JP2003327578A - 光学活性2−フェニル−2,3−ジヒドロキシプロピルアゾール誘導体の製造法 - Google Patents

光学活性2−フェニル−2,3−ジヒドロキシプロピルアゾール誘導体の製造法

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JP2003327578A JP2003035961A JP2003035961A JP2003327578A JP 2003327578 A JP2003327578 A JP 2003327578A JP 2003035961 A JP2003035961 A JP 2003035961A JP 2003035961 A JP2003035961 A JP 2003035961A JP 2003327578 A JP2003327578 A JP 2003327578A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医農薬分野の有用な化合物であり、特に光学
活性アゾール系抗真菌剤の製造中間体となる、光学活性
2−フェニル−2,3−ジヒドロキシプロピルアゾール
誘導体の短工程で安価にかつ安定的な製造法と新規な中
間体を提供する。 【解決手段】 下記反応工程により目的物を製造す
る。このとき、反応に伴なうラセミ化が無く、高い光学
純度で望む立体配置を有する化合物を選択的に製造しう
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医農薬分野をはじ
め多方面において製造上の重要な化合物である光学活性
2−フェニル−2,3−ジヒドロキシプロピルアゾール
誘導体の短工程な新規製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、AIDS等の感染による免疫不全
患者の増加や高度医療の進展または高齢者の増加等によ
る免疫力低下患者の増大によって、いわゆる日和見感染
症に代表される真菌感染症が問題となっている。特に免
疫低下者にとって、カンジタ症やアスペルギルス症等の
深在性の真菌感染症は、生命にも拘わる重篤な場合も少
なくなく、医療現場においては注意すべき感染症の一つ
である。 従来、これら感染症に対してはフルコナゾー
ルに代表されるアゾール系の抗真菌剤が多用されてきた
が、近年、耐性菌の出現や基本的な作用不足が指摘され
るようになり、より広範囲な菌種に有効でより強力な治
療薬の開発が望まれている(医薬ジャーナル, vol37
(7), pp.115-119)。
【0003】一方、近年開発中のアゾール系の抗真菌剤
は、構造がより複雑化する傾向にあり、特にアゾールメ
チル基が結合する不斉炭素およびそれに連続して存在す
る不斉炭素部位をいかに効率よく構築するかが大きな技
術上の問題点となっている(J.Med.Chem., Vol.41, pp.
1869-1882, 1998)。しかし現在に至るまで、工業的な
観点から、安価でかつ安定的な製造方法は確立されてい
ない。
【0004】以下に従来の製造技術に関して述べる。連
続する不斉部位の構築方法として、いずれの場合もα−
ヒドロキシフェニルケトン誘導体を経由して、ケトン基
に対するジアステレオ選択的な増炭エポキシ化を行なう
ことで構築している(Chem.Pharm.Bull., Vol.41(6), p
p.1035-1042,1993)。しかし従来の製造法は、(1)ジ
アステレオ選択性が約4:1と悪く、(2)目的とする
異性体のみ単離しようとすると低収率であり、(3)工
程数が長く、単離、精製工程が極めて煩雑であり、
(4)反応条件によってはラセミ化する等、工業的に見
て極めて問題のある製造方法であった。加えて、α−ヒ
ドロキシフェニルケトン誘導体自体の製造方法も多工程
(Bioorg.Med.Chem.Lett.,vol1(7), pp.349-352, 199
1)、または不斉触媒等の高価な反応試薬(Tetrahedron
Letters, vol37(36), pp.6531-6534, 1996)を必要と
し、工業的な製造方法としては十分満足するものではな
かった。近年、これらの既存法を改良したL-アラニンを
出発原料とする新規な製造法も報告されているが(US63
00522)、α−ヒドロキシフェニルケトン誘導体を経由
する点において根本的な問題を解決には至っておらず、
必ずしも工業的に満足する製造方法ではなかった。
【0005】このように、より有用な新規アゾール系の
抗真菌剤の開発が望まれているにも拘わらず、2つの不
斉炭素を有する光学活性な化合物であるため、従来の製
造技術では、工業的な観点から安価でかつ安定的な製造
方法は確立されておらず、これら中間体化合物に関し
て、より効率的な新規製造法の早急な開発が望まれてい
る。
【0006】
【特許文献1】米国特許第6300522号公報
【0007】
【非特許文献1】医薬ジャーナル, vol.37(7), pp.115-
119
【0008】
【非特許文献2】J.Med.Chem., Vol.41, pp.1869-1882,
1998
【0009】
【非特許文献3】Chem.Pharm.Bull., Vol.41(6), pp.10
35-1042, 1993
【0010】
【非特許文献4】Tetrahedron Letters, vol.37(36), p
p.6531-6534, 1996
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、医・
農薬分野における有用な化合物であり、特に光学活性な
アゾール系抗真菌剤の製造過程において極めて重要な中
間体となる、光学活性2−フェニル−2,3−ジヒドロ
キシプロピルアゾール誘導体の製造に関して、工業的な
観点から、短い工程で安価にかつ安定的に製造する方法
と新規な中間体を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する為に鋭意検討を重ねた結果、光学活性なα−
ヒドロキシカルボン酸誘導体を出発原料とし、ハロ酢酸
誘導体と反応させ、医農薬の非常に重要な中間体である
光学活性なハロメチルケトン誘導体を製造し、さらに、
アルキル化反応を、保護基の選択と反応条件によって、
自由にアンチあるいはシン配置にできる、高ジアステレ
オ選択的反応を見出し、医農薬の非常に重要な中間体で
ある光学活性ハロメチルアルコール誘導体を製造し、さ
らにトリアゾールまたはイミダゾールと反応させ、光学
活性アゾールメチルアルコール誘導体を製造し、さら
に、選択的に脱保護を行うことで、医農薬の非常に重要
な中間体である光学活性2−フェニル−2,3−ジヒド
ロキシプロピルアゾール誘導体を得るまったく新しい製
造ルートを見出した。
【0013】上記反応ルートにおいては、反応に伴なう
ラセミ化がほとんど無く、高い光学純度で望む立体配置
を有する化合物を選択的に製造できることを見出した。
特に、光学活性なα−ヒドロキシカルボン酸誘導体とし
て安価な乳酸誘導体を利用し、保護基としてシリル系の
保護基を用い、光学活性な新規シリルオキシ−ハロアル
キルケトン誘導体を経由し、非常に高いシン選択性でア
ルキル化が行えることを見出し、光学活性なアゾール系
抗真菌剤の製造のために極めて重要な中間体である新規
光学活性シリルオキシ−ハロメチルアルコール誘導体お
よび光学活性シリルオキシ−エポキシド誘導体を得られ
ることを見出した。これらにより、光学活性なアゾール
系抗真菌剤の製造のために極めて重要な中間体であり、
高い光学純度で望む立体配置を有する2−フェニル−
2,3−ジヒドロキシプロピルアゾール誘導体の製造
が、工業的な観点から短い工程で安価にかつ安定的に行
い得ることが可能となり、本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明は以下の[1]〜[9]に記
載のとおりである。 [1] 一般式(1)[化9]
【0015】
【化9】
【0016】(式中R1は置換されてもよいアルキル
基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよい
アリール基または置換されてもよいヘテロ環を示し、R
2は水酸基の保護基としてのエーテル系の保護基、アセ
タール系の保護基またはシリル系の保護基を示し、R3
は水酸基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアシル
基、置換されてもよいカーボネート基、置換されてもよ
いアルキルオキシ基、置換されてもよいアラルキルオキ
シ基、置換されてもよいフェノキシ基または置換されて
もよいアミノ基を示し、炭素原子上の*は不斉炭素を意
味し、R配置あるいはS配置を取ることができる。)で
表されるα−ヒドロキシカルボン酸誘導体と、一般式
(2)[化10]
【0017】
【化10】
【0018】(式中、R4は水素原子、置換されてもよ
いアルキル基、置換されてもよいアラルキル基、置換さ
れてもよいアリール基、アルカリ金属またはアルカリ土
類金属を示し、Xはハロゲン原子を示す。)で表される
ハロ酢酸誘導体を塩基性条件下反応させ、一般式(3)
[化11]
【0019】
【化11】
【0020】(式中R1、R2、Xおよび*は前記と同
義である。)で表されるハロメチルケトン誘導体を製造
し、さらに該ハロメチルケトン誘導体を一般式(4)
[化12]
【0021】
【化12】
【0022】(式中R5およびR6は互いに独立してハ
ロゲン原子、アルキルオキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、置換されてもよいアミノ基、置換さ
れてもよいアミド基、置換されてもよいアルキル基、置
換されてもよいアルキルオキシ基、置換されてもよいア
ラルキル基、置換されてもよいアラルキルオキシ基、置
換されてもよいフェニル基、置換されてもよいフェニル
オキシ基、置換されてもよいヘテロ環または置換されて
もよいヘテロ環オキシ基を示し、AはLi、MgX、Z
nX、TiX3、Ti(OR7)3、CuXまたはCuL
iを示す。ただし、Xはハロゲン原子を示し、R7は低
級アルキル基を示す。)で表されるフェニル金属試薬を
ジアステレオ選択的に反応させ、一般式(5)[化13]
【0023】
【化13】
【0024】(式中R1、R2、R5、R6、Xおよび
*は前記と同義である。)で表される光学活性ハロメチ
ルアルコール誘導体を製造し、さらに該光学活性ハロメ
チルアルコール誘導体をトリアゾールまたはイミダゾー
ルと反応させ、一般式(6)[化14]
【0025】
【化14】
【0026】(式中R1、R2、R5、R6および*は
前記と同義である。Yは炭素原子又は窒素原子を示
す。)で表される光学活性アゾールメチルアルコール誘
導体を製造し、さらに該光学活性アゾールメチルアルコ
ール誘導体を選択的に脱保護することで一般式(7)
[化15]
【0027】
【化15】
【0028】(式中R1、R5、R6、Yおよび*は前
記と同義である。)で表される光学活性2−フェニル−
2,3−ジヒドロキシプロピルアゾール誘導体を製造す
る方法であり、[2] 一般式(1)(式中R1、R2、
R3*は前記と同義である。)で表されるα−ヒドロキ
シカルボン酸誘導体と、一般式(2)(式中、R4、X
は前記と同義である。)で表されるハロ酢酸誘導体を塩
基性条件下反応させ、一般式(3)(式中R1、R2、
Xおよび*は前記と同義である。)で表されるハロメチ
ルケトン誘導体を製造し、さらに該ハロメチルケトン誘
