JP3629469B2 - 床用点字鋲における誘導鋲 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、病院やホテル、その他の建造物における床、特に、床面にタイルやカーペット等の化粧シート材を敷設した床構造において、視覚障害者に進路情報を与えるための点字鋲、特に、視覚障害者に歩行進路を指示する細長い誘導鋲に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、道路の横断歩道や、鉄道の駅構内に見られるような点字タイルが知られている。このような点字タイルは、合成樹脂により成形された矩形のタイル板から成り、タイル板の表面に所定の点字鋲を隆起するように一体成形せしめた構成とされ、タイル板の裏面全面を床面に対して接着剤で固着される。
【0003】
近年、社会福祉の観点から、道路や駅のような危険区域に限らず、広く、病院やホテル、その他の建造物においても、視覚障害者に進路情報を与えるための点字手段の設置が要望されている。
【0004】
この点に関して、従来の点字タイルは、接着剤によりタイル板の全体を床面に接着せしめる構成であるため、建造物の内部に敷設すると、視力を有する者にとっては美観を損ねるという問題がある。特に、建造物の床構造は、床面に塩ビ製のタイルや、タイル式カーペット等の化粧シート材を敷設し、美観に配慮しているのが一般的であるため、そこに従来のような点字タイルを貼り付けることは、著しく美観を損ない、好ましくない。また、カーペットの場合は、表面に繊維の毛羽立ちを有するため、接着剤による接着が困難であるという問題もある。
【0005】
そこで、本出願人は、床面にタイルやカーペット等の化粧シート材を敷設した床構造に関して、個々の点字鋲を個別に固着するように構成した床用点字鋲を特願2001−253792号として提案した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、視覚障害者に進路情報を与える点字鋲は、視覚障害者に歩行進路を指示するために細長く延びるように形成された誘導鋲と、視覚障害者に歩行停止を指示するために円板状に形成された警告鋲との二種類に大別される。誘導鋲は、細長く延びる隆起体の1本を単位鋲として、複数本の単位鋲を平行に配置することにより、歩行進路情報を提供する。一方、警告鋲は、円板状の隆起体の1個を単位鋲として、多数の単位鋲を縦横に配置することにより、歩行停止情報を提供する。
【0007】
床面に塩ビタイルやタイル式カーペット等の毎葉状の化粧シート材を隣接せしめて敷設した床構造において、警告鋲の場合は、それぞれ1枚宛の化粧シート材に対して、個別に固着される円板状の単位鋲を縦横に配置せしめることにより、比較的自由に警告鋲を設置することができる。
【0008】
然しながら、誘導鋲の場合は、細長い単位鋲を所定の長さに形成すると、縦横の寸法を相違する化粧シート材に対して、同じサイズの誘導鋲を設置することができない事態を招来する。JIS規格によれば、誘導鋲は、踏面の長さを270mm以上(面取り部を含む全長を280mm以上)に形成することが必要であるとされ、しかも、進路方向に隣接する誘導鋲の間隔を20mm以下に設定することが必要であるとされている。これに対して、タイル式カーペットの場合、縦横の寸法を500×500mm、450×450mm、400×400mm、300×300mmのように相違せしめた複数サイズのものが一般的に使用されており、更に、床面の隅部には350×350mmのものが敷設される場合がある。
【0009】
そこで、1枚宛の化粧シート材に対して個別に固着される誘導鋲を、それぞれのサイズの化粧シート材に固着するため、前述のような4種類のサイズに対応できる長さに形成した4種類の誘導鋲を提供しなければならないとすると、生産のためのコスト高を生じることが不可避であり、しかも、在庫管理その他の点においても種々の問題を生じる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、所定の長さ寸法とされる単位鋲を構成する誘導鋲本体に関して、長さ方向に分割された複数の分割体を相互に接合せしめた構成とすることにより、縦横のサイズを相違する化粧シート材に対して常に対応できる誘導鋲を提供するものである。
