JP3628168B2 - スライドプレートの使用方法及び該スライドプレートを用いたスライドバルブ装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続鋳造用ノズル等に設けられる溶湯注出用の孔(出湯孔)を、開閉ならびに開度調整するスライドプレートの使用方法及び該スライドプレートを用いたスライドバルブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、溶融金属の注出、閉止および流量のコントロールの有用な方法として、耐火性のプレートを適宜重ねて、その内の一つのスライドプレートを移動させて使用するスライドバルブ装置が使用されている。
【0003】
このスライドバルブ装置は、例えば3枚の耐火性プレートを重ね合わせて一組とし、溶湯の注出を行う孔に取り付けて使用する装置である。すなわち、スライドバルブ装置は、重ね合わせた耐火性プレートの内の中程のスライドプレートを油圧シリンダー等の駆動手段により摺動させ、スライドプレートに形成された開口を利用して、溶湯の流量を制御できるようになっている。
【0004】
このようなスライドバルブ装置においては、長期間の使用により、前述の耐火性プレートが溶湯によって化学的損傷したり、また機械的に損傷するので、該耐火性プレートを交換する必要がある。
特に、摺動するスライドプレートにあっては、損傷の進行度合いが大きく、その交換頻度が多く、スライドプレートの取り替え作業が面倒なだけでなく、ランニングコストの面でも問題があった。
【0005】
このようなことから、従来においては、スライドプレートを、スライドバルブ装置から取り外して、損傷の少ない面を加工し直して、表裏を反対にして再度装着して使用する方法が採用されていた(特公昭62−26864号公報等に開示された技術参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スライドプレートの交換は、熱間作業であることから、熱間かつ重筋作業であった。
また、取り外したスライドプレートの面を変えて再使用するときは、高温のスライドプレートを一旦冷却してから所定の加工を行わなければならない。この結果、スライドプレートの冷却によって、該プレートの亀裂や損傷が拡大してしまい、耐用が延びないという致命的な問題を抱えていた。
【0007】
本発明は、従来技術の前記問題点,欠点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、スライドプレートの表裏反転作業を熱間状態で極めて簡単に行うことができるスライドプレートの使用方法及び該スライドプレートを用いたスライドバルブ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスライドプレートの使用方法は、溶湯を注出する孔に対して横切るようにスライドして該孔の開閉ならびに開度調整を可能とする開口を有するスライドプレートの使用方法であって、前記スライドプレートを、前記溶湯を注出する孔の近傍に保持した状態で、該スライドプレートの表裏を、該溶湯に対して変更することを特徴とすることを特徴とし(請求項1)、これにより上記目的を達成することができる。
【0009】
本発明に係るスライドバルブ装置は、溶湯を注出する孔に対して横切るようにスライドして該孔の開閉ならびに開度調整を可能とする開口を有するスライドプレートを具備するスライドバルブ装置において、前記スライドプレートが、該スライドプレートの表裏を、前記溶湯に対して変更するべく回転可能な回転支持部を介して取り付けられていることを特徴とし(請求項2)、これにより上記目的を達成することができる。
【0010】
また、本発明に係る上記スライドバルブ装置において、
・前記スライドプレートは、板状のスライドケースによって保持され、該スライドケースを駆動する駆動系との連結部分が、関節構造を備えた前記回転支持部として構成されていること(請求項3)、
・前記スライドプレートが、該スライドプレートの長手方向軸線上に回転支軸または回転支持穴を有し、該回転支軸または回転支持穴を中心にして回転自在に
構成されていること(請求項4)、
・前記スライドプレートは、前記回転支軸または回転支持穴を有する保持バンドにより、外周縁が保持されていること(請求項5)、
を特徴とする。
【0011】
(作用)
本発明に係るスライドプレートの使用方法および該スライドプレートを用いたスライドバルブ装置によれば、スライドプレートを、溶湯を注出する孔の近傍に保持した状態で、該スライドプレートの表裏を、該溶湯に対して変更するので、スライドプレートの取り外し交換を必要としない。
また、スライドプレートの面を変えて再使用するとき、保持されているので、熱状態の作業でも作業が容易である。
【0012】