導体に一般式(4)(式中R5、R6、A、X、R7は
前記と同義である。)で表されるフェニル金属試薬をジ
アステレオ選択的に反応させ、一般式(8)[化16]
【0029】
【化16】
【0030】(式中R1、R2、R5、R6、および*
は前記と同義である。)で表される光学活性エポキシド
誘導体を製造し、さらに該光学活性エポキシド誘導体を
トリアゾールまたはイミダゾールと反応させ、一般式
(6)(式中R1、R2、R5、R6、Yおよび*は前
記と同義である。)で表される光学活性アゾールメチル
アルコール誘導体を製造し、さらに該光学活性アゾール
メチルアルコール誘導体を選択的に脱保護することで一
般式(7)(式中R1、R5、R6、Yおよび*は前記
と同義である。)で表される光学活性2−フェニル−
2,3−ジヒドロキシプロピルアゾール誘導体を製造す
る方法であり、[3] 一般式(3)(式中R1、R
2、Xおよび*は前記と同義である。)で表されるハロ
メチルケトン誘導体と、一般式(4)(式中R5、R
6、Aは前記と同義である。)で表されるフェニル金属
試薬をジアステレオ選択的に反応させ、一般式(5)
(式中R1、R2、R5、R6、Xおよび*は前記と同
義である。)で表される光学活性ハロメチルアルコール
誘導体を製造する方法であり、[4] 一般式(3)
(式中R1、R2、Xおよび*は前記と同義である。)
で表されるハロメチルケトン誘導体と、一般式(4)
(式中R5、R6、Aは前記と同義である。)で表され
るフェニル金属試薬をジアステレオ選択的に反応させ、
一般式(8)(式中R1、R2、R5、R6、Xおよび
*は前記と同義である。)で表される光学活性エポキシ
ド誘導体を製造する方法であり、[5] 一般式(5)
(式中R1、R2、R5、R6、Xおよび*は前記と同
義である。)で表される光学活性ハロメチルアルコール
誘導体、あるいは一般式(8)(式中R1、R2、R
5、R6、Xおよび*は前記と同義である。)で表され
る光学活性エポキシド誘導体と、トリアゾールまたはイ
ミダゾールと反応させ、一般式(6)(式中R1、R
2、R5、R6、Yおよび*は前記と同義である。)で
表される光学活性アゾールメチルアルコール誘導体を製
造する方法であり、[6] 一般式(6)(式中R1、R
2、R5、R6、Yおよび*は前記と同義である。)で
表される光学活性アゾールメチルアルコール誘導体を脱
保護し、一般式(7)(式中R1、R5、R6、Yおよ
び*は前記と同義である。)で表される光学活性2−フ
ェニル−2,3−ジヒドロキシプロピルアゾール誘導体
を製造する方法であり、[7] R1がメチル基である
[1]から[6]の何れか一項に記載の製造法であり、
[8] R1がメチル基、R5、R6がハロゲン原子であ
る[1]から[6]の何れか一項に記載の製造法であ
り、[9] 一般式(5)においてR1がメチル基、R
5、R6がハロゲン原子である光学活性ハロメチルアル
コール誘導体である。
【0031】
【発明の実施の形態】次に本発明の化合物についてさら
に詳細に説明する。本発明において「置換されてもよい
アルキル基」とは、アルキル基の任意の位置が置換され
てもよいアルキル基を意味する。アルキル基としては、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基ま
たはアリル基等を挙げることができる。置換基として
は、水酸基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメト
キシエトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、ニト
ロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、アルコキ
シカルボニル基、フェノキシカルボニル基あるいはフッ
素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロ
ゲン原子等を挙げることができる。
【0032】本発明において「置換されてもよいアラル
キル基」とは、アラルキル基の任意の位置が置換されて
もよいアラルキル基を意味する。アラルキル基として
は、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェニルエチル基
または9−フルオレニルメチル基等が挙げられる。置換
基としては、メチル基、tert-ブチル基またはベンジル
基等のアルキル基、シクロプロパン、シクロペンタンま
たはシクロヘキサン等のシクロアルキル基、フェニル
基、水酸基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメト
キシエトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、ニト
ロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、アルコキ
シカルボニル基、フェノキシカルボニル基あるいはフッ
素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロ
ゲン原子等を挙げることができる。
【0033】本発明において「置換されてもよいアリー
ル基」とは、アリール基の任意の位置が置換されてもよ
いアリール基を意味する。アリール基としては、フェニ
ル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基
またはフェナントレニル基等を挙げることができる。置
換基としては、メチル基、tert-ブチル基またはベンジ
ル基等のアルキル基、シクロプロパン、シクロペンタン
またはシクロヘキサン等のシクロアルキル基、フェニル
基、水酸基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメト
キシエトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、ニト
ロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、アルコキ
シカルボニル基、フェノキシカルボニル基あるいはフッ
素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロ
ゲン原子等を挙げることができる。
【0034】本発明において「置換されていてもよいヘ
テロ環」とは、ヘテロ環の任意の位置が置換されていて
もよいヘテロ環を意味する。ヘテロ環としては、テトラ
ヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒ
ドロチエニル基、ピペリジル基、モルホリニル基、ピペ
ラジニル基、ピロリル基、フリル基、チエニル基、ピリ
ジル基、フルフリル基、テニル基、ピリジルメチル基、
ピリミジル基、ピラジル基、イミダゾイル基、イミダゾ
イルメチル基、インドリル基、インドリルメチル基、イ
ソキノリル基、キノリル基またはチアゾリル基等が挙げ
られる。置換基としては、メチル基、tert-ブチル基ま
たはベンジル基等のアルキル基、シクロプロパン、シク
ロペンタンまたはシクロヘキサン等のシクロアルキル
基、フェニル基、水酸基、メトキシ基、ベンジルオキシ
基またはメトキシエトキシ基等のアルコキシ基、フェノ
キシ基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基
あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素
原子等のハロゲン原子等を挙げることができる。
【0035】本発明において「水酸基の保護基としての
エーテル系の保護基」とは、水酸基を保護する目的でエ
ーテル結合を有する保護基を意味し、メチル基、エチル
基、tert-ブチル基、オクチル基、アリル基、ベンジル
基、p-メトキシベンジル基、フルオレニル基、トリチル
基、ベンズヒドリル基等を挙げることができる。
【0036】本発明において「アセタール系の保護基」
とは、水酸基を保護する目的でアセタール結合を有する
保護基を意味し、メトキシメチル基、エトキシエチル
基、メトキシエトキシメチル基、テトラヒドロピラニル
基、テトラヒドロフラニル基等を挙げることができる。
【0037】本発明において「シリル系の保護基」と
は、水酸基を保護する目的でシリルオキシ結合を有する
保護基を意味し、トリメチルシリル基、トリエチルシリ
ル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフ
ェニルシリル基等を挙げることができる。
【0038】本発明において「ハロゲン原子」として
は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素等を挙げることが
できる。
【0039】本発明において「置換されていてもよいア
シル基」とは、アシル基の任意の位置が置換されていて
もよいアシル基を意味する。アシル基としては、ホルミ
ル基、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、ベ
ンゾイル基等を挙げることができる。置換基としては、
メチル基、tert-ブチル基またはベンジル基等のアルキ
ル基、シクロプロパン、シクロペンタンまたはシクロヘ
キサン等のシクロアルキル基、フェニル基、水酸基、メ
トキシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ基
等のアルコキシ基、フェノキシ基、ニトロ基、アミノ
基、アミド基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル
基、フェノキシカルボニル基あるいはフッ素原子、塩素
原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子等を
挙げることができる。
【0040】本発明において「置換されていてもよいカ
ーボネート基」とは、カーボネート基の任意の位置が置
換されていてもよいカーボネート基を意味する。カーボ
ネート基としては、メチルカーボネート基、エチルカー
ボネート基、イソプロピルカーボネート基、ベンジルカ
ーボネート基等を挙げることができる。置換基として
は、メチル基、tert-ブチル基またはベンジル基等のア
ルキル基、シクロプロパン、シクロペンタンまたはシク
ロヘキサン等のシクロアルキル基、フェニル基、水酸
基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエト
キシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、ニトロ基、ア
ミノ基、アミド基、カルボキシル基、アルコキシカルボ
ニル基、フェノキシカルボニル基あるいはフッ素原子、
塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子
等を挙げることができる。
【0041】本発明において「置換されてもよいアルキ
ルオキシ基」とは、アルキルオキシ基の任意の位置が置
換されてもよいアルキルオキシ基を意味する。アルキル
オキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロ
ポキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキ
シルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基また
