JP3627015B2 - ポリアミノ酸 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、側鎖にフェノール類を有する高分子量ポリアミノ酸及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
チロシンや3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン(ドーパ)はフェノール基を有するアミノ酸であり、これらを含むタンパク質が多く知られている。生体内では酸化還元酵素により、タンパク質のチロシン間の酸化カップリングが生じ、生体機能維持に重要な役割を果たす。また、貝の産出するタンパクの接着や昆虫の外皮形成は、チロシナーゼ触媒によるタンパク質に含まれるドーパの酸化反応が重要な関与をしている。このような自然界の優れた機能を模倣する材料開発は、より精密な機能制御や未来型新材料設計に必要である。
【0003】
近年、天然タンパク質をペルオキシダーゼ酵素を用いて硬化させることにより、タンパク質の物性を改良する研究が報告されている。(例えば、J.FoodSci.,59,1332(1994)やBiotechnol.Bioeng.,63,449(1999))。これらは高分子量タンパク質の分子間架橋を検討したものであり、不溶性の架橋系高分子材料が合成されていることが特徴である。
【0004】
一方、高分子量ポリアミノ酸を合成する方法として、アミノ酸N−カルボキシ無水物の開環重合が知られている。
【0005】
【課題を解決するための課題】
しかしながら、上記タンパク質の物性を改良する研究は、より広範な用途、特に生医学用途への応用に必要な溶解性、加工性において問題があった。また、自然界でのタンパク質のチロシン間架橋は非常に低い濃度での反応であり、物質生産に適したものでなく、ドーパの酸化反応は不溶性構造骨格を生じるものであることから、可溶性タンパク質は合成されないという問題もある。
【0006】
また、上記高分子ポリアミノ酸を合成する方法は、モノマー合成に極めて毒性の高いホスゲンまたはその誘導体の使用が必須であることから、一般性が欠如している。また、単独重合では多くの場合に不溶性ポリマーしか得られない。
【0007】
また、いずれの方法においても実用的な可溶性タンパク質は得られていない。したがって、実用的な可溶性タンパク質、及びそのような可溶性タンパク質を一般性、汎用性が高く、効率的に得る方法が望まれていた。
【0008】
本発明は、可溶性の高分子量ポリアミノ酸を提供することを目的とする。さらに可溶性の高分子量ポリアミノ酸の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、生体機構に着目し、生体内の酸化反応が重要な役割を有していることから、酸化触媒について鋭意検討した結果、可溶性の高分子量ポリアミノ酸及びその製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、下記式[化6]で表されるA又はBのいずれかのユニットを少なくとも1つ含むペプチド同士が、少なくとも一部のフェノール部位で酸化カップリングしていることを特徴とする。
【化6】
(但し、式中、A及びBユニットは、フェノール性基を含むユニットを示す。A及びBユニットに関し、Rはメチレンあるいはエチレン基を示し、mは0〜5の整数、フェノール性水酸基はベンゼン環のオルト位、メタ位、あるいはパラ位に結合し、nは 1〜4の整数を示す。)
【0011】
本発明のポリアミノ酸の好適な実施態様において、前記酸化カップリングが、下記式
【化7】
又は、
【化8】
で表されることを特徴とする。
【0012】
本発明のポリアミノ酸の好適な実施態様において、重合度が3〜300であることを特徴とする。
【0013】
本発明のポリアミノ酸の好適な実施態様において、数平均分子量が5,000〜10,000,000の範囲であることを特徴とする。
【0014】
本発明のポリアミノ酸の製造方法は、一般式、
【化9】
(但し、式中、A及びBユニットは、フェノール性基を含むユニットを示す。A及びBユニットに関し、Rはメチレンあるいはエチレン基を示し、mは0〜5の整数、フェノール性水酸基はベンゼン環のオルト位、メタ位、あるいはパラ位に結合し、nは 1〜4の整数を示す。)で表されるA又はBのいずれかのユニットを少なくとも1つ含むオリゴアミノ酸を酸化触媒を用いて酸化カップリングすることを特徴とする。
【0015】
本発明のポリアミノ酸の製造方法の好適な実施態様において、酸化触媒が酸化還元酵素または遷移金属錯体であることを特徴とする。
【0016】
本発明のポリアミノ酸の製造方法の好適な実施態様において、酸化還元酵素がペルオキシダーゼまたはオキシダーゼであること特徴とする。
【0017】
本発明のポリアミノ酸の製造方法の好適な実施態様において、遷移金属錯体が、
一般式
【化10】