【0011】
そこで、本発明が手段として構成したところは、床面にタイルやカーペット等の化粧シートを隣接せしめて敷設した床構造において、化粧シート材の表面よりも隆起する踏面により視覚障害者に歩行進路を指示する誘導鋲に関して、化粧シート材の表面に配置されると共に1枚の化粧シート材からはみ出さない長さとされる細長い各1本の単位鋲を構成する誘導鋲本体において、前記誘導鋲本体は、単位鋲の長さ方向に関して分割された複数の分割体を相互に接合せしめることにより形成され、該分割体の互いに接合される部位に相互に離反方向に係合する結合手段を設けており、前記分割体は、長さを相違せしめた数種類の分割体を構成しており、数種類の分割体を選択し組み合わせることにより、縦横の寸法を相違せしめた複数サイズの化粧シート材に対応する長さの単位鋲を形成するように構成されて成る点にある。
【0012】
分割体の接合面は、分割体の幅を二分する中心線の一側部に位置して接合面から凹入するソケット手段を設けると共に、該中心線の他側部に位置して接合面から突出するプラグ手段を設けており、プラグ手段をソケット手段に離反不能に嵌入せしめることにより結合手段を構成することが好ましい。
【0013】
分割体は、踏面の反対側に位置する設置面を凹入せしめられた凹部の周囲に周壁を形成すると共に、周壁のうち相互に接合される分割体の対向部位に位置する壁部により接合壁を構成しており、分割体の幅を二分する中心線の一側部に位置して、接合壁を設置面側から切欠することにより該切欠部に臨んで形成した係止壁と、該係止壁の内側に形成され設置面側に開口する係止空間によりソケット手段を構成し、前記中心線の他側部に位置して、接合壁から突出する突起と、該突起の先端から踏面側に向けて折曲形成された鉤部によりプラグ手段を構成して成り、単位鋲を形成するように踏面を整列して接合壁を接合せしめられた一対の分割体の間において、一方の分割体におけるプラグ手段の突起を他方の分割体におけるソケット手段の切欠部に嵌入すると共に、一方の分割体におけるプラグ手段の鉤部を他方の分割体におけるソケット手段の係止空間に嵌入せしめることにより、一対の分割体を長手方向及び幅方向に離反不能に係合する結合手段を構成することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0015】
図1及び図5に示すように、誘導鋲1は、それぞれ合成樹脂により一体成形された細長い単位鋲1aの複数本を平行に配置することにより構成されており、各単位鋲1aは、化粧シート材2の裏面に配置される固定具3と、化粧シート材2の表面に配置される誘導鋲本体4により構成されている。図5は、縦横の寸法を相違せしめた複数サイズのタイル式カーペットから成る化粧材シート2に対して誘導鋲1を設置した例を示しており、図5(A)は500×500mmサイズの化粧材シート2Aを示し、図5(B)は450×450mmサイズの化粧シート材2Bを示し、図5(C)は400×400mmサイズの化粧シート材2Cを示し、図5(D)は300×300mmサイズの化粧シート材2Dを示しており、それぞれ一般的に市場に供給されているサイズのものであり、建造物の床面に隣接して敷設される。また、図5(E)は350×350mmサイズの化粧シート材2Eを示しており、床面の隅部に敷設する際に使用される。何れの化粧シート材2A、2B、2C、2D、2Eに設置される誘導鋲1においても、細長い各1本を構成する単位鋲1aは、1枚の化粧シート材2からはみ出さない長さのものとされている。
【0016】
単位鋲1aを構成する誘導鋲本体4は、図1に示すように、長さ方向に関して分割された複数の分割体5、5から構成され、分割体5、5を相互に接合せしめることにより1本の誘導鋲本体4(単位鋲1a)を形成する。このため、分割体5、5は、相互に接合させる対向部位に、相互に離反不能に係合するソケット手段6とプラグ手段7とから成る結合手段8を設けている。
【0017】
