JP2003128783A - ポリアミノ酸 - Google Patents

ポリアミノ酸

Info

Publication number
JP2003128783A
JP2003128783A JP2001327791A JP2001327791A JP2003128783A JP 2003128783 A JP2003128783 A JP 2003128783A JP 2001327791 A JP2001327791 A JP 2001327791A JP 2001327791 A JP2001327791 A JP 2001327791A JP 2003128783 A JP2003128783 A JP 2003128783A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polyamino acid
integer
units
hydrocarbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001327791A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3627015B2 (ja
Inventor
Hiroshi Uyama
浩 宇山
Tokuma Fukuoka
徳馬 福岡
Shiro Kobayashi
四郎 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyoto University
Original Assignee
Kyoto University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyoto University filed Critical Kyoto University
Priority to JP2001327791A priority Critical patent/JP3627015B2/ja
Publication of JP2003128783A publication Critical patent/JP2003128783A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3627015B2 publication Critical patent/JP3627015B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子量ポリアミノ酸及びその製造方法を提
供すること。 【解決手段】 本発明のポリアミノ酸は、一般式 【化1】 で表されるユニットA又はBのいずれかを少なくとも1
つ含むペプチド同士が、少なくとも一部のフェノール部
位で酸化カップリングしていることを特徴とする。(式
中、A及びBユニットはフェノール性基を含むユニット
を示す。A及びBユニットに関し、Rはメチレンあるい
はエチレン基を示し、mは0〜5の整数、フェノール性
水酸基はベンゼン環のオルト位、メタ位、あるいはパラ
位に結合し、nは1〜4の整数を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、側鎖にフェノール
類を有する高分子量ポリアミノ酸及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】チロシンや3,4−ジヒドロキシフェニ
ルアラニン(ドーパ)はフェノール基を有するアミノ酸
であり、これらを含むタンパク質が多く知られている。
生体内では酸化還元酵素により、タンパク質のチロシン
間の酸化カップリングが生じ、生体機能維持に重要な役
割を果たす。また、貝の産出するタンパクの接着や昆虫
の外皮形成は、チロシナーゼ触媒によるタンパク質に含
まれるドーパの酸化反応が重要な関与をしている。この
ような自然界の優れた機能を模倣する材料開発は、より
精密な機能制御や未来型新材料設計に必要である。
【0003】近年、天然タンパク質をペルオキシダーゼ
酵素を用いて硬化させることにより、タンパク質の物性
を改良する研究が報告されている。(例えば、J.Fo
odSci.,59,1332(1994)やBiot
echnol.Bioeng.,63,449(199
9))。これらは高分子量タンパク質の分子間架橋を検
討したものであり、不溶性の架橋系高分子材料が合成さ
れていることが特徴である。
【0004】一方、高分子量ポリアミノ酸を合成する方
法として、アミノ酸N−カルボキシ無水物の開環重合が
知られている。
【0005】
【課題を解決するための課題】しかしながら、上記タン
パク質の物性を改良する研究は、より広範な用途、特に
生医学用途への応用に必要な溶解性、加工性において問
題があった。また、自然界でのタンパク質のチロシン間
架橋は非常に低い濃度での反応であり、物質生産に適し
たものでなく、ドーパの酸化反応は不溶性構造骨格を生
じるものであることから、可溶性タンパク質は合成され
ないという問題もある。
【0006】また、上記高分子ポリアミノ酸を合成する
方法は、モノマー合成に極めて毒性の高いホスゲンまた
はその誘導体の使用が必須であることから、一般性が欠
如している。また、単独重合では多くの場合に不溶性ポ
リマーしか得られない。
【0007】また、いずれの方法においても実用的な可
溶性タンパク質は得られていない。したがって、実用的
な可溶性タンパク質、及びそのような可溶性タンパク質
を一般性、汎用性が高く、効率的に得る方法が望まれて
いた。
【0008】本発明は、可溶性の高分子量ポリアミノ酸
を提供することを目的とする。さらに可溶性の高分子量
ポリアミノ酸の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、生体機構
に着目し、生体内の酸化反応が重要な役割を有している
ことから、酸化触媒について鋭意検討した結果、可溶性
の高分子量ポリアミノ酸及びその製造方法を見出し、本
発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、下記式[化6]で表される
A又はBのいずれかのユニットを少なくとも1つ含むペ
プチド同士が、少なくとも一部のフェノール部位で酸化
カップリングしていることを特徴とする。
【化6】 (但し、式中、A及びBユニットは、フェノール性基を
含むユニットを示す。A及びBユニットに関し、Rはメ
チレンあるいはエチレン基を示し、mは0〜5の整数、
フェノール性水酸基はベンゼン環のオルト位、メタ位、
あるいはパラ位に結合し、nは 1〜4の整数を示
す。)
【0011】本発明のポリアミノ酸の好適な実施態様に
