JP3627674B2 - Codec選択方式および方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CODEC選択方式および方法に関し、特に、IPパケット網におけるゲートウェイでのCODEC方式を選択するCODEC選択方式および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
IPパケット網上でVoIP(Voice over IP)やテレビ会議システム、画像配信サービス等、データを圧縮・パケット化して送受信するサービスが様々ある。従来、これらのサービスではあらかじめ決められたCODEC方式を用いてパケットの送受信を行っている。なお、IPネットワークでのゲートウェイ間でデータを送受信する際に、送信側では音声、画像等を圧縮・符号化し、受信側では復号・伸長することで、リアルタイムの通信を実行している。このとき符号・復号回路をCODEC(Corder and Decorder)と呼び、CODECには圧縮するのにいくつもの圧縮率(または転送レートで指定)がCODEC方式として存在するが、従来技術では、あらかじめ決められたCODEC方式を用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようにあらかじめ決められたCODEC方式(圧縮率:転送レート)を用いてパケット(データ)の送受信を実行すると、IPパケット網の状態によってはパケットが遅延したり、パケットロスが発生したりするという問題点がある。
【0004】
本発明の目的は、上記問題点を鑑み、ネットワークの状態にあったCODEC方式(圧縮率:転送レート)を用いてストリーム系サービス(例えば、電話、テレビ会議システム、画像配信に使用されるデータサービス)のパケットの送受信を行うことでネットワークに最適となる高品質なストリーム系サービスを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のCODEC選択方式は、IPパケット網を接続するネットワーク機器を介してゲートウェイ間でCODEC方式によるデータをIPパケットに乗せて送受信を行うCODEC選択方式であって、ネットワーク機器を介して前記IPパケット網に接続されたネットワーク管理装置を備え、前記ネットワーク管理装置は、定期的に前記IPパケット網内のネットワーク情報を収集する収集手段と、前記ゲートウェイに接続された端末から相手先の端末への接続依頼に伴って接続元の前記ゲートウェイからCODEC方式選定要求と接続先アドレス情報とを含む接続要求を受けると前記IPパケット網内の接続するルートを検索しその検索したルートと前記収集手段で収集した前記ネットワーク情報を基に複数のCODEC方式の中から1つを選定する選定手段と、前記選定したCODEC方式を接続元および接続先の前記ゲートウェイに通知する通知手段とを有することを特徴としている。
【0006】
更に、前記収集手段は、定期的に前記IPパケット網に接続されたネットワーク機器が収集したネットワーク情報を収集することを特徴としている。
【0007】
更に、前記ネットワーク情報は、パケットの平均転送レートを示す転送帯域とネットワークの使用率を示すネットワーク使用率とパケットのFCSエラーの発生率を示すエラーパケット発生率とルート情報とを含むことを特徴としている。
【0008】
更に、前記選定手段は、前記ネットワーク情報の他に前記CODEC方式選定要求時の要求情報を基に複数のCODEC方式の中から1つを選定することを特徴としている。
【0009】
更に、前記選定手段は、前記接続要求を受信すると前記接続先アドレス情報と前記ネットワーク情報とを含む情報を基に前記ゲートウェイ間の接続する前記ルートを検索し、その検索したルートに基づいて前記ネットワーク情報の他に前記CODEC方式選定要求時の要求情報を基に複数のCODEC方式の中から1つを選定することを特徴としている。
【0010】
更に、前記要求情報は、サービスの種別を示すサービス種別と要求する帯域幅を示す要求帯域とを含むことを特徴としている。
【0011】
更に、前記ゲートウェイは、自装置に接続された前記端末から相手先の前記端末に接続依頼があると前記ネットワーク管理装置に前記接続要求を行う要求手段と、前記要求手段により通知された前記CODEC方式を基にCODEC方式毎に存在するCODEC回路の1つを選択して使用することにより通信相手の前記ゲートウェイとデータの圧縮による送受信を行う第1の送受信手段とを有することを特徴としている。