図例の場合、分割体5、5は、誘導鋲本体4を二分割した構成とされ、3種類の分割体5a、5b、5cを使用することにより、全てのサイズの化粧シート材2A、2B、2C、2D、2Eに対応した単位鋲1aを形成できるように構成されている。
【0018】
例えば、図5(A)に示す化粧シート材2Aは、一辺の寸法WAを500mmとした正方形であり、全長の寸法waを240mmとした2本の分割体5a、5aを接合せしめることにより誘導鋲1の単位鋲1aを構成している。従って、単位鋲1aの全長は480mm(240mm×2)とされ、JIS規格の「270mm以上」を満足する。また、進路方向に隣接する化粧シート材2A、2Aの間における単位鋲1a、1aの間隔寸法saは、20mmとされるので、JIS規格の「20mm以下」を満足する。
【0019】
図5(B)に示す化粧シート材2Bは、一辺の寸法WBを450mmとした正方形であり、全長の寸法waを240mmとした分割体5aと、全長の寸法wbを190mmとした分割体5bを接合せしめることにより誘導鋲1の単位鋲1aを構成している。従って、単位鋲1aの全長は430mm(240mm+190mm)とされ、JIS規格の「270mm以上」を満足する。また、進路方向に隣接する化粧シート材2B、2Bの間における単位鋲1a、1aの間隔寸法sbは、20mmとされるので、JIS規格の「20mm以下」を満足する。
【0020】
図5(C)に示す化粧シート材2Cは、一辺の寸法WCを400mmとした正方形であり、全長の寸法wbを190mmとした2本の分割体5b、5bを接合せしめることにより誘導鋲1の単位鋲1aを構成している。従って、単位鋲1aの全長は380mm(190mm×2)とされ、JIS規格の「270mm以上」を満足する。また、進路方向に隣接する化粧シート材3C、3Cの間における単位鋲1a、1aの間隔寸法scは、20mmとされるので、JIS規格の「20mm以下」を満足する。
【0021】
図5(D)に示す化粧シート材2Dは、一辺の寸法WDを300mmとした正方形であり、全長の寸法wcを140mmとした2本の分割体5c、5cを接合せしめることにより誘導鋲1の単位鋲1aを構成している。従って、単位鋲1aの全長は280mm(140mm×2)とされ、JIS規格の「270mm以上」を満足する。また、進路方向に隣接する化粧シート材3D、3Dの間における単位鋲1a、1aの間隔寸法sdは、20mmとされるので、JIS規格の「20mm以下」を満足する。
【0022】
更に、図5(E)に示す化粧シート材2Eは、一辺の寸法WEを350mmとした正方形とされ、上述したように床面の隅部に敷設されるものであり、全長の寸法wbを190mmとした分割体5bと、全長の寸法wcを140mmとした分割体5cを接合せしめることにより誘導鋲1の単位鋲1aを構成している。従って、単位鋲1aの全長は330mm(190mm+140mm)とされ、JIS規格の「270mm以上」を満足する。また、進路方向に隣接する化粧シート材2E、2Eの間における単位鋲1a、1aの間隔寸法seは、20mmとされるので、JIS規格の「20mm以下」を満足する。
【0023】
従って、図示実施形態において、単位鋲1aを構成する誘導鋲本体4は、長さを相違せしめた分割体5a、5b、5cの3種類を選択し組み合わせることにより、図5(A)(B)(C)(D)(E)に示すような5種類のサイズの化粧シート材2A、2B、2C、2D、2Eに対応した5種類の長さの単位鋲1a(全長480mm、430mm、380mm、280mm、330mmの5種類)を好適に形成することができる。
【0024】
分割体5a、5b、5c(以下分割体5と総称する)は、図1(A)に示すように、周壁9の一辺を構成する壁部により接合壁10を構成し、該接合壁10を除く周壁9から頂部の踏面11に至り傾斜する面取り状の斜面12を形成しており、一対の分割体5、5の接合壁10、10を対面せしめることにより、一方の分割体5におけるプラグ手段7を他方の分割体5におけるソケット手段6に嵌入せしめることにより連結結合される。
【0025】
図1(B)及び図3(A)に示すように、分割体5は、踏面11の反対側に位置する設置面を凹入せしめられた凹部13を形成し、前記斜面12とほぼ平行な傾斜面14を周壁9の内周面に設けている。そこで、分割体5の幅を二分する中心線Xに対して、該中心線Xの一側部にソケット手段6が設けられ、該中心線Xの他側部にプラグ手段7が設けられている。