おいて、前記酸化カップリングが、下記式
【化7】 又は、
【化8】 で表されることを特徴とする。
【0012】本発明のポリアミノ酸の好適な実施態様に
おいて、重合度が3〜300であることを特徴とする。
【0013】本発明のポリアミノ酸の好適な実施態様に
おいて、数平均分子量が5,000〜10,000,0
00の範囲であることを特徴とする。
【0014】本発明のポリアミノ酸の製造方法は、一般
式、
【化9】 (但し、式中、A及びBユニットは、フェノール性基を
含むユニットを示す。A及びBユニットに関し、Rはメ
チレンあるいはエチレン基を示し、mは0〜5の整数、
フェノール性水酸基はベンゼン環のオルト位、メタ位、
あるいはパラ位に結合し、nは 1〜4の整数を示
す。)で表されるA又はBのいずれかのユニットを少な
くとも1つ含むオリゴアミノ酸を酸化触媒を用いて酸化
カップリングすることを特徴とする。
【0015】本発明のポリアミノ酸の製造方法の好適な
実施態様において、酸化触媒が酸化還元酵素または遷移
金属錯体であることを特徴とする。
【0016】本発明のポリアミノ酸の製造方法の好適な
実施態様において、酸化還元酵素がペルオキシダーゼま
たはオキシダーゼであること特徴とする。
【0017】本発明のポリアミノ酸の製造方法の好適な
実施態様において、遷移金属錯体が、一般式
【化10】 (式中、Mは遷移金属原子を含む残基を示す。R、R
6はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水
素基、O、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ
基、アミノ基または置換アミノ基を表し、R2、R5はそ
れぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、
炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、炭化水素オ
キシカルボニル基、置換炭化水素オキシカルボニル基、
シアノ基、ニトロ基またはハロゲン基を表し、R3、R4
はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素
基またはOを表す。R7は二価の炭化水素基または置
換炭化水素基を表す。R1とR2とがおよび/またはR5
とR6とが環を形成してもよい)で表されることを特徴
とする。
【0018】本発明のポリアミノ酸の製造方法の好適な
実施態様において、さらに、助触媒としてアミンを用い
ることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】まず、本発明に関わるオリゴアミ
ノ酸を出発物質とする可溶性ポリアミノ酸の製造方法を
説明する。
【0020】本発明の製造方法において、下記の一般式
[化11]で表されるA又はBのいずれかのユニットを少
なくとも1つ含む、アミノ酸、オリゴアミノ酸、又はポ
リアミノ酸を用いることができる。以下では、オリゴア
ミノ酸を例に説明するがこれに限定される意図ではな
い。
【0021】
【化11】 (但し、式中、A及びBユニットは、フェノール性基を
含むユニットを示す。A及びBユニットに関し、Rはメ
チレンあるいはエチレン基を示し、mは0〜5の整数、
フェノール性水酸基はベンゼン環のオルト位、メタ位、
あるいはパラ位に結合し、nは 1〜4の整数を示
す。)[化11]で表される。
【0022】このオリゴアミノ酸は、主鎖に不斉炭素を
含む場合が多いが、本発明では光学活性体を用いても良
いし、ラセミ体を用いてもよい。
【0023】[化11]中、A又はBユニットの水酸基の
結合位置及びその数に特に制限はないが、フェノール部
位として例えば4−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキ
シフェニル、2−ヒドロキシフェニル、3,4−ジヒド
ロキシフェニル等を示すことができる。
【0024】たとえば、上記[化11]Aユニットの具体
例として、N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチ
ル)−L−グルタミン、N−(2−(4−ヒドロキシフ
ェニル)エチル)−L−アスパラギン、N−(2−(3
−ヒドロキシフェニル)エチル)−L−グルタミン、N
−(2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)エチル)−
L−グルタミン、N−(2−(4−ヒドロキシフェニ
ル)エチル)−L−グルタミン、N−(2−(3−ヒド
ロキシフェニル)エチル)−L−グルタミン、N−(2
−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)−L−アスパラ
ギン、N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)
−D−グルタミン、N−(2−(4−ヒドロキシフェニ
ル)エチル)−D−アスパラギン、N−(2−(3−ヒ
ドロキシフェニル)エチル)−D−グルタミン等のペプ
チドユニットが挙げられる。効率的に反応を進行させる
ためのスペーサー導入という観点から、Aユニットとし
ては、N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)
−L−グルタミン、N−(2−(3−ヒドロキシフェニ
ル)エチル)−L−グルタミン、N−(2−(4−ヒド
ロキシフェニル)エチル)−L−アスパラギン等が好ま
しい。
【0025】[化11]A又はBユニットのいずれか1つ
を含むポリアミノ酸は、特に制限はなく、A又はBユニ
ット以外にフェノール性基を含んでいてもよい。ポリア
ミノ酸を構成するアミノ酸は限定されず、たとえば、L
−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイ
シン、L−メチオニン、L−トリプトファン、L−フェ
ニルアラニン、L−プロリン、グリシン、L−セリン、
L−トレオニン、L−システイン、L−アスパラギン、
L−グルタミン、L−リシン、L−ヒスチジン、L−ア
ルギニン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、L
−グルタミン酸−γ−エチルエステル、L−グルタミン
酸−γ−メチルエステル、L−グルタミン酸−γ−フェ
ニルエステル、L−グルタミン酸−γ−ベンジルエステ
ル、L−アスパラギン酸−β−エチルエステル、L−ア
スパラギン酸−β−メチルエステル、L−アスパラギン
酸−β−フェニルエステル、L−アスパラギン酸−β−