【0012】
更に、前記ネットワーク管理装置は、前記端末間の通信パス設定後の前記収集手段において収集した前記ネットワーク情報を基に複数のCODEC方式の中から1つを選定して前回と違うCODEC方式であれば新しく選定したCODEC方式を前記ゲートウェイに通知する変更通知手段を有することを特徴としている。
【0013】
更に、前記ゲートウェイは、前記変更通知手段により通知された前記CODEC方式を基にCODEC方式毎に存在するCODEC回路の1つを選択して使用することにより通信相手の前記ゲートウェイとデータの圧縮による送受信を行う第2の送受信手段とを有することを特徴としている。
【0014】
また、本発明の第1のCODEC選択方法は、IPパケット網を接続するネットワーク機器を介してゲートウェイ間でCODEC方式によるデータをIPパケットに乗せて送受信を行うCODEC選択方法であって、
ネットワーク機器を介して前記IPパケット網に接続されたネットワーク管理装置を準備し、前記ネットワーク管理装置は、定期的に前記IPパケット網内のネットワーク情報を収集し、前記ゲートウェイに接続された端末から相手先の端末への接続依頼に伴って接続元の前記ゲートウェイからCODEC方式選定要求と接続先アドレス情報とを含む接続要求を受けると前記IPパケット網内の接続するルートを検索し、その検索したルートと前記収集したネットワーク情報を基に複数のCODEC方式の中から1つを選定し、その選定したCODEC方式を接続元および接続先の前記ゲートウェイに通知することを特徴としている。
【0015】
また、本発明の第2のCODEC選択方法は、IPパケット網を接続するネットワーク機器を介してゲートウェイ間でCODEC方式によるデータをIPパケットに乗せて送受信を行うCODEC選択方法であって、ネットワーク機器を介して前記IPパケット網に接続されたネットワーク管理装置を準備し、前記ネットワーク管理装置が定期的に前記IPパケット網に接続された前記ネットワーク機器が収集したネットワーク情報を収集し、前記ゲートウェイが自装置に接続された端末から相手先の端末への接続依頼を受信すると前記ネットワーク管理装置に対してCODEC方式選定要求と接続先アドレス情報とを含む接続要求を行い、前記ネットワーク管理装置が前記接続要求を受信すると前記IPパケット網内の接続するルートを検索し、前記ネットワーク管理装置が前記検索したルートと前記収集したネットワーク情報を基に複数のCODEC方式の中から1つを選定し、その選定したCODEC方式を前記ネットワーク管理装置が接続元および接続先の前記ゲートウェイに通知することを特徴としている。
【0016】
更に、上記の第2のCODEC選択方法において、前記ゲートウェイが相手先と通信パス設定後にデータのやり取りを行う場合には前記CODEC方式選定要求により通知された前記CODEC方式を基にCODEC方式毎に存在するCODEC回路の1つを選択してデータの圧縮または解凍することによりデータの送受信を行うことを特徴としている。
【0017】
更に、上記の第1または第2のCODEC選択方法において、前記ネットワーク情報は、パケットの平均転送レートを示す転送帯域とネットワークの使用率を示すネットワーク使用率とパケットのFCSエラーの発生率を示すエラーパケット発生率とを含むことを特徴としている。
【0018】
更に、上記の第1または第2のCODEC選択方法において、前記ネットワーク管理装置が前記接続要求を受信すると前記ネットワーク情報の他に前記CODEC方式選定要求時の要求情報を基に複数のCODEC方式の中から1つを選定することを特徴としている。
【0019】
更に、上記の第1または第2のCODEC選択方法において、前記ネットワーク管理装置が前記接続要求を受信すると前記接続先アドレス情報と前記ネットワーク情報とを含む情報を基に前記ゲートウェイ間の接続する前記ルートを検索し、前記ネットワーク管理装置が前記検索したルートに基づいて前記ネットワーク情報の他に前記CODEC方式選定要求時の要求情報を基に複数のCODEC方式の中から1つを選定することを特徴としている。
【0020】
更に、上記の第2のCODEC選択方法において、前記要求情報は、サービスの種別を示すサービス種別と要求する帯域幅を示す要求帯域とを含むことを特徴としている。
【0021】