その上、従来のように、高温のスライドプレートを一旦冷却してから所定の加工を行う必要がないので、スライドプレートの亀裂や損傷が拡大することがなく、該スライドプレートの寿命を長く維持することができる。(請求項1,2)
【0013】
また、本発明に係るスライドバルブ装置によれば、スライドプレートは、板状のスライドケースによって保持され、このスライドケースを駆動する駆動系との連結部分が、関節構造を備えた回転支持部として構成されていることにより、スライドプレートを回転するときには、回転支持部を折り曲げるように操作することにより、スライドケースをそのスライド面からオフセットすることができ、その結果、スライドケースを表裏反転するように回転することができる。(請求項3)
【0014】
さらに、本発明に係るスライドバルブ装置によれば、スライドプレートが、長手方向軸線上の回転支軸または回転支持穴によって、回転することができる。(請求項4)
【0015】
さらにまた、本発明に係るスライドバルブ装置によれば、スライドプレートは、回転支軸または回転支持穴を有する保持バンドにより、外周縁が保持されていることにより、スライドプレートに対して回転支軸または回転支持穴を容易に取り付けることができる。(請求項5)
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスライドプレートの使用方法およびスライドバルブ装置の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
なお、図1は、本発明に係るスライドバルブ装置における第1の実施の形態の要部斜視図であり、図2は、図1に示す回転支持部のA−A断面図である。また、図3は、本発明に係るスライドバルブ装置の第2の実施の形態における要部斜視図である。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1に示すスライドバルブ装置1は、図示しない溶融物容器(図1においてハウジング2の後側に位置する)内の溶湯を注出する出湯孔(図示せず)に対して横切るようにスライドするスライドプレート10により、出湯孔の開閉ならびに開度調整をすることができる。このスライドプレート10には、出湯孔に対面する開口11が形成されている。
【0018】
ハウジング2とシールケース3とには、図示しないが、スライドプレート10を挟み込むように耐火性のプレートが取り付けられている。
なお、シールケース3は、適当なヒンジ構造により、ハウジング2に対して開閉可能(図中の矢印M方向)に構成されている。
【0019】
このスライドプレート10は、板状のプレート保持部材であるスライドケース4によって保持される(図1においては、分解した状態を示している)。
スライドプレート10は、プレート取付用開口5内に取り付けられる。このスライドプレート10の取り付け方は、例えばプレート取付用開口5の上下に配置されたサイドクランパ6によって、上下から挟み込むとともに、該プレート取付用開口5の角部分の近傍に配置されたコーナークランパ7により左右方向の締め付けができるようになっている。
なお、サイドクランパ6並びにコーナークランパ7は、例えば、スライドケース4の縁部に配置されたネジ8により締め付け動作させることができる。
【0020】
このスライドケース4を駆動する駆動系は、例えばシリンダ25を使用することができる。スライドプレート10は、シリンダ25の駆動によって、所定のスライド面(ハウジング内を矢印B方向に沿ったスライド面)を移動することができる。
本実施の形態においては、スライドプレート10とシリンダ25との連結部分は、屈曲動作(矢印D方向の動作)が自在な関節構造を備えた回転支持部20が設けられている。
【0021】
回転支持部20は、シリンダ側の連結アーム24の先端に、球状中空部21が形成されており、この球状中空部21が、スライドケース側の連結アーム23の先端に設けられた球状部22を受容している。したがって、スライドケース4は、連結アーム23を軸にして、360度回転することができる。
さらに、球状中空部21には、連結アーム23が、角度にして90度程度屈曲動作(矢印D方向の動作)ができるような回動用開口21aが設けられている。
【0022】
スライドバルブ装置1における通常の使用時においては、シールケース3が閉じられており、スライドプレート10が、図示しない他の耐火性プレート間をスライド移動して、出湯孔の開閉ならびに開度調整をする。
【0023】
一方、スライドケース4を表裏反転するときの操作について説明する。
先ず、シールケース3を開く、その後、スライドケース4を、球状部22を支点にて適宜屈曲させる。
しかる後に、連結アーム23を中心にして、180度回転させ、ハウジング2のスライド面の位置まで戻し、その後、シールケース3を閉じる。
【0024】