ベンジルエステル、D−アスパラギン酸、D−グルタミ
ン酸、D−グルタミン酸−γ−エチルエステル、D−グ
ルタミン酸−γ−メチルエステル、D−アスパラギン酸
−β−エチルエステル、D−アスパラギン酸−β−メチ
ルエステル、D−アスパラギン酸−β−フェニルエステ
ル、D−アスパラギン酸−β−ベンジルエステル等のペ
プチドが挙げられる。溶解性付与という観点から、ペプ
チドとしては、L−グルタミン酸−γ−エチルエステ
ル、L−グルタミン酸−γ−ベンジルエステル、L−ア
スパラギン酸−β−エチルエステル等が好ましい。
【0026】上記[化11]の重合度は3〜300の間で
あれば、特に制限はない。重合度の範囲をこのようにし
たのは、ゲル化を伴わないで高分子量の可溶性ポリマー
を得るという理由からである。
【0027】上記[化11]のA又はBユニットをいずれ
か含むポリアミノ酸中において、フェノール基を含むユ
ニットの割合に特に制限はない。好ましくは5〜100
モル%、特に好ましくは10〜100モル%である。
【0028】本発明で用いられる酸化還元酵素は、フェ
ノール基を酸化できるものであればよく、従来既知なも
の、例えばペルオキシダーゼやオキシダーゼを含む。本
発明で使用されるペルオキシダーゼは種々の起源のもの
が使用でき、特に制限はない。ペルオキシダーゼとして
は、例えば植物由来、細菌由来、坦子菌類由来のペルオ
キシダーゼを挙げることができる。これらの中で、西洋
ワサビペルオキシダーゼは酸化能が高く、しかも量産さ
れて安価であり、好ましく使用することができる。
【0029】本発明で使用できるオキシダーゼとしてラ
ッカーゼを挙げることができる。ラッカーゼは種々の起
源のものが使用でき、特に制限はないが、例えば植物由
来、細菌由来、坦子菌類由来のラッカーゼを挙げること
ができる。これらの例としては、漆の木から得られるラ
ッカーゼ、Pyricularia、Pleurotu
s、Pycnoporus、Polystictus、
Mycelopthora、Neurospora属の
微生物ラッカーゼを挙げることができる。特にPycn
oporus、Mycelopthora属のラッカー
ゼを好ましく使用できる。なお使用する酵素の状態は、
精製・未精製を問わない。酵素量はオリゴアミノ酸1g
に対して0.001mg〜10g、好ましくは0.00
5mg〜5g、さらに好ましくは0.01mg〜3gで
ある。
【0030】また、本発明で用いる遷移金属錯体は好ま
しくは下記[化12]で表されるものである。
【化12】 (式中、Mは遷移金属原子を含む残基を示す。R、R
6はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水
素基、O、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ
基、アミノ基または置換アミノ基を表し、R2、R5はそ
れぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、
炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、炭化水素オ
キシカルボニル基、置換炭化水素オキシカルボニル基、
シアノ基、ニトロ基またはハロゲン基を表し、R3、R4
はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素
基またはOを表す。R7は二価の炭化水素基または置
換炭化水素基を表す。R1とR2とがおよび/またはR5
とR6とが環を形成してもよい)
【0031】上記[化12]における置換炭化水素オキシ
基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基等で置換
された炭化水素オキシ基であり、具体例としては、トリ
フルオロメトキシ基、2−t−ブチルオキシエトキシ
基、3−ジフェニルアミノプロポキシ基等が挙げられ
る。なお、ハロゲン原子として好ましくは、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、さらに好
ましくは塩素原子、臭素原子である。
【0032】上記[化12]における置換アミノ基として
は、炭素原子数1〜20の置換アミノ基が好ましく、具
体的には、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピル
アミノ基、ブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジメチ
ルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、
メチルエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げら
れる。
【0033】上記[化12]における炭化水素オキシカル
ボニル基としては、炭素数1〜20の炭化水素オキシカ
ルボニル基が好ましく、具体的には、メトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基、プロピキシカルボニル
基、t−ブチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボ
ニル基等が挙げられる。
【0034】上記[化12]における置換炭化水素オキシ
カルボニル基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ
基等で置換された炭化水素オキシカルボニル基であり、
具体例としては、トリフルオロメトキシカルボニル基、
2−t−ブチルオキシエトキシカルボニル基、3−ジフ
ェニルアミノプロポキシカルボニル基等が挙げられる。
なお、ハロゲン原子として好ましくは、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、さらに好ましく
は塩素原子、臭素原子である。
【0035】上記[化12]の二価の炭化水素基または置
換炭化水素基として、具体例としては、メチレン基、
1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−
ブチレン基等のアルキレン基、1,2−シクロペンチレ
ン基、1,2−シクロヘキシレン基等のシクロアルキレ
ン基、フェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基等
を挙げることができ、好ましくは、メチレン基、エチレ
ン基、1,3−プロピレン基、1,2−シクロヘキシレ
ン基である。