更に、上記の第2のCODEC選択方法において、前記端末間の通信パス設定後に、前記ネットワーク管理装置が定期的に収集した前記ネットワーク情報を基に複数のCODEC方式の中から1つを選定して前回と違うCODEC方式であれば新しく選定したCODEC方式を前記ゲートウェイに変更通知することを特徴としている。
【0022】
更に、上記の第2のCODEC選択方法において、前記ゲートウェイが前記変更通知により前記変更通知された前記CODEC方式を基にCODEC方式毎に存在するCODEC回路の1つを選択して使用することにより通信相手の前記ゲートウェイとデータの圧縮による送受信を行うことを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1を参照すると、本発明の実施の形態は、ネットワークの管理を行っているネットワーク管理装置1と、ネットワーク管理装置1に接続されている情報管理データベース11と、メディアゲートウェイ2,3と、メディアゲートウェイ2に接続されている電話装置61と、テレビ会議装置62と、メディゲートウェイ3に接続されている電話装置71と、テレビ会議装置72と、IPパケット網間を接続するルータ51,52と、スイッチングHUB4とから構成されている。なお、メディアゲートウェイ2と電話装置61およびテレビ会議装置62と間を電話網(交換機を含む)で接続され、メディアゲートウェイ3と電話装置71およびテレビ会議装置72と間を電話網(交換機を含む)で接続されている。
【0024】
ネットワーク管理装置1は、アドレス変換を行うアドレス変換テーブル12と、CODEC方式を選定するCODEC選定テーブル13とを有している。アドレス変換テーブル12およびCODEC選定テーブル13は、揮発性のメモリ(例えば、フラッシュメモリ)内に割り当てられている。
【0025】
ネットワーク管理装置1は、図示していないプロセッサによりプログラム制御で動作する情報処理装置(例えば、ワークステーション)であり、ネットワーク(ルータ51,52、スイッチングHUB4等)の様々なネットワーク情報(転送帯域、ネットワーク使用率、エラーパケット発生率、故障情報、ルート情報等)を情報収集・管理するものである。すなわち、ネットワーク管理部1は、定期的に各ネットワーク構成機器(ルータ51,52、スイッチングHUB4)から様々なネットワーク情報をSNMP(Simple Network Management Protocol:簡易ネットワーク管理プロトコル)にて収集し、ネットワーク接続管理を含めてデータベース化し、管理する。また、ネットワーク管理装置1は、メディアゲートウェイ2,3からの要求に対して接続元のメディアゲートウェイと接続先のメディアゲートウェイとから、両者が接続された場合に通るルートを情報管理データベース11から検索し、検索したルートの現時点でのネットワーク情報(転送帯域、ネットワーク使用率、エラーパケット発生率、故障情報、ルート情報)を情報管理データベース11から検索し、更にCODEC選定テーブル13を検索することによりCODEC方式を選定することにより、最適となる制御を実施する機能を持つ。
【0026】
情報管理データベース11は、ネットワーク管理装置1の管理下にあり、不揮発性の記録媒体装置(例えば、磁気ディスク)内に割り当てられている。情報管理データベース11には、ネットワーク機器毎に各機器から収集されたネットワーク情報が保存されており、そのネットワーク情報は、ネットワーク機器識別番号、転送帯域、ネットワーク使用率、エラーパケット発生率、故障情報、ルート情報を含む情報である。
【0027】
アドレス変換テーブル12は、メディアゲートウェイ配下の各装置がIP網を利用する場合に必要となるIPアドレスを識別番号(例えば、電話番号)に対応して割り当てられた変換テーブルである。なお、アドレス変換テーブル12は、システム立上げ時にあらかじめ設定されている。
【0028】
CODEC選定テーブル13は、サービス種別(電話、TV会議システム、画像配信の識別情報)、要求帯域(例えば、最大256kbps、最小64kbps)、転送帯域(例えば、32kbpsまで、64kbpsまで、・・・)、ネットワーク使用率(例えば、10%まで、20%まで、・・・)、およびエラーパケット発生率(1%まで、5%まで、・・・)をパラメータとして、CODEC方式を選定するテーブルである。従って、全パラメータにそれぞれ1つの値(条件)が埋まることによって、幾つもあるCODEC方式の中から1つのCODEC方式を選択するようになっている。例えば、サービス種別が電話、要求帯域が8kbps〜16kbps、ネットワーク使用率が10%まで、エラーパケット発生率が1%であれば、CODEC2(例えば、CODEC方式の種別の1つを示す)を示すように、あらかじめCODEC選定テーブル13に設定されている。なお、CODEC選定テーブル13は、システム立上げ時にあらかじめ設定されている。