はアリルオキシ基等を挙げることができる。置換基とし
ては、水酸基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメ
トキシエトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、ニ
トロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、アルコ
キシカルボニル基、フェノキシカルボニル基あるいはフ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハ
ロゲン原子等を挙げることができる。
【0042】本発明において「置換されてもよいアラル
キルオキシ基」とは、アラルキルオキシ基の任意の位置
が置換されてもよいアラルキルオキシ基を意味する。ア
ラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基、ナフチ
ルメチルオキシ基、フェニルエチルオキシ基または9−
フルオレニルメチルオキシ基等が挙げられる。置換基と
しては、メチル基、tert-ブチル基またはベンジル基等
のアルキル基、シクロプロパン、シクロペンタンまたは
シクロヘキサン等のシクロアルキル基、フェニル基、水
酸基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエ
トキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、ニトロ基、
アミノ基、アミド基、カルボキシル基、アルコキシカル
ボニル基、フェノキシカルボニル基あるいはフッ素原
子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン
原子等を挙げることができる。
【0043】本発明において「置換されてもよいフェノ
キシ基」とは、フェノキシ基の任意の位置が置換されて
もよいフェノキシ基を意味する。置換基としては、メチ
ル基、tert-ブチル基またはベンジル基等のアルキル
基、シクロプロパン、シクロペンタンまたはシクロヘキ
サン等のシクロアルキル基、フェニル基、水酸基、メト
キシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ基等
のアルコキシ基、フェノキシ基、ニトロ基、アミノ基、
アミド基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、
フェノキシカルボニル基あるいはフッ素原子、塩素原
子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子等を挙
げることができる。
【0044】本発明において「置換されてもよいアミノ
基」とは、アミノ基の任意の位置が置換されてもよいア
ミノ基を意味する。置換基としては、メチル基、tert-
ブチル基またはベンジル基等のアルキル基、シクロプロ
パン、シクロペンタンまたはシクロヘキサン等のシクロ
アルキル基、フェニル基等を挙げることができる。
【0045】本発明において「アルカリ金属」とは、リ
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム
等を挙げることができる。
【0046】本発明において「アルカリ土類金属塩」と
は、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリ
ウムベリリウム等の塩を意味し、ハロゲン化マグネシウ
ム、アルコキシマグネシウム、ハロゲン化カルシウム、
アルコキシカルシウム、ハロゲン化ストロンチウム、ハ
ロゲン化バリウム、ハロゲン化ベリリウム等が挙げられ
る。さらに詳しくは−MgCl、−MgBr、−MgO
Me、−MgOEt等のマグネシウム塩、−CaCl、
−CaBr、−CaOMe、−CaOEt等のカルシウ
ム塩、−BaCl、−BaBr、−BaOMe、−Ba
OEt等のバリウム塩を挙げることができる。また、ア
ゾール酢酸誘導体2分子が1つのアルカリ土類金属塩を
形成することもできる。
【0047】本発明において「アルキルオキシカルボニ
ル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカル
ボニル基、tert-ブトキシカルボニル基等を挙げること
ができる。
【0048】本発明において「アリールオキシカルボニ
ル基」としては、フェノキシカルボニル、ナフチルオキ
シカルボニル基等を挙げることができる。
【0049】本発明において「置換されてもよいアミド
基」とは、アミド基の任意の位置が置換されてもよいア
ミノ基を意味する。置換基としては、メチル基、tert-
ブチル基またはベンジル基等のアルキル基、シクロプロ
パン、シクロペンタンまたはシクロヘキサン等のシクロ
アルキル基、フェニル基等を挙げることができる。
【0050】本発明において「置換されていてもよいヘ
テロ環オキシ基」とは、ヘテロ環オキシ基の任意の位置
が置換されていてもよいヘテロ環オキシ基を意味する。
ヘテロ環オキシ基としては、テトラヒドロピラニルオキ
シ基、テトラヒドロフラニルオキシ基、テトラヒドロチ
エニルオキシ基、ピペリジルオキシ基、モルホリニルオ
キシ基、ピペラジニルオキシ基、ピロリルオキシ基、フ
リルオキシ基、チエニルオキシ基、ピリジルオキシ基、
フルフリルオキシ基、テニルオキシ基、ピリジルメチル
オキシ基、ピリミジルオキシ基、ピラジルオキシ基、イ
ミダゾイルオキシ基、イミダゾイルメチルオキシ基、イ
ンドリルオキシ基、インドリルメチルオキシ基、イソキ
ノリルオキシ基、キノリルオキシ基またはチアゾリルオ
キシ基等が挙げられる。置換基としては、メチル基、te
rt-ブチル基またはベンジル基等のアルキル基、シクロ
プロパン、シクロペンタンまたはシクロヘキサン等のシ
クロアルキル基、フェニル基、水酸基、メトキシ基、ベ
ンジルオキシ基またはメトキシエトキシ基等のアルコキ
シ基、フェノキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、
カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、フェノキシ
カルボニル基あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子
またはヨウ素原子等のハロゲン原子等を挙げることがで
きる。
【0051】一般式(3)のハロメチルケトン誘導体か
ら一般式(5)の光学活性ハロメチルアルコール誘導体
あるいは(8)の光学活性エポキシド誘導体へのジアス
テレオ選択的に反応とは、一般式(3)のハロメチルケ
トン誘導体の不斉炭素の立体に対し選択的に新しい不斉
炭素を生じることであり、アンチ選択的とは、ある面上
に炭素鎖をジグザグに置いたときに、光学活性な炭素原
子上のR2O−基に対して逆側に水酸基を生じるもので
あり、シン選択的とは同じ側に水酸基を生じる選択性を
意味する。ジアステレオ選択的に反応し得られた一般式
(5)の光学活性ハロメチルアルコール誘導体は反応条
件下あるいは塩基や熱等の処理によりジアステレオ選択
性を保ったまま一般式(8)で表される光学活性エポキ
シドに誘導することができる。すなわち、アンチ選択的
とは一般式(9)[化17]
【0052】
【化17】
【0053】に表されるようなジアステレオ選択性であ
り、(S)体から(S,S)体を生じ、(R)体から
(R,R)体を生じる反応である。また、シン選択性と
は一般式(10)[化18]
【0054】
【化18】
【0055】に表されるようなジアステレオ選択性であ
り、(S)体から(S,R)体を生じ、(R)体から
(R,S)体を生じる反応である。
【0056】以下に、本発明の代表的な製造法について
説明する。 [1] 一般式(3)で表されるハロメチルケトン誘導体
の製造法について述べる。一般式(1)で表されるα−
ヒドロキシカルボン酸誘導体に対し、一般式(2)で表
されるハロ酢酸誘導体を塩基性条件下にて反応させるこ
とで一般式(3)で表されるハロメチルケトン誘導体を
製造することができる。本反応は、炭素−炭素結合反応
の後に、あるいは同時に脱炭酸反応を進行させること
で、効率良くハロメチル基を導入することが可能であ
る。また本反応において、出発原料に光学活性体を用い
るが、反応による光学純度の低下はほとんど観察されな
い。
【0057】使用可能な塩基としては特に制限は無い
が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム等の無機塩基が挙げられる。また、トリエチルアミ
ン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロウンデセン等の
有機アミン塩基が挙げられる。また、ナトリウムメトキ
シド、ナトリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシド等
のアルコキシドが挙げられる。また、水素化リチウム、
水素化ナトリウム等の金属水素化物が挙げられる。ま
た、アルキルリチウム、Grignard試薬等の有機金属塩
基、中でもn-ブチルリチウム、エチルマグネシウムブロ
マイド、n-ブチルマグネシウムクロライド、tert-ブチ
ルマグネシウムクロライド等が挙げられる。また、ナト
リウムアミド、リチウムアミド、マグネシウムアミド等
の金属アミド塩基、中でもリチウムジイソプロピルアミ
ド、ハロゲン化マグネシウムジアルキルアミド、中でも
塩化マグネシウムジイソプロピルアミド等の金属アミド
塩基等を挙げることができる。これらの塩基は単独ある
いは併用して用いることができる。
【0058】使用可能な溶媒としては、反応の進行を妨
げないものであれば特に制限はないが、水、メタノー
ル、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ヘ
キサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエー
テル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、クロロホ
ルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、アセトニト
リル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
ジメチルイミダゾリジノン等を挙げることができる。ま
たこれら溶媒は単独で、あるいは2種以上の任意の比率
での混合溶媒として使用可能である。
【0059】反応温度に関しては、−78℃から使用す
る溶媒の沸点まで実施可能であるが、好ましくは、−2
0℃から溶媒の沸点の温度範囲である。反応時間は特に
制限は無いが、数分間から24時間、好ましくは30分
間から6時間の範囲である。
【0060】[2] 一般式(5)で表されるハロメチル
アルコール誘導体の製造法または(8)で表されるエポ
キサイド誘導体の製造法について述べる。一般式(3)
で表されるハロメチルケトン誘導体に対し、一般式
(4)で表されるフェニル金属試薬を反応させることで
一般式(5)または(8)で表される誘導体を製造する
ことができる。この反応において、R2で示される水酸
基の保護基とAで示される金属種の組み合わせにより、
ジアステレオ選択性が変わり、適切な保護基と金属種を
組み合わせることで、自由にシンあるいはアンチの立体