【0036】上記[化12]で表される遷移金属錯体にお
ける具体例四座配位子として、N,N’−ジサリシリデ
ンエチレンジアミン、N−(3−オキソペンチリデン)
−N’−サリシリデンエチレンジアミン、N,N’−ビ
ス(3−オキソブチリデン)―1,2−フェニルエチレ
ンジアミン、N,N’−ビス(3−オキソブチリデン)
―1,3−プロパンジアミン、N,N’−ビス(1−メ
チル−3−オキソブチリデン)エチレンジアミン、N,
N’−ビス(3−オキソペンチリデン)エチレンジアミ
ン、N,N’−ビス(3−オキソヘキシリデン)エチレ
ンジアミン、N,N’−ビス(4−トリフルオロメチル
−3−オキソブチリデン)エチレンジアミン、N,N’
−ビス(2−シアノ−3−オキソブチリデン)エチレン
ジアミン、N,N’−ビス(2−ニトロ−3−オキソブ
チリデン)エチレンジアミン、N,N’−(1,2−エ
チレン)−ビス(マロン酸モノメチルモノアミド)等、
あるいはそれらからプロトンを一つまたはそれ以上取り
去って得られる陰イオンを挙げることができる。
【0037】本発明に用いる遷移金属錯体については、
配位子と遷移金属錯体以外の構造は、触媒能を失活させ
ないならば特に限定されるものではない。例えば、配位
子としてN,N’−ジサリシリデンエチレンジアミン
(以下サレンと表記することがある)を、遷移金属とし
て鉄を用いた、N,N’−ジサリシリデンエチレンジア
ミナト鉄(II)(以下、Fe−サレンと表記することが
ある)遷移金属錯体は、酸素下において容易に酸素架橋
体であるμ−オキソ−ビス(N,N’−ジサリシリデエ
チレンジアミナト鉄(III))を形成することが知られ
ているが、このものを用いても何ら問題はない。
【0038】本発明に用いる遷移金属錯体には、電気的
に中性を保たせるようなカウンターイオンが必要な場合
がある。カウンターアニオンとしては、通常ブレンステ
ッド酸の共役塩基が使用され、具体例としては、フッ化
物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ素イオ
ン、硫酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、メタン
スルホン酸イオン、酢酸イオン等が挙げられる。また、
カウンターカチオンとしては、アルカリ金属やアルカリ
土類金属等のカチオンを適宜用いることができる。ま
た、本発明の遷移金属錯体には、錯体の原料、合成過程
および/または酸化カップリング過程で、溶媒などが配
位しても良い。
【0039】本発明において遷移金属錯体の添加量は、
用いる触媒の酸化カップリング活性により適宜加減すれ
ばよいが、触媒量はオリゴアミノ酸1gに対して0.0
01mg〜10g、好ましくは0.005mg〜5g、
さらに好ましくは0.01mg〜3gである。
【0040】本発明に用いる遷移金属錯体の活性を高め
るために、助触媒としてアミンを用いても良い。用いる
アミン種としては、遷移金属錯体の活性に影響を及ぼさ
ないものであれば特に制限はなく、公知のものが使用で
きる。具体的には、ピリジン、トリエチルアミン、2,
6−ルチジン等の第三級アミンを用いることができ、反
応収率の向上という観点から、アミノ酸オリゴマー1g
に対して0.01mg〜1gの範囲で用いることが好ま
しい。
【0041】本発明において、酸化剤は任意のものが使
用できるが、好ましくはペルオキシドまたは酸素が使用
できる。ペルオキシドの例としては、過酸化水素、t−
ブチルハイドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキ
シド、クメンハイドロペルオキシド、過酢酸、過安息香
酸等を示すことができる。触媒にペルオキシダーゼまた
はFe−サレンを用いる場合には、特に過酸化水素が好
ましい。ペルオキシドを用いる場合には、オリゴアミノ
酸に含まれるフェノール基に対して、通常0.5当量以
上5当量以下を使用するが、当量以上3当量以下を使用
するのが好ましい。触媒にラッカーゼを用いる場合に
は、特に酸素が望ましく、この場合の酸素としては、純
酸素のほか、空気あるいは酸素と不活性ガスの混合物の
形で用いることができる。これらは、反応混合物中に吹
き込んでも良いが、単に重合雰囲気中に存在させるだけ
でも良い。
【0042】重合に用いる溶媒としては、オリゴアミノ
酸と触媒が共に溶解するものが好ましい。遷移金属錯体
を触媒に用いる場合は、オリゴアミノ酸と遷移金属錯体
に対して不活性でかつ反応温度において液体であれば、
特に限定されるものではない。溶媒例を示すと、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、メタノール、エタノール、2,2,2−トリフルオ
ロエタノール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロ
リドン、ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトン、テ
トラヒドロフラン、ピリジン等が挙げられる。これらは
単独あるいは混合物として使用される。
【0043】酵素を触媒に用いる場合は、有機溶媒と水
の混合溶媒が好ましく、有機溶媒として水と相溶する溶
媒がより好ましい。水と相溶する有機溶媒として、メタ
ノール、エタノール、2,2,2−トリフルオロエタノ
ール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピ
ロリドン、ニトロメタン、ニトロベンゼン、ピリジン、
1,4−ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン等
が挙げられる。これらは単独あるいは混合物として使用
される。
【0044】水は蒸留水や脱イオン水でもよいが、水の
代わりに緩衝液を用いてもよい。緩衝液を用いる場合は
pH2〜12の範囲が望ましい。緩衝液の種類として
は、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、炭酸緩衝液等が望まし
いが、これらに限定されるものではない。また、有機溶
媒−水の混合比はオリゴアミノ酸と酵素が溶解する場合
には任意の量を用いることができる。好ましくは5:9
5〜95:5、特に好ましくは20:80〜80:20
の範囲である。
【0045】上記溶媒または混合溶媒は、反応中にゲル
化が起こらない任意の量を用いることができる。ゲル化
が起こらない条件は用いるアミノ酸オリゴマーによって
異なるが、アミノ酸オリゴマー濃度が0.5〜200g
/Lがより好ましい。
【0046】本発明のポリアミノ酸の製造方法におい