【0029】
メディアゲートウェイ2,3は、各種サービス(電話、テレビ会議システム、画像配信等)のデータを一方(送信側)でコーディング(圧縮・パケット化)し、他方(受信側)でデコード(アンパケット化・解凍)する装置である。すなわち、メディアゲートウェイ2,3は、データの圧縮または解凍を行うCODEC回路をCODEC方式毎に複数有している。また、メディアゲートウェイ2,3は、メディアゲートウェイ配下の装置から接続要求があった場合に、ネットワーク管理装置1に対して接続要求(この場合、CODEC方式選定要求も含む)を実施し、ネットワーク管理装置1からの応答に合わせて接続を実施し、相手との通信パス設定後に指定されたCODEC方式によりCODEC回路を選択して使用することにより各種データを送信する機能を持つ。一方、接続先側におけるメディアゲートウェイ2,3は、ネットワーク管理装置1から接続要求に対する回答が合った場合に、接続元のメディアゲートウェイ配下の装置からの接続要求に対して接続元の装置との間でコネクション(通信パス)をはり、各種データを受信し、指定されたCODEC方式によりCODEC回路を選択して使用することにより受信データを処理する機能を持つ。なお、電話、テレビ会議システム等のような双方向サービスの場合におけるメディアゲートウェイ2,3は、通信パス設定後、共に、ネットワーク管理装置1から指定されたCODEC方式により選定したCODEC回路を用いてデータの送受信(データの送信側はコーディングを行い、データの受信側はデコードを行い)を実施する。
【0030】
すなわち、通信パス設定後に、メディアゲートウェイ2,3は、送信の場合には、回線からのデータを選定されたCODEC回路により圧縮し、IPプロトコルの基でIPパケットに圧縮したデータをIPパケットに載せてIPパケット網に送信し、受信側ではIPプロトコルの基で受信したIPパケットからデータを抽出して選定されたCODEC回路により解凍し、回線プロトコルの基でメディアゲートウェイ配下の端末にデータを送信する。
【0031】
ルータ51,52およびスイッチングHUB4は、図示していない自機器のネットワーク情報を保存する記憶部を有している。このネットワーク情報は、ネットワーク機器識別番号、転送帯域、ネットワーク使用率、エラーパケット発生率、故障情報、ルート情報を含む情報である。ルータ51,52およびスイッチングHUB4は、あらかじめ決められた周期で、転送帯域、ネットワーク使用率、エラーパケット発生率をそれぞれ計算することで最新状態にする。故障情報、ルート情報(この場合ルーティングテーブル)は、障害発生等の非同期の割込みにより最新状態にする。転送帯域は、一定期間の間(あらかじめ決められた周期)において、入力したパケットが出力するまでの平均処理時間を計算し、計算した処理時間からパケットの平均転送レートを算出した値(例えば、50kbps)である。ネットワーク使用率は、一定期間の間において、伝送路の転送速度に対する転送帯域の占める割合の値(例えば、10%)である。エラーパケット発生率は、一定期間の間において、パケット受信時におけるFCSエラーを検出した割合の値(例えば、1%)である。
【0032】
次に、図1および2を参照して、本発明の実施の形態の動作について説明する。
例として、図2のメディアゲートウェイ2に接続されたテレビ会議装置62からメディアゲートウェイ3に接続されたテレビ会議装置72に接続する場合について説明する。
【0033】
ルータ51,52およびスイッチングHUB4は、自機器のネットワーク情報を一定間隔または非定期的に収集している。また、ネットワーク管理装置1は、あらかじめ決められた時間毎に定期的にネットワーク機器であるルータ51,52およびスイッチングHUB4自身が収集したネットワーク情報を読出し(図2のシーケンスS1)、データベース11に保存することで情報管理データベースとして情報管理する。
【0034】