このように、本実施の形態の構成によれば、スライドプレート10を、溶湯を注出する孔(出湯孔)の近傍に保持した状態で、スライドプレート10の表裏を、溶湯に対して極めて容易に変更することができる。
【0025】
(第2の実施の形態)
図3に本発明に係るスライドバルブ装置の第2の実施の形態を示す。
なお、本実施の形態においては、図示以外の部分は、前掲の第1の実施の形態と同じ構成を採用することができる。また、図3において、第1の実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0026】
本実施の形態においては、図3に示すように、スライドプレート10は、図中において上下対称形状に構成されている。そして、対称軸線でもある長手方向軸線R上に回転支軸37、37を有している。この回転支軸37は、プレート取付用開口5の縁部に形成された軸受部35に回転自在に受容される。このスライドプレート10は、回転支軸37を有する保持バンド36により、外周縁が保持されている。
なお、この軸受部35は、図3においては、凹部として構成されているが、回転支軸37を回転自在に保持できる構成であれば、特に特定されるものではない。
【0027】
本実施の形態スライドバルブ装置においては、スライドプレート10が、対称形状で、その長手方向軸線R上の回転支軸37によって、回転することができることから、スライドプレート10を表裏反転するときは、該スライドプレート10の回転が可能な位置へ、スライドケース34を図示しない関節部分によりオフセットした後に、ネジ8を適宜緩めて、スライドプレート10を反転する。
【0028】
その後、ネジ8を締めて固定し、スライドケース34を元の位置に戻す。
なお、図示しないハウジングやシールケースの取り扱いについては、前掲の第1の実施の形態に準じるものである。
【0029】
また、図3に示す実施の形態においては、スライドケース34側の軸受部35に、スライドプレート側10の回転支軸37が回転自在に受容される構成としたが、本発明においては、図4に示すような構成であってもよい。
すなわち、図4に示す構成は、保持バンド36に回転支持穴38が設けられている一方、スライドケース側のプレート取付用開口5に、該回転支持穴38によって受容される回転支軸37が設けられている。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係るスライドプレートの使用方法および該スライドプレートを用いたスライドバルブ装置は、スライドプレートを、溶湯を注出する孔の近傍に保持した状態で、該スライドプレートの表裏を、該溶湯に対して変更することができるので、スライドプレートの取り外し交換を必要としない。また、スライドプレートの面を変えて再使用するとき、保持されているので、熱状態の作業でも作業が容易である。さらに、従来のように、高温のスライドプレートを一旦冷却してから所定の加工を行うなどの作業を必要としないので、スライドプレートの亀裂や損傷が拡大するようなトラブルの発生がなく、スライドプレートの寿命を長く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスライドバルブ装置における第1の実施の形態の要部斜視図である。
【図2】図1に示す回転支持部のA−A断面図である。
【図3】本発明に係るスライドバルブ装置の第2の実施の形態における要部斜視図である。
【図4】図3に示す実施の形態におけるスライドプレート回転構造の変形例を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
1 スライドバルブ装置
2 ハウジング
3 シールケース
4,34 スライドケース
5 プレート取付用開口
6 サイドクランパ
7 コーナークランパ
8 ネジ
10 スライドプレート
11 開口
20 回転支持部
25 シリンダ
35 軸受部
36 保持バンド
37 回転支軸
38 回転支持穴
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続鋳造用ノズル等に設けられる溶湯注出用の孔(出湯孔)を、開閉ならびに開度調整するスライドプレートの使用方法及び該スライドプレートを用いたスライドバルブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、溶融金属の注出、閉止および流量のコントロールの有用な方法として、耐火性のプレートを適宜重ねて、その内の一つのスライドプレートを移動させて使用するスライドバルブ装置が使用されている。
【0003】
このスライドバルブ装置は、例えば3枚の耐火性プレートを重ね合わせて一組とし、溶湯の注出を行う孔に取り付けて使用する装置である。すなわち、スライドバルブ装置は、重ね合わせた耐火性プレートの内の中程のスライドプレートを油圧シリンダー等の駆動手段により摺動させ、スライドプレートに形成された開口を利用して、溶湯の流量を制御できるようになっている。
