JP3630326B2 - 水溶性トリアゾール医薬組成物 - Google Patents

水溶性トリアゾール医薬組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬(特に注射剤)として優れた薬物動態及び抗真菌活性を有するトリアゾール化合物及び薬理上許容される塩を有効成分とする医薬組成物(特に、抗真菌剤)に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで、真菌感染症治療剤として、様々なトリアゾール化合物が報告されている。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4には、第三級水酸基を有するトリアゾール化合物が記載されている。特許文献5には、2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ビス(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−プロパノール(フルコナゾール)が記載されている。特許文献6には、3−[4−(4−シアノフェニル)チアゾール−2−イル]−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−ブタノール(ラブコナゾール)が記載されている。特許文献7には、2−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−[4−(4−シアノフェニル)チアゾール−2−イル]−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−ブタノール(RO0094815)が記載されている。特許文献8には、2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−(5−フルオロ−4−ピリミジニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−ブタノール(ボリコナゾール)が記載されている。特許文献9には、1−[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]−3−[4−(1H−1−テトラゾリル)フェニル]−2−イミダゾリジノン(TAK−456)が記載されている。特許文献10には、2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(エチルスルホニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−プロパノール(SS750)が記載されている。特許文献11には、(2R,3R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[4−[4−[3−オキソ−2−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−2H−1,2,4−トリアゾール−4−イル]フェニル]−1−ピペラジニル]−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−ブタノール(Syn−2869)が記載されている。特許文献12には、7−クロロ−3−[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]キナゾリン−4(3H)−オン(UR−9825)が記載されている。その他、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16、及び特許文献17には、類似のトリアゾール化合物が記載されている。
【0003】
また、特許文献18、特許文献19及び特許文献20には、真菌感染症治療剤の水溶性を改善するための、メチレンジオキシ基を介するエステル化合物が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8-333350号公報
【特許文献2】
特開平11-80135号公報
【特許文献3】
特開平10-279567号公報
【特許文献4】
特開2001-342187号公報
【特許文献5】
特開昭62-12766号公報
【特許文献6】
特開平8-53426号公報
【特許文献7】
WO 99/45008号公報
【特許文献8】
特許第2625584号公報
【特許文献9】
特開平9-183769号公報
【特許文献10】
特開平11-240871号公報
【特許文献11】
WO98/31675号公報
【特許文献12】
WO97/05130号公報
【特許文献13】
特許第3050982号公報
【特許文献14】
WO95/25107号公報
【特許文献15】
WO00/27852号公報
【特許文献16】
WO01/66551号公報
【特許文献17】
WO01/79196号公報
【特許文献18】
WO00/30655号公報
【特許文献19】
WO99/61017号公報
【特許文献20】
WO01/52852号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
真菌感染症治療剤は、その対象となる真菌の種類や感染の様態によって投与形態が異なる。この投与形態には、例えば経口投与及び注射投与があるが、これら投与方法には一長一短があるため、真菌感染症治療剤は、経口投与及び注射剤投与のいずれも可能なことが望ましい。しかし、上に示したトリアゾール真菌感染症治療剤は、優れた抗真菌活性を有しながらも水溶性が低いために注射剤として投与することが困難であるという欠点を有する。
【0006】
この低水溶性を改善する手段としては、水酸基を水溶性が高まるようなエステル基へ変換することが考えられるが、これら治療剤が共通して有する水酸基は第三級水酸基であるため、その反応性の低さ故に投与後体内において当該エステル基が速やかに開裂せず、活性本体が現れないという不都合が生じる。また、メチレンジオキシ基を介するエステル化合物は、開裂の際にホルムアルデヒドを生じる。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、水溶性が高く、生体内で速やかに開裂し、かつ開裂の際にホルムアルデヒドを発生しないため安全である、第三級水酸基においてエステル化されたトリアゾール化合物を提供することにある。本発明に係る第三級水酸基におけるエステル基を有するトリアゾール化合物は、これまで知られていなかった。
【0008】
本発明者らは、本発明に係る第三級水酸基におけるエステル基の発案・合成を行い、本発明に係るトリアゾール化合物が、安価・容易に製造可能であり、化学的安定性に優れ、高い水溶性を有し、生体内で速やか且つ高変換率でエステル基の開裂を起こし優れた抗真菌活性を示し、開裂の際にホルムアルデヒドを発生せず、臓器選択性に優れ、好ましい動態と高い安全性を示すことから、医薬組成物(特に、抗真菌剤)として(特に注射剤として)有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決する為の手段】
本発明は、 一般式(I)
【0010】
【化21】
Figure 0003630326
【0011】
[式中、Xは、一般式(II)
【0012】
【化22】
Figure 0003630326
【0013】
(式中、Arは、ハロゲン原子及びC−Cハロゲン化アルキル基からなる群から選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−C10アリール基を示し、Rは、有機残基を示す。)で表される基(但し、式X−OHで表される化合物は抗真菌活性を有する。)を示し、
Lは一般式−L−L
[式中、Lは、単結合、酸素原子、置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−C10アリール基、置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよい複素環基、又は、置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−Cシクロアルキル基を示し、
は、置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−Cアルキレン基を示す。]で表される基を示し、
Rは、水素原子、置換基群βより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−Cアルカノイル基、式−C(O)−NR(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又はC−Cアルキルを示すか、或いは、R及びRはそれらが結合する窒素原子と一緒となって4員乃至7員含窒素複素環を形成する基を示す。)で表される基、又は、−P(=O)(OH)基を示す。]
で表されるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬である。
<置換基群α>
−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、アミノ基、C−Cアルキルアミノ基、ジC−Cアルキルアミノ基、アミノC−Cアルキル基、C−CアルキルアミノC−Cアルキル基、ジC−CアルキルアミノC−Cアルキル基、カルボキシ基、−O−P(=O)(OH)基、及び、−O−P(=O)(OH)基で1置換されたC−Cアルキル基。
<置換基群β>
水酸基、式−Q−NR’R’[式中、Qは、単結合又はカルボニル基を示し、R’及びR’は、それぞれ独立して水素原子又はC−Cアルキル基を示すか、或いは、R’及びR’はそれらが結合する窒素原子と一緒となって4員乃至7員含窒素複素環(当該含窒素複素環は、同一又は異なるC−Cアルキル基で1又は2置換されてもよい。)を形成する基を示す。]で表される基、カルボキシ基、−O−P(=O)(OH)基、及び、−SOH基。
【0014】
上記一般式(I)で表される化合物、又は、その薬理学上許容される塩を含有する医薬において、好適には、
(1)Lが置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−C10アリール基、置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよい複素環基、又は、置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−Cシクロアルキル基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(2)X−O−C(=O)−基と結合する−L−基中の炭素原子と、−L−O−R基と結合する−L−基中の炭素原子とが互いに隣接するものであるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(3)Lがメチレン基又は置換基群αより選択される同一又は異なる置換基で1又は2置換されたメチレン基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(4)Lが、−(o−フェニレン)−CH−基、又は、置換基群αより選択される置換基で1置換された−(o−フェニレン)−CH−基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(5)Lが、置換基群αより選択される置換基で1置換された−(o−フェニレン)−CH−基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(6)Rが水素原子であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(7)Rが置換基群βより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−Cアルカノイル基である、トリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(8)Rが、−P(=O)(OH)基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(9)置換基群αがメチル基、メトキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及び−CH−O−P(=O)(OH)基からなる置換基群α1であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(10)置換基群βがアミノ基、C−Cアルキルアミノ基、及び、ジC−Cアルキルアミノ基からなる置換基群β1であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(11)置換基群βがジC−Cアルキルアミノ基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(12)置換基群βがN,N−ジメチルアミノ基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(13)置換基群βがカルボキシ基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(14)置換基群βが同一又は異なるC−Cアルキル基を1又は2個有してもよい4員乃至7員含窒素複素環基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(15)置換基群βが同一又は異なるC−Cアルキル基で1又は2置換された4員乃至7員含窒素複素環基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(16)置換基群βが4−メチル−1−ピペラジニル基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(17)置換基群βが、式−C(O)−W(式中、Wは、同一又は異なるC−Cアルキル基を1又は2個有してもよい4員乃至7員含窒素複素環基を示すであり、)で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(18)置換基群βが、式−C(O)−W(式中、Wは、同一又は異なるC−Cアルキルで1又は2置換された4員乃至7員含窒素複素環基を示すであり、)で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(19)置換基群βが、(4−メチル−1−ピペラジニル)カルボニル基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(20)Xが、一般式(III)
【0015】
【化23】
Figure 0003630326
【0016】
[式中、Arは、ハロゲン原子及びトリフルオロメチル基よりなる群から選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいフェニル基を示し、
Arは、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいフェニル基、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよい単環式ヘテロアリール基、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいナフチル基、又は、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよい縮合二環式ヘテロアリール基を示し、
Eは、メチレン基、又は、式−S(O)n1−(式中、n1は0乃至2の整数を示す。)で表される基を示し、
は、C−Cシクロアルキル基又はヘテロシクリル基を示し、
及びRは、独立に水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
Gは、式(Ga)
【0017】
【化24】
Figure 0003630326
【0018】
(式中、R、R、R、及びRは、独立に水素原子、又は、同一又は異なるハロゲン原子を1乃至5個有してもよいC−Cアルキル基を示し、
pは、0又は1の整数を示し、
qは、0乃至3の整数を示し、
r及びsは、独立に0乃至2の整数を示す。)で表される基、
又は、式(Gb)
【0019】
【化25】
Figure 0003630326
【0020】
(式中、Φは、フッ素原子および塩素原子からなる置換基群から選択される同一又は異なる1又は2個の置換基を有してもよいフェニレン基、又は、フッ素原子および塩素原子からなる置換基群から選択される同一又は異なる1又は2個の置換基を有してもよいナフチレン基を示し、
RΨは、水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
Tは、単結合、又は、直鎖若しくは分枝C−Cアルキレン基を示す。)で表される基を示す。]で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(21)(20)において、Arが、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいフェニル基、又は、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよい単環式ヘテロアリール基であり、
Eが、式−S(O)n1−(式中、n1は0乃至2の整数を示す。)で表される基であり、
がC−Cアルキル基であり、
が水素原子又はC−Cアルキル基であり、
Gが、式(Ga’)
【0021】
【化26】
Figure 0003630326
【0022】
(式中、R6’、R7’、R8’、及びR9’は、独立に水素原子、又は、同一又は異なるハロゲン原子を1乃至5個有してもよいC−Cアルキル基を示し、
p’は、0又は1の整数を示し、
q’、r’及びs’は、独立に0乃至2の整数を示す。)で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(22)Xが式(IV)
【0023】
【化27】
Figure 0003630326
【0024】
で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(23)(20)において、
Eが、メチレン基であり、

【0025】
【化28】
Figure 0003630326
【0026】
からなる群から選択される基であり、
Gが、式(Ga’’)
【0027】
【化29】
Figure 0003630326
【0028】
(式中、q’’は、0乃至3の整数を示し、r’’及びs’’は、独立に0乃至2の整数を示す。但し、q’’、r’’及びs’’の和は3以下である。)で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(24)Xが式(V)
【0029】
【化30】
Figure 0003630326
【0030】
で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(25)(20)において、
Arが、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいナフチル基、又は、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよい縮合二環式ヘテロアリール基であり、
Eが式−S(O)n1−(式中、n1は0乃至2の整数を示す。)で表される基であり、
がC−Cアルキル基であり、
が水素原子であり、
Gが、式(Ga’)
【0031】
【化31】
Figure 0003630326
【0032】
(式中、R6’、R7’、R8’、及びR9’は、独立に水素原子、又は、同一又は異なるハロゲン原子を1乃至5個有してもよいC−Cアルキル基を示し、
p’は、0又は1の整数を示し、
q’、r’及びs’は、独立に0乃至2の整数を示す。)で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(26)(20)において、
Arが、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいフェニル基、又は、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいナフチル基であり、
Eが、メチレン基、又は、硫黄原子であり、
が水素原子であり、
Gが、式(Gb)
【0033】
【化32】
Figure 0003630326
【0034】
(式中、Φは、フッ素原子および塩素原子からなる置換基群から選択される同一又は異なる1又は2個の置換基を有してもよいフェニレン基、又は、フッ素原子および塩素原子からなる置換基群から選択される同一又は異なる1又は2個の置換基を有してもよいナフチレン基を示し、
RΨは、水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
Tは、単結合、又は、直鎖若しくは分枝C−Cアルキレン基を示す。)で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(27)Xが、式(VI)
【0035】
【化33】
Figure 0003630326
【0036】
で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(28) Xが、式(VII)
【0037】
【化34】
Figure 0003630326
【0038】
で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(29)Xが、式(VIII)
【0039】
【化35】
Figure 0003630326
【0040】
で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(30)Xが、式(IX)
【0041】
【化36】
Figure 0003630326
【0042】
で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(31)Xが、式(X)
【0043】
【化37】
Figure 0003630326
【0044】
で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(32)Xが、式(XI)
【0045】
【化38】
Figure 0003630326
【0046】
で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(33)Xが、式(XII)
【0047】
【化39】
Figure 0003630326
【0048】
で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬であり、
(34)Xが、式(XIII)
【0049】
【化40】
Figure 0003630326
【0050】
で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬である。
<置換基群γ>
ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、カルボキシ基、置換基群ζより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいC−Cアルキル基、置換基群ζより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいC−Cアルコキシ基、置換基群ζより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいC−Cアルカノイル基、置換基群ζより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいC−Cアルカノイルオキシ基、C−Cアルコキシカルボニル基、C−Cアルカノイルアミノ基、式−C(O)−NR2a3a(式中、R2a及びR3aは、それぞれ独立して水素原子又はC−Cアルキル基を示すか、或いは、R2a及びR3aはそれらが結合する窒素原子と一緒となって4員乃至7員含窒素複素環を形成する基を示す。)で表される基、式−S(O)μ−Rξ(式中、μ1は0乃至2の整数を示し、Rξは置換基群ηより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいC−Cアルキル基を示す。)で表される基、式−S(O)μ−O−Rξ(式中、μ2は0乃至2の整数を示し、Rξは置換基群ηより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいC−Cアルキル基を示す。)で表される基、式−O−S(O)μ−Rξ(式中、μ3は0乃至2の整数を示し、Rξは置換基群ηより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいC−Cアルキル基を示す。)で表される基、置換基群δより選択される同一又は異なる1又は2個の置換基を有してもよいイミダゾリル基、置換基群δより選択される同一又は異なる1又は2個の置換基を有してもよいピラゾリル基、置換基群δより選択される同一又は異なる1又は2個の置換基を有してもよいトリアゾリル基、置換基群δより選択される同一又は異なる1又は2個の置換基を有してもよいテトラゾリル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、及び、C−Cシクロアルキル基で置換されたC−Cアルキル基。
<置換基群δ>
−Cアルキル基、同一又は異なるハロゲン原子で1乃至5置換されたC−Cアルキル基、及び、ハロゲン原子。
<置換基群ζ>
ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、及び、C−Cアルコキシ基。
<置換基群η>
ハロゲン原子、及び、水酸基。
【0051】
又、本発明のトリアゾール化合物の一部は下記の一般式(I’)
【0052】
【化41】
Figure 0003630326
【0053】
で表されるトリアゾール化合物又は薬理上許容される塩、である。
【0054】
X’は、一般式(II’)
【0055】
【化42】
Figure 0003630326
【0056】
[式中、
Arは、C−C10アリール基(置換分として、ハロゲン原子及びC−Cハロゲン化アルキル基からなる群から選択される基を有していてもよい。)を示す。
【0057】
’は、有機残基を示す。]
で表され、式X’−OHで表される化合物が抗真菌活性を有する基を示す。
【0058】
L’は、C−Cアルキレン基(後述する置換分α0を1乃至3個有していてもよい。)、−O−(C−Cアルキレン)基(後述する置換分α0を1乃至3個有していてもよい。)、−(隣接置換C−C10アリール)CH−基(後述する置換分α0を1乃至3個有していてもよい。)、又は−(隣接置換C−Cシクロアルキル)CH−基(後述する置換分α0を1乃至3個有していてもよい。)を示す。
【0059】
R’は、水素原子、C−Cアルカノイル基、C−Cアルカノイル基(後述する置換分β0を1乃至3個有する。)、又は−P(O)(OH)基を示す。
【0060】
置換分α0は、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、R2030N−基(R20及びR30は、それぞれ独立して水素原子又はC−Cアルキルを示す。)、R2030N(C−Cアルキル)−基(R20及びR30は、前述と同意義を示す。)、カルボキシル基、(HO)P(O)O−基及び(HO)P(O)O(C−Cアルキル)−基からなる群から選択される基を示す。
【0061】
置換分β0は、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、−OP(O)(OH)基及び−SOH基からなる群から選択される基を示す。
【0062】
本発明における医薬として好適には、抗真菌剤である。
【0063】
本発明における医薬の剤形として好適には、注射剤、又は、点滴剤である。
【0064】
「アリール基」とは芳香族炭化水素環基をいい、C−C10アリール基としては、例えばフェニル、1−ナフチル及び2−ナフチルを挙げることができ、好適にはフェニルである。
【0065】
「ハロゲン原子」としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子を挙げることができ、好適にはフッ素原子又は塩素原子である。
【0066】
「アルキル基」とは、直鎖状又は分枝鎖状の飽和炭化水素基をいい、C−Cアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、及びt−ブチルを挙げることができ、C−Cアルキル基としては、これらに加えてペンチル、s−ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、4−メチルペンチル(イソヘキシル)、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル(s−ヘキシル)、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、及び2−エチルブチルを挙げることができ、好適にはC−Cアルキル基であり、更に好適にはC−Cアルキル基であり、最適にはメチル基である。
【0067】
「アルコキシ基」とは、直鎖状又は分枝鎖状のアルコキシ基をいい、C−Cアルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシを挙げることができ、C−Cアルコキシ基としては、これらに加えてペントキシ、イソペントキシ、2−メチルブトキシ、ネオペントキシ、1−エチルプロポキシ、ヘキシルオキシ、4−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−メチルペントキシ、3,3−ジメチルブトキシ、2,2−ジメチルブトキシ、1,1−ジメチルブトキシ、1,2−ジメチルブトキシ、1,3−ジメチルブトキシ、2,3−ジメチルブトキシ、及び2−エチルブトキシを挙げることができ、好適にはC−Cアルコキシ基であり、更に好適にはC−Cアルコキシ基であり、最適にはメトキシ基である。
【0068】
「ハロゲン化アルキル基」とは、前述したアルキル基の水素原子が1乃至5個のハロゲン原子により置換された1価の基をいい、C−Cハロゲン化アルキル基としては、例えばトリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、フルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−ブロモエチル、2−クロロエチル、2−フルオロエチル、2−ヨードエチル、ペンタフルオロエチル、3−クロロプロピル、4−フルオロブチル、6−ヨードヘキシル、及び2,2−ジブロモエチルを挙げることができ、好適にはC−Cハロゲン化アルキル基であり、更に好適にはC−Cハロゲン化アルキル基であり、最適にはトリフルオロメチルである。
【0069】
「アルキレン基」とは、直鎖飽和炭化水素の両鎖端の水素原子1個ずつを除いて誘導される2価の基をいい、例えばメチレン(−(CH)−)、エチレン(−(CH−)、トリメチレン(−(CH−)及びテトラメチレン(−(CH−)を挙げることができ、Lが単結合である場合好適にはトリメチレンであり、Lが酸素原子である場合好適にはエチレンであり、Lが置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−C10アリール基、置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよい複素環基、又は、置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−Cシクロアルキル基である場合好適にはメチレンである。L’における−O−(C−Cアルキレン)基としては−O−(CH−基、及び−O−(CH−基を挙げることができ、好適には−O−(CH−基である。
【0070】
「アルカノイル基」とは、カルボニル基に水素原子又は前述したアルキル基が結合した1価の基をいい、C−Cアルカノイル基としては、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ピバロイル、バレリル、及びイソバレリルを挙げることができ、好適にはC−Cアルカノイル基である。
【0071】
「アルカノイルオキシ基」とは、前述の「アルカノイル基」が酸素原子に置換した基をいい、C−Cアルカノイルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ピバロイルオキシ、バレリルオキシ、及びイソバレリルオキシを挙げることができ、好適にはC−Cアルカノイルオキシ基である。
【0072】
「アルカノイルアミノ基」とは、前述の「アルカノイル基」がアミノ基に置換した基をいい、C−Cアルカノイルアミノ基としては、例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ、ペンタノイルアミノ、ピバロイルアミノ、バレリルアミノ、及びイソバレリルアミノを挙げることができ、好適にはC−Cアルカノイルアミノ基である。
【0073】
「アルコキシカルボニル基」とは、前述の「アルコキシ基」がカルボニル基に置換した基をいい、C−Cアルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、s−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、イソペントキシカルボニル、2−メチルブトキシカルボニル、ネオペントキシカルボニル、1−エチルプロポキシカルボニルを挙げることができ、C−Cアルコキシカルボニル基としては、これらに加えてヘキシルオキシカルボニル、4−メチルペントキシカルボニル、3−メチルペントキシカルボニル、2−メチルペントキシカルボニル、3,3−ジメチルブトキシカルボニル、2,2−ジメチルブトキシカルボニル、1,1−ジメチルブトキシカルボニル、1,2−ジメチルブトキシカルボニル、1,3−ジメチルブトキシカルボニル、2,3−ジメチルブトキシカルボニル、及び2−エチルブトキシカルボニルを挙げることができ、好適にはC−Cアルコキシカルボニル基であり、更に好適にはC−Cアルコキシカルボニル基であり、最適にはエトキシカルボニル基である。
【0074】
「C−Cアルキルアミノ基」とは、前述したC−Cアルキル基がアミノ基に1置換した基を言い、そのような基としては、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、イソブチルアミノ、s−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、イソペンチルアミノ、2−メチルブチルアミノ、ネオペンチルアミノ、1−エチルプロピルアミノ、n−ヘキシルアミノ、イソヘキシルアミノ、4−メチルペンチルアミノ、3−メチルペンチルアミノ、2−メチルペンチルアミノ、1−メチルペンチルアミノ、3,3−ジメチルブチルアミノ、2,2−ジメチルブチルアミノ、1,1−ジメチルブチルアミノ、1,2−ジメチルブチルアミノ、1,3−ジメチルブチルアミノ、2,3−ジメチルブチルアミノ、2−エチルブチルアミノを挙げる事ができ、好適にはメチルアミノである。
【0075】
「ジC−Cアルキルアミノ基」とは、前述したC−Cアルキル基がアミノ基に2置換した基を言い、そのような基としては、例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジs−ブチルアミノ、ジt−ブチルアミノ、ジペンチルアミノ、ジイソペンチルアミノ、ジネオペンチルアミノ、ジ1−エチルプロピルアミノ、ジヘキシルアミノ、ジイソヘキシルアミノのような炭素数2乃至12個の直鎖又は分枝鎖ジアルキルアミノ基を挙げることができ、好適には、ジメチルアミノ又はジエチルアミノであり、更に好適には、ジエチルアミノである。
【0076】
「R2030N−基(R20及びR30は、それぞれ独立して水素原子又はC−Cアルキルを示す。)」とは、アミノ基、「C−Cアルキルアミノ基」、又は、「ジC−Cアルキルアミノ基」であり、好適にはアミノ、ジメチルアミノ又はジエチルアミノであり、更に好適にはジエチルアミノである。
【0077】
「アミノC−Cアルキル基」とは、アミノ基が前述したC−Cアルキル基に1置換した基を言い、そのような基としては、例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、アミノヘキシル、2−アミノエチルを挙げる事ができ、好適には、アミノメチルである。
【0078】
「C−CアルキルアミノC−Cアルキル基」とは、前述したC−Cアルキル基が前述したアミノC−Cアルキル基のアミノ基に1置換した基を言い、そのような基としては、例えば、メチルアミノメチル、エチルアミノメチル、プロピルアミノメチル、イソプロピルアミノメチル、ブチルアミノメチル、ペンチルアミノメチル、ヘキシルアミノメチルを挙げる事ができ、好適には、メチルアミノメチルである。
【0079】
「ジC−CアルキルアミノC−Cアルキル基」とは、前述したC−Cアルキル基が前述したアミノC−Cアルキル基のアミノ基に2置換した基を言い、そのような基としては、例えば、ジメチルアミノメチル、ジエチルアミノメチル、ジイソプロピルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジエチルアミノプロピル、ジエチルアミノブチル、ジエチルアミノペンチル、ジエチルアミノヘキシルを挙げる事ができ、好適には、ジエチルアミノメチル基である。
【0080】
「R2030N(C−Cアルキル)−基」とは、前述したR2030N−基により1個置換されたC−Cアルキル、即ち、「アミノC−Cアルキル基」、「C−CアルキルアミノC−Cアルキル基」、又は、「ジC−CアルキルアミノC−Cアルキル基」であり、好適にはR2030N−CH−基であり、更に好適にはジエチルアミノメチル基である。
【0081】
「シクロアルキル基」とは、環状飽和脂肪族炭化水素基をいい、C−Cシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルを挙げることができ、好適にはC−Cシクロアルキル基である。
【0082】
「含窒素複素環」とは、窒素原子を1乃至3個有する4乃至7員複素環基をいい、そのような基としては、例えば、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、アゼチジニル、チオラニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラゾリニル、ピロリニル、イミダゾリニル、アゼピニル、アゼパニル、ジアゼピニルを挙げる事ができ、好適には、4乃至7員飽和複素環基であり、更に好適には、ピペラジニルである。
【0083】
「単環式へテロアリール基」とは、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択されるヘテロ原子を1乃至4個有する5又は6員単環式の芳香族性を有する複素環基をいい、例えばフリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル等の5員単環式へテロアリール;及びピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル等の6員単環式へテロアリールを挙げることができ、好適には5員単環式へテロアリールであり、更に好適にはフリル、チエニル又はピリジルである。
【0084】
「へテロシクリル環基」とは、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子からなる群から選択されるヘテロ原子を1乃至3個有する4乃至6員複素環基をいい、例えばオキセタニル、チエタニル、アゼチジニル等の4員へテロシクリル基;テトラヒドロフリル、チオラニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル等の5員へテロシクリル基;及びジオキサニル、オキサチアニル、ジチアニル、テトラヒドロピラニル、チアニル、ピペリジニル、ピペラジル、モルホリニル、チオモルホリニル等の6員へテロシクリル基を挙げることができ、好適には6員へテロシクリル基であり、更に好適にはジオキサニル、オキサチアニル又はジチアニルである。
【0085】
「縮合二環式ヘテロアリール基」とは、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択されるヘテロ原子を1乃至3個有する縮合二環式の芳香族性を有する複素環基をいい、例えばイソベンゾフラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾチオフェニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル等の9員多環式へテロアリール;及びクロメニル、イソキノリル、キノリル、キナゾリニル等の10員多環式へテロアリールを挙げることができ、好適にはキノリル、ベンゾチオフェニル又はインドリルである。
【0086】
「複素環」とは、上記、「含窒素複素環」、「単環式へテロアリール基」、「へテロシクリル環基」、及び、「縮合二環式ヘテロアリール基」を全て合わせたものをいい、好適には、「単環式へテロアリール基」、及び、「へテロシクリル環基」であり、更に好適には、「単環式へテロアリール基」である。
【0087】
一般式(I’)中、L’の定義における−(隣接置換C−C10アリール)CH−基、及び−(隣接置換C−Cシクロアルキル)CH−基とは、「X−O−C(=O)−基と結合する−L−基中の炭素原子と、−L−O−R基と結合する−L−基中の炭素原子とが互いに隣接する」と同義を示し、それぞれアリール部分及びシクロアルキル部分において互いに隣接する炭素原子上で置換されている次の構造式を示す。
【0088】
【化43】
Figure 0003630326
【0089】
但し、−(隣接置換C−C10アリール)CH−基のアリール部分がナフタレンである場合には、ナフタレン上の置換位置は、1,8−ジ置換であってもよい。
【0090】
また、Rが親水性を示さない場合、即ちRがC−Cアルカノイル基である場合、置換基群αは、水酸基、アミノ基、C−Cアルキルアミノ基、ジC−Cアルキルアミノ基、アミノC−Cアルキル基、C−CアルキルアミノC−Cアルキル基、ジC−CアルキルアミノC−Cアルキル基、カルボキシ基、−O−P(=O)(OH)基、及び、−O−P(=O)(OH)基で1置換されたC−Cアルキル基からなる置換基群α2から選択されることが好ましい。
【0091】
における「有機残基」とは、炭素を含む基であって、Rを含む式X−OHで表される化合物が抗真菌活性を有する化合物であれば、特に限定はない。
【0092】
「抗真菌活性」とは、深在性真菌症、深部皮膚真菌症、表在性真菌症等の真菌感染症(真菌症)に対して治療効果が期待できることをいい、特定の化合物がそのような効果を持つか否かは、当業者であれば、例えば、以下の方法に従って容易に判別することができる。
【0093】
かかる方法とは、米国National Committee for Clinical Laboratory Standards (NCCLS)によって標準化された測定法(M27−A,M38−P)又は、文献(Journal of Clinical Microbiology,Vol. 38, p. 341−344(2000))記載の測定法に従い、真菌症の代表的菌種である Candida 属、Aspergillus 属、Cryptococcus neoformans、又は、Trichophyton 属に対するMIC(最小発育阻止濃度)を測定し、その濃度が予め設定した一定値(好ましくは、64μg/mL)以下であれば、抗真菌活性を有すると判定する方法を挙げる事ができる。
【0094】
本発明に係る化合物における「薬理上許容される塩」とは、一般式(I)中のカルボキシ基、−P(=O)(OH)基及び−SOH基のような酸性基、並びに、トリアゾール基、アミノ基、ピペリジル基のような塩基性基に対する、医薬化合物において一般的に用いられる塩である。
【0095】
一般式(I)中の酸性基に対するそのような塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無機塩;t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジル−N−フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機アミン塩を挙げることができる。
【0096】
また、塩基性基に対するそのような塩としては、例えばフッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩;硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸の塩;ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等のようなアリールスルホン酸塩;ルニチン酸塩、グルタミン酸塩のようなアミノ酸塩;及びフマル酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸のようなカルボン酸塩を挙げることができる。
【0097】
また、本発明に係る化合物は、大気中に放置しておいたり、再結晶することにより、水分を吸収して吸着水が付いたり、水和物となる場合がある。本発明に係るトリアゾール化合物及び薬理上許容される塩は、それぞれそのような水和物を含むものとする。
【0098】
更に、本発明に係る化合物は、他のある種の溶媒を吸収し、溶媒和物となる場合がある。本発明に係るトリアゾール化合物及び薬理上許容される塩は、それぞれそのような溶媒和物を含むものとする。
【0099】
本発明の化合物には種々の異性体も含まれる。例えば、前記一般式(II)中に不斉炭素が存在するため、これに基づく種々の立体異性体が存在する。また、前記一般式(II)中のRにも不斉炭素や炭素−炭素二重結合を有する場合があるので、本発明に係る化合物には種々の立体異性体が存在する。その各々、或いはそれら任意の割合の混合物いずれも本発明に包含される。そのような立体異性体は、立体特異的な原料化合物を用いるか、又は不斉合成若しくは不斉誘導の手法を用いて本発明に係る化合物を合成するか、或いは合成した本発明に係る化合物を所望により通常の光学分割法又は分離法を用いて単離することにより得ることができる。
【0100】
本発明に係るトリアゾール化合物のエステル部分として、例えば、次に掲げる例示表1、1A、2、2A、2B、2C、3に記載する基を挙げることができるが、本発明はこれらの基に限定されるものではない。尚、表中の記号「〃」は、直上の図と同じ図であることを示す。
【0101】
又、表中における略号は、下記の構造式を示す。
【0102】
【化44】
Figure 0003630326
例示表1
【0103】
【化45】
Figure 0003630326
【0104】
【表1】
Figure 0003630326
【0105】
【表2】
Figure 0003630326
【0106】
【表3】
Figure 0003630326
【0107】
例示表1A
【0108】
【表4】
Figure 0003630326
【0109】
例示表2
【0110】
【表5】
Figure 0003630326
【0111】
【表6】
Figure 0003630326
【0112】
【表7】
Figure 0003630326
【0113】
【表8】
Figure 0003630326
【0114】
表2A
【0115】
【表9】
Figure 0003630326
【0116】
【表10】
Figure 0003630326
【0117】
【表11】
Figure 0003630326
【0118】
【表12】
Figure 0003630326
【0119】
【表13】
Figure 0003630326
【0120】
【表14】
Figure 0003630326
【0121】
例示表2B
【0122】
【表15】
Figure 0003630326
【0123】
【表16】
Figure 0003630326
【0124】
【表17】
Figure 0003630326
【0125】
例示表2C
【0126】
【表18】
Figure 0003630326
【0127】
【表19】
Figure 0003630326
【0128】
【表20】
Figure 0003630326
【0129】
例示表3
【0130】
【表21】
Figure 0003630326
【0131】
上の表において、好適な基は、例示番号1−1, 1−6, 1−7, 1−9, 1−10, 1−11, 1−12, 1−14, 1−15, 1−20, 1−21, 1−22, 1−23, 1−24, 1−25, 1−30, 1−35, 1−40, 1−42, 1−43, 1−44, 1−45, 1−46, 1−47, 1−52, 1−57, 1−61, 1−65, 1−69, 1−70, 1−75, 1−76, 1−78, 1−79, 1−80, 1−81, 1−83, 1−84, 1−89, 1−90, 1−91, 1−92, 1−93, 1−94, 1−99, 1−103, 2−1, 2−6, 2−7, 2−9, 2−10, 2−11, 2−12, 2−14, 2−15, 2−20, 2−21, 2−22, 2−23, 2−24, 2−25, 2−29, 2−31, 2−33, 2−35, 2−40, 2−45, 2−50, 2−61, 2−66, 2−72, 2−73, 2−74, 2−76, 2−77, 2−78, 2−80, 2−81, 2−82, 2−87, 2−88, 2−90, 2−91, 2−93, 2−94, 2−98, 2−100, 3−2, 3−4, 3−5, 3−6, 3−8, 3−9, 3−10, 3−12, 3−13, 3−15, 3−16, 3−18, 3−20, 3−22, 1A−1, 1A−2, 1A−3, 1A−6, 1A−7, 1A−9, 1A−10, 1A−12, 1A−13, 1A−14, 1A−17, 1A−18, 1A−20, 1A−21, 1A−22, 1A−23, 1A−25, 1A−26, 1A−27, 1A−28, 1A−30, 1A−31, 1A−32, 1A−33, 1A−35, 1A−36, 2A−1, 2A−2, 2A−3, 2A−4, 2A−5, 2A−6, 2A−7, 2A−8, 2A−9, 2A−20, 2A−21, 2A−22, 2A−23, 2A−24, 2A−25, 2A−26, 2A−27, 2A−28, 2A−38, 2A−39, 2A−40, 2A−57, 2A−105, 2A−106, 2A−107, 2A−108, 2A−109, 2A−110,2A−111, 2A−112, 2A−113, 2A−114, 2A−115, 2A−116, 2A−117, 2A−118, 2A−119, 2A−120, 2A−131, 2A−132, 2A−133, 2A−134, 2A−135, 2A−136, 2A−137, 2A−138, 2A−139, 2A−149, 2A−150, 2A−151, 2A−168, 2B−6, 2B−7, 2B−9, 2B−10, 2B−11, 2B−14, 2B−23, 2B−24, 2B−26, 2B−27, 2B−28, 2B−31, 2B−40, 2B−41, 2B−43, 2B−44, 2B−45, 2B−48, 2B−57, 2B−58, 2B−60, 2B−61, 2B−62, 2B−65, 2B−74, 2B−75, 2B−77, 2B−78, 2B−79, 2B−82, 2B−92, 2B−93, 2B−94, 2B−96, 2B−97, 2B−98, 2B−101, 2B−128, 2B−146, 2B−147, 2B−148, 2B−149, 2B−150, 2B−151, 2B−154, 2B−163, 2B−164, 2B−166, 2B−171, 2C−3, 2C−7, 2C−12, 2C−18, 2C−22, 2C−27, 2C−33, 2C−37, 2C−42, 2C−48, 2C−52, 2C−57, 2C−78, 2C−82, 2C−87, 2C−97, 2C−102, 2C−112, 2C−117, 2C−127, 2C−132, 2C−142及び2C−147の基であり、
更に好適な基は、例示番号1−7, 1−10, 1−15, 1−25, 1−30, 1−35, 1−40, 1−42, 1−47, 1−76, 1−79, 1−84, 1−94, 2−7, 2−10, 2−15, 2−25, 2−29, 2−31, 2−33, 2−35, 2−40, 2−45, 2−50, 2−61, 2−66,2−87, 2−90, 2−100, 3−4, 3−6, 3−10, 3−12, 1A−9, 1A−13, 2A−1, 2A−2, 2A−9, 2A−20, 2A−21, 2A−22, 2A−28, 2A−38, 2A−39, 2A−40, 2A−57, 2A−105, 2A−107, 2A−108, 2A−110, 2A−111, 2A−112, 2A−113, 2A−120, 2A−131, 2A−132, 2A−139, 2A−149, 2A−150, 2A−151, 2A−168, 2B−7, 2B−9, 2B−14, 2B−24, 2B−26, 2B−31, 2B−41, 2B−43, 2B−58, 2B−60, 2B−65, 2B−75, 2B−77, 2B−82, 2B−92, 2B−94, 2B−96, 2B−101, 2B−128, 2B−147, 2B−149, 2B−154, 2B−164, 2B−166及び2B−171の基であり、
より更に好適な基は、例示番号2−25, 2−29, 2A−9, 2A−28, 2A−38, 2A−120, 2A−139及び2A−149の基である。
【0132】
本発明に係るトリアゾール化合物としては、次に掲げる例示表4、4A、5、5A、5B、5C及び6に記載された化合物を挙げる事ができるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
例示表4
【0133】
【表22】
Figure 0003630326
【0134】
【表23】
Figure 0003630326
【0135】
例示表4A
【0136】
【表24】
Figure 0003630326
【0137】
例示表5
【0138】
【表25】
Figure 0003630326
【0139】
【表26】
Figure 0003630326
【0140】
例示表5A
【0141】
【表27】
Figure 0003630326
【0142】
【表28】
Figure 0003630326
【0143】
【表29】
Figure 0003630326
【0144】
【表30】
Figure 0003630326
【0145】
【表31】
Figure 0003630326
【0146】
例示表5B
【0147】
【表32】
Figure 0003630326
【0148】
【表33】
Figure 0003630326
【0149】
【表34】
Figure 0003630326
【0150】
例示表5C
【0151】
【表35】
Figure 0003630326
【0152】
【表36】
Figure 0003630326
【0153】
【表37】
Figure 0003630326
【0154】
例示表6
【0155】
【表38】
Figure 0003630326
【0156】
上の表において、好適な化合物は、例示番号4−3, 4−4, 4−5, 4−9, 4−15, 4−16, 4−17, 4−18, 4−19, 4−24, 4−32, 4−33, 4−34, 4−38, 4−44, 4−45, 5−2, 5−3, 5−5, 5−8, 5−9, 5−15, 5−16, 5−17, 5−18, 5−19, 5−20, 5−21, 5−22, 5−23, 5−24,5−34, 5−36, 5−41, 5−45, 6−2, 6−4, 6−7, 6−8, 4A−6, 4A−9, 5A−1, 5A−2, 5A−9, 5A−11, 5A−12, 5A−19, 5A−20, 5A−21, 5A−22, 5A−29, 5A−30, 5A−79, 5A−82, 5A−84, 5A−85, 5A−86, 5A−87, 5A−94, 5A−96, 5A−97, 5A−104, 5A−105, 5A−106, 5A−107, 5A−114, 5A−115, 5B−9, 5B−15, 5B−26, 5B−31, 5B−43, 5B−48, 5B−60, 5B−65, 5B−77, 5B−82, 5B−92, 5B−96, 5B−101, 5B−113, 5B−118, 5B−128, 5B−132, 5B−137, 5B−149, 5B−154, 5B−166, 5B−171, 5C−3, 5C−7, 5C−12, 5C−18, 5C−22, 5C−27, 5C−33, 5C−37, 5C−42, 5C−48, 5C−52, 5C−57, 5C−63, 5C−67, 5C−72, 5C−78, 5C−82, 5C−87, 5C−93, 5C−97, 5C−102, 5C−108, 5C−112, 5C−117, 5C−123, 5C−127, 5C−132, 5C−138, 5C−142及び5C−147の化合物であり、更に好適には以下の化合物、
例示番号4−16:ジヒドロゲン=4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−4−オキソブチル=ホスファート、
例示番号4−19:ジヒドロゲン=4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾールー1−イル)メチル]プロポキシ]−2,2−ジメチル−4−オキソブチル=ホスファート、
例示番号5−15:ジヒドロゲン=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]ベンジル=ホスファート、
例示番号5−16:ジヒドロゲン=4−シアノ−2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]ベンジル=ホスファート、
例示番号5−20:ジヒドロゲン=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−4−フルオロベンジル=ホスファート、
例示番号5−21:ジヒドロゲン=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−5−フルオロベンジル=ホスファート、
例示番号5−22:ジヒドロゲン=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−6−フルオロベンジル=ホスファート、
例示番号5−23:ジヒドロゲン=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−6−メチルベンジル=ホスファート、
例示番号5−24:ジヒドロゲン=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−6−メトキシベンジル=ホスファート、
例示番号5−41:ジヒドロゲン=[8−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−1−ナフチル]メチル=ホスファート、
例示番号5−45:ジヒドロゲン=2−クロロ−6−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]ベンジル=ホスファート、
例示番号4A−6:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=4−[2−(4−メチル−1−ピペラジニル)アセトキシ]ブチラート、
例示番号4A−9:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=4−[[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−4−オキソブチリル]オキシ]ブチラート、
例示番号5A−1:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[2−(N−メチルアミノ)アセトキシ]メチル]ベンゾアート、
例示番号5A−2:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[2−(N,N−ジメチルアミノ)アセトキシ]メチル]ベンゾアート、
例示番号5A−9:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[2−(4−メチル−1−ピペラジニル)アセトキシ]メチル]ベンゾアート、
例示番号5A−11:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[3−(N−メチルアミノ)プロパノイル]オキシメチル]ベンゾアート、
例示番号5A−12:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピオニル]オキシメチル]ベンゾアート、
例示番号5A−19:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[3−(4−メチル−1−ピペラジニル)プロピオニル]オキシメチル]ベンゾアート、
例示番号5A−20:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−4−オキソブチリル]オキシメチル]ベンゾアート、
例示番号5A−21:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[4−(N−メチルアミノ)ブチリル]オキシメチル]ベンゾアート、
例示番号5A−22:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[4−(N,N−ジメチルアミノ)ブチリル]オキシメチル]ベンゾアート、
例示番号5A−86:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=5−シアノ−2−[[2−(N−メチルアミノ)アセトキシ]メチル]ベンゾアート、
例示番号5A−87:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=5−シアノ−2−[[2−(N,N−ジメチルアミノ)アセトキシ]メチル]ベンゾアート、
例示番号5A−94:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=5−シアノ−2−[[2−(4−メチル−1−ピペラジニル)アセトキシ]メチル]ベンゾアート、
例示番号5A−96:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=5−シアノ−2−[[3−(N−メチルアミノ)プロパノイル]オキシメチル]ベンゾアート、
例示番号5A−97:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=5−シアノ−2−[[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロパノイル]オキシメチル]ベンゾアート、
例示化合物5A−104:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=5−シアノ−2−[[3−(4−メチル−1−ピペラジニル)プロパノイル]オキシメチル]ベンゾアート、
例示番号5A−105:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=5−シアノ−2−[[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−4−オキソブチリル]オキシメチル]ベンゾアート、
例示番号5A−106:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=5−シアノ−2−[[4−(N−メチルアミノ)ブチリル]オキシメチル]ベンゾアート、及び、
例示番号5A−107:(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=5−シアノ−2−[[4−(N,N−ジメチルアミノ)ブチリル]オキシメチル]ベンゾアートである。
【0157】
【発明の実施の形態】
本発明の一般式(I)を有する化合物は、以下の方法に従って製造することができる。
【0158】
[A法]
A法は、本発明の一般式(I)を有する化合物のうち、Lが単結合、置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−C10アリール基、置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよい複素環基、又は置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−Cシクロアルキル基を示し、Rが置換基群βより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−Cアルカノイル基、式−C(O)−NR(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又はC−Cアルキルを示すか、或いは、R及びRは結合する窒素原子と一緒になって4員乃至7員含窒素複素環を形成する基を示す。)で表される基、又は、−P(=O)(OH)基を示す化合物(Ia)を製造する方法であり、下記の反応式で示される。
【0159】
【化46】
Figure 0003630326
【0160】
上記反応式において、Xは前述と同意義を示し、Lは前述のLと同意義(但し、Lが酸素原子である場合を除く。)を示し、Rは前述のRと同意義(但し、Rが水素原子である場合を除く)を示し、Pgはカルボキシ基の保護基を示す。
【0161】
ここで、保護基Pgとは、有機合成化学でカルボン酸類の保護に一般的に用いられるエステル性の保護基を示し(例えば、T. W. Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Edition, John Wiley & Sons, Inc. (1999年)参照)、そのような保護基の種類としては、化合物(2)のアルコール性水酸基部分に基Rを導入しようとする第A−2工程で反応せず、該保護基を除去しようとする第A−3工程において化合物(3)の他の部分を損なうことなく除去を行うことができる保護基であれば特に限定はなく、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、1−エチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、メトキシメチル、メチルチオメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、カルバモイルメチル、N−フタルイミドメチル、トリクロロエチル、クロロエチル、クロロブチル、クロロペンチル、2−(トリメチルシリル)エチル、メチルチオエチル、2−(ジフェニルホスフィノ)エチル、2−(p−ニトロフェニルスルフェニル)エチル、2−(p−トルエンスルホニル)エチルのような置換されてもよいC−C10アルキル基;アリル、シンナミル、3−ブテン−1−イル基のような置換されてもよいC−C10アルケニル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル基のような置換されてもよいC−C10シクロアルキル基;シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロへプチルメチル、シクロオクチルメチル、シクロノニルメチル、シクロデシルメチル、(シクロプロピル)エチル、(シクロブチル)エチル、(シクロペンチル)エチル、(シクロヘキシル)エチル、(シクロへプチル)エチル、(シクロオクチル)エチル基のような置換されてもよいC−C10シクロアルキルアルキル基;フェニル、トリル、ナフチル基のような置換されてもよいC−C10アリール基;テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ピリジル基のような置換されてもよい複素環基;ベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、1−メチル−1−フェニルエチル、ベンズヒドリル、トリチル、フルオレニル、フルオレニルメチル、9−アントリルメチル、トリメチルベンジル、ブロモベンジル、ニトロベンジル、メトキシベンジル、ジメトキシベンジル基のような置換されてもよいC−C19アラルキル基;(1,3−ジチアン−2−イル)メチル、ピリジルメチル、2−(2’−ピリジル)エチル基のような複素環基で置換されたC−Cアルキル基;ベンジルオキシメチル、フェネチルオキシメチル、ナフチルメチルオキシメチル基のような(C−C11アラルキル)オキシメチル基;フェナシル基のような(置換)アリールカルボニルメチル基;アセトキシメチル、1−(アセトキシ)エチル、ピバロイルオキシメチル基のような置換されてもよい1−(アシロキシ)メチル基;及びトリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、トリイソプロピルシリル、イソプロピルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、ジ(t−ブチル)メチルシリル基のようなC−Cアルキル又はフェニルで置換されたシリル基を挙げることができる。
【0162】
このうち好適には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、メトキシメチル、メチルチオメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、トリクロロエチル、クロロエチル、2−(トリメチルシリル)エチル、アリル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、ベンズヒドリル、トリチル、フルオレニル、フルオレニルメチル、ブロモベンジル、ニトロベンジル、メトキシベンジル、ベンジルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、トリイソプロピルシリル、イソプロピルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル又はジ(t−ブチル)メチルシリル基であり、更に好適には、メチル、エチル、t−ブチル、メトキシメチル、メチルチオメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、トリクロロエチル、クロロエチル、アリル、フェニル、ベンジル、ベンズヒドリル、トリチル、ニトロベンジル、メトキシベンジル、ベンジルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、トリイソプロピルシリル、イソプロピルジメチルシリル又はt−ブチルジフェニルシリル基であり、更に好適には、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、ベンジル、4−メトキシベンジル、ベンズヒドリル又はピバロイルオキシメチル基であり、最適には4−メトキシベンジル基である。
【0163】
本法は、まずヒドロキシカルボン酸化合物(1)のカルボキシ基を保護してその被保護化合物(2)に導き(第A−1工程)、次に化合物(2)に基Rを導入して化合物(3)に導き(第A−2工程)、次に化合物(3)を脱保護してカルボン酸化合物(4)に導き(第A−3工程)、最後にカルボン酸化合物(4)をアルコール化合物(5)とエステル化して化合物(Ia)を製造する(第A−4工程)方法である。尚、ヒドロキシカルボン酸化合物(1)のカルボキシ基を保護することなくアルコール部分に基Rを導入して、化合物(4)を直接製造することもできる。
【0164】
以下、各工程について詳細に説明する。
(第A−1工程)
第A−1工程は、ヒドロキシカルボン酸化合物(1)のカルボキシ基を必要に応じて保護して化合物(2)を製造する工程である。
【0165】
原料のヒドロキシカルボン酸化合物(1)は、市販のものを用いることができるが、市販のものが無い場合には後述のF法又は当業者自明の方法により製造することができる。
【0166】
本工程は、有機合成化学で一般に用いられる、カルボキシ基の保護反応によって達成される(例えば、T. W. Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis,2nd Edition,John Wiley & Sons, Inc.(1991年)参照)。例えば、以下の方法1及び方法2により行うことができる。
(方法1)
化合物(1)を、溶媒中、塩基性条件下、アルキル化剤と反応させることにより、保護された化合物(2)を製造することができる。
【0167】
アルキル化剤は式Pg−Z(式中、Pgは前述と同意義を示し、Zはハロゲン原子またはそれに代わる脱離基を示す。)で表される化合物であり、例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物等のハロゲン化物類;及びメタンスルホン酸エステル、トリフルオロメタンスルホン酸エステル、トルエンスルホン酸エステル等のスルホン酸エステル類等を挙げることができる。このうち好適には、ハロゲン化物類である。
【0168】
溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;アセトニトリル等のニトリル類;及び、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類等が挙げられ、好適にはアミド類(特にN,N−ジメチルホルムアミド)である。
【0169】
塩基としては、有機合成化学で用いられる塩基であれば特に限定はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピリジン、ルチジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン等の有機アミン類;及びナトリウムメトキシド等のアルカリ金属アルコラートが挙げられ、好適にはアルカリ金属水酸化物(特に水酸化ナトリウム)又はアルカリ金属炭酸塩(特に炭酸ナトリウム)である。
【0170】
反応温度は、通常80℃乃至100℃であり、反応時間は、主に保護基の種類によって異なるが、通常5分間乃至3時間(好適には15分間乃至1時間)である。
(方法2)
化合物(1)を、溶媒中、ジアゾ化合物と反応させることによっても、保護された化合物(2)を製造することができる。
【0171】
ジアゾ化合物としては、例えば、ジアゾメタン、トリメチルシリルジアゾメタン又はジフェニルジアゾメタン等が挙げられ、好適にはジフェニルジアゾメタンである。
【0172】
溶媒としては、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;メタノール、エタノール等のアルコール類;及び、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類等が挙げられ、好適にはエーテル類(特にテトラヒドロフラン)である。
【0173】
反応温度は、通常0℃乃至溶媒の沸点の範囲(好適には0℃乃至室温)であり、反応時間は、主にジアゾ化合物の種類によって異なるが、通常0.5時間乃至24時間(好適には0.5時間乃至6時間)である。
【0174】
反応終了後、化合物(2)は通常の方法により反応混合物から採取できる。例えば、中和後、反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残査に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗し、溶剤を留去して得られる。
【0175】
得られた化合物(2)は、必要ならば常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等によって更に精製することができる。
(第A−2工程)
第A−2工程は、化合物(2)のアルコール性水酸基に基Rを導入して化合物(3)を製造する工程であり、当業者自明の方法により達成される。例えば、基RとしてC−Cアルカノイル基(該C−Cアルカノイル基は、置換基群βより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよい)を導入する場合には、化合物(2)を、溶媒中、通常塩基の存在下、反応性アルカノイル誘導体と反応させればよく、R基として式−C(O)−NR(式中R及びRは、前述と同意義を示す。)で表される基を導入する場合には、化合物(2)を、溶媒中、通常塩基の存在下、反応性カルバモイル誘導体と反応させればよく、R基として−P(=O)(OH)基を導入する場合には、化合物(2)を、溶媒中、通常塩基の存在下、反応性ホスホリル誘導体と反応させればよい。
【0176】
ここで反応性アルカノイル誘導体とは、Z−R##で表される化合物(式中、R##は、RのうちC−Cアルカノイル基(該C−Cアルカノイル基は、置換基群βより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよい)を示し、Zは脱離基を示す。当該脱離基としては、例えば、塩素原子、臭素原子のようなハロゲン原子類;シアノ基;式R##−O−を有する基、ピバロイルオキシ基のようなアシルオキシ基類;メタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基のようなスルホニルオキシ基類を挙げることができる。)を示し、式H−O−R##を有するカルボン酸化合物から当業者自明の方法で製造することができる。例えば、Zが塩素原子である場合、ジクロロメタン中式H−O−R##を有するカルボン酸化合物に塩化オキサリルを作用させることにより得られる。
【0177】
また、反応性カルバモイル誘導体とは、例えば、式Z2’−C(O)−NR(式中、R及びRは前述と同意義を示し、Z2’はハロゲン原子のような脱離基を示す。)で表される化合物、又は、式O=C=N−R(式中Rは、前述と同意義を示す。)で表されるイソシアナート化合物を示し、式HNRや式HNRで表されるアミン化合物から当業者自明の方法で製造することができる。例えば、非プロトン性溶媒中、式HNRで表されるアミン化合物にホスゲンを作用させることによりCl−C(O)−NRで表される塩化カルバモイル化合物が得られ、式HNRで表されるアミン化合物にホスゲンを作用させることにより式O=C=N−Rで表されるイソシアナート化合物が得られる。
【0178】
また、反応性ホスホリル誘導体とは、Z−P(=O)(OPg)(OPg)で表される化合物(式中、Pg及びPgは保護基を示し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC−Cアルキル基;アリル、2−メチルアリル、2−ブテニル、2−プロペニル、プレニル等のC−Cアルケニル基;フェニル、メトキシフェニル、トリル、ナフチル等のC−C10アリール基(C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、及びハロゲン原子を1乃至3個有してもよい);ベンジル、メトキシベンジル、ナフチルメチル等のC−C11アラルキル基(そのアリール部分にC−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、及びハロゲン原子を1乃至3個有してもよい);又はPgとPgが一緒になってエチレン、トリメチレン、テトラメチレン等のC−Cアルキレン基を挙げることができる。Zは脱離基を示し、例えば、塩素原子、臭素原子のようなハロゲン原子類;シアノ基;ピバロイルオキシ基のようなアシルオキシ基類;メタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基のようなスルホニルオキシ基類を挙げることができる。)を示し、式H−O−Pg及びH−O−Pgで表されるアルコール化合物(PgとPgが一緒になってC−Cアルキレン基を示す場合には、式H−O−(C−Cアルキレン基)−O−Hで表される2価アルコール化合物)から当業者自明の方法で製造することができる。
【0179】
用いられる反応性アルカノイル、反応性カルバモイル、又は反応性ホスホリル誘導体の量は、化合物(2)に対して通常1乃至3モル当量である。
【0180】
用いられる溶媒としては、例えばヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ピリジン、ピコリン、ルチジン等の含窒素複素芳香族化合物類;酢酸エチル等のエステル類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類を挙げることができる。
【0181】