今、メディアゲートウェイ2に接続されているテレビ会議装置62からメディアゲートウェイ3に接続されているテレビ会議装置72に接続要求があると、メディアゲートウェイ2は、ネットワーク管理装置1に対して、テレビ会議装置72への接続要求(この場合、CODEC方式選定要求も含む)を行う(シーケンスS2)。この場合の接続要求時に、メディアゲートウェイ2は、テレビ会議装置61からの接続要求時に受信した接続先アドレス(相手先の電話番号)、サービス種別(この場合は、テレビ会議システム)、要求帯域(最大、最小帯域)を含む情報を接続要求(パケット)に載せてネットワーク管理装置1に通知する。
【0035】
ネットワーク管理装置1は、先ず、相手先電話番号を基にアドレス変換テーブル12を検索し、相手先のゲートウェイ3の宛先にあたるIPアドレスを抽出する(シーケンスS3)。
【0036】
更に、ネットワーク管理装置1は、接続元のメディアゲートウェイ2と接続先のメディアゲートウェイ3とから、両者が接続された場合に通るルートを情報管理データベース11にある各ネットワーク機器のルート情報を検索することで検出する(シーケンスS4)。この場合、メディアゲートウェイ2からメディアゲートウェイ3へのルートは、ルータ52、ルータ51、スイッチングHUB4が抽出される。なお、ネットワーク管理装置1は、抽出したルートを図示していない記憶部(例えば、RAM内に使用中エリアとして割り当てられている)に使用中のルートとなるルータ52、ルータ51、スイッチングHUB4の情報が切断するまでの間記憶される。
【0037】
更に、ネットワーク管理装置1は、抽出したルートにおける現時点でのルータ52、ルータ51、スイッチングHUB4のネットワーク条件(転送帯域、ネットワーク使用率、エラーパケット発生率)を情報管理データベース11から収集し、最悪値となる転送帯域、ネットワーク使用率、エラーパケット発生率を選択する(シーケンスS5)。この場合、転送帯域、ネットワーク使用率、エラーパケット発生率のパラメータとして、それぞれのネットワーク機器で収集した値の中で最悪値を取るようにしたが、平均値またはその他の方法で求めたものをパラメータ値としても良い。
【0038】
更に、ネットワーク管理装置1は、メディアゲートウェイ2から受信したサービス種別、要求帯域と、選択した転送帯域、ネットワーク使用率、エラーパケット発生率とをパラメータとして、CODEC選定テーブル13からCODEC方式(圧縮率:転送レート)を選定する(シーケンスS6)。この場合のCODEC方式を選定するネットワーク管理装置1の動作を説明すると、ネットワーク管理装置1は、受信したサービス種別、要求帯域のパラメータと、選択した転送帯域、ネットワーク使用率、エラーパケット発生率のパラメータとがCODEC選定テーブル13上のサービス種別、要求帯域と、選択した転送帯域、ネットワーク使用率、エラーパケット発生率と一致する値(条件)を順に検索し、全て一致した条件に当てはまるCODEC方式の内容をCODEC選定テーブル13から選択する。CODEC方式の内容がCODEC方式である。すなわち、条件を全て満足するCODEC方式を選択しているため、ネットワークに最適なCODEC方式が選択されることになる。
【0039】
その結果、ネットワーク管理装置1は、選定したCODEC方式を使用中エリアに記憶すると共に、抽出したIPアドレス宛であるメディアゲートウェイ3に対してメディアゲートウェイ2から接続要求があったことと選定したCODEC方式(圧縮率等)を通知する(シーケンスS7)。
【0040】
メディアゲートウェイ3は、この接続要求を受諾する場合はOKである旨を回答する(シーケンスS8)。
【0041】
メディアゲートウェイ3からOKの回答を受信したネットワーク管理装置1は、メディアゲートウェイ2に対してCODEC方式(圧縮率等)と相手先情報(アドレス変換したメディアゲートウェイ3のIPアドレス、テレビ会議装置72の電話番号を含む情報)を含む通信情報を送信する(シーケンスS9)。
【0042】
メディアゲートウェイ3への通信情報をネットワーク管理装置1から受信したメディアゲートウェイ2は、先ず、メディアゲートウェイ3に対してテレビ会議装置72と接続するための接続要求(呼設定パケットを送信:このパケットには、宛先のメディアゲートウェイ3のIPアドレス、テレビ会議装置72の電話番号、および送信元のメディアゲートウェイ2のIPアドレス、テレビ会議装置62の電話番号の情報を含む)を行う。接続要求を受信したメディアゲートウェイ3は宛先電話番号を基にテレビ会議装置72に対して接続要求を行う。すると、テレビ会議装置62が応答すると、応答がメディアゲートウェイ3、メディアゲートウェイ2を介してテレビ会議装置62に返信されることになる。すなわち、テレビ会議装置62とテレビ会議装置72との間に通信パスが張られたことになる(シーケンスS10,S11)。
