JP3627136B2 - レーザー導入用窓のくもり検知方法およびレーザー照射装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー導入用窓のくもり検知方法およびレーザー照射装置に関し、さらに詳しくは、環境上の問題点や保守上の問題点がなく、レーザー導入用窓の「くもり」を好適に検知できるレーザ導入用窓のくもり検知方法およびレーザー照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来のレーザー照射装置500の一例の概略構成図である。
このレーザー照射装置500は、真空チャンバ1と、その真空チャンバ1内の底面に設置された基台2と、その基台2上を移動すると共にその上面に被処理体Mが載置される移動載置台3と、前記真空チャンバ1の天井部1aに設けられ且つ石英ガラス板の両面に紫外線反射防止膜(ARコート)を形成したレーザー導入用窓5と、レーザー光Rを出射し前記レーザー導入用窓5を通してレーザー光R’を照射するレーザー発生装置6とを具備している。
また、前記移動載置台3には、レーザー光R’の強度を測定するためのセンサ60が設置されている。
【0003】
レーザー照射処理は、次の手順で行う。
未処理の被処理体Mを移動載置台2の上に載置し、真空引きする。次に、導入されるレーザー光R’と被処理体Mのレーザー照射を行う箇所とが一致するように移動載置台3を移動させる。次に、レーザー発生装置6をオンにしてレーザー光Rを発生させ、レーザー導入用窓5を通して真空チャンバ1内に導入されたレーザー光R’を被処理体Mに照射する。
【0004】
レーザー照射処理を行っていると、被処理体Mから飛散した微小物質がレーザー導入用窓5に付着して「くもり」が生じ、その「くもり」で照射エネルギーが低下してしまう。そこで、定期的にレーザー導入用窓のくもり検知処理を実行し、「くもり」が検知されれば、レーザー導入用窓5の洗浄や交換を行う。
【0005】
レーザー導入用窓のくもり検知処理は、次の手順で行う。
図6に示すように、導入されるレーザー光R’とセンサ60とが一致するように移動載置台3を移動させる。次に、レーザー発生装置6をオンにしてレーザー光Rを発生させ、レーザー導入用窓5を透過して真空チャンバ1内に導入されたレーザー光R’の強度をセンサ60で測定する。そして、「くもり」がない時に測定していたレーザー光R’の強度からの強度の低下が所定の許容範囲を超えたら、レーザー導入用窓5の洗浄や交換が必要と判定する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のレーザー照射装置500では、レーザー光R’の強度を測定するセンサ60を真空チャンバー1内に配置している。
しかし、真空チャンバー1内にセンサ60を設置すると、配線からの真空漏れなどの環境上の問題点や、アクセスに手間がかかる等の保守上の問題点がある。
そこで、本発明の目的は、上記環境上の問題点や保守上の問題点がなく、レーザー導入用窓の「くもり」を好適に検知できるレーザ導入用窓のくもり検知方法およびレーザー照射装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の観点では、本発明は、密閉容器(1)内に置かれた被処理体(M)に外部からレーザー導入用窓(5)を通してレーザー光(R’)を照射するレーザー照射装置の前記レーザー導入用窓(5)のくもりを検知する方法であって、前記レーザー導入用窓(5)を通して導入したレーザー光(R’)を、前記密閉容器(1)内に設置したミラー(7)で反射させて前記レーザー導入用窓(5)から前記密閉容器(1)外へ導出し、その導出したレーザー光(R”)の強度を測定して前記レーザー導入用窓(5)のくもりを検知することを特徴とするレーザー導入用窓のくもり検知方法を提供する。
上記第1の観点のレーザー導入用窓のくもり検知方法では、レーザー導入用窓(5)を通して導入したレーザー光(R’)を密閉容器(1)内に設置したミラー(7)で反射させてレーザー導入用窓(5)から密閉容器(1)外へ導出し、密閉容器(1)外へ導出されたレーザー光(R”)の強度を測定するようにしている。このため、センサを密閉容器(1)外に設置することが出来る。従って、配線からの真空漏れなどの環境上の問題点や、アクセスに手間がかかる等の保守上の問題点を解消できる。
【0008】
第2の観点では、本発明は、密閉容器(1)内に置かれた被処理体(M)に外部からレーザー導入用窓(5)を通してレーザー光(R’)を照射するレーザー照射装置であって、前記レーザー導入用窓(5)を通して導入したレーザー光(R’)を反射させて前記レーザー導入用窓(5)から前記密閉容器(1)外へ導出するよう前記密閉容器(1)内に設置したミラー(10)と、外部へ導出されたレーザー光(R”)の強度を測定して前記レーザー導入用窓(5)のくもりを検知するよう前記密閉容器(1)外に設置した測定手段(20)とを具備したことを特徴とするレーザー照射装置(100)を提供する。
上記第2の観点のレーザー照射装置(100)では、上記第1の観点によるレーザー導入用窓のくもり検知方法を好適に実施できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0010】
図1は、本発明のレーザー照射装置の一実施形態にかかる概略構成図である。
このレーザー照射装置100は、真空チャンバ1と、その真空チャンバ1内の底面に設置された基台2と、その基台2上を移動すると共にその上面に被処理体Mが載置される移動載置台3と、前記真空チャンバ1の天井部1aに設けられ且つ石英ガラス板の両面に紫外線反射防止膜(ARコート)を形成したレーザー導入用窓5と、レーザー光Rを出射し前記レーザー導入用窓5を通してレーザー光R’を照射するレーザー発生装置6とを具備している。