用いられる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のアミン類;ピリジン、ピコリン、ルチジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン等の含窒素複素芳香族化合物類を挙げることができる。用いられる塩基の量は、化合物(2)に対して通常1乃至5モル当量であるが、溶媒としてピリジン、ピコリン、ルチジン等の塩基性化合物を用いる場合には、塩基を加えなくてもよい。
【0182】
反応温度は、通常−10℃乃至溶媒の沸点の範囲内であり、好適には0℃乃至室温である。
【0183】
反応時間は、主に反応温度により異なるが、通常0.5時間乃至24時間の範囲内であり、好適には1時間乃至5時間である。
【0184】
尚、R基として−P(=O)(OH)基を導入する場合には、当業者自明の方法により、反応性ホスホリル誘導体のかわりに、まず、反応性ホスフィニル誘導体を用いてエステル化し、次に、得られた3価のリン酸エステル化合物を酸化することによっても行うことができる。
【0185】
ここで反応性ホスフィニル誘導体とは、Z−P(OPg)(OPg)で表される化合物(但しPg及びPgは前述と同意義の保護基であり、Zは前述と同意義の脱離基である。)を示し、式H−O−Pg及びH−O−Pgで表されるアルコール化合物(PgとPgが一緒になってC−Cアルキレン基を示す場合には、式H−O−(C−Cアルキレン基)−O−Hで表される2価アルコール化合物)から当業者自明の方法で製造することができる。
【0186】
3価のリン酸エステル化合物を化合物(3)へと酸化するのに用いられる酸化剤としては、有機合成化学で3価のリン酸化合物のリン原子を酸化するのに用いられるものであれば特に限定はなく、例えばヨウ素のようなハロゲン類;酸素分子;クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化水素のような過酸化物類;過酢酸、トリフルオロ過酢酸、m−クロロ過安息香酸等の過酸類;及び、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩等のハロゲン酸塩類等が挙げられ、このうち好適には過酸化物類(特にt−ブチルヒドロペルオキシド)が挙げられる。
【0187】
エステル化反応終了後、化合物(3)は通常の方法により反応混合物から採取できる。例えば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残査に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗し、溶剤を留去して得られる。
【0188】
得られた化合物(3)は、必要ならば常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等によって更に精製することができる。
(第A−3工程)
第A−3工程は、化合物(3)の保護基を除去してカルボン酸化合物(4)を製造する工程であり、有機合成化学で一般に用いられる、カルボキシ基の脱保護反応によって達成される(例えば、T. W. Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd Edition, John Wiley & Sons, Inc.(1991年)参照)。
【0189】
例えば、化合物(3)中のPgがメトキシベンジル又はジメトキシベンジル基である場合には、化合物(3)を、溶媒中または無溶媒で酸で処理することによって、カルボン酸化合物(4)が得られる。
【0190】
使用される溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、又はアニソールのようなエーテル類が挙げられ、このうち好適には炭化水素類(特にトルエン)である。
【0191】
酸としては、例えば、塩酸、硫酸等の鉱酸類;トリフルオロ酢酸のようなカルボン酸類;トリフルオロメタンスルホン酸のようなスルホン酸類が挙げられ、このうち好適にはカルボン酸類(特にトリフルオロ酢酸)である。使用される酸の量は、その酸の種類や用いる溶媒の種類によって異なり特に限定はないが、例えばトリフルオロ酢酸の場合、化合物(3)に対して通常5モル当量乃至溶媒量用いる。好適には、用いる溶媒に対して10分の1量乃至2分の1量用いる。
【0192】
酸処理の反応温度は、主に使用される溶媒により異なるが、通常0℃乃至室温であり、反応時間は、主に除去しようとしている保護基の種類及び用いる酸の種類と量によって異なるが、例えば保護基がメトキシベンジル基で酸としてトリフルオロ酢酸を溶媒の4分の1量用いた場合、通常0.1時間乃至24時間(好適には0.1時間乃至2時間)である。
【0193】
反応終了後、化合物(4)は通常の方法により反応混合物から採取できる。例えば、反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残査に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗し、溶剤を留去して得られる。
【0194】
得られた化合物(4)は、必要ならば常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等によって更に精製することができる。
【0195】
尚、化合物(4)は、第A−1工程乃至A−3工程を経ることなく化合物(1)のアルコール性水酸基に基Rを直接導入することによっても得られる。この場合、好適には、化合物(1)に、第A−2工程と同様な反応条件を作用させる方法が用いられる。
【0196】
また、化合物(4)は、後述するG法及びH法によっても得ることができる。(第A−4工程)
第A−4工程は、化合物(4)にアルコール化合物(5)を作用させ、エステル化することにより本発明の化合物(Ia)を製造する工程であり、当業者自明の方法により化合物(4)をまずその反応性誘導体に導いた後、溶媒中、塩基の存在下、アルコール化合物(5)と反応させることにより達成される。
【0197】
ここで、化合物(4)の反応性誘導体とは、式Z−C(=O)−L−O−Rを有する化合物を示し、式HO−C(=O)−L−O−Rを有する化合物(4)から当業者自明の方法で製造することができる。ここでR及びLは前述と同意義であり、Zはハロゲン原子又はそれに代わる脱離基を示す。用いられる反応性誘導体の量は、アルコール化合物(5)に対して通常1乃至3モル当量である。
【0198】
アルコール化合物(5)は、公知であるか、或いは公知の化合物と同様の方法によって容易に得られるが、そのような方法として、例えば、Xが前述の一般式(III)で表される基である場合は、特開平8−333350号公報、特開平10−279567号公報、特開平11−80135号公報、又は、特開2001−342187号公報に記載の方法、
特に一般式(III)中、Arが、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいフェニル基、又は、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよい単環式ヘテロアリール基であり、Eが、式−S(O)n1−(式中、n1は0乃至2の整数を示す。)で表される基であり、RがC−Cアルキル基であり、Rが水素原子又はC−Cアルキル基であり、Gが、式(Ga’)で表される基である場合には、特開平8−333350号公報に記載の方法、
一般式(III)中、Eが、メチレン基であり、

【0199】
【化47】
Figure 0003630326
【0200】
からなる群から選択される基であり、
Gが、式(Ga’’)で表される基である場合には特開平11-80135号公報に記載の方法、
一般式(III)中、Arが、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいナフチル基、又は、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよい縮合二環式ヘテロアリール基であり、
Eが式−S(O)n1−(式中、n1は0乃至2の整数を示す。)で表される基であり、
がC−Cアルキル基であり、
が水素原子であり、
Gが、式(Ga')で表される基である場合には特開平10-279567号公報に記載の方法、
一般式(III)中、Arが、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいフェニル基、又は、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいナフチル基であり、
Eが、メチレン基、又は、硫黄原子であり、
が水素原子であり、
Gが、式(Gb)で表される基である場合には、特開2001-342187号公報に記載の方法、Xが式(VI)で表される基である場合には特開昭62-12766号公報に記載の方法、Xが式(VII)で表される基である場合には特開平8-53426号公報に記載の方法、Xが式(VIII)で表される基である場合にはWO 99/45008号公報に記載の方法、Xが式(IX)で表される基である場合には特許第2625584号公報に記載の方法、Xが式(X)で表される基である場合には特開平9-183769号公報に記載の方法、Xが式(XI)で表される基である場合には特開平11-240871号公報に記載の方法、Xが式(XII)で表される基である場合にはWO98/31675号公報に記載の方法、Xが式(XIII)で表される基である場合にはWO97/05130号公報に記載の方法、その他特許第3050982号公報、WO95/25107号公報、WO00/27852号公報、WO01/66551号公報、又は、WO01/79196号公報に記載された方法を挙げる事ができる。
【0201】
エステル化に用いられる塩基としては、アルコール化合物(5)からそのアルコール性活性プロトンを取ることができるものであれば特に限定はなく、例えば、トリエチルアミン等の有機アミン類;ピリジン等の含窒素芳香族化合物類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物;ブチルリチウム、フェニルリチウム等の有機リチウム類が挙げられ、このうち好適には金属水素化物(特に水素化ナトリウム)である。
【0202】
塩基は、化合物(5)に対して通常0.9乃至3.5モル当量用いることができ、好適には1乃至2モル当量である。
【0203】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されない。そのような溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンのような炭化水素類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類;N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホロアミドのようなアミド類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンのようなウレア類を挙げることができる。このうち好適にはエーテル類(特にテトラヒドロフラン)及びアミド類(特にN,N−ジメチルホルムアミド)である。
【0204】
縮合の反応温度は、主に用いる試薬によって異なるが、通常−78℃乃至室温であり、好適には、0℃乃至室温である。
【0205】
反応時間は、主に反応温度や溶媒により異なるが、通常30分間乃至24時間、好適には30分間乃至5時間である。
【0206】
反応終了後、化合物(Ia)は通常の方法により反応混合物から採取できる。例えば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残査に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗し、溶剤を留去して得られる。
【0207】
得られた化合物(Ia)は、必要ならば常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等によって更に精製することができる。
【0208】
尚、リン酸の保護基であるPg及びPgは、第A−2工程乃至第A−4工程終了後、適時除去することができる。当該保護基の除去はその種類によって異なるが、一般に有機合成化学の分野において使用される方法によって除去される。例えば、Pg及びPgがアリル基である場合には、不活性溶媒中、求核(還元)剤及び金属触媒を作用させることにより除去される。
【0209】
該不活性溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール等のアルコール類;ヘキサン、トルエンのような炭化水素類;ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルのようなニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドのようなアミド類;テトラヒドロフランのようなエーテル類が挙げられ、このうち好適にはエーテル類(特にテトラヒドロフラン)、ハロゲン化炭化水素類(特にジクロロメタン)及び水を挙げることができる。なお、求核剤として用いるアミン類を溶媒の代わりに用いることもできる。
【0210】
求核(還元)剤としては、ピロリジン、モルホリンのようなアミン類;ギ酸ナトリウムのようなギ酸塩類;2−エチルヘキサン酸カリウムのようなカルボン酸塩類;アセチルアセトン、ジメドンのような1,3−ジカルボニル化合物類;水素化トリブチルスズのような水素化スズ化合物類が挙げられ、このうち好適にはピロリジン又は水素化トリブチルスズである。
【0211】
使用される求核(還元)剤は、原料化合物に対して一般に1乃至1000当量であり、好適には、ピロリジン等のアミン類を用いる場合、原料化合物の一つの保護基に対して1乃至5モル当量(ジアリルリン酸エステルの場合2乃至10モル当量)、水素化トリブチルスズ等の水素化スズ化合物を用いる場合、原料化合物の一つの保護基に対して1乃至3モル当量(ジアリルリン酸エステルの場合2乃至6モル当量)である。
【0212】
金属触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)等のパラジウム錯体が挙げられる。使用される金属触媒の量は、原料化合物に対して0.0001乃至1モル当量であり、好適には0.001乃至0.05モル当量である。
【0213】
反応混合物には、トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物を加えてもよい。使用されるホスフィン化合物の量は、通常、使用される金属触媒の量に対して最大5モル当量である。
【0214】
反応温度は、通常−20℃乃至60℃(好適には0℃乃至室温)であり、反応時間は、主に反応温度と脱保護試薬によって異なるが、通常1分間乃至6時間(好適には10分間乃至2時間)である。
【0215】
[B法]
B法は、本発明の一般式(I)を有する化合物のうち、Lが単結合、置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−C10アリール基、置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよい複素環基、又は置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−Cシクロアルキル基を示し、Rが水素原子である化合物(Ib)を製造する方法であり、下記の反応式で示される。
【0216】
【化48】
Figure 0003630326
【0217】
上記反応式において、X、L及びPgは前述と同意義を示し、Pgは水酸基の保護基を示す。
【0218】
ここで、保護基Pgとは、有機合成化学でアルコール類の保護に一般的に用いられる保護基を示し(例えば、T. W. Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd Edition, John Wiley & Sons, Inc.(1991年)参照)、そのような保護基の種類としては、化合物(6)の保護基Pgを除去しようとする第B−2工程において反応せず、化合物(7)のカルボキシ基部分をエステル化しようとする第B−3工程で反応せず、該保護基を除去しようとする第B−4工程において化合物(8)の他の部分を損なうことなく除去を行うことができる保護基であればよく、例えば、ホルミル、アセチル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、フルオロアセチル、ジフルオロアセチル、トリフルオロアセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル等の、ハロゲン原子を1乃至3個を有してもよいC−Cアルカノイル基;ベンゾイル、クロロベンゾイル、メトキシベンゾイル、ジメトキシベンゾイル、メチルベンゾイル、ナフトイル等の、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基又はハロゲン原子を独立に1乃至3個有してもよい(C−C10アリール)カルボニル基;トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル等の、C−Cアルキル基又はフェニル基を独立に3個有するシリル基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、トリクロロエトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等の、ハロゲン原子1乃至3個を有してもよいC−Cアルコキシカルボニル基若しくはC−Cアルケニルオキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル、メトキシベンジルオキシカルボニル、ジメトキシベンジルオキシカルボニル、クロロベンジルオキシカルボニル、ナフチルメチルオキシカルボニルのような、C−Cアルコキシ基又はハロゲン原子を独立に1乃至3個有してもよい(C−C11アラルキル)オキシカルボニル基が挙げられ、このうち好適にはC−Cアルケニルオキシカルボニル基(特にアリルオキシカルボニル基)、或いはC−Cアルキル基若しくはフェニル基を独立に3個有するシリル基(特にt−ブチルジフェニルシリル基)である。
【0219】
本法は、A法における合成中間体である化合物(2)の水酸基を保護基Pgにより保護して化合物(6)に導き(第B−1工程)、次にカルボキシ基の保護基Pgを選択的に除去することにより化合物(7)に導き(第B−2工程)、次にカルボン酸化合物(7)をアルコール化合物(5)とエステル化して化合物(8)に導き(第B−3工程)、最後にアルコールの保護基Pgの除去を行って化合物(Ib)を製造する(第B−4工程)方法である。
【0220】
以下、各工程について詳細に説明する。
(第B−1工程)
第B−1工程は、A法における合成中間体である化合物(2)のアルコール性水酸基部分を保護して化合物(6)を製造する工程である。
【0221】
本工程は、有機合成化学で一般に用いられる、アルコールの保護反応によって達成される(例えば、T.W. Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Edition, John Wiley & Sons, Inc.(1999年)参照)。
【0222】
例えば、化合物(2)を、溶媒中、塩基性条件下、保護試剤と反応させることにより、保護された化合物(6)を製造することができる。
【0223】
保護試剤は式Z−Pg (式中、Pgは前述と同意義を示し、Zはハロゲン原子またはそれに代わる脱離基を示す。)で表される化合物であり、例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物等のハロゲン化物類;及びメタンスルホン酸エステル、トリフルオロメタンスルホン酸エステル、トルエンスルホン酸エステル等のスルホン酸エステル類等を挙げることができる。このうち好適には、ハロゲン化物類である。
【0224】
溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;アセトニトリル等のニトリル類;及び、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類等が挙げられ、好適にはアミド類(特にN,N−ジメチルホルムアミド)、エーテル類(特にテトラヒドロフラン)、及びハロゲン化炭化水素類(特にジクロロメタン)である。
【0225】
塩基としては、有機合成化学で用いられる塩基であれば特に限定はなく、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピリジン、ルチジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、イミダゾール等の有機塩基類;及び、ナトリウムメトキシド等のアルカリ金属アルコラートが挙げられ、このうち好適には有機塩基類(特に4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン及びイミダゾール)が挙げられる。
【0226】
反応温度は、通常0℃乃至溶媒の沸点の範囲(好適には0℃乃至室温)であり、反応時間は、主に導入保護基の種類によって異なるが、通常0.5時間乃至24時間(好適には0.5時間乃至6時間)である。
【0227】
反応終了後、化合物(6)は通常の方法により反応混合物から採取できる。例えば、中和後、反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残査に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗し、溶剤を留去して得られる。
【0228】
得られた化合物(6)は、必要ならば常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等によって更に精製することができる。
(第B−2工程)
第B−2工程は、化合物(6)の保護基Pgを除去してカルボン酸化合物(7)を製造する工程であり、第A−3工程と同様にして達成される。
【0229】
尚、化合物(7)は、第A−1工程、第B−1工程、及び第B−2工程を経ることなく化合物(1)の水酸基を保護基Pgにより直接保護することによっても得られる。この場合、好適には、化合物(1)に、第B−1工程と同様な反応条件を作用させる方法が用いられる。
【0230】
又、化合物(7)は、後述のG法及びH法によっても得られる。
(第B−3工程)
第B−3工程は、カルボン酸化合物(7)をアルコール化合物(5)とエステル化して化合物(8)を製造する工程であり、第A−4工程と同様にして達成される。
(第B−4工程)
第B−4工程は、化合物(8)の水酸基の保護基であるPgの除去を行って化合物(Ib)を製造する方法である。
【0231】
本工程は、有機合成化学で一般に用いられる、アルコールの脱保護反応によって達成される(例えば、T. W. Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis, 2rd Edition, John Wiley & Sons, Inc.(1999年)参照)。
【0232】
例えば、保護基Pgがアリルオキシカルボニル基である場合には、不活性溶媒中、求核(還元)剤及び金属触媒を作用させることにより達成される。
【0233】
該不活性溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール等のアルコール類;ヘキサン、トルエンのような炭化水素類;ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルのようなニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドのようなアミド類;テトラヒドロフランのようなエーテル類が挙げられ、このうち好適にはエーテル類(特にテトラヒドロフラン)、ハロゲン化炭化水素類(特にジクロロメタン)を挙げることができる。
【0234】
求核(還元)剤としては、ピロリジン、モルホリンのようなアミン類;ギ酸ナトリウムのようなギ酸塩類;2−エチルヘキサン酸カリウムのようなカルボン酸塩類;アセチルアセトン、ジメドンのような1,3−ジカルボニル化合物類;水素化トリブチルスズのような水素化スズ化合物類が挙げられ、このうち好適にはピロリジン又は水素化トリブチルスズである。
【0235】
使用される求核(還元)剤は、化合物(8)に対して一般に1乃至1000当量であり、好適には1乃至3モル当量である。
【0236】
金属触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)等のパラジウム錯体が挙げられる。使用される金属触媒の量は、化合物(8)に対して0.0001乃至1モル当量であり、好適には0.001乃至0.05モル当量である。
【0237】
反応混合物には、トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物を加えてもよい。使用されるホスフィン化合物の量は、通常、使用される金属触媒の量に対して最大5モル当量である。
【0238】
脱アリルオキシカルボニル化の反応温度は、通常−20℃乃至60℃(好適には0℃乃至室温)であり、反応時間は、主に反応温度と脱保護試薬によって異なるが、通常1分間乃至6時間(好適には10分間乃至2時間)である。
【0239】
また、例えば、保護基Pgがt−ブチルジフェニルシリル基のような、C−Cアルキル基若しくはフェニル基を独立に3個有するシリル基である場合には、溶媒中、化合物(8)にフッ化物塩を作用させることにより行うことができる。
【0240】
該溶媒としては、水;ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、t−ブチルアルコール等のアルコール類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;アセトニトリル等のニトリル類;及びジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類等が挙げられ、このうち好適には炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、又はエーテル類であり、更に好適にはエーテル類(特にテトラヒドロフラン)である。
【0241】
フッ化物塩としては、フッ化カリウム等のアルカリ金属フッ化物塩;及びテトラブチルアンモニウム=フルオリド等の有機アンモニウムフッ化物塩が挙げられる。
【0242】
反応は、酢酸等の酸類を加えることにより液性を中性に調節しながら行ってもよい。
【0243】
脱シリル化の反応温度は、通常0℃乃至室温、反応時間は通常1時間乃至4時間である。
【0244】
保護基Pgの除去反応の終了後、目的化合物(Ib)は通常の方法により反応混合物から採取できる。例えば、反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残査に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗し、溶剤を留去して得られる。
【0245】
得られた目的化合物(Ib)は、必要ならば常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等によって更に精製することができる。
【0246】
[C法]
C法は、本発明の一般式(I)を有する化合物のうち、Lが、酸素原子を示し、Rが置換基群βより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−Cアルカノイル基、式−C(=O)−NR(式中R及びRは、それぞれ独立して水素原子又はC−Cアルキルを示すか、或いは、R及びRは結合する窒素原子と一緒になって4員乃至7員含窒素複素環を形成する基を示す。)で表される基、又は、−P(=O)(OH)基を示す化合物(Ic)を製造する方法であり、下記の反応式で示される。
【0247】
【化49】
Figure 0003630326
【0248】
上記反応式において、X及びRは前述と同意義を示し、Lは前述のLと同意義(但し、Lは、酸素原子である)を示し、Z及びZは、独立に、ハロゲン原子又はそれに代わる脱離基を示す。そのような脱離基の例としては塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;トリクロロメトキシ基等のハロゲン化されてもよいC−Cアルコキシ基;フェノキシ基のようなC−C10アリールオキシ基;及びイミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルのような窒素原子を1乃至4個有する5乃至7員ヘテロアリール基のような脱離基を挙げることができる。
【0249】
本法は、まず、アルコール化合物(5)を化合物(9)と反応させて反応性炭酸エステル化合物(10)に導き(第C−1工程)、次に、化合物(10)をアルコール化合物(11)とエステル化して化合物(Ic)を製造する(第C−2工程)方法である。
【0250】
化合物(9)は、具体的には、ホスゲン、クロロギ酸トリクロロメチル、炭酸ビス(トリクロロメチル)、1,1’−カルボニルジイミダゾール、クロロギ酸フェニル等、有機合成化学で一般に”ホスゲン等価体”として知られる化合物であって主に市販のものを用いることができ、これらのうち好適には、1,1’−カルボニルジイミダゾールである。
【0251】
アルコール化合物(11)は、I法によって製造することができる。
(第C−1工程)
第C−1工程は、アルコール化合物(5)を、不活性溶媒中、通常塩基の存在下、化合物(9)と反応させて、反応性炭酸エステル化合物(10)を製造する工程である。
【0252】
反応に使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されない。そのような溶媒としては、例えば、ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンのような炭化水素類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類;N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホロアミドのようなアミド類を挙げることができる。このうち好適にはハロゲン化炭化水素類(特に好適にはジクロロメタン)、エーテル類(特に好適にはテトラヒドロフラン)又はアミド類(特にN,N−ジメチルホルムアミド)である。
【0253】
反応に使用される塩基としては、アルコール化合物(5)からそのアルコール性活性プロトンを取ることができるものであれば特に限定はなく、例えば、トリエチルアミン等の有機アミン類;ピリジン等の含窒素芳香族化合物類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物;ブチルリチウム、フェニルリチウム等の有機リチウム類;及び、カリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコラート類が挙げられ、このうち好適には金属水素化物(特に水素化ナトリウム)及びアルカリ金属アルコラート類(特にカリウムt−ブトキシド)である。
【0254】
塩基は、化合物(5)に対して通常0.01乃至5モル当量用いることができ、好適には0.01乃至3モル当量である。
【0255】
反応温度は、主に用いる化合物(9)の種類によって異なるが、通常−78℃乃至50℃であり、好適には、0℃乃至40℃である。
【0256】
反応時間は、主に反応温度や用いる化合物(9)の種類により異なるが、通常30分間乃至24時間、好適には1時間乃至5時間である。
【0257】
第C−1工程の反応が終了した後、反応性炭酸エステル化合物(10)は、単離することなく第C−2工程の反応に付すことができる。即ち反応混合物の中へアルコール化合物(11)を加えて、第C−2工程の反応を行うことができる。必要であれば、反応性炭酸エステル化合物(10)は、通常の方法、例えば、溶媒抽出、再結晶、再沈殿、クロマトグラフィー等の方法により反応混合物から採取できる。
(第C−2工程)
第C−2工程は、反応性炭酸エステル化合物(10)を、不活性溶媒中、通常塩基の存在下、化合物(11)とエステル化して化合物(Ic)を製造する工程である。
【0258】
反応に使用される溶媒及び塩基の種類は、第C−1工程で使用される溶媒及び塩基の種類と同様である。使用される塩基の量は、第C−1工程で使用される塩基の量と同様である。
【0259】
第C−2工程の反応温度は、主に反応温度や用いる化合物(11)の種類により異なるが、通常−78℃乃至溶媒の沸点の範囲内であり、好適には0℃乃至40℃である。
【0260】
第C−2工程の反応時間は、主に反応温度や用いる化合物(11)の種類により異なるが、通常10分間乃至24時間、好適には10分間乃至1時間である。
【0261】
尚、本法は化合物(9)にアルコール化合物(5)及びアルコール化合物(11)を作用させる順番を入れ替えて行うこともできる。即ち、アルコール化合物(11)を、不活性溶媒中、通常塩基の存在下、化合物(9)と反応させ、次いでアルコール化合物(5)を加えることによっても達成される。
【0262】
反応終了後、化合物(Ic)は通常の方法により反応混合物から採取できる。例えば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残査に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗し、溶剤を留去して得られる。
【0263】
得られた化合物(Ic)は、必要ならば常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等によって更に精製することができる。
【0264】
[D法]
D法は、本発明の一般式(I)を有する化合物のうち、Lが、酸素原子であり、Rが水素原子である化合物(Id)を製造する方法であり、下記の反応式で示される。
【0265】
【化50】
Figure 0003630326
【0266】
上記反応式において、X、Z、Pg及びLは前述と同意義を示す。
【0267】
本法は、C法における合成中間体である化合物(10)をアルコール化合物(12)によりエステル化して化合物(13)を得(第D−1工程)、次いで水酸基の保護基であるPgの除去を行って化合物(Id)を製造する(第D−2工程)方法である。
(第D−1工程)
第D−1工程は、化合物(10)をアルコール化合物(12)によりエステル化して化合物(13)を製造する工程であり、第C−2工程と同様にして達成される。尚、化合物(12)は後述のI法により得ることができる。また、化合物(13)は、C法と同様に、化合物(9)にアルコール化合物(5)及びアルコール化合物(12)を作用させる順番を入れ替えても得られる。即ち、アルコール化合物(12)を、不活性溶媒中、通常塩基の存在下、化合物(9)と反応させ、次いでアルコール化合物(5)を加えることによっても得られる。
(第D−2工程)
第D−2工程は、有機合成化学で一般に用いられる、アルコールの脱保護反応によって達成され(例えば、T.W. Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Edition, John Wiley & Sons, Inc.(1999年)参照)、前述の第B−4工程と同様にして行うことができる。
【0268】
[E法]
E法は、本発明の一般式(I)を有する化合物のうち、Rが置換基群βより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−Cアルカノイル基、式−C(=O)−NR(式中R及びRは、それぞれ独立して水素原子又はC−Cアルキルを示すか、或いは、R及びRは結合する窒素原子と一緒になって4員乃至7員含窒素複素環を形成する基を示す。)で表される基、又は、−P(=O)(OH)基を示す化合物(If)を製造する方法であり、下記の反応式で示される。
【0269】
【化51】
Figure 0003630326
【0270】
上記反応式において、X、L及びRは前述と同意義を示す。
【0271】
出発原料の化合物(Ie)は、本発明の一般式(I)を有する化合物のうちRが水素原子である化合物、即ち化合物(Ib)又は化合物(Id)であり、前述のB法又はD法により得られる。
【0272】
本方法は、当業者自明の方法により化合物(Ie)をエステル化、カルバモイル化、又はホスホリル化することにより達成できる。例えば、第A−2工程と同様にして、化合物(Ie)を、溶媒中、通常塩基の存在下、反応性アルカノイル、反応性カルバモイル又は反応性ホスホリル誘導体と反応させることにより達成される。
【0273】
反応終了後、化合物(If)は通常の方法により反応混合物から採取できる。例えば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残査に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗し、溶剤を留去して得られる。
【0274】
得られた化合物(If)は、必要ならば常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等によって更に精製することができる。
【0275】
[F法]
F法は、A法の原料化合物であるヒドロキシカルボン酸化合物(1)又はその塩を製造する方法であり、下記の反応式で示される。
【0276】
【化52】
Figure 0003630326
【0277】
上記反応式において、Lは前述と同意義を示す。
【0278】
出発物質のラクトン化合物(14)は、一般に市販であるか当業者自明の方法若しくは公知の方法により製造できる。例えば、対応する環状ケトンからBaeyer−Villiger反応(松本ら, Heterocycles, 24巻, 2443−2447頁(1986年)参照)、環状エーテルの酸化(H.Firouzabadiら, Synthesis, 4巻, 285−288頁(1986年)参照)、環状無水物の還元(D.M.Baileyら, J.Org.Chem., 35巻, 3574−3576頁(1970年)参照)等及びこれらに準ずる方法により製造できる。
【0279】
本法は、当業者自明の方法により達成できる。例えば、溶媒中、ラクトン化合物(14)を、塩基性化合物と反応させることによりヒドロキシカルボン酸化合物(1)又はその塩が得られる。ここで化合物(1)の「塩」とは、用いられた塩基性化合物に含まれていた金属の塩をいい、例えばナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩が挙げられる。
【0280】
反応に用いられる溶媒としては、反応を阻害せず、原料及び塩基性化合物をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、水;メタノール、エタノールのようなアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンのような炭化水素類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類;アセトン、2−ブタノンのようなケトン類;又はそれらの混合物を挙げることができる。このうち好適にはアルコール類(特にメタノール)若しくはエーテル類(特にテトラヒドロフラン)と水の混合物である。
【0281】
反応に用いられる塩基性化合物としては、反応混合物に加えた後の液性がアルカリ性を呈するものであれば特に限定はなく、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属アルコラート類;ナトリウムメタンチオラート等の金属チオラート類;シアン化ナトリウム、シアン化カリウム等のアルカリ金属シアニド類が挙げられ、このうち好適にはアルカリ金属水酸化物(特に水酸化ナトリウム)である。用いる塩基性化合物の量は、原料化合物に対して1乃至5モル当量、好適には1乃至1.5モル当量である。
【0282】
反応温度は、主に用いる塩基性化合物の種類及び量によって異なるが、一般に−10℃乃至70℃(好適には0℃乃至50℃)の範囲である。
【0283】
反応時間は、用いる塩基性化合物の種類及び量、並びに反応温度によって異なるが、一般に0.3時間乃至24時間(好適には0.5時間乃至3時間)である。
【0284】
反応終了後、化合物(1)又はその塩は反応混合物より通常の方法で採取できる。例えば、反応混合物に水と混合しない有機溶媒と水を加え、水層を分取し、水を留去することにより化合物(1)の塩が得られる。また、反応混合物を中和後、水と混合しない有機溶媒と水を加え、有機層を分取し、溶媒を留去することにより化合物(1)が得られる。化合物(1)又はその塩は、必要に応じて、再結晶、再沈殿、クロマトグラフィー等の通常の方法によりさらに精製できる。
【0285】
[G法]
本法はA法の中間体化合物(4)を別途に製造する方法であり、下記の反応式で示される。
【0286】
【化53】
Figure 0003630326
【0287】
上記反応式において、L及びRは前述と同意義を示し、Pgは水酸基の保護基を示す。
【0288】
ここで保護基Pgとは、有機合成化学でアルコール類の保護に一般的に用いられる保護基を示し(例えば、T.W. Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Edition,John Wiley & Sons,Inc.(1999年)参照)、そのような保護基の種類としては、該保護基を除去しようとする第G−3工程において化合物(17)の保護基以外の部分を損なうことなく除去を行うことができる保護基であればよく、例えば、テトラヒドロピラニル、オキソラニル等の酸素原子1個を有する5員乃至7員ヘテロシクリル基;メトキシメチル等の、(C−Cアルコキシ)メチル基;ベンジル、メトキシベンジル、ジメトキシベンジル、クロロベンジル、メチルベンジル等の、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基又はハロゲン原子を独立に1乃至3個有してもよい(C−C10アリール)メチル基;ホルミル、アセチル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、フルオロアセチル、ジフルオロアセチル、トリフルオロアセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル等の、ハロゲン原子1乃至3個を有してもよいC−Cアルカノイル基;ベンゾイル、クロロベンゾイル、メトキシベンゾイル、ジメトキシベンゾイル、メチルベンゾイル、ナフトイル等の、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基又はハロゲン原子を独立に1乃至3個有してもよい(C−C10アリール)カルボニル基;トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル等の、C−Cアルキル基若しくはフェニル基を独立に3個有するシリル基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、トリクロロエトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等の、ハロゲン原子1乃至3個を有してもよいC−Cアルコキシカルボニル基若しくはC−Cアルケニルオキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル、メトキシベンジルオキシカルボニル、ジメトキシベンジルオキシカルボニル、クロロベンジルオキシカルボニル、ナフチルメチルオキシカルボニル等の、C−Cアルコキシ基又はハロゲン原子を独立に1乃至3個有してもよい(C−C11アラルキル)オキシカルボニル基が挙げられ、このうち好適にはC−Cアルキル基若しくはフェニル基を独立に3個有するシリル基(特にt−ブチルジメチルシリル基)である。
【0289】
本法は、まず2価アルコール化合物(15)の片方の水酸基を保護してモノ被保護化合物(16)に導き(第G−1工程)、次に化合物(16)をエステル化、カルバモイル化、又はホスホリル化してエステル、ウレタン、又はホスホリル化合物(17)に導き(第G−2工程)、次に化合物(17)を脱保護して化合物(18)を製造する(第G−3工程)ことにより行われる。化合物(18)を製造するには、より直接的に、化合物(15)を無保護で直接エステル化又はカルバモイル化してもよい。次に化合物(18)を酸化すると(第G−4工程)、目的化合物(4)が製造される。
【0290】
以下、各工程について説明する。
(第G−1工程)
第G−1工程は、2価アルコール化合物(15)の片方の水酸基を保護して化合物(16)を製造する工程である。
【0291】
原料の2価アルコール化合物(15)は、一般には市販のものを用いることができるが、必要に応じて当業者自明の方法により製造できる。
【0292】
本工程は、有機合成化学で一般に用いられる、アルコールの保護反応によって達成される(例えば、T. W. Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Edition, John Wiley & Sons, Inc.(1999年)参照)。
【0293】
例えば、化合物(15)を、溶媒中、塩基性条件下、保護試剤と反応させることにより、保護された化合物(16)を製造することができる。
【0294】
保護試剤は式Pg−Z(式中、Pgは前述と同意義を示し、Zはハロゲン原子またはそれに代わる脱離基を示す。)で表される化合物であり、例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物等のハロゲン化物類;及びメタンスルホン酸エステル、トリフルオロメタンスルホン酸エステル、トルエンスルホン酸エステル等のスルホン酸エステル類等を挙げることができる。このうち好適には、ハロゲン化物類である。
【0295】
溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;アセトニトリル等のニトリル類;及び、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類等が挙げられ、好適にはエーテル類、ハロゲン化炭化水素類、及びアミド類である。
【0296】
塩基としては、有機合成化学で用いられる塩基であれば特に限定はなく、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピリジン、ルチジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、イミダゾール等の有機塩基類;及び、ナトリウムメトキシド等のアルカリ金属アルコラートが挙げられ、好適には有機塩基類である。
【0297】
反応温度は、通常0℃乃至溶媒の沸点の範囲(好適には0℃乃至室温)であり、反応時間は、主に導入保護基の種類によって異なるが、通常0.5時間乃至24時間(好適には0.5時間乃至6時間)である。
【0298】
反応終了後、化合物(16)は通常の方法により反応混合物から採取できる。例えば、中和後、反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残査に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗し、溶剤を留去して得られる。
【0299】
得られた化合物(16)は、必要ならば常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等によって更に精製することができる。
【0300】
尚、本工程の反応により、目的化合物(16)の他に、化合物(15)の両方の水酸基が保護された副生成物も生じることがあるが、所望により、目的化合物(16)はその副生成物からクロマトグラフィー、再結晶、再沈殿等の通常の方法により分離できる。
(第G−2工程)
第G−2工程は、モノ被保護化合物(16)の水酸基をエステル化、カルバモイル化、又はホスホリル化して、化合物(17)を製造する工程である。
【0301】
本工程は、第A−2工程と同様にして達成される。
(第G−3工程)
第G−3工程は、化合物(17)の保護基を除去してアルコール化合物(18)を製造する工程である。
【0302】
本工程は、有機合成化学で一般に用いられる、アルコールの脱保護反応によって達成される(例えば、T.W. Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Edition,John Wiley & Sons,Inc.(1999年)参照)。
【0303】
例えば、特にPgがt−ブチルジメチルシリル等の、C−Cアルキル基若しくはフェニル基を独立に3個有するシリル基の場合には、溶媒中、化合物(17)にフッ化物塩を作用させることにより行うことができる。
【0304】
該溶媒としては、水;ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、t−ブチルアルコール等のアルコール類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;アセトニトリル等のニトリル類;及びジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類等が挙げられ、このうち好適には炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、又はエーテル類であり、更に好適にはエーテル類である。
【0305】
フッ化物塩としては、フッ化カリウム等のアルカリ金属フッ化物塩;及びテトラブチルアンモニウム=フルオリド等の有機アンモニウムフッ化物塩が挙げられる。
【0306】
反応は、酢酸等の酸類を加えることにより液性を中性に調節しながら行ってもよい。
【0307】
反応温度は通常0℃乃至室温、反応時間は通常1時間乃至4時間である。
【0308】
反応終了後、化合物(18)は通常の方法により反応混合物から採取できる。例えば、中和後、反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残査に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗し、溶剤を留去して得られる。
【0309】
得られた化合物(18)は、必要ならば常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等によって更に精製することができる。
【0310】
尚、化合物(18)は、より直接的には、第G−1工程乃至第G−3工程を経ることなく、化合物(15)の片方の水酸基にR基を直接導入することによっても得られる。この場合、好適には、化合物(15)に、第G−2工程と同様な反応条件を作用させる方法が用いられる。
(第G−4工程)
第G−4工程は、アルコール化合物(18)を酸化してA法の中間体化合物(4)を製造する工程である。
【0311】
本工程は、不活性溶媒中、化合物(18)を酸化剤と処理することにより達成される。
【0312】
反応に用いられる溶媒は、原料化合物をある程度溶解し反応を阻害しなければ特に制限はないが、例えば、水;ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;t−ブチルアルコール等のアルコール類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;アセトニトリル等のニトリル類;及びジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類等が挙げられ、このうち好適には水、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、ケトン類、アミド類又はエーテル類であり、更に好適にはハロゲン化炭化水素類(特にジクロロメタン)、ケトン類(特にアセトン)又はアミド類(特にN,N−ジメチルホルムアミド)である。
【0313】
反応に用いられる酸化剤としては、有機合成化学でアルコール化合物をカルボン酸化合物に酸化するのに用いられる酸化剤であれば特に制限はないが、例えば、三酸化クロム、重クロム酸カリウム、ピリジニウムクロロクロマート、Jones試薬、Collins試薬等のクロムの塩、酸化物及びその錯体;四酸化ルテニウム、テトラプロピルアンモニウム=ペルルテナート等のルテニウムの塩、酸化物及びその錯体;四酢酸鉛等の鉛の塩、酸化物及びその錯体;過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン等のマンガンの塩、酸化物及びその錯体;酸化銀、炭酸銀のような銀の塩、酸化物及びその錯体;タングステン酸等のタングステンの塩、酸化物及びその錯体;モリブデン酸等のモリブデンの塩、酸化物及びその錯体;2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシラジカル等のフリーラジカル類;塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン類;次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム等のハロゲン酸類及びその塩;及びN−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド等のN−ハロイミド類等が挙げられ、このうち好適にはクロムの塩、酸化物及びその錯体;ルテニウムの塩、酸化物及びその錯体;マンガンの塩、酸化物及びその錯体;銀の塩及びその錯体;又はハロゲン酸類及びその塩であり、更に好適にはクロムの塩、又は酸化物及びその錯体である。
【0314】
反応に用いられる酸化剤の量は、アルコール化合物(18)に対して、通常2乃至10当量であり、好適には2乃至3当量である。
【0315】
反応温度は、主に用いる酸化剤及び原料化合物によって異なるが、通常−78℃乃至溶媒の沸点の範囲であり、好適には−20℃乃至室温である。
【0316】
反応時間は、主に用いる酸化剤、原料化合物及び反応温度によって異なるが、通常0.1時間乃至24時間であり、好適には0.5時間乃至2時間である。
【0317】
反応終了後、目的化合物(4)は通常の方法により反応混合物から採取できる。例えば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残査に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗し、溶剤を留去して得られる。
【0318】
得られた化合物(4)は、必要ならば常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等によって更に精製することができる。
【0319】
尚、同様にB法の合成中間体である化合物(7)を得ることができる。
【0320】
【化54】
Figure 0003630326
【0321】
即ち、モノ被保護化合物(16)を、第G−2工程と同様に保護基Pgで保護して化合物(19)を得(第G’−1工程)、次いで保護基Pgを除去して化合物(20)を得(第G’−2工程)、最後に化合物(20)を酸化することにより化合物(7)を得ることができる。
【0322】
尚、化合物(20)は、より直接的には、第G−1工程、第G’−1工程、及び第G’−2工程を経ることなく、化合物(15)を保護基Pgで直接保護することによっても得られる。この場合、好適には、化合物(15)に、第G’−1工程と同様な反応条件を作用させる方法が用いられる。
【0323】
[H法]
本法はA法の中間体化合物(4)を別途に製造する方法であり、下記の反応式で示される。
【0324】
【化55】
Figure 0003630326
【0325】
上記反応式において、L及びRは、前述と同意義を示す。
【0326】
本法は、アルデヒド化合物(21)の水酸基をエステル化又はカルバモイル化することにより化合物(22)を製造し(第H−1工程)、次に化合物(22)を酸化することによって化合物(4)を製造する方法である。
【0327】
以下、各工程について説明する。
【0328】
第H−1工程は、アルデヒド化合物(21)の水酸基をエステル化又はカルバモイル化して化合物(22)を製造する工程である。
【0329】
原料のアルデヒド化合物(21)は、市販のものを用いるか或いは当業者自明の方法により製造することができる。例えば、対応するラクトン化合物の還元的開裂により得ることができる(D.Johnstonら, Tetrahedron Lett., 40巻, 4913−4916頁(1999年)参照)。
【0330】
本工程は、第A−2工程と同様にして行うことができる。
【0331】
第H−2工程は、アルデヒド化合物(22)を酸化してA法の中間体化合物(4)を製造する工程である。
【0332】
本工程は、有機合成化学で一般に用いられる、アルデヒド化合物の酸化によって達成される。
【0333】
例えば、第G−4工程と同様にして行うことができる。
【0334】
尚、同様にB法の合成中間体である化合物(7)を得ることができる。
【0335】
【化56】
Figure 0003630326
【0336】
即ち、第B−1工程と同様に化合物(21)の水酸基を保護基Pgにより保護して化合物(23)を得(第H’−1工程)、次いで第H−2工程と同様にアルデヒド基を酸化することにより化合物(7)を得ることができる(第H’−2工程)。
【0337】
[I法]
I法は、C法の原料である化合物(11)を製造する方法であり、下記の反応式で示される。
【0338】
【化57】
Figure 0003630326
【0339】
上記反応式において、R、L及びPgは前述と同意義を示す。
【0340】
本法は、まず2価アルコール化合物(24)の片方の水酸基を保護してモノ被保護化合物(25)に導き(第I−1工程)、次に化合物(25)に基Rを導入して化合物(26)に導き(第I−2工程)、最後に化合物(26)を脱保護して目的化合物(11)を製造する(第I−3工程)方法であり、前述のG法(第G−1工程乃至第G−3工程)と同様にして行われる。
【0341】
尚、G法の場合と同様、化合物(24)を無保護のままで直接基Rを導入して目的化合物(11)を製造することもできる。
【0342】
また、同様にD法の合成中間体である化合物(12)を得ることができる。
【0343】
【化58】
Figure 0003630326
【0344】
即ち、化合物(25)の水酸基を保護基Pgにより保護して化合物(27)を得(第I’−1工程)、次いで保護基Pgを除去することにより化合物(12)を得ることができる(第I’−2工程)。反応は第G’−1工程乃至第G’−2工程と同様に行われる。
【0345】
尚、A法、B法、C法、D法又はE法により得られる本発明に係る化合物(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、又は(If)が、基Lや基R中にも保護基を含む場合、該保護基を当業者自明の方法をもって除去することにより最終目的化合物に誘導することができる。即ち、基Lや基R中に水酸基、式−NH−で表される基、カルボキシ基、−P(=O)(OH)基又は−SOH基を含む化合物を合成する場合には、これらが保護された原料を用いて合成を進め、最後に該保護基を除去することができる。
【0346】
保護基の除去は、その種類によって異なるが、一般に有機合成化学の分野で知られている方法(T W. Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Edition,John Wiley & Sons,Inc.(1999年)等参照)又はそれらに準ずる方法によって達成できる。例えば、基Lや基R中にカルボキシ基又は−P(=O)(OH)基が存在する場合には、保護基としてアリル基を用いることができ、該保護基の除去は、前述したA法におけるPg及びPgの除去或いはB法におけるPgの除去と同様に行うことができる。
【0347】
本発明に係るトリアゾール化合物又は薬理上許容される塩は、高い水溶性を有し、医薬(特に注射剤)として投与されて生体内で速やかに開裂することにより、カンジダ属、アスペルギルス属、クリプトコッカス属、ムーコル属、ヒストプラズマ属、ブラストミセス属、コクシジオイデス属、パラコクシジオイデス属、トリコフィートン属、エピデルモフィートン属、ミクロスポルム属、マラセチア属、シュードアレシェリア属、スポロスリックス属、リノスポリジウム属、フォンセカエア属、ワンギエラ属、フィアロフォラ属、エキソフィアラ属、クラドスポリウム属、アルテルナリア属、オーレオバシジウム属、カエトミウム属、クルブラリア属、ドレクスレラ属、マイコセントロスポラ属、フォマ属、ヘンダーソヌラ属、スキタリジウム属、コリネスポラ属、レプトスフェリア属、マジュレラ属、ネオテスツジナ属、セドスポリウム属、ピレノケータ属、ジオトリクム属、トリコスポロン属、クリソスポリウム属、コプリヌス属、シゾフィルム属、ニューモシスチス属、コニジオボルス属、バシジオボルス属、ペシロミセス属、ペニシリウム属、アクレモニウム属、フザリウム属、スコプラリオプシス属、サッカロミセス属、セファロスポリウム属、ロボア属、リゾープス属、リゾムーコル属又はアブシジア属等の真菌類等に対して優れた抗真菌活性を有する。
【0348】
その使用量は、患者(温血動物、特に人間)の症状、年齢、投与方法(静脈内投与、筋肉注射投与、皮下注射投与など)等により異なるが、静脈内投与の場合には、1回当たり下限0.1mg(好適には0.5mg)、上限600mg(好適には、500mg)を成人に対して、1日当り1乃至6回症状に応じて投与することが望ましい。
【0349】
【実施例】
以下に、実施例、参考例、試験例及び製剤例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0350】
【実施例1】
ソジウム=ヒドロゲン=4−(アセトキシメチル)−3−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]ベンジル=ホスファート(例示番号5−34のモノナトリウム塩)
【0351】
【化59】
Figure 0003630326
【0352】
(1)2−ブロモ−1,4−ベンゼンジメタノール
水素化ホウ素ナトリウム(6.61 g, 174.8 mmol)のエタノール(150 ml)溶液を0℃にて攪拌している中へ、粉砕した塩化カルシウム(14.55 g, 131.1 mmol)を20分かけて加え、次に2−ブロモテレフタル酸ジメチル(J. Med. Chem.,13巻,1235頁(1970年)に記載;11.94 g, 43.7 mmol)のエタノール(20 ml)溶液を加えた。混合物を同温で30分撹拌後、水素化ホウ素ナトリウム(5.3 g, 140 mmol)、及び塩化カルシウム(1 g, 9.0 mmol)を追加した。混合物を40分間撹拌後、2N塩酸水溶液(250 ml)を加えた。生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。抽出液を減圧下濃縮し固体の残留物を得た。これを少量の酢酸エチルで洗浄し、標記化合物7.98 g(収率84%)を、融点104 ℃を有する無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, DMSO−d6)δppm :4.48 (2H, d, J=5 Hz), 4.49 (2H, d, J=6 Hz), 5.27 (1H, t, J=6 Hz), 5.37 (1H, t, J=5 Hz), 7.31 (1H, d, J=7 Hz), 7.46−7.50 (2H, m)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3332, 3244, 1435, 1404, 1201, 1058, 1018, 825
マススペクトル m/z (EI): 216, 218 (M)。
(2)2−ブロモ−1,4−ビス[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシメチル]ベンゼン
(1)で得た2−ブロモ−1,4−ベンゼンジメタノール(7.76 g, 35.8 mmol)とp−トルエンスルホン酸・一水和物(340.2 mg, 1.80 mmol)をジクロロメタン(180 ml)に溶かし、0℃に冷却し攪拌している中へ、3,4−ジヒドロ(2H)ピラン(7.22 g, 84.9 mmol)を滴下した。混合物を1時間撹拌後、3,4−ジヒドロ(2H)ピラン(0.8 g, 9.3 mmol)を追加した。混合物を40分間撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100 mlを加え、混合物を5分間撹拌し、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残留物を、シリカゲル250 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:10)混合溶媒で溶出し、標記化合物12.07 g(収率88%)を油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.52−1.91 (12H, m),3.52−3.59 (2H, m), 3.85−3.93 (2H, m), 4.47 (1H, d, J=12 Hz), 4.57 (1H, d, J=13 Hz), 4.69 (1H, t, J=4 Hz), 4.74 (1H, d, J=12 Hz), 4.77 (1H, t, J=4 Hz), 4.81 (1H, d, J=13 Hz), 7.30 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.48 (1H, d, J=8 Hz), 7.57 (1H, d, J=1 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2947, 1608, 1562, 1388, 1345, 1075, 1032, 973, 906
マススペクトル m/z (FAB):385, 387 (M+1)。
(3)2,5−ビス[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシメチル]安息香酸
(2)で得た2−ブロモ−1,4−ビス[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシメチル]ベンゼン(3.55 g, 9.22 mmol)のテトラヒドロフラン(30 ml)溶液を−78℃に冷却し、攪拌している中へ、n−ブチルリチウム(1.57 Mヘキサン溶液;8.33 ml, 13.1 mmol)を滴下した。混合物を同温で20分間撹拌後、炭酸ガスを40分間通じた。混合物を同温で1時間撹拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。混合物を0℃に昇温し、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、溶媒を減圧留去し、残留物を得た。これを、シリカゲル100 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:3)混合溶媒で溶出し、標記化合物1.63 g(収率50%)を無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.55−1.92 (12H, m),3.56−3.60 (2H, m), 3.88−3.95 (2H, m), 4.55 (1H, d, J=12 Hz), 4.73 (1H, t, J=4 Hz), 4.81 (1H, t, J=4 Hz), 4.82 (1H, d, J=12 Hz), 4.96 (1H, d, J=15 Hz), 5.15 (1H, d, J=15 Hz), 7.59 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.70 (1H, d, J=8 Hz), 8.06 (1H, d, J=1 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2947, 1730, 1693, 1261, 1031, 908
マススペクトル m/z (FAB):351 (M+1)。
(4)6−(ヒドロキシメチル)−1(3H)−イソベンゾフラノン
【0353】
【化60】
Figure 0003630326
【0354】
(3)で得た2,5−ビス[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシメチル]安息香酸(1.62 g, 4.64 mmol)をメタノール(30 ml)に溶かし、p−トルエンスルホン酸・一水和物(103.0 mg, 0.54 mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下濃縮して固体の残留物を得た。これを、シリカゲル50 gを用いるカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1〜1:0)混合溶媒で溶出して、標記化合物587.5 mg(収率77%)を、融点107−108 ℃を有する無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.91 (1H, t, J=5 Hz), 4.83 (2H, d, J=5 Hz), 5.33 (2H, s), 7.49 (1H, d, J=8 Hz), 7.72 (1H, d, J=8 Hz), 7.93 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3461, 1735, 1048, 996, 771
マススペクトル m/z (EI):164 (M)。
(5)2,5−ビス(アセトキシメチル)安息香酸メチル
2,5−ビス(ブロモメチル)安息香酸メチル(J. Am. Chem. Soc., 121巻, 1192頁(1999年)に記載;12.65 g, 39.3 mmol)をジメチルスルホキシド(80 ml)に溶かし、酢酸ナトリウム(10.4 g, 126.8 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(150 ml)を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。溶媒を減圧下留去して得られた油状の残留物を、シリカゲル200 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:5〜1:2)混合溶媒で溶出し、標記化合物7.72 g(収率70%)を油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :2.12 (3H, s), 2.14 (3H, s), 3.92 (3H, s), 5.13 (2H, s), 5.51 (2H, s), 7.49 (1H, d, J=8 Hz), 7.53 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.98 (1H, d, J=1 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1737, 1255, 1037
マススペクトル m/z (FAB):281 (M+1)。
(6)6−(ヒドロキシメチル)−1(3H)−イソベンゾフラノン
(5)で得た2,5−ビス(アセトキシメチル)安息香酸メチル(7.72 g, 27.5 mmol)をメタノール(100 ml)に溶かし、炭酸カリウム(380.7 mg, 2.7 mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した後、2N塩酸水溶液(10 ml)を加えた。溶媒を減圧下留去し、得られた固体残留物をメタノールより再結晶し、標記化合物2.20 gを無色の固体として得た。母液を減圧下濃縮して固体の残留物を得た。これを、シリカゲル100 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:1〜3:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物1.05 g(合計で3.25 g, 収率76%)を無色の固体として得た。スペクトルデータは、(4)で述べたデータと一致した。
(7)6−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]−1(3H)−イソベンゾフラノン
(4)又は(6)で得た6−(ヒドロキシメチル)−1(3H)−イソベンゾフラノン(587.5 mg, 3.58 mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(10 ml)に溶かし、tert−ブチルクロロジメチルシラン(647.3 mg, 4.30 mmol)とイミダゾール(292.3 mg, 4.30 mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌後、水(20 ml)を加え、生成物を酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒で抽出した。有機層を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧下留去して油状の残留物を得た。これを、シリカゲル25 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:10〜1:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物940.1 mg(収率94%)を無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :0.12 (6H, s), 0.95 (9H, s), 4.83 (2H, s), 5.31 (2H, s), 7.45 (1H, d, J=8 Hz), 7.67 (1H, d, J=8 Hz), 7.88 (1H, s)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2956, 2931, 2958, 1766, 1156, 840
マススペクトル m/z (FAB):279 (M+1)。
(8)4−メトキシベンジル=2−(アセトキシメチル)−5−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]ベンゾアート
(7)で得た6−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]−1(3H)−イソベンゾフラノン(932.9 mg, 3.35 mmol)をテトラヒドロフラン(3 ml)に溶かし、水酸化カリウム(188.0 mg, 3.35 mmol)の水(1.2 ml)溶液を加えた。混合物を室温で4時間撹拌後、溶媒を減圧下留去し、残留物を真空ポンプで乾燥して非晶質の固体を得た。これをN,N−ジメチルホルムアミド(10 ml)に溶解し、4−メトキシベンジル=クロリド(577.3 mg, 3.69 mmol)を加え、混合物を80℃で1時間撹拌した。混合物を冷却後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和塩化ナトリウムで洗浄し、溶媒を減圧下留去して油状の残留物を得た。これをジクロロメタン(10 ml)に溶かし、0℃にて、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(450.3 mg, 3.69 mmol)と塩化アセチル(289.4 mg, 3.69 mmol)を加えた。混合物を同温で30分間撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、生成物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を減圧下濃縮して油状の残留物を得た。これを、シリカゲル50 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:10〜1:5)混合溶媒で溶出して、標記化合物905.6 mg(収率59%)を無色油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :0.08 (6H, s), 0.92 (9H, s), 2.08 (3H, s), 3.82 (3H, s), 4.74 (2H, s), 5.28 (2H, s), 5.49 (2H, s), 6.91 (2H, d, J=8 Hz), 7.38 (2H, d, J=8 Hz), 7.43 (1H, d, J=7 Hz), 7.48 (1H, dd, J=7, 1 Hz), 7.94 (1H, d, J=1 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2957, 2931, 2858, 1721, 1257, 909, 839
マススペクトル m/z (FAB):457 (M−1)。
(9)4−メトキシベンジル=2−(アセトキシメチル)−5−(ヒドロキシメチル)ベンゾアート
(8)で得た4−メトキシベンジル=2−(アセトキシメチル)−5−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル)]ベンゾアート(905 mg, 1.97 mmol)をテトラヒドロフラン(5 ml)に溶かし、テトラブチルアンモニウム=フルオリド(1Nテトラヒドロフラン溶液;9.9 ml, 9.9 mmol)と酢酸(592.9 mg, 9.87 mmol)を加えた。混合物を50℃で1時間撹拌後、溶媒を減圧下留去した。油状の残留物を、シリカゲル25 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物500.1 mg(収率74%)を無色の非晶質の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :2.09 (3H, s), 3.82 (3H, s), 4.72 (2H, s), 5.29 (2H, s), 5.50 (2H, s), 6.91 (2H, d, J=9 Hz), 7.39 (2H, d, J=9 Hz), 7.47 (1H, d, J=8 Hz), 7.53 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.97 (1H, d, J=1 Hz)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 1737, 1714, 1519, 1253, 1039
マススペクトル m/z (FAB):345 (M+1)。
(10)4−メトキシベンジル=2−(アセトキシメチル)−5−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]ベンゾアート
(9)で得た4−メトキシベンジル=2−(アセトキシメチル)−5−(ヒドロキシメチル)ベンゾアート(480.4 mg, 1.40 mmol)のジクロロメタン(10 ml)溶液を0℃に冷却し攪拌しながら、テトラゾール(195.4 mg, 2.79 mmol)とビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(Tetrahedron Lett., 30巻, 4219頁(1989年);444.9 mg, 1.82 mmol)を加え、混合物を同温で15分間撹拌した。混合物を室温に昇温し1時間撹拌した後、メタノール(12滴)を加えた。混合物を5分間撹拌した後0℃に冷却し、tert−ブチルヒドロペルオキシド(80%ジ−tert−ブチルペルオキシド溶液;メルク製;0.54 g, 4.8 mmol)を加え、混合物を室温に昇温し、15分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、混合物を10分間撹拌した後、酢酸エチルと水に分配した。有機層を合わせ、溶媒を減圧下留去して得られた油状の残留物を、シリカゲル25gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:2〜1:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物598.3 mg(収率85%)を無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :2.10 (3H, s), 3.82 (3H, s), 4.50−4.53 (4H, m), 5.08 (2H, d, J=8 Hz), 5.23 (2H, dd, J=11, 1 Hz), 5.29 (2H, s), 5.33 (2H, dd, J=17, 1 Hz), 5.51 (2H, s), 5.90 (2H, ddt, J=17, 11, 5 Hz), 6.91 (2H, d, J=8 Hz), 7.39 (2H, d, J=8 Hz), 7.49 (1H, d, J=8 Hz), 7.55 (1H, dd, J=8, 2 Hz), 7.98 (1H, d, J=2 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1721, 1516, 1256, 1031, 989