【0026】
ソケット手段6は、前記中心線Xの一側部に位置して接合壁10を設置面側から切欠することにより該切欠部15に臨む係止壁16を形成すると共に、該係止壁16の内側に形成され設置面側に開口する係止空間17を形成している。図例において、係止空間17は凹部13よりもやや深く形成され、周壁9に近傍する係止空間17の側部と係止壁16の側部にわたって連なる側面に、傾斜面14と同方向に傾斜するガイド傾斜面18を形成している。
【0027】
プラグ手段7は、前記中心線Xの他側部に位置して接合壁10から突出する突起19を形成すると共に、該突起19の先端から踏面側に向けて折曲形成された鉤部20を設けている。図例の場合、突起19及び鉤部20は断面L形の板状に形成されており、突起19及び鉤部20の幅寸法を切欠部15の幅寸法(係止壁16の設置面側に臨む壁面16aの幅寸法)とほぼ同じく形成すると共に、鉤部20の折曲方向の寸法を係止空間17の深さ寸法(係止壁16の前記壁面16aから係止空間17の底面までの深さ寸法)とほぼ同じく形成している。
【0028】
上記構成のようなソケット手段6とプラグ手段7を備えた結合手段8によれば、図2(A)に示すように、一対の分割体5、5の接合壁10、10を対向せしめると、相互にソケット手段6とプラグ手段7が対向せしめられるので、分割体5、5を互いに中心線Xの軸回りに偏位せしめた傾斜姿勢の状態で、図示矢印Fのように近づけることにより接合壁10、10を衝合又は近接せしめた後、図示矢印Rのように踏面11、11が面一となるまで互いに中心線Xの軸回りに回動せしめれば、図2(B)に示すように、一方の分割体5におけるプラグ手段7の突起19が他方の分割体5におけるソケット手段6の切欠部15に嵌入されると共に、一方の分割体5におけるプラグ手段7の鉤部20が他方の分割体5におけるソケット手段6の係止空間17に嵌入され、これにより一対の分割体5、5を長手方向及び幅方向に離反不能に係合せしめる。
【0029】
この点の作用を図3(B)(C)(D)に示しており、分割体5、5の接合壁10、10を相互に衝合又は近接せしめた状態で、中心線Xの軸回りに偏位せしめた分割体5、5を図示矢印Rのように踏面11、11が面一となる方向に回動せしめると、係止空間17に臨ましめられた鉤部20のコーナ部分がガイド傾斜面18に沿って回動しつつ係止空間17に進入し(図3(B)(C))、突起19が係止壁16の壁面16aに当接すると、鉤部20を係止空間17に完全に嵌入せしめる(図3(D))。そして、このようなソケット手段6とプラグ手段7による嵌合係止は、中心線Xの両側部に位置する二組において同時に行われるので、結合された一対の分割体5、5は、長手方向と幅方向の何れの方向に対しても離反不能となるように連結される。このため、連結した分割体5、5により構成された単位鋲1aを後述するように化粧シート材2に取付ける際、不慮に分割体5、5が分離したり、連結部分において屈折したりするようなことはなく、化粧シート材2に対する取付作業を容易とする。
【0030】
誘導鋲本体4を構成する分割体5の各々は、凹部13の底面から設置面側に向けて突出する円筒状の筒状ボス21を設けており、筒状ボス21の先端は、周壁9の縁部を越えて突出せしめられている。凹部13の内部には、筒状ボス21を含んで周壁9を相互に連結する複数のリブ22が設けられており、図3(A)に示すように、リブ22は、係止空間17を挟んで係止壁16と平行に設けられた規制リブ22aを含んでおり、該規制リブ22aにより係止空間17の内側を規制する。
【0031】
分割体5の筒状ボス21に対応して設けられる固定具3は、図1に示すように、床面と化粧シート材2の間に配置される円形の薄板状の座部23と、座部23の中心から起立する円柱形の挿入突起24と、座部23から起立して前記挿入突起24の周囲を同心状に囲繞するスリーブ25とを一体に備えている。尚、スリーブ25は、挿入突起24よりも背が低くなるように形成されている。
【0032】