【0004】
このようなスライドバルブ装置においては、長期間の使用により、前述の耐火性プレートが溶湯によって化学的損傷したり、また機械的に損傷するので、該耐火性プレートを交換する必要がある。
特に、摺動するスライドプレートにあっては、損傷の進行度合いが大きく、その交換頻度が多く、スライドプレートの取り替え作業が面倒なだけでなく、ランニングコストの面でも問題があった。
【0005】
このようなことから、従来においては、スライドプレートを、スライドバルブ装置から取り外して、損傷の少ない面を加工し直して、表裏を反対にして再度装着して使用する方法が採用されていた(特公昭62−26864号公報等に開示された技術参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スライドプレートの交換は、熱間作業であることから、熱間かつ重筋作業であった。
また、取り外したスライドプレートの面を変えて再使用するときは、高温のスライドプレートを一旦冷却してから所定の加工を行わなければならない。この結果、スライドプレートの冷却によって、該プレートの亀裂や損傷が拡大してしまい、耐用が延びないという致命的な問題を抱えていた。
【0007】
本発明は、従来技術の前記問題点,欠点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、スライドプレートの表裏反転作業を熱間状態で極めて簡単に行うことができるスライドプレートの使用方法及び該スライドプレートを用いたスライドバルブ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスライドプレートの使用方法は、溶湯を注出する孔に対して横切るようにスライドして該孔の開閉ならびに開度調整を可能とする開口を有するスライドプレートの使用方法であって、前記スライドプレートを、前記溶湯を注出する孔の近傍に保持した状態で、該スライドプレートの表裏を、該溶湯に対して変更することを特徴とすることを特徴とし(請求項1)、これにより上記目的を達成することができる。
【0009】
本発明に係るスライドバルブ装置は、溶湯を注出する孔に対して横切るようにスライドして該孔の開閉ならびに開度調整を可能とする開口を有するスライドプレートを具備するスライドバルブ装置において、前記スライドプレートが、該スライドプレートの表裏を、前記溶湯に対して変更するべく回転可能な回転支持部を介して取り付けられていることを特徴とし(請求項2)、これにより上記目的を達成することができる。
【0010】
また、本発明に係る上記スライドバルブ装置において、
・前記スライドプレートは、板状のスライドケースによって保持され、該スライドケースを駆動する駆動系との連結部分が、関節構造を備えた前記回転支持部として構成されていること(請求項3)、
・前記スライドプレートが、該スライドプレートの長手方向軸線上に回転支軸または回転支持穴を有し、該回転支軸または回転支持穴を中心にして回転自在に
構成されていること(請求項4)、
・前記スライドプレートは、前記回転支軸または回転支持穴を有する保持バンドにより、外周縁が保持されていること(請求項5)、
を特徴とする。
【0011】
(作用)
本発明に係るスライドプレートの使用方法および該スライドプレートを用いたスライドバルブ装置によれば、スライドプレートを、溶湯を注出する孔の近傍に保持した状態で、該スライドプレートの表裏を、該溶湯に対して変更するので、スライドプレートの取り外し交換を必要としない。
また、スライドプレートの面を変えて再使用するとき、保持されているので、熱状態の作業でも作業が容易である。
【0012】
その上、従来のように、高温のスライドプレートを一旦冷却してから所定の加工を行う必要がないので、スライドプレートの亀裂や損傷が拡大することがなく、該スライドプレートの寿命を長く維持することができる。(請求項1,2)
【0013】
また、本発明に係るスライドバルブ装置によれば、スライドプレートは、板状のスライドケースによって保持され、このスライドケースを駆動する駆動系との連結部分が、関節構造を備えた回転支持部として構成されていることにより、スライドプレートを回転するときには、回転支持部を折り曲げるように操作することにより、スライドケースをそのスライド面からオフセットすることができ、その結果、スライドケースを表裏反転するように回転することができる。(請求項3)
【0014】
さらに、本発明に係るスライドバルブ装置によれば、スライドプレートが、長手方向軸線上の回転支軸または回転支持穴によって、回転することができる。(請求項4)
【0015】
さらにまた、本発明に係るスライドバルブ装置によれば、スライドプレートは、回転支軸または回転支持穴を有する保持バンドにより、外周縁が保持されていることにより、スライドプレートに対して回転支軸または回転支持穴を容易に取り付けることができる。(請求項5)