マススペクトル m/z (FAB):505 (M+1)。
(11)2−(アセトキシメチル)−5−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]安息香酸
(10)で得た4−メトキシベンジル=2−(アセトキシメチル)−5−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]ベンゾアート(590.3 mg, 1.17 mmol)とアニソール(600 mg, 5.55 mmol)の混合物を0℃に冷却し攪拌しながら、トリフルオロ酢酸(2 ml)を加えた。混合物を室温まで昇温後、20分間放置した。混合物をトルエンで薄め、減圧下で濃縮して揮発性成分を除いた(合計3回)。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を酢酸エチルで洗浄した。水層に注意深く2N塩酸水溶液(10 ml)を加え、遊離したカルボン酸を酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧下留去し、標記化合物(477.5 mg, 収率定量的)を無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :2.17 (3H, s), 4.57 (4H, m), 5.15 (2H, d, J=8 Hz), 5.27 (2H, d, J=10 Hz), 5.36 (2H, dd, J=17, 1 Hz), 5.57 (2H, s), 5.92 (2H, ddt, J=17, 10, 7 Hz), 7.55 (1H, d, J=8 Hz), 7.61 (1H, dd, J=8, 2 Hz), 8.13 (1H, br s)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1738, 1700, 1256, 1167, 1028, 989
マススペクトル m/z (FAB):385 (M+1)。
(12)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−(アセトキシメチル)−5−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]ベンゾアート
【0355】
【化61】
Figure 0003630326
【0356】
(11)で得た2−(アセトキシメチル)−5−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]安息香酸(475.5 mg, 1.24 mmol)をテトラヒドロフラン(5 ml)に溶かし、0℃に冷却し攪拌している中へ、塩化オキサリル(189.2 mg, 1.49 mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド(15 μl)を加えた。混合物を室温に昇温し40分間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、粗製の2−(アセトキシメチル)−5−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]ベンゾイル=クロリドを得た。
【0357】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(544.6 mg, 1.00 mmol)と、テトラヒドロフラン(5 ml)の混合物に、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;56.9 mg, 1.31 mmol)を加え、市販の超音波洗浄機を用いて混合物に30分間超音波を照射した。混合物を超音波洗浄機からはずし、0℃に冷却し、攪拌している中へ、上で得た粗製の2−(アセトキシメチル)−5−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]ベンゾイル=クロリド(全量)を加えた。混合物を室温で40分間撹拌した。冷却後、混合物を酢酸エチルと塩化アンモニウム水溶液に分配し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。減圧下溶媒を留去して得られた油状の残留物を、シリカゲル30 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物368.3 mg(収率41%)を淡黄色で非晶質の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.46 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.15 (3H, s), 3.04 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 3.54 (1H, t, J=11 Hz), 4.02 (1H, q, J=7 Hz), 4.11−4.20 (2H, m), 4.49−4.57 (4H, m), 5.01 (1H, d, J=4 Hz), 5.11 (2H, d, J=8 Hz), 5.23 (2H, dd, J=10, 5 Hz), 5.33 (2H, ddd, J=17, 6, 1 Hz), 5.43 (1H, d, J=14 Hz), 5.47−5.55 (3H, m), 5.83−5.96 (3H, m), 6.56 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=16 Hz), 6.89−6.97 (3H, m), 7.33 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.40 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.42−7.46 (1H, m), 7.56−7.60 (2H, m), 7.62 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.85 (1H, d, J=1 Hz), 7.89 (1H, s), 7.96 (1H, s)
IRスペクトルνmax Liquid film cm−1: 2232, 1731, 1504, 1276, 1258, 1026, 733
マススペクトル m/z (FAB):909 (M+1)。
(13)ソジウム=ヒドロゲン=4−(アセトキシメチル)−3−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]ベンジル=ホスファート(標記目的化合物)
(12)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−(アセトキシメチル)−5−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]ベンゾアート(368.3 mg, 0.41 mmol)を、ジクロロメタン(5 ml)に溶かし、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(14.7 mg, 0.02 mmol)と水素化トリブチルスズ(240.1 mg, 0.83 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を減圧下濃縮し、残留物にヘキサン(30 ml)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30 ml)を加えて、混合物を室温で30分間撹拌した。混合物にメタノールを加え、含水メタノール層を分け採った。溶媒を減圧下留去し、残留物を得た。メタノール(30 ml)を加え固体を洗浄し、洗浄液を合わせ濃縮して得られた油状の残留物を、Cosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;20 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(4:6〜3:7)混合溶媒で溶出した。得られたフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、標記目的化合物85.6 mg(収率25%)を無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm :1.44 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.12 (3H, s), 2.97 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.54 (1H, t, J=11 Hz), 3.55 (1H, t, J=11 Hz), 4.04 (1H, q, J=7 Hz), 4.08−4.16 (2H, m), 4.96 (2H, d, J=5 Hz), 5.03 (1H, d, J=5 Hz), 5.39 (1H, d, J=14 Hz), 5.48 (1H, d, J=14 Hz), 5.55 (1H, ,d ,J=15 Hz), 5.61 (1H, dd, J=15, 2 Hz), 5.87 (1H, dd, J=15, 5 Hz), 6.57 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.78 (1H, d, J=16 Hz), 7.02−7.09 (2H, m), 7.10 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 7.49−7.66 (4H, m), 7.79 (1H, t, J=8 Hz), 7.86 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.92 (1H, s), 7.94 (1H, d, J=1 Hz), 8.28 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3433, 2231, 1733, 1503, 1384, 1141, 1120, 975, 543
マススペクトル m/z (FAB):851 (M+1)。
【0358】
【実施例2】
ソジウム=2−アセトキシ−5−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−5−オキソペンタノアート(例示番号4−20のナトリウム塩)
【0359】
【化62】
Figure 0003630326
【0360】
(1)アリル=5−[(4−メトキシベンジル)オキシ]−2,5−ジオキソペンタノアート
【0361】
【化63】
Figure 0003630326
【0362】
2−オキソグルタル酸(2.92 g, 20.0 mmol)、ジシクロヘキシルアミン(3.63 g, 20.0 mmol)、及びヨウ化アリル(2.01 ml, 22.0 mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(30 ml)に溶かし、この混合物を60℃に昇温して30分間撹拌した。ジシクロヘキシルアミン(3.63 g, 20.0 mmol)と、4−メトキシベンジル=クロリド(3.13 g, 20.0 mmol)を加え、混合物を同温で30分間撹拌した。冷却後、混合物を水と酢酸エチルに分配した。有機層を合わせ、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、減圧下濃縮し、油状の残留物を得た。これを、シリカゲル85 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:5〜9:25)混合溶媒で溶出し、標記化合物1.48 g(収率24%)を、薄黄色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :2.70 (2H, t, J=7 Hz), 3.17 (2H, t, J=7 Hz), 3.81 (3H, s), 4.75 (2H, dd, J=6, 1 Hz), 5.06 (2H, s), 5.33 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 5.41 (1H, dd, J=17, 1 Hz), 5.95 (1H, ddt, J=17, 10, 6 Hz), 6.89 (2H, d, J=9 Hz), 7.28 (2H, d, J=9 Hz)IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1732, 1516, 1252, 1173, 1080, 1036
マススペクトル m/z (EI):306 (M)。
(2)アリル=2−ヒドロキシ−5−[(4−メトキシベンジル)オキシ]−5−オキソペンタノアート
塩化亜鉛(1.0 M ジエチルエーテル溶液; 8.8 ml, 8.8 mmol)をテトラヒドロフラン(5 ml)に加え、0℃にて撹拌している中へ、水素化ホウ素ナトリウム(605.3 mg, 16.0 mmol)を加えた。市販の超音波洗浄機を用いて混合物に10分間超音波を照射した。混合物を超音波洗浄機からはずして−5℃に冷却し、(1)で得たアリル=5−[(4−メトキシベンジル)オキシ]−2,5−ジオキソペンタノアート(1.84 g, 6.0 mmol)のテトラヒドロフラン(5 ml)溶液を10分間かけて加えた。混合物を30分撹拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧下留去し、油状の残留物を得た。これを、シリカゲル65 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(3:10〜2:5)混合溶媒で溶出し、標記化合物1.26 g(収率68%)を無色油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.91−2.05 (1H, m), 2.16−2.24 (1H, m), 2.43−3.58 (2H, m), 3.81 (3H, s), 4.23−4.27 (1H, m), 4.67 (2H, dt, J=6, 1 Hz), 5.06 (2H, s), 5.28 (1H, dt, J=10, 1 Hz), 5.34 (1H, dq, J=18, 1 Hz), 5.91 (1H, ddt, J=18, 10, 6 Hz), 6.89 (2H, d, J=9 Hz), 7.29 (2H, d, J=9 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 3322, 1743, 1252, 1171
マススペクトル m/z (FAB):309 (M+1)。
(3)アリル=2−アセトキシ−5−[(4−メトキシベンジル)オキシ]−5−オキソペンタノアート
(2)で得たアリル=2−ヒドロキシ−5−[(4−メトキシベンジル)オキシ]−5−オキソペンタノアート(1.26 g, 4.09 mmol)を0℃にてピリジン(15 ml)に溶解し、塩化アセチル(481.2 mg, 6.13 mmol)を加えた。混合物を室温に昇温し、30分間撹拌した。0℃に冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を希塩酸及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧下留去して油状の残留物を得た。これを、シリカゲル60 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:5)混合溶媒で溶出し、標記化合物1.36 g(収率95%)を無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :2.11 (3H, s), 2.12−2.30 (2H, m), 2.41−2.52 (2H, m), 3.81 (3H, s), 4.63 (2H, d, J=6 Hz), 5.04−5.07 (1H, m), 5.06 (2H, s), 5.25 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 5.33 (1H, dd, J=18, 1 Hz), 5.89 (1H, ddt, J=18, 10, 6 Hz), 6.89 (2H, d, J=9 Hz), 7.29 (2H, d, J=9 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1742, 1614, 1516, 1252, 1170, 1036
マススペクトル m/z (FAB):351 (M+1)。
(4)4−アセトキシ−5−アリルオキシ−5−オキソペンタン酸
【0363】
【化64】
Figure 0003630326
【0364】
(3)で得たアリル=2−アセトキシ−5−[(4−メトキシベンジル)オキシ]−5−オキソペンタノアート(1.36 g, 3.88 mmol)、アニソール(1.50 g, 13.87 mmol)、及びトリフルオロ酢酸(3 ml)を、実施例1−(11)と同様な方法で反応させ処理することにより、標記化合物1.04 g(収率定量的)を得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :2.15 (3H, s), 2.18 (1H, ddd, J=16, 8, 1 Hz), 2.23−2.30 (1H, m), 2.45−2.59 (2H, m), 4.65 (2H, dt, J=6, 1 Hz), 5.09 (1H, dd, J=8, 5 Hz), 5.27 (1H, dt, J=17, 1 Hz), 5.35 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 5.91 (1H, ddt, J=17, 10, 6 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1746, 1714, 1375, 1276, 1248, 1184, 1077
マススペクトル m/z (FAB):231 (M+1)。
(5)アリル=2−アセトキシ−5−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−5−オキソペンタノアート
【0365】
【化65】
Figure 0003630326
【0366】
(4)で得た4−アセトキシ−5−アリルオキシ−5−オキソペンタン酸(345.3 mg, 1.50 mmol)及び塩化オキサリル(209.4 mg, 1.65 mmol)を、実施例1−(12)と同様な方法で反応させ処理することにより、粗製の4−アセトキシ−5−アリルオキシ−5−オキソ−ペンタノイル=クロリドを得た。
【0367】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(542.6 mg, 1.00 mmol)、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;96.0 mg, 2.20 mmol)、及び、上で得た粗製の4−アセトキシ−5−アリルオキシ−5−オキソ−ペンタノイル=クロリドを、テトラヒドロフラン(7 ml)中、実施例1−(12)と同様な方法で反応させ処理することにより、抽出後、標記化合物の粗製品を油状物として得た。それを、シリカゲル50 gを用いるカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物と原料4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリルの混合物 567.4 mg(標記化合物含量 283 mg相当)を得た。
(6)ソジウム=2−アセトキシ−5−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−5−オキソペンタノアート(標記目的化合物)
(5)で得たアリル=2−アセトキシ−5−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−5−オキソペンタノアートと4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリルの混合物(全量)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(12.9 mg, 0.018 mmol)、及び水素化トリブチルスズ(116.4 mg, 0.40 mmol)を、実施例1−(13)と同様な方法で反応させ処理することにより、標記目的化合物の粗製品を油状物として得た。これをCosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;20 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(4:6〜3:7)混合溶媒で溶出した。得られたフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、標記目的化合物86.0 mg((5)よりの通算収率12%)を無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm :1.31 (3H, dd, J=7, 1 Hz), 2.11 (3H, s), 2.04−2.27 (2H, m), 2.45−2.62 (2H, m), 3.01 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.52 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 3.82 ((1/2)H, q, J=7 Hz), 3.84 ((1/2)H, q, J=7 Hz), 4.11−4.21 (2H, m), 4.86−4.91 (1H, m), 5.04 (1H, d, J=4 Hz), 5.41 (1H, d, J=15 Hz), 5.46 (1H, dd, J=15, 2 Hz), 5.87 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.59 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.79(1H, d, J=15 Hz), 6.97−7.05 (2H, m), 7.09 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 7.50−7.55 (3H, m), 7.78(1H, t, J=8 Hz), 7.98 ((1/2)H, s), 7.99 ((1/2)H, s), 8.31 ((1/2)H, s), 8.33 ((1/2)H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3436, 2231, 1734, 1615, 1417, 1385, 1257, 1142, 1051
マススペクトル m/z (FAB):737 (M+1)。
【0368】
【実施例3】
ソジウム=[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル]=トランス−2−(アセトキシメチル)−1,1−シクロプロパンジカルボキシラート(例示番号6−2のナトリウム塩)
【0369】
【化66】
Figure 0003630326
【0370】
(1)アリル=4−メトキシベンジル=シス−2−(アセトキシメチル)−1,1−シクロプロパンジカルボキシラート
【0371】
【化67】
Figure 0003630326
【0372】
アリル=2−オキソ−3−オキサビシクロ[3.1.0]へキサン−1−カルボキシラート(J. Org. Chem.,54巻,5684頁(1989年)に記載;644.2 mg, 3.54 mmol)をアリルアルコールに溶かし、水酸化カリウム(178.6 mg, 3.18 mmol)を加え、混合物を室温で20分間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、真空ポンプで乾燥して非晶質の固体を得た。これをN,N−ジメチルホルムアミド(3 ml)に溶解し、4−メトキシベンジル=クロリド(664.0 mg, 4.11 mmol)を加え、混合物を80℃で20分間撹拌した。混合物を冷却後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧下留去し油状の残留物を得た。これをジクロロメタン(10 ml)に溶かし、0℃にて、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(432.0 mg, 3.54 mmol)と塩化アセチル(277.6 mg, 3.54 mmol)を加えた。混合物を同温で1時間撹拌後、水を加えて反応を停止し、生成物をジクロロメタンで抽出した。抽出液を減圧下濃縮して油状の残留物を得た。これを、シリカゲル35 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:4〜1:2)混合溶媒で溶出して、標記化合物521.9 mg(収率41%)を無色油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.48 (1H, dd, J=9, 5 Hz), 1.57 (1H, dd, J=8, 5 Hz), 1.95 (3H, s), 2.25−2.32 (1H, m), 3.81 (3H, s), 3.93 (1H, dd, J=12, 8 Hz), 4.19 (1H, dd, J=12, 6 Hz), 4.55−4.66 (2H, m), 5.11 (1H, d, J=12 Hz), 5.15 (1H, d, J=12 Hz), 5.21 (1H, d, J=11 Hz), 5.29 (1H, dt, J=17, 1 Hz), 5.83 (1H, ddt, J=17, 11, 5 Hz), 6.88 (2H, d, J=8 Hz), 7.30 (2H, d, J=8 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1730, 1516, 1321, 1255, 1132, 1035, 909マススペクトル m/z (FAB):363 (M+1)。
(2)アリル=ヒドロゲン=トランス−2−(アセトキシメチル)−1,1−シクロプロパンジカルボキシラート
【0373】
【化68】
Figure 0003630326
【0374】
(1)で得たアリル=4−メトキシベンジル=シス‐2−(アセトキシメチル)−1,1−シクロプロパンジカルボキシラート(521.9 mg, 1.44 mmol)、アニソール(600 mg, 5.55 mmol)、及びトリフルオロ酢酸(3 ml)を、実施例1−(11)と同様な方法で反応させ処理することにより、標記化合物340.1 mg(収率97%)を得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.99 (1H, dd, J=9, 4 Hz), 2.02 (1H,dd, J=9, 5 Hz), 2.05 (3H, s), 2.40−2.48 (1H, m), 4.17 (1H, dd, J=12, 9 Hz), 4.58 (1H, dd, J=12, 5 Hz), 4.64−4.75 (2H, m), 5.34 (1H, d, J=10 Hz), 5.35 (1H, d, J=17 Hz), 5.88 (1H, ddt, J=17, 10, 5 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1758, 1679, 1410, 1373, 1153, 1036
マススペクトル m/z (FAB):243 (M+1)。
(3)アリル=(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=シス−2−(アセトキシメチル)−1,1−シクロプロパンジカルボキシラート
【0375】
【化69】
Figure 0003630326
【0376】
(2)で得たアリル=ヒドロゲン=トランス−2−(アセトキシメチル)−1,1−シクロプロパンジカルボキシラート(333.8 mg, 1.38 mmol)及び塩化オキサリル(159.5 mg, 1.26 mmol)を、実施例1−(12)と同様な方法で反応させ処理することにより、粗製のシス−2−(アセトキシメチル)−1−[(アリルオキシ)カルボニル]シクロプロパンカルボニル=クロリドを得た。
【0377】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(547.0 mg, 1.01 mmol)、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;57.2 mg, 1.31 mmol)、及び、上で得た粗製のシス−2−(アセトキシメチル)−1−[(アリルオキシ)カルボニル]シクロプロパンカルボニル=クロリド(全量)を、テトラヒドロフラン(5 ml)中、実施例1−(12)と同様な方法で反応させ処理することにより、抽出後、標記化合物の粗製品を油状物として得た。それを、シリカゲル50 gを用いるカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物と原料4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリルの混合物669.3 mg(標記化合物含量 270.5 mg相当)を得た。
(4)ソジウム=[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル]=トランス−2−(アセトキシメチル)−1,1−シクロプロパンジカルボキシラート(標記目的化合物)
(3)で得たアリル=(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=シス−2−(アセトキシメチル)−1,1−シクロプロパンジカルボキシラートと4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリルの混合物(全量)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(12.4 mg, 0.018 mmol)、及び水素化トリブチルスズ(112.9 mg, 0.39 mmol)を、実施例1−(13)と同様な方法で反応させ処理することにより、標記目的化合物の粗製品を油状物として得た。これをCosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;50 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(1:1〜3:7)混合溶媒で溶出した。得られたフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、標記目的物100.1 mg(収率38%)を無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm :1.06 ((1/2)H, dd, J=6, 4 Hz), 1.27−1.31 ((1/2)H, overlapped), 1.29 ((3/2)H, dd, J=7, 2 Hz), 1.32 ((3/2)H, J=7, 1 Hz), 1.43 ((1/2)H, dd, J=9, 4 Hz), 1.44 ((1/2)H, dd, J=9, 4 Hz), 1.86−1.94 ((1/2)H, m), 1.97−2.04 ((1/2)H, m), 2.03 ((3/2)H, s), 2.05 ((3/2)H, s), 2.99 ((1/2)H, tt, J=11, 5 Hz), 3.09 ((1/2)H, tt, J=11, 5 Hz), 3.51 ((1/2)H, t, J=11 Hz), 3.53 ((1/2)H, t, J=11 Hz), 3.54 ((1/2)H, t, J=11 Hz), 3.55 ((1/2)H, t, J=11 Hz), 3.68 ((1/2)H, q, J=7 Hz), 3.73 ((1/2)H, q, J=7 Hz), 4.04−4.30 (4H, m), 5.02 ((1/2)H, d, J=5 Hz), 5.04 ((1/2)H, d, J=5 Hz), 5.35 ((1/2)H, d, J=15 Hz), 5.41 ((1/2)H, d, J=15 Hz), 5.48 ((1/2)H, dd, J=15, 2 Hz), 5.53 ((1/2)H, d, J=15 Hz), 5.87 (1H, dd, J=15, 5 Hz), 6.59 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.76 (1H, d, J=16 Hz), 6.90−7.02 (2H, m), 7.09 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 7.49−7.54 (2H, m), 7.78 (1H, t, J=8 Hz), 7.86 ((1/2)H, s), 7.93 ((1/2)H, dt, J=9, 7 Hz), 7.97 ((1/2)H, s), 8.39 ((1/2)H, dt, J=9, 7 Hz), 8.58 ((1/2)H, s), 8.68 ((1/2)H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3430, 2231, 1733, 1612, 1504, 1370, 1243, 1140, 1051, 972
マススペクトル m/z (FAB):749 (M+1)。
【0378】
【実施例4】
ジソジウム=5−シアノ−2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]ベンジル=ホスファート(例示番号5−17の二ナトリウム塩)
【0379】
【化70】
Figure 0003630326
【0380】
(1)2,4−ビス(アセトキシメチル)安息香酸メチル
2,4−ビス(ブロモメチル)安息香酸メチル(Chem.Ber., 127巻, 2081頁(1994年)に記載;13.3 g, 41.3 mmol)及び酢酸ナトリウム(16.4 g, 200 mmol)を、実施例1−(5)と同様な方法で反応させ処理することにより、抽出後、標記化合物の粗製品を得た。これを、シリカゲル200 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(3:17〜3:5)混合溶媒で溶出して標記化合物6.35 g(収率55%)を、油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :2.14 (3H, s), 2.16 (3H, s), 3.91 (3H, s), 5.15 (2H, s), 5.52 (2H, s), 7.37 (1H, d, J=8 Hz), 7.46 (1H, s), 7.99 (1H, d, J=8 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1737, 1255, 1056
マススペクトル m/z (FAB):281 (M+1)。
(2)5−(ヒドロキシメチル)−1(3H)−イソベンゾフラノン
【0381】
【化71】
Figure 0003630326
【0382】
(1)で得た2,4−ビス(アセトキシメチル)安息香酸メチル(6.35 g, 22.7 mmol)と炭酸カリウム(373.2 mg, 2.7 mmol)を、実施例1−(6)と同様な方法で反応させ処理することにより、抽出後、標記化合物の粗製品を得た。これを、シリカゲル200 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ジクロロメタン(0:1〜1:10)混合溶媒で溶出して標記化合物2.94 g(収率79%)を融点126 ℃を有する無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :4.87 (2H, s), 5.33 (2H, s), 7.51 (1H, d, J=8 Hz), 7.55 (1H, s), 7.92 (1H, d, J=8 Hz)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3422, 1738, 1138, 1076, 768
マススペクトル m/z (EI):164 (M)。
(3)1−オキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルバルデヒド
(2)で得た5−(ヒドロキシメチル)−1(3H)−イソベンゾフラノン(2.94 g, 17.9 mmol)をテトラヒドロフラン(100 ml)に溶かし、活性二酸化マンガン(31 g)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌後、活性二酸化マンガン(3 g)を追加した。更に30分間撹拌後、混合物をろ過した。固体をテトラヒドロフランで洗浄し、有機層を合わせて減圧下濃縮し、固体の残留物を得た。これを、シリカゲル150 gを用いるカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ジクロロメタン(0:1〜1:10)混合溶媒で溶出した。減圧下濃縮して得た固体を、酢酸エチル−ヘキサン(1:2)混合溶媒で洗浄し、標記化合物2.01 g(収率69%)を融点160 ℃を有する固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :5.43 (2H, s), 8.03 (1H, s), 8.06 (1H, d, J=8 Hz), 8.11 (1H, d, J=8 Hz), 10.18 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 1758, 1699, 1355, 1323, 1049, 993
マススペクトル m/z (EI):162 (M)。
(4)1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−5−カルボニトリル
(3)で得た1−オキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルバルデヒド(2.01 g, 12.4 mmol)をテトラヒドロフラン(50 ml)に懸濁させ、0℃に冷却し、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.04 g, 14.9 mmol)の水酸化ナトリウム水溶液(1.0 N; 14.8 ml, 14.8 mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した後、減圧下、溶媒量が3分の1程度になるまで濃縮した。これに水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、減圧下溶媒を留去し、粗製の1−オキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルバルデヒド=オキシムを固体で得た。これをテトラヒドロフラン(50 ml)に溶解し、0℃に冷却してトリエチルアミン(3.04 g, 30 mmol)及び無水トリフルオロ酢酸(3.13 g, 14.9 mmol)を加えた。混合物を同温で30分間撹拌後室温に昇温し更に30分間撹拌した。混合物を再び0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、減圧下濃縮して固体の残留物を得た。これをシリカゲル150 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ジクロロメタン(0:1〜1:10)混合溶媒で溶出して、標記化合物1.57 g(収率79%)を融点200−201 ℃を有する固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :5.40 (2H, s), 7.84 (1H, s), 7.85 (1H, d, J=9 Hz), 8.12 (1H, d, J=9 Hz)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 1760, 1055, 1003, 681
マススペクトル m/z (EI):159 (M)。
(5)4−メトキシベンジル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−4−シアノベンゾアート
【0383】
【化72】
Figure 0003630326
【0384】
(4)で得た1−オキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニトリル(1.56 g, 9.78 mmol)をテトラヒドロフラン(15 ml)に懸濁させ、水酸化ナトリウム水溶液(1.008 N; 9.70ml, 9.78 mmol)を加えた。混合物を室温で15分間撹拌後、溶媒を減圧下留去し、残留物を真空ポンプで乾燥して非晶質の固体を得た。これをN,N−ジメチルホルムアミド(30 ml)に溶解し、4−メトキシベンジル=クロリド(1.53 g, 9.78 mmol)を加え、混合物を80℃で5分間撹拌した。混合物を0℃に冷却後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、溶媒を減圧下留去して油状の残留物を得た。これを、ジクロロメタン(50ml)に溶解し、0℃にてテトラゾール(1.40 g, 20 mmol)とビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(Tetrahedron Lett., 30巻, 4219頁(1989年);3.43 g, 14 mmol)を加え、混合物を同温で5分間撹拌した。混合物を室温に昇温し20分間撹拌した後、メタノール(0.5 ml)を加えた。混合物10分間撹拌した後0℃に冷却し、tert−ブチルヒドロペルオキシド(80%ジ−tert−ブチルペルオキシド溶液;メルク製;2.7 g, 24 mmol)を加え、混合物を室温に昇温し、20分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、混合物を10分間撹拌した後、酢酸エチルと水に分配した。有機層を合わせ、溶媒を減圧下留去して得られた残留物を、シリカゲル120gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:3)混合溶媒で溶出し、固体と油状物質の混合物を得た。これを酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒で洗浄し、洗液を濃縮して残留物を得た。この残留物を、シリカゲル50gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:3)混合溶媒で溶出し、標記化合物1.18 g(収率26%)を無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :3.82 (3H, s), 4.58−4.62 (4H, m), 5.29 (2H, dd, J=10, 1 Hz), 5.29 (2H, s), 5.39 (2H, dd, J=17, 1 Hz), 5.53 (2H, d, J=7 Hz), 5.96 (2H, ddt, J=17, 10, 5 Hz), 6.92 (2H, d, J=9 Hz), 7.37 (2H, d, J=9 Hz), 7.65 (1H, dd, J=8, 2 Hz), 8.00 (1H, br s), 8.09 (1H, d, J=8 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2237, 1721, 1613, 1516, 1266, 1031, 990マススペクトル m/z (FAB):458 (M+1)。
(6)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−4−シアノベンゾアート
【0385】
【化73】
Figure 0003630326
【0386】
(5)で得た4−メトキシベンジル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−4−シアノベンゾアート(949.1 mg, 2.07 mmol)とアニソール(1.0 g, 9.2 mmol)の混合物を0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(5 ml)を加えた。室温に昇温し15分間放置した後、混合物をトルエンで薄め、減圧下で濃縮して揮発性成分を除いた(合計3回)。ヘキサンを加え、上澄み液を除いて、粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−4−シアノ安息香酸を得た。これをジクロロメタン(20 ml)に溶かし、0℃に冷却し塩化オキサリル(1.27 g, 10 mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(15 μl)を加えた。混合物を室温に昇温し30分間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残留物をトルエンで薄め、減圧下で濃縮して揮発性成分を除き(合計3回)、粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−4−シアノベンゾイル=クロリドを得た。
【0387】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(759.6 mg, 1.40 mmol)、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;73.3 mg, 1.68 mmol)、及び、上で得た粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−4−シアノ−ベンゾイル=クロリドを、テトラヒドロフラン(8 ml)中、実施例1−(12)と同様な方法で反応させ処理することにより、抽出後、標記化合物の粗製品を油状物として得た。それを、シリカゲル60 gを用いるカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:1〜5:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物656.9 mg(収率54%)を、薄黄色アモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.43 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.01 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.48 (1H, t, J=11 Hz), 3.52 (1H, t, J=11 Hz), 4.01 (1H, q, J=7 Hz), 4.09 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.17 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.56−4.62 (4H, m), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.29 (2H, d, J=11 Hz), 5.38 (2H, dd, J=17, 1 Hz), 5.45−5.50 (4H, m), 5.83 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.95 (2H, ddt, J=17, 11, 5 Hz), 6.56 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.75 (1H, d, J=16 Hz), 6.93−6.96 (2H, m), 6.94 (1H, dd, J=16, 10 Hz), 7.33−7.39 (2H, m), 7.40 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.58 (1H, t, J=8 Hz), 7.69 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.82 (1H, d, J=8 Hz), 7.87 (1H, s), 7.91 (1H, s), 8.03 (1H, s)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2235, 1729, 1616, 1504, 1277, 1141, 1028, 991
マススペクトル m/z (FAB):862 (M+1)。
(7)ジソジウム=5−シアノ−2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]ベンジル=ホスファート(標記目的化合物)
(6)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−4−シアノベンゾアート(643.1 mg, 0.75 mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(26.2 mg, 0.037 mmol)、及び水素化トリブチルスズ(534 mg, 1.83 mmol)を、実施例1−(13)と同様な方法で反応させ処理することにより、標記目的化合物の粗製品を油状物として得た。これをCosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;25 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(4:6〜3:7)混合溶媒で溶出した。得られたフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、標記目的化合物488.3 mg(収率79%)を無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm :1.40 (3H, dd, J=7, 1 Hz), 3.02 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.45 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 4.00 (1H, q, J=7 Hz), 4.02 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.16 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 5.01 (1H, d, J=4 Hz), 5.21 (1H, dd, J=17, 5 Hz), 5.36 (1H, dd, J=17, 6 Hz), 5.55 (2H, s), 5.86 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.57 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.80 (1H, d, J=15 Hz), 7.02−7.08 (2H, m), 7.10 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 7.49−7.58 (3H, m), 7.66 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.80 (1H, t, J=8 Hz), 7.83 (1H, d, J=8 Hz), 7.96 (1H, s), 8.37 (1H, s), 8.50 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3422, 2232, 1731, 1615, 1503, 1276, 1257, 1140, 1053, 977
マススペクトル m/z (FAB):826 (M+1)
比旋光度[α] 25 +31.7°(c=0.97, MeOH)。
【0388】
【実施例5】
ジソジウム=4−シアノ−2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]ベンジル=ホスファート(例示番号5−16の二ナトリウム塩)
【0389】
【化74】
Figure 0003630326
【0390】
(1)1−オキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−6−カルバルデヒド
【0391】
【化75】
Figure 0003630326
【0392】
実施例1−(4)又は1−(6)で得た6−(ヒドロキシメチル)−1(3H)−イソベンゾフラノン(3.25 g, 20.8 mmol)及び活性二酸化マンガン(33 g)を、実施例4−(3)と同様な方法で反応させ処理することにより、標記目的化合物の粗製品を固体として得た。これを、シリカゲル40 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチルで溶出して、標記化合物2.45 g(収率76%)を、融点134℃を有する固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :5.42 (2H, s), 7.69 (1H, d, J=8 Hz), 8.25 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 8.42 (1H, s), 10.14 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 1764, 1707, 1154, 1120, 1000, 770
マススペクトル m/z (EI):162 (M)。
(2)1−オキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−6−カルボニトリル
(1)で得た1−オキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−6−カルバルデヒド(2.42 g, 14.9 mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.35 g, 19.4 mmol)、及び水酸化ナトリウム水溶液(1.0 N; 19.3 ml, 19.3 mmol)を、実施例4−(4)と同様な方法で反応させ処理することにより、粗製の1−オキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−6−カルバルデヒド=オキシムを固体で得た。この粗製物とトリエチルアミン(3.92 g, 39 mmol)及び無水トリフルオロ酢酸(4.08 g, 19.4 mmol)を実施例4−(4)と同様な方法で反応させ処理することにより、抽出、濃縮して固体の残留物を得た。これを、シリカゲル50 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ジクロロメタン(0:1〜1:10)混合溶媒で溶出し、標記化合物1.67 g(収率70%)を、融点195−196℃を有する固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :5.42 (2H, s), 7.67 (1H, d, J=8 Hz), 7.97 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 8.24 (1H, br s)IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2238, 1765, 1464, 1134, 1056, 1006, 771
マススペクトル m/z (EI):159 (M)。
(3)4−メトキシベンジル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−シアノベンゾアート
(2)で得た1−オキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−6−カルボニトリル(1.66 g, 10.5 mmol)を、実施例4−(5)と同様な方法で、水酸化ナトリウム水溶液(1.008 N; 10.38 ml, 10.46 mmol)、4−メトキシベンジル=クロリド(1.64 g, 10.5 mmol)、テトラゾール(1.47 g, 20.9 mmol)、ビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(Tetrahedron Lett., 30巻, 4219頁(1989年);3.68 g, 15 mmol)、及びtert−ブチルヒドロペルオキシド(80%ジ−tert−ブチルペルオキシド溶液;メルク製;2.7 g;24 mmol)と反応させ処理することにより、抽出して固体(原料)と油状物質の混合物である残留物を得た。これを酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒で洗浄し、洗液を濃縮して残留物を得た。これを、シリカゲル40gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒(1:1〜3:2)で溶出し、固体と油状物質の混合物を得た。これを更に、酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒で洗浄し、洗液を濃縮して残留物を得た。これを更に、シリカゲル40gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:3)混合溶媒で溶出し、標記化合物737.9 mg(収率15%)を無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :3.83 (3H, s), 4.57−4.61 (4H, m), 5.27 (2H, dd, J=11, 1 Hz), 5.29 (2H, s), 5.37 (2H, dd, J=17, 1 Hz), 5.58 (2H, d, J=7 Hz), 5.94 (2H, ddt, J=17, 11, 5 Hz), 6.94 (2H, d, J=9 Hz), 7.38 (2H, d, J=9 Hz), 7.83 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.87 (1H, d, J=8 Hz), 8.30 (1H, d, J=1 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2236, 1722, 1516, 1255, 1175, 1031
マススペクトル m/z (FAB):458 (M+1)。
(4)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−シアノベンゾアート
【0393】
【化76】
Figure 0003630326
【0394】
(3)で得た4−メトキシベンジル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−シアノベンゾアート(737 mg, 1.61 mmol)、アニソール(1.0 g, 9.2 mmol)、及びトリフルオロ酢酸(5 ml)を実施例4−(6)と同様な方法で反応させ処理することにより、粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−シアノ安息香酸を得た。これと塩化オキサリル(1.27 g, 10 mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(15 μl)を実施例4−(6)と同様な方法で反応させ処理することにより、粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−シアノベンゾイル=クロリドを得た。
【0395】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(651.1 mg, 1.20 mmol)、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;62.8 mg, 1.44 mmol)、及び、上で得た粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−シアノベンゾイル=クロリドを、テトラヒドロフラン(8 ml)中、実施例1−(12)と同様な方法で反応させ処理することにより、抽出後、標記化合物の粗製品を油状物として得た。それを、シリカゲル60 gを用いるカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:1〜3:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物237.5 mg(収率23%)を、薄黄色アモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.45 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.02 (1H, tt, J=12, 5 Hz), 3.54 (1H, t, J=12 Hz), 3.55 (1H, t, J=12 Hz), 4.00 (1H, q, J=7 Hz), 4.14−4.19 (2H, m), 4.58−4.61 (4H, m), 5.01 (1H, d, J=4 Hz), 5.26 (2H, dd, J=10, 1 Hz), 5.36 (2H, d, J=17 Hz), 5.47 (2H, s), 5.52 (2H, d, J=7 Hz), 5.87 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.94 (2H, ddt, J=17, 10, 6 Hz), 6.58 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=16 Hz), 6.90−7.00 (3H, m), 7.31−7.37 (2H, m), 7.40 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.88−7.92 (4H, m), 8.18 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2232, 1731, 1615, 1504, 1276, 1142, 1027マススペクトル m/z (FAB):862 (M+1)。
(5)ジソジウム=4−シアノ−2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]ベンジル=ホスファート(標記目的化合物)
(4)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−シアノベンゾアート(230.5 mg, 0.27 mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(9.4 mg, 0.013 mmol)、及び水素化トリブチルスズ(155.4 mg, 0.53 mmol)を、実施例1−(13)と同様な方法で反応させ処理することにより、標記目的化合物の粗製品を油状物として得た。これをCosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;25 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(4:6〜3:7)混合溶媒で溶出した。得られたフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、標記目的化合物86.0 mg(収率39%)を無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm :1.41 (3H, dd, J=7, 1 Hz), 3.04 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.48 (1H, t, J=11 Hz), 3.54 (1H, t, J=11 Hz), 4.01 (1H, q, J=7 Hz), 4.05 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.18 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 5.01 (1H, d, J=4 Hz), 5.25 (1H, dd, J=18, 6 Hz), 5.39 (1H, dd, J=18, 5 Hz), 5.52 (1H, dd, J=15, 3 Hz), 5.58 (1H, d, J=15 Hz), 5.90 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.58 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.79 (1H, d, J=16 Hz), 7.02−7.12 (3H, m), 7.50−7.54 (3H, m), 7.78 (1H, t, J=8 Hz), 7.93 (1H, dd, J=8, 2 Hz), 8.01 (2H, s), 8,31 (1H, d, J=8 Hz), 8.40 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3423, 2232, 1729, 1615, 1504, 1141, 1054, 976
マススペクトル m/z (FAB):826 (M+1)
比旋光度[α] 25 +31.2°(c=0.73, MeOH)。
【0396】
【実施例6】
ジソジウム=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−6−フルオロベンジル=ホスファート(例示番号5−22の二ナトリウム塩)
【0397】
【化77】
Figure 0003630326
【0398】
(1)4−メトキシベンジル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−フルオロベンゾアート
4−フルオロ−1(3H)−イソベンゾフラノン(Tetrahedron, 54巻, 7485頁(1998年)に記載;1.52 g, 10 mmol)を、実施例4−(5)と同様な方法で、水酸化ナトリウム水溶液(1.008 N; 10 ml, 10 mmol)、4−メトキシベンジル=クロリド(1.57 g, 10 mmol)、テトラゾール(1.40 g, 20 mmol)、ビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(Tetrahedron Lett., 30巻, 4219頁(1989年)に記載;3.43 g, 14 mmol)、及びtert−ブチルヒドロペルオキシド(80%ジ−tert−ブチルペルオキシド溶液;メルク製;2.7 g, 24 mmol)と反応させ処理することにより、抽出して油状の残留物を得た。これを、シリカゲル100gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:3)混合溶媒で溶出し、油状物質の混合物を得た。これを更に、シリカゲル50gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:2)混合溶媒で溶出し、標記化合物1.40 g(収率31%)を無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :3.82 (3H, s), 4.49−4.53 (4H, m), 5.22 (2H, d, J=10, 1 Hz), 5.31 (2H, s), 5.33 (2H, d, J=17, 1 Hz), 5.52 (2H, dd, J=7, 1 Hz), 5.91 (2H, ddt, J=17, 10, 5 Hz), 6.91 (2H, d, J=8 Hz), 7.25 (1H, dt, J=1,8 Hz), 7.37−7.42 (1H, m), 7.39 (2H, d, J=8 Hz), 7.72 (1H, d, J=8 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1724, 1516, 1462, 1272, 1171, 1029
マススペクトル m/z (FAB): 451 (M+1)。
(2)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−フルオロベンゾアート
【0399】
【化78】
Figure 0003630326
【0400】
(1)で得た4−メトキシベンジル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−フルオロベンゾアート(1.40 g, 3.12 mmol)を、実施例4−(6)と同様な方法で、アニソール(1.4 g, 12.9 mmol)及びトリフルオロ酢酸(5 ml)と反応させ処理することにより、粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−フルオロ安息香酸を得た。これと塩化オキサリル(1.98 g, 15.6 mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(15 μl)を実施例4−(6)と同様な方法で反応させ処理することにより、粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−フルオロベンゾイル=クロリドを得た。
【0401】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(1.09 g, 2.0 mmol)、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;104.7 mg, 2.4 mmol)、及び、上で得た粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−フルオロベンゾイル=クロリドを、テトラヒドロフラン(10 ml)中、実施例1−(12)と同様な方法で反応させ処理することにより、抽出後、標記化合物の粗製品を油状物として得た。それを、シリカゲル75 gを用いるカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:1〜3:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物876.0 mg(収率51%)を、薄黄色のアモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.44 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.03 (1H, tt, J=12, 5 Hz), 3.46 (1H, t, J=12 Hz), 3.51 (1H, t, J=12 Hz), 3.99 (1H, q, J=7 Hz), 4.09 (1H, ddd, J=12, 5, 2 Hz), 4.18 (1H, ddd, J=12, 5, 2 Hz), 4.44−4.56 (4H, m), 4.97 (1H, d, J=4 Hz), 5.21 (2H, d, J=10 Hz), 5.31 (2H, d, J=17 Hz), 5.43−5.54 (4H, m), 5.83 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.89 (2H, ddt, J=17, 10, 5 Hz), 6.55 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=15 Hz), 6.87−6.93 (3H, m), 7.29−7.35 (2H, m), 7.39−7.49 (4H, m), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.93 (1H, s), 8.00 (1H, s)IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2233, 1732, 1504, 1462, 1276, 1141, 1023, 991。
マススペクトル m/z (FAB): 855 (M+1)。
(3)ジソジウム=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−6−フルオロベンジル=ホスファート(標記目的化合物)
(2)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−フルオロベンゾアート(860 mg, 1.0 mmol)を、実施例1−(13)と同様な方法で、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(35.1 mg, 0.05 mmol)及び水素化トリブチルスズ(786.2 mg, 2.70 mmol)と反応させ処理することにより、標記目的化合物の粗製品を油状物として得た。これをCosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;40 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(4:6〜3:7)混合溶媒で溶出した。得られたフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、標記目的化合物614.2 mg(収率75%)を無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm :1.43 (3H, dd, J=7, 1 Hz), 2.98 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.48 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 4.03 (1H, q, J=7 Hz), 4.05 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.14 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 5.00 (1H, d ,J=4 Hz), 5.25 (1H, dd, J=12, 5 Hz), 5.32 (1H, ddd, J=12, 5, 2 Hz), 5.52 (1H, dd, J=15, 3 Hz), 5.69 (1H, d, J=15 Hz), 5.84 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.56 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.78 (1H, d, J=15 Hz), 7.00−7.13 (2H, m), 7.09 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 7.34 (1H, t, J=9 Hz), 7.42 (1H, td, J=8, 5 Hz), 7.49−7.54 (2H, m), 7.62−7.70 (2H, m), 7.78 (1H, t, J=8 Hz), 7.96 (1H, s), 8.70(1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2230, 1731, 1614, 1504, 1275, 1142, 1048, 975
マススペクトル m/z (FAB): 819 (M+1)
比旋光度[α] 25 +5.4° (c=0.91, MeOH)。
【0402】
【実施例7】
ジソジウム=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−5−フルオロベンジル=ホスファート(例示番号5−21の二ナトリウム塩)
【0403】
【化79】
Figure 0003630326
【0404】
(1)4−メトキシベンジル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−4−フルオロベンゾアート
5−フルオロ−1(3H)−イソベンゾフラノン(Tetrahedron, 44巻, 4591頁(1988年)に記載;1.52 g, 10 mmol)を、実施例4−(5)と同様な方法で、水酸化ナトリウム水溶液(1.008 N; 10 ml, 10 mmol)、4−メトキシベンジル=クロリド(1.57 g, 10 mmol)、テトラゾール(1.40 g, 20 mmol)、ビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(Tetrahedron Lett., 30巻, 4219頁(1989年)に記載;3.05 g, 12.4 mmol)、及びtert−ブチルヒドロペルオキシド(80%ジ−tert−ブチルペルオキシド溶液;メルク製;2.7 g,24 mmol)と反応させ処理することにより、抽出して油状の残留物を得た。これを、シリカゲル75gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:1〜3:1)混合溶媒で溶出し、油状物質の混合物を得た。これを更にシリカゲル50gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:4〜1:2)混合溶媒で溶出し、標記化合物2.07 g(収率46%)を無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :3.82 (3H, s), 4.58−4.61 (4H, m), 5.26 (2H, s), 5.26 (2H, dq, J=11, 1 Hz), 5.38 (2H, dq, J=17, 1 Hz), 5.54 (2H, d, J=7 Hz), 5.95 (2H, ddt, J=17, 11, 5 Hz), 6.91 (2H, d, J=9 Hz), 7.02 (1H, td, J=9.2 Hz), 7.37 (2H, d, J=9 Hz), 7.43 (1H, dd, J=10, 2 Hz), 8.06 (1H, dd, J=9, 6 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1714, 1613, 1590, 1516, 1261, 1120, 1031
マススペクトル m/z (FAB): 451 (M+1)。
(2)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−4−フルオロベンゾアート
【0405】
【化80】
Figure 0003630326
【0406】
(1)で得た4−メトキシベンジル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−4−フルオロベンゾアート(1.41 g, 3.12 mmol)を、実施例4−(6)と同様な方法で、アニソール(2 g, 18.5 mmol)及びトリフルオロ酢酸(5 ml)と反応させ処理することにより、粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−4−フルオロ安息香酸を得た。これと塩化オキサリル(1.98 g, 15.6 mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(15 μl)を実施例4−(6)と同様な方法で反応させ処理することにより、粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−4−フルオロベンゾイル=クロリドを得た。