(式中、Mは遷移金属原子を含む残基を示す。R1、R6はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、O−、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、アミノ基または置換アミノ基を表し、R2、R5はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、炭化水素オキシカルボニル基、置換炭化水素オキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基またはハロゲン基を表し、R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基またはO−を表す。R7は二価の炭化水素基または置換炭化水素基を表す。R1とR2とがおよび/またはR5とR6とが環を形成してもよい)で表されることを特徴とする。
【0018】
本発明のポリアミノ酸の製造方法の好適な実施態様において、さらに、助触媒としてアミンを用いることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
まず、本発明に関わるオリゴアミノ酸を出発物質とする可溶性ポリアミノ酸の製造方法を説明する。
【0020】
本発明の製造方法において、下記の一般式[化11]で表されるA又はBのいずれかのユニットを少なくとも1つ含む、アミノ酸、オリゴアミノ酸、又はポリアミノ酸を用いることができる。以下では、オリゴアミノ酸を例に説明するがこれに限定される意図ではない。
【0021】
【化11】
(但し、式中、A及びBユニットは、フェノール性基を含むユニットを示す。A及びBユニットに関し、Rはメチレンあるいはエチレン基を示し、mは0〜5の整数、フェノール性水酸基はベンゼン環のオルト位、メタ位、あるいはパラ位に結合し、nは 1〜4の整数を示す。)[化11]で表される。
【0022】
このオリゴアミノ酸は、主鎖に不斉炭素を含む場合が多いが、本発明では光学活性体を用いても良いし、ラセミ体を用いてもよい。
【0023】
[化11]中、A又はBユニットの水酸基の結合位置及びその数に特に制限はないが、フェノール部位として例えば4−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル、2−ヒドロキシフェニル、3,4−ジヒドロキシフェニル等を示すことができる。
【0024】
たとえば、上記[化11]Aユニットの具体例として、N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)−L−グルタミン、N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)−L−アスパラギン、N−(2−(3−ヒドロキシフェニル)エチル)−L−グルタミン、N−(2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)エチル)−L−グルタミン、N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)−L−グルタミン、N−(2−(3−ヒドロキシフェニル)エチル)−L−グルタミン、N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)−L−アスパラギン、N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)−D−グルタミン、N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)−D−アスパラギン、N−(2−(3−ヒドロキシフェニル)エチル)−D−グルタミン等のペプチドユニットが挙げられる。効率的に反応を進行させるためのスペーサー導入という観点から、Aユニットとしては、N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)−L−グルタミン、N−(2−(3−ヒドロキシフェニル)エチル)−L−グルタミン、N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)−L−アスパラギン等が好ましい。
【0025】