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスライドプレートの使用方法およびスライドバルブ装置の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
なお、図1は、本発明に係るスライドバルブ装置における第1の実施の形態の要部斜視図であり、図2は、図1に示す回転支持部のA−A断面図である。また、図3は、本発明に係るスライドバルブ装置の第2の実施の形態における要部斜視図である。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1に示すスライドバルブ装置1は、図示しない溶融物容器(図1においてハウジング2の後側に位置する)内の溶湯を注出する出湯孔(図示せず)に対して横切るようにスライドするスライドプレート10により、出湯孔の開閉ならびに開度調整をすることができる。このスライドプレート10には、出湯孔に対面する開口11が形成されている。
【0018】
ハウジング2とシールケース3とには、図示しないが、スライドプレート10を挟み込むように耐火性のプレートが取り付けられている。
なお、シールケース3は、適当なヒンジ構造により、ハウジング2に対して開閉可能(図中の矢印M方向)に構成されている。
【0019】
このスライドプレート10は、板状のプレート保持部材であるスライドケース4によって保持される(図1においては、分解した状態を示している)。
スライドプレート10は、プレート取付用開口5内に取り付けられる。このスライドプレート10の取り付け方は、例えばプレート取付用開口5の上下に配置されたサイドクランパ6によって、上下から挟み込むとともに、該プレート取付用開口5の角部分の近傍に配置されたコーナークランパ7により左右方向の締め付けができるようになっている。
なお、サイドクランパ6並びにコーナークランパ7は、例えば、スライドケース4の縁部に配置されたネジ8により締め付け動作させることができる。
【0020】
このスライドケース4を駆動する駆動系は、例えばシリンダ25を使用することができる。スライドプレート10は、シリンダ25の駆動によって、所定のスライド面(ハウジング内を矢印B方向に沿ったスライド面)を移動することができる。
本実施の形態においては、スライドプレート10とシリンダ25との連結部分は、屈曲動作(矢印D方向の動作)が自在な関節構造を備えた回転支持部20が設けられている。
【0021】
回転支持部20は、シリンダ側の連結アーム24の先端に、球状中空部21が形成されており、この球状中空部21が、スライドケース側の連結アーム23の先端に設けられた球状部22を受容している。したがって、スライドケース4は、連結アーム23を軸にして、360度回転することができる。
さらに、球状中空部21には、連結アーム23が、角度にして90度程度屈曲動作(矢印D方向の動作)ができるような回動用開口21aが設けられている。
【0022】
スライドバルブ装置1における通常の使用時においては、シールケース3が閉じられており、スライドプレート10が、図示しない他の耐火性プレート間をスライド移動して、出湯孔の開閉ならびに開度調整をする。
【0023】
一方、スライドケース4を表裏反転するときの操作について説明する。
先ず、シールケース3を開く、その後、スライドケース4を、球状部22を支点にて適宜屈曲させる。
しかる後に、連結アーム23を中心にして、180度回転させ、ハウジング2のスライド面の位置まで戻し、その後、シールケース3を閉じる。
【0024】
このように、本実施の形態の構成によれば、スライドプレート10を、溶湯を注出する孔(出湯孔)の近傍に保持した状態で、スライドプレート10の表裏を、溶湯に対して極めて容易に変更することができる。
【0025】
(第2の実施の形態)
図3に本発明に係るスライドバルブ装置の第2の実施の形態を示す。
なお、本実施の形態においては、図示以外の部分は、前掲の第1の実施の形態と同じ構成を採用することができる。また、図3において、第1の実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0026】
本実施の形態においては、図3に示すように、スライドプレート10は、図中において上下対称形状に構成されている。そして、対称軸線でもある長手方向軸線R上に回転支軸37、37を有している。この回転支軸37は、プレート取付用開口5の縁部に形成された軸受部35に回転自在に受容される。このスライドプレート10は、回転支軸37を有する保持バンド36により、外周縁が保持されている。
なお、この軸受部35は、図3においては、凹部として構成されているが、回転支軸37を回転自在に保持できる構成であれば、特に特定されるものではない。
【0027】