を作り分けることができる。
【0061】概論すれば、R2O基における酸素原子と
反応に関与するカルボニル基が金属の配位により立体が
固定された、いわゆるキレーションモデルにしたがって
有機金属試薬が反応することで、高いアンチのジアステ
レオ選択性で目的物を得ることができる。より具体的に
は、S配置の化合物からはS−R配置の化合物を、R配
置の化合物からはR−S配置の化合物を選択的に製造す
ることができる。保護基として具体的にはベンジル基、
メトキシメチル基等を用い、有機金属試薬としてGrigna
rd試薬を用いることで高いアンチ選択性(>9:1)で
目的の反応が行うことができる。
【0062】また、R2で示される水酸基の保護基を立
体的に大きくし、適切な金属試薬を選択することで、高
いシン選択性で目的物を得ることができる。より具体的
には、S配置の化合物からはS−S配置の化合物を、R
配置の化合物からはR−R配置の化合物を高いシン選択
性(>5:1)で製造することができる。具体的には、
保護基としてシリル系の保護基を用いることで非常に高
いシン選択性(>7:1)で目的の反応が行うことがで
きる。シリル系の保護基としては、トリメチルシリル
基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニ
ルシリル基、トリエチルシリル基等が挙げられる。一般
式(8)で表されるエポキサイド誘導体は、高いジアス
テレオ選択性で一般式(5)で表されるハロメチルアル
コール誘導体が生成された後、反応条件下あるいは塩基
や熱等の処理により環化反応が起こることで得ることが
できる。この場合、初めの反応で生じたジアステレオ選
択性は失われることはない。
【0063】また、本反応において、出発原料を光学活
性体とした場合、反応による光学純度の低下はほとんど
観察されない。使用可能なフェニル金属化合物として
は、フェニルリチウム誘導体、フェニルマグネシウム誘
導体、フェニル亜鉛誘導体、フェニルチタン誘導体、フ
ェニル銅誘導体またはフェニル銅リチウム誘導体等を挙
げることができる。さらに、反応系に様々の添加物を加
え、ジアステレオ選択性を変化させ、あるいは収率を向
上させることができる。添加物として具体的には、ルイ
ス酸、4級アンモニウム塩、等が挙げられる。さらに詳
しくは、CeCl3、MgBr2、MgCl2、ZnCl
2、ZnBr2、CuCl2、TiCl4、BF3、AlC
3、SnCl4、SnCl2等が挙げられる。
【0064】使用可能な溶媒としては、反応の進行を妨
げないものであれば特に制限はないが、水、メタノー
ル、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ヘ
キサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエー
テル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、クロロホ
ルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、アセトニト
リル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
ジメチルイミダゾリジノン等を挙げることができる。ま
たこれら溶媒は単独で、あるいは2種以上の任意の比率
での混合溶媒として使用可能である。
【0065】反応温度に関しては、−78℃から使用す
る溶媒の沸点まで実施可能であるが、好ましくは、−4
0℃から室温の範囲である。反応時間は特に制限は無い
が、数分間から24時間、好ましくは30分間から6時
間の範囲である。
【0066】[3]一般式(6)で表されるアゾールメチ
ルアルコール誘導体の製造法について述べる。一般式
(5)または(8)で表される誘導体に対し、トリアゾ
ールまたはイミダゾールを反応させることで一般式
(6)で表されるアゾールメチルアルコール誘導体を製
造することができる。反応は、トリアゾールまたはイミ
ダゾールを単独あるいは塩基共存下で実施することが可
能である。使用可能な塩基としては特に制限は無いが、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等
の無機塩基、トリエチルアミン、ピリジン、1,8−ジ
アザビシクロウンデセン等の有機アミン塩基、水素化リ
チウム、水素化ナトリウム等の金属水素化物、n-ブチル
リチウム、エチルマグネシウムブロマイド、n-ブチルマ
グネシウムクロライド、tert-ブチルマグネシウムクロ
ライド等の有機金属塩基、またはナトリウムアミド、リ
チウムジイソプロピルアミド、塩化マグネシウムジイソ
プロピルアミド等の金属アミド塩基等を挙げることがで
きる。
【0067】使用可能な溶媒としては、反応の進行を妨
げないものであれば特に制限はないが、水、メタノー
ル、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ヘ
キサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエー
テル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、クロロホ
ルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、アセトニト
リル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等
を挙げることができる。またこれら溶媒は単独で、ある
いは2種以上の任意の比率での混合溶媒として使用可能
である。
【0068】反応温度に関しては、−20℃から使用す
る溶媒の沸点まで実施可能であるが、好ましくは、0℃
から溶媒の沸点の温度範囲である。反応時間は特に制限
は無いが、数分から72時間、好ましくは30分間から
12時間の範囲である。
【0069】[4]一般式(7)で表される光学活性2−
フェニル−2,3−ジヒドロキシプロピルアゾール誘導
体の製造法について述べる。一般式(6)で表される光
学活性アゾールメチルアルコール誘導体のR2で表され
る水酸基部分の保護基を選択的に脱保護化することで、
一般式(7)で表される光学活性2−フェニル−2,3
−ジヒドロキシプロピルアゾール誘導体を製造すること
ができる。水酸基の脱保護方法は、脱保護される部分以
外の構造に変化を与えない方法であれば特に制限はな
い。エーテル系の保護基の場合は、塩酸、硫酸、トリフ
ルオロ酢酸、p-トルエンスルホン酸または酢酸等による
酸処理、あるいはパラジウム−炭素等を触媒とする接触
水素化分解処理等により実施可能である。また、アセタ
ール系の保護基の場合は、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢
酸、p-トルエンスルホン酸、ピリジニウムp-トルエンス
ルホン酸または酢酸等による酸処理等を用いることがで
き、シリル系の保護基の場合は、塩酸、硫酸、トリフル
オロ酢酸、p-トルエンスルホン酸、ピリジニウムp-トル
エンスルホン酸または酢酸等による酸処理、またはテト
ラn-ブチルアンモニウムフルオライド等のフッ素アニオ
ン処理によって実施可能である。
【0070】使用可能な溶媒としては、反応の進行を妨
げないものであれば特に制限はないが、水、メタノー
ル、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ヘ
キサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエー
テル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、クロロホ
ルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、アセトニト
リル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等
を挙げることができる。またこれら溶媒は単独で、ある
いは2種以上の任意の比率での混合溶媒として使用可能
である。
【0071】反応温度に関しては、−20℃から使用す
る溶媒の沸点まで実施可能である。反応時間は特に制限
は無いが、数分間から24時間、好ましくは30分間か
ら6時間の範囲である。
【0072】なお、本発明の出発原料である一般式
(1)で表される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸誘
導体は、市販で容易に入手可能であるか、または一般的
に広く知られた方法で合成可能である。例えば、乳酸
(Chem.Pharm.Bull., Vol.41(6), pp.1035-1042, 199
3)、各種アミノ酸(Synthesis, 1987, p.479)、α−
ハロカルボン酸誘導体(Tetrahedron Lett., 1985, Vo
l.26, p.5257)から既知の方法で合成可能である。ま
た、製造方法として特に明記していない試薬および使用
原料に関しては一般的に市販されており、いずれも入手
は容易である。
【0073】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載するが、本発
明はこれらによって制限されるものではない。 [実施例1] (3R)-1-クロロ-3-(3,4,5,6-テトラヒドロ-
2H-ピラン-2-イルオキシ)-2-ブタノンの合成[化19]
【0074】
【化19】
【0075】tret-ブチルマグネシウムクロライド(0.9
4M テトラヒドロフラン溶液)(200ml)に室温にて
ジイソプロピルアミン(19.4g)を加え、70℃で1.5時
間加熱還流後、室温まで冷却した(これを反応溶液Aと
した)。別の反応容器に(2R)-メチル-2-(3,4,5,6-テト
ラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)プロピオネート(9.1
g)を入れ、テトラヒドロフラン(40ml)に溶解し、
室温にてクロロ酢酸ナトリウム(11.3g)を加えた。こ
れを氷冷し、塩化マグネシウム(9.3g)を少量ずつ加え
てから室温で4時間攪拌した(これを反応溶液Bとし
た)。反応溶液Bを氷冷して反応溶液Aを内温5℃以下
で滴下し、これを70℃で2時間加熱還流後、室温まで冷
却した。反応溶液を氷冷下で硫酸(18.0g)/水(150m
l)/酢酸エチル(225ml)の混合溶液に注加し、室温で
40分間攪拌した。この溶液を分液し、有機層を飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗
浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留
去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(426g,ヘキサン−酢酸エチル=4:1)で単離精製
し、目的化合物の保護基THPに由来する2種のジアステ
レオマーを黄色油状物質として得た。
【0076】収量=9.2g 収率=92% ジアステレオマーA1 H-NMR(400MHz, CDCl3) δ=4.65(dd, 1H, J=4.4, 2.8H
z), 4.45(quartet, 1H, J=6.8Hz), 4.42(d, 1H, J=16H
z), 4.36(d, 1H, J=16Hz), 3.91-3.82(m, 2H), 1.88-1.