て、上記[化11]に示すオリゴアミノ酸を酸化触媒を用
いて酸化カップリングさせる場合の反応温度は、触媒が
不活性化しない温度が望ましい。好ましくは0〜100
℃の範囲であり、より好ましくは10〜60℃の範囲で
ある。反応温度が高い場合は、一般に酵素は失活する
が、溶媒系によっては酵素を安定化するので、その場合
は高い反応温度も採用可能となる。
【0047】本発明において、アミノ酸オリゴマーと酸
化触媒との反応には多くの異なる方法を利用することが
できる。例えば、アミノ酸オリゴマー、酸化触媒の溶液
を個々に調製した後に同一容器中に注入してもよいし、
アミノ酸オリゴマーの溶液に触媒を添加してもよい。こ
の他にも種々の組合せが可能であるが、触媒が失活(不
活性化)するような方法でない限り、各種の方法を採用
できる。
【0048】本発明によって得られる可溶性ポリアミノ
酸の数平均分子量は5,000〜10,000,000
の範囲であるが、好ましくは8,000〜5,000,
000、より好ましくは10,000〜3,000,0
00の範囲である。
【0049】本発明において得られるポリアミノ酸は
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒に可溶で
ある。そのため、該ポリマーを生分解性材料、生体適合
性材料、ドラッグキャリヤー、抗菌材料、酸化防止剤と
して使用する場合、成形加工を容易に行うことが可能で
あり、オリゴアミノ酸の使用では得られない様々な効果
を期待することができる。例えば、オリゴアミノ酸では
困難な薄膜形成能は生分解性材料や生体適合性材料に必
須の物性である。
【0050】また、本発明のポリアミノ酸は、下記式
[化13]で表されるA又はBのいずれかのユニットを少
なくとも1つ含むポリアミノ酸同士が、少なくとも一部
のフェノール部位で酸化カップリングしている。
【化13】 (但し、[化1]中、A及びBユニットは、フェノール性
基を含むユニットを示す。A及びBユニットに関し、R
はメチレンあるいはエチレン基を示し、mは0〜5の整
数、フェノール性水酸基はベンゼン環のオルト位、メタ
位、あるいはパラ位に結合し、nは 1〜4の整数を示
す。)
【0051】上記ユニットを含むものであれば、ペプチ
ドとしては特に限定される事はない。ペプチドとして
は、たとえば、上述のポリアミノ酸の製造方法において
説明したようなペプチドを用いる事ができる。
【0052】また、少なくとも一部のフェノール部位で
ペプチド同士が結合していれば良く、ペプチドの側鎖に
存在するフェノール部位の全てが結合している必要はな
い。本発明のポリアミノ酸の好適な実施態様において、
前記酸化カップリングが、下記式
【化14】 又は、
【化15】 で表されるが、これに限定されない。
【0053】また、ポリアミノ酸の重合度は3〜300
であることが好ましい。これは、ゲル化を伴わないで高
分子量の可溶性ポリマーを得るという理由からである。
さらにポリアミノ酸の数平均分子量は5,000〜1
0,000,000の範囲であることが好ましい。これ
は、高分子材料としての用途開発に望ましい加工性付与
という理由からである。
【0054】
【実施例】ここで、本発明の一実施例を説明するが、本
発明は、下記の実施例に限定して解釈されるものではな
い。また、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更
することが可能であることは言うまでもない。
【0055】実施例1 50ミリリットルナスフラスコに、50ミリグラムのオ
リゴ(N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)
−L−グルタミン)(分子量1,200)と3.2ミリ
グラムのFe−サレンを取り、2.5ミリリットルの
N,N−ジメチルホルムアミドを加えて室温で攪拌し、
溶解させた。10マイクロリットルのピリジンを加え、
30%過酸化水素5.7マイクロリットルを15分毎に
4回加えた。3時間後、反応液のGPC測定を行ったと
ころ、オリゴアミノ酸が77%転化し、分子量33万の
ポリアミノ酸が生成した。また、NMR、IR分析によ
り、フェノール部位が反応したことが推測された。NM
Rの結果を図1及び下記に示す。1 H NMR(DMSO-d6, ppm) 1.2 (br, CH 3CH2), 1.9 (br, CH
CH 2CH2), 2.3 (br, C(=O)CH2), 2.5 (br, ArCH2), 3.2
(br, NHCH 2), 4.0 (br, OCH2), 4.3 (br, NHCH),6.7
(d, Ar), 7.0 (d, Ar), 8.0 (br, NH), 9.3 (br, ArOH) IR (KBr, cm-1) 3300 (br, O-H, N-Hの伸縮振動), 1730
(s, エステル基カルボニルの伸縮振動)、1630 (s, ア
ミド基カルボニルの伸縮振動)
【0056】比較例1 実施例1の操作において、Fe−サレンを使用しないで
反応を行ったところ、オリゴアミノ酸が未反応で回収さ
れた。
【0057】実施例2 実施例2は、実施例1の操作において、オリゴアミノ酸
の構造、Fe−サレンとN,N−ジメチルホルムアミド
の使用量を変えて実験を行った。フェノール基の導入率
を変化させたペプチドを合成した。ペプチドの合成は、
Glu γ−Etオリゴぺプチドとチラミンとを反応させて行
なった。具体的に、溶媒としてDMSOを用いて、10
0℃で24時間、Glu γ−Etオリゴぺプチドとチラミン
とを反応させた。使用したフェノール部位を有するペプ
チドは、以下式[化16]の通りである。
【0058】
【化16】
【0059】本実施例においては、カップリング反応出
発物質として3種類のペプチドを合成した。すなわち、
式中、A、Bの比率を変化させたペプチドを用いた。具
体的には、ペプチド1aは、A:B = 80:20であ
り、ペプチド1bは、A:B=50:50であり、ペプ
チド1cは、A:Bは、20:80である。
【0060】ペプチド1aを酸化カップリングした場合
の結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】それぞれ、触媒と酸化剤として、Feサレン
錯体と過酸化水素(0.2mmol)を用いて、ピリジン(1
0μL)存在下、溶媒DMF中、室温で3時間大気圧下で、
オリゴペプチド1a(49.6mg)を反応させた。a)は溶
離剤として0.MLiCL/DMFを使用してGPCによって決定し
た。b)は、ゲル化が生じたことを表す。
【0063】
【表2】
【0064】それぞれ、触媒と酸化剤として、Feサレン