【0407】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(1.09 g, 2.0 mmol)、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;104.7 mg, 2.4 mmol)、及び、上で得た粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−4−フルオロベンゾイル=クロリドを、テトラヒドロフラン(10 ml)中、実施例1−(12)と同様な方法で反応させ処理することにより、抽出後、標記化合物の粗製品を油状物として得た。それを、シリカゲル60 gを用いるカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:1〜3:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物948.1 mg(収率55%)を、薄黄色アモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.45 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.03 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.50 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 4.01 (1H, q, J=7 Hz), 4.10−4.20 (2H, m), 4.57−5.61 (4H, m), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.26 (2H, dt, J=10, 1 Hz), 5.37(2H, dt, J=17, 1 Hz) 5.41−5.52 (4H, m), 5.84 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.95 (2H, ddt, J=17, 10, 5 Hz), 6.57 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.74 (1H, d, J=15 Hz), 6.89−6.94 (2H, m), 6.94 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 7.06 (1H, td, J=8, 3 Hz), 7.26−7.41 (3H, m), 7.46 (1H, dd, J=10, 3 Hz), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.81 (1H, dd, J=8, 6 Hz), 7.89 (1H, s), 7.89 (1H, s)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2232, 1721, 1614, 1590, 1504, 1275, 1140, 1028
マススペクトル m/z (FAB): 855 (M+1)。
(3)ジソジウム=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−5−フルオロベンジル=ホスファート(標記目的化合物)
(2)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−4−フルオロベンゾアート(940 mg, 1.1 mmol)を、実施例1−(13)と同様な方法で、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(38.6 mg, 0.055 mmol)、及び水素化トリブチルスズ(640.1 mg, 2.20 mmol)と反応させ処理することにより、標記目的化合物の粗製品を油状物として得た。これを、Cosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;75 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(4:6〜3:7)混合溶媒で溶出した。得られたフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、標記目的化合物574.5 mg(収率64%)を無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm :1.41 (3H, dd, J=7, 1 Hz), 3.04 (1H, tt, J=11, 4 Hz), 3.48 (1H, t, J=11 Hz), 3.54 (1H, t, J=11 Hz), 4.05 (1H, q, J=7 Hz), 4.08 (1H, ddd, J=11, 4, 2 Hz), 4.17 (1H, ddd, J=11, 4, 2 Hz), 5.03 (1H, d, J=5 Hz), 5.20 (1H, dd, J=17, 5 Hz), 5.34 (1H, dd, J=17, 5 Hz), 5.50 (1H, dd, J=15, 3 Hz), 5.58 (1H, d, J=15 Hz), 5.87 (1H, dd, J=15, 5 Hz), 6.58 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.80 (1H, d, J=15 Hz), 6.98−7.05 (3H, m), 7.10 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 7.48−7.54 (3H, m), 7.77−7.81 (2H, m), 7.87 (1H, dd, J=10, 3 Hz), 7.96 (1H, s), 8.31 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2231, 1724, 1613, 1503, 1256, 1140, 1117, 1051, 977
マススペクトル m/z (FAB): 819 (M+1)
比旋光度[α] 25 +28.3°(c=0.86, MeOH)。
【0408】
【実施例8】
ジソジウム=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−4−フルオロベンジル=ホスファート(例示番号5−20の二ナトリウム塩)
【0409】
【化81】
Figure 0003630326
【0410】
(1)4−メトキシベンジル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−フルオロベンゾアート
6−フルオロ−1(3H)−イソベンゾフラノン(Tetrahedron, 44巻, 4591頁(1988年)に記載;1.52 g, 10 mmol)を、実施例4−(5)と同様な方法で、水酸化ナトリウム水溶液(1.008 N; 10 ml, 10 mmol)、4−メトキシベンジル=クロリド(1.57 g, 10 mmol)、テトラゾール(1.40 g, 20 mmol)、ビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(Tetrahedron Lett., 30巻, 4219頁(1989年)に記載;3.0 g, 12.2 mmol)、及びtert−ブチルヒドロペルオキシド(80%ジ−tert−ブチルペルオキシド溶液;メルク製;2.7 g,24 mmol)と反応させ処理することにより、抽出して油状の残留物を得た。これを、シリカゲル90gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:4〜1:2)混合溶媒で溶出し、油状の混合物を得た。これを更にシリカゲル50gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:4〜1:2)混合溶媒で溶出し、標記化合物1.22 g(収率27%)を無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :3.82 (3H, s), 4.53−4.58 (4H, m), 5.25 (2H, dq, J=10, 1 Hz), 5.28 (2H, s), 5.35 (2H, dq, J=17, 1 Hz), 5.49 (2H, d, J=7 Hz), 5.93 (2H, ddt, J=17, 10, 5 Hz), 6.92 (2H, d, J=8 Hz), 7.25 (1H, td, J=8, 3 Hz), 7.38 (2H, d, J=8 Hz), 7.66 (1H, dd, J=8, 5 Hz), 7.69 (1H, dd, J=9, 3 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1719, 1516, 1272, 1031, 989
マススペクトル m/z (FAB): 451 (M+1)。
(2)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−フルオロベンゾアート
【0411】
【化82】
Figure 0003630326
【0412】
(1)で得た4−メトキシベンジル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−フルオロベンゾアート(1.19 g, 2.64 mmol)を、実施例4−(6)と同様な方法で、アニソール(1.5 g, 13.9 mmol)及びトリフルオロ酢酸(5 ml)と反応させ処理することにより、粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−フルオロ安息香酸を得た。これと塩化オキサリル(1.68 g, 13.2 mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(15 μl)を実施例4−(6)と同様な方法で反応させ処理することにより、粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−フルオロベンゾイル=クロリドを得た。
【0413】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(955.7 mg, 1.76 mmol)、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;84.5 mg, 1.94 mmol)、及び、上で得た粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−フルオロベンゾイル=クロリドを、テトラヒドロフラン(10 ml)中、実施例1−(12)と同様な方法で反応させ処理することにより、抽出後、標記化合物の粗製品を油状物として得た。それを、シリカゲル75 gを用いるカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:1〜4:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物839.7 mg(収率56%)を、薄黄色アモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.45 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.03 (1H, tt, J=11, 4 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 4.00 (1H, q, J=7 Hz), 4.15−4.20 (2H, m), 4.54−4.58 (4H, m), 5.00 (1H, d, J=4 Hz), 5.24 (2H, dd, J=10, 1 Hz), 5.35 (2H, dd, J=18, 1 Hz), 5.40−5.49 (4H, m), 5.85 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.92 (2H, ddt, J=18, 10, 5 Hz), 6.58 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=16 Hz), 6.90−7.00 (3H, m), 7.29−7.38 (3H, m), 7.40 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.53−7.60 (2H, m), 7.69 (1H, dd, J=9, 6 Hz), 7.90 (1H, s), 7.93 (1H,s)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2233, 1728, 1615, 1504, 1276, 1139, 1025
マススペクトル m/z (FAB): 855 (M+1)。
(3)ジソジウム=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−4−フルオロベンジル=ホスファート(標記目的化合物)
(2)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−フルオロベンゾアート(805.1 mg, 0.94 mmol)を、実施例1−(13)と同様な方法で、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(19.8 mg, 0.028 mmol)、及び水素化トリブチルスズ(903.1 mg, 3.10 mmol)と反応させ処理することにより、標記目的化合物の粗製品を油状物として得た。これを、Cosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;40 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(4:6〜3:7)混合溶媒で溶出した。得られたフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、標記目的化合物103.1 mg(収率13%)を無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm :1.41 (3H, dd, J=7, 1 Hz), 3.02 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.49 (1H, t, J=11 Hz), 3.54 (1H, t, J=11 Hz), 4.04 (1H, q, J=7 Hz), 4.08 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.17 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 5.02 (1H, d, J=5 Hz), 5.18 (1H, dd, J=16, 6 Hz), 5.30 (1H, dd, J=16, 6 Hz), 5.51 (1H, dd, J=15, 3 Hz), 5.59 (1H, d, J=15 Hz), 5.86 (1H, dd, J=15, 5 Hz), 6.58 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.79 (1H, d, J=15 Hz), 7.03−7.13 (3H, m), 7.33 (1H, td, J=9, 3 Hz), 7.43 (1H, dd, J=10, 3 Hz), 7.49−7.58 (3H, m), 7.79 (1H, t, J=8 Hz), 7.99 (1H, s), 8.10 (1H, dd, J=9, 6 Hz), 8.36 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2231, 1727, 1614, 1503, 1275, 1199, 1140, 1052, 975
マススペクトル m/z (FAB): 819 (M+1)
比旋光度[α] 25 +22.8°(c=0.94, MeOH)。
【0414】
【実施例9】
ジソジウム=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−3−フルオロベンジル=ホスファート(例示番号5−19の二ナトリウム塩)
【0415】
【化83】
Figure 0003630326
【0416】
(1)4−メトキシベンジル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−6−フルオロベンゾアート
7−フルオロ−1(3H)−イソベンゾフラノン(Tetrahedron, 54巻, 7485頁(1998年)に記載;1.67 g, 11 mmol)を、実施例4−(5)と同様な方法で、水酸化ナトリウム水溶液(1.008 N; 10.9 ml, 11 mmol)、4−メトキシベンジル=クロリド(1.57 g, 10 mmol)、テトラゾール(1.40 g, 20 mmol)、ビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(Tetrahedron Lett., 30巻, 4219頁(1989年)に記載;3.1 g, 12.6 mmol)、及びtert−ブチルヒドロペルオキシド(80%ジ−tert−ブチルペルオキシド溶液;メルク製;2.7 g, 24 mmol)と反応させ処理することにより、抽出して油状の残留物を得た。得られた残留物を、シリカゲル100gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:3)混合溶媒で溶出し、固体と油状物質の混合物を得た。これを酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒で洗浄し、洗液を減圧下濃縮して残留物を得た。この残留物を、シリカゲル50gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒(1:4〜1:2)で溶出して、標記化合物1.08 g(収率24%)を無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :3.81 (3H, s), 4.49−4.54 (4H, m), 5.22−5.35 (6H, m), 5.33 (2H, dd, J=17, 1 Hz), 5.90 (2H, ddt, J=17, 11, 5 Hz), 6.91 (2H, d, J=9 Hz), 7.10 (1H, t, J=8 Hz), 7.32 (1H, d, J=8 Hz), 7.39 (2H, d, J=9 Hz), 7.43 (1H, td, J=8.6 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1727, 1614, 1516, 1465, 1268, 1114, 1034
マススペクトル m/z (FAB): 451 (M+1)。
(2)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−6−フルオロベンゾアート
【0417】
【化84】
Figure 0003630326
【0418】
(1)で得た4−メトキシベンジル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−6−フルオロベンゾアート(1.07 g, 2.39 mmol)を、実施例4−(6)と同様な方法で、アニソール(1.8 g, 16.6 mmol)及びトリフルオロ酢酸(5 ml)と反応させ処理することにより、粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−6−フルオロ安息香酸を得た。これと塩化オキサリル(1.52 g, 11.8 mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(15 μl)を実施例4−(6)と同様な方法で反応させ処理することにより、粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−6−フルオロベンゾイル=クロリドを得た。
【0419】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(864.1 mg, 1.59 mmol)、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;83.4 mg, 1.91 mmol)、及び、上で得た粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−6−フルオロベンゾイル=クロリドを、テトラヒドロフラン(8 ml)中、実施例1−(12)と同様な方法で反応させ処理することにより、抽出後、標記化合物の粗製品を油状物として得た。それを、シリカゲル75 gを用いるカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:1〜3:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物698.7 mg(収率51%)を、薄黄色アモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.43 (3H, dd, J=7, 1 Hz), 3.05 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.44 (1H, t, J=11 Hz), 3.51 (1H, t, J=11 Hz), 3.98 (1H, q, J=7 Hz), 4.08 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.18 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.53−4.59 (4H, m), 4.96 (1H, d, J=4 Hz), 5.24 (2H, dt, J=10, 1 Hz), 5.31−5.40 (4H, m), 5.44 (1H, d, J=15 Hz), 5.56 (1H, dd, J=15, 3 Hz), 5.83 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.93 (2H, ddt, J=16, 10, 6 Hz), 6.55 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=16 Hz), 6.88−6.98 (2H, m), 6.93 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 7.11 (1H, td, J=8, 1 Hz), 7.34 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.40 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.48−7.59 (4H, m), 7.88 (1H, s), 7.89 (1H, s)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2233, 1727, 1614, 1504, 1277, 1140, 1034
マススペクトル m/z (FAB): 855 (M+1)。
(3)ジソジウム=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−3−フルオロベンジル=ホスファート(標記目的化合物)
(2)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−6−フルオロベンゾアート(650 mg, 0.76 mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(16.0 mg, 0.023 mmol)、及び水素化トリブチルスズ(786.7 mg, 2.70 mmol)を、実施例1−(13)と同様な方法で反応させ処理することにより、標記目的化合物の粗製品を油状物として得た。これを、Cosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;40 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(4:6〜3:7)混合溶媒で溶出した。得られたフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、標記目的化合物440.5 mg(収率71%)を無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm :1.39 (3H, dd, J=7, 1 Hz), 3.06 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.25 (1H, t, J=11 Hz), 3.49 (1H, t, J=11 Hz), 3.94 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.10 (1H, q, J=7 Hz), 4.15 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.95 (1H, d, J=4 Hz), 5.03 (1H, dd, J=15, 5 Hz), 5.27 (1H, dd, J=15, 5 Hz), 5.52 (1H, dd, J=15, 3 Hz), 5.62 (1H, d, J=15 Hz), 5.83 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.54 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.79 (1H, d, J=16 Hz), 6.99−7.15 (4H, m), 7.50−7.58 (3H, m), 7.62 (1H, td, J=8, 6 Hz), 7.79 (1H, t, J=8 Hz), 7.88 (1H, d, J=8 Hz), 8.00 (1H, s), 8.33 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2231, 1724, 1614, 1504, 1278, 1257, 1140, 1113, 1055, 975
マススペクトル m/z (FAB): 819 (M+1)
比旋光度[α] 25 +56.4°(c=1.02, MeOH)。
【0420】
【実施例10】
ジソジウム=4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−4−オキソ−3,3−ジメチルブチル=ホスファート(例示番号4−18の二ナトリウム塩)
【0421】
【化85】
Figure 0003630326
【0422】
(1)4−メトキシベンジル=4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシ]−2,2−ジメチルブチラート
【0423】
【化86】
Figure 0003630326
【0424】
2,2−ジメチル−5−ペンタノリド(Tetrahedron, 22巻, 285頁(1966年)に記載;1.14 g, 10 mmol)を、実施例4−(5)と同様な方法で、水酸化ナトリウム水溶液(1.008 N; 10 ml, 10 mmol)、4−メトキシベンジル=クロリド(1.57 g, 10 mmol)、テトラゾール(1.40 g, 20 mmol)、ビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(Tetrahedron Lett., 30巻, 4219頁(1989年)に記載;3.1 g, 12.6 mmol)、及びtert−ブチルヒドロペルオキシド(80%ジ−tert−ブチルペルオキシド溶液;メルク製;3.6 g, 32 mmol)と反応させ処理することにより、抽出して油状の残留物を得た。得られた残留物を、シリカゲル60gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:2)混合溶媒で溶出し、油状物質の混合物を得た。これを、シリカゲル75gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:3〜3:1)混合溶媒で溶出し、無色の油状物質である標記化合物1.86 gと、不純な画分を得た。後者を更にシリカゲル20 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:2〜1:0)混合溶媒で溶出し、標記化合物0.52g(合計で2.38 g, 収率58%)を得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.22 (6H, s), 1.97 (2H, t, J=7 Hz), 3.81 (3H, s), 4.08 (2H, q, J=7 Hz), 4.50−4.53 (4H, m), 5.03 (2H, s), 5.24 (2H, dd, J=11, 1 Hz), 5.35 (2H, dq, J=17, 1 Hz), 5.92 (2H, ddt, J=17, 11, 5 Hz), 6.88 (2H, d, J=9 Hz), 7.27 (2H, d, J=9 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1723, 1516, 1255, 1148, 1029, 990
マススペクトル m/z (FAB): 413 (M+1)。
(2)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシ]−2,2−ジメチルブチラート
【0425】
【化87】
Figure 0003630326
【0426】
(1)で得た4−メトキシベンジル=4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシ]−2,2−ジメチルブチラート(1.24 g, 3.0 mmol)を、実施例4−(6)と同様な方法で、アニソール(1.8 g, 16.6 mmol)及びトリフルオロ酢酸(5 ml)と反応させ処理することにより、粗製の4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシ]−2,2−ジメチル酪酸を得た。これと塩化オキサリル(1.98 g, 15.6 mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(15 μl)を実施例4−(6)と同様な方法で反応させ処理することにより、粗製の4−[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシ−2,2−ジメチルブチリル=クロリドを得た。
【0427】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(1.09 g, 2.0 mmol)、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;104.7 mg, 2.4 mmol)、及び、4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシ]−2,2−ジメチルブチリル=クロリドを、テトラヒドロフラン(10 ml)中、実施例1−(12)と同様な方法で反応させ処理することにより、抽出後、標記化合物の粗製品を油状物として得た。それを、シリカゲル75 gを用いるカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:1〜3:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物238.8 mg(収率15%)を、薄黄色のアモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.17 (3H, s), 1.22 (3H, s), 1.38 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.01 (2H, t, J=7 Hz), 3.03 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.54 (2H, t, J=11 Hz), 4.04 (1H, q, J=7 Hz), 4.12−4.24 (4H, m), 4.51−4.56 (4H, m), 5.02 (1H, d, J=4 Hz), 5.26 (2H, d, J=10 Hz), 5.30−5.40 (4H, m), 5.86 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.94 (2H, ddt, J=17, 10, 5 Hz), 6.59 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.74 (1H, d, J=15 Hz), 6.86−6.97 (3H, m), 7.31−7.38 (2H, m), 7.40 (1H, dd, J=8, 2 Hz), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.87 (1H, s), 7.90 (1H, s)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2233, 1734, 1504, 1275, 1139, 1027, 991
マススペクトル m/z (FAB): 817 (M+1)。
(3)ジソジウム=4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−4−オキソ−3,3−ジメチルブチル=ホスファート(標記目的化合物)
(2)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシ]−2,2−ジメチルブチラート(230.7 mg, 0.28 mmol)を、実施例1−(13)と同様な方法で、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(6.0 mg, 0.0085 mmol)及び水素化トリブチルスズ(280.9 mg, 0.97 mmol)と反応させ処理することにより、標記目的化合物の粗製品を油状物として得た。これを、Cosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;50 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(4:6〜3:7)混合溶媒で溶出した。得られたフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、標記目的化合物84.0 mg(収率38%)を無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm :1.17 (3H, s), 1.22 (3H, s), 1.37 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 1.97 (2H, t, J=7 Hz), 3.00 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.55 (1H, t, J=11 Hz), 3.56 (1H, t, J=11 Hz), 3.92−3.98 (2H, m), 4.08 (1H, q, J=7 Hz), 4.14−4.19 (2H, m), 5.06 (1H, d, J=4 Hz), 5.44 (2H, s), 5.88 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.60 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.80 (1H, d, J=16 Hz), 7.01−7.08 (2H, m), 7.10 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 7.49−7.55 (3H, m), 7.79 (1H, t, J=8 Hz), 7.98 (1H, s), 8.25 (1H, s)
マススペクトル m/z (FAB): 781 (M+1)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2231, 1731, 1615, 1503, 1276, 1140, 1049, 974。
【0428】
【実施例11】
(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=4−ヒドロキシブチラート(例示番号4−1)
【0429】
【化88】
Figure 0003630326
【0430】
(1)4−メトキシベンジル=4−(アリルオキシカルボニルオキシ)ブチラート
【0431】
【化89】
Figure 0003630326
【0432】
市販のナトリウム=4−ヒドロキシブチラート(10.3 g, 81.7 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(80 ml)けん濁液に4−メトキシベンジル=クロリド(12.8 g, 81.7 mmol)を加え、混合物を1時間100℃で加熱した。混合物を冷却後、酢酸エチルで希釈し、水で3回、食塩水で1回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して無色油状の残留物を得た。これをジクロロメタン(150 ml)に溶解し、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(11.0 g, 90 mmol)とクロロギ酸アリル(9.85 g, 81.7 mmol)を0℃で加え、室温で16時間攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化アンモニウム水溶液および食塩水でそれぞれ洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して得られた油状の残留物を、シリカゲル600gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(4:1〜2:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物15.61 g(収率62%)を無色油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm : 1.95−2.05 (2H, m), 2.45 (2H, t, J=7 Hz), 3.81 (3H, s), 4.18 (2H, t, J=6 Hz), 4.61 (2H, dt, J=6, 2 Hz), 5.06 (2H, s), 5.27 (1H, dt, J=10, 2 Hz), 5.36 (1H, dt, J=18, 2 Hz), 5.93 (1H, ddt, J=18, 10, 6 Hz), 6.89 (2H, d, J=9 Hz), 7.22 (2H, d, J=9 Hz)
IRスペクトルνmax neat cm−1: 1745, 1614, 1516, 1463, 1255
マススペクトル m/z (FAB): 308 (M)。
(2)4−(アリルオキシカルボニルオキシ)ブチリル=クロリド
(1)で得た4−メトキシベンジル=4−(アリルオキシカルボニルオキシ)ブチラート(5.61 g, 18.2 mmol)とアニソール(6 ml)の混合物にトリフルオロ酢酸(30 ml)を室温で加えた。混合物を室温で10分攪拌した後、トルエンで希釈し、減圧下溶媒を留去した。残留物を再びトルエンに溶解し、減圧下溶媒を留去した。得られた油状物を炭酸水素ナトリウム水溶液にけん濁させ、ヘキサンで洗浄した。得られたけん濁水に1N塩酸をゆっくり加えることで、pHをおよそ2に調整し、遊離したカルボン酸を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた無色油状物(3.50 g)をジクロロメタン(17 ml)に溶解し、N,N−ジメチルホルムアミド(0.05 ml)と塩化オキサリル(3 g)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した後、トルエンを加え減圧下溶媒を留去した。得られた残留物を減圧下簡易蒸留で精製することにより、標記化合物2.90 g(収率77%)を無色油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm : 2.08 (2H, m), 3.04 (2H, t, J=7 Hz), 4.20 (2H, t, J=6 Hz), 4.64 (2H, dt, J=6, 2 Hz), 5.29 (1H, dt, J=10, 2 Hz), 5.37 (1H, dt, J=18, 2 Hz), 5.94 (1H, ddt, J=18, 10, 6 Hz)。
(3)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=4−(アリルオキシカルボニルオキシ)ブチラート
【0433】
【化90】
Figure 0003630326
【0434】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(570 mg, 1.05 mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(3 ml)に溶解し、水素化ナトリウム(ca.30 mg, 1.3 mmol)を室温で加えた。混合物を1時間攪拌した後、(2)で得た4−(アリルオキシカルボニルオキシ)ブチリル=クロリド(250 mg, 1.21 mmol)を加え、さらに1時間攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を注ぎ込んだ。有機層を分離し、炭酸水素ナトリウム水溶液と食塩水で順に洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をリサイクル分取HPLC[LC−908;日本分析工業製;GPCカラムJAIGEL−1H(20 mm i.d.× 600 mm)とJAIGEL−2H(20 mm i.d.× 600 mm)を直列につないで使用;溶媒,クロロホルム]で精製して、標記化合物562 mg(収率75%)を無色の非晶質の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.35 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 1.90−2.10 (2H, m), 2.40−2.60 (2H, m), 3.04 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.52 (2H, t, J=11 Hz), 3.90 (1H, q, J=7 Hz), 4.15−4.25 (4H, m), 4.65 (2H, d, J=6 Hz), 5.00 (1H, d, J=4 Hz), 5.28 (1H, br d, J=18 Hz), 5.35 (2H, s), 5.37 (1H, br d, J=18 Hz), 5.86 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.95 (1H, ddt, J=18, 10, 6 Hz), 6.59 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 6.74 (1H, d, J=16 Hz), 6.85−6.95 (3H, m), 7.25−7.45 (3H, m), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.90 (1H, s), 7.91 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2233, 1743, 1616, 1504
マススペクトル m/z (FAB): 713 (M+1)。
(4)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=4−ヒドロキシブチラート(標記目的化合物)
(3)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=4−(アリルオキシカルボニルオキシ)ブチラート(352 mg, 4.94 x 10−4 mol)とビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(2 mg)をジクロロメタン(3 ml)に溶解した。混合物に水素化トリブチルスズ(215 mg, 7.39 x 10−4 mol)を5分かけてゆっくり室温で加えた。さらに室温で15分攪拌した後、混合液にヘキサンを加えた。析出した油状の不溶物を、上澄液をゆっくり取除くことにより分離した。さらにヘキサンで不溶物を2度洗浄した。得られた油状物を、シリカゲル15gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(3:1〜1:0)混合溶媒で溶出し、標記化合物289 mg(収率93%)を無色で非晶質の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.34 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 1.75−1.90 (2H, m), 1.90 (1H, t, J=6 Hz), 2.50 (2H, t, J=7 Hz), 3.10 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.52 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 3.68 (2H, m), 3.96 (1H, q, J=7 Hz), 4.15−4.25 (2H, m), 5.01 (1H, d, J=5 Hz), 5.30−5.40 (2H, m), 5.85 (1H, dd, J=16, 4 Hz), 6.58 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 6.74 (1H, d, J=16 Hz), 6.85−6.95 (3H, m), 7.25−7.45 (3H, m), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.94 (1H, s), 7.95 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3403, 2231, 1741, 1616, 1504
マススペクトル m/z (FAB): 629 (M+1)。
【0435】
【実施例12】
(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=4−アセトキシブチラート(例示番号4−2)
【0436】
【化91】
Figure 0003630326
【0437】
(1)4−クロロ−4−オキソブチル=アセタート
4−アセトキシブタン酸(Tetrahedron, 45巻, 7783頁(1989年);2.00 g, 13.7 mmol)をジクロロメタン(10 ml)に溶解し、N,N−ジメチルホルムアミド(0.05 ml)と塩化オキサリル(2.5 g)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した後、トルエンを加え減圧下溶媒を留去した。得られた残留物を減圧下簡易蒸留で精製することにより、標記化合物1.57 g(収率70%)を無色油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm : 2.05 (2H, m), 2.07 (3H, s), 3.00 (2H, t, J=7 Hz), 4.12 (2H, t, J=6 Hz)。
(2)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=4−アセトキシブチラート(標記目的化合物)
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(1.10 g, 2.03 mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(5 ml)に溶解し、水素化ナトリウム(約50 mg, 2.1 mmol)を室温で加えた。混合物を15分間攪拌した後、(1)で得た4−クロロ−4−オキソブチル=アセタート(330 mg, 2.0 mmol)を加え、さらに1時間攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を注ぎ込んだ。有機層を分離し、炭酸水素ナトリウム水溶液と食塩水で順に洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をリサイクル分取HPLC[LC−908;日本分析工業製;GPCカラムJAIGEL−1H(20 mm i.d.× 600 mm)とJAIGEL−2H(20 mm i.d.× 600 mm)を直列につないで使用;溶媒,クロロホルム]で精製して、標記化合物662 mg(収率49%)を無色の非晶質の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.35 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 1.85−2.05 (2H, m), 2.08 (3H, s), 2.35−2.55 (2H, m), 3.06 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.52 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 3.93 (1H, q, J=7 Hz), 4.12 (2H, t, J=7 Hz) 4.15−4.25 (2H, m), 5.00 (1H, d, J=4 Hz), 5.36 (2H, s), 5.86 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.59 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.73 (1H, d, J=15 Hz), 6.85−6.95 (3H, m), 7.30−7.45 (3H, m), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.90 (1H, s), 7.93 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2231, 1739, 1616, 1504
マススペクトル m/z (FAB): 671 (M+1)。
【0438】
【実施例13】
ジソジウム=4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−4−オキソブチル=ホスファート(例示番号4−16の二ナトリウム塩)
【0439】
【化92】
Figure 0003630326
【0440】
(1)4−メトキシベンジル=4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシ]ブチラート
市販のナトリウム=4−ヒドロキシブチラート(630 mg, 5.00 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(3.5 ml)けん濁液に4−メトキシベンジル=クロリド(783 mg, 5.00 mmol)を加え、混合物を3時間100℃で加熱した。混合物を冷却後、酢酸エチルで希釈し、水で2回、食塩水で2回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して無色油状の残留物を得た。これをジクロロメタン(5 ml)に溶解し、テトラゾール(700 mg, 10 mmol)とビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(Tetrahedron Lett., 30巻, 4219頁(1989年);1.5 g, 6.1 mmol)を0℃で加え、混合物を同温で5分間撹拌した。混合物を室温に昇温し30分間撹拌した後、メタノール(0.1 ml)を加えた。さらに混合物を5分間撹拌した後、tert−ブチルヒドロペルオキシド(ca. 5 M ノナン溶液, 1.5 ml, ca. 7.5 mmol)を0℃で加え、混合物を室温で30分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、混合物を10分間撹拌した後、酢酸エチルと水に分配した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化アンモニウム水溶液および食塩水でそれぞれ洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して得られた油状の残留物を、シリカゲル30gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:3〜1:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物1.55 g(収率81%)を無色の油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm : 2.01 (2H, quint, J=7 Hz), 2.47 (2H, t, J=7 Hz), 3.81 (3H, s), 4.10 (2H, q, J=7 Hz), 4.50−4.55 (4H, m), 5.06 (2H, s), 5.25 (2H, br d, J=10 Hz), 5.36 (2H, br d, J=17 Hz), 5.93 (2H, ddt, J=17, 10, 5 Hz), 6.84 (2H, d, J=9 Hz), 7.29 (2H, d, J=9 Hz)
IRスペクトルνmax neat cm−1:1731, 1613, 1516, 1464, 1254
マススペクトル m/z (FAB): 385 (M+1)。
(2)ジアリル=4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−4−オキソブチル=ホスファート
【0441】
【化93】
Figure 0003630326
【0442】
(1)で得た4−メトキシベンジル=4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシ]ブチラート(700 mg, 1.82 mmol)とアニソール(0.7 ml)の混合物にトリフルオロ酢酸(3 ml)を室温で加えた。混合物を室温で15分攪拌した後、トルエンで希釈し、減圧下溶媒を留去した。残留物を再びトルエンに溶解し、減圧下溶媒を留去することにより、粗製の4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシ]ブタン酸を淡黄色油状物として得た。
H−NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm : 2.03 (2H, quint, J=7 Hz), 2.51 (2H, t, J=7 Hz), 4.16 (2H, q, J=7 Hz), 4.55−4.60 (4H, m), 5.29 (2H, br d, J=10 Hz), 5.39 (2H, br d, J=17 Hz), 5.94 (2H, ddt, J=17, 10, 5 Hz), 11.29 (1H, br s)。
【0443】
得られた粗製の4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシ]ブタン酸をジクロロメタン(3.5 ml)に溶解し、N,N−ジメチルホルムアミド(0.05 ml)と塩化オキサリル(350 mg)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した後、トルエンを加え減圧下溶媒を留去し、粗製の4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシ]ブチリル=クロリドを得た。
【0444】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(936 mg, 1.73 mmol)をテトラヒドロフラン(10 ml)に溶解し、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;80 mg, 1.83 mmol)を室温で加えた。混合物を3時間攪拌した。得られたけん濁混合物を0℃に冷却し、攪拌している中へ、上で得た粗製の4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシ]ブチリル=クロリドを加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。冷却後、混合物を酢酸エチルと塩化アンモニウム水溶液に分配し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して得られた油状の残留物を、シリカゲル30 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−メタノール(1:0〜10:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物862 mg(収率63%)を淡黄色で非晶質の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm: 1.35 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 1.90−2.10 (2H, m), 2.46(1H, dt, J=17, 7 Hz), 2.57 (1H, dt, J= 17, 7 Hz), 3.04 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.52 (2H, t, J=11 Hz), 3.90(1H, q, J=7 Hz), 4.12 (2H, q, J=7 Hz) 4.15−4.25 (2H, m), 4.55−4.60 (4H, m), 5.00 (1H, d, J=4 Hz), 5.27 (2H, d, J=11 Hz), 5.35 (2H, s), 5.38 (2H, d, J=17 Hz), 5.85 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.90−6.00 (2H, m), 6.58 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 6.74 (1H, d, J=15 Hz), 6.85−6.95 (3H, m), 7.30−7.45 (3H, m), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.90 (1H, s), 7.92 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2233, 1741, 1615, 1600, 1504
マススペクトル m/z (FAB): 789 (M+1)。
(3)ジソジウム=4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−4−オキソブチル=ホスファート(標記目的化合物)
(2)で得たジアリル=4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−4−オキソブチル=ホスファート(350 mg, 4.53 x 10−4 mol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(5 mg)、及びトリフェニルホスフィン(5 mg)をジクロロメタン(3 ml)に溶解した。混合物にピロリジン(644 mg, 9.06 x 10−3 mol)を室温で加え1時間攪拌した。混合液をトルエンで希釈し、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をCosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;15 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(1:0〜4:6)混合溶媒で溶出した。集めたフラクションを濃縮し、得られた残留物を、陽イオン交換樹脂(Dowex 50W−8X, ナトリウム型, 1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて調製; 5ml)に付し、水で溶出した。集めたフラクションを減圧下濃縮し、凍結乾燥することにより、標記目的化合物233 mg(収率64%)を非晶質の無色固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, DO)δppm :1.13 (3H, d, J=7 Hz), 1.68 (2H, quint, J=7 Hz), 2.35−2.50 (2H, m), 2.87 (1H,m), 3.43 (1H, t, J=12 Hz), 3.46 (1H, t, J=12 Hz), 3.55−3.65 (3H, m), 3.95−4.05 (2H, m), 4.97 (1H, d, J=4 Hz), 5.13 (1H, d, J=15 Hz), 5.26 (1H, d, J=15 Hz), 5.65 (1H, dd, J=15, 5 Hz), 6.42 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.64 (1H, d, J=16 Hz), 6.80−6.90 (3H, m), 7.25−7.35 (3H, m), 7.51 (1H, t, J=7 Hz), 7.82 (1H, s), 8.13 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3432, 2231, 1740, 1615, 1599, 1503, 1418, 1387, 1276, 1257, 1142
マススペクトル m/z (FAB): 753 (M+1)
元素分析:C3130PSNa・3HOとして計算値:C, 46.16; H, 4.50; N, 6.95; Na, 5.70。分析値:C, 46.41; H, 4.83; N, 7.04; Na, 5.37。
【0445】
【実施例14】
ソジウム=4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−4−オキソブチル=スクシナート(例示番号4−6のナトリウム塩)
【0446】
【化94】
Figure 0003630326
【0447】
(1)アリル=4−クロロ−4−オキソブチラート
市販の無水コハク酸(2.00 g, 20.0 mmol)のジクロロメタン(10 ml)溶液にアリルアルコール(1.75 g, 30.1 mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.88 g, 30.1 mmol)と4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(10 mg)を室温で加えた。混合物を1時間攪拌後、1N塩酸を加えた後酢酸エチルで抽出し、食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、粗製のコハク酸水素アリルを得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm : 2.65−2.75 (4H, m), 4.61 (2H, d, J=6 Hz), 5.24 (1H, dd, J=10, 2 Hz), 5.33 (1H, dd, J=17, 1 Hz), 5.91(1H, ddt, J=17, 10, 6 Hz), 11.05 (1H, br s)。
【0448】
得られた粗製のコハク酸水素アリルをジクロロメタン(10 ml)に溶解し、N,N−ジメチルホルムアミド(0.05 ml)と塩化オキサリル(3.8 g)を加えた。混合物を室温で2時間攪拌した後、トルエンを加え減圧下溶媒を留去した。得られた残留物を減圧下簡易蒸留で精製することにより、標記化合物2.89 g(収率82%)を淡黄色油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :2.72 (2H, t, J=7 Hz), 3.23 (2H, t, J=7 Hz), 4.62 (2H, d, J=5 Hz), 5.26 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 5.33 (1H, dd, J=17, 1 Hz), 5.90(1H, ddt, J=17, 10, 5 Hz)。
(2)アリル=4−[(4−メトキシベンジル)オキシ]−4−オキソブチル=スクシナート
【0449】
【化95】
Figure 0003630326
【0450】
市販のナトリウム=4−ヒドロキシブチラート(756 mg, 6.00 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10 ml)けん濁液に4−メトキシベンジル=クロリド(987 mg, 6.30 mmol)を加え、混合物を3時間100℃で加熱した。混合物を冷却後、(1)で得たアリル=4−クロロ−4−オキソブチラート(1.06 g, 6.02 mmol)、トリエチルアミン(920 μl, 6.60 mmol)、及び4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(10 mg)を0℃で加えた。混合物を室温で18時間攪拌し、得られた混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化アンモニウム水溶液および食塩水でそれぞれ洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して得られた油状の残留物を、シリカゲル50gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エチル(3:1〜2:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物1.52 g(収率70%)を無色油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.47 (2H, quint, J=7 Hz), 2.42 (2H, t, J=7 Hz), 2.55−2.70 (4H, m), 3.81 (3H, s), 4.13 (2H, t, J=7 Hz), 4.59 (2H, dt, J=6, 2 Hz), 5.06 (2H, s), 5.23 (1H, br d, J=11 Hz), 5.30 (1H, br d, J=18, 2 Hz), 5.89 (1H, ddt, J=18, 11, 6 Hz), 6.89 (2H, d, J=8 Hz), 7.29 (2H, d, J=8 Hz)
IRスペクトルνmax neat cm−1: 1735, 1614, 1516, 1249 1163
マススペクトル m/z (EI): 364 (M)。
(3)アリル=4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−4−オキソブチル=スクシナート
【0451】
【化96】
Figure 0003630326
【0452】
実施例13(2)で述べた方法と同様な方法で、(2)で得たアリル=4−[(4−メトキシベンジル)オキシ]−4−オキソブチル=スクシナート(546 mg, 1.50 mmol)を、アニソール(0.50 ml)とトリフルオロ酢酸(5 ml)で処理して粗製の4−[4−(アリルオキシ)−4−オキソブチリルオキシ]酪酸に導き、さらに塩化オキサリル(290 mg)で処理して粗製のアリル=4−クロロ−4−オキソブチル=スクシナートに導いた。
【0453】
この粗製のアリル=4−クロロ−4−オキソブチル=スクシナートを、参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(814 mg, 1.50 mmol)と水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;70 mg, 1.6 mmol)を用いて実施例13−(2)と同様に処理した。得られた粗標記化合物をリサイクル分取HPLC[LC−908;日本分析工業製;GPCカラムJAIGEL−1H(20 mm i.d.× 600 mm)とJAIGEL−2H(20 mm i.d.× 600 mm)を直列につないで使用;溶媒,クロロホルム]で精製して、標記化合物459 mg(収率40%)を無色の粘稠性物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm: 1.35 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 1.85−2.05 (2H, m), 2.35−2.55 (2H, m), 2.60−2.75 (4H, m), 3.05 (1H, tt, J=12, 5 Hz), 3.52 (2H, t, J=11 Hz), 3.92 (1H, q, J=7 Hz), 4.15−4.25 (4H, m), 4.60 (2H, br d, J=6 Hz), 5.00 (1H, d, J=4 Hz), 5.23 (1H, br d, J=11 Hz), 5.31 (1H, br d, J=17 Hz), 5.35 (2H, s), 5.85 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.90 (1H, ddt, J=17, 11, 6 Hz), 6.58 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 6.74 (1H, d, J=16 Hz), 6.85−6.95 (3H, m), 7.30−7.45 (3H, m), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.90 (1H, s), 7.92 (1H, s)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2233, 1737, 1616, 1598, 1504
マススペクトル m/z (FAB): 769 (M+1)。
(4)ソジウム=4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−4−オキソブチル=スクシナート(標記目的化合物)
(3)で得たアリル=4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−4−オキソブチル=スクシナート(180 mg, 2.35 x 10−4 mmol)とビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(3 mg)、及び水素化トリブチルスズ(100 mg, 3.44 x 10−4 mmol)を、実施例1−(13)と同様な方法で反応させ処理することにより、標記目的化合物の粗製品を油状物として得た。これをCosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;20 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(4:6〜3:7)混合溶媒で溶出した。得られたフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、標記目的化合物64 mg(収率36%)を無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm: 1.31 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 1.90−2.00 (2H, m), 2.40−2.65 (6H, m), 3.03 (1H, tt, J=12, 5 Hz), 3.52 (2H, t, J=11 Hz), 3.85 (1H, q, J=7 Hz), 4.05−4.25 (4H, m), 5.04 (1H, d, J=5 Hz), 5.44 (2H, m), 5.85 (1H, dd, J=15, 5 Hz), 6.59 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.80 (1H, d, J=15 Hz), 6.95−7.05 (2H, m), 7.10 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 7.45−7.55 (3H, m), 7.80 (1H, t, J=8 Hz), 8.00 (1H, s), 8.32 (1H, s)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 3438, 2231, 1737, 1614, 1595, 1504, 1419
マススペクトル m/z (FAB): 751 (M+1)。
【0454】
【実施例15】
(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=(2−ヒドロキシエチル)=カルボナート(例示番号4−31)
【0455】
【化97】
Figure 0003630326
【0456】
(1)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=イミダゾール−1−カルボキシラート
【0457】
【化98】
Figure 0003630326
【0458】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(4.90 g, 9.03 mmol)と1,1’−カルボニルジイミダゾール(1.53 g, 9.44 mmol)をジクロロメタン(20 ml)に溶解した。得られた混合物に水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;10 mg, 2.3 x 10−4 mol)を加え、攪拌しながら還流下3時間加熱した。冷却後、リン酸バッファー(pH 7.4)を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物を、シリカゲル120 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1〜1:0)混合溶媒で溶出し、標記化合物4.00 g(収率70%)を無色で非晶質の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.46 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.01 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.51 (1H, t, J=12 Hz), 3.52 (1H, t, J=12 Hz), 4.01 (1H, q, J=7 Hz), 4.10−4.20 (2H, m), 5.00 (1H, d, J=5 Hz), 5.28 (1H, br d, J=18 Hz), 5.48 (2H, s), 5.85 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.58 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.90−7.00 (3H, m), 7.13 (1H, br s), 7.30−7.45 (4H, m), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.84 (1H, s), 7.97 (1H, s), 8.11 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2230, 1763, 1615, 1504, 1418, 1390
マススペクトル m/z (FAB): 637 (M+1)。
(2)2−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]エタノール
市販の酢酸2−ヒドロキシエチル(3.12 g, 30.0 mmol)、トリエチルアミン(4.6 ml, 33 mmol)、及び4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(100 mg)をジクロロメタン(20 ml)に溶解し、室温でtert−ブチルクロロジフェニルシラン(8.65 g, 31.5 mmol)を加え、混合物を20時間攪拌した。得られた溶液をヘキサン−酢酸エチル(1:1)混合溶媒で希釈し、水と食塩水でそれぞれ洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をメタノール(100 ml)に溶解し、ナトリウムメトキシド(28%含有メタノール溶液、3 ml)を室温で加え、混合物を2時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルとリン酸バッファー(pH 7)に分配し、有機層を食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去することにより、標記化合物の粗製品5.18 g(粗収率57%)を無色の油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.07 (9H, s), 2.11 (1H, t, J=6 Hz), 3.65−3.70 (2H, m), 3.77 (2H, t, J=5 Hz), 7.35−7.50 (6H, m), 7.65−7.70 (4H, m)。
(3)2−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]エチル=(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=カルボナート
【0459】
【化99】
Figure 0003630326
【0460】
(1)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=イミダゾール−1−カルボキシラート(637 mg, 1.00 mmol)と(2)で得た粗製の2−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]エタノール(315 mg, ca.1.05 mmol)をジクロロメタン(3 ml)に溶解し、カリウム=tert−ブトキシド(5 mg)を加えた。混合物を攪拌しながら15分間加熱還留した。冷却後、得られた混合物にリン酸バッファー(pH 7)を注ぎ、反応生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をリサイクル分取HPLC[LC−908;日本分析工業製;GPCカラムJAIGEL−1H(20 mm i.d.× 600 mm)とJAIGEL−2H(20 mm i.d.× 600 mm)を直列につないで使用;溶媒,クロロホルム]で精製して、標記化合物631.4 mg(収率73%)を無色の非晶質の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.07 (9H, s), 1.35 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.04 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.48 (1H, t, J=11 Hz), 3.50 (1H, t, J=11 Hz), 3.80−3.95 (3H, m), 4.15−4.20 (2H, m), 4.30−4.35 (2H, m), 4.94 (1H, d, J=5 Hz), 5.36 (1H, dd, J=15, 3 Hz), 5.41 (1H, d, J=15 Hz), 5.84 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.55 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.71 (1H, d, J=16 Hz), 6.75−6.95 (3H, m), 7.30−7.50 (9H, m), 7.56 (1H, t, J=8 Hz), 7.65−7.75 (4H, m), 7.90 (1H, s), 7.95 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2230, 1750, 1615, 1503