45(m, 6H), 1.41(d, 3H, J=6.8Hz) ジアステレオマーB1 H-NMR(400MHz,CDCl3) δ=4.66(d,1H,J=17Hz), 4.55(d
d,1H,J=6.4,2.4Hz), 4.42(d,1H,J=17Hz) 4.25(quartet,
1H, J=6.8Hz), 3.56-3.50(m, 1H), 3.47-3.41(m,1H),
1.92-1.49(m, 6H), 1.35(d, 3H, J=6.8Hz) IR(neat, diastereomixture) ν=2946, 2870, 1741, 1
433, 1398, 1327, 1203,1130, 1078, 1035, 974, 892,
874, 816, 781cm-1
【0077】[実施例2] (2R,3R)-1-クロロ-2-(2,4-ジ
フルオロフェニル)-3-(3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-ピラ
ン-2-イルオキシ)-2-ブタノールの合成[化20]
【0078】
【化20】
【0079】窒素雰囲気化でマグネシウム (1.5g)をテ
トラヒドロフラン(25ml)に懸濁し、ヨウ素(50mg)
を加えてから25℃〜30℃で2,4-ジフルオロブロモベンゼ
ン(11.0g)/テトラヒドロフラン(20ml)溶液を滴
下した。室温で1.5時間攪拌しこれを溶液A(49.2g)
とした。別の反応容器に実施例1で得られた化合物(2.0
g)を入れ、テトラヒドロフラン(20ml)に溶解して-
20℃に冷却した。これに溶液A(9.1g)を-5℃以下で滴
下し、−10℃〜0℃で1時間、0℃〜10℃で2時間攪拌し
た。反応液を5℃に冷却し、1N塩酸(9ml)を加えてp
H8に調整した。5℃〜10℃で30分間攪拌した後酢酸エチ
ル、水を加えて抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水
溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾
燥した後溶媒を減圧濃縮し、淡褐色残さを得た。
【0080】[反応のジアステレオ選択性]アンチ誘導体
(2R,3R):シン誘導体(2S,3R)=10:1ジアステレオ選
択性は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精
製を行なわず混合物のまま、実施例3および4に記載の
方法を実施し、(2S,3R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1
-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2,3-ブタンジオール
および(2R,3R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-(1H-1,
2,4-トリアゾール-1-イル)-2,3-ブタンジオールに誘導
した後、HPLCを用いて決定した(分析条件/YMC-PACK O
DS A-303, 溶離液組成 メタノール:水:酢酸=70:3
0:0.2, 検出法 UV 254nm)。また、上記操作により
得られた淡褐色残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(68g, ヘキサン−酢酸エチル=4:1)にて単離精
製して、(2R,3R)の立体配置を持つ主生成物のテ
トラヒドロピラン部位に由来する2種のジアステレオマ
ー混合物を白色アモルファスとして得た。
【0081】収量=2.0g 収率=64% アンチ誘導体(2R,3R)のジアステレオマーA1 H-NMR(400MHz, CDCl3) δ=7.71(td, 1H, J=9.0,6.8H
z), 6.94-6.89(m, 1H), 6.83-6.76(m, 1H), 4.61(dd, 1
H, J=4.8,2.4Hz), 4.38(d, 1H, J=11Hz), 4.21(d,1H, J
=11Hz), 4.12(quartet, 1H, J=6.8Hz), 4.00(s, 1H),
3.52-3.46(m, 2H),1.86-1.32(m, 6H), 1.27(d, 3H, J=
6.8Hz) アンチ誘導体(2R,3R)のジアステレオマーB1 H-NMR(400MHz, CDCl3) δ=7.62(td, 1H, J=8.8, 6.4H
z), 6.94-6.89(m, 1H), 6.83-6.76(m, 1H), 4.29(m, 1
H), 4.03(quartet, 1H, J=6.4Hz), 4.00(s, 1H), 3.95
(dd, 1H, J=11, 2.4Hz), 3.91(dd, 1H, J=11, 2.4Hz),
3.46-3.37(m, 2H),1.86-1.32(m, 6H), 1.13(dd, 3H, J
=1.2, 6.4Hz) IR(KBr-disk, diastereomixture) ν=3437, 3079, 294
3, 2873, 1736, 1616, 1502, 1469, 1421, 1356, 1273,
1201, 1121, 1084, 1025, 973, 927, 863, 815,756, 7
26, 680, 632, 558, 543, 515cm-1
【0082】[実施例3] (2S,3R)-2-(2,4-ジフルオロ
フェニル)-3-(3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル
オキシ)-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-ブタノ
ールの合成[化21]
【0083】
【化21】
【0084】窒素雰囲気下、水素化ナトリウム(0.36
g)をN,N-ジメチルホルムアミド(6ml)に懸濁し、
氷冷下で1,2,4-トリアゾールを少量ずつ加え、室温で40
分間攪拌した。これに実施例2で得られたジアステレオ
マー混合物(0.71g)/ N,N-ジメチルホルムアミド(5m
l)溶液を滴下し、室温で4時間、70℃で6時間加熱攪拌
した。反応液を室温まで冷却し、氷水中に注加して1N
塩酸でpH4に調整した。酢酸エチルを加えて抽出し、
有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸
マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(32g,
クロロホルム−メタノール=25:1)にて単離精製して、
テトラヒドロピラン部位に由来する2種のジアステレオ
マー混合物を淡黄色アモルファスとして得た。この反応
では、不斉炭素の立体構造はアンチで変わらないが、塩
素原子がトリアゾールに変わることで2位の立体表記が
(R)から(S)に変化する。
【0085】収量=0.68g 収率=86% ジアステレオマーA1 H-NMR(400MHz, CDCl3) δ=8.12(s, 1H), 8.02(s, 1H),
7.73(d, 1H, J=11Hz),7.55(td, 1H, J=9.0, 6.8Hz),
6.80-6.69(m, 1H), 5.15(dd, 1H, J=14,1.2Hz),4.78(s,
1H), 4.62-4.61(m, 1H),4.56(dd, 1H, J=14, 1.2Hz),
4.10(quartet, 1H, J=6.4Hz), 3.45-3.41(m, 2H), 1.8
6-1.34(m, 6H), 1.17(dd, 3H, J=6.4,1.2Hz) ジアステレオマーB1 H-NMR(400MHz, CDCl3) δ=8.05(s, 1H), 8.02(s, 1H),
7.73(d, 1H, J=11Hz),7.44(td, 1H, J=9.0, 6.4Hz),
6.80-6.69(m, 1H), 4.98(dd, 1H, J=14,1.2Hz),4.48(d
d, 1H, J=14,0.8Hz), 4.41(s, 1H), 416(qd, 1H, J=6.
