転部材にて構成された差動機構により前記回 転部材を光軸回りに公転させ、前記回転部材を備えた第2の回転環を光軸を中心に回転させるレンズ鏡筒において、
    前記超音波モータのロータとステータを圧接させるために圧力を加える第1の加圧手段と、
    第1の回転環を前記回転部材に圧接させるために圧力を加える第2の加圧手段と、
    前記第1の加圧手段の圧力を前記回転部材に伝えることを防止し、且つ前記回転部材及び前記ロータの一部を介して受けた前記第2の加圧手段の圧力を前記ロータとステータの接触面に伝えることを防止する圧力伝達防止手段と、
    前記第1の加圧手段の圧力を受け、光軸に対して直交する放射方向の回転軸を中心として回転する第2のローラーと、前記第2の加圧手段の圧力を受け、前記第2のローラーと同じ回転軸を中心として回転する第3のローラーとを有しており、
    前記圧力伝達防止手段は、少なくとも該第2、第3のローラー及びその回転軸とにより構成されることを特徴とするレンズ鏡筒。
  6. レンズを保持するレンズホルダーと、
    光軸を中心に回転する第1の回転環と、
    制御回路の動作によって振動が生じる振動部材と、前記光軸と同心に配置され、前記振動部材の振動によって回転する回転リングと、前記第1の回転環または前記回転リングによって回転力を伝えられ、前記光軸に対して直交する放射方向を中心として回転する回転部材を含む第2の回転環とを備える駆動力発生ユニットとを有するレンズ鏡筒において、
    前記第1の回転環及び前記駆動力発生ユニットにて構成された差動機構により前記回転部材に与えられた回転力を用いて、前記回転部材が前記光軸の回りに公転するように、前記第2の回転環を前記光軸を中心に回転させており、
    前記回転リングと振動部材を圧接させるために圧力を加える第1の加圧手段と、
    前記第1の回転環と前記回転部材との間、及び前記回転部材と前記回転リングとの間に圧力を加える第2の加圧手段とを有することを特徴とするレンズ鏡筒。
  7. 前記第1の加圧手段の圧力を前記回転部材に伝えることを防止し、且つ前記回転部材及び前記回転リングの一部を介して受けた前記第2の加圧手段の圧力を前記回転リングと振動部材の接触面に伝えることを防止する圧力伝達防止手段とを有することを特徴とする請求項6記載のレンズ鏡筒。
  8. 前記回転部材は第1のローラーであり、前記第1の回転環及び前記回転リングは摩擦力によって該第1のローラーに回転力を伝えることを特徴とする請求項6又は7記載のレンズ鏡筒。
  9. 請求項1乃至いずれか1項記載のレンズ鏡筒を有した光学機器。
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