【0043】
その後、テレビ会議装置62から送信されるデータは、メディアゲートウェイ2において通知されたCODEC方式を使用してコーディングされ、コーディングされたデータがメディアゲートウェイ3に送信される。メディアゲートウェイ3で受信されたコーディングデータは、通知されたCODEC方式を使用してデコードされ、相手のテレビ会議装置72に送信される。また、テレビ会議装置72から送信されるデータは、メディアゲートウェイ3において通知されたCODEC方式を使用してコーディングされ、コーディングされたデータがメディアゲートウェイ2に送信される。メディアゲートウェイ2で受信されたコーディングデータは、通知されたCODEC方式を使用してデコードされ、相手のテレビ会議装置62に送信される(シーケンスS12)。
【0044】
上記方法を実施することにより、IPネットワークの使用状況から最適となるCODEC方式(圧縮率等)をメディアゲートウェイに通知、制御することによって、ネットワークに最適なCODEC方式(圧縮率すなわち転送レート)を使用することにより、ネットワークに最適となり可能な限り高品質なサービスを提供できる。
【0045】
また、上記に説明したように、ネットワーク管理装置1が複数のネットワークの使用状況(収集したネットワーク情報)および使用要求(メディゲートウェイからの接続要求時の情報)の基でCODEC方式を選定しているため、ネットワークの構築に適した高品質なサービスを提供することができる。
【0046】
また、接続され通信が開始された後も、ネットワーク監視装置1は、定期的に、ネットワーク機器のネットワーク情報を収集しているが、収集したネットワーク情報を情報管理データベース11に格納する(この場合、アップデータする)が、あるルートが使用中(ゲートウェイから接続依頼を受けてから切断するまでの間は使用中になる:使用中エリアの内容を検索することで判断)になっていると、使用中のルートにおける現時点でのネットワーク条件(転送帯域、ネットワーク使用率、エラーパケット発生率)を情報管理データベース11から収集し、最悪値となる転送帯域、ネットワーク使用率、エラーパケット発生率を選択する(シーケンスS5と同等処理)。更に、図2のシーケンスS6の処理によりCODEC方式を選定し、以前と相違(使用中エリア内のCODECと比較することで判断)していればメディアゲートウェイ2,3に新しく選定したCODEC方式の変更を通知する。新しく通知を受け取ったメディアゲートウェイ2,3は、新しいCODEC方式に基づいてデータの送受信を行う。
【0047】
従って、接続(通信パスが設定)された後でも、メディアゲートウェイ2,3では、与えられたタイミングでCODEC方式を変更することにより、リアルタイムに最適な速度で通信ができることになる。
【0048】
また、通信パスが設定されている最中に障害等によりルートが変わった場合には、ネットワーク管理装置1は、ルート変更になったルートにおける現時点でのネットワーク条件(転送帯域、ネットワーク使用率、エラーパケット発生率)を情報管理データベース11から収集し、最悪値となる転送帯域、ネットワーク使用率、エラーパケット発生率を選択する(シーケンスS5と同等処理)。更に、図2のシーケンスS6の処理によりCODEC方式を選定し、以前と相違していればメディアゲートウェイ2,3に新しく選定したCODEC方式の変更を通知する。新しく通知を受け取ったメディアゲートウェイ2,3は、新しいCODEC方式に基づいてデータの送受信を行う。
【0049】
従って、接続(通信パスが設定)された後でも、メディアゲートウェイ2,3では、与えられたタイミングでCODEC方式を変更することにより、リアルタイムに最適な速度で通信ができることになる。
【0050】
以上説明したように本発明では、実施の形態例としてテレビ会議システムを挙げたが、電話、多地点テレビ会議システムのような、多地点間の相互ストリーム通信、動画配信等のストリーム系配信サービス等、一般的なストリーム系サービスにも本発明を使用することができることは明らかである。
【0051】