マススペクトル m/z (FAB): 869 (M+1)。
(4)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=(2−ヒドロキシエチル)=カルボナート(標記目的化合物)
(3)で得た2−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]エチル=(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=カルボナート(470 mg, 5.41 x 10−4 mol)のテトラヒドロフラン(1.5 ml)溶液に、室温で酢酸(33 mg, 5.5 x 10−4 mol)とテトラブチルアンモニウムフルオリド(1Mテトラヒドロフラン溶液;0.55 ml, 5.5 x 10−4 mol)を順に加えた。混合物を同温で1時間攪拌した後、酢酸エチルとリン酸バッファー(pH 7)を注ぎ込み、有機層を分離した。有機層を食塩水で洗浄後、無類硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をリサイクル分取HPLC[LC−908;日本分析工業製;GPCカラムJAIGEL−1H(20 mm i.d.× 600 mm)とJAIGEL−2H(20 mm i.d.× 600 mm)を直列につないで使用;溶媒,クロロホルム]で精製して、標記化合物186 mg(収率55%)を無色の非晶質の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm : 1.34 (3H, dd, J=7, 3 Hz), 1.90 (1H, br s), 2.95−3.10 (1H, m), 3.49 (1H, t, J=11 Hz), 3.51 (1H, t, J=11 Hz), 3.80−3.90 (3H, m), 4.19 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.25−4.40 (3H, m), 4.94 (1H, d, J=5 Hz), 5.39 (2H, m), 5.85 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.58 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=16 Hz), 6.85−7.00 (3H, m), 7.33 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.40 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.45 (1H, td, J=9, 6 Hz), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.96 (1H, s), 8.04 (1H, s)。
【0461】
【実施例16】
ジソジウム=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニルオキシ]エチル=ホスファート(例示番号4−45のニナトリウム塩)
【0462】
【化100】
Figure 0003630326
【0463】
(1)2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシ]エチル=(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=カルボナート
【0464】
【化101】
Figure 0003630326
【0465】
実施例15で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=(2−ヒドロキシエチル)=カルボナート(180 mg, 2.85 x 10−4 mol)のジクロロメタン(2 ml)溶液に、テトラゾール(40 mg, 5.7 x 10−4 mol)とビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(Tetrahedron Lett., 30巻, 4219頁(1989年);105 mg, 4.28 x 10−4 mmol)を室温で加え、混合物を30分間攪拌した。混合物にアリルアルコール(0.1 ml)を同温で加え、さらに20分間攪拌した。混合液を0℃に冷却後、tert−ブチルヒドロペルオキシド(ca. 5 M ノナン溶液, 1.5 ml, ca. 7.5 mmol)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、混合物を10分間撹拌した後、酢酸エチルと水に分配した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化アンモニウム水溶液および食塩水でそれぞれ洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して得られた残留物を、リサイクル分取HPLC[LC−908;日本分析工業製;GPCカラムJAIGEL−1H(20 mm i.d.× 600 mm)とJAIGEL−2H(20 mm i.d.× 600 mm)を直列につないで使用;溶媒,クロロホルム]で精製して、標記化合物124 mg(収率55%)を無色の粘貼性物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm : 1.35 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.01 (1H, tt, J=12, 5 Hz), 3.48 (1H, t, J=12 Hz), 3.50 (1H, t, J=12 Hz), 3.84 (1H, q, J=7 Hz), 4.17 (1H, ddd, J=12, 5, 2 Hz), 4.25−4.35 (4H, m), 4.40−4.50 (1H, m), 4.55−4.60 (4H, m), 4.97 (1H, d, J=4 Hz), 5.26 (2H, dt, J=12, 1 Hz), 5.35−5.40 (4H, m), 5.84 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.85−6.00 (2H, m), 6.57 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=15 Hz), 6.85−7.00 (3H, m), 7.33 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.40 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.46 (1H, td, J=9, 6 Hz), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.94 (1H, s), 7.98 (1H, s)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2233, 1753, 1616, 1504, 1276, 1140
マススペクトル m/z (FAB): 791 (M+1)。
(2)ジソジウム=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニルオキシ]エチル=ホスファート(標記目的化合物)
(1)で得た2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシ]エチル=(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=カルボナート(120 mg, 1.52 x 10−4 mol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2 mg)をジクロロメタン(1.2 ml)に溶解させた。混合液に室温でピロリジン(215 mg, 3.04 mmol)を加え、溶液を1時間攪拌した。以下実施例13−(3)と同様に処理し、標記目的化合物87.5 mg(収率76%)を非晶質の淡黄色固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, DO)δppm :1.18 (3H, d, J=7 Hz), 2.81 (1H, m), 3.43 (1H, br t, J=12 Hz), 3.46 (1H, br t, J=12 Hz), 3.59 (1H, m), 3.85 (2H, m), 3.95−4.15 (2H, m), 4.22 (2H, m), 4.97 (1H, br d, J=4 Hz), 5.21 (1H, br d, J=15 Hz), 5.34 (1H, br d, J=15 Hz), 5.65 (1H, br dd, J=15, 5 Hz), 6.41 (1H, m), 6.63 (1H, br d, J=16 Hz), 6.80−6.95 (3H, m), 7.25−7.60 (4H, m), 7.88 (1H, s), 8.26 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3418, 2231, 1749, 1615, 1600, 1504, 1418, 1385, 1276, 1257, 1141。
マススペクトル m/z (FAB): 755 (M+1)。
【0466】
【実施例17】
(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−(ヒドロキシメチル)ベンゾアート(例示番号5−1)
【0467】
【化102】
Figure 0003630326
【0468】
(1)4−メトキシベンジル=2−[(アリルオキシカルボニル)オキシメチル]ベンゾアート
市販の1(3H)−イソベンゾフラノン(740 mg, 5.52 mmol)と水酸化カリウム(310 mg, 5.52 mmol)をメタノール−水(2:1)混合溶媒(10 ml)にけん濁させ、70℃に加熱しながら3時間攪拌した。冷却後、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物を40℃に加熱しながら真空ポンプで乾燥した。得られた固体をN,N−ジメチルホルムアミド(10 ml)にけん濁させ、4−メトキシベンジル=クロリド(865 mg, 5.52 mmol)を加えた。混合物を1時間100℃で加熱した。得られた混合物を冷却後、酢酸エチルで希釈し、水と食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して無色油状の残留物を得た。これをジクロロメタン(10 ml)に溶解し、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(673 mg, 5.51 mmol)とクロロギ酸アリル(664 mg, 5.51 mmol)を0℃で加え、室温で1時間攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水と食塩水でそれぞれ洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して得られた油状の残留物を、シリカゲル60gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エチル(5:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物905 mg(収率46%)を無色油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm : 3.82 (3H, s), 4.66 (2H, dt, J=6, 1 Hz), 5.28 (1H, br d, J=10 Hz), 5.29 (2H, s), 5.38 (1H, br d, J=18 Hz), 5.61 (2H, s), 5.95 (1H, ddt, J=18, 10, 6 Hz), 6.91 (2H, d, J=9 Hz), 7.35−7.40 (1H, m), 7.39 (2H, d, J=9 Hz), 7.50−7.55 (2H, m), 8.02 (1H, d, J=7 Hz)
IRスペクトルνmax neat cm−1: 1750, 1716, 1614, 1516, 1248
マススペクトル m/z (FAB): 356 (M)。
(2)2−[(アリルオキシカルボニル)オキシメチル]安息香酸
(1)で得た4−メトキシベンジル=2−[(アリルオキシカルボニル)オキシメチル]ベンゾアート(6.80 g, 19.1 mmol)とアニソール(5 g)の混合物をトリフルオロ酢酸(10 ml)に室温で溶解させた。混合物を15分間攪拌した後、トルエンで希釈し、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をヘキサンで洗浄することにより、粗標記化合物 3.87 g(収率86%)で無色固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm:4.68(2H, dt, J=6, 1 Hz), 5.29 (1H, br d, J=10 Hz), 5.39 (1H, br d, J=17 Hz), 5.67 (2H, s), 5.94 (1H, ddt, J=17, 10, 6 Hz), 7.40−7.50 (1H, m), 7.60−7.65 (2H, m), 8.15 (1H, d, J=8 Hz), 11.5 (1H, br s)。
(3)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[(アリルオキシカルボニル)オキシメチル]ベンゾアート
【0469】
【化103】
Figure 0003630326
【0470】
(2)で得た2−[(アリルオキシカルボニル)オキシメチル]安息香酸(850 mg, 3.60 mmol)をジクロロメタン(5 ml)に溶解し、N,N−ジメチルホルムアミド(0.05 ml)と塩化オキサリル(570 mg)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した後、トルエンを加え減圧下溶媒を留去し、粗製の2−[(アリルオキシカルボニル)オキシメチル]ベンゾイル=クロリドを得た。
【0471】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(1.63 g, 3.00 mmol)と水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;144 mg, 3.3 mmol)および上で得た粗製の2−[(アリルオキシカルボニル)オキシメチル]ベンゾイル=クロリドを用いて実施例13−(2)と以下同様に行なった。得られた粗生成物を、シリカゲル50 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1〜4:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物1.68 g(収率74%)を淡黄色で非晶質の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm: 1.46 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.05 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.50 (1H, t, J=11 Hz), 3.52 (1H, t, J=11 Hz), 4.00 (1H, q, J=7 Hz), 4.10−4.20 (2H, m), 4.60−4.70 (2H, m), 4.98 (1H, d, J=4 Hz), 5.28 (1H, br d, J=10 Hz), 5.37 (1H, br d, J=18 Hz), 5.45−5.55 (4H, m), 5.84 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.94 (1H, ddt, J=18, 10, 6 Hz), 6.57 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=15 Hz), 6.85−6.95 (3H, m), 7.34 (1H, d, J=9 Hz), 7.35−7.45 (3H, m), 7.55−7.65 (3H, m), 7.76 (1H, t, J=7 Hz), 7.91 (1H, s), 7.98 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2231, 1748, 1728, 1615, 1504
マススペクトル m/z (FAB): 761 (M+1)。
(4)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−(ヒドロキシメチル)ベンゾアート(標記目的化合物)
(3)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[(アリルオキシカルボニル)オキシメチル]ベンゾアート(1.52 g, 2.00 mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(5 mg)、及び水素化トリブチルスズ(620 mg, 2.13 mmol)を用いて実施例11−(4)と以下同様に行ない、得られた粗生成物を、シリカゲル50gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1〜1:0)混合溶媒で溶出し、標記化合物1.096 g(収率81%)を無色の非晶質の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm: 1.46 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.06 (1H, tt, J=12, 5 Hz), 3.31 (1H, t, J=7 Hz), 3.50 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 4.04 (1H, q, J=7 Hz), 4.10−4.25 (2H, m), 4.73 (1H, dd, J=13, 7 Hz), 4.80 (1H, dd, J=13, 7 Hz), 4.98 (1H, d, J=4 Hz), 5.52 (2H, m), 5.84 (1H, dd, J=16, 4 Hz), 6.57 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=15 Hz), 6.85−7.00 (3H, m), 7.33 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.35−7.45 (3H, m), 7.50−7.60 (3H, m), 7.79 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.89 (1H, s), 7.94 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3402, 2231, 1722, 1616, 1504
マススペクトル m/z (FAB): 677 (M+1)。
【0472】
【実施例18】
ジソジウム=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]ベンジル=ホスファート(例示番号5−15の二ナトリウム塩)
【0473】
【化104】
Figure 0003630326
【0474】
(1)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]ベンゾアート
【0475】
【化105】
Figure 0003630326
【0476】
実施例17−(4)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−(ヒドロキシメチル)ベンゾアート(540 mg, 7.89 x 10−4 mol)をジクロロメタン−アセトニトリル(1:1)混合溶媒(3 ml)に溶解した。テトラゾール(112 mg, 1.6 mmol)とビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(Tetrahedron Lett., 30巻, 4219頁(1989年);250 mg, 1.0 x 10−3 mol)を0℃で加え、混合物を同温で5分間撹拌した。混合物を室温に昇温し30分間撹拌した後、アリルアルコール(0.1 ml)を加えた。さらに混合物を5分間撹拌した後、tert−ブチルヒドロペルオキシド(ca. 5 M ノナン溶液, 1.5 ml, ca. 7.5 mmol)を0℃で加え、混合物を室温で30分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、混合物を10分間撹拌した後、酢酸エチルと水に分配した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化アンモニウム水溶液および食塩水でそれぞれ洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して得られた油状の残留物を、シリカゲル15gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:1〜1:0)混合溶媒で溶出し、さらにリサイクル分取HPLC[LC−908;日本分析工業製;GPCカラムJAIGEL−1H(20 mm i.d.× 600 mm)とJAIGEL−2H(20 mm i.d.× 600 mm)を直列につないで使用;溶媒,クロロホルム]で精製して、標記化合物363 mg(収率54%)を無色の非晶性の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm: 1.45 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.05 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.50 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 4.01 (1H, q, J=7 Hz), 4.10−4.20 (2H, m), 4.50−4.60 (4H, m), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.24 (2H, br d, J=10 Hz), 5.34 (2H, br d, J=18 Hz), 5.40−5.55 (4H, m), 5.71 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.85−6.00 (2H, m), 6.57 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=15 Hz), 6.85−6.95 (3H, m), 7.34 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.35−7.45 (3H, m), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.62 (1H, td, J=7, 1 Hz), 7.72 (1H, d, J=8 Hz), 7.76 (1H, d, J=9 Hz), 7.90 (1H, s), 7.91 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2231, 1724, 1615, 1504
マススペクトル m/z (FAB): 837 (M+1)。
(2)ジソジウム=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]ベンジル=ホスファート(標記目的化合物)
(1)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]ベンゾアート (1.55 g, 1.85 mmol) と、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(20 mg)を、ジクロロメタン(13 ml)に溶解させた。混合液に室温でピロリジン(2.63 g, 37.0 mmol)を加え0.5時間攪拌した。以下実施例13−(3)と同様に処理し、標記目的化合物1.22 g(収率76%)を非晶質の無色固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, DO)δppm: 1.27 (3H, d, J=7 Hz), 2.95 (1H, m), 3.40 (1H, t, J=11 Hz), 3.45 (1H, t, J=11 Hz), 3.79 (1H, q, J=7 Hz), 3.93 (1H, m), 4.05 (1H, m), 4.90 (1H, dd, J=16, 7 Hz), 4.95 (1H, d, J=5 Hz), 5.03 (1H, dd, J=16, 7 Hz), 5.35 (1H, d, J=15 Hz), 5.44 (1H, br d, J=15 Hz), 5.67 (1H, m), 6.34 (1H, m), 6.68 (1H, br d, J=15 Hz), 6.85−7.00 (3H, m), 7.20−7.30 (1H, m), 7.30−7.45 (3H, m), 7.50−7.65 (3H, m), 7.76 (1H, d, J=8 Hz), 7.84 (1H, s), 8.23 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3414, 2231, 1722, 1615, 1503, 1418, 1387, 1275, 1257, 1205, 1139
マススペクトル m/z (FAB): 801 (M+1)
元素分析:C3530PSNa・4HOとして計算値:C, 48.17; H, 4.39; N, 6.42; Na, 5.27。分析値:C, 47.94; H, 4.31; N, 6.39; Na, 5.07。
【0477】
【実施例19】
2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]ベンジル=ヒドロゲン=スクシナート(例示番号5−5)
【0478】
【化106】
Figure 0003630326
【0479】
(1)アリル=[2−(4−メトキシベンジルオキシ)カルボニル]ベンジル=スクシナート
【0480】
【化107】
Figure 0003630326
【0481】
市販の1(3H)−イソベンゾフラノン(805 mg, 6.00 mmol)と水酸化カリウム(0.34 g, 5.9 mmol)をメタノール−水(2:1)混合溶媒(5 ml)にけん濁させ、70℃に加熱しながら3時間攪拌した。冷却後、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物を40℃に加熱しながら真空ポンプで乾燥した。得られた固体をN,N−ジメチルホルムアミド(10 ml)にけん濁させ、4−メトキシベンジル=クロリド(987 mg, 6.30 mmol)を加えた。混合物を1時間100℃で加熱した。得られた混合物を冷却後、酢酸エチルで希釈し、水と食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して無色油状の残留物を得た。これをジクロロメタン(10 ml)に溶解し、トリエチルアミン(976μl, 7.00 mmol)、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(10 mg)、及び実施例14−(1)で得たアリル=4−クロロ−4−オキソブチラート(1.06 g, 6.00 mmol)を順に0℃で加え、室温で1時間攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水と食塩水で順に洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して得られた油状の残留物を、シリカゲル60gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エチル(4:1〜3:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物1.00 g(収率40%)を淡黄色油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm : 2.68 (4H, m), 3.82 (3H, s), 4.59 (2H, br d, J=6 Hz), 5.23 (1H, br d, J=10 Hz), 5.28 (2H, s), 5.31 (1H, br d, J=18 Hz), 5.54 (2H, s), 5.90 (1H, ddt, J=18, 10, 6 Hz), 6.91 (2H, d, J=9 Hz), 7.35−7.40 (1H, m), 7.39 (2H, d, J=9 Hz), 7.45−7.55 (2H, m), 8.00 (1H, dd, J=8, 1 Hz)
IRスペクトルνmax neat cm−1: 1737, 1614, 1516, 1249
マススペクトル m/z (FAB): 413 (M+1)。
(2)アリル=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]ベンジル=スクシナート
【0482】
【化108】
Figure 0003630326
【0483】
(1)で得たアリル=[2−(4−メトキシベンジルオキシ)カルボニル]ベンジル=スクシナート(620 mg, 1.50 mmol)とアニソール(600 mg)をトリフルオロ酢酸に溶解し、室温で30分間攪拌した。混合物をトルエンで希釈し、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をジクロロメタン(3 ml)に溶解し、N,N−ジメチルホルムアミド(0.02 ml)と塩化オキサリル(300 mg)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した後、トルエンを加え減圧下溶媒を留去し、粗製のアリル=2−(クロロカルボニル)ベンジル=スクシナートを得た。
【0484】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(814 mg, 1.50 mmol)と水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;74 mg, 1.7 mmol)および上で得た粗製のアリル=2−(クロロカルボニル)ベンジル=スクシナートを用いて実施例13−(2)と以下同様に行なった。得られた粗生成物を、シリカゲル35 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1〜4:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物368 mg(収率30%)を淡黄色で非晶質の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm: 1.46 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.60−2.80 (4H, m), 3.05 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.51 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 4.02 (1H, q, J=7 Hz), 4.10−4.20 (2H, m), 4.59 (2H, d, J=6 Hz), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.23 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 5.31 (1H, dd, J=18, 1 Hz), 5.45−5.55 (4H, m), 5.85 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.90 (1H, ddt, J=18, 10, 6 Hz), 6.57 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.74 (1H, d, J=15 Hz), 6.85−6.95 (3H, m), 7.34 (1H, d, J=9 Hz), 7.35−7.45 (3H, m), 7.55−7.65 (3H, m), 7.79 (1H, t, J=7 Hz), 7.90 (1H, s), 7.95 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2231, 1734, 1615, 1504
マススペクトル m/z (FAB): 817 (M+1)。
(3)2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]ベンジル=ヒドロゲン=スクシナート(標記目的化合物)
(2)で得たアリル=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]ベンジル=スクシナート(150 mg, 1.84 x 10−4 mol)とビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(2 mg)をジクロロメタン(1.5 ml)に溶解した。混合物に水(0.1 ml)を加えた後、水素化トリブチルスズ(80 mg, 2.7 x 10−4 mol)を5分かけてゆっくり室温で加えた。混合物をさらに室温で15分攪拌した後、ヘキサンを加えた。析出した油状不溶物を、上澄液をゆっくり取除くことにより分離した。さらにヘキサンで不溶物を2度洗浄した。得られた油状物を、シリカゲル8gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチルで溶出し、さらにリサイクル分取HPLC[LC−908;日本分析工業製;GPCカラムJAIGEL−1H(20 mm i.d.× 600 mm)とJAIGEL−2H(20 mm i.d.× 600 mm)を直列につないで使用;溶媒,クロロホルム]で精製して、標記化合物123.9 mg(収率87%)を無色の非晶性の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm: 1.47 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.65−2.75 (4H, m), 3.06 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.52 (1H, t, J=11 Hz), 3.54 (1H, t, J=11 Hz), 4.05 (1H, q, J=7 Hz), 4.10−4.20 (2H, m), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.43 (1H, d, J=13 Hz), 5.49 (1H, br dd, J=15, 3 Hz), 5.56 (1H, d, J=15 Hz), 5.59 (1H, d, J=13 Hz), 5.84 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.57 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.73 (1H, d, J=15 Hz), 6.85−7.00 (3H, m), 7.33 (1H, d, J=10, 1 Hz), 7.35−7.45 (3H, m), 7.55−7.60 (3H, m), 7.89 (1H, t, J=7 Hz), 7.90 (1H, s), 8.09 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2232, 1729, 1616, 1504
マススペクトル m/z (FAB): 777 (M+1)。
【0485】
【実施例20】
ソジウム=(S)−3−アミノ−4−[4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−4−オキソブトキシ]−4−オキソブチラート(例示番号4−12のナトリウム塩)
【0486】
【化109】
Figure 0003630326
【0487】
(1)tert−ブチル=(S)−3−[(tert−ブチル)オキシカルボニルアミノ]−4−オキソ−4−(2,2,2−トリクロロエトキシ)ブチラート
【0488】
【化110】
Figure 0003630326
【0489】
市販のN−(t−ブトキシカルボニル)−L−アスパラギン酸=β−t−ブチルエステル=ジシクロヘキシルアンモニウム塩(1.00 g, 2.12 mmol)を、イオン交換樹脂(Dowex 50W−8X,1N水酸化ナトリウム水溶液を用いてNa型にしたもの;5ml)に付し、メタノールで溶出した。集めたフラクションを減圧下濃縮し、得られた残留物を水(50 ml)に溶解した。水溶液に1N塩酸水(22 ml)を加え、pHを4付近に調整し、遊離した酸を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた無色油状物を、ジクロロメタン(10 ml)に溶解し、トリエチルアミン(420μl, 3.0 mmol)とクロロギ酸2,2,2−トリクロロエチル(466 mg, 2.20 mmol)を室温で加え1時間攪拌した。混合物を減圧下濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解し、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、塩化アンモニウム水溶液および食塩水でそれぞれ洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して得られた残留物を、シリカゲル15gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エチル(2:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物627 mg(収率73%)を無色油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm: 1.44 (9H, s), 1.46 (9H, s), 2.79(1H, dd, J=17, 4 Hz), 3.01 (1H, dd, J=17, 5 Hz), 4.68 (1H, m), 4.86 (2H, s), 5.54 (1H, br d, J=9 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 3439, 2982, 2934, 1769, 1717, 1498
マススペクトル m/z (FAB): 420 (M+1)。
(2)アリル=(S)−3−(アリルオキシカルボニルアミノ)−4−オキソ−4−(2,2,2−トリクロロエトキシ)ブチラート
(1)で得たtert−ブチル=(S)−3−[(tert−ブチル)オキシカルボニルアミノ]−4−オキソ−4−(2,2,2−トリクロロエトキシ)ブチラート(605 mg, 1.48 mmol)をトリフルオロ酢酸(2.5 ml)に溶解し、1時間攪拌した。混合物をトルエンで希釈し、減圧下溶媒を留去した。得られた白色粉末をジクロロメタン(5 ml)にけん濁させ、ジイソプロピルエチルアミン(1.8 ml, 10 mmol)とクロロギ酸アリル(624 mg, 5.18 mmol)を室温で加えた。混合物を1時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水と食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物を、シリカゲル25gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エチル(4:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物384 mg(収率67%)を無色油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm: 2.95 (1H, dd, J=18, 4 Hz), 3.16 (1H, dd, J=18, 4 Hz), 4.55−4.65 (4H, m), 4.73 (1H, d, J=12 Hz), 4.79 (1H, m), 4.82 (1H, d, J=12 Hz), 5.23 (1H, br d, J=10 Hz), 5.26 (1H, br d, J=10 Hz), 5.32 (2H, br d, J=18 Hz), 5.77 (1H, br d, J=9 Hz), 5.85−6.00 (2H, m)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 3356, 1767, 1732, 1512
マススペクトル m/z (FAB): 388 (M+1)。
(3)(S)−4−アリルオキシ−2−(アリルオキシカルボニルアミノ)−4−オキソ酪酸
(2)で得たアリル=(S)−3−(アリルオキシカルボニルアミノ)−4−オキソ−4−(2,2,2−トリクロロエトキシ)ブチラート(350 mg, 9.02 x 10−4 mol)を酢酸(1.8 ml)に溶解し、亜鉛粉末(350 mg)を加え、混合物を室温で1時間攪拌した。不溶物を濾過して除き、酢酸エチルで洗浄した。濾液を合わせ、減圧下溶媒を留去した。残留物を酢酸エチルに溶解し、0.2N塩酸水と飽和食塩水でそれぞれ洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去することにより、標記化合物の粗製品180 mg(収率78%)を淡黄色油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm: 2.91 (1H, dd, J=17, 5 Hz), 3.10 (1H, dd, J=17, 4 Hz), 4.55−4.65 (4H, m), 4.68 (1H, m), 5.23 (1H, dd, J=11, 1 Hz), 5.27 (1H, d, J=10 Hz), 5.32 (2H, br d, J=17 Hz), 5.79 (1H, br d, J=9 Hz), 5.85−6.00 (2H, m)。
(4)アリル=(S)−3−(アリルオキシカルボニルアミノ)−4−[4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−4−オキソブトキシ]−4−オキソブチラート
【0490】
【化111】
Figure 0003630326
【0491】
(3)で得た(S)−4−アリルオキシ−2−(アリルオキシカルボニルアミノ)−4−オキソ酪酸の粗製品(180 mg, 7.0 x 10−4 mol)、実施例11で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=4−ヒドロキシブチラート(364 mg, 5.79 x 10−4 mol)、及び、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(183 mg, 1.50 x 10−3 mol)をジクロロメタン(2 ml)に溶かし、室温で2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリウム=クロリド(118 mg, 6.98 x 10−4 mol)を加え、混合物を30分間攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液と食塩水で順に洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物を、シリカゲル10gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:1〜1:0)混合溶媒で溶出し、標記化合物386 mg(収率77%)を淡黄色の非晶性の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm: 1.35 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 1.90−2.00 (2H, m), 2.35−2.55 (2H, m), 2.90 (1H, dd, J=17, 5 Hz), 3.00−3.10 (2H, m), 3.52 (2H, t, J=11 Hz), 3.92 (1H, q, J=7 Hz), 4.10−4.25 (4H, m), 4.55−4.65 (4H, m), 4.65 (1H, m), 5.00 (1H, d, J=4 Hz), 5.20−5.35 (6H, m), 5.80−5.95 (4H, m), 6.58 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.74 (1H, d, J=15 Hz), 6.85−7.00 (3H, m), 7.30−7.35 (2H, m), 7.40 (1H,dd, J=8, 1 Hz), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.90 (1H, s), 7.92 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3359, 2231, 1737, 1615, 1503
マススペクトル m/z (FAB): 868 (M+1)。
(5)ソジウム=(S)−3−アミノ−4−[4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−4−オキソブトキシ]−4−オキソブチラート(標記目的化合物)
(4)で得たアリル=(S)−3−(アリルオキシカルボニルアミノ)−4−[4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−4−オキソブトキシ]−4−オキソブチラート(200 mg, 2.30 x 10−4 mol)と、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(5 mg)を、ジクロロメタン(1 ml)に溶解させた。混合液に室温でピロリジン(65 mg, 9.4 x 10−4 mol)と水素化トリブチルスズ(67 mg, 2.3 x 10−4 mol)を加え室温で10分間攪拌した。混合液をトルエンで希釈し、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をメタノール−水3:1の混合溶媒にけん濁させ、陽イオン交換樹脂(Dowex 50W−8X, ナトリウム型, 1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて調製; 10 ml)に付し、水で溶出した。集めたフラクションを濃縮し、得られた残留物をCosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;10 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(1:1〜3:7)混合溶媒で溶出した。集めたフラクションを減圧下濃縮し、凍結乾燥することにより、標記目的化合物96.3 mg(収率55%)を非晶質の無色固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, DMSO−d)δppm: 1.24 (3H, d, J=7 Hz), 1.82 (2H, quint, J=7 Hz), 2.12 (1H, dd, J=15, 8 Hz), 2.22 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 2.30−2.50 (2H, m), 2.98 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.40−3.50 (3H, m), 3.59 (1H, q, J=7 Hz), 4.00−4.10 (4H, m), 5.06 (1H, d, J=5 Hz), 5.24 (1H, d, J=15 Hz), 5.40 (1H, br d, J=15 Hz), 5.90 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.59 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.83 (1H, d, J=15 Hz), 7.10−7.20 (1H, m), 7.20 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 7.25−7.35 (1H, m), 7.45−7.55 (1H, m), 7.67 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.84 (1H, dd, J=11, 1 Hz), 7.89 (1H, t, J=7 Hz), 8.05 (1H, s), 8.42 (1H, s)
マススペクトル m/z (FAB): 766 (M+1)。
【0492】
【実施例21】
ジソジウム=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−6−メトキシベンジル=ホスファート(例示番号5−24の二ナトリウム塩)
【0493】
【化112】
Figure 0003630326
【0494】
(1)3−メトキシ−1,2−ベンゼンジメタノール
4−メトキシ−1(3H)−イソベンゾフラノン(J. Org. Chem., 52巻, 129頁(1987年)に記載;1.64 g, 10.0 mmol)のテトラヒドロフラン(30 ml)溶液を0℃にて攪拌している中へ、水素化ホウ素リチウム(652.2 mg, 30 mmol)を加え、混合物を加熱還流下、2時間半撹拌した。室温に冷却した後、2N塩酸水溶液(20 ml)を加えた。生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。抽出液を減圧下濃縮し固体の残留物を得た。シリカゲル30gを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:1〜4:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物1.31 g(収率78%)を、融点95℃を有する無色固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :2.6 (2H, br), 3.87 (3H, s), 4.75 (2H, s), 4.86 (2H, s), 6.91 (1H, d, J=8 Hz), 6.98 (1H, d, J=8 Hz), 7.28 (1H, t, J=8 Hz)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3275, 1588, 1262, 1043, 1010, 787
マススペクトル m/z (EI): 168 (M)。
(2)2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]−6−メトキシベンジルアルコール
(1)で得た3−メトキシ−1,2−ベンゼンジメタノール(1.30 g, 7.73 mmol)をテトラヒドロフラン(15 ml)に溶かし、0℃に冷却し攪拌している中へ、イミダゾール(526.2 mg, 7.73 mmol)、及びtert−ブチルクロロジメチルシラン(1.165 g, 7.73 mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌後、水を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残留物を、シリカゲル60 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:4)混合溶媒で溶出し、標記化合物1.156 g(収率53%)を油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :0.11 (6H, s), 0.91 (9H, s), 3.03 (1H, br), 3.86 (3H, s), 4.77 (2H, s), 4.79 (2H, s), 6.88 (1H, d, J=8 Hz), 6.94 (1H, d, J=8 Hz), 7.24 (1H, t, J=8 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2957, 2931, 1588, 1472, 1463, 1264
マススペクトル m/z (FAB): 283 (M+1)。
(3)ジアリル=2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]−6−メトキシベンジル=ホスファート
(2)で得た2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]−6−メトキシベンジルアルコール(1.13 g, 4.00 mmol)、テトラゾール(672.3 mg, 9.6 mmol)、ビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(Tetrahedron Lett., 30巻, 4219頁(1989年)に記載;1.37 g, 5.6 mmol)、及びtert−ブチルヒドロペルオキシド(80%ジ−tert−ブチルペルオキシド溶液;メルク製;0.9 g, 8 mmol)を実施例1−(10)と同様な方法で反応させ処理することにより、抽出して油状の残留物を得た。これをシリカゲル60 gを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒(1:6〜1:2)で溶出し、標記化合物1.07 g(収率60%)を、無色油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :0.10 (6H, s), 0.93 (9H, s), 3.84 (3H, s), 4.49−4.52 (4H, m), 4.86 (2H, s), 5.22 (2H, dd, J=10, 1 Hz), 5.25 (2H, d, J=6 Hz), 5.33 (2H, dd, J=17, 1 Hz), 5.91 (2H, ddt, J=17, 10, 5 Hz), 6.83 (1H, d, J=8 Hz), 7.12 (1H, d, J=8 Hz), 7.33 (1H, t, J=8 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2956, 2931, 1591, 1472, 1270, 1015
マススペクトル m/z (FAB): 443 (M+1)。
(4)ジアリル=2−(ヒドロキシメチル)−6−メトキシベンジル=ホスファート
(3)で得たジアリル=2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]6−メトキシベンジル=ホスファート(1.03 g, 2.33 mmol)のテトラヒドロフラン(10 ml)溶液に、テトラブチルアンモニウム=フルオリド(1Nテトラヒドロフラン溶液;2.5 ml, 2.5 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。水を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した後、溶媒を減圧下留去して油状の残留物を得た。これを、シリカゲル50 gを用いるカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(3:1〜1:0)混合溶媒で溶出して、標記化合物715.0 mg(収率93%)を、無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :3.3 (1H, br), 3.86 (3H, s), 4.42−4.50 (4H, m), 4.75 (2H, s), 5.22 (2H, d−like, J=10 Hz), 5.32 (2H, d−like, J=17 Hz), 5.34 (2H, d, J=10 Hz), 5.89 (2H, ddt, J=17, 10, 6 Hz), 6.88 (1H, d, J=8 Hz), 7.06 (1H, d, J=8 Hz), 7.35 (1H, t, J=8 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 3385, 1473, 1463, 1271, 1021, 989
マススペクトル m/z (FAB): 329 (M+1)。
(5)2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−メトキシ安息香酸
(4)で得たジアリル=2−(ヒドロキシメチル)−6−メトキシベンジル=ホスファート(715.0 mg, 2.18 mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(8 ml)に溶かし、二クロム酸ピリジニウム(2.87 g, 7.63 mmol)を加えた。混合物を室温で12時間撹拌後、水(60 ml)を加え、生成物をジエチルエーテルで抽出した。有機層を水、2N塩酸水溶液、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧下留去して油状の残留物を得た。これを、アセトン(5 ml)に溶解し、Jones試薬(無水クロム酸(5.34 g;4 mmol)と濃硫酸(4.6 ml)の混合物を水で全量が20 mlになるように希釈したもの;1.5 ml)を加えた。室温で1.5時間撹拌した後、2−プロパノール(1 ml)を加え、反応を停止した。固体の不溶物をろ過して除去した後、溶媒を減圧下濃縮し、油状の残留物を得た。これを真空ポンプでよく乾燥した後、シリカゲル25 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ジクロロメタン(1:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物447.0 mg(収率60%)を無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :3.89 (3H, s), 4.47−4.57 (4H, m), 5.21 (2H, d−like, J=10 Hz), 5.32 (2H, d−like, J=17 Hz), 5.53 (2H, d, J=8 Hz), 5.90 (2H, ddt, J=17, 10, 6 Hz), 7.07 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.41 (1H, t, J=8 Hz), 7.48 (1H, d, J=8 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1725, 1587, 1461, 1272, 1021, 989
マススペクトル m/z (FAB): 343 (M+1)。
(6)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−メトキシベンゾアート
【0495】
【化113】
Figure 0003630326
【0496】
(5)で得た2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−メトキシ安息香酸(440 mg, 1.29 mmol)及び塩化オキサリル(815.8 mg, 6.4 mmol)を、実施例1−(12)と同様な方法で反応させ処理することにより、粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−メトキシベンゾイル=クロリドを得た。
【0497】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(542.6 mg, 1.00 mmol)、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;52.4 mg, 1.20 mmol)、及び、上で得た粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−メトキシベンゾイル=クロリドを、テトラヒドロフラン(7 ml)中、実施例1−(12)と同様な方法で反応させ処理することにより、抽出後、標記化合物の粗製品を油状物として得た。それを、シリカゲル30 gを用いるカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:1〜4:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物425.5 mg(収率49%)を得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.44 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.04 (1H, tt, J=12, 5 Hz), 3.45 (1H, t, J=12 Hz), 3.51 (1H, t, J=12 Hz), 3.89 (3H, s), 3.98 (1H, q, J=7 Hz), 4.09 (1H, ddd, J=12, 5, 2 Hz), 4.18 (1H, ddd, J=12, 5, 2 Hz), 4.43−4.55 (4H, m), 4.96 (1H, d, J=4 Hz), 5.19 (2H, dd, J=10, 1 Hz), 5.31 (2H, dq, J=17, 1 Hz), 5.43−5.55 (4H, m), 5.83 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.84−5.94 (2H, m), 6.56 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.73 (1H, d, J=16 Hz), 6.93 (1H, dd, J=16, 10 Hz), 6.86−7.00 (2H, m), 7.12 (1H, d, J=8 Hz), 7.16 (1H, d, J=8 Hz), 7.34 (1H, dd, J=9, 1 Hz), 7.39 (2H, t, J=8 Hz), 7.48 (1H, td, J=9, 6 Hz), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.93 (1H, s), 8.00 (1H, s)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2233, 1731, 1504, 1462, 1277, 1141, 1059, 1018, 991
マススペクトル m/z (FAB): 867 (M+1)。
(7)ジソジウム=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−6−メトキシベンジル=ホスファート(標記目的化合物)
(6)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−メトキシベンゾアート(400 mg, 0.46 mmol)を、実施例1−(13)と同様な方法で、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(16.2 mg, 0.023 mmol)及び水素化トリブチルスズ(308.9 mg, 1.06 mmol)と反応させ処理することにより、標記目的化合物の粗製品を油状物として得た。これをCosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;30 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(4:6〜3:7)混合溶媒で溶出した。得られたフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、標記目的化合物93.5 mg(収率24%)を無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm :1.42 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.00 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.46 (1H, t, J=11 Hz), 3.52 (1H, t, J=11 Hz), 3.88 (3H, s), 4.01−4.77 (2H, m), 4.15 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 5.00 (1H, d, J=4 Hz), 5.28 (1H, dd, J=10, 4 Hz), 5.32 (1H, dd, J=10, 4 Hz), 5.58 (1H, dd, J=15, 3 Hz), 5.68 (1H, d, J=15 Hz), 5.84 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.56 (1H, dd, J=11, 15 Hz), 6.78 (1H, d, J=15 Hz), 6.99−7.13 (2H, m), 7.08 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 7.21 (1H, d, J=7 Hz), 7.30 (1H, d, J=7 Hz), 7.36 (1H, t, J=8 Hz), 7.51 (1H, t, J=8 Hz), 7.52 (1H, t, J=8 Hz), 7.62−7.70 (1H, m), 7.78 (1H, t, J=8 Hz), 7.97 (1H, s), 8.62 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2231, 1730, 1615, 1503, 1278, 1142, 1054マススペクトル m/z (FAB): 831 (M+1)
比旋光度[α] 25 +15.4°(c=0.84, MeOH)。
【0498】
【実施例22】
ジソジウム=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−6−メチルベンジル=ホスファート(例示番号5−23の二ナトリウム塩)
【0499】
【化114】
Figure 0003630326
【0500】
(1)3−メチル−1,2−ベンゼンジメタノール
2,6−ジメチル安息香酸メチル(J. Am. Chem. Soc., 99巻, 6405頁(1977年) に記載; 23.4 g, 143 mmol)のジクロロエタン( 200 ml)溶液にN−ブロモスクシンイミド(25.46 g, 143 mmol)及びα,α’−アゾビスイソブチロニトリル(234.8 mg, 1.43 mmol)を加え、混合物に可視光(タングステンランプ,375 W)を1時間照射した。混合物を冷却後、析出物を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた油状の残留物を、シリカゲル200 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:10)混合溶媒で溶出し、2−(ブロモメチル)−6−メチル安息香酸メチルを約50%含む油状混合物を得た。これをジメチルスルホキシド(150 ml)に溶解し、酢酸ナトリウム(16.4 g, 0.2 mol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、抽出液を減圧下濃縮し油状の残留物を得た。これをシリカゲル200gを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:10〜1:3)混合溶媒で溶出し、2−(アセトキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル8.09 g(含量>80%)を、無色油状物質として得た。得られた2−(アセトキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルはそれ以上精製することなく次の反応に用いた。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :2.07 (3H, s), 2.38 (3H, s), 3.92 (3H, s), 5.15 (2H, s), 6.99−7.12 (3H, m)。
【0501】
上で得た2−(アセトキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルをメタノール(80 ml)に溶解し、炭酸カリウム(251.5 mg, 1.8 mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌後、2N塩酸水溶液(3 ml)を加え、減圧下溶媒を留去した。得られた固体の残留物を酢酸エチルに溶解し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。溶媒を減圧下留去し、得られた固体の残留物を、シリカゲル100 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:2)混合溶媒で溶出し、7−メチル−1(3H)−イソベンゾフラノン5.18 g(含量>80%)を得た。得られた7−メチル−1(3H)−イソベンゾフラノンはそれ以上精製することなく次反応に用いた。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :2.71 (3H, s), 5.23 (2H, s), 7.25−7.30 (2H, m), 7.56 (1H, t, J=8 Hz)。
【0502】
上で得た7−メチル−1(3H)−イソベンゾフラノンのテトラヒドロフラン(80 ml)溶液を0℃に冷却し、水素化ホウ素リチウム(1.90 g, 87.2 mmol)を加えた。混合物を60℃で2時間半撹拌後、0℃に冷却し、2N塩酸水溶液(50 ml)を少しずつ加えた。生成物を酢酸エチルで抽出した後、溶媒を減圧下留去し油状の残留物を得た。これを、シリカゲル75gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:1〜1:0)混合溶媒で溶出し、標記化合物4.17 g(2,6−ジメチル安息香酸メチルからの通算収率19%)を、無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :2.45 (3H, s), 4.76 (2H, s), 4.79 (2H, s), 7.17−7.22 (3H, m)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 3605, 1469, 1380, 1002
マススペクトル m/z (EI): 152 (M)。
(2)2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]−6−メチルベンジルアルコール
(1)で得た3−メチル−1,2−ベンゼンジメタノール(4.16 g, 27.3 mmol)のテトラヒドロフラン(50 ml)溶液を0℃に冷却し、イミダゾール(1.86 g, 27.3 mmol)とtert−ブチルクロロジメチルシラン(4.12 g, 27.3 mmol)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌後、水を加え生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧下で留去し、得られた残留物を、シリカゲル120 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:4)混合溶媒で溶出し、標記化合物4.93 g(収率68%)を無色油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :0.13 (6H, s), 0.92 (9H, s), 2.46 (3H, s), 3.04 (1H, t, J=6 Hz), 4.72 (2H, d, J=6 Hz), 4.80 (2H, s), 7.11 (1H, dd, J=6, 2 Hz), 7.15−7.19 (2H, m)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 3459, 1732, 1599, 1471, 1257, 1061, 1038, 1005, 840
マススペクトル m/z (FAB): 267 (M+1)。
(3)ジアリル=2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]−6−メチルベンジル=ホスファート
(2)で得た2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]−6−メチルベンジルアルコール(4.92 g, 18.5 mmol)、テトラゾール(3.23 g, 46.2 mmol)、ビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(Tetrahedron Lett., 30巻, 4219頁(1989年)に記載;5.43 g, 22.2 mmol)、及びtert−ブチルヒドロペルオキシド(80%ジ−tert−ブチルペルオキシド溶液;メルク製;1.8 g, 16 mmol)を、実施例1−(10)と同様な方法で反応させ処理することにより、抽出して油状の残留物を得た。これを、シリカゲル200 gを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒(1:4〜2:3)で溶出し、標記化合物6.03 g(収率74%)を、無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :0.09 (6H, s), 0.93 (9H, s), 2.44 (3H, s), 4.45−4.51 (4H, m), 4.86 (2H, s), 5.20−5.25 (4H, m), 5.32 (2H, dq, J=17, 1 Hz), 5.89 (2H, ddt, J=17, 10, 6 Hz), 7.13 (1H, d, J=7 Hz), 7.25 (1H, t, J=7 Hz), 7.32 (1H, d, J=7 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1598, 1732, 1471, 1464, 1258, 1005
マススペクトル m/z (FAB): 427 (M+1)。
(4)ジアリル=2−(ヒドロキシメチル)−6−メチルベンジル=ホスファート
(3)で得たジアリル=2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]6−メチルベンジル=ホスファート(6.02 g, 14.1 mmol)のテトラヒドロフラン(50 ml)溶液に、テトラブチルアンモニウム=フルオリド(1mol/l テトラヒドロフラン溶液;17.6 ml, 17.6 mmol)を加え、混合物を室温で3時間撹拌した。水を加え生成物を酢酸エチルで抽出した後、溶媒を減圧下留去して油状の残留物を得た。これを、シリカゲル75 gを用いるカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(3:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物3.84 g(収率87%)を、無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :2.46 (3H, s), 3.33 (1H, t, J=6 Hz), 4.36−4.49 (4H, m), 4.75 (2H, d, J=6 Hz), 5.22 (2H, br d, J=11 Hz), 5.30 (2H, dq, J=17, 1 Hz), 5.32 (2H, d, J=10 Hz), 5.86 (2H, ddt, J=17, 11, 5 Hz), 7.18 (1H, t, J=4 Hz), 7.26−7.28 (2H, m)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 3607, 1732, 1598, 1466, 1266, 1006
マススペクトル m/z (FAB): 313 (M+1)。
(5)2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−メチル安息香酸
(4)で得たジアリル=2−(ヒドロキシメチル)−6−メチルベンジル=ホスファート(1.22 g, 4.02 mmol)のアセトン(25 ml)溶液を0℃に冷却し、Jones試薬(無水クロム酸(5.34 g)と濃硫酸(4.6 ml)の混合物を水で全量が20 mlになるように希釈したもの;6 ml, 約 16 mmol)を加えた。混合物を室温で2時間半撹拌後、2−プロパノール(1 ml)を加え反応を停止した。不溶物を濾別した後、溶媒を減圧下濃縮し油状の残留物を得た。これを真空ポンプでよく乾燥した後、シリカゲル50 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ジクロロメタン(1:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物905.3 mg(収率71%)を無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :2.49 (3H, s), 4.43−4.55 (4H, m), 5.22 (2H, dd, J=10, 1 Hz), 5.32 (2H, dq, J=17, 1 Hz), 5.53 (2H, d, J=8 Hz), 5.88 (2H, ddt, J=17, 10, 6 Hz), 7.34 (1H, t, J=7 Hz), 7.38 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.72 (1H, d, J=8 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2960, 1725, 1271, 1012
マススペクトル m/z (FAB): 327 (M+1)。
(6)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−メチルベンゾアート
(5)で得た2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−メチル安息香酸(880 mg, 2.70 mmol)のジクロロメタン(15 ml)溶液を0℃に冷却し、N,N−ジメチルホルムアミド(15μl)及び塩化オキサリル(1.71 g, 13.5 mmol)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌後、実施例1−(12)と同様な方法で処理することにより、粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−メチルベンゾイル=クロリドを得た。