[化11]A又はBユニットのいずれか1つを含むポリアミノ酸は、特に制限はなく、A又はBユニット以外にフェノール性基を含んでいてもよい。ポリアミノ酸を構成するアミノ酸は限定されず、たとえば、L−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−メチオニン、L−トリプトファン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、グリシン、L−セリン、L−トレオニン、L−システイン、L−アスパラギン、L−グルタミン、L−リシン、L−ヒスチジン、L−アルギニン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸−γ−エチルエステル、L−グルタミン酸−γ−メチルエステル、L−グルタミン酸−γ−フェニルエステル、L−グルタミン酸−γ−ベンジルエステル、L−アスパラギン酸−β−エチルエステル、L−アスパラギン酸−β−メチルエステル、L−アスパラギン酸−β−フェニルエステル、L−アスパラギン酸−β−ベンジルエステル、D−アスパラギン酸、D−グルタミン酸、D−グルタミン酸−γ−エチルエステル、D−グルタミン酸−γ−メチルエステル、D−アスパラギン酸−β−エチルエステル、D−アスパラギン酸−β−メチルエステル、D−アスパラギン酸−β−フェニルエステル、D−アスパラギン酸−β−ベンジルエステル等のペプチドが挙げられる。溶解性付与という観点から、ペプチドとしては、L−グルタミン酸−γ−エチルエステル、L−グルタミン酸−γ−ベンジルエステル、L−アスパラギン酸−β−エチルエステル等が好ましい。
【0026】
上記[化11]の重合度は3〜300の間であれば、特に制限はない。重合度の範囲をこのようにしたのは、ゲル化を伴わないで高分子量の可溶性ポリマーを得るという理由からである。
【0027】
上記[化11]のA又はBユニットをいずれか含むポリアミノ酸中において、フェノール基を含むユニットの割合に特に制限はない。好ましくは5〜100モル%、特に好ましくは10〜100モル%である。
【0028】
本発明で用いられる酸化還元酵素は、フェノール基を酸化できるものであればよく、従来既知なもの、例えばペルオキシダーゼやオキシダーゼを含む。本発明で使用されるペルオキシダーゼは種々の起源のものが使用でき、特に制限はない。ペルオキシダーゼとしては、例えば植物由来、細菌由来、坦子菌類由来のペルオキシダーゼを挙げることができる。これらの中で、西洋ワサビペルオキシダーゼは酸化能が高く、しかも量産されて安価であり、好ましく使用することができる。
【0029】
本発明で使用できるオキシダーゼとしてラッカーゼを挙げることができる。ラッカーゼは種々の起源のものが使用でき、特に制限はないが、例えば植物由来、細菌由来、坦子菌類由来のラッカーゼを挙げることができる。これらの例としては、漆の木から得られるラッカーゼ、Pyricularia、Pleurotus、Pycnoporus、Polystictus、Mycelopthora、Neurospora属の微生物ラッカーゼを挙げることができる。特にPycnoporus、Mycelopthora属のラッカーゼを好ましく使用できる。なお使用する酵素の状態は、精製・未精製を問わない。酵素量はオリゴアミノ酸1gに対して0.001mg〜10g、好ましくは0.005mg〜5g、さらに好ましくは0.01mg〜3gである。
【0030】
また、本発明で用いる遷移金属錯体は好ましくは下記[化12]で表されるものである。
【化12】
(式中、Mは遷移金属原子を含む残基を示す。R1、R6はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、O−、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、アミノ基または置換アミノ基を表し、R2、R5はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、炭化水素オキシカルボニル基、置換炭化水素オキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基またはハロゲン基を表し、R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基またはO−を表す。R7は二価の炭化水素基または置換炭化水素基を表す。R1とR2とがおよび/またはR5とR6とが環を形成してもよい)
【0031】
上記[化12]における置換炭化水素オキシ基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基等で置換された炭化水素オキシ基であり、具体例としては、トリフルオロメトキシ基、2−t−ブチルオキシエトキシ基、3−ジフェニルアミノプロポキシ基等が挙げられる。なお、ハロゲン原子として好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、さらに好ましくは塩素原子、臭素原子である。
【0032】
上記[化12]における置換アミノ基としては、炭素原子数1〜20の置換アミノ基が好ましく、具体的には、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
【0033】
上記[化12]における炭化水素オキシカルボニル基としては、炭素数1〜20の炭化水素オキシカルボニル基が好ましく、具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピキシカルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等が挙げられる。