また、前記移動載置台3には、レーザー光R’を反射させて前記レーザー導入用窓5から真空チャンバー1外へ導出するミラー7が設置されている。
さらに、真空チャンバー1外には、前記前記レーザー導入用窓5から導出されたレーザー光R”の強度を測定するセンサ10(パワーメータあるいはエネルギーメータ)と、そのセンサ10で測定したレーザー光の強度に基づいて前記レーザー導入用窓5の「くもり」を検知するくもり検知部20が設けられている。
【0011】
上記くもり検知部20は、判定用閾値設定処理またはくもり検知処理の開始をユーザが任意に指示するための操作盤21と、前記センサ10で測定したレーザー光R”の強度をメモリ23に入力するか又は比較器25に入力するかを切り換える切換スイッチ22と、前記センサ10で測定したレーザー光R”の強度を記憶するメモリ23と、そのメモリ23に記憶した強度に対して所定の係数を乗算した値を判定用閾値として比較器25に入力する演算器24と、前記センサ10で検知したレーザー光R”の強度と前記判定用閾値とを比較する比較器25とを具備している。
【0012】
図2は、判定用閾値設定処理のフロー図である。
この判定用閾値設定処理は、レーザー導入用窓5に「くもり」がない時に操作盤21からユーザが起動指示することで実行される。
ステップST1では、図3に実線で示すように切換スイッチ22をメモリ23側に切り換える。
ステップST2では、図3に示すように、ミラー7でレーザー光を反射しうる位置に移動載置台3を移動する。
ステップST3では、レーザー光発生装置6からレーザー光Rを発生させ、ミラー7で反射されて外部に出てきたレーザー光R”の強度をセンサ10で測定する。
ステップST4では、レーザー光R”の強度をメモり23に記憶する。
ステップST5では、前記メモリ23に記憶した強度に対して所定の係数(例えば0.8)を演算器24により乗算し、判定用閾値を算出する。そして、判定用閾値設定処理を終了する。
【0013】
図4は、くもり検知処理のフロー図である。
このくもり検知処理は、任意の時に操作盤21からユーザが起動指示することで実行される。
ステップSS1では、図3に破線で示すように切換スイッチ22を比較器25側に切り換える。
ステップSS2では、図3に示すように、ミラー7でレーザー光を反射しうる位置に移動載置台3を移動する。
ステップSS3では、レーザー光発生装置6からレーザー光Rを発生させ、ミラー7で反射されて外部に出てきたレーザー光R”の強度をセンサ10で測定する。
ステップSS4では、レーザー光R”の強度が判定用閾値より大きいか否かを比較器25で判定し、大きければステップSS5へ進み、大きくなければステップSS6へ進む。
ステップSS5では、操作盤21は、「正常」信号を出力する。そして、くもり検知処理を終了する。
ステップSS6では、操作盤21は、「異常」信号を出力する。そして、くもり検知処理を終了する。
【0014】
以上のレーザー照射装置100によれば、レーザー導入用窓5の「くもり」を好適に検知できる。また、センサ10を真空チャンバー1の外に設置しているため、設置や保守が容易になる。
【0015】
【発明の効果】
本発明のレーザー導入用窓のくもり検知方法およびレーザー照射装置(100)によれば、センサ(10)を密閉容器(1)外に設置できるため、センサ(10)への配線からの真空漏れなどの環境上の問題点やアクセスに手間がかかる等の保守上の問題点を解消でき、レーザー導入用窓(5)の「くもり」を好適に検知できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるレーザー照射装置の概略構成図である。
【図2】判定用閾値設定処理のフロー図である。
【図3】判定用閾値設定時またはくもり検知処理時の動作の説明図である。
【図4】くもり検知処理のフロー図である。
【図5】従来のレーザー照射装置の一例の概略構成図である。
【図6】従来のレーザー導入用窓のくもり検知処理時の動作の説明図である。
【符号の説明】
1 真空チャンバ
3 移動載置台
5 レーザー導入用窓
6 レーザー発生装置
7 ミラー
10 センサ
20 くもり検知部
21 操作盤
22 切換スイッチ
23 メモリ
24 演算器
25 比較器
100 レーザー照射装置
M 被処理体
R,R’,R” レーザー光
m モータ

Claims (2)

  1. 密閉容器(1)内に置かれた被処理体(M)に外部からレーザー導入用窓(5)を通してレーザー光(R’)を照射するレーザー照射装置の前記レーザー導入用窓(5)のくもりを検知する方法であって、
    前記レーザー導入用窓(5)を通して導入したレーザー光(R’)を、前記密閉容器(1)内に設置したミラー(7)で反射させて前記レーザー導入用窓(5)から前記密閉容器(1)外へ導出し、その導出したレーザー光(R”)の強度を測定して前記レーザー導入用窓(5)のくもりを検知することを特徴とするレーザー導入用窓のくもり検知方法。
  2. 密閉容器(1)内に置かれた被処理体(M)に外部からレーザー導入用窓(5)を通してレーザー光(R’)を照射するレーザー照射装置であって、
    前記レーザー導入用窓(5)を通して導入したレーザー光(R’)を反射させて前記レーザー導入用窓(5)から前記密閉容器(1)外へ導出するよう前記密閉容器(1)内に設置したミラー(7)と、外部へ導出されたレーザー光(R”)の強度を測定して前記レーザー導入用窓(5)のくもりを検知するよう前記密閉容器(1)外に設置した測定手段(20)とを具備したことを特徴とするレーザー照射装置(100)。
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