本実施の形態スライドバルブ装置においては、スライドプレート10が、対称形状で、その長手方向軸線R上の回転支軸37によって、回転することができることから、スライドプレート10を表裏反転するときは、該スライドプレート10の回転が可能な位置へ、スライドケース34を図示しない関節部分によりオフセットした後に、ネジ8を適宜緩めて、スライドプレート10を反転する。
【0028】
その後、ネジ8を締めて固定し、スライドケース34を元の位置に戻す。
なお、図示しないハウジングやシールケースの取り扱いについては、前掲の第1の実施の形態に準じるものである。
【0029】
また、図3に示す実施の形態においては、スライドケース34側の軸受部35に、スライドプレート側10の回転支軸37が回転自在に受容される構成としたが、本発明においては、図4に示すような構成であってもよい。
すなわち、図4に示す構成は、保持バンド36に回転支持穴38が設けられている一方、スライドケース側のプレート取付用開口5に、該回転支持穴38によって受容される回転支軸37が設けられている。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係るスライドプレートの使用方法および該スライドプレートを用いたスライドバルブ装置は、スライドプレートを、溶湯を注出する孔の近傍に保持した状態で、該スライドプレートの表裏を、該溶湯に対して変更することができるので、スライドプレートの取り外し交換を必要としない。また、スライドプレートの面を変えて再使用するとき、保持されているので、熱状態の作業でも作業が容易である。さらに、従来のように、高温のスライドプレートを一旦冷却してから所定の加工を行うなどの作業を必要としないので、スライドプレートの亀裂や損傷が拡大するようなトラブルの発生がなく、スライドプレートの寿命を長く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスライドバルブ装置における第1の実施の形態の要部斜視図である。
【図2】図1に示す回転支持部のA−A断面図である。
【図3】本発明に係るスライドバルブ装置の第2の実施の形態における要部斜視図である。
【図4】図3に示す実施の形態におけるスライドプレート回転構造の変形例を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
1 スライドバルブ装置
2 ハウジング
3 シールケース
4,34 スライドケース
5 プレート取付用開口
6 サイドクランパ
7 コーナークランパ
8 ネジ
10 スライドプレート
11 開口
20 回転支持部
25 シリンダ
35 軸受部
36 保持バンド
37 回転支軸
38 回転支持穴
Claims (5)
- 溶湯を注出する孔に対して横切るようにスライドして該孔の開閉ならびに開度調整を可能とする開口を有するスライドプレートの使用方法であって、
前記スライドプレートを保持した状態で、該スライドプレートの表裏を、該溶湯に対して変更することを特徴とするスライドプレートの使用方法。 - 溶湯を注出する孔に対して横切るようにスライドして該孔の開閉ならびに開度調整を可能とする開口を有するスライドプレートを具備するスライドバルブ装置において、
前記スライドプレートが、該スライドプレートの表裏を、前記溶湯に対して変更するべく回転可能な回転支持部を介して取り付けられていることを特徴とするスライドバルブ装置。 - 前記スライドプレートは、板状のスライドケースによって保持され、該スライドケースを駆動する駆動系との連結部分が、関節構造を備えた前記回転支持部として構成されたことを特徴とする請求項2に記載のスライドバルブ装置。
- 前記スライドプレートが、該スライドプレートの長手方向軸線上に回転支軸または回転支持穴を有し、該回転支軸または回転支持穴を中心にして回転自在に構成されていることを特徴とする請求項2に記載のスライドバルブ装置。
- 前記スライドプレートは、前記回転支軸または回転支持穴を有する保持バンドにより、外周縁が保持されていることを特徴とする請求項4に記載のスライドバルブ装置。
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JPH11245018A JPH11245018A (ja) | 1999-09-14 |
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1998
- 1998-02-27 JP JP04712998A patent/JP3628168B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH11245018A (ja) | 1999-09-14 |
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