【0034】
上記[化12]における置換炭化水素オキシカルボニル基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基等で置換された炭化水素オキシカルボニル基であり、具体例としては、トリフルオロメトキシカルボニル基、2−t−ブチルオキシエトキシカルボニル基、3−ジフェニルアミノプロポキシカルボニル基等が挙げられる。なお、ハロゲン原子として好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、さらに好ましくは塩素原子、臭素原子である。
【0035】
上記[化12]の二価の炭化水素基または置換炭化水素基として、具体例としては、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基等のアルキレン基、1,2−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基等のシクロアルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基等を挙げることができ、好ましくは、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,2−シクロヘキシレン基である。
【0036】
上記[化12]で表される遷移金属錯体における具体例四座配位子として、N,N’−ジサリシリデンエチレンジアミン、N−(3−オキソペンチリデン)−N’−サリシリデンエチレンジアミン、N,N’−ビス(3−オキソブチリデン)―1,2−フェニルエチレンジアミン、N,N’−ビス(3−オキソブチリデン)―1,3−プロパンジアミン、N,N’−ビス(1−メチル−3−オキソブチリデン)エチレンジアミン、N,N’−ビス(3−オキソペンチリデン)エチレンジアミン、N,N’−ビス(3−オキソヘキシリデン)エチレンジアミン、N,N’−ビス(4−トリフルオロメチル−3−オキソブチリデン)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−シアノ−3−オキソブチリデン)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−ニトロ−3−オキソブチリデン)エチレンジアミン、N,N’−(1,2−エチレン)−ビス(マロン酸モノメチルモノアミド)等、あるいはそれらからプロトンを一つまたはそれ以上取り去って得られる陰イオンを挙げることができる。
【0037】
本発明に用いる遷移金属錯体については、配位子と遷移金属錯体以外の構造は、触媒能を失活させないならば特に限定されるものではない。例えば、配位子としてN,N’−ジサリシリデンエチレンジアミン(以下サレンと表記することがある)を、遷移金属として鉄を用いた、N,N’−ジサリシリデンエチレンジアミナト鉄(II)(以下、Fe−サレンと表記することがある)遷移金属錯体は、酸素下において容易に酸素架橋体であるμ−オキソ−ビス(N,N’−ジサリシリデエチレンジアミナト鉄(III))を形成することが知られているが、このものを用いても何ら問題はない。
【0038】
本発明に用いる遷移金属錯体には、電気的に中性を保たせるようなカウンターイオンが必要な場合がある。カウンターアニオンとしては、通常ブレンステッド酸の共役塩基が使用され、具体例としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、メタンスルホン酸イオン、酢酸イオン等が挙げられる。また、カウンターカチオンとしては、アルカリ金属やアルカリ土類金属等のカチオンを適宜用いることができる。また、本発明の遷移金属錯体には、錯体の原料、合成過程および/または酸化カップリング過程で、溶媒などが配位しても良い。
【0039】
本発明において遷移金属錯体の添加量は、用いる触媒の酸化カップリング活性により適宜加減すればよいが、触媒量はオリゴアミノ酸1gに対して0.001mg〜10g、好ましくは0.005mg〜5g、さらに好ましくは0.01mg〜3gである。
【0040】
本発明に用いる遷移金属錯体の活性を高めるために、助触媒としてアミンを用いても良い。用いるアミン種としては、遷移金属錯体の活性に影響を及ぼさないものであれば特に制限はなく、公知のものが使用できる。具体的には、ピリジン、トリエチルアミン、2,6−ルチジン等の第三級アミンを用いることができ、反応収率の向上という観点から、アミノ酸オリゴマー1gに対して0.01mg〜1gの範囲で用いることが好ましい。
【0041】