分割体5(誘導鋲本体4)と固定具3の固着構造に関する1実施形態を図4に示している。誘導鋲本体4の筒状ボス21と固定具3を相互に化粧シート材2を挟んで固着せしめるためには、後述するように化粧シート材2に挿入孔32を貫設することが必要になるが、各分割体5における筒状ボス21の形成位置を設定することにより、化粧シート材2に挿入孔32を等間隔で形成するだけで、誘導鋲本体4を常に所定の位置に装着可能となるように構成することができる。
【0033】
固定具3は、座部23がスリーブ25の周囲から周縁に向けて下り勾配となる傾斜面26を形成している。誘導鋲本体4の筒状ボス21は、固定具3の挿入突起24とスリーブ25の間に形成された環状溝27に嵌入される構成とされている。筒状ボス21の内周面と挿入突起24の外周面との間においては、筒状ボス21の内周面に設けた突条28が挿入突起24の外周面に設けた突条29を乗り越えて外嵌せしめられる構成とされている。また、筒状ボス21の外周面とスリーブ25の内周面との間においては、相互にアンダーカット状に設けられたテーパ面30、31により密嵌せしめられる構成とされている。即ち、筒状ボス21の外周面には、下端の外径D1と上端の外径D2がD2<D1となるテーパ面30が形成され、スリーブ25の内周面には、上端の内径d1と下端の内径d2がd1<d2となるテーパ面31が形成されている。
【0034】
固定具3を化粧シート材2の裏面に配置すると共に、誘導鋲本体4を化粧シート材2の表面に配置し、化粧シート材2に設けた挿入孔32を介して、誘導鋲本体4の筒状ボス21を固定具3の環状溝27に嵌入することにより、誘導鋲本体4が固定具3に連結固定され、化粧シート材2を挟持する。
【0035】
固定具3を化粧シート材2の裏面に配置する関係上、新規な化粧シート材2の場合は、裏面に固定具3を装着した状態で床面33に敷設された後、表面から誘導鋲本体4を装着される。或いは既設の化粧シート材2の場合は、めくり上げた状態で裏面に固定具3を装着し、再び床面33に戻して敷設した後、表面から誘導鋲本体4を装着される。この場合、固定具3を装着するための挿入孔32をパンチ等の工具により化粧シート材2に穿孔する際、挿入孔32の内径Dzがスリーブ25の外径dzに対して、Dz=dzとなるか、或いは、Dz≒dz(但しDz<dz)となるように形成される。従って、化粧シート材2の裏面から固定具3のスリーブ25を挿入孔32に挿入したとき、スリーブ25の外周面が挿入孔32の内周面に摩擦係合する係合手段34を構成し、化粧シート材2を床面33に敷設する前に固定具3が脱落することを防止する。尚、固定具3に装着される誘導鋲本体4は、上述のように分割体5、5を結合手段8により連結結合した1本の単位鋲1aを構成している。
【0036】
図4に示す床構造は、床面33に敷設された化粧シート材2がタイル式カーペットにより構成されており、ベースシート部35の表面に織物層又は起毛層から成る化粧層36を有している。誘導鋲1は、固定具3における座部23の直径Dxと、誘導鋲本体4の幅Dyを、Dx≒Dy(但しDx>Dy)となるように形成されている。固定具3の座部23から突出するスリーブ25の高さHxは、化粧シート材2の全体の厚みT1とベースシート部35の厚みT2に対して、T2<Hx<T1となるように形成されている。また、誘導鋲本体2の凹部13から突出する筒状ボス21の高さHyは、化粧シート材2の全体の厚みT1に対して、Hy=T1又はHy≒T1となるように形成されている。
【0037】
上述したように、スリーブ25を挿入孔32に挿入した状態で固定具3を化粧シート材2の裏面に配置し、該化粧シート材2の表面から誘導鋲本体4の筒状ボス21を固定具3の環状溝27に嵌入すると、筒状ボス21の内周面と挿入突起24の外周面が相互に突条28、29を乗り越えて嵌着せしめられ、これにより第一の固定手段を構成する。また、筒状ボス21の外周面とスリーブ25の内周面が相互にテーパ面30、31により嵌着せしめられ、これにより第二の固定手段を構成する。従って、化粧シート材2を床面33に敷設した状態において、外力の影響により、筒状ボス21が環状溝27から抜き出される虞れはなく、誘導鋲本体4が化粧シート材2から脱落する危険はない。
【0038】