0, 0.8Hz), 3.41-3.38(m, 2H), 1.86-1.34(m, 6H), 1.
13(d, 3H, J=6.0Hz) IR(neat, diastereomixture) ν=3392, 3128, 2945, 2
872, 1669, 1616, 1502,1419, 1387, 1274, 1203, 113
7, 1078, 1033, 973, 872, 816, 729, 680, 660,551cm
-1
【0086】[実施例4] (2S,3R)-2-(2,4-ジフルオロ
フェニル)-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2,3-ブ
タンジオールの合成[化22]
【0087】
【化22】
【0088】実施例3で得られた化合物(0.51g)をエタ
ノール(7ml)に溶解し、ピリジニウムパラトルエンス
ルホン酸(149mg)を加えて室温で1時間、55℃で2.5時
間加熱攪拌した。反応溶液を室温まで冷却してから濃縮
し、残渣に酢酸エチル、水を加えて抽出した。有機層を
水洗後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減
圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(32g, クロロホルム−メタノール=9:1)にて
単離精製して、目的化合物を白色アモルファスとして得
た。
【0089】収量=0.22g 収率=57%1 H-NMR(400MHz, CDCl3) δ=8.03(d, 1H, J=1.2Hz), 7.7
6(s, 1H), 7.54(td, 1H,J=9.2, 6.4Hz), 6.83-6.78(m,
1H), 6.72(ddd, 1H, J=12,8.8,2.8Hz), 5.03(d,1H, J=1
4,1.6Hz), 5.01(s, 1H),4.56(dd, 1H, J=14, 1.6Hz),
4.00(quartet, 1H, J=6.4Hz), 2.65(d, 1H, J=5.2Hz),
1.26(dd, 3H, J=6.4,1.2Hz) IR(KBr-disk) ν=3406, 3136, 2982, 2938, 1618, 150
1, 1421, 1277, 1207, 1139, 1082, 1021, 967, 853, 8
15, 663, 633, 548cm-1
【0090】[実施例5] (3S)-1-クロロ-3-ベンジルオ
キシ-2-ブタノンの合成[化23]
【0091】
【化23】
【0092】(2S)-メチル-2-ベンジルオキシプロピオネ
ート(4.70g, 24.2mmol)をTHF(20ml)に溶解
し、クロロ酢酸ナトリウム(5.63g)および塩化マグネシ
ウム(4.61g)を加え、窒素雰囲気下、室温にて1時間撹
拌した(A液)。市販の0.97Mtert-ブチルマグネシウ
ムクロライド−THF溶液(100ml)に、窒素雰囲気下、
室温にて、ジイソプロピルアミン(9.90g)を滴下し、65
〜70℃に1時間加熱撹拌した(B液)。A液を−15℃に
冷却し、B液を滴下した(滴下時の内温は0℃以下を保
った)。滴下終了後、反応液を65〜70℃に加温し、2時
間撹拌した。反応液を冷却後、氷冷した酢酸エチル(100
g)-10%硫酸(90g)の混合液に注加し、そのまま30分間
撹拌した。有機層を分取し、5%−食塩水で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムにて乾燥した。有機層を減圧濃縮
し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(C-300, 100g, ヘキサン‐酢酸エチル=10:1→8:
1)で単離精製した。
【0093】収量=4.06g 収率=79%1 H-N.M.R.(400MHz, CDCl3) δ=7.40-7.30(m, 5H), 4.
61(d, 1H, J=11.5Hz), 4.53(d, 1H, J=11.5Hz), 4.46
(d, 1H, J=14.5Hz), 4.39(d, 1H, J=14.5Hz), 4.15(q,
1H), J=6.8Hz), 1.40(d, 3H, J=6.8Hz) IR(neat)ν=3033, 2986, 2939, 2870, 1742, 1497, 14
55, 1396, 1308, 1115,741, 699cm-1
【0094】[実施例6] (2S,3S)-1-クロロ-2-(2,4-ジ
フルオロフェニル)-3-ベンジルオキシ-2-ブタノールの
合成[化24]
【0095】
【化24】
【0096】実施例5で得られた化合物(3.19g, 15mmo
l)をTHF(15ml)に溶解し、-15℃に冷却した。予め2,4-ジ
フロロブロモベンゼン(3.47g, 18mmol)から調製し
たグリニヤ試薬(THF/20ml)を-5℃以下で滴下し
た。反応液を30分間撹拌の後、水(20ml)を5℃以下で
滴下し、続いて1N-塩酸(30ml)を5℃以下で滴下した。
酢酸エチル(50ml)で抽出し、2回水洗した。有機層を
無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮し、淡褐色
残さを得た。
【0097】[ジアステレオ選択性] アンチ誘導体(2S,3S):シン誘導体(2R,3S)=10:1 ジアステレオ選択性は、得られた淡褐色残さをシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー精製することなく混合物の
ままで1H-N.M.R.(400MHz, CDCl3)を測定し、各ピークの
積分比から決定した。さらに、上記操作で得られた淡褐
色残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(C-300,
200g, ヘキサン‐酢酸エチル=10:1→6:1)で単離精製
し、標題化合物を得た。
【0098】アンチ誘導体(2S,3S)の収量=2.50g アンチ誘導体(2S,3S)の収率=51% アンチ誘導体(2S,3S)1 H-N.M.R.(400MHz, CDCl3) δ=7.67-7.60(m, 1H), 7.
28-7.25(m, 3H), 7.08-7.05(m, 2H), 6.94-6.90(m, 1
H), 6.77-6.72(m, 1H), 4.49(d, 1H, J=11.7Hz), 4.27
(d, 1H, J=11.7Hz), 4.20(d, 1H, J=11.2Hz), 3.92-3.8
7(m, 2H), 3.17(s, 1H), 1.22(dd, 3H, J=0.7, 6.4Hz) IR(neat) ν=3538, 3066, 3032, 2978, 2938, 2873,
1616, 1501, 1420, 1271, 1131, 1091, 973, 852, 750,
698cm-1 シン誘導体(2R,3S)1 H-N.M.R.(400MHz, CDCl3) δ=7.74-65(m, 1H), 7.38
-7.31(m, 5H), 6.94-6.87(m, 1H), 6.79-6.71(m, 1H),
4.70(d, 1H, J=11.6Hz), 4.47(d, 1H, J=11.6Hz), 4.11
-4.00(m, 3H), 2.99(s, 1H), 1.01(d, 3H, J=5.9Hz) このとき、原料であるBCMKを1.33g回収した。BCMKの回
収を考慮すると、換算収率は87%であった。
【0099】[実施例7] (2S,3S)-1-クロロ-2-(2,4-ジ
フルオロフェニル)-3-ベンジルオキシ-2-ブタノールの
合成[化25]
【0100】
【化25】
【0101】窒素雰囲気下、マグネシウム(6.0g, 46m
mol)をテトラヒドロフラン(120ml)に分散させ、よ
う素(5mg)加えて攪拌した。 2,4-ジフルオロブロモベ
ンゼン(48g, 248mmol)のテトラヒドロフラン(120
ml)溶液を、内温が30〜35℃になるように滴下し、