また、通常のデータ転送サービスにおいても本発明を用いて転送レートを制御することによって、輻輳する確率が減るため、効率的なデータ転送を行うことができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、ネットワーク管理装置がIPネットワークの使用状況を判断してCODEC方式(圧縮率等)を選定してメディアゲートウェイに通知し、メディアゲートウェイが通知されたCODEC方式(圧縮率すなわち転送レート)を基にデータの圧縮・解凍による送受信を行っているため、ネットワークにとって最適となり、可能な限り高品質なサービスを提供することができるという効果がある。
【0053】
また、接続された後に、ネットワーク状態が大きく変化した場合には、ネットワーク管理装置にて最適となるCODEC方式を再検索し、CODEC方式を変更することにより、リアルタイムに最適な速度で通信ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における送信側および受信側のメディアゲートウェイとネットワーク管理装置と間における動作の流れを示すシーケンス図である。
【符号の説明】
1 ネットワーク管理装置
2,3 メディアゲートウェイ
4 スイッチングHUB
11 情報管理データベース
12 アドレス変換テーブル
13 CODEC選定テーブル
51,52 ルータ
61,71 電話装置
62,72 テレビ会議装置

Claims (18)

  1. IPパケット網を接続するネットワーク機器を介してゲートウェイ間でCODEC方式によるデータをIPパケットに乗せて送受信を行うCODEC選択方式であって、
    ネットワーク機器を介して前記IPパケット網に接続されたネットワーク管理装置を備え、前記ネットワーク管理装置は、定期的に前記IPパケット網内のネットワーク情報を収集する収集手段と、
    前記ゲートウェイに接続された端末から相手先の端末への接続依頼に伴って接続元の前記ゲートウェイからCODEC方式選定要求と接続先アドレス情報とを含む接続要求を受けると前記IPパケット網内の接続するルートを検索しその検索したルートと前記収集手段で収集した前記ネットワーク情報を基に複数のCODEC方式の中から1つを選定する選定手段と、
    前記選定したCODEC方式を接続元および接続先の前記ゲートウェイに通知する通知手段とを有することを特徴とするCODEC選択方式。
  2. 前記収集手段は、定期的に前記IPパケット網に接続されたネットワーク機器が収集したネットワーク情報を収集することを特徴とする請求項1記載のCODEC選択方式。
  3. 前記ネットワーク情報は、パケットの平均転送レートを示す転送帯域とネットワークの使用率を示すネットワーク使用率とパケットのFCSエラーの発生率を示すエラーパケット発生率とルート情報とを含むことを特徴とする請求項1または2記載のCODEC選択方式。
  4. 前記選定手段は、前記ネットワーク情報の他に前記CODEC方式選定要求時の要求情報を基に複数のCODEC方式の中から1つを選定することを特徴とする請求項1記載のCODEC選択方式。
  5. 前記選定手段は、前記接続要求を受信すると前記接続先アドレス情報と前記ネットワーク情報とを含む情報を基に前記ゲートウェイ間の接続する前記ルートを検索し、その検索したルートに基づいて前記ネットワーク情報の他に前記CODEC方式選定要求時の要求情報を基に複数のCODEC方式の中から1つを選定することを特徴とする請求項1記載のCODEC選択方式。
  6. 前記要求情報は、サービスの種別を示すサービス種別と要求する帯域幅を示す要求帯域とを含むことを特徴とする請求項4または5記載のCODEC選択方式。
  7. 前記ゲートウェイは、自装置に接続された前記端末から相手先の前記端末に接続依頼があると前記ネットワーク管理装置に前記接続要求を行う要求手段と、
    前記要求手段により通知された前記CODEC方式を基にCODEC方式毎に存在するCODEC回路の1つを選択して使用することにより通信相手の前記ゲートウェイとデータの圧縮による送受信を行う第1の送受信手段とを有することを特徴とする請求項1記載のCODEC選択方式。
  8. 前記ネットワーク管理装置は、前記端末間の通信パス設定後の前記収集手段において収集した前記ネットワーク情報を基に複数のCODEC方式の中から1つを選定して前回と違うCODEC方式であれば新しく選定したCODEC方式を前記ゲートウェイに通知する変更通知手段を有することを特徴とする請求項1記載のCODEC選択方式。
  9. 前記ゲートウェイは、前記変更通知手段により通知された前記CODEC方式を基にCODEC方式毎に存在するCODEC回路の1つを選択して使用することにより通信相手の前記ゲートウェイとデータの圧縮による送受信を行う第2の送受信手段とを有することを特徴とする請求項1記載のCODEC選択方式。