図4(A)に示すように、床面33と化粧シート材2の間に介装される固定具3の座部23は、可及的に肉厚を薄く形成され、しかも、座部23に傾斜面26を形成しているので、誘導鋲1の周囲において化粧シート材2が上方に膨れ上がることはない。化粧シート材2の挿入孔32に近傍する部位は、座部23の傾斜面26に沿って緩やかに上向きとなるが、化粧層36を誘導鋲本体4の凹部13に進入せしめることにより吸収され、誘導鋲本体4の周壁9の周縁9aを化粧層36に食い込ませる。凹部13に進入した化粧層36には、凹部13の内部に形成されたリブ22が食い込む。
【0039】
本発明が図示の実施形態に限定されるものでないことは勿論であり、上述の実施形態は、2本の分割体5、5を結合することにより1本の単位鋲1aを形成する構成について説明したが、2本以上の分割体5により1本の単位鋲1aを形成するように構成しても良い。また、本発明の誘導鋲1は、上述したようなタイル式カーペットの他、塩ビ等の床タイルから成る化粧シート材2に対しても設置できることは勿論であり、この場合、塩ビ等の床タイルの肉厚は、タイル式カーペットの肉厚T1よりも薄く形成されているので、上述したような誘導鋲本体4における筒状ボス21の高さHyと、固定具3における挿入突起24の高さ及びスリーブ25の高さHxを変更すれば良い。
【0040】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、所定の長さ寸法とされる単位鋲1aを構成する誘導鋲本体4は、長さ方向に分割されると共に長さを相違せしめられた数種類の分割体5、5により構成されており、選択された分割体5、5を連結結合することにより長さの異なる単位鋲1aを形成せしめる構成であるから、縦横のサイズを相違する化粧シート材2A、2B、2C、2D、2Eに対して常に対応可能な誘導鋲1を提供することができるという効果がある。
【0041】
そして、請求項2に記載の本発明によれば、分割体5、5を接合せしめる結合手段8が、分割体5の幅を二分する中心線Xの一側部に設けられたソケット手段6と、該中心線Xの他側部に設けられたプラグ手段7とにより構成されているので、対向配置した一対の分割体5、5を点対称となる同一構造物とすることが可能になり、従って、同一金型で成形した一つの部品による分割体5を2本結合せしめることができ、コスト低減に貢献できるという効果がある。
【0042】
更に、請求項3に記載の本発明によれば、中心線Xの軸回り方向に偏位せしめた分割体5、5の接合壁10、10を相互に衝合又は近接せしめた状態から、中心線Xの軸回り方向に回動せしめることにより、中心線Xの両則部において、一方の分割体5におけるプラグ手段7の突起19を他方の分割体5におけるソケット手段6の切欠部15に嵌入すると共に、一方の分割体5におけるプラグ手段7の鉤部20を他方の分割体5におけるソケット手段6の係止空間17に嵌入せしめる構成であるから、一対の分割体5、5を長手方向と幅方向の何れ方向にも離反不能に係合することができ、連結された分割体5、5により構成された1本の単位鋲1aを化粧シート材2に取付ける際、不慮に分割体5、5が分離したり、連結部分において屈折したりするようなことはなく、化粧シート材2に対する取付作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態を示しており、(A)は分割体と固定具を分解した状態の誘導鋲を示す斜視図であり、(B)は該誘導鋲を反転した状態にて示す斜視図である。
【図2】誘導鋲本体を構成する分割体の連結方法を示しており、(A)一対の分割体を結合する前の状態を示す斜視図であり、(B)は結合完了した状態を示す斜視図である。
【図3】誘導鋲本体を構成する分割体を示しており、(A)は分割体を一部破断した状態で設置面側から示す拡大斜視図であり、(B)(C)(D)は、A−A線に対応する部分においてプラグ手段とソケット手段の嵌合に至る経過を示す断面図であり、(E)はB−B線断面図である。
【図4】化粧シート材を挟んで誘導鋲本体と固定具を相互に固着する方法を示しており、(A)は固着した状態を示す断面図であり、(B)は固着する前の状態を分解して示す断面図である。
