JP2019503420A - モノアルデヒドを使用しない又はモノアルデヒドをほぼ使用しない高分子イミダゾリウム化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

α−ジカルボニル化合物と、少なくとも2つの第一級アミノ基を有するアミノ化合物(いわゆるオリゴアミン)と、プロトン酸と、オリゴアミン1molあたりアルデヒド基1つのみを有する化合物(いわゆるモノアルデヒド)1mol未満と、任意にさらなる化合物とを反応させることを含む、イオン性イミダゾリウム基を含む高分子化合物(略して高分子イミダゾリウム化合物)を製造するための方法。

Description

本発明は、イオン性イミダゾリウム基を含む高分子化合物(略して高分子イミダゾリウム化合物)の製造方法に関し、該方法は、
− α−ジカルボニル化合物と、
− 少なくとも2つの第一級アミノ基を有するアミノ化合物(いわゆるオリゴアミン)と、
− プロトン酸と、
− オリゴアミン1molあたりアルデヒド基1つのみを有する化合物(いわゆるモノアルデヒド)1mol未満と、
− 任意にさらなる化合物と
を反応させることを含む。
高分子イミダゾリウム化合物及びそれらの製造方法は、例えば国際公開第99/37276号(WO 99/37276)に記載されている。国際公開第99/37276号にしたがって、高分子イミダゾリウム化合物は、2つのイミダゾール基を有する化合物とジブロモ化合物との反応により得られる。得られたカチオン性イミダゾリウムポリマーは、対イオンとしてブロミドアニオンを有する。
国際公開第2010/072571号(WO 2010/072571)から、高分子イミダゾリウム化合物の新たな製造方法が公知である。国際公開第2010/072571号にしたがって、α−ジカルボニル化合物、アルデヒド、ジアミンとプロトン酸とを反応させる。双方のただ1つの反応ステップにおいて、イミダゾリウム環系及び高分子イミダゾリウムが、かかる出発材料から得られる。国際公開第2010/072571号の方法は、さらに、まだ公表されていない後の特許出願PCT/EP 2015/067104 (PF 77453)号及びPCT/EP 2015/067101(PF 77394)号に記載されている。
高分子イミダゾリウム化合物を製造する前記先行技術の方法は、ハロゲン原子を有する化