錯体と過酸化水素(0.2mmol)を用いて、ピリジン(1
0μL)存在下、溶媒DMF中、室温で3時間大気圧下で、
オリゴペプチド1a(81.0mg)を反応させた。a)は溶
離剤として0.MLiCL/DMFを使用してGPCによって決定し
た。b)は、ゲル化が生じたことを表す。
【0065】
【表3】
【0066】それぞれ、触媒と酸化剤として、Feサレン
錯体と過酸化水素(0.2mmol)を用いて、ピリジン(1
0μL)存在下、溶媒DMF中、室温で3時間大気圧下で、
オリゴペプチド1a(175.2mg)を反応させた。a)は
溶離剤として0.MLiCL/DMFを使用してGPCによって決定
した。b)は、ゲル化が生じたことを表す。
【0067】また、種々の触媒濃度での酸化カップリン
グの追跡結果を図2に示す。触媒を加えないコントロー
ル系では低分子量領域にしかピークが見られないが、触
媒を添加することにより、高分子量領域にピークがみら
れ、触媒量が多いほど分子間カップリングポリマーの割
合が増加した。
【0068】以上の結果、一部を除いて可溶性のポリア
ミノ酸を得ることが判明した。
【0069】実施例3 オリゴ(N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチ
ル)−L−グルタミン)(分子量1,200) 248
ミリグラム 西洋ワサビペルオキシダーゼ 3ミリグラム メタノール 17.5ミリリットル リン酸緩衝液(pH7) 7.5ミリリットル 30%過酸化水素 114マイクロリットル を用いて実施例1と同様の操作を行い、3時間反応を行
った。反応液の溶媒を減圧下留去し、残査のGPC測定
を行ったところ、オリゴアミノ酸が52%転化してい
た。ポリマー部分には三分岐のピークが見られ、おのお
のの数平均分子量は31万(17%)、2万8千(68
%)、1700(15%)であった(括弧内はポリマー
部分のピーク面積比)。
【0070】実施例4 オリゴ(N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチ
ル)−L−グルタミン)(分子量1,200) 248
ミリグラム Mycelopthoraラッカーゼ 1ミリリットル メタノール 17.5ミリリットル リン酸緩衝液(pH7) 7.5ミリリットル を用いて実施例1と同様の操作を行い、24時間反応を
行った。反応液の溶媒を減圧下留去し、残査のGPC測
定を行ったところ、オリゴアミノ酸が44%転化してい
た。ポリマー部分には三分岐のピークが見られ、おのお
のの数平均分子量は16万(18%)、1万3千(40
%)、1800(42%)であった(括弧内はポリマー
部分のピーク面積比)。
【0071】実施例5 他のアミノ酸ポリマーとして、ポリ(N−(2−(4−
ヒドロキシフェニル)エチル)−α/β−アスパラギ
ン)を用いた。これは、ポリ(スクシイミド)とチラミ
ンの反応をDMF中、60℃で24時間行い、蒸留水か
らの再沈殿により単離・精製した。GPC測定により求
めた数平均分子量は3万4千、分子量分布は2.6であ
った。次にポリアミノ酸合成は以下のものを用いて実施
例1と同様の操作を行い、3時間反応を行った。 ポリ(N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)
−α/β−アスパラギン)47ミリグラム Fe−サレン 1.6ミリグラム DMF 5ミリリットル ピリジン 20マイクロリットル 30%過酸化水素 23マイクロリットル
【0072】反応液のGPC測定を行ったところ、原料
は全て消失し、新たに数平均分子量19万、分子量分布
1.4のピークが見られ、高分子量ポリアミノ酸が得ら
れたことがわかった。これの構造はNMR、IRにより
確認した。NMRの結果を以下に示す。1 H NMR(DMSO-d6, ppm) 2.5 (br, ArCH2), 3.2 (br, NHC
H 2), 3.3 (br, CH 2CH),4.5 (br, CH2CH), 6.7 (d, Ar),
7.0 (d, Ar), 8.3 (br, NH), 9.2 (br, ArOH)IR (KBr,
cm-1) 3500 (br, O-H, N-Hの伸縮振動), 1650 (s, ア
ミド基カルボニルの伸縮振動)
【0073】以上の実施例により、種々の構造、分子量
をもつ可溶性ポリアミノ酸が製造された。また、オリゴ
アミノ酸の構造や反応条件により可溶性アミノ酸の分子
量が異なることが明らかとなった。
【0074】
【発明の効果】本発明では、可溶性の高分子量ポリアミ
ノ酸がオリゴアミノ酸の酸化カップリングにより製造さ
れた。このようにして得られたポリアミノ酸は材料加工
性が改良され、生分解性材料、生体適合性材料、ドラッ
グキャリヤー、抗菌材料、酸化防止剤等の用途として極
めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のポリアミノ酸の一例につい
てのNMRの結果を示す図である。
【図2】 図2は、Feサレン錯体の濃度の違いによる
酸化カップリングの変動を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年11月21日(2001.11.
21)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【化1】 で表されるA又はBユニットを少なくとも1つ含むペプ
チド同士が、少なくとも一部のフェノール部位で酸化カ
ップリングしていることを特徴とするポリアミノ酸。
(但し、[化1]中、A及びBユニットは、フェノール性
基を含むユニットを示す。A及びBユニットに関し、R
はメチレンあるいはエチレン基を示し、mは0〜5の整
数、フェノール性水酸基はベンゼン環のオルト位、メタ
位、あるいはパラ位に結合し、nは 1〜4の整数を示
す。)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【化4】 (但し、[化4]中、A及びBユニットは、フェノール性
基を含むユニットを示す。A及びBユニットに関し、R
はメチレンあるいはエチレン基を示し、mは0〜5の整
数、フェノール性水酸基はベンゼン環のオルト位、メタ
位、あるいはパラ位に結合し、nは 1〜4の整数を示
す。)で表されるA又はBのいずれかのユニットのうち
少なくとも1つ含むオリゴアミノ酸を酸化触媒を用いて
酸化カップリングすることを特徴とするポリアミノ酸の
製造方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】即ち、本発明は、下記式[化6]で表される
A又はBのいずれかのユニットを少なくとも1つ含むヘ゜