【0503】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(976.6 mg, 1.80 mmol)、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;94.2 mg, 1.96 mmol)、及び、上で得た粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−メチルベンゾイル=クロリドを、テトラヒドロフラン(10 ml)中、実施例1−(12)と同様な方法で反応させ処理することにより、抽出後、標記化合物の粗製品を油状物として得た。これを、シリカゲル100 gを用いるカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(3:2〜4:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物1.0641 g(収率69%)を薄黄色のアモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.44 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.51 (3H, s), 3.04 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.45 (1H, t, J=11 Hz), 3.51 (1H, t, J=11 Hz), 4.00 (1H, q, J=7 Hz), 4.09 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.19 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.42−4.55 (4H, m), 4.96 (1H, d, J=5 Hz), 5.19 (2H, br d, J=10 Hz), 5.30 (2H, br d, J=18 Hz), 5.43−5.56 (4H, m), 5.83 (1H, dd, J=16, 5 Hz), 5.82−5.92 (2H, m), 6.55 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=16 Hz), 6.86−6.99 (3H, m), 7.30−7.35 (2H, m), 7.39−7.43 (3H, m), 7.48 (1H, td, J=9, 6 Hz), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.94 (1H, s), 8.00 (1H, s)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2233, 1727, 1616, 1504, 1419, 1387, 1276, 1141, 1211
マススペクトル m/z (FAB): 851 (M+1)。
(7)ジソジウム=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−6−メチルベンジル=ホスファート(標記目的化合物)
(6)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−メチルベンゾアート(592.2 mg, 0.70 mmol)を、実施例1−(13)と同様な方法で、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(24.4 mg, 0.035 mmol)及び水素化トリブチルスズ(706 mg, 2.43 mmol)と反応させ処理することにより、標記目的化合物の粗製品を油状物として得た。これをCosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;30 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(4:6〜3:7)混合溶媒で溶出した。得られたフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、標記目的化合物323.2 mg(収率57%)を無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm :1.41 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.58 (3H, s), 2.99 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.45 (1H, t, J=11 Hz), 3.52 (1H, t, J=11 Hz), 4.03 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.08 (1H, q, J=7 Hz), 4.14 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.99 (1H, d, J=5 Hz), 5.15 (1H, dd, J=11, 4 Hz), 5.30 (1H, dd, J=11, 4 Hz), 5.51 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.69 (1H, d, J=15 Hz), 5.83 (1H, dd, J=16, 5 Hz), 6.55 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.77 (1H, d, J=15 Hz), 7.01−7.11 (3H, m), 7.27 (1H, t, J=8 Hz), 7.41 (1H, d, J=7 Hz), 7.49−7.54 (3H, m), 7.64 (1H, td, J=9, 6 Hz), 7.77 (1H, t, J=8 Hz), 7.98 (1H, s), 8.60 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2231, 1725, 1615, 1503, 1276, 1141, 1048, 974
マススペクトル m/z (FAB): 815 (M+1)
比旋光度[α] 25 +16.3°(c=1.01, MeOH)。
【0504】
【実施例23】
(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=5−(N,N−ジエチルアミノ)−4−ヒドロキシバレラート(例示番号4−48)
【0505】
【化115】
Figure 0003630326
【0506】
(1)4−メトキシベンジル=4−(アリルオキシカルボニルオキシ)−5−(N,N−ジエチルアミノ)バレラート
5−(N,N−ジメチルアミノメチル)−テトラヒドロフラン−2−オン(Bull. Soc. Chim. Fr., 401頁(1953年)に記載; 500 mg, 2.94 mmol)を1N水酸化カリウム水溶液(3 ml)に溶解し、30分間室温で攪拌した。混合物を減圧乾燥し、残留物(670 mg)を無色油状物として得た。得られた油状物の一部(139 mg, 6.11 x 10−4 mol)をジメチルホルムアミド(0.8 ml)に溶解し、4−メトキシベンジルクロリド(100 mg, 6.49 x 10−4 mol)を加え、100℃で30分間攪拌した。混合液を0℃に冷却し、クロロギ酸アリル(80 mg, 6.6 x 10−4 mol)と4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(5 mg)を加えた。得られた混合物を室温で2時間攪拌した後、酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物を、シリカゲル5gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(3:2)混合溶媒で溶出し、標記化合物125 mg(収率52%)を無色油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :0.98 (6H, t, J=7 Hz), 1.80−1.90 (1H, m), 2.05−2.15 (1H, m), 2.40−2.60 (8H, m), 3.81 (3H, s), 4.55−4.65 (2H, m), 4.75−4.85 (1H, m), 5.05 (2H, s), 5.25 (1H, d−like, J=10 Hz), 5.34 (1H, d−like, J=18 Hz), 5.92 (1H, ddt, J=18, 10, 6 Hz), 6.88 (2H, d, J=9 Hz), 7.29 (2H, d, J=9 Hz)
IRスペクトルνmax neat cm−1: 1743, 1614, 1516, 1257
マススペクトル m/z (FAB): 394 (M+1)。
【0507】
(2)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=4−(アリルオキシカルボニルオキシ)−5−(N,N−ジエチルアミノ)バレラート
(1)で得た4−メトキシベンジル=4−(アリルオキシカルボニルオキシ)−5−(N,N−ジエチルアミノ)バレラート(120 mg, 3.05 x 10−4 mol)とアニソール(0.1 ml)の混合物にトリフルオロ酢酸(1.2 ml)を室温で加えた。混合物を室温で1時間攪拌した後、トルエンで希釈し、減圧下溶媒を留去した。残留物をジクロロメタン(0.6 ml)に溶解し、N,N−ジメチルホルムアミド(0.02 ml)と塩化オキサリル(100 mg)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した後、トルエンを加え減圧下溶媒を留去し、粗製の4−(アリルオキシカルボニルオキシ)−5−(N,N−ジエチルアミノ)バレリル=クロリドを得た。
【0508】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(346 mg, 6.38 x 10−4 mol)をN,N−ジメチルホルムアミド(2 ml)に溶解し、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;30 mg, 6.9 x 10−4 mol)を室温で加え、混合物を1時間攪拌した。得られたけん濁混合物を0℃に冷却し、攪拌している中へ、上で得た粗製の4−(アリルオキシカルボニルオキシ)−5−(N,N−ジエチルアミノ)バレリル=クロリドを全量加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。冷却後、混合物を酢酸エチルと塩化アンモニウム水溶液に分配し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して得られた油状の残留物を、シリカゲル6 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−メタノール(1:0〜9:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物101 mg(収率20%)を淡黄色で非晶質の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm: 0.98 (3H, t, J=7 Hz), 0.99 (3H, t, J=7 Hz), 1.35 (3H, br d, J=7 Hz), 1.75−1.90 (1H, m), 2.00−2.20 (1H, m), 2.40−2.65 (8H, m), 3.03 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.45−3.55 (2H, m), 3.85−3.95 (1H, m), 4.15−4.25 (2H, m), 4.60−4.70 (2H, m), 4.70−4.85 (1H, m), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.26 (1H, d−like, J=10 Hz), 5.35 (2H,s), 5.37 (1H, d−like, J=18 Hz), 5.85 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.94 (1H, ddt, J=18, 10, 6 Hz), 6.58 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 6.74 (1H, d, J=16 Hz), 6.80−6.95 (3H, m), 7.30−7.45 (3H, m), 7.57 (1H, t, J=7 Hz), 7.90 (1/2H, s), 7.906 (1/2H, s), 7.91 (1/2H, s), 7.92 (1/2H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2232, 1744, 1616, 1504
マススペクトル m/z (FAB): 798 (M+1)。
【0509】
(3)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=5−(N,N−ジエチルアミノ)−4−ヒドロキシバレラート(標記目的化合物)
(2)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=4−(アリルオキシカルボニルオキシ)−5−(N,N−ジエチルアミノメチル)バレラート(95 mg, 1.2 x 10−4 mol)とビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(1 mg)をジクロロメタン(1.5 ml)に溶解した。混合物に水素化トリブチルスズ(52 mg, 1.8 x 10−4 mol)を5分かけてゆっくり室温で加えた。さらに室温で10分攪拌した後、混合液にヘキサンを加えた。析出した油状の不溶物を、上澄液をゆっくり取除くことにより分離した。さらにヘキサンで不溶物を2度洗浄した。得られた油状物を、シリカゲル3gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−メタノール(1:0〜7:3)混合溶媒で溶出し、さらにリサイクル分取HPLC[LC−908;日本分析工業製;GPCカラムJAIGEL−1H(20 mm i.d.× 600 mm)とJAIGEL−2H(20 mm i.d.× 600 mm)を直列につないで使用;溶媒,クロロホルム]で精製して、標記化合物78 mg(収率92%)を無色の非晶性の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.03 (6H, t, J=7 Hz), 1.35 (3H, br d, J=7 Hz), 1.50−1.80 (2H, m), 2.25−2.70 (8H, m), 3.06 (1H, tt, J=12, 4 Hz), 3.35−3.50 (1H, m), 3.52 (2H, t, J=12 Hz), 3.55−3.65 (1H, m), 3.80−3.95 (1H, m), 4.10−4.30 (2H, m), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.30−5.40 (2H, m), 5.85 (1H, dd, J=16, 4 Hz), 6.58 (1H, dd, J=16, 10 Hz), 6.74 (1H, d, J=16 Hz), 6.80−7.00 (3H, m), 7.30−7.45 (3H, m), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.91−7.96 (2H, m)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3430, 2232, 1742, 1616, 1504
マススペクトル m/z (FAB): 714 (M+1)。
【0510】
【実施例24】
ソジウム=ヒドロゲン=4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−1−(N,N−ジエチルアミノメチル)−4−オキソブチル=ホスファート(例示番号4−50)
【0511】
【化116】
Figure 0003630326
【0512】
(1)4−メトキシベンジル=4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシ]−5−(N,N−ジエチルアミノ)バレラート
実施例23−(1)と同様に、5−(N,N−ジメチルアミノメチル)−テトラヒドロフラン−2−オン(Bull. Soc. Chim. Fr., 401頁 (1953年)に記載; 200 mg, 1.17 mmol)を1N水酸化カリウム水溶液(1.17 ml)に溶解し、30分間室温で攪拌した。混合物を減圧乾燥した。得られた油状物をジメチルホルムアミド(1 ml)に溶解し、4−メトキシベンジルクロリド(200 mg, 1.28 mmol)を加え、90℃で30分間攪拌した。混合液を0℃に冷却し、テトラゾール(420 mg, 6.0 mmol)とビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(Tetrahedron Lett., 30巻, 4219頁(1989年);368 mg, 1.5 mmol)を室温で加え、30分間撹拌した。得られた混合液にアリルアルコール(0.1 ml)を加えた。さらに混合物を1時間撹拌した後、tert−ブチルヒドロペルオキシド(ca. 5 M ノナン溶液, 0.4 ml, ca. 2 mmol)を0℃で加え、混合物を室温で30分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、混合物を10分間撹拌した後、酢酸エチルを加え有機層と水層に分配した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物を、シリカゲル6gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−メタノール(1:0〜9:1)混合溶媒で溶出し、さらにリサイクル分取HPLC[LC−908;日本分析工業製;GPCカラムJAIGEL−1H(20 mm i.d.× 600 mm)とJAIGEL−2H(20 mm i.d.× 600 mm)を直列につないで使用;溶媒,クロロホルム]で精製して、標記化合物286 mg(収率61%)を無色油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm : 0.98 (6H, t, J=7 Hz), 1.80−1.95 (1H, m), 2.10−2.25 (1H, m), 2.40−2.55 (7H, m), 2.67 (1H, dd, J=13, 6 Hz), 3.81 (3H, s), 4.40−4.60 (5H, m), 5.00−5.10 (2H, m), 5.22 (2H, d−like, J=10 Hz), 5.34 (2H, d−like, J=18 Hz), 5.92 (2H, ddt, J=18, 10, 6 Hz), 6.88 (2H, d, J=9 Hz), 7.29 (2H, d, J=9 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1730, 1613, 1516, 1254
マススペクトル m/z (FAB): 470 (M+1)。
【0513】
(2)ジアリル=4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−1−(N,N−ジエチルアミノメチル)−4−オキソブチル=ホスファート(1)で得た4−メトキシベンジル=4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシ]−5−(N,N−ジエチルアミノ)バレラート(275 mg, 5.75 x 10−4 mol)とアニソール(0.2 ml)の混合物にトリフルオロ酢酸(2.7 ml)を室温で加えた。混合物を室温で30分間攪拌した後、トルエンで希釈し、減圧下溶媒を留去した。残留物をジクロロメタン(2 ml)に溶解し、N,N−ジメチルホルムアミド(0.02 ml)と塩化オキサリル(200 mg)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した後、トルエンを加え減圧下溶媒を留去し、粗製の4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシ]−5−(N,N−ジエチルアミノ)バレリル=クロリドを得た。
【0514】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(624 mg, 1.15 mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(4 ml)に溶解し、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;52 mg, 1.2 mmol)を室温で加え、混合物を1時間攪拌した。得られたけん濁混合物を0℃に冷却し、攪拌している中へ、上で得た粗製の4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシ]−5−(N,N−ジエチルアミノ)バレリル=クロリドを全量加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。冷却後、混合物を酢酸エチルと塩化アンモニウム水溶液に分配し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して得られた油状の残留物を、シリカゲル12 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−メタノール(1:0〜9:1)混合溶媒で溶出し、さらにリサイクル分取HPLC[LC−908;日本分析工業製;GPCカラムJAIGEL−1H(20 mm i.d.× 600 mm)とJAIGEL−2H(20 mm i.d.× 600 mm)を直列につないで使用;溶媒,クロロホルム]で精製して、標記化合物210 mg(収率21%)を無色で非晶質の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm: 0.99 (3H, t, J=7 Hz), 1.00 (3H, t, J=7 Hz), 1.35 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 1.75−1.95 (1H, m), 2.05−2.15 (1H, m), 2.40−2.75 (8H, m), 2.95−3.10 (1H, m), 3.45−3.55 (2H, m), 3.85−3.95 (1H, m), 4.10−4.30 (2H, m), 4.35−4.50 (1H, m), 4.50−4.65 (4H, m), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.26 (2H, d−like, J=10 Hz), 5.25−5.45 (4H,m), 5.85 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.95 (2H, ddt, J=18, 10, 6 Hz), 6.58 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.74 (1H, d, J=16 Hz), 6.80−6.95 (3H, m), 7.30−7.50 (3H, m), 7.57 (1H, t, J=7 Hz), 7.90−7.92 (2H, m)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2233, 1742, 1616, 1504
マススペクトル m/z (FAB): 874 (M+1)。
【0515】
(3)ソジウム=ヒドロゲン=4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−1−(N,N−ジエチルアミノメチル)−4−オキソブチル=ホスファート(標記目的化合物)
(2)で得たジアリル=4−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−1−(N,N−ジエチルアミノメチル)−4−オキソブチル=ホスファート(175 mg, 2.00 x 10−4 mol)とビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(2 mg)をジクロロメタン(2 ml)に溶解した。混合物に水素化トリブチルスズ(145 mg, 5.0 x 10−4 mol)を15分かけてゆっくり室温で加えた。さらに室温で10分攪拌した後、混合液にヘキサンを加えた。析出した油状の不溶物を、上澄液をゆっくり取除くことにより分離した。さらにヘキサンで不溶物を2度洗浄した。得られた油状物をメタノール(2 ml)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(0.5 ml)を加え、けん濁液を15時間室温で攪拌した。均一になった混合溶液を減圧下濃縮した。残留物をメタノールに溶解し、不溶物を除去した。減圧下溶媒を留去し、得られた残留物をCosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;10 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(1:1〜3:7)混合溶媒で溶出した。得られたフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、標記目的化合物80.2 mg(収率46%)を無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :0.95−1.20 (9H, m), 1.50−1.70 (2H, m), 2.05−2.30 (1H, m), 2.35−2.50 (1H, m), 2.50−3.45 (9H, m), 3.45−3.60 (1H, m), 3.80−4.05 (2H, m), 4.15−4.40 (1H, m), 4.95−5.50 (4H, m), 6.05−6.20 (1H, m), 6.20−6.35 (1H, m), 6.50−6,90 (3H, m), 7.05−7.50 (4H, m), 7.85−7.95 (1H, m), 8.00−8.15 (1, m)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3411, 2232, 1741, 1616, 1504
マススペクトル m/z (FAB): 816 (M+1)。
【0516】
【実施例25】
ジソジウム=[8−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−1−ナフチル]メチル=ホスファート(例示番号5−41の二ナトリウム塩)
【0517】
【化117】
Figure 0003630326
【0518】
(1)ジアリル=[8−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]−1−ナフチル]メチル=ホスファート
【0519】
【化118】
Figure 0003630326
【0520】
[8−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]−1−ナフチル]メタノール(Aust. J. Chem., 49巻, 793頁(1996年)に記載;4.04 g, 13.4 mmol)、テトラゾール(2.34 g, 33.4 mmol)、ビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(Tetrahedron Lett., 30巻, 4219頁(1989年)に記載;3.93 g, 16.0 mmol)、及びtert−ブチルヒドロペルオキシド(80%ジ−tert−ブチルペルオキシド溶液;メルク製;1.8 g, 16 mmol)を実施例1−(10)と同様な方法で反応させ処理することにより、抽出して油状の残留物を得た。これを、シリカゲル120 gを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒(1:5〜1:2)で溶出し、標記化合物5.02 g(収率81%)を、無色油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm : 0.03 (6H, s), 0.87 (9H, s), 4.37−4.45 (4H, m), 5.16 (2H, br d, J=10 Hz), 5.24 (2H, dq, J=18, 1 Hz), 5.25 (2H, s), 5.80 (2H, d, J=10 Hz), 5.77−5.86 (2H, m), 7.44−7.48 (2H, m), 7.61 (1H, dd, J=7, 1 Hz), 7.69 (1H, dd, J=7, 1 Hz), 7.84 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.89 (1H, dd, J=7, 1 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1732, 1471, 1464, 1259, 1027, 999
マススペクトル m/z (FAB): 463 (M+1)。
(2)ジアリル=[8−(ヒドロキシメチル)−1−ナフチル]メチル=ホスファート
【0521】
【化119】
Figure 0003630326
【0522】
(1)で得たジアリル=[8−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]−ナフタレン−1−イル]メチル=ホスファート(5.01 g, 10.8 mmol)のテトラヒドロフラン(50 ml)溶液に、テトラブチルアンモニウム=フルオリド(1mol/l テトラヒドロフラン溶液;13.5 ml, 13.5 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。水を加え生成物を酢酸エチルで抽出した後、溶媒を減圧下留去して油状の残留物を得た。これを、シリカゲル75 gを用いるカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(3:1〜4:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物2.22 g(収率59%)を、無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :4.41−4.46 (4H, m), 5.18 (2H, br d, J=10 Hz), 5.19 (2H, s), 5.26 (2H, br d, J=17 Hz), 5.82 (2H, d, J=9 Hz), 5.84 (2H, ddt, J=17, 10, 6 Hz), 7.47 (1H, t, J=7 Hz), 7.49 (1H, t, J=7 Hz), 7.61 (1H, dd, J=7, 1 Hz), 7.71 (1H, dd, J=7, 1 Hz), 7.88 (1H, d, J=7 Hz), 7.92 (1H, d, J=7 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 3603, 1732, 1270, 1028, 990
マススペクトル m/z (FAB): 349 (M+1)。
(3)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=8−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−1−ナフトアート
【0523】
【化120】
Figure 0003630326
【0524】
(2)で得たジアリル=(8−ヒドロキシメチル−1−ナフチル)メチル=ホスファート(1.1491 g, 3.30 mmol)のアセトン(20 ml)溶液にJones試薬(無水クロム酸(5.34 g)と濃硫酸(4.6 ml)の混合物を水で全量が20 mlになるように希釈したもの;5 ml, c.a. 13.2 mmol)を加えた。混合物を室温で90分間撹拌後、0℃に冷却し2−プロパノール(0.5 ml)を加え反応を停止した。不溶物を濾別した後、溶媒を減圧下濃縮し油状の残留物を得た。これを真空ポンプでよく乾燥した後、シリカゲル30 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ジクロロメタン(1:10〜3:10)混合溶媒で溶出して、粗製の8−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−1−ナフトエ酸を油状物として得た。これをジクロロメタン(10 ml)に溶解し、塩化オキサリル(1 g, 7.88 mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(15μl)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌後、実施例1−(12)と同様な方法で処理することにより、粗製の8−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−1−ナフトイル=クロリドを得た。参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(542.7 mg, 1.0 mmol)、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;43 mg, 1.0 mmol)、及び、上で得た粗製の8−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−1−ナフトイル=クロリドを、テトラヒドロフラン(5 ml)中、実施例1−(12)と同様な方法で反応させ処理することにより、抽出後、標記化合物の粗製品を油状物として得た。これを、シリカゲル50 gを用いるカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1〜5:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物459.2 mg(収率52%)を薄黄色アモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.47 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.18 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.46 (1H, t, J=11 Hz), 3.55 (1H, t, J=11 Hz), 4.20 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.22−4.42 (6H, m), 4.94 (1H, d, J=4 Hz), 5.13 (2H, br d, J=11 Hz), 5.20 (2H, br d, J=18 Hz), 5.34 (1H, dd, J=14, 10 Hz), 5.43−5.56 (3H, m), 5.70−5.82 (3H, m), 6.50 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.70 (1H, d, J=15 Hz), 6.90 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.90−6.95 (1H, m), 7.14 (1H, td, J=8, 3 Hz), 7.33 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.38−7.44 (3H, m), 7.56 (1H, t, J=8 Hz), 7.58 (1H, t, J=8 Hz), 7.79 (1H, s), 7.83−7.89 (3H, m), 8.01 (1H, s), 8.05 (1H, dd, J=6, 3 Hz)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3431, 2230, 1718, 1615, 1503, 1274, 1143, 1039, 1011
マススペクトル m/z (FAB): 887 (M+1)。
(4)ジソジウム=[8−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−1−ナフチル]メチル=ホスファート(標記目的化合物)(3)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=8−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−1−ナフトアート(450.3 mg, 0.51 mmol)を、実施例1−(13)と同様な方法で、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(17.9 mg, 0.026 mmol)及び水素化トリブチルスズ(443 mg, 1.52 mmol)と反応させ処理することにより、標記目的化合物の粗製品を油状物として得た。これをCosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;30 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(4:6〜3:7)混合溶媒で溶出した。得られたフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、標記目的化合物117.7 mg(収率27%)を無色の固体として得た。
【0525】
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm :1.48 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.15 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.49 (1H, t, J=11 Hz), 3.58 (1H, t, J=11 Hz), 4.17 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.24 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.34 (1H, q, J=7 Hz), 5.00 (1H, d, J=4 Hz), 5.21 (1H, dd, J=15, 8 Hz), 5.26 (1H, dd, J=15, 8 Hz), 5.59 (1H, dd, J=15, 3 Hz), 5.69 (1H, d, J=15 Hz), 5.82 (1H, dd, J=16, 4 Hz), 6.54 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 6.77 (1H, d, J=16 Hz), 7.02 (1H, ddd, J=13, 9, 3 Hz), 7.07 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 7.30 (1H, td, J=8, 3 Hz), 7.42 (1H, t, J=8 Hz), 7.49−7.54 (2H, m), 7.58 (1H, t, J=8 Hz), 7.70 (1H, d, J=7 Hz), 7.77 (1H, t, J=7 Hz), 7.84 (1H, d, J=8 Hz), 7.96 (1H, td, J=9, 6 Hz), 8.05 (1H, s), 8.09 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 8.19 (1H, d, J=7 Hz), 8.39 (1H, s)
マススペクトル m/z (FAB): 851 (M+1)
比旋光度[α] 25 +63.0°(c=0.61, MeOH)。
【0526】
【実施例26】
ジソジウム=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−4−メチルベンジル=ホスファート(例示番号5B−92の二ナトリウム塩)
【0527】
【化121】
Figure 0003630326
【0528】
(1)6−アミノ−1(3H)−イソベンゾフラノン
【0529】
【化122】
Figure 0003630326
【0530】
市販の6−ニトロ−1(3H)−イソベンゾフラノン(9.9 g, 55 mmol)をテトラヒドロフラン(20 ml)−メタノール(60 ml)混合溶媒に溶解し、5%パラジウム−炭素触媒(1.5 g)を加え、混合物を水素雰囲気下、室温にて20時間攪拌した。混合物を濾過し、固体を酢酸エチルとメタノールで順に洗った。濾液と洗液を合わせて濃縮し、得られた固体を酢酸エチルで洗浄し、標記化合物6.21 gを結晶性の固体として得た。洗液を濃縮し、残留物を酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒から結晶化させて、更なる標記化合物0.95 g(合計収率87%)を得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm :5.225 (2H, s), 7.060 (1H, d−like, J=2 Hz), 7.071 (1H, dd−like, J=9, 2 Hz), 7.288 (1H, d, J=9 Hz)
IRスペクトルνmax KBr cm−1:3473, 3372, 3278, 1735, 1631, 1504, 1330, 1059, 992。
(2)6−ブロモ−1(3H)−イソベンゾフラノン
(1)で得た6−アミノ−1(3H)−イソベンゾフラノン(3.0 g, 20 mmol)を47%臭化水素酸水溶液(15 ml)と水(15 ml)の混合物に溶かし、0℃に冷却し攪拌している中へ、亜硝酸ナトリウム(1.45 g, 21mmol)の水(7 ml)溶液をゆっくり加えた。さらに臭化銅(I)(3.6 g, 25 mmol)を47%臭化水素酸水溶液(10 ml)に溶かした溶液を加えた後、混合物を80℃で20分間攪拌した。混合物を冷却後、析出した生成物を濾過にて集め、水で洗浄した。得られた淡褐色の固体を酢酸エチルに溶解し、不溶物を濾過により除き、濾液を1N塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液、及び食塩水で順に洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過、濃縮して標記化合物3.57 g(収率84%)を結晶性の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :5.289 (2H, s), 7.391 (1H, d, J=8 Hz), 7.808 (1H, dd, J=8, 2 Hz), 8.068 (1H, d, J=2 Hz)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 1778, 1458, 1359, 1191, 1046, 998, 768
マススペクトル m/z (EI):214, 212 (M), 185, 183, 157, 155。
(3)6−メチル−1(3H)−イソベンゾフラノン
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(30 mg, 0.033 mmol)とトリ−o−トリルホスフィン(40 mg, 0.13 mmol)とテトラメチルスズ(600 mg, 3.35 mmol)をヘキサメチルホスホロアミド(0.6 ml)に溶かし、(2)で得た6−ブロモ−1(3H)−イソベンゾフラノン(144 mg, 0.676 mmol)を加え、混合物を50℃に2時間加熱した。冷却後、混合物を酢酸エチルで希釈し、水で2回、食塩水で2回、順に洗った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過、濃縮した。得られた残留物をシリカゲル(5 g)を用いたカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エチル(3:1)混合溶媒で溶出した。目的物を含む画分を濃縮し、得られた固体をヘキサンより再結晶して、標記化合物88.3 mg(収率88%)を結晶性の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :2.472 (3H, s), 5.284 (2H, s), 7.376 (1H, d, J=8 Hz), 7.497 (1H, d, J=8 Hz), 7.721 (1H, s)。
(4)2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−メチル安息香酸
(3)で得た6−メチル−1(3H)−イソベンゾフラノン(2.22 g, 14.98 mmol)を、実施例4−(5)と同様な方法で、水酸化ナトリウム(1N水溶液;14 ml, 14 mmol)、4−メトキシベンジル=クロリド(2.58 g, 16.5 mmol)、テトラゾール(2.10 g, 30 mmol)、ビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(5.52 g, 22.5 mmol)、及びtert−ブチルヒドロペルオキシドと順に反応させ、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン,1:2〜2:1)で精製して、4−メトキシベンジル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−メチルベンゾアートを得た。続いて実施例4−(6)と同様な方法でトリフルオロ酢酸で処理して、ヘキサンによる洗浄後、標記化合物2.37 g(収率48%)を無色の油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm:2.396 (3H, s), 4.69 (4H, dd−like, J=7, 6 Hz), 5.246 (2H, dd−like, J=10, 1.5 Hz), 5.364 (2H, dd−like, J=17, 1.5 Hz), 5.590 (2H, d, J=6.6 Hz), 5.938 (2H, ddt, J=17, 10, 7 Hz), 7.391 (1H, d, J=8 Hz), 7.545 (1H, d, J=8 Hz), 7.803 (1H, brs)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1695, 1267, 1167, 1030
マススペクトル m/z (FAB):327 (M+1)。
(5)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−メチルベンゾアート
4−メトキシベンジル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−メチルベンゾアート(690 mg, 1.54 mmol)を実施例4−(6)と同様な方法でトリフルオロ酢酸と処理し、粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−メチル安息香酸を得た。これを実施例4−(6)と同様な方法により塩化オキサリル及びN,N−ジメチルホルムアミドと処理することにより、粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−メチルベンゾイル=クロリドを得た。参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(670 mg, 1.23 mmol)を、実施例1−(12)と同様な方法により水素化ナトリウムで処理し、次いで上で得た粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−メチルベンゾイル=クロリド(全量)と反応させ処理することにより、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製後、標記化合物448 mg(収率43%)を淡黄色のアメ状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm:1.452 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.382 (3H, s), 3.092 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.481 (1H, t, J=11 Hz), 3.537 (1H, t, J=11 Hz), 4.016 (1H, q, J=7 Hz), 4.132 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.221 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.47−4.6 (4H, m), 4.981 (1H, d, J=4 Hz), 5.208 (2H, dq−like, J=11, 1 Hz), 5.26−5.46 (5H, m), 5.543 (1H, d, J=15 Hz), 5.836 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.912 (1H, ddt, J=16, 11, 5 Hz), 5.917 (1H, ddt, J=16, 11, 5 Hz), 6.559 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.728 (1H, d, J=16 Hz), 6.86−6.97 (3H, m), 7.335 (1H, dd, J=10, 1.5 Hz), 7.34−7.44 (1H, m), 7.402 (2H, d, J=8 Hz), 7.513 (1H, br s), 7.561 (1H, d, J=8 Hz), 7.571 (1H, t, J=10 Hz), 7.925 (1H, s), 7.932 (1H, s)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2233, 1764, 1721, 1616, 1504, 1276
マススペクトル m/z (FAB):851 (M+1)。
(6)ジソジウム=2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−4−メチルベンジル=ホスファート(標記目的化合物)
(5)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−5−メチルベンゾアート(420 mg, 0.494 mmol)を、実施例18−(2)と同様な方法で、ジクロロメタン中、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリフェニルホスフィン、及びピロリジンで処理した。反応混合物を同様に後処理し、抽出して得られた残留物を同様にCosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク)を用いた逆層カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(1:0〜7:3)混合溶媒で溶出した。集めたフラクションを濃縮し、得られた残留物を、同様に陽イオン交換樹脂(Dowex 50W−8X,ナトリウム型)に付し、水で溶出した。集めたフラクションを減圧下濃縮し、凍結乾燥することにより、標記目的化合物298 mg(収率74%)を非晶質で無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, DO)δppm:1.404 (3H, d, J=7 Hz), 2.327 (3H, s), 3.150 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.446 (1H, t, J=11 Hz), 3.565 (1H, t, J=11 Hz), 4.06 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.120 (1H, q, J=7 Hz), 4.22 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 5.015 (1H, d, J=4 Hz), 5.100 (1H, dd, J=16, 5 Hz), 5.302 (1H, dd, J=16, 5 Hz), 5,45 (1H, dd, J=14, 2 Hz), 5.625 (1H, d, J=14 Hz), 5.850 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.565 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.788 (1H, d, J=15 Hz), 7.024 (2H, t−like, J=ca.9 Hz), 7.092 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 7.35−7.40 (2H, m), 7.45−7.6 (3H, m), 7.785 (1H, t, J=8 Hz), 7.955 (1H, d, J=8 Hz), 8.028 (1H, s), 8.330 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3422, 2231, 1721, 1615, 1503, 1276, 1141, 1053, 975
マススペクトル m/z (FAB):815 (M+1)
高分解能マススペクトル m/z (FAB):C3633PSNa (M+1)として計算値:815.1504,実測値:815.1506。
【0531】
【実施例27】
ジソジウム=2−クロロ−6−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]ベンジル=ホスファート(例示番号5−45の二ナトリウム塩
【0532】
【化123】
Figure 0003630326
【0533】
(1)2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]−6−クロロベンジルアルコール
3−クロロ−1,2−ベンゼンジメタノール(J. Chem. Soc., 5050頁(1952年)に記載;3.02 g, 17.5 mmol)のテトラヒドロフラン(40 ml)溶液を0℃に冷却し、イミダゾール(1.19 g, 17.5 mmol)とtert−ブチルクロロジメチルシラン(2.64 g, 17.5 mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌後、水を加え生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧下で留去し得られた残留物を、シリカゲル100 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:5)混合溶媒で溶出し、標記化合物3.69 g(収率73%)を無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :0.13 (6H, s), 0.92 (9H, s), 2.93 (1H, t, J=7 Hz), 4.83 (2H, s), 4.86 (2H, d, J=7 Hz), 7.19−7.25 (2H, m), 7.37 (1H, dd, J=8, 2 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2959, 2931, 1732, 1257, 1049, 839
マススペクトル m/z (FAB): 287 (M+1)。
(2)ジアリル=2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]−6−クロロベンジル=ホスファート
(1)で得た2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]−6−クロロベンジルアルコール(3.66 g, 12.8 mmol)、テトラゾール(2.23 g, 31.9 mmol)、ビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(Tetrahedron Lett., 30巻, 4219頁(1989年)に記載;3.91 g, 16.0 mmol)、及びtert−ブチルヒドロペルオキシド(約80% ジ−tert−ブチルペルオキシド溶液;メルク製;1.8 g, 約16 mmol)を実施例1−(10)と同様の方法で反応させ処理することにより、抽出して油状の残留物を得た。これを、シリカゲル200 gを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒(1:5〜2:3)で溶出し、標記化合物4.52 g(収率79%)を、無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :0.11 (6H, s), 0.94 (9H, s), 4.51−4.55 (4H, m), 4.88 (2H, s), 5.23 (2H, br d, J=10 Hz), 5.30 (2H, d, J=7 Hz), 5.34 (2H, dq, J=17, 1 Hz), 5.91 (2H, ddt, J=17, 10, 5 Hz), 7.28−7.34 (2H, m), 7.44 (1H, d, J=7 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2956, 2931, 1259, 1018, 989, 839
マススペクトル m/z (FAB): 447 (M+1)。
(3)ジアリル=2−クロロ−6−(ヒドロキシメチル)ベンジル=ホスファート
(2)で得たジアリル=2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]6−クロロベンジル=ホスファート(4.41 g, 9.87 mmol)のテトラヒドロフラン(50 ml)溶液に、テトラブチルアンモニウム=フルオリド(1Nテトラヒドロフラン溶液;10 ml, 10 mmol)を加え、混合物を室温で40分間撹拌した。水を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した後、溶媒を減圧下留去して油状の残留物を得た。これを、シリカゲル50 gを用いるカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1〜3:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物2.71 g(収率83%)を、無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :3.49 (1H, t, J=6 Hz), 4.47−4.51 (4H, m), 4.78 (2H, d, J=6 Hz), 5.23 (2H, br d, J=10 Hz), 5.33 (2H, br d, J=18 Hz), 5.40 (2H, d, J=9 Hz), 5.89 (2H, ddt, J=18, 10, 6 Hz), 7.32 (1H, t, J=8 Hz), 7.37−7.40 (2H, m)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 3608, 1732, 1268, 1028, 987
マススペクトル m/z (FAB): 333 (M+1)。
(4)2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−クロロ安息香酸
(3)で得たジアリル=2−クロロ−6−(ヒドロキシメチル)ベンジル=ホスファート(2.62 g, 7.88 mmol)のアセトン(25 ml)溶液を0℃に冷却し、Jones試薬(無水クロム酸(5.34 g)と濃硫酸(4.6 ml)の混合物を水で全量が20 mlになるように希釈したもの;12 ml, 約32 mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した後、2−プロパノール(1 ml)を加え反応を停止した。不溶物を濾別した後、溶媒を減圧下濃縮し油状の残留物を得た。これを真空ポンプでよく乾燥した後、シリカゲル40 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ジクロロメタン(1:10〜1:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物2.065 g(収率76%)を淡褐色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :4.50−4.62 (4H, m), 5.23 (2H, br d, J=10 Hz), 5.34 (2H, dq, J=17, 1 Hz), 5.64 (2H, dd, J=7, 2 Hz), 5.91 (2H, ddt, J=17, 10, 6 Hz), 7.39 (1H, t, J=8 Hz), 7.57 (1H, d, J=8 Hz), 7.81 (1H, d, J=8 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2951, 1727, 1267, 1025
マススペクトル m/z (FAB): 347 (M+1)。
(5)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−クロロベンゾアート
【0534】
【化124】
Figure 0003630326
【0535】
(4)で得た2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−クロロ安息香酸(936.1 mg, 2.7 mmol)のジクロロメタン(15 ml)溶液を0℃に冷却しN,N−ジメチルホルムアミド(15μl)及び塩化オキサリル(1.71 g, 13.5 mmol)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌した後、実施例1−(12)と同様の方法で処理することにより、粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−クロロベンゾイル=クロリドを得た。
【0536】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(976.7 mg, 1.80 mmol)、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;78.5 mg, 1.8 mmol)、及び、上で得た粗製の2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−クロロベンゾイル=クロリドを、テトラヒドロフラン(10 ml)中、実施例1−(12)と同様の方法で反応させ処理することにより、抽出後、標記化合物の粗製品を油状物として得た。これを、シリカゲル100 gを用いるカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1〜5:1)混合溶媒で溶出して、標記化合物1136 mg(収率72%)を淡黄色のアモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.44 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.02 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.45 (1H, t, J=11 Hz), 3.51 (1H, t, J=11 Hz), 4.00 (1H, q, J=7 Hz), 4.07 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.18 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.45−4.58 (4H, m), 4.96 (1H, d, J=4 Hz), 5.20 (2H, br d, J=10 Hz), 5.31 (2H, br d, J=17 Hz), 5.45 (1H, dd, J=15, 3 Hz), 5.51 (1H, d, J=15 Hz), 5.56 (1H, dd, J=10, 6 Hz), 5.59 (1H, dd, J=10, 6 Hz), 5.82 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.85−5.94 (2H, m), 6.55 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=16 Hz), 6.95 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 6.87−7.03 (2H, m), 7.32−7.50 (5H, m), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.63 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.94 (1H, s), 8.00 (1H, s)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2233, 1732, 1504, 1276, 1140, 1019, 991マススペクトル m/z (FAB): 871 (M+1)。
(6)ジソジウム=6−クロロ−2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]ベンジル=ホスファート(標記目的化合物)
(5)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−クロロベンゾアート(598.8 mg, 0.69 mmol)を、実施例1−(13)と同様の方法を用いて、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(24.1 mg, 0.034 mmol)及び水素化トリブチルスズ(429.9 mg, 1.51 mmol)と反応させ処理することにより、標記目的化合物の粗製品を油状物として得た。これをCosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;30 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(4:6〜3:7)混合溶媒で溶出した。得られたフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、標記目的化合物174.8 mg(収率30%)を無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm :1.42 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.98 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.46 (1H, t, J=11 Hz), 3.52 (1H, t, J=11 Hz), 4.00−4.06 (2H, m), 4.14 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 5.00 (1H, d, J=4 Hz), 5.35 (1H, dd, J=11, 4 Hz), 5.42 (1H, dd, J=11, 4 Hz), 5.53 (1H, dd, J=15, 3 Hz), 5.67 (1H, d, J=15 Hz), 5.83 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.55 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.78 (1H, d, J=15 Hz), 7.00−7.16 (3H, m), 7.38 (1H, t, J=8 Hz), 7.49−7.54 (2H, m), 7.62−7.71 (3H, m), 7.78 (1H, t, J=8 Hz), 7.98 (1H, s), 8.63 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2231, 1732, 1615, 1503, 1275, 1257, 1142, 1105, 1048, 974
マススペクトル m/z (FAB): 835 (M+1)
比旋光度[α] 25 +7.7°(c=1.20, MeOH)。
【0537】
【実施例28】
(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[(2−アミノアセトキシ)メチル]ベンゾアート(例示番号5−2)
【0538】
【化125】
Figure 0003630326
【0539】
(1)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[2−(アリルオキシカルボニルアミノ)アセトキシ]メチル]ベンゾアート
【0540】
【化126】
Figure 0003630326
【0541】
N−(アリルオキシカルボニル)グリシン(Chem. Pharm. Bull., 48巻, 716頁(2000)に記載; 600 mg, 3.77 mmol)のジクロロメタン(15 ml)溶液を0℃に冷却し、N,N−ジメチルホルムアミド(0.03 ml)と塩化オキサリル(0.6 g, 4.7 mmol)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した後、トルエンを加え減圧下溶媒を留去し、粗製の2−(アリルオキシカルボニルアミノ)アセチル=クロリドを得た。
【0542】
実施例17−(4)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−(ヒドロキシメチル)ベンゾアート(800 mg, 1.18 mmol)のジクロロメタン(20 ml)溶液を0℃に冷却し、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(366.5 mg, 3 mmol)及び上で得た粗製の2−(アリルオキシカルボニルアミノ)アセチル=クロリドを加えた。混合物を同温で1時間撹拌した後、ジクロロメタンで希釈し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と水で順に洗浄した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残留物を、シリカゲル40 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(3:2)混合溶媒で溶出し、標記化合物777.0 mg(収率80%)を淡黄色のアモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.47 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.06 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.50 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 4.03−4.10 (3H, m), 4.13−4.21 (2H, m), 4.59 (2H, d, J=5 Hz), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.21 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 5.30 (1H, dd, J=18, 1 Hz), 5.46−5.56 (3H, m), 5.60 (1H, d, J=14 Hz), 5.84 (1H, dd, J=16, 4 Hz), 5.87−5.96 (1H, m), 6.57 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=16 Hz), 6.88−7.00 (3H, m), 7.33 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.39−7.46 (3H, m), 7.54−7.62 (3H, m), 7.84 (1H, d, J=7 Hz), 7.89 (1H, s), 7.96 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2230, 1724, 1504, 1274, 1258, 1140, 1051
マススペクトル m/z (ESI):818 (M+1)。
(2)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[(2−アミノアセトキシ)メチル]ベンゾアート(標記目的化合物)
(1)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[2−(アリルオキシカルボニルアミノ)アセトキシ]メチル]ベンゾアート(366.9 mg, 0.449 mmol)のジクロロメタン(10 ml)溶液に、室温下ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(15.7 mg, 0.022 mmol)を加え、水素化トリブチルスズ(156.8 mg, 0.54 mmol)を滴下した。反応液を室温で30分間撹拌した後、濃縮し、得られた油状の残留物をシリカゲル10 gを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル−メタノール混合溶媒(4:1)で溶出し、標記目的化合物282.5 mg(収率86%)を、無色のアモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.46 (3H, dd, J=7, 1 Hz), 3.05 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.51 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (2H, s), 4.02 (1H, q, J=7 Hz), 4.10−4.21 (2H, m), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.47−5.57 (4H, m), 5.85 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.57 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=16 Hz), 6.89−6.96 (3H, m), 7.34 (1H, d, J=10 Hz), 7.39−7.46 (3H, m), 7.53−7.59 (3H, m), 7.81 (1H, d, J=8 Hz), 7.89 (1H,s), 7.95 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2230, 1726, 1503, 1274, 1257, 1140, 1051, 973
マススペクトル m/z (ESI):734 (M+1)
比旋光度[α] 25 −5.2°(c=1.11, CHCl)。
【0543】
上で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[(2−アミノアセトキシ)メチル]ベンゾアート(219.0 mg, 0.299 mmol)の酢酸エチル(5 ml)溶液に、塩化水素(4N酢酸エチル溶液;67 μl, 0.27 mmol)を加え、混合物を0℃で5分間撹拌した。溶媒を減圧下留去して標記目的化合物の塩酸塩230 mg(収率:定量的)を淡黄色のアモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.45 (3H, d, J=7 Hz), 3.03 (1H, tt, J=12, 5 Hz), 3.51 (1H, t, J=12 Hz), 3.52 (1H, t, J=12 Hz), 3.93 (2H, s), 4.05 (1H, q, J=7 Hz), 4.10−4.18 (2H, m), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.38 (1H, d, J=14 Hz), 5.42 (1H, d, J=14 Hz), 5.51 (1H, d, J=14 Hz), 5.67 (1H, d, J=14 Hz), 5.84 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.56 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.72 (1H, d, J=16 Hz), 6.86−7.00 (3H, m), 7.32 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.37−7.43 (3H, m), 7.52−7.58 (3H, m), 7.85 (1H, s), 7.91 (1H, d, J=7 Hz), 8.09 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2231, 1724, 1503, 1274, 1257, 1140, 1051, 973
マススペクトル m/z (FAB):734 [M(遊離塩基)+1]
比旋光度[α] 25 −16.1°(c=1.13, CHCl)。
【0544】
【実施例29】
(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[2−(N,N−ジメチルアミノ)アセトキシ]メチル]ベンゾアート(例示番号5A−2)
【0545】
【化127】
Figure 0003630326
【0546】
実施例17−(4)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−(ヒドロキシメチル)ベンゾアート(640.7 mg, 0.95 mmol)のジクロロメタン(20 ml)溶液を0℃に冷却し、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(254.5 mg, 2.1 mmol)、N,N−ジメチルグリシン(117.2 mg, 1.14 mmol)、及び2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム=クロリド(256.1 mg, 1.52 mmol)を加えた。反応液を室温で3時間撹拌した後、酢酸エチルで希釈し、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和食塩水で順に洗浄した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残留物をシリカゲル40 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−メタノール(100:3)混合溶媒で溶出し、標記化合物と1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの混合物を得た。これをリサイクル分取HPLC[LC−908;日本分析工業製;GPCカラムJAIGEL−1H(20 mm i.d.× 600 mm)とJAIGEL−2H(20 mm i.d.× 600 mm)を直列につないで使用;溶媒,クロロホルム]を用いて分離し、標記目的化合物368.1 mg(収率51%)を無色のアモルファスの固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.46 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.79 (6H, s), 3.05 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.27 (2H, s), 3.51 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 4.02 (1H, q, J=7 Hz), 4.12−4.21 (2H, m), 4.99 (1H, d, J=5 Hz), 5.48 (1H, dd, J=15, 3 Hz), 5.51 (2H, s), 5.54 (1H, d, J=15 Hz), 5.85 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.57 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=16 Hz), 6.89−6.96 (3H, m), 7.34 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.38−7.42 (2H, m), 7.44 (1H, td, J=9, 7 Hz), 7.52−7.61 (3H, m), 7.79 (1H, d, J=7 Hz), 7.90 (1H, s), 7.96 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2230, 1726, 1503, 1275, 1257, 1140, 1052, 973