本発明において、酸化剤は任意のものが使用できるが、好ましくはペルオキシドまたは酸素が使用できる。ペルオキシドの例としては、過酸化水素、t−ブチルハイドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、クメンハイドロペルオキシド、過酢酸、過安息香酸等を示すことができる。触媒にペルオキシダーゼまたはFe−サレンを用いる場合には、特に過酸化水素が好ましい。ペルオキシドを用いる場合には、オリゴアミノ酸に含まれるフェノール基に対して、通常0.5当量以上5当量以下を使用するが、当量以上3当量以下を使用するのが好ましい。触媒にラッカーゼを用いる場合には、特に酸素が望ましく、この場合の酸素としては、純酸素のほか、空気あるいは酸素と不活性ガスの混合物の形で用いることができる。これらは、反応混合物中に吹き込んでも良いが、単に重合雰囲気中に存在させるだけでも良い。
【0042】
重合に用いる溶媒としては、オリゴアミノ酸と触媒が共に溶解するものが好ましい。遷移金属錯体を触媒に用いる場合は、オリゴアミノ酸と遷移金属錯体に対して不活性でかつ反応温度において液体であれば、特に限定されるものではない。溶媒例を示すと、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトン、テトラヒドロフラン、ピリジン等が挙げられる。これらは単独あるいは混合物として使用される。
【0043】
酵素を触媒に用いる場合は、有機溶媒と水の混合溶媒が好ましく、有機溶媒として水と相溶する溶媒がより好ましい。水と相溶する有機溶媒として、メタノール、エタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ニトロメタン、ニトロベンゼン、ピリジン、1,4−ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらは単独あるいは混合物として使用される。
【0044】
水は蒸留水や脱イオン水でもよいが、水の代わりに緩衝液を用いてもよい。緩衝液を用いる場合はpH2〜12の範囲が望ましい。緩衝液の種類としては、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、炭酸緩衝液等が望ましいが、これらに限定されるものではない。また、有機溶媒−水の混合比はオリゴアミノ酸と酵素が溶解する場合には任意の量を用いることができる。好ましくは5:95〜95:5、特に好ましくは20:80〜80:20の範囲である。
【0045】
上記溶媒または混合溶媒は、反応中にゲル化が起こらない任意の量を用いることができる。ゲル化が起こらない条件は用いるアミノ酸オリゴマーによって異なるが、アミノ酸オリゴマー濃度が0.5〜200g/Lがより好ましい。
【0046】
本発明のポリアミノ酸の製造方法において、上記[化11]に示すオリゴアミノ酸を酸化触媒を用いて酸化カップリングさせる場合の反応温度は、触媒が不活性化しない温度が望ましい。好ましくは0〜100℃の範囲であり、より好ましくは10〜60℃の範囲である。反応温度が高い場合は、一般に酵素は失活するが、溶媒系によっては酵素を安定化するので、その場合は高い反応温度も採用可能となる。
【0047】
本発明において、アミノ酸オリゴマーと酸化触媒との反応には多くの異なる方法を利用することができる。例えば、アミノ酸オリゴマー、酸化触媒の溶液を個々に調製した後に同一容器中に注入してもよいし、アミノ酸オリゴマーの溶液に触媒を添加してもよい。この他にも種々の組合せが可能であるが、触媒が失活(不活性化)するような方法でない限り、各種の方法を採用できる。
【0048】
本発明によって得られる可溶性ポリアミノ酸の数平均分子量は5,000〜10,000,000の範囲であるが、好ましくは8,000〜5,000,000、より好ましくは10,000〜3,000,000の範囲である。
【0049】
本発明において得られるポリアミノ酸はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒に可溶である。そのため、該ポリマーを生分解性材料、生体適合性材料、ドラッグキャリヤー、抗菌材料、酸化防止剤として使用する場合、成形加工を容易に行うことが可能であり、オリゴアミノ酸の使用では得られない様々な効果を期待することができる。例えば、オリゴアミノ酸では困難な薄膜形成能は生分解性材料や生体適合性材料に必須の物性である。
【0050】
また、本発明のポリアミノ酸は、下記式[化13]で表されるA又はBのいずれかのユニットを少なくとも1つ含むポリアミノ酸同士が、少なくとも一部のフェノール部位で酸化カップリングしている。
【化13】
(但し、[化1]中、A及びBユニットは、フェノール性基を含むユニットを示す。A及びBユニットに関し、Rはメチレンあるいはエチレン基を示し、mは0〜5の整数、フェノール性水酸基はベンゼン環のオルト位、メタ位、あるいはパラ位に結合し、nは 1〜4の整数を示す。)
【0051】
上記ユニットを含むものであれば、ペプチドとしては特に限定される事はない。
ペプチドとしては、たとえば、上述のポリアミノ酸の製造方法において説明したようなペプチドを用いる事ができる。