【図5】分割体の結合により構成された単位鋲を平行配置した誘導鋲を市販されている異なる大きさの化粧シート材に装着した場合を例示しており、(A)は500×500mmのサイズの化粧シート材に装着した誘導鋲を示す斜視図であり、(B)は450×450mmのサイズの化粧シート材に装着した誘導鋲を示す斜視図であり、(C)は400×400mmのサイズの化粧シート材に装着した誘導鋲を示す斜視図であり、(D)は300×300mmのサイズの化粧シート材に装着した誘導鋲を示す斜視図であり、(E)は350×350mmのサイズの化粧シート材に装着した誘導鋲を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 誘導鋲
1a 単位鋲
2 化粧シート材
3 固定具
4 誘導鋲本体
5、5a、5b、5c 分割体
6 ソケット手段
7 プラグ手段
8 結合手段
9 周壁
10 接合壁
11 踏面
13 凹部
15 切欠部
16 係止壁
17 係止空間
18 ガイド傾斜面
19 突起
20 鉤部
Claims (3)
- 床面にタイルやカーペット等の化粧シートを隣接せしめて敷設した床構造において、化粧シート材の表面よりも隆起する踏面により視覚障害者に歩行進路を指示する誘導鋲に関して、化粧シート材の表面に配置されると共に1枚の化粧シート材からはみ出さない長さとされる細長い各1本の単位鋲 (1a) を構成する誘導鋲本体 (4) において、
前記誘導鋲本体 (4) は、単位鋲 (1a) の長さ方向に関して分割された複数の分割体 (5)(5) を相互に接合せしめることにより形成され、該分割体 (5)(5) の互いに接合される部位に相互に離反方向に係合する結合手段 (8) を設けており、
前記分割体 (5) は、長さを相違せしめた数種類の分割体 (5a)(5b,5c) を構成しており、数種類の分割体 (5a)(5b,5c) を選択し組み合わせることにより、縦横の寸法を相違せしめた複数サイズの化粧シート材に対応する長さの単位鋲 (1a) を形成するように構成されて成ることを特徴とする床用点字鋲における誘導鋲。 - 分割体(5)(5)の接合面に関して、分割体(5)の幅を二分する中心線(X)の一側部に位置して接合面から凹入するソケット手段(6)を設けると共に、該中心線(X)の他側部に位置して接合面から突出するプラグ手段(7)を設けており、プラグ手段(7)をソケット手段(6)に離反不能に嵌入せしめることにより結合手段を構成して成ることを特徴とする請求項1に記載の床用点字鋲における誘導鋲。
- 分割体(5)は、踏面(11)の反対側に位置する設置面を凹入せしめられた凹部(13)の周囲に周壁(9)を形成すると共に、周壁(9)のうち相互に接合される分割体の対向部位に位置する壁部により接合壁(10)を構成しており、
分割体(5)の幅を二分する中心線(X)の一側部に位置して、接合壁(10)を設置面側から切欠することにより該切欠部(15)に臨んで形成した係止壁(16)と、該係止壁(16)の内側に形成され設置面側に開口する係止空間(17)によりソケット手段(6)を構成し、
前記中心線(X)の他側部に位置して、接合壁(10)から突出する突起(19)と、該突起(19)の先端から踏面側(11)に向けて折曲形成された鉤部(20)によりプラグ手段(7)を構成して成り、
単位鋲(1a)を形成するように踏面(11)(11)を整列して接合壁(10)(10)を接合せしめられた一対の分割体(5)(5)の間において、一方の分割体(5)におけるプラグ手段(7)の突起(19)を他方の分割体(5)におけるソケット手段(6)の切欠部(15)に嵌入すると共に、一方の分割体(5)におけるプラグ手段(7)の鉤部(20)を他方の分割体(5)におけるソケット手段(6)の係止空間(17)に嵌入せしめることにより、一対の分割体(5)(5)を長手方向及び幅方向に離反不能に係合する結合手段(8)を構成して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の床用点字鋲における誘導鋲。
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