  10. IPパケット網を接続するネットワーク機器を介してゲートウェイ間でCODEC方式によるデータをIPパケットに乗せて送受信を行うCODEC選択方法であって、
    ネットワーク機器を介して前記IPパケット網に接続されたネットワーク管理装置を準備し、
    前記ネットワーク管理装置は、定期的に前記IPパケット網内のネットワーク情報を収集し、
    前記ゲートウェイに接続された端末から相手先の端末への接続依頼に伴って接続元の前記ゲートウェイからCODEC方式選定要求と接続先アドレス情報とを含む接続要求を受けると前記IPパケット網内の接続するルートを検索し、
    その検索したルートと前記収集したネットワーク情報を基に複数のCODEC方式の中から1つを選定し、
    その選定したCODEC方式を接続元および接続先の前記ゲートウェイに通知することを特徴とするCODEC選択方法。
  11. IPパケット網を接続するネットワーク機器を介してゲートウェイ間でCODEC方式によるデータをIPパケットに乗せて送受信を行うCODEC選択方法であって、
    ネットワーク機器を介して前記IPパケット網に接続されたネットワーク管理装置を準備し、
    前記ネットワーク管理装置が定期的に前記IPパケット網に接続された前記ネットワーク機器が収集したネットワーク情報を収集し、
    前記ゲートウェイが自装置に接続された端末から相手先の端末への接続依頼を受信すると前記ネットワーク管理装置に対してCODEC方式選定要求と接続先アドレス情報とを含む接続要求を行い、
    前記ネットワーク管理装置が前記接続要求を受信すると前記IPパケット網内の接続するルートを検索し、
    前記ネットワーク管理装置が前記検索したルートと前記収集したネットワーク情報を基に複数のCODEC方式の中から1つを選定し、
    その選定したCODEC方式を前記ネットワーク管理装置が接続元および接続先の前記ゲートウェイに通知することを特徴とするCODEC選択方法。
  12. 前記ゲートウェイが相手先と通信パス設定後にデータのやり取りを行う場合には前記CODEC方式選定要求により通知された前記CODEC方式を基にCODEC方式毎に存在するCODEC回路の1つを選択してデータの圧縮または解凍することによりデータの送受信を行うことを特徴とする請求項11記載のCODEC選択方法。
  13. 前記ネットワーク情報は、パケットの平均転送レートを示す転送帯域とネットワークの使用率を示すネットワーク使用率とパケットのFCSエラーの発生率を示すエラーパケット発生率とを含むことを特徴とする請求項10または11記載のCODEC選択方法。
  14. 前記ネットワーク管理装置が前記接続要求を受信すると前記ネットワーク情報の他に前記CODEC方式選定要求時の要求情報を基に複数のCODEC方式の中から1つを選定することを特徴とする請求項10また11記載のCODEC選択方法。
  15. 前記ネットワーク管理装置が前記接続要求を受信すると前記接続先アドレス情報と前記ネットワーク情報とを含む情報を基に前記ゲートウェイ間の接続する前記ルートを検索し、
    前記ネットワーク管理装置が前記検索したルートに基づいて前記ネットワーク情報の他に前記CODEC方式選定要求時の要求情報を基に複数のCODEC方式の中から1つを選定することを特徴とする請求項10また11記載のCODEC選択方法。
  16. 前記要求情報は、サービスの種別を示すサービス種別と要求する帯域幅を示す要求帯域とを含むことを特徴とする請求項14または15記載のCODEC選択方法。
  17. 前記端末間の通信パス設定後に、前記ネットワーク管理装置が定期的に収集した前記ネットワーク情報を基に複数のCODEC方式の中から1つを選定して前回と違うCODEC方式であれば新しく選定したCODEC方式を前記ゲートウェイに変更通知することを特徴とする請求項11記載のCODEC選択方法。
  18. 前記ゲートウェイが前記変更通知により前記変更通知された前記CODEC方式を基にCODEC方式毎に存在するCODEC回路の1つを選択して使用することにより通信相手の前記ゲートウェイとデータの圧縮による送受信を行うことを特徴とする請求項11記載のCODEC選択方法。
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