【0052】
また、少なくとも一部のフェノール部位でペプチド同士が結合していれば良く、ペプチドの側鎖に存在するフェノール部位の全てが結合している必要はない。本発明のポリアミノ酸の好適な実施態様において、前記酸化カップリングが、下記式
【化14】
又は、
【化15】
で表されるが、これに限定されない。
【0053】
また、ポリアミノ酸の重合度は3〜300であることが好ましい。これは、ゲル化を伴わないで高分子量の可溶性ポリマーを得るという理由からである。さらにポリアミノ酸の数平均分子量は5,000〜10,000,000の範囲であることが好ましい。これは、高分子材料としての用途開発に望ましい加工性付与という理由からである。
【0054】
【実施例】
ここで、本発明の一実施例を説明するが、本発明は、下記の実施例に限定して解釈されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であることは言うまでもない。
【0055】
実施例1
50ミリリットルナスフラスコに、50ミリグラムのオリゴ(N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)−L−グルタミン)(分子量1,200)と3.2ミリグラムのFe−サレンを取り、2.5ミリリットルのN,N−ジメチルホルムアミドを加えて室温で攪拌し、溶解させた。10マイクロリットルのピリジンを加え、30%過酸化水素5.7マイクロリットルを15分毎に4回加えた。3時間後、反応液のGPC測定を行ったところ、オリゴアミノ酸が77%転化し、分子量33万のポリアミノ酸が生成した。また、NMR、IR分析により、フェノール部位が反応したことが推測された。NMRの結果を図1及び下記に示す。
1H NMR(DMSO−d6, ppm) 1.2 (br, CH 3CH2), 1.9 (br, CHCH 2CH2), 2.3 (br, C(=O)CH2), 2.5 (br, ArCH2), 3.2 (br, NHCH 2), 4.0 (br, OCH2), 4.3 (br, NHCH), 6.7 (d, Ar), 7.0 (d, Ar), 8.0 (br, NH), 9.3 (br, ArOH)
IR (KBr, cm−1) 3300 (br, O−H, N−Hの伸縮振動), 1730 (s, エステル基カルボニルの伸縮振動)、1630 (s, アミド基カルボニルの伸縮振動)
【0056】
比較例1
実施例1の操作において、Fe−サレンを使用しないで反応を行ったところ、オリゴアミノ酸が未反応で回収された。
【0057】
実施例2
実施例2は、実施例1の操作において、オリゴアミノ酸の構造、Fe−サレンとN,N−ジメチルホルムアミドの使用量を変えて実験を行った。
フェノール基の導入率を変化させたペプチドを合成した。ペプチドの合成は、Glu γ−Etオリゴぺプチドとチラミンとを反応させて行なった。具体的に、溶媒としてDMSOを用いて、100℃で24時間、Glu γ−Etオリゴぺプチドとチラミンとを反応させた。使用したフェノール部位を有するペプチドは、以下式[化16]の通りである。
【0058】
【化16】
【0059】
本実施例においては、カップリング反応出発物質として3種類のペプチドを合成した。すなわち、式中、A、Bの比率を変化させたペプチドを用いた。具体的には、ペプチド1aは、A:B = 80:20であり、ペプチド1bは、A:B=50:50であり、ペプチド1cは、A:Bは、20:80である。
【0060】
ペプチド1aを酸化カップリングした場合の結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
それぞれ、触媒と酸化剤として、Feサレン錯体と過酸化水素(0.2mmol)を用いて、ピリジン(10μL)存在下、溶媒DMF中、室温で3時間大気圧下で、オリゴペプチド1a(49.6mg)を反応させた。a)は溶離剤として0.MLiCL/DMFを使用してGPCによって決定した。b)は、ゲル化が生じたことを表す。
【0063】
【表2】
【0064】
それぞれ、触媒と酸化剤として、Feサレン錯体と過酸化水素(0.2mmol)を用いて、ピリジン(10μL)存在下、溶媒DMF中、室温で3時間大気圧下で、オリゴペプチド1b(81.0mg)を反応させた。a)は溶離剤として0.MLiCL/DMFを使用してGPCによって決定した。b)は、ゲル化が生じたことを表す。
【0065】
【表3】
【0066】
それぞれ、触媒と酸化剤として、Feサレン錯体と過酸化水素(0.2mmol)を用いて、ピリジン(10μL)存在下、溶媒DMF中、室温で3時間大気圧下で、オリゴペプチド1c(175.2mg)を反応させた。a)は溶離剤として0.MLiCL/DMFを使用してGPCによって決定した。b)は、ゲル化が生じたことを表す。
【0067】