グリニヤ試薬Aとした。別途、無水塩化セリウム(10g,
40.8mmol)を減圧下、130℃で1時間乾燥した。
室温まで冷却した後、窒素雰囲気下にてテトラヒドロフ
ラン(40ml)を加えて、懸濁の状態で30分間超音波処理
を行ない懸濁溶液Bとした。続いて、 実施例5で得ら
れた化合物(4.34g, 20.4mmol)のテトラヒドロフラ
ン(10ml)溶液を、懸濁溶液Bに加え、さらに30分間超
音波処理を行なった。テトラヒドロフラン(4ml)を懸
濁溶液Bに追加した後、0℃から−5℃に保って、上記
で調整したグリニヤ試薬A(24ml,24mmol)を滴下
した。滴下後更に12時間攪拌した。 氷冷下、1N塩酸
(200ml)を滴下、酢酸エチル(400ml)で抽出した。有
機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(400ml)、飽和
食塩水(400ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、
ろ過、濃縮して、淡褐色残さを得た。
【0102】[ジアステレオ選択性] アンチ誘導体(2S,3S):シン誘導体(2R,3S)=10:1 ジアステレオ選択性の決定は、実施例6と同様に行なっ
た。さらに、上記操作で得られた淡褐色残さをシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(C-300, 200g, ヘキサン‐
酢酸エチル=10:1→6:1)で単離精製し、標題化合物を
得た。 アンチ誘導体(2S,3S)の収量=6.13g アンチ誘導体(2S,3S)の収率=92%1 H-N.M.R.(400MHz, CDCl3)およびIR(neat)値は、実施例
6と一致した。
【0103】[実施例8] (2R,3S)-2-(2,4-ジフルオロ
フェニル)-3-ベンジルオキシ-1-(1H-1,2,4-トリアゾー
ル-1-イル)-2-ブタノールの合成[化26]
【0104】
【化26】
【0105】60%-水素化ナトリウム(800g, 20mmo
l)をDMF(7g)に懸濁し、窒素雰囲気下、氷冷にてト
リアゾール(1.38g, 20mmol)を粉体装入した(内温
は15℃以下を保持した)。氷冷下にて1時間撹拌し、ほ
ぼ均一な淡褐色溶液を得た後に、実施例8で得られた化
合物(1.63g, 5mmol)をDMF(7g)に溶解した溶液
を10℃以下で滴下装入した。反応液を70〜75℃に加温
し、6時間撹拌した。反応液を冷却後、水(60g)に注加
し、酢酸エチル(100ml)で抽出した。水洗(60gで3
回)をし、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、有機層を減
圧濃縮した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(C-300, 100g, ヘキサン‐酢酸エチル=1:
2)で単離精製し、黄色シロップを得た。この反応では、
不斉炭素の立体構造はアンチで変わらないが、塩素原子
がトリアゾールに変わることで2位の立体表記が(S)
から(R)に変化する。
【0106】収量=1.33g 収率=80%1 H-N.M.R.(400MHz, CDCl3) δ=7.99(s, 1H), 7.72(s,
1H), 7.49-7.43(m, 1H), 7.29-7.26(m, 3H), 7.10-7.0
8(m, 2H), 6.80-6.75(m, 1H), 6.71-6.65(m, 1H), 4.96
(d, 1H, J=14.5Hz), 4.53(d, 1H, J=10.4Hz), 4.45(d,
1H, J=14.5Hz), 4.36(s, 1H), 4.27(d, 1H, J=10.4Hz),
3.90(q, 1H, J=6.1Hz), 1.25(d, 3H, J=6.1Hz) IR(neat) ν=3259, 3166, 3086, 1617, 1502, 1274,
1135, 1096, 966, 858,747, 667cm-1 このシロップのうち1.1gから結晶化(ヘキサン−THF)
し、乳白色結晶を得た。 収量=960mg
【0107】[実施例9] (2R,3S)-2-(2,4-ジフルオロ
フェニル)-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2,3-ブ
タンジオールの合成[化27]
【0108】
【化27】
【0109】実施例8で得られた化合物(719g, 2mm
ol)をメタノール(30ml)に溶解し、10%-パラジウム
/炭素(0.3g)を加え、オートグレーブ中、水素初期圧
(1.0MPa)、50℃にて8時間撹拌した。反応液から触
媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮した。
【0110】収量=480mg 収率=89%1 H-NMR(400MHz, CDCl3) δ=8.03(d, 1H, J=1.2Hz), 7.7
6(s, 1H), 7.54(td, 1H,J=9.2, 6.4Hz), 6.83-6.78(m,
1H), 6.72(ddd, 1H, J=12,8.8,2.8Hz), 5.03(d,1H, J=1
4,1.6Hz), 5.01(s, 1H),4.56(dd, 1H, J=14, 1.6Hz),
4.00(quartet, 1H, J=6.4Hz), 2.65(d, 1H, J=5.2Hz),
1.26(dd, 3H, J=6.4,1.2Hz) IR(KBr-disk) ν=3406, 3136, 2982, 2938, 1618, 150
1, 1421, 1277, 1207, 1139, 1082, 1021, 967, 853, 8
15, 663, 633, 548cm-1
【0111】[実施例10] (3R)-3-(tert-ブチルジフ
ェニルシリルオキシ) -1-クロロ-2-ブタノンの合成[化
28]
【0112】
【化28】
【0113】(2R)-メチル-2-(tert-ブチルジフェニル
シリルオキシ)プロピオネート(6.83g, 20mmol)を
用い、実施例1と同様に処理し、標題化合物を無色透明
シロップとして得た。
【0114】収量=5.78g 収率=80%1 H-N.M.R.(400MHz, CDCl3) δ=7.70-7.59(m, 4H), 7.
49-7.32(m, 6H), 4.52(d, 1H, J=17.1Hz), 4.38(d, 1H,
J=17.4Hz), 4.38(q, 1H, J=6.9Hz), 1.24(d, 3H, J=6.
9Hz), 1.11(s, 9H)
【0115】[実施例11] (2R)-2-[(1'R)-1-(tert-ブ
チルジフェニルシリルオキシ)エチル]-2-(2,4-ジフルオ
ロフェニル)オキシランおよび(2S)-2-[(1'R)-1-(tert-
ブチルジフェニルシリルオキシ)エチル]-2-(2,4-ジフル
オロフェニル)オキシランの合成[化29]
【0116】
【化29】
【0117】実施例10で合成した化合物(3.61g, 10
mmol)を用い実施例2と同様に処理し、標題化合物
を無色透明シロップとして得た(ジアステレオマー混合
物)。
【0118】[ジアステレオ選択性] アンチ誘導体(1'R,2S):シン誘導体(1'R,2R)=1:
7.25 ジアステレオ選択性は、1H-N.M.R.(400MHz, CDCl3)を測
定し、各ピークの積分比から決定した。 収量=2.20g(ジアステレオマー混合物) 収率=50% アンチ誘導体(1'R,2S)1 H-N.M.R.(270MHz, CDCl3): δ=7.74-7.21(m, 11H), 6.
90-6.71(m, 2H), 3.99(q, 1H, J=6.0HZ), 2.99(d, 1H,
J=5.8Hz), 2.78(d, 1H, J=5.8Hz), 1.02(s, 9H),1.02
(d, 3H, J=6.0Hz) シン誘導体(1'R,2R)1 H-N.M.R.(270MHz, CDCl3): δ=7.74-7.21(m, 11H), 6.