マススペクトル m/z (ESI):762 (M+1)。
【0547】
上で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[2−(N,N−ジメチルアミノ)アセトキシ]メチル]ベンゾアート(215.0 mg, 0.28 mmol)の酢酸エチル(5 ml)溶液に、塩化水素(4N酢酸エチル溶液;66 μl, 0.27 mmol)を加え、混合物を0℃で5分間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣を真空にて乾固して、標記目的化合物230 mg(収率:定量的)を淡黄色のアモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.46 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.60 (6H, s), 3.05 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.48−3.57 (4H, m), 4.03 (1H, q, J=7 Hz), 4.13−4.22 (2H, m), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.45−5.53 (3H, m), 5.58 (1H, d, J=14 Hz), 5.85 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.57 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.74 (1H, d, J=16 Hz), 6.89−7.00 (3H, m), 7.34 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.39−7.47 (3H, m), 7.52−7.63 (3H, m), 7.84 (1H, d, J=9 Hz), 7.90 (1H, s), 7.96 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2230, 1726, 1503, 1275, 1257, 1140, 1051, 973
マススペクトル m/z (ESI):762 [M(遊離塩基)+1]
比旋光度[α] 25 −1.1°(c=1.07, CHCl)。
【0548】
【実施例30】
(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[2−(4−メチル−1−ピペラジニル)アセトキシ]メチル]ベンゾアート(例示番号5A−9)
【0549】
【化128】
Figure 0003630326
【0550】
実施例17−(4)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−(ヒドロキシメチル)ベンゾアート(1.104 g, 1.63 mmol)のジクロロメタン(25 ml)溶液を0℃に冷却し、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(299.1 mg, 2.45 mmol)、2−(4−メチル−1−ピペラジニル)酢酸(J. Med. Chem.,43巻,1493頁(2000年)に記載;387.3 mg, 2.45 mmol)、及び1−エチル−3−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド(625.5 mg, 3.26 mmol)を加えた。反応液を室温で4時間撹拌した後、ジクロロメタンで希釈し、有機層を水と飽和食塩水で順に洗浄した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残留物をシリカゲル40 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−メタノール(4:1)混合溶媒で溶出し、標記目的化合物と4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンの混合物を得た。この混合物をリサイクル分取HPLC[LC−908;日本分析工業製;GPCカラムJAIGEL−1H(20 mm i.d.× 600 mm)とJAIGEL−2H(20 mm i.d.× 600 mm)を直列につないで使用;溶媒,クロロホルム]を用いて分離し、標記目的化合物865.2 mg (収率65%)を無色のアモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.46 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.29 (3H, s), 2.4−2.5 (4H, br s), 2.6−2.7 (4H, br s), 3.05 (1H, tt, J=12, 5 Hz), 3.31 (2H, s), 3.50 (1H, t, J=12 Hz), 3.53 (1H, t, J=12 Hz), 4.01 (1H, q, J=7 Hz), 4.12−4.21 (2H, m), 4 99 (1H, d, J=4 Hz), 5.45−5.55 (4H, m), 5.84 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.57 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.73 (1H, d, J=16 Hz), 6.93 (1H, dd, J=16, 10 Hz), 6.88−7.00 (2H, m), 7.34 (1H, dd, J=11, 1 Hz), 7.27−7.46 (3H, m), 7.53−7.60 (3H, m), 7.79 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.90 (1H, s), 7.95 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2230, 1726, 1503, 1275, 1257, 1051, 1140, 973
マススペクトル m/z (FAB):817 (M+1)
比旋光度[α] 25 +0.4°(c=0.99, CHCl)。
【0551】
上で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)アセトキシ]メチル]ベンゾアート(280 mg, 0.343 mmol)の酢酸エチル(5 ml)溶液を0℃に冷却し、塩化水素(4N酢酸エチル溶液;95 μl, 0.38 mmol)を加え、混合物を0℃で5分間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣を真空にて乾固して、標記化合物の1塩酸塩298 mg(収率:定量的)を淡黄色アモルファス状の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm :1.43 (3H, dd, J=7, 1 Hz), 2.87 (3H, s), 2.8−3.4 (8H, br), 3.04 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.48 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (2H, s), 3.54 (1H, t, J=11 Hz), 4.06 (1H, q, J=7 Hz), 4.04−4.08 (2H, m), 4.17 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 5.20 (1H, d, J=4 Hz), 5.46 (1H, d, J=14 Hz), 5.53 (1H, d, J=14 Hz), 5.58 (2H, s), 5.85 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.57 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.79 (1H, d, J=16 Hz), 7.01−7.11 (2H, m), 7.09 (1H, dd, J=16, 10 Hz), 7.46 (1H, td, J=8, 1 Hz), 7.50−7.61 (3H, m), 7.63 (1H, qd, J=7, 1 Hz), 7.78 (1H, t, J=8 Hz), 7.86 (1H, dd, J=7, 1 Hz), 7.95 (1H, s), 8.34 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2230, 1726, 1503, 1274, 1257, 1140, 1050, 973
マススペクトル m/z (FAB):817 [M(遊離塩基)+1]
比旋光度[α] 25 −1.9°(c=0.97, CHCl)。
【0552】
更に、上で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)アセトキシ]メチル]ベンゾアート(338.5 mg, 0.41 mmol)の酢酸エチル(5 ml)溶液を0℃に冷却し、塩化水素(4N酢酸エチル溶液;207 μl, 0.83 mmol)を加え、混合物を0℃で5分間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣を真空にて乾固して、標記化合物の2塩酸塩354 mg(収率:定量的)を淡黄色のアモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, DMSO−d)δppm :1.35 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.76 (3H,s), 2.82−2.92 (2H, br), 2.99 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.06−3.16 (4H, br), 3.41 (2H, br d, J=15 Hz), 3.46 (1H, t, J=11 Hz), 3.47 (1H, t, J=11 Hz), 3.65−3.75 (2H, br), 3.79 (1H, q, J=7 Hz), 3.96 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.07 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 5.05 (1H, d, J=5 Hz), 5.39 (1H, d, J=13 Hz), 5.40 (1H, d, J=14 Hz), 5.49 (1H, d, J=13 Hz), 5.56 (1H, d, J=14 Hz), 5.88 (1H, dd, J=15, 5 Hz), 6.56 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.82 (1H, d, J=16 Hz), 7.16−7.20 (1H, m), 7.19 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 7.31−7.37 (1H, m), 7.49−7.55 (1H, m), 7.55 (1H, td, J=9, 6 Hz), 7.60 (1H, d, J=7 Hz), 7.67−7.71 (2H, m), 7.84−7.89 (3H, m), 7.96 (1H, s), 8.44 (1H, s)
マススペクトル m/z (FAB):817 [M(遊離塩基)+1]
比旋光度[α] 25 −3.1°(c=1.87, CHCl)。
【0553】
【実施例31】
(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[3−(4−メチル−1−ピペラジニル)プロピオニル]オキシメチル]ベンゾアート(例示番号5A−19)
【0554】
【化129】
Figure 0003630326
【0555】
実施例17−(4)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−(ヒドロキシメチル)ベンゾアート(993.3 mg, 1.47 mmol)のジクロロメタン(20 ml)溶液を0℃に冷却し、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(358.7 mg, 2.94 mmol)、3−(4−メチル−1−ピペラジニル)プロピオン酸(J. Med. Chem.,43巻,1493頁(2000年)に記載;454.8 mg, 2.64 mmol)、及び1−エチル−3−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド(619.0 mg, 3.23 mmol)を加えた。反応液を室温で2時間撹拌した後、ジクロロメタンで希釈し、有機層を水と飽和食塩水で順に洗浄した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残留物を、シリカゲル50 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−メタノール(4:1)混合溶媒で溶出し、標記目的化合物と4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンの混合物を得た。この混合物を、更にシリカゲル50 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−メタノール(4:1)混合溶媒で溶出し、標記目的化合物576.1 mg (収率47%)を淡黄色のアモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.46 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.3−2.5 (4H, br), 2.28 (3H, s), 2.4−2.6 (4H, br), 2.61 (2H, t, J=7 Hz), 2.75 (2H, t, J=7 Hz), 3.05 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.50 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 4.01 (1H, q, J=7 Hz), 4.04−4.20 (2H, m), 4.98 (1H, d, J=4 Hz), 5.43−5.56 (4H, m), 5.84 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.57 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=15 Hz), 6.88−7.00 (3H, m), 7.32−7.46 (4H, m), 7.52−7.61 (3H, m), 7.79 (1H, d, J=8 Hz), 7.90 (1H, s), 7.94 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2230, 1729, 1615, 1503, 1275, 1257, 1140,
1051, 973
マススペクトル m/z (ESI):831 (M+1)
比旋光度[α] 25 −1.4°(c=0.91, CHCl)。
【0556】
上で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[3−(4−メチル−1−ピペラジニル)プロピオニル]オキシメチル]ベンゾアート(288.9 mg, 0.35 mmol)の酢酸エチル(5 ml)溶液を0℃に冷却し、塩化水素(4N酢酸エチル溶液;87 μl, 0.35 mmol)を加え、混合物を0℃で5分間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣を真空にて乾固して、標記化合物の1塩酸塩289.5 mg(収率95%)を淡黄色のアモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.47 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.68 (6H, br), 2.90 (9H, br), 3.05 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.51 (1H, t, J=11 Hz), 3.54 (1H, t, J=11 Hz), 4.03 (1H, q, J=7 Hz), 4.15 (1H, ddd, J=11, 5 ,2 Hz), 4.19 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.44−5.57 (4H, m), 5.84 (1H, dd, J=16, 4 Hz), 6.57 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 6.74 (1H, d, J=16 Hz), 6.89−6.95 (2H, m), 6.94 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 7.34 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.39−7.47 (3H, m), 7.55−7.62 (3H, m), 7.85 (1H, d, J=8 Hz), 7.89 (1H, s), 7.97 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2230, 1729, 1614, 1503, 1273, 1257, 1139, 1050, 973
マススペクトル m/z (ESI):831 [M(遊離塩基)+1]
比旋光度[α] 25 −4.2°(c=1.08, CHCl)。
【0557】
更に、上で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[3−(4−メチル−1−ピペラジニル)プロピオニル]オキシメチル]ベンゾアート(260 mg, 0.31 mmol)の酢酸エチル(5 ml)溶液を0℃に冷却し、塩化水素(4N酢酸エチル溶液;156 μl, 0.63 mmol)を加え、混合物を0℃で5分間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣を真空にて乾固して、標記化合物の2塩酸塩277 mg(収率98%)を淡黄色のアモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, DMSO−d)δppm :1.35 (3H, dd, J=7, 1 Hz), 2.76 (4H, br), 2.98 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.38 (12H, br), 3.43 (1H, t, J=11 Hz), 3.47 (1H, t, J=11 Hz), 3.80 (1H, q, J=7 Hz), 3.95 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.08 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 5.05 (1H, d, J=5 Hz), 5.37 (1H, d, J=15 Hz), 5.40 (1H, d, J=14 Hz), 5.46 (1H, d, J=14 Hz), 5.55 (1H, d, J=15 Hz), 5.88 (1H, dd, J=15, 5 Hz), 6.56 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.82 (1H, d, J=16 Hz), 7.16−7.20 (1H, m), 7.19 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 7.33−7.39 (1H, m), 7.50−7.59 (2H, m), 7.60 (1H, d, J=8 Hz), 7.67−7.71 (2H, m), 7.83−7.89 (3H, m), 7.96 (1H, s), 8.43 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2230, 1729, 1615, 1503, 1273, 1257, 1139, 1050, 972
マススペクトル m/z (ESI):831 [M(遊離塩基)+1]
比旋光度[α] 25 −5.3°(c=1.07, CHCl)。
【0558】
【実施例32】
(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)ブチリル]オキシメチル]ベンゾアート(例示番号5A−29)
【0559】
【化130】
Figure 0003630326
【0560】
実施例17−(4)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−(ヒドロキシメチル)ベンゾアート(1.07 g, 1.58 mmol)のジクロロメタン(20 ml)溶液を0℃に冷却し、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(386.1 mg, 3.16 mmol)、4−(4−メチル−1−ピペラジニル)ブタン酸(J. Med. Chem.,43巻,1493頁(2000年)に記載;529.5 mg, 2.84 mmol)、及び1−エチル−3−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド(666.8 mg, 3.48 mmol)を加えた。反応液を室温で2時間撹拌した後、ジクロロメタンで希釈し、有機層を水と飽和食塩水で順に洗浄した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残留物を、シリカゲル50 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−メタノール(4:1)混合溶媒で溶出し、標記目的化合物と4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンの混合物を得た。この混合物をリサイクル分取HPLC[LC−908;日本分析工業製;GPCカラムJAIGEL−1H(20 mm i.d.× 600 mm)とJAIGEL−2H(20 mm i.d.× 600 mm)を直列につないで使用;溶媒,クロロホルム]を用いて分離し、標記目的化合物901.1 mg (収率67%)を無色アモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.46 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 1.85 (2H, quint., J=7 Hz), 2.27 (3H, s), 2.3−2.6 (8H, br), 2.37 (2H, t, J=7 Hz), 2.45 (2H, t, J=7 Hz), 3.05 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.51 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 4.01 (1H, q, J=7 Hz), 4.10−4.20 (2H, m), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.30−5.56 (4H, m), 5.85 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.57 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.73 (1H, d, J=15 Hz), 6.88−7.00 (3H, m), 7.34 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.37−7.46 (3H, m), 7.52−7.60 (3H, m), 7.79 (1H, d, J=8 Hz), 7.90 (1H, s), 7.95 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2230, 1729, 1503, 1357, 1257, 1139, 1051, 973
マススペクトル m/z (ESI):845 (M+1)
比旋光度[α] 25 −1.8°(c=1.06, CHCl)。
【0561】
上で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)ブチリル]オキシメチル]ベンゾアート(290.5 mg, 0.34 mmol)の酢酸エチル(5 ml)溶液を0℃に冷却し、塩化水素(4N酢酸エチル溶液;86 μl, 0.35 mmol)を加え、混合物を0℃で5分間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣を真空にて乾固して、標記化合物の1塩酸塩305.1 mg(収率:定量的)を淡黄色のアモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.46 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 1.90 (2H, br), 2.47 (2H, t, J=7 Hz), 2.6−2.8 (13H, br d), 3.05 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.51 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 4.01 (1H, q, J=7 Hz), 4.10−4.15 (1H, m), 4.18 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.44 (1H, d, J=14 Hz), 5.46−5.53 (2H, m), 5.55 (1H, d, J=15 Hz), 5.85 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.57 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.74 (1H, d, J=15 Hz), 6.89−6.93 (2H, m), 6.94 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 7.34 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.40−7.47 (3H, m), 7.54−7.62 (3H, m), 7.84 (1H, d, J=7 Hz), 7.89 (1H, s), 7.97 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2230, 1729, 1503, 1274, 1256, 1139, 1051, 973
マススペクトル m/z (ESI):845 [M(遊離塩基)+1]
比旋光度[α] 25 −4.5°(c=0.89, CHCl)。
【0562】
【実施例33】
(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=5−シアノ−2−(ヒドロキシメチル)ベンゾアート(例示番号5A−75)
【0563】
【化131】
Figure 0003630326
【0564】
(1)4−メトキシベンジル=2−[(アリルオキシカルボニル)オキシメチル]−5−シアノベンゾアート
【0565】
【化132】
Figure 0003630326
【0566】
実施例5−(2)で得た1−オキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−6−カルボニトリル(3.01 g, 18.9 mmol)をテトラヒドロフラン−メタノール(3:1)混合溶媒(200 ml)に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液(1.004N;17.4 ml, 17.4 mmol)を10分間かけて室温で加えた。この混合物を室温で30分間撹拌した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物を真空ポンプでよく乾燥した。得られた固体をN,N−ジメチルホルムアミド(40 ml)に溶解し、4−メトキシベンジル=クロリド(2.96 g, 18.9 mmol)を加えた。混合物を70−80℃で1時間加熱した。混合物を0℃に冷却した後、ジクロロメタン(40 ml)を加え、更に4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(5.78 g, 47.3 mmol)とクロロギ酸アリル(4.56 g, 37.9 mmol)を加え、混合物を同温で30分間攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水と食塩水でそれぞれ洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して得られた油状の残留物を、シリカゲル100gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エチル(3:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物3.11 g(収率43%)を無色油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm : 3.83 (3H, s), 4.67 (2H, br d, J=6 Hz), 5.31 (2H, s), 5.31 (1H, d, J=10 Hz), 5.39 (1H, dd, J=17, 1 Hz), 5.66 (2H, s), 5.96 (1H, ddt, J=17, 10, 6 Hz), 6.93 (2H, d, J=9 Hz), 7.39 (2H, d, J=9 Hz), 7.70 (1H, d, J=8 Hz), 7.81 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 8.30 (1H, d, J=1 Hz)
IRスペクトルνmax (CHCl) cm−1: 2236, 1725, 1296, 1256
マススペクトル m/z (FAB): 381 (M)。
(2)2−[(アリルオキシカルボニル)オキシメチル]−5−シアノ安息香酸(1)で得た4−メトキシベンジル=2−[(アリルオキシカルボニル)オキシメチル]−5−シアノベンゾアート(3 g, 7.9 mmol)とアニソール(3.5 g)の混合物を0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(10 ml)を加えた。混合物を室温で15分間攪拌した後、トルエンで希釈し、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物を、シリカゲル35gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン−酢酸エチル(1:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物1.95 g(収率95%)を、融点81−83℃を有する無色固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm:4.70 (2H, dt, J=6, 1 Hz), 5.32 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 5.41 (1H, dd, J=17, 1 Hz), 5.71 (2H, s), 5.97 (1H, ddt, J=17, 10, 6 Hz), 7.89 (1H, d, J=8 Hz), 7.90 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 8.44 (1H, d, J=1 Hz)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2236, 1754, 1700, 1278, 1251
マススペクトル m/z (FAB): 262 (M+1)。
(3)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[(アリルオキシカルボニル)オキシメチル]−5−シアノベンゾアート
(2)で得た2−[(アリルオキシカルボニル)オキシメチル]−5−シアノ安息香酸(1.6 g, 6.12 mmol)をジクロロメタン(40 ml)に溶解し、N,N−ジメチルホルムアミド(0.05 ml)と塩化オキサリル(2 g)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した後、トルエンを加え減圧下溶媒を留去し、粗製の2−[(アリルオキシカルボニル)オキシメチル]−5−シアノベンゾイル=クロリドを得た。
【0567】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(2.56 g, 4.7 mmol)、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;246.7 mg, 5.65 mmol)、及び上で得た粗製の2−[(アリルオキシカルボニル)オキシメチル]−5−シアノベンゾイル=クロリドを用いて、以下、実施例13−(2)と同様に行なった。得られた粗生成物を、シリカゲル50 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1〜4:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物と原料4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリルの混合物2.67 gを得た。目的化合物の割合は約8割だった。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl, 目的化合物のシグナルのみ選択)δppm: 1.45 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.02 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.54 (1H, t, J=11 Hz), 4.00 (1H, q, J=7 Hz), 4.10−4.19 (2H, m), 4.67 (2H, m), 5.01 (1H, d, J=4 Hz), 5.31 (1H, br d, J=10 Hz), 5.29 (1H, dd, J=17, 1 Hz), 5.49 (2H, s), 5.55 (1H, d, J=14 Hz), 5.62 (1H, d, J=14 Hz), 5.87 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.95 (1H, ddt, J=17, 10, 6 Hz), 6.58 (1H, d, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=15 Hz), 6.90−6.96 (3H, m), 7.32−7.60 (3H, m), 7.77 (1H, t, J=9 Hz), 7.87 (1H, dd, J=8, 2 Hz), 7.90 (1H, s), 7.98 (1H, s), 8,18 (1H, d, J=1 Hz)
マススペクトル m/z (FAB): 786 (M+1)。
(4)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=5−シアノ−2−(ヒドロキシメチル)ベンゾアート(標記目的化合物)
(3)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[(アリルオキシカルボニル)オキシメチル]−5−シアノベンゾアートと4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリルの混合物(583.2 mg;成分比約8:2)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(13 mg)、及び水素化トリブチルスズ(184 mg, 0.63 mmol)を用いて、実施例11−(4)と以下同様に行なった。得られた粗生成物を、シリカゲル50gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1〜4:0)混合溶媒で溶出し、標記目的化合物293.6 mg(収率56%)を無色の非晶質の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm: 1.46 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.03 (1H, tt, J=12, 5 Hz), 3.09 (1H, t, J=7 Hz), 3.55 (2H, t, J=12 Hz), 4.02 (1H, q, J=7 Hz), 4.14−4.21 (2H, m), 4.91 (2H, t, J=7 Hz), 5.01 (1H, d, J=5 Hz), 5.50 (1H, d, J=14 Hz), 5.51 (1H, d, J=14 Hz), 5.86 (1H, dd, J=15, 5 Hz), 6.58 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=16 Hz), 6,90−6.97 (3H, m), 7.33 (1H, dd, J=7, 1 Hz), 7.37 (1H, td, J=9, 6 Hz), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.77 (1H, d, J=8 Hz), 7.86−7.88 (2H, m), 7.96 (1H, s), 8.18 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2232, 1730, 1504, 1276, 1142, 1049
マススペクトル m/z (FAB): 702(M+1)。
比旋光度[α] 25 −21.9°(c=0.98, CHCl)。
【0568】
【実施例34】
(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[(4−メチル−1−ピペラジニル)アセトキシ]エチル=カルボナート(例示番号4A−13)
【0569】
【化133】
Figure 0003630326
【0570】
(1)2−クロロエチル=(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=カルボナート
【0571】
【化134】
Figure 0003630326
【0572】
水素化カリウム(30%鉱油ディスパーション;739 mg, 5.53 mmol)とテトラヒドロフラン(8 ml)の混合物を0℃に冷却し、攪拌している中へ、参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(1.00 g, 1.84 mmol)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、攪拌している中へ、2−クロロエチル=クロロホルマート(315 mg, 2.21 mmol)と、テトラヒドロフラン(1.5 ml)の混合物を加えた。混合物を室温で18時間撹拌した。冷却後、混合物を酢酸エチルと水に分配し、有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液の順に洗浄した。減圧下溶媒を留去して得られた油状の残留物を、カラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物1.06 g(収率88%)を無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.35 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.04 (1H, m), 3.50 (1H, t, J=11 Hz), 3.51 (1H, t, J=11 Hz), 3.73 (2H, t, J=6 Hz), 3.88 (1H, q, J=7 Hz), 4.19 (1H, ddd, J=11, 4, 2 Hz), 4.32 (1H, ddd, J=11, 4, 2 Hz), 4.33−4.81 (2H, m), 4.98 (1H, d, J=5 Hz), 5.36 (1H, d, J=15 Hz), 5.40 (1H, d, J=15 Hz), 5.86 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.58 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.72 (1H, d, J=15 Hz), 6.76−6.96 (3H, m), 7.33 (1H, dd, J=11, 2 Hz), 7.39 (1H, d, J=8 Hz), 7.44−7.50 (1H, m), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.95 (1H, s), 7.97 (1H, s)
マススペクトル m/z (FAB):649 (M+1)。
高分解能マススペクトル m/z (FAB;ヨウ化ナトリウム水溶液添加):C3028ClFSNa (M+Na)として計算値:671.1318, 実測値:671.1329
(2)セシウム=2−(4−メチル−1−ピペラジニル)アセタート
2−(4−メチル−1−ピペラジニル)酢酸(J. Med. Chem.,43巻,1493頁(2000年)に記載;2.5 g, 16 mmol)の水(30 ml)溶液を0℃に冷却し、攪拌している中へ、炭酸セシウム(2.6 g, 7.9 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を減圧下濃縮し、標記化合物4.49 g(収率98%)を、淡黄色の固体として得た。
(3)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[(4−メチル−1−ピペラジニル)アセトキシ]エチル=カルボナート(標記目的化合物)
(2)で得たセシウム=2−(4−メチル−1−ピペラジニル)アセタート(939 mg, 6.0 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5 ml)溶液を0℃に冷却し、攪拌している中へ、(1)で得た2−クロロエチル=(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=カルボナート(700 mg, 1.1 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5 ml)溶液、及び18−クラウン−6(910 mg, 3.2 mmol)を加えた。混合物を室温で1時間、40℃に昇温して3時間撹拌した。(1)と同様な方法で反応混合物を処理することにより得た油状の残留物を、リサイクル分取HPLC[LC−908;日本分析工業製;GPCカラムJAIGEL−1H(20 mm i.d.× 600 mm)とJAIGEL−2H(20 mm i.d.× 600 mm)を直列につないで使用;溶媒,クロロホルム;5サイクル]で精製して、標記目的化合物568 mg(収率68%)を淡黄色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.34 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.28 (3H, s), 2.48 (4H, bs), 2.61 (4H, bs), 3.02 (1H, m), 3.24 (1H, d, J=16 Hz), 3.27 (1H, d, J=16 Hz), 3.48 (1H, t, J=11 Hz), 3.49 (1H, t, J=11 Hz), 3.85 (1H, q, J=7 Hz), 4.17 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.27−4.44 (5H, m), 4.97 (1H, d, J=5 Hz), 5.36 (1H, d, J=15 Hz), 5.39 (1H, d, J=15 Hz), 5.84 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.57 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 6.74 (1H, d, J=17 Hz), 6.86−7.00 (3H, m), 7.33 (1H, dd, J=10, 2 Hz), 7.39−7.48 (2H, m), 7.57 (1H, t, J=7 Hz), 7.95 (1H, s), 7.99 (1H, s)
マススペクトル m/z (FAB):771 (M+1)
高分解能マススペクトル m/z (FAB):C3742S (M+1)として計算値:771.2788,実測値:771.2751。
【0573】
上で得た化合物(565 mg, 0.73 mmol)を酢酸エチル(12 ml)に溶かし、0℃に冷却し、攪拌している中へ、塩化水素(4N酢酸エチル溶液; 183 μl, 0.73 mmol)を加えた。溶媒を減圧下留去して得た油状の残留物を0℃にて水(18 ml)に溶解し、凍結乾燥して、標記目的化合物の塩酸塩590 mg(収率92%)を淡黄色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, DMSO−d)δppm :1.24 (3H, d, J=7 Hz), 2.25−3.20 (11H, m), 2.91 (1H, m), 3.28−3.36 (2H, m), 3.42 (1H, t, J=11 Hz), 3.44 (1H, t, J=11 Hz), 3.57 (1H, q, J=7 Hz), 4.04 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.13 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.28 (2H, t, J=3 Hz), 4.35 (2H, t, J=3 Hz), 5.03 (1H, d, J=4 Hz), 5.27 (1H, d, J=14 Hz), 5.45 (1H, d, J=14 Hz), 5.87 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.57 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.82 (1H, d, J=16 Hz), 7.16−7.22 (2H, m), 7.33 (1H, ddd, J=13, 6, 2 Hz), 7.45−7.51 (1H, m), 7.68 (1H, dd, J=8, 2 Hz), 7.84−7.90 (2H, m), 8.05 (1H, s), 8.45 (1H, s), 9.71 (1H, bs)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2230, 1751, 1615, 1504
マススペクトル m/z (FAB):771 (M+1)。
【0574】
【実施例35】
ジソジウム=[4−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−3−フリル]メチル=ホスファート(例示番号5C−18の二ナトリウム塩)
【0575】
【化135】
Figure 0003630326
【0576】
(1)[4−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]−3−フリル]メタノール
【0577】
【化136】
Figure 0003630326
【0578】
3,4−フランジメタノール(J. Org. Chem., 65巻, 6153頁(2000年)に記載;3.4 g,26.5 mmol)を、実施例21−(2)と同様な方法で、テトラヒドロフラン(50 ml)中、イミダゾール(1.80 g, 26.4 mmol)及びtert−ブチルクロロジメチルシラン(4.00 g, 26.5 mmol)と反応させ処理することにより、標記化合物と3,4−フランジメタノールと3,4−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]フランの混合物を得た。それを、シリカゲル50 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(3:17〜4:16)混合溶媒で溶出して、標記化合物3.20 g(収率50%)を無色の油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm:0.125 (6H, s), 0.916 (9H, s), 3.177 (1H, t, J=6 Hz), 4.522 (2H, d, J=6 Hz), 4.640 (2H, s), 7.317 (1H, s), 7.371 (1H, s)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1:3449, 2956, 2931, 2859, 1471, 1258, 1040マススペクトル m/z (FAB):243 (M+1)。
(2)ジアリル=[4−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]−3−フリル]メチル=ホスファート
【0579】
【化137】
Figure 0003630326
【0580】
(1)で得た[4−[(tert−ブチルジメチルシリル)]−3−フリル]メタノール(174 mg, 0.72 mmol)を、実施例1−(10)と同様な方法で、ジクロロメタン(3 ml)中、テトラゾール(61 mg, 0.87 mmol)、ビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(265 mg, 1.08 mmol)及びtert−ブチルヒドロペルオキシド(80%ジ−tert−ブチルペルオキシド溶液;メルク製;135 mg, 1.2 mmol)と反応させた。抽出して得られた油状の残留物を、シリカゲル5 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:4)混合溶媒で溶出して、標記化合物273 mg(収率93%)を無色の油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm:0.083 (6H, s), 0.908 (9H, s), 4.55−4.55 (4H, m), 4.627 (2H, s), 5.003 (2H, d, J=8, 2 Hz), 5.328 (2H, dd, J=10.4, 1.2 Hz), 5.340 (1H, dddd, J=17, 1.5, 1.5, 1.2 Hz), 5.912 (2H, ddt, J=17, 10, 5 Hz), 7.328 (1H, s), 7.447 (1H, s)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1:2956, 2931, 1258, 1010
マススペクトル m/z (FAB):403 (M+1)。
(3)ジアリル=[4−(ヒドロキシメチル)−3−フリル]メチル=ホスファート
【0581】
【化138】
Figure 0003630326
【0582】
(2)で得たジアリル=[4−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル]−3−フリル]メチル=ホスファートをテトラヒドロフラン(3 ml)に溶かし、氷冷下攪拌している中へ、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1Nテトラヒドロフラン溶液;1.34 ml, 1.34 mmol)と酢酸(48 mg, 0.80 mmol)の混合物を加えた。混合物を室温にて2時間攪拌した後、酢酸エチルと炭酸水素ナトリウム水溶液に分配した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残留物を、シリカゲル5 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(3:2〜1:0)混合溶媒で溶出して、標記化合物148 mg(収率76%)を無色の油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm:3.168 (1H, t−like, J=ca. 6 Hz), 4.523 (4H, td, J=7, 1.2 Hz), 4.580 (2H, d, J=6 Hz), 5.050 (2H, d, J=9.5 Hz), 5.255 (2H, dd−like, J=10, ca. 1.2 Hz), 5.350 (2H, dt−like, J=17, ca. 1.2 Hz), 5.917 (2H, ddt, J= 17, 10, 6 Hz), 7.414 (1H, s), 7.483 (1H, s)IRスペクトルνmax CHCl cm−1:3401, 1602, 1554, 1462, 1424, 1267, 1022マススペクトル m/z (FAB):289 (M+1)。
(4)ジアリル=(4−ホルミル−3−フリル)メチル=ホスファート
【0583】
【化139】
Figure 0003630326
【0584】
(3)で得たジアリル=[4−(ヒドロキシメチル)−3−フリル]メチル=ホスファート(113 mg, 0.39 mmol)をジクロロメタン(2 ml)に溶かし、氷冷下、活性二酸化マンガン(0.52 g, 6.0 mmol)を加え、混合物を室温にて8時間攪拌した。混合物を終夜(14時間)放置した後、活性二酸化マンガン(40 mg, 0.46 mmol)を追加した。混合物を室温にて1.5時間攪拌した後、酢酸エチルで薄め、固体を吸引濾過で除いた。濾液を減圧下にて濃縮し、得られた残留物を、シリカゲル3 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(3:2〜1:0)混合溶媒で溶出し、標記化合物101 mg(収率90%)を無色の油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm:4.569 (4H, dd−like, J=7, 6 Hz), 5.245 (2H, dd−like, J=6, 1 Hz), 5.259 (2H, dd−like, J=11, 1 Hz), 5.369 (2H, dd−like, J=17, 1 Hz), 5.943 (2H, d, J=17, 11, 6 Hz), 7.569 (1H, br s), 8.046 (1H, d, J=1.6 Hz), 9.971 (1H, s)IRスペクトルνmax CHCl cm−1:1689, 1544, 1273, 1147, 1027
マススペクトル m/z (EI):287 (M+1)。
(5)4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−フル酸
【0585】
【化140】
Figure 0003630326
【0586】
(4)で得たジアリル=(4−ホルミル−3−フリル)メチル=ホスファート(97 mg, 0.34 mmol)と2−メチル−2−ブテン(1.18 g, 19.9 ml)をtert−ブチルアルコール(2.70 ml)に溶かし、氷冷下にて攪拌している中へ、亜塩素酸ナトリウム(122 mg, 1.35 mmol)とリン酸二水素ナトリウム二水和物(1.034 g, 6.76 mmol)を水(1.2 ml)に溶かして作った溶液を加えた。混合物を自然に室温まで昇温させながら2時間攪拌した後、酢酸エチルと食塩水に分配し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、残留物を、シリカゲル2 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチルで溶出して、標記化合物74 mg(収率72%)を無色の油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm:4.572 (4H, dd−like, J=7, 6 Hz), 5.25 (4H, d−like, J=9 Hz), 5.367 (2H, dd−like, J=17, 1.4 Hz), 5.940 (2H, ddt, J=17, 10, 6 Hz), 7.533 (1H, d, J=ca. 1.4 Hz), 8.059 (1H, d, J=ca. 1.7 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1:1736, 1697, 1549, 1269, 1149, 1029
マススペクトル m/z (EI):303 (M+1)。
(6)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−フロアート
【0587】
【化141】
Figure 0003630326
【0588】
(5)で得た4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−フル酸(500 mg, 1.65 mmol)をジクロロメタン(10 ml)に溶解し、N,N−ジメチルホルムアミド(0.03 ml)と塩化オキサリル(0.7 g, 5.5 mmol)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した後、トルエンを加え減圧下溶媒を留去し、粗製の4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−フロイル=クロリドを得た。
【0589】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(690.5 mg, 1.27 mmol)、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;66.5 mg, 1.52 mmol)、及び、上で得た粗製の4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−フロイル=クロリドを、実施例13−(2)と同様に反応させ処理することにより、抽出後、標記化合物の粗製品を油状物として得た。それを、シリカゲル30 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:1〜9:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物740.8 mg (収率70%)を無色アモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm: 1.43 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.05 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.53 (2H, t, J=11 Hz), 3.96 (1H, q, J=7 Hz), 4.14−4.22 (2H, m), 4.53 (4H, br t, J=7 Hz), 5.01 (1H, d, J=5 Hz), 5.10−5.18 (2H, m), 5.25 (2H, d, J=10 Hz), 5.35 (2H, dd, J=17, 1 Hz), 5.40 (1H, dd, J=15, 3 Hz), 5.47 (1H, d, J=15 Hz), 5.85 (1H, dd, J=15, 5 Hz), 5.92 (2H, ddt, J=17, 10, 5 Hz), 6.58 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.74 (1H, d, J=16 Hz), 6.88−6.93 (2H, m), 6.93 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 7.32−7.37 (2H, m), 7.40 (1H, dd, J= 8, 1 Hz), 7.56−7.59 (2H, m), 7.89 (1H, s), 7.92 (2H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2230, 1727, 1615, 1504, 1276, 1258, 1143, 1051, 1021, 973
マススペクトル m/z (FAB): 827(M+1)。
(7)ジソジウム=[4−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−3−フリル]メチル=ホスファート(標記目的化合物)
(6)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=4−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−3−フロアート(740 mg, 0.895 mmol)をジクロロメタン(20 ml)に溶解し、窒素雰囲気下0℃で撹拌している中に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(31 mg, 0.027 mmol)及びピロリジン(1.27 g, 17.9 mmol)を加えた。混合物を室温に昇温し、1時間攪拌した後、トルエンで希釈し、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をCosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;30 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−アセトニトリル(3:1〜7:3)混合溶媒で溶出した。集めたフラクションを濃縮し、得られた残留物を陽イオン交換樹脂(Dowex 50W−X8, ナトリウム型, 1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて調製; 5 ml)に付し、水で溶出した。集めたフラクションを減圧下濃縮し、凍結乾燥することにより、標記目的化合物618.5 mg(収率87%)を非晶質の無色固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm: 1.38 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.07 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.54 (1H, t, J=11 Hz), 3.55 (1H, t, J=11 Hz), 4.00 (1H, q, J=7 Hz), 4.16 (2H, dd, J=11, 5 Hz), 4.98 (1H, ddd, J=15, 6, 1 Hz), 5.03 (1H, ddd, J=15, 6, 1 Hz), 5.05 (1H, d, J=4 Hz), 5.51 (2H, s), 5.88 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.59 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.79 (1H, d, J=15 Hz), 6.97−7.06 (2H, m), 7.01 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 7.48−7.54 (3H, m), 7.69 (1H, q, J=2 Hz), 7.78 (1H, t, J=8 Hz), 7.92 (1H, s), 7.99 (1H, d, J=1 Hz), 8.27 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2231, 1726, 1615, 1503, 1143, 1101, 1052, 975
マススペクトル m/z (ESI): 745 [M(非ナトリウム部分)+1]
【0590】
【実施例36】
(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−4−オキソブチリル]オキシメチル]ベンゾアート(例示番号5A−20)
【0591】
【化142】
Figure 0003630326
【0592】
実施例17で得られた(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−(ヒドロキシメチルキシメチル)ベンゾアート(1.11 g, 1.64 mmol)のジクロロメタン(20 ml)溶液を0℃に冷却し、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(400.7 mg, 3.28 mmol)、4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−4−オキソブタン酸(Bioorg. Med. Chem.,8巻,2693頁(2000年)に記載;590.4 mg, 2.95 mmol)及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(691.8 mg, 3.61 mmol)を加えた。室温で1時間撹拌後、反応液をジクロロメタンで希釈し、有機層を水,飽和食塩水の順で洗浄した。溶媒を減圧下で留去し得られた残留物を、シリカゲル25 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−メタノール(4:1)混合溶媒で溶出し、標記目的化合物と4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンの混合物(約1.4 g)を得た。この混合物のうち0.95 gをリサイクル分取HPLC[LC−908;日本分析工業製;GPCカラムJAIGEL−1H(20 mm i.d.× 600 mm)とJAIGEL−2H(20 mm i.d.× 600 mm)を直列につないで使用;溶媒,クロロホルム]を用いて分離し、標記目的化合物796.0 mg(収率55%)を無色アモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.46 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.31 (3H, s), 2.36 (2H, t, J=5 Hz), 2.40 (2H, t, J=5 Hz), 2.65−2.68 (2H, m), 2.76−2.78 (2H, m), 3.05 (1H, tt, J=11, 5, Hz), 3.48−3.56 (4H, m), 3.63 (2H, t, J=5 Hz), 4.01 (1H, q, J=7 Hz), 4.15 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.18 (1H, ddd, J=11, 5, 2, Hz), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.46 (1H, d, J=15 Hz), 5.47 (1H, dd, J=15, 3 Hz), 5.54 (1H, d, J=15 Hz), 5.55 (1H, d, J=15 Hz), 5.85 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.57 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=16 Hz), 6.88−6.93 (2H, m), 6.93 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 7.34 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.36−7.45 (3H, m), 7.56 (1H, d, J=8 Hz), 7.57−7.60 (2H, m), 7.79 (1H, d, J=8 Hz), 7.90 (1H, s), 7.97 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2230, 1729, 1645, 1503, 1274, 1257, 1141, 1051
マススペクトル m/z (FAB):859(M+1)。
【0593】
上で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−[[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−4−オキソブチリル]オキシメチル]ベンゾアート(288.6 mg, 0.34 mmol)の酢酸エチル(5 ml)溶液を0℃に冷却し、塩化水素(4 mol/l 酢酸エチル溶液;74 μl, 0.30 mmol)を加え、混合物を0℃で5分間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣を真空にて乾固して、標記化合物の1塩酸塩296.6 mg(収率99%)を薄黄色アモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.46 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.6−3.1 (13H, br), 3.05 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.51 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 3.9−4.0 (2H, br), 4.00 (1H, q, J=7 Hz), 4.14−4.21 (2H, m), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.41 (1H, d, J=14 Hz), 5.48 (1H, dd, J=15, 3 Hz), 5.55 (1H, d, J=15 Hz), 5.57 (1H, d, J=14 Hz), 5.84 (1H, dd, J=16, 4 Hz), 6.57 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 6.74 (1H, d, J=15 Hz), 6.88−6.94 (2H, m), 6.94 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 7.34 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.39−7.46 (3H, m), 7.56−7.62 (3H, m), 7.86 (1H, d, J=7 Hz), 7.88 (1H, s), 7.99 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2230, 1729, 1652, 1503, 1419, 1274, 1257, 1140, 1051, 974
マススペクトル m/z (FAB):859 [M(遊離塩基)+1]。
【0594】
【実施例37】
ジソジウム=[2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−3−チエニル]メチル=ホスファート(例示番号5C−48の二ナトリウム塩)
【0595】
【化143】
Figure 0003630326
【0596】
(1)3−(アセトキシメチル)−2−テン酸メチル
【0597】
【化144】
Figure 0003630326
【0598】
3−(ブロモメチル)−2−テン酸メチル(Tetrahedron Lett.、22巻、5097−5100頁(1981年)に記載;6.80 g, 28.9 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(80 ml)溶液に酢酸ナトリウム(7.12 g, 86.8 mmol)を加えた。混合物を室温で一昼夜撹拌した後、40℃で1時間半撹拌した。リン酸緩衝液(pH 7,100 ml)を加え生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層を水で3回洗浄した。溶媒を減圧下留去し、得られた固体の残留物を、シリカゲル150 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒(1:10〜1:1)で溶出し、標記化合物4.89 g(収率79%)を、融点42−43℃を有する無色固体として得た。NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :2.13 (3H, s), 3.89 (3H, s), 5.49 (2H, s), 7.14 (1H, d, J=5 Hz), 7.48 (1H, d, J=5 Hz)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 1742, 1707, 1439, 1416, 1353, 1261, 1249, 1229
マススペクトル m/z (EI): 214 (M)。
(2)3−(ヒドロキシメチル)−2−テン酸メチル
【0599】
【化145】
Figure 0003630326
【0600】
(1)で得た3−(アセトキシメチル)−2−テン酸メチル(4.89 g, 22.8 mmol)のメタノール(60 ml)溶液に炭酸カリウム(157.7 mg, 1.14 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。リン酸緩衝液(pH 7,20 ml)を加え、メタノールを減圧下留去した。生成物を酢酸エチルで抽出した後、溶媒を減圧下留去した。得られた油状の残留物を、シリカゲル90 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し酢酸エチル−ヘキサン(1:2)混合溶媒で溶出し、標記化合物3.94 g(収率:定量的)を、融点35−36℃を有する針状結晶として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :3.78 (1H, t, J=7 Hz), 3.91 (3H, s), 4.84 (2H, d, J=7 Hz), 7.10 (1H, d, J=5 Hz), 7.47 (1H, d, J=5 Hz)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 1710, 1536, 1438, 1417, 1269, 1080
マススペクトル m/z (EI):172 (M)。
(3)4−メトキシベンジル=3−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−2−テノアート
【0601】
【化146】
Figure 0003630326
【0602】
(2)で得た3−(ヒドロキシメチル)−2−テン酸メチル(3.03 g, 17.6 mmol)をテトラヒドロフラン(20 ml)−メタノール(5 ml)混合溶媒に溶かし、水酸化ナトリウム(1.004 N水溶液; 16.1 ml, 16.2 mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌後、50℃に昇温し更に1時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し固体の残留物を得た。これをN,N−ジメチルホルムアミド(30 ml)に溶解し、4−メトキシベンジル=クロリド(2.75 g, 17.6 mmol)を加えた。混合物を70℃で1時間半撹拌した後、0℃に冷却し、ジクロロメタン(30 ml)を加えた。テトラゾール(3.08 g, 44.0 mmol)及びビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(Tetrahedron Lett., 30巻, 4219頁(1989年)に記載;6.47 g, 26.4 mmol)を加え、混合物を同温で30分間撹拌した後、メタノール(0.5 ml)を加え更に5分間撹拌した。tert−ブチルヒドロペルオキシド(80%ジ−tert−ブチルペルオキシド溶液;メルク製;2.7 g, 24 mmol)を加え30分間撹拌した後、炭酸水素ナトリウム水溶液及びチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水で3回洗浄した後、溶媒を減圧留去し、得られた油状の残留物を、シリカゲル100 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:2〜3:2)混合溶媒で溶出し、標記化合物2.8 g(収率36%)を無色の油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :3.81 (3H, s), 4.55 (4H, t, J=7 Hz), 5.23−5.28 (2H, m), 5.25 (2H, s), 5.33−5.40 (2H, m), 5.47 (2H, d, J=8 Hz), 5.92 (2H, ddt, J=17, 11, 6 Hz), 6.90 (2H, d, J=9 Hz), 7.27 (1H, d, J=5 Hz), 7.37 (2H, d, J=9 Hz), 7.48 (1H, d, J=5 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1705, 1613, 1516, 1424, 1267, 1250, 1035, 989
マススペクトル m/z (FAB):439 (M+1)。
(4)3−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−2−テン酸
【0603】
【化147】
Figure 0003630326
【0604】
(3)で得た4−メトキシベンジル=3−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−2−テノアート(2.79 g, 6.36 mmol)とアニソール(4 g)の混合物を0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(10 ml)を加えた。混合物を室温に昇温し20分間放置した後、トルエンを加え溶媒を減圧下留去した。油状の残留物を、シリカゲル25gを用いたシリカゲルクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ジクロロメタン混合溶媒(1:1)で溶出し、標記化合物1.57 g(収率78%)を油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :4.59 (4H, m), 5.26 (2H, br d, J=10 Hz), 5.37 (2H, br d, J=17 Hz), 5.53 (2H, d, J=8 Hz), 5.94 (2H, ddt, J=17, 10, 6 Hz), 7.28 (1H, d, J=5 Hz), 7.54 (1H, d, J=5 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1679, 1543, 1432, 1273, 1033, 989