また、種々の触媒濃度での酸化カップリングの追跡結果を図2に示す。触媒を加えないコントロール系では低分子量領域にしかピークが見られないが、触媒を添加することにより、高分子量領域にピークがみられ、触媒量が多いほど分子間カップリングポリマーの割合が増加した。
【0068】
以上の結果、一部を除いて可溶性のポリアミノ酸を得ることが判明した。
【0069】
実施例3
オリゴ(N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)−L−グルタミン)(分子量1,200) 248ミリグラム
西洋ワサビペルオキシダーゼ 3ミリグラム
メタノール 17.5ミリリットル
リン酸緩衝液(pH7) 7.5ミリリットル
30%過酸化水素 114マイクロリットル
を用いて実施例1と同様の操作を行い、3時間反応を行った。反応液の溶媒を減圧下留去し、残査のGPC測定を行ったところ、オリゴアミノ酸が52%転化していた。ポリマー部分には三分岐のピークが見られ、おのおのの数平均分子量は31万(17%)、2万8千(68%)、1700(15%)であった(括弧内はポリマー部分のピーク面積比)。
【0070】
実施例4
オリゴ(N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)−L−グルタミン)(分子量1,200) 248ミリグラム
Mycelopthoraラッカーゼ 1ミリリットル
メタノール 17.5ミリリットル
リン酸緩衝液(pH7) 7.5ミリリットル
を用いて実施例1と同様の操作を行い、24時間反応を行った。反応液の溶媒を減圧下留去し、残査のGPC測定を行ったところ、オリゴアミノ酸が44%転化していた。ポリマー部分には三分岐のピークが見られ、おのおのの数平均分子量は16万(18%)、1万3千(40%)、1800(42%)であった(括弧内はポリマー部分のピーク面積比)。
【0071】
実施例5
他のアミノ酸ポリマーとして、ポリ(N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)−α/β−アスパラギン)を用いた。これは、ポリ(スクシイミド)とチラミンの反応をDMF中、60℃で24時間行い、蒸留水からの再沈殿により単離・精製した。GPC測定により求めた数平均分子量は3万4千、分子量分布は2.6であった。次にポリアミノ酸合成は以下のものを用いて実施例1と同様の操作を行い、3時間反応を行った。
ポリ(N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)−α/β−アスパラギン)47ミリグラム
Fe−サレン 1.6ミリグラム
DMF 5ミリリットル
ピリジン 20マイクロリットル
30%過酸化水素 23マイクロリットル
【0072】
反応液のGPC測定を行ったところ、原料は全て消失し、新たに数平均分子量19万、分子量分布1.4のピークが見られ、高分子量ポリアミノ酸が得られたことがわかった。これの構造はNMR、IRにより確認した。NMRの結果を以下に示す。
1H NMR(DMSO−d6, ppm) 2.5 (br, ArCH2), 3.2 (br, NHCH 2), 3.3 (br, CH 2CH), 4.5 (br, CH2CH), 6.7 (d, Ar), 7.0 (d, Ar), 8.3 (br, NH), 9.2 (br, ArOH)
IR (KBr, cm−1) 3500 (br, O−H, N−Hの伸縮振動), 1650 (s, アミド基カルボニルの伸縮振動)
【0073】
以上の実施例により、種々の構造、分子量をもつ可溶性ポリアミノ酸が製造された。また、オリゴアミノ酸の構造や反応条件により可溶性アミノ酸の分子量が異なることが明らかとなった。
【0074】
【発明の効果】
本発明では、可溶性の高分子量ポリアミノ酸がオリゴアミノ酸の酸化カップリングにより製造された。このようにして得られたポリアミノ酸は材料加工性が改良され、生分解性材料、生体適合性材料、ドラッグキャリヤー、抗菌材料、酸化防止剤等の用途として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のポリアミノ酸の一例についてのNMRの結果を示す図である。
【図2】図2は、Feサレン錯体の濃度の違いによる酸化カップリングの変動を示す図である。
Claims (9)
- 重合度が3〜300であることを特徴とする請求項1又は2項に記載のポリアミノ酸。
- 数平均分子量が5,000〜10,000,000の範囲である請求項1〜3項のいずれか1項に記載のポリアミノ酸。
- 酸化触媒が酸化還元酵素または遷移金属錯体である請求項5記載の方法。
- 酸化還元酵素がペルオキシダーゼまたはオキシダーゼである請求項5又は6項に記載の方法。
- 遷移金属錯体が、
一般式
- さらに、助触媒としてアミンを用いることを特徴とする請求項5〜8項のいずれか1項に記載の方法。
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