90-6.71(m, 2H), 4.02(q, 1H, J=6.2Hz), 3.18(d, 1H,
J=5.3Hz), 2.82(dd, 1H, J=1.0, 5.3Hz), 1.06(s, 9H),
0.95(dd, 3H, J=1.7, 6.2Hz)
【0119】[実施例12] (2R,3R)-2-(2,4-ジフルオ
ロフェニル)-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2,3-
ブタンジオールおよび(2S,3R)-2-(2,4-ジフルオロフェ
ニル)-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2,3-ブタン
ジオールの合成[化30]
【0120】
【化30】
【0121】60%-水素化ナトリウム(400g, 10mmo
l)をDMF(7g)に懸濁し、窒素雰囲気下、氷冷にて
トリアゾール(690mg, 10mmol)を粉体装入した
(内温は15℃以下を保持した)。氷冷下にて1時間撹拌
し、ほぼ均一な淡褐色溶液を得た後に、実施例11で得
られたジアステレオマー混合物(1.10g, 2.5mmol)
をDMF(7g)に溶解した溶液を10℃以下で滴下装入し
た。反応液を70〜75℃に加温し、6時間撹拌した。反応
液を冷却後、水(30g)に注加し、酢酸エチル(50ml)で
抽出した。水洗(30gで3回)をし、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、有機層を減圧濃縮した。得られた残さをテ
トラヒドロフラン(10g)に溶解し、テトラ-n-ブチルア
ンモニウムフロリド(980mg,3.75mmol)を加え、室
温にて30分間撹拌した。反応液に水(10g)および酢酸エ
チル(20g)を加え、10分間撹拌の後、有機層を分取し
た。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤を
ろ別後、ろ液を減圧濃縮し、標題化合物をジアステレオ
マー混合物の淡黄色シロップとして得た。
【0122】[ジアステレオマー比] アンチ誘導体(1'R,2S):シン誘導体(1'R,2R)=1:
7.25 ジアステレオ比は、HPLCによる分析によって決定した。
分析条件/YMC-PACK ODS A-303, 溶離液組成 メタノー
ル:水:酢酸=70:30:0.2, 検出法 UV 254nmさらに、
上記操作によって得られたジアステレオマー混合物であ
る淡黄色シロップからトルエンを用いて結晶化させ、(2
R,3R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-(1H-1,2,4-トリ
アゾール-1-イル)-2,3-ブタンジオール(498mg, 74%)を
優先的に白色結晶として得た。
【0123】融点:116-117℃ ジアステレオマー過剰率=96%de 分析条件/YMC-PACK ODS A-303, 溶離液組成 メタノー
ル:水:酢酸=70:30:0.2, 検出法 UV 254nm 光学純度=99%ee
【0124】光学純度の測定は、(2R,3R)-2-(2,4-ジフ
ルオロフェニル)-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-
2,3-ブタンジオールをChem.Phram.Bull.41(6)1035-1042
(1993)に記載の方法に準じて既知化合物である(2S,3R)-
2-(2,4-ジフルオロフェニル)-3-メチル-2-(1H-1,2,4-ト
リアゾール-1-イル)メチルオキシランに誘導し、HPLC分
析によって決定した。分析条件/DAICEL CHIRALCEL OF,
溶離液組成 ヘキサン:2−プロパノール:ジエチルア
ミン=60:40:0.1, 検出法 UV 254nm (2R,3R)体1 H-N.M.R.(270MHz, CDCl3): δ=7.84(s, 1H), 7.82(s,
1H), 7.46-7.37(m., 1H), 6.80-6.72(m, 2H), 4.87-4.7
7(m, 3H ), 4.36-4.29(m, 1H), 2.63(d, 1H, J=9.2Hz),
0.97(d, 3H, J=6.5Hz) (2S,3R)体1 H-N.M.R. (270MHz, CDCl3)は、実施例4と一致した。
【0125】
【発明の効果】医農薬の非常に重要な中間体である、光
学活性ハロメチルアルコール誘導体および光学活性エポ
キシド誘導体の高立体選択的製造法を見出し、工業的な
観点から光学活性2−フェニル−2,3−ジヒドロキシ
プロピルアゾール誘導体が短工程で安価にかつ安定的に
製造することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 405/12 C07D 405/12 C07F 7/18 C07F 7/18 H S // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07M 7:00 C07M 7:00 Fターム(参考) 4C062 AA22 4C063 BB08 CC41 CC78 EE05 4H006 AA02 AC21 AC41 BB25 GN24 GP01 GP10 GP20 4H039 CA10 CA62 CD90 CG40 4H049 VN01 VP01 VQ24 VQ57 VR23 VR41 VS24 VS29 VT48 VV16

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)[化1] 【化1】 (式中R1は置換されてもよいアルキル基、置換されて
    もよいアラルキル基、置換されてもよいアリール基また
    は置換されてもよいヘテロ環を示し、R2は水酸基の保
    護基としてのエーテル系の保護基、アセタール系の保護
    基またはシリル系の保護基を示し、R3は水酸基、ハロ
    ゲン原子、置換されていてもよいアシル基、置換されて
    もよいカーボネート基、置換されてもよいアルキルオキ
    シ基、置換されてもよいアラルキルオキシ基、置換され
    てもよいフェノキシ基または置換されてもよいアミノ基
    を示し、炭素原子上の*は不斉炭素を意味し、R配置あ
    るいはS配置を取ることができる。)で表されるα−ヒ
    ドロキシカルボン酸誘導体と、一般式(2)[化2] 【化2】 (式中、R4は水素原子、置換されてもよいアルキル
    基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよい
    アリール基、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を示
    し、Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロ酢酸誘
    導体を塩基性条件下反応させ、一般式(3)[化3] 【化3】 (式中R1、R2、Xおよび*は前記と同義である。)
    で表されるハロメチルケトン誘導体を製造し、さらに該
    ハロメチルケトン誘導体に一般式(4)[化4] 【化4】 (式中R5およびR6は互いに独立してハロゲン原子、
    アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
    ル基、置換されてもよいアミノ基、置換されてもよいア
    ミド基、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよ
    いアルキルオキシ基、置換されてもよいアラルキル基、
    置換されてもよいアラルキルオキシ基、置換されてもよ
    いフェニル基、置換されてもよいフェニルオキシ基、置
    換されてもよいヘテロ環または置換されてもよいヘテロ
    環オキシ基を示し、AはLi、MgX、ZnX、TiX
    3、Ti(OR7)3、CuXまたはCuLiを示す。た
    だし、Xはハロゲン原子を示し、R7は低級アルキル基
    を示す。)で表されるフェニル金属試薬をジアステレオ
    選択的に反応させ、一般式(5)[化5] 【化5】 (式中R1、R2、R5、R6、Xおよび*は前記と同
    義である。)で表される光学活性ハロメチルアルコール
    誘導体を製造し、さらに該光学活性ハロメチルアルコー
    ル誘導体をトリアゾールまたはイミダゾールと反応さ
    せ、一般式(6)[化6] 【化6】 (式中R1、R2、R5、R6および*は前記と同義で
    ある。Yは炭素原子又は窒素原子を示す。)で表される
    光学活性アゾールメチルアルコール誘導体を製造し、さ
    らに該光学活性アゾールメチルアルコール誘導体を選択
    的に脱保護することで一般式(7)[化7] 【化7】 (式中R1、R5、R6、Yおよび*は前記と同義であ
    る。)で表される光学活性2−フェニル−2,3−ジヒ
    ドロキシプロピルアゾール誘導体を製造する方法。
  2. 【請求項2】 一般式(1)(式中R1、R2、R3*
    は前記と同義である。)で表されるα−ヒドロキシカル
    ボン酸誘導体と、一般式(2)(式中、R4、Xは前記
    と同義である。)で表されるハロ酢酸誘導体を塩基性条
    件下反応させ、一般式(3)(式中R1、R2、Xおよ
    び*は前記と同義である。)で表されるハロメチルケト
    ン誘導体を製造し、さらに該ハロメチルケトン誘導体に
    一般式(4)(式中R5、R6、A、X、R7は前記と
    同義である。)で表されるフェニル金属試薬をジアステ
    レオ選択的に反応させ、一般式(8)[化8] 【化8】 (式中R1、R2、R5、R6、および*は前記と同義
    である。)で表される光学活性エポキシド誘導体を製造
    し、さらに該光学活性エポキシド誘導体をトリアゾール
    またはイミダゾールと反応させ、一般式(6)(式中R
    1、R2、R5、R6、Yおよび*は前記と同義であ
    る。)で表される光学活性アゾールメチルアルコール誘
    導体を製造し、さらに該光学活性アゾールメチルアルコ
    ール誘導体を選択的に脱保護することで一般式(7)
    (式中R1、R5、R6、Yおよび*は前記と同義であ
    る。)で表される光学活性2−フェニル−2,3−ジヒ
    ドロキシプロピルアゾール誘導体を製造する方法。
  3. 【請求項3】 一般式(3)(式中R1、R2、Xお
    よび*は前記と同義である。)で表されるハロメチルケ
    トン誘導体と、一般式(4)(式中R5、R6、Aは前
    記と同義である。)で表されるフェニル金属試薬をジア
    ステレオ選択的に反応させ、一般式(5)(式中R1、
    R2、R5、R6、Xおよび*は前記と同義である。)
    で表される光学活性ハロメチルアルコール誘導体を製造
    する方法。
  4. 【請求項4】 一般式(3)(式中R1、R2、Xお
    よび*は前記と同義である。)で表されるハロメチルケ
    トン誘導体と、一般式(4)(式中R5、R6、Aは前
    記と同義である。)で表されるフェニル金属試薬をジア
    ステレオ選択的に反応させ、一般式(8)(式中R1、
    R2、R5、R6、Xおよび*は前記と同義である。)
    で表される光学活性エポキシド誘導体を製造する方法。
  5. 【請求項5】 一般式(5)(式中R1、R2、R5、
    R6、Xおよび*は前記と同義である。)で表される光
    学活性ハロメチルアルコール誘導体、あるいは一般式
    (8)(式中R1、R2、R5、R6、Xおよび*は前
    記と同義である。)で表される光学活性エポキシド誘導
    体と、トリアゾールまたはイミダゾールと反応させ、一
    般式(6)(式中R1、R2、R5、R6、Yおよび*
    は前記と同義である。)で表される光学活性アゾールメ
    チルアルコール誘導体を製造する方法。
  6. 【請求項6】 一般式(6)(式中R1、R2、R5、
    R6、Yおよび*は前記と同義である。)で表される光
    学活性アゾールメチルアルコール誘導体を脱保護し、一
    般式(7)(式中R1、R5、R6、Yおよび*は前記
    と同義である。)で表される光学活性2−フェニル−
    2,3−ジヒドロキシプロピルアゾール誘導体を製造す
    る方法。
  7. 【請求項7】 R1がメチル基である請求項1から6の
    何れか一項に記載の製造法。
  8. 【請求項8】 R1がメチル基、R5、R6がハロゲン
    原子である請求項1から6の何れか一項に記載の製造
    法。
  9. 【請求項9】 一般式(5)においてR1がメチル基、
    R5、R6がハロゲン原子である光学活性ハロメチルア
    ルコール誘導体。
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