マススペクトル m/z (FAB):319 (M+1)。
(5)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=3−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−2−テノアート
【0605】
【化148】
Figure 0003630326
【0606】
(4)で得た3−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−2−テン酸(533 mg, 1.68 mmol)のジクロロメタン(10 ml)溶液に、N,N−ジメチルホルムアミド(0.02 ml)と塩化オキサリル(0.7 g)を加えた。混合物を室温で30分間攪拌した後、トルエンを加え減圧下溶媒を留去し、粗製の3−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−2−テノイル=クロリドを得た。
【0607】
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(699.1 mg, 1.29 mmol)の1,2−ジメトキシエタン(10 ml)溶液を0℃に冷却し、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;67.5 mg, 1.55 mmol)を加え室温で3時間撹拌した。上で得た粗製の3−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−2−テノイル=クロリドの1,2−ジメトキシエタン溶液(2 ml)を加え、混合物を室温で20分間撹拌した後、0℃に冷却し、リン酸緩衝液(pH 7)を加えて反応を停止し、酢酸エチルで生成物を抽出した。得られた粗生成物を、シリカゲル40 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(3:2〜5:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物520.6 mg(収率48%)を薄黄色のアモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.45 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.12 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 3,55 (1H, t, J=11 Hz), 3.92 (1H, q, J=7 Hz), 4.19−4.28 (2H, m), 4.55−4.59 (4H, m), 5.02 (1H, d, J=4 Hz), 5.25 (2H, dd, J=10, 1 Hz), 5.34−5.48 (6H, m), 5.87 (1H, dd, J=16, 4 Hz), 5.94 (2H, ddt, J=17, 11, 5 Hz), 6.59 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 6.74 (1H, d, J=15 Hz), 6.88−6.93 (2H, m), 6.94 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 7.33 (1H, d, J=15 Hz), 7.33−7.35 (1H, m), 7.39−7.46 (2H, m), 7.55 (1H, d, J=5 Hz), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.86 (1H, s), 7.91 (1H, s)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2233, 1711, 1616, 1504, 1420, 1276, 1259, 1140, 1035, 991
マススペクトル m/z (FAB):843(M+1)。
(6)ジソジウム=[2−[[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]カルボニル]−3−チエニル]メチル=ホスファート(標記目的化合物)
(5)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=3−[[ビス(アリルオキシ)ホスホリル]オキシメチル]−2−テノアート(500 mg, 0.593mmol)のジクロロメタン(20 ml)溶液を0℃に冷却し、窒素雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(20.6 mg, 1.78×10−2 mmol)及びピロリジン(0.84 g, 11.9 mmol)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌後、トルエンを加え、溶媒を減圧下留去した。得られた油状の残留物をCosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;35 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−アセトニトリル(3:1〜7:3)混合溶媒で溶出した。集めたフラクションを濃縮し、得られた残留物を陽イオン交換樹脂(Dowex 50W−X8, ナトリウム型, 1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて調製; 8 ml)に付し、水で溶出した。集めたフラクションを減圧下濃縮し、凍結乾燥することにより、標記目的化合物335.6 mg(収率70%)を非晶質の無色固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm:1.41 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.13 (1H, tt, J=12, 5 Hz), 3.52 (1H, t, J=12 Hz), 3.57 (1H, t, J=12 Hz), 3.99 (1H, q, J=7 Hz), 4.17−4.23 (2H, m), 5.05 (1H, d, J=4 Hz), 5.22 (1H, dd, J=16, 5 Hz), 5.27 (1H, dd, J=16, 6 Hz), 5.52 (1H, d, J=16 Hz), 5.56 (1H, d, J=16 Hz), 5.88 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.60 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.80 (1H, d, J=16 Hz), 6.96−7.06 (2H, m), 7.10 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 7.50−7.56 (3H, m), 7.59 (1H, d, J=5 Hz), 7.62 (1H, d, J=5 Hz), 7.79 (1H, t, J=8 Hz), 7.90 (1H, s), 8.26 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2231, 1708, 1615, 1503, 1419, 1276, 1256, 1141, 1101, 1071, 1053, 975
マススペクトル m/z (FAB):807(M+1)。
【0608】
【実施例38】
(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=5−シアノ−2−[[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−4−オキソブチリル]オキシメチル]ベンゾアート(例示番号5A−105)
【0609】
【化149】
Figure 0003630326
【0610】
実施例33で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=5−シアノ−2−(ヒドロキシメチル)ベンゾアート(1.38 g, 1.97 mmol)のジクロロメタン(40 ml)溶液を0℃に冷却し、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(481.3 mg, 3.94 mmol)、4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−4−オキソブタン酸(Bioorg. Med. Chem.,8巻,2693頁(2000年)に記載;708.0 mg, 3.54 mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(830.8 mg, 4.33 mmol)を加えた。反応液を同温で2時間撹拌後、ジクロロメタンで希釈し、有機層を水,飽和食塩水の順で洗浄した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残留物を、シリカゲル30 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−メタノール(4:1)混合溶媒で溶出し、標記目的化合物と4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンの混合物(成分比6:1, 1.33 g)を得た。この混合物の一部(790.8 mg)をリサイクル分取HPLC[LC−908;日本分析工業製;GPCカラムJAIGEL−1H(20 mm i.d.× 600 mm)とJAIGEL−2H(20 mm i.d.× 600 mm)を直列につないで使用;溶媒,クロロホルム]を用いて分離することにより、標記目的化合物763.0 mg(収率44%)を無色アモルファス状固体として得た。
【0611】
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.45 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.30 (3H, s), 2.37 (2H, t, J=5 Hz), 2.30 (2H, t, J=5 Hz), 2.67−2.71 (2H, m), 2.77−2.80 (2H, m), 3.02 (1H, tt, J=12, 5 Hz), 3.50 (2H, t, J=5 Hz), 3.54 (1H, t, J=12 Hz), 3.55 (1H, t, J=12 Hz), 3.63 (2H, t, J=5 Hz), 4.02 (1H, q, J=7 Hz), 4.14−4.19 (2H, m), 5.01 (1H, d, J=4 Hz), 5.46 (1H, dd, J=15, 2 Hz), 5.51 (1H, d, J=15 Hz), 5.53 (1H, d, J=15 Hz), 5.60 (1H, d, J=15 Hz), 5.87 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.58 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.73 (1H, d, J=16 Hz), 6.90−6.96 (2H, m), 6.93 (1H, dd, J=16, 10 Hz), 7.32−7.37 (2H, m), 7.40 (1H, d, J=8 Hz), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.82−7.88 (2H, m), 7.89 (1H, s), 7.95 (1H, s), 8.18 (1H, d, J=1 Hz)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2232, 1736, 1644, 1616, 1503, 1418, 1258, 1143
マススペクトル m/z (FAB):884 (M+1)。
【0612】
上で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=5−シアノ−2−[[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−4−オキソブチリル]オキシメチル]ベンゾアート(264.3 mg, 0.30 mmol)の酢酸エチル(5 ml)溶液を0℃に冷却し、塩化水素(4 mol/l 酢酸エチル溶液;68.8 μl, 0.27 mmol)を加え、混合物を0℃で5分間撹拌した。溶媒を減圧下留去し乾固した後、水(5 ml)に溶解し、凍結乾燥して、標記目的化合物の1塩酸塩238.3 mg(収率87%)を無色アモルファス状固体として得た。
【0613】
NMR スペクトル(400 MHz, CDOD)δppm :1.42 (3H, dd, J=7, 1 Hz), 2.79 (4H, s), 2.82 (3H, s), 3.01 (1H, tt, J=11, 4 Hz), 3.08−3.12 (2H, br), 3.16−3.20 (2H, br), 3.47 (1H, t, J=11 Hz), 3.53 (1H, t, J=11 Hz), 3.76−3.86 (4H, br), 3.95 (1H, q, J=7 Hz), 4.02 (1H, ddd, J=11, 4, 2 Hz), 4.16 (1H, ddd, J= 11, 4, 2 Hz), 5.01 (1H, d, J=5 Hz), 5.47 (1H, d, J=16 Hz), 5.58 (2H, s), 5.59 (2H, d, J=16 Hz), 5.88 (1H, dd, J=15, 5 Hz), 6.57 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.78 (1H, d, J=16 Hz), 7.08 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 7.02−7.12 (2H, m), 7.49−7.54 (2H, m), 7.58 (1H, td, J=9, 6 Hz), 7.77 (1H, t, J=8 Hz), 7.84 (1H, d, J=8 Hz), 7.97−7.99 (1H, m), 7.98 (1H, s), 8.19 (1H, d, J=1 Hz), 8.44 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2232, 1734, 1653, 1503, 1419, 1275, 1256, 1144, 1051
マススペクトル m/z (FAB):884 [M(遊離塩基)+1)]。
【0614】
【実施例39】
(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−ヒドロキシアセタート(例示番号4A−1)
【0615】
【化150】
Figure 0003630326
【0616】
(1)4−メトキシベンジル=2−ヒドロキシアセタート
【0617】
【化151】
Figure 0003630326
【0618】
グリコール酸(15.21 g, 0.2 mmol)を水(20 ml)に溶解し、炭酸水素ナトリウム(16.8 g, 0.2 mmol)を加え、一晩放置した。溶媒を減圧留去後、残留物をよく乾燥し、粗製のグリコール酸ナトリウム塩(19.62 g)を得た。このうち13.5 g(0.138 mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(70 ml)に溶解し4−メトキシベンジル=クロリド(21.6 g, 0.138 mmol)を加え、混合物を100℃にて1時間撹拌した。混合物を室温に冷却後、水を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄後溶媒を減圧下留去し、油状の残留物を得た。これをシリカゲル200gを用いたシリカゲルクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒(2:3)で溶出し、標記化合物16.17 g(収率60%)を無色油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :3.82 (3H, s), 4.17 (2H, d, J=5 Hz), 5.17 (2H, s), 6.90 (2H, d, J=9 Hz), 7.31 (2H, d, J=9 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1738, 1613, 1516, 1253, 1175, 1085, 1035
マススペクトル m/z (EI): 196 (M)。
(2)4−メトキシベンジル=2−(アリルオキシカルボニルオキシ)アセタート
【0619】
【化152】
Figure 0003630326
【0620】
(1)で得た4−メトキシベンジル=ヒドロキシアセタート(1.46 g, 7.4 mmol)のジクロロメタン(20 ml)溶液を0℃に冷却し、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(1.00 g, 8.2 mmol)及びクロロギ酸アリル(0.99 g, 8.2 mmol)を加えた。混合物を室温に昇温後1時間撹拌し、反応を水で停止した。生成物をジクロロメタンで抽出後、溶媒を減圧下で留去し、油状の残留物を得た。これを、シリカゲル40 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:5)混合溶媒で溶出し、標記化合物1.80 g(収率86%)を薄褐色油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :3.81 (3H, s), 4.65 (2H, s), 4.67 (2H, dd, J=5, 1 Hz), 5.15 (2H, s), 5.28 (1H, dt, J=11, 1 Hz), 5.38 (1H, dd, J=18, 1 Hz), 5.93 (1H, ddt, J=18, 11, 5 Hz), 6.89 (2H, d, J=8 Hz), 7.30 (2H, d, J=8 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1752, 1614, 1516, 1299, 1282, 1255, 1175
マススペクトル m/z (EI):280 (M)。
(3)2−(アリルオキシカルボニルオキシ)酢酸
【0621】
【化153】
Figure 0003630326
【0622】
(2)で得た4−メトキシベンジル=2−(アリルオキシカルボニルオキシ)アセタート(1.77 g, 6.3 mmol)とアニソール(2.0 g, 18.5 mmol)の混合物を0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(9 ml)を加えた。混合物を室温で20分間放置後トルエン(8 ml)を加えて溶媒を減圧下留去し、揮発成分を除いた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え水層をヘキサンで2回洗浄し、次いで2N塩酸水溶液を加え酢酸エチルで逆抽出した。溶媒を減圧下濃縮し粗製の標記化合物1.00 g(収率定量的)を薄褐色油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :4.69 (2H, d, J=6 Hz), 4.71 (2H, s), 5.30 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 5.40 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 5.95 (1H, ddt, J=17, 11, 6 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 1758, 1740, 1296, 1278, 1253,
マススペクトル m/z (FAB):161 (M+1)。
(4)2−(アリルオキシカルボニルオキシ)アセチル=クロリド
(3)で得た2−(アリルオキシカルボニルオキシ)酢酸(3.03 g, 18.9 mmol)のテトラヒドロフラン(30 ml)溶液を0℃に冷却し、塩化オキサリル(2.64 g, 20.8 mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(30 μl)を加えて室温に昇温した。混合物を30分間撹拌後、溶媒を減圧下留去し得られた残留物を減圧下簡易蒸留で精製することにより、標記化合物3.04 g(収率90%)を無色油状物として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm : 4.70 (2H, d, J=6 Hz), 4.93 (2H, s), 5.32 (1H, d, J=11 Hz), 5.40 (1H, d, J=17 Hz), 5.94 (1H, ddt, J=17, 11, 6 Hz)
(5)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−(アリルオキシカルボニルオキシ)アセタート
参考例1で述べる4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(542.6 mg, 1.00 mmol)のテトラヒドロフラン(13 ml)溶液に、水素化ナトリウム(55%鉱油ディスパーション;104.7 mg, 2.40 mmol)を加え、市販の超音波洗浄機を用いて混合物に30分間超音波を照射した。混合物を超音波洗浄機からはずして0℃に冷却し、(4)で得た2−(アリルオキシカルボニルオキシ)アセチル=クロリド(392.9 mg, 2.20 mmol)を加えた。混合物を室温で40分間撹拌後、水で反応を停止し生成物を酢酸エチルで抽出した。溶媒を減圧下留去して得られた油状の残留物を、シリカゲル30 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:1)混合溶媒で溶出し、標記化合物109.6 mg(収率16%)を淡黄色のアモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.37 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 3.00 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.50 (1H, t, J=11 Hz), 3.51 (1H, t, J=11 Hz), 3.83 (1H, q, J=7 Hz), 4.11−4.21 (2H, m), 4.66 (2H, d, J=2 Hz), 4.69 (2H, d, J=6 Hz), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.30 (1H, d, J=11 Hz), 5.32−5.41 (3H, m), 5.85 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.94 (1H, ddt, J=17, 11, 6 Hz), 6.58 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.74 (1H, d, J=16 Hz), 6.86−6.94 (2H, m), 6.93 (1H, dd, J=16, 10 Hz), 7.34 (1H, d, J=10 Hz), 7.35−7.39 (1H, m), 7.40 (1H, d, J=10 Hz), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.93 (1H, s), 8.04 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2231, 1754, 1504, 1419, 1277, 1188, 1141, 972
マススペクトル m/z (FAB):685 (M+1)。
(6)(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−ヒドロキシアセタート(標記目的化合物)
(5)で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−(アリルオキシカルボニルオキシ)アセタート(250.7 mg, 0.37 mmol)を、ジクロロメタン(5 ml)に溶かし、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(12.9 mg, 0.018 mmol)と水素化トリブチルスズ(106.5 mg, 0.366 mmol)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。反応液を、シリカゲル30 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し酢酸エチル−ヘキサン(3:1)混合溶媒で溶出し、標記目的化合物230.7 mg(収率定量的)を無色アモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.36 (2H, dd, J=7, 2 Hz), 2.53 (1H, t, J=5 Hz), 3.03 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.51 (2H, t, J=11 Hz), 3.90 (1H, q, J=7 Hz), 4.13−4.22 (3H, m), 4.27 (1H, dd, J=17, 5 Hz), 5.00 (1H, d, J=4 Hz) 5.35 (1H, d, J=15 Hz), 5.42 (1H, dd, J=15, 2 Hz), 5.85 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.59 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.74 (1H, d, J=16 Hz), 6.87−6.93 (2H, m), 6.93 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 7.31−7.37 (2H, m), 7.40 (1H, d, J=8 Hz), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.92 (2H, s)IRスペクトルνmax KBr cm−1: 3433, 2231, 1757, 1615, 1503, 1419, 1276, 1141, 1100, 1051, 973
マススペクトル m/z (FAB):601 (M+1)。
【0623】
【実施例40】
ソジウム=2−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−2−オキソエチル=スクシナート(例示番号4A−2のナトリウム塩)
【0624】
【化154】
Figure 0003630326
【0625】
(1)アリル=2−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−2−オキソエチル=スクシナート(例示番号4A−2の2ナトリウム塩)
【0626】
【化155】
Figure 0003630326
【0627】
実施例39で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−ヒドロキシアセタート(327.0 mg, 0.54 mmol)のジクロロメタン(10 ml)溶液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(66.1 mg, 0.65 mmol)、及び、実施例14−(1)で得たアリル=4−クロロ−4−オキソブチラート(115.4 mg, 0.65 mmol)を加え、同温で2時間撹拌した。ジクロロメタンで希釈し、水、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。溶媒を減圧下留去して得られた油状の残留物をシリカゲル20 gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒(1:1)で溶出して標記目的化合物311.8 mg(収率77%)を薄褐色油状物質として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.36 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.69−2.72 (2H, m), 2.76−2.79 (2H, m), 3.01 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.50 (1H, t, J=11 Hz), 3.51 (1H, t, J=11 Hz), 3.81 (1H, q, J=7 Hz), 4.13−4.20 (2H, m), 4.60 (2H, d, J=6 Hz), 4.62 (1H, d, J=15 Hz), 4.68 (1H, d, J=15 Hz), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.24 (1H, d, J=11 Hz), 5.32 (1H, d, J=17 Hz), 5.33 (1H, d, J=15 Hz), 5.38 (1H, dd, J=15, 2 Hz), 5.85 (1H, dd, J=16, 5 Hz), 5.91 (1H, ddt, J=17, 11, 6 Hz), 6.58 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 6.74 (1H, d, J=15 Hz), 6.85−6.95 (2H, m), 6.93 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 7.35−7.40 (1H, m), 7.34 (1H, d, J=10 Hz), 7.40 (1H, d, J=8 Hz), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.94 (1H, s), 8.03 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2231, 1741, 1615, 1504, 1419, 1276, 1145マススペクトル m/z (FAB):741 (M+1)。
(2)ソジウム=2−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−2−オキソエチル=スクシナート(標記目的化合物)
(1)で得たアリル=2−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−2−オキソエチル=スクシナート(297.8 mg, 0.402 mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(14.1 mg, 0.02 mmol)、及び水素化トリブチルスズ(117.0 mg, 0.40 mmol)を用いて、実施例1−(13)と同様の方法で反応させ処理することにより、標記目的化合物の粗製品を油状物として得た。これをCosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;20 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(4:6〜3:7)混合溶媒で溶出した。得られたフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、標記目的化合物100.0 mg(収率34%)を無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, DO)δppm :1.35 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.51 (2H, t, J=7 Hz), 2.71 (2H, t, J=7 Hz), 3.02 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.57 (1H, t, J=11 Hz), 3.58 (1H, t, J=11 Hz), 3.78 (1H, d, J=7 Hz), 4.15 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.19 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.77−4.78 (2H, m), 5.11 (1H, d, J=5 Hz), 5.40 (1H, d, J=15 Hz), 5.51 (1H, d, J=15 Hz), 5.89 (1H, dd, J=15, 5 Hz), 6.63 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.83 (1H, d, J=16 Hz), 7.03−7.12 (2H, m), 7.11 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 7.51−7.61 (3H, m), 7.81 (1H, t, J=8 Hz), 8.04 (1H, s), 8.40 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2231, 1747, 1614, 1598, 1503, 1419, 1385, 1143
マススペクトル m/z (FAB):723 (M+1)。
【0628】
【実施例41】
ソジウム=ヒドロゲン=2−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−2−オキソエチル=ホスファート(例示番号4A−3のナトリウム塩)
【0629】
【化156】
Figure 0003630326
【0630】
(1)ジアリル=2−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−2−オキソエチル=ホスファート
【0631】
【化157】
Figure 0003630326
【0632】
実施例39で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=2−ヒドロキシアセタート(343.2 mg, 0.571 mmol)のジクロロメタン(10 ml)溶液を0℃に冷却し、テトラゾール(80.1 mg, 1.15 mmol)、ビス(アリルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(Tetrahedron Lett., 30巻, 4219頁(1989年)に記載;182.1 mg, 0.742 mmol)を加え混合物を同温で20分間撹拌した後、メタノール(0.1 ml)を加えた。さらに混合物を5分間撹拌した後、tert−ブチルヒドロペルオキシド(80%ジ−tert−ブチルペルオキシド溶液;0.27 g, 2.4 mmol)を0℃で加え、混合物を室温で15分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え混合物を10分間撹拌した後、生成物を酢酸エチルで抽出した。溶媒を減圧下留去後、得られた油状の残留物をシリカゲル20 gを用いたシリカゲルクロマトグラフィーに付し酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒(4:1)で溶出し、標記化合物365.4 mg(収率84%)を薄褐色アモルファス状固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.36 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.99 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.50 (1H, t, J=11 Hz), 3.51 (1H, t, J=11 Hz), 3.83 (1H, q, J=7 Hz), 4.11−4.20 (2H, m), 4.56−4.71 (6H, m), 4.99 (1H, d, J=4 Hz), 5.25−5.40 (6H, m), 5.84 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 5.96 (2H, ddt, J=17, 11, 6 Hz), 6.58 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=16 Hz), 6.86−6.93 (2H, m), 6.93 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 7.33 (1H, d, J=10 Hz), 7.35−7.39 (1H, m), 7.40 (1H, d, J=8 Hz), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.91 (1H, s), 8.01 (1H, s)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1: 2233, 1772, 1616, 1504, 1277, 1259, 1140, 1041, 991
マススペクトル m/z (FAB):761 (M+1)。
(2)ソジウム=ヒドロゲン=2−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−2−オキソエチル=ホスファート(標記目的化合物)
(1)で得たジアリル=2−[(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロポキシ]−2−オキソエチル=ホスファート(319.0 mg, 0.42 mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(14.7 mg, 0.021 mmol)、及び水素化トリブチルスズ(292.9 mg, 1.01 mmol)を用いて、実施例1−(13)と同様の方法で反応させ処理することにより、標記目的化合物の粗製品を油状物として得た。これをCosmosil 75 C18−PREP(ナカライテスク製;25 g)を用いた逆相カラムクロマトグラフィーに付し、水−メタノール(4:6〜3:7)混合溶媒で溶出した。得られたフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、標記目的化合物151.9 mg(収率52%)を無色の固体として得た。
NMR スペクトル(400 MHz, DO)δppm :1.21 (3H, d, J=7 Hz), 2.91 (1H, tt, J=12, 5 Hz) 3.50 (1H, t, J=12 Hz), 3.53 (1H, t, J=12 Hz), 3.64 (1H, q, J=7 Hz), 4.04−4.10 (2H, m), 4.33 (1H, dd, J=17, 6 Hz), 4.42 (1H, dd, J=17, 6 Hz), 5.05 (1H, d, J=5 Hz), 5.21 (1H, d, J=15 Hz), 5.39 (1H, d, J=15 Hz), 5.73 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.51 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=16 Hz), 6.86−6.98 (3H, m), 7.37−7.41 (3H, m), 7.59 (1H, t, J=8 Hz), 7.88 (1H, s), 8.27 (1H, s)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2231, 1755, 1615, 1503, 1418, 1385, 1277, 1140, 1050, 988, 976
マススペクトル m/z (FAB):703 (M+1)。
【0633】
【実施例42】
(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=5−シアノ−2−[[2−(4−メチル−1−ピペラジニル)アセチル]オキシメチル]ベンゾアート(例示番号5A−94)
【0634】
【化158】
Figure 0003630326
【0635】
実施例33で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=5−シアノ−2−(ヒドロキシメチル)ベンゾアート(666.1 mg, 0.95 mmol)のジクロロメタン(20 ml)溶液を0℃に冷却し、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(231.9 mg, 1.90 mmol)、(4−メチル−1−ピペラジニル)酢酸(J. Med. Chem.,43巻,1493頁(2000年)に記載;270.3 mg, 1.71 mmol)、及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(546.2 mg, 2.85 mmol)を加えた。反応液を室温で2時間撹拌後、ジクロロメタンで希釈し、有機層を水、次いで飽和食塩水で洗浄した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残留物をリサイクル分取HPLC[LC−908;日本分析工業製;GPCカラムJAIGEL−1H(20 mm i.d.× 600 mm)とJAIGEL−2H(20 mm i.d.× 600 mm)を直列につないで使用;溶媒,クロロホルム]に付し、標記目的化合物306.7 mg (収率38%)を無色アモルファス状固体として得た。
【0636】
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.46 (3H, dd, J=7, 2 Hz), 2.40−2.73 (11H, br), 3.02 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.37 (2H, s), 3.50 (1H, t, J=11 Hz), 3.55 (1H, t, J=11 Hz), 4.02 (1H, q, J=7 Hz), 4.13−4.20 (2H, m), 5.01 (1H, d, J=4 Hz), 5.49 (2H, s), 5.54 (1H, d, J=15 Hz), 5.60 (1H, d, J=15 Hz), 5.86 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.58 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.73 (1H, d, J=16 Hz), 6.90−6.94 (2H, m), 6.93 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 7.33 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.36−7.41 (2H, m), 7.57 (1H, t, J=8 Hz), 7.71 (1H, d, J=9 Hz), 7.86 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.89 (1H, s), 7.95 (1H, s), 8.19 (1H, d, J=1 Hz)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2232, 1733, 1614, 1504, 1418, 1276, 1182, 1167, 1142
マススペクトル m/z (FAB):842 (M+1)。
【0637】
上で得た(1R,2R)−2−[[トランス−2−[(1E,3E)−4−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,3−ブタジエニル]−1,3−ジオキサン−5−イル]チオ]−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]プロピル=5−シアノ−2−[[2−(4−メチル−1−ピペラジニル)アセチル]オキシメチル]ベンゾアート(260.8 mg, 0.31 mmol)の酢酸エチル(5 ml)溶液を0℃に冷却し、塩化水素(4 N 酢酸エチル溶液;73.6 μl, 0.29 mmol)を加え、混合物を0℃で5分間撹拌した。溶媒を減圧下留去し標記化合物の1塩酸塩277.2 mg(収率定量的)を薄黄色アモルファス状固体として得た。
【0638】
NMR スペクトル(400 MHz, CDCl)δppm :1.46 (1H, dd, J=7, 1 Hz), 2.75 (3H, s), 3.0−3.1 (9H, br), 3.46 (2H, s), 3.55 (2H, t, J=12 Hz), 4.01 (1H, q, J=7 Hz), 4.13−4.20 (2H, m), 5.01 (1H, d, J=4 Hz), 5.47 (1H, d, J=15 Hz), 5.51 (1H, d, J=15 Hz), 5.53 (1H, d, J=15 Hz), 5.64 (1H, d, J=15 Hz), 5.86 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.58 (1H, dd, J=15, 10 Hz), 6.74 (1H, d, J=16 Hz), 6.90−6.97 (3H, m), 7.33 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.33−7.37 (1H, m), 7.40 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.58 (1H, t, J=8 Hz), 7.70 (1H, d, J=8 Hz), 7.88 (1H, s), 7.89 (1H, dd, J=9, 2 Hz), 7.97 (1H, s), 8.24 (1H, d, J=1 Hz)
IRスペクトルνmax KBr cm−1: 2232, 1733, 1614, 1504, 1418, 1275, 1257, 1183, 1143
マススペクトル m/z (FAB):842 [M(遊離塩基)+1]。
【0639】
【参考例1】
4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル
【0640】
【化159】
Figure 0003630326
【0641】
(1)ジエチル=4−シアノ−2−フルオロベンジルホスホナート
4−(ブロモメチル)−3−フルオロベンゾニトリル(1.5 g, 7.0 mmol)[J. Med. Chem., 40巻, 2064頁(1997年)参照]と亜リン酸トリエチル(1.4 g, 8.4 mmol)の混合物を150℃で2時間加熱した。混合物を減圧下濃縮し、さらに真空ポンプで吸引しながら100℃にて1時間加熱して揮発性成分を除き、標記化合物1.97 g(収率定量的)を油状物(冷凍庫中固化)として得た。得られた油状物はそれ以上精製することなく次の工程で用いた。
NMR スペクトル(270 MHz, CDCl)δppm :1.27 (6H, t, J=7.1 Hz), 3.24 (2H, d, J=22.3 Hz), 4.00−4.05 (4H, m), 7.37 (1H, d, J=9.2 Hz), 7.43 (1H, d, J=7.9 Hz), 7.51 (1H, td, J=9.2, 2.6 Hz)
IRスペクトルνmax CHCl cm−1:2237, 1262, 1054, 1029
マススペクトル m/z (EI):271(M), 139, 109(100%), 93。
(2)3−フルオロ−4−[(1E,3E)−5−オキソ−1,3−ペンタジエニル]ベンゾニトリル
(1)で得たジエチル=4−シアノ−2−フルオロベンジルホスホナート(209 mg, 0.77mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(4 ml)溶液を−78℃に冷却し撹拌している中へ、ブチルリチウム(ヘキサン溶液, 1.53 N, 0.5 ml, 0.77 mmol)を滴下した。溶液を−78℃にてさらに30分間撹拌したのち、市販のフマルアルデヒド=モノジメチルアセタール(100 mg, 0.77 mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(2 ml)溶液を滴下した。混合物を−78℃にてさらに2時間撹拌した後、ドライアイス−アセトン浴を氷浴に替え、混合物をさらに15分間撹拌した。0.1 N塩酸(3.9mL, 0.39mmol)を加え、混合物を氷浴中で30分、室温で1時間撹拌した。氷浴中で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、混合物を水と酢酸エチルに分配した。有機層を水、食塩水で順に洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を除き、結晶性の残留物を酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒から再結晶し、標記化合物127 mg(収率 82 %)を淡黄色の結晶として得た。
融点174−177℃
NMR スペクトル(270 MHz, CDCl)δppm : 6.36 (1H, dd, J=15, 8 Hz), 7.14 (1H, d−like, J=3 Hz), 7.16 (1H, d, J=8 Hz), 7.28 (1H, ddd, J=15, 8, 3 Hz), 7.40 (1H, dd, J=10, 1 Hz), 7.47 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.67 (1H, t, J=8 Hz), 9.68 (1H, d, J=8 Hz)
IRスペクトルνmax (KBr) cm−1:2230, 1681, 1672, 1621, 1421, 1159, 1124
マススペクトル m/z (EI):201(M), 172(100%), 158, 145
元素分析:C12FNOとして
計算値:C, 71.64; H, 4.01; N, 6.96
分析値:C, 71.84; H, 4.27; N, 6.83。
(3)4−[(1E,3E)−4−[トランス−5−[[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チオ]−1,3−ジオキサン−2−イル]−1,3−ブタジエニル]−3−フルオロベンゾニトリル(標記目的化合物)
(2)で得た3−フルオロ−4−[(1E,3E)−5−オキソ−1,3−ペンタジエニル]ベンゾニトリル(4.63g, 23.0 mmol)、(2R,3R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[[1−(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]チオ]−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−ブタノール(特開平8−333350に記載; 8.73g, 24.3 mmol)、p−トルエンスルホン酸・1水和物(5.07g, 26.7 mmol)、及び乾燥テトラヒドロフラン(200 ml)の混合物を、室温で30分間放置した。混合物をロータリーエバポレータにて濃縮し、真空ポンプで室温にて吸引し乾燥した。得られた残渣に乾燥テトラヒドロフラン(150 ml)を加えて溶かし、上記と同様に濃縮、乾燥した。同様の操作をさらに2回繰り返した後、残渣に乾燥テトラヒドロフラン(150 ml)を加えて溶かし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を撹拌している中へ注ぎ込んだ。生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を除き、得られた油状の残渣をシリカゲル(500g)を用いたカラムクロマトグラフィーに付し酢酸エチル−ヘキサン(2:1)混合溶媒で溶出して、標記目的化合物9.35g(収率74%)を淡黄色の無定型の固体として得た。
NMR スペクトル(400MHz, CDCl)δppm :1.19 (3H, d, J=7 Hz), 3.33 (1H, q, J=7 Hz), 3.40 (1H, tt, J=11, 5 Hz), 3.62 (1H, t, J=11 Hz), 3.64 (1H, t, J=11 Hz), 4.30 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.43 (1H, ddd, J=11, 5, 2 Hz), 4.83 (1H, d, J=14 Hz), 5.01 (1H, s), 5.03 (1H, d, J=14 Hz), 5.07 (1H, d, J=4 Hz), 5.90 (1H, dd, J=15, 4 Hz), 6.62 (1H, dd, J=15, 11 Hz), 6.7−6.8 (2H, m), 6.73 (1H, d, J=16 Hz), 6.95 (1H, dd, J=16, 11 Hz), 7.3−7.4 (1H, m), 7.34 (1H, d, J=9 Hz), 7.40 (1H, d, J=8 Hz), 7.58 (1H, t, J=8 Hz), 7.79 (2H, s)
IRスペクトルνmax (KBr) cm−1: 2232, 1616, 1499, 1418, 1140
マススペクトル m/z (FAB):543(M+1)
比旋光度[α] 25 −76.6°(c=1.00 , CHCl)。
【0642】
【試験例1】
活性化合物の生成確認試験
最初に、被験化合物約1mgを試験管に取り約100μlの蒸留水を加え、被験化合物が10mg/ml以上溶解することを目視により確認した。
【0643】
ヒト肝ミクロソーム(GENTEST Corporation製;0.5 mg protein/ml)に被験化合物を初濃度1μMとなるように溶解し、混合物を37℃でインキュベートした。一定時間毎に混合物より少量のサンプルを採取し、被験化合物の当初量に対する被験化合物の残存率及び活性本体である次に示す化合物Aの生成率を、HPLC法により定量した。
【0644】
【化160】
Figure 0003630326
【0645】
実施例5の化合物(例示番号5−16の二ナトリウム塩)をインキュベートした結果を図1に示す。
【0646】
図1より明らかであるように、本発明の化合物である実施例5の化合物(例示番号5−16の二ナトリウム塩)は、インキュベート開始後速やかに消失し、30分後には、すべてが化合物Aに変換されていることが観察された。従って、本発明の化合物は、水溶性を示し、かつ生体内において加水分解され抗真菌活性を示す化合物に変換されることが明らかとなった。
【0647】
【試験例2】
化合物Aの抗真菌活性測定試験
被験化合物の抗真菌活性は、次の方法で測定した最小発育阻止濃度 (MICs)によって評価された。
カンジダ属についての測定方法:MICs は微量液体希釈法により測定した。被験化合物はジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。化合物の 2 倍段階希釈は DMSO で行い、最終的な希釈は0.165 M 3−(モルホリノ)プロパンスルホン酸 (MOPS)で pH 7.0 に緩衝化された RPMI1640 培地で行った。DMSO の最終濃度は1%を超えなかった。接種真菌は生理食塩水中に懸濁させ、最終的に 5.0 × 10 乃至 2.5 × 10 cells/ml になるように0.165 M 3−(モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)で pH 7.0 に緩衝化された RPMI1640 培地で調製した。マイクロプレートの各穴中で菌液100 μl と希釈化合物溶液100 μl を混合し、35 ℃ で 24 乃至 72 時間培養した。化合物を含まないコントロール穴において明らかな増殖が認められた時点で、化合物の MICs を測定した。MICs はコントロールに比べて少なくとも 80%の増殖阻止を生じる最小化合物濃度とした。
クリプトコッカスネオフォルマンスについての測定方法:MICs は 微量液体希釈法により測定した。被験化合物は DMSO に溶解した。各化合物の 2 倍段階希釈は DMSO で行い、最終的な希釈は 0.165 M MOPS で pH 7.0 に緩衝化された yeast nitrogen base 培地で行った。DMSO の最終濃度は 1%を超えなかった。接種真菌は生理食塩水中に懸濁させ、最終的に 5.0 × 10 乃至 2.5 × 10 cells/ml になるように0.165 M MOPSで pH 7.0 に緩衝化された yeast nitrogen base 培地で調製した。マイクロプレートの各穴中で菌液100 μl と希釈化合物溶液100 μl を混合し、35 ℃ で 48 乃至 72時間培養した。化合物を含まないコントロール穴において明らかな増殖が認められた時点で、化合物の MICs を測定した。MICs はコントロールに比べて少なくとも 50%の増殖阻止を生じる最小化合物濃度とした。増殖阻止の測定には、波長485nm における吸光度を利用した。
アスペルギルス属についての測定方法:MICs は 微量液体希釈法により測定した。被験化合物は DMSO に溶解した。各化合物の 2 倍段階希釈は DMSO で行い、最終的な希釈は 0.165 M MOPS で pH 7.0 に緩衝化された RPMI1640 培地で行った。DMSO の最終濃度は1%を超えなかった。接種真菌は生理食塩水中に懸濁させ、最終的に約 1.0 × 10 cells/ml になるように0.165 M MOPS で pH 7.0 に緩衝化された RPMI1640 培地で調製した。マイクロプレートの各穴中で菌液100 μl と希釈化合物溶液100 μl を混合し、30 ℃ で 24 乃至 72 時間培養した。化合物を含まないコントロール穴において明らかな増殖が認められた時点で、化合物の MICs を測定した。MICs はコントロールに比べて少なくとも 80%の増殖阻止を生じる最小化合物濃度とした。
化合物のMIC 値が小さいほど抗真菌活性は強い。
化合物Aについての抗真菌活性の測定結果を表39に示す。
【0648】
【表39】
抗真菌活性
Figure 0003630326
【0649】
【製剤例1】
注射剤
実施例1の化合物500mgを注射用蒸留水25mlに溶解し滅菌用フィルターを通した後凍結乾燥し、注射用凍結乾燥製剤とする。
【0650】
【発明の効果】
本発明に係る一般式(I)を有する化合物を含有する医薬は、水溶性が高く、生体内で速やかにエステル部分が開裂し抗真菌活性を示し、かつ安全であることから、医薬(特に、抗真菌剤)として(特に注射剤として)有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1の結果を示すグラフであり、横軸はインキュベート時間を、縦軸は、実施例5の化合物の残存率(%)又は化合物Aの生成率(%)を示す。

Claims (36)

  1. 一般式(I)
    Figure 0003630326
    [式中、Xは、一般式(II)
    Figure 0003630326
    (式中、Arは、ハロゲン原子及びC−Cハロゲン化アルキル基からなる群から選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−C10アリール基を示し、Rは、有機残基を示す。)で表される基(但し、式X−OHで表される化合物は抗真菌活性を有する。)を示し、
    Lは一般式−L−L
    [式中、Lは、単結合、酸素原子、置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−C10アリール基、置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよい複素環基、又は、置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−Cシクロアルキル基を示し、
    は、置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−Cアルキレン基を示す。]で表される基を示し、
    Rは、水素原子、置換基群βより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−Cアルカノイル基、式−C(O)−NR(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又はC−Cアルキルを示すか、或いは、R及びRはそれらが結合する窒素原子と一緒となって4員乃至7員含窒素複素環を形成する基を示す。)で表される基、又は、−P(=O)(OH)基を示す。]
    で表されるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
    <置換基群α>
    −Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、アミノ基、C−Cアルキルアミノ基、ジC−Cアルキルアミノ基、アミノC−Cアルキル基、C−CアルキルアミノC−Cアルキル基、ジC−CアルキルアミノC−Cアルキル基、カルボキシ基、−O−P(=O)(OH)基、及び、−O−P(=O)(OH)基で1置換されたC−Cアルキル基。
    <置換基群β>
    水酸基、式−Q−NR’R’[式中、Qは、単結合又はカルボニル基を示し、R’及びR’は、それぞれ独立して水素原子又はC−Cアルキル基を示すか、或いは、R’及びR’はそれらが結合する窒素原子と一緒となって4員乃至7員含窒素複素環(当該含窒素複素環は、同一又は異なるC−Cアルキル基で1又は2置換されてもよい。)を形成する基を示す。]で表される基、カルボキシ基、−O−P(=O)(OH)基、及び、−SOH基。
  2. 請求項1において、
    が置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−C10アリール基、置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよい複素環基、又は、置換基群αより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−Cシクロアルキル基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  3. 請求項2において、
    X−O−C(=O)−基と結合する−L−基中の炭素原子と、−L−O−R基と結合する−L−基中の炭素原子とが互いに隣接するものであるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  4. 請求項1乃至3から選択される何れか1項において、
    がメチレン基又は置換基群αより選択される同一又は異なる置換基で1又は2置換されたメチレン基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  5. 請求項1乃至4から選択される何れか1項において、
    Lが、−(o−フェニレン)−CH−基、又は、置換基群αより選択される置換基で1置換された−(o−フェニレン)−CH−基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  6. 請求項5において、
    Lが、置換基群αより選択される置換基で1置換された−(o−フェニレン)−CH−基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  7. 請求項1乃至請求項6から選択されるいずれか1項において、
    Rが水素原子であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  8. 請求項1乃至請求項6から選択されるいずれか1項において、
    Rが置換基群βより選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいC−Cアルカノイル基である、トリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  9. 請求項1乃至請求項6から選択されるいずれか1項において、
    Rが、−P(=O)(OH)基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  10. 請求項1乃至請求項9から選択されるいずれか1項において、
    置換基群αがメチル基、メトキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及び−CH−O−P(=O)(OH)基からなる置換基群α1であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  11. 請求項1乃至請求項10から選択されるいずれか1項において、
    置換基群βがアミノ基、C−Cアルキルアミノ基、及び、ジC−Cアルキルアミノ基からなる置換基群β1であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  12. 請求項11において、
    置換基群βがジC−Cアルキルアミノ基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  13. 請求項12において、
    置換基群βがN,N−ジメチルアミノ基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  14. 請求項1乃至請求項10から選択されるいずれか1項において、
    置換基群βがカルボキシ基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  15. 請求項1乃至請求項10から選択されるいずれか1項において、
    置換基群βが同一又は異なるC−Cアルキル基を1又は2個有してもよい4員乃至7員含窒素複素環基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  16. 請求項15において、
    置換基群βが同一又は異なるC−Cアルキル基で1又は2置換された4員乃至7員含窒素複素環基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  17. 請求項16において、
    置換基群βが4−メチル−1−ピペラジニル基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  18. 請求項1乃至請求項10から選択されるいずれか1項において、
    置換基群βが、式−C(O)−W(式中、Wは、同一又は異なるC−Cアルキル基を1又は2個有してもよい4員乃至7員含窒素複素環基を示す。)で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  19. 請求項18において、
    置換基群βが、式−C(O)−W(式中、Wは、同一又は異なるC−Cアルキルで1又は2置換された4員乃至7員含窒素複素環基を示す。)で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  20. 請求項19において、
    置換基群βが、(4−メチル−1−ピペラジニル)カルボニル基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  21. 請求項1乃至請求項20から選択されるいずれか1項において、
    Xが、一般式(III)
    Figure 0003630326
    [式中、Arは、ハロゲン原子及びトリフルオロメチル基よりなる群から選択される同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよいフェニル基を示し、
    Arは、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいフェニル基、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよい単環式ヘテロアリール基、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいナフチル基、又は、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよい縮合二環式ヘテロアリール基を示し、
    Eは、メチレン基、又は、式−S(O)n1−(式中、n1は0乃至2の整数を示す。)で表される基を示し、
    は、C−Cシクロアルキル基又はヘテロシクリル基を示し、
    及びRは、独立に水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
    Gは、式(Ga)
    Figure 0003630326
    (式中、R、R、R、及びRは、独立に水素原子、又は、同一又は異なるハロゲン原子を1乃至5個有してもよいC−Cアルキル基を示し、
    pは、0又は1の整数を示し、
    qは、0乃至3の整数を示し、
    r及びsは、独立に0乃至2の整数を示す。)で表される基、
    又は、式(Gb)
    Figure 0003630326
    (式中、Φは、フッ素原子および塩素原子からなる置換基群から選択される同一又は異なる1又は2個の置換基を有してもよいフェニレン基、又は、フッ素原子および塩素原子からなる置換基群から選択される同一又は異なる1又は2個の置換基を有してもよいナフチレン基を示し、
    RΨは、水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
    Tは、単結合、又は、直鎖若しくは分枝C−Cアルキレン基を示す。)で表される基を示す。]で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
    <置換基群γ>
    ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、カルボキシ基、置換基群ζより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいC−Cアルキル基、置換基群ζより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいC−Cアルコキシ基、置換基群ζより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいC−Cアルカノイル基、置換基群ζより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいC−Cアルカノイルオキシ基、C−Cアルコキシカルボニル基、C−Cアルカノイルアミノ基、式−C(O)−NR2a3a(式中、R2a及びR3aは、それぞれ独立して水素原子又はC−Cアルキル基を示すか、或いは、R2a及びR3aはそれらが結合する窒素原子と一緒となって4員乃至7員含窒素複素環を形成する基を示す。)で表される基、式−S(O)μ−Rξ(式中、μ1は0乃至2の整数を示し、Rξは置換基群ηより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいC−Cアルキル基を示す。)で表される基、式−S(O)μ−O−Rξ(式中、μ2は0乃至2の整数を示し、Rξは置換基群ηより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいC−Cアルキル基を示す。)で表される基、式−O−S(O)μ−Rξ(式中、μ3は0乃至2の整数を示し、Rξは置換基群ηより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいC−Cアルキル基を示す。)で表される基、置換基群δより選択される同一又は異なる1又は2個の置換基を有してもよいイミダゾリル基、置換基群δより選択される同一又は異なる1又は2個の置換基を有してもよいピラゾリル基、置換基群δより選択される同一又は異なる1又は2個の置換基を有してもよいトリアゾリル基、置換基群δより選択される同一又は異なる1又は2個の置換基を有してもよいテトラゾリル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、及び、C−Cシクロアルキル基で置換されたC−Cアルキル基。
    <置換基群δ>
    −Cアルキル基、同一又は異なるハロゲン原子で1乃至5置換されたC−Cアルキル基、及び、ハロゲン原子。
    <置換基群ζ>
    ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、及び、C−Cアルコキシ基。
    <置換基群η>
    ハロゲン原子、及び、水酸基。
  22. 請求項21において、
    Arが、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいフェニル基、又は、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよい単環式ヘテロアリール基であり、
    Eが、式−S(O)n1−(式中、n1は0乃至2の整数を示す。)で表される基であり、
    がC−Cアルキル基であり、
    が水素原子又はC−Cアルキル基であり、
    Gが、式(Ga’)
    Figure 0003630326
    (式中、R6’、R7’、R8’、及びR9’は、独立に水素原子、又は、同一又は異なるハロゲン原子を1乃至5個有してもよいC−Cアルキル基を示し、
    p’は、0又は1の整数を示し、
    q’、r’及びs’は、独立に0乃至2の整数を示す。)で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  23. 請求項22において、Xが式(IV)
    Figure 0003630326
    で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  24. 請求項21において、
    Eが、メチレン基であり、

    Figure 0003630326
    からなる群から選択される基であり、
    Gが、式(Ga’’)
    Figure 0003630326
    (式中、q’’は、0乃至3の整数を示し、r’’及びs’’は、独立に0乃至2の整数を示す。但し、q’’、r’’及びs’’の和は3以下である。)で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  25. 請求項24において、Xが式(V)
    Figure 0003630326
    で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  26. 請求項21において、
    Arが、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいナフチル基、又は、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよい縮合二環式ヘテロアリール基であり、
    Eが式−S(O)n1−(式中、n1は0乃至2の整数を示す。)で表される基であり、
    がC−Cアルキル基であり、
    が水素原子であり、
    Gが、式(Ga’)
    Figure 0003630326
    (式中、R6’、R7’、R8’、及びR9’は、独立に水素原子、又は、同一又は異なるハロゲン原子を1乃至5個有してもよいC−Cアルキル基を示し、
    p’は、0又は1の整数を示し、
    q’、r’及びs’は、独立に0乃至2の整数を示す。)で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  27. 請求項21において、
    Arが、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいフェニル基、又は、置換基群γより選択される同一又は異なる1乃至5個の置換基を有してもよいナフチル基であり、
    Eが、メチレン基、又は、硫黄原子であり、
    が水素原子であり、
    Gが、式(Gb)
    Figure 0003630326
    (式中、Φは、フッ素原子および塩素原子からなる置換基群から選択される同一又は異なる1又は2個の置換基を有してもよいフェニレン基、又は、フッ素原子および塩素原子からなる置換基群から選択される同一又は異なる1又は2個の置換基を有してもよいナフチレン基を示し、
    RΨは、水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
    Tは、単結合、又は、直鎖若しくは分枝C−Cアルキレン基を示す。)で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  28. 請求項1乃至請求項20から選択されるいずれか1項において、
    Xが、式(VI)
    Figure 0003630326
    で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  29. 請求項1乃至請求項20から選択されるいずれか1項において、
    Xが、式(VII)
    Figure 0003630326
    で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  30. 請求項1乃至請求項20から選択されるいずれか1項において、
    Xが、式(VIII)
    Figure 0003630326
    で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  31. 請求項1乃至請求項20から選択されるいずれか1項において、
    Xが、式(IX)
    Figure 0003630326
    で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  32. 請求項1乃至請求項20から選択されるいずれか1項において、
    Xが、式(X)
    Figure 0003630326
    で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  33. 請求項1乃至請求項20から選択されるいずれか1項において、
    Xが、式(XI)
    Figure 0003630326
    で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  34. 請求項1乃至請求項20から選択されるいずれか1項において、
    Xが、式(XII)
    Figure 0003630326
    で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  35. 請求項1乃至請求項20から選択されるいずれか1項において、
    Xが、式(XIII)
    Figure 0003630326
    で表される基であるトリアゾール化合物又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
  36. 医薬が抗真菌剤である、請求項1乃至請求項35から選択されるいずれか1項に記載の医薬。
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