フ゜チト゛同士が、少なくとも一部のフェノール部位で酸化
カップリングしていることを特徴とする。
【化6】 (但し、式中、A及びBユニットは、フェノール性基を
含むユニットを示す。A及びBユニットに関し、Rはメ
チレンあるいはエチレン基を示し、mは0〜5の整数、
フェノール性水酸基はベンゼン環のオルト位、メタ位、
あるいはパラ位に結合し、nは 1〜4の整数を示
す。)
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】本発明のポリアミノ酸の製造方法は、一般
式、
【化9】 (但し、式中、A及びBユニットは、フェノール性基を
含むユニットを示す。A及びBユニットに関し、Rはメ
チレンあるいはエチレン基を示し、mは0〜5の整数、
フェノール性水酸基はベンゼン環のオルト位、メタ位、
あるいはパラ位に結合し、nは 1〜4の整数を示
す。)で表されるA又はBのいずれかのユニットを少な
くとも1つ含むオリゴアミノ酸を酸化触媒を用いて酸化
カップリングすることを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【化11】 (但し、式中、A及びBユニットは、フェノール性基を
含むユニットを示す。A及びBユニットに関し、Rはメ
チレンあるいはエチレン基を示し、mは0〜5の整数、
フェノール性水酸基はベンゼン環のオルト位、メタ位、
あるいはパラ位に結合し、nは 1〜4の整数を示
す。)[化11]で表される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】また、本発明のポリアミノ酸は、下記式
[化13]で表されるA又はBのいずれかのユニットを少
なくとも1つ含むポリアミノ酸同士が、少なくとも一部
のフェノール部位で酸化カップリングしている。
【化13】 (但し、[化1]中、A及びBユニットは、フェノール性
基を含むユニットを示す。A及びBユニットに関し、R
はメチレンあるいはエチレン基を示し、mは0〜5の整
数、フェノール性水酸基はベンゼン環のオルト位、メタ
位、あるいはパラ位に結合し、nは 1〜4の整数を示
す。)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B064 AE02 CA21 CB11 4J001 DA01 DB05 DB09 DC05 EA33 EA34 EA35 EA36 EA37 EA45 GE11 JA20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 で表されるA又はBユニットを少なくとも1つ含むペプ
    チド同士が、少なくとも一部のフェノール部位で酸化カ
    ップリングしていることを特徴とするポリアミノ酸。
    (但し、[化1]中、A及びBユニットは、フェノール性
    基を含むユニットを示す。A及びBユニットに関し、R
    はメチレンあるいはエチレン基を示し、mは0〜5の整
    数、フェノール性水酸基はベンゼン環のオルト位、メタ
    位、あるいはパラ位に結合し、nは 1〜4の整数を示
    す。)
  2. 【請求項2】 前記酸化カップリングが、下記式 【化2】 又は、 【化3】 で表されることを特徴とする請求項1記載のポリアミノ
    酸。
  3. 【請求項3】 重合度が3〜300であることを特徴と
    する請求項1又は2項に記載のポリアミノ酸。
  4. 【請求項4】 数平均分子量が5,000〜10,00
    0,000の範囲である請求項1〜3項のいずれか1項
    に記載のポリアミノ酸。
  5. 【請求項5】一般式 【化4】 (但し、[化4]中、A及びBユニットは、フェノール性
    基を含むユニットを示す。A及びBユニットに関し、R
    はメチレンあるいはエチレン基を示し、mは0〜5の整
    数、フェノール性水酸基はベンゼン環のオルト位、メタ
    位、あるいはパラ位に結合し、nは 1〜4の整数を示
    す。)で表されるA又はBのいずれかのユニットのうち
    少なくとも1つ含むオリゴアミノ酸を酸化触媒を用いて
    酸化カップリングすることを特徴とするポリアミノ酸の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 酸化触媒が酸化還元酵素または遷移金属
    錯体である請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 酸化還元酵素がペルオキシダーゼまたは
    オキシダーゼである請求項5又は6項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 遷移金属錯体が、一般式 【化5】 (式中、Mは遷移金属原子を含む残基を示す。R、R
    6はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水
    素基、O、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ
    基、アミノ基または置換アミノ基を表し、R2、R5はそ
    れぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、
    炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、炭化水素オ
    キシカルボニル基、置換炭化水素オキシカルボニル基、
    シアノ基、ニトロ基またはハロゲン基を表し、R3、R4
    はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素
    基またはOを表す。R7は二価の炭化水素基または置
    換炭化水素基を表す。R1とR2とがおよび/またはR5
    とR6とが環を形成してもよい)で表されることを特徴
    とする請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】 さらに、助触媒としてアミンを用いるこ
    とを特徴とする請求項5〜8項のいずれか1項に記載の
    方法。
JP2001327791A 2001-10-25 2001-10-25 ポリアミノ酸 Expired - Fee Related JP3627015B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001327791A JP3627015B2 (ja) 2001-10-25 2001-10-25 ポリアミノ酸

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001327791A JP3627015B2 (ja) 2001-10-25 2001-10-25 ポリアミノ酸

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003128783A true JP2003128783A (ja) 2003-05-08
JP3627015B2 JP3627015B2 (ja) 2005-03-09

Family

ID=19143963

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001327791A Expired - Fee Related JP3627015B2 (ja) 2001-10-25 2001-10-25 ポリアミノ酸

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3627015B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007023079A (ja) * 2005-07-12 2007-02-01 Osaka Univ 架橋性タンパク質およびその製造方法
WO2012029630A1 (ja) * 2010-08-31 2012-03-08 Jsr株式会社 新規重合体及び新規n-カルボキシアミノ酸無水物、ならびにそれらの製造方法
JP2012211308A (ja) * 2011-03-23 2012-11-01 Kochi Univ 生分解性ハイドロゲルおよびその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007023079A (ja) * 2005-07-12 2007-02-01 Osaka Univ 架橋性タンパク質およびその製造方法
WO2012029630A1 (ja) * 2010-08-31 2012-03-08 Jsr株式会社 新規重合体及び新規n-カルボキシアミノ酸無水物、ならびにそれらの製造方法
JP2012211308A (ja) * 2011-03-23 2012-11-01 Kochi Univ 生分解性ハイドロゲルおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3627015B2 (ja) 2005-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6150491A (en) Polyaromatic compounds and method for their production
US7968519B2 (en) Methods and compositions for controlled polypeptide synthesis
Lin et al. Synthesis and characterization of hyperbranched poly (ether amide) s with thermoresponsive property and unexpected strong blue photoluminescence
Newland et al. A highly effective gene delivery vector–hyperbranched poly (2-(dimethylamino) ethyl methacrylate) from in situ deactivation enhanced ATRP
Wanasinghe et al. Dynamic bonds: adaptable timescales for responsive materials
Kricheldorf et al. Tertiary amine catalyzed polymerizations of α‐amino acid N‐carboxyanhydrides: The role of cyclization
US20050049387A1 (en) Acid-sensitive polyacetals and methods
Fu et al. X‐yne click polymerization
Dingels et al. Squaric Acid Mediated Chemoselective PEGylation of Proteins: Reactivity of Single‐Step‐Activated α‐Amino Poly (ethylene glycol) s
US20100022716A1 (en) Method and formula for forming hyper-branched polymer
US6680365B1 (en) Methods and compositions for controlled polypeptide synthesis
Akbulut et al. Synthesis and characterization of polyphenylenes with polypeptide and poly (ethylene glycol) side chains
CN106117548A (zh) 一种氨基酸基聚类肽及其制备方法
Li et al. Synthesis of polypeptides with high-fidelity terminal functionalities under NCA monomer-starved conditions
JP3627015B2 (ja) ポリアミノ酸
Liu et al. Three-Component Dynamic Covalent Chemistry: From Janus Small Molecules to Functional Polymers
Khambete et al. A new approach for PEGylation of dendrimers
Li et al. Synthesis and characterization of hyperbranched poly (ester-amide) s from commercially available dicarboxylic acids and multihydroxyl primary amines
US20120088848A1 (en) Methods and compositions for controlled polypeptide synthesis
Beezer et al. Post‐polymerization modification of branched polyglycidol with N‐Hydroxy phthalimide to give ratio‐controlled amino‐oxy functionalized species
Gupta et al. L-tyrosine-based backbone-modified poly (amino acids)
Oliva et al. One-pot oligoamides syntheses from L-lysine and L-tartaric acid
Fricke et al. Carbonate couplers and functional cyclic carbonates from amino acids and glucosamine
Xiao et al. Synthesis of a novel [60] fullerene pearl‐necklace polymer, poly (4, 4′‐carbonylbisphenylene trans‐2‐[60] fullerenobisacetamide)
RU2301262C1 (ru) Способ получения оптически активного полианилина

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040518

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040608

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20040728

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313114

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081217

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091217

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091217

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101217

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101217

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111217

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111217

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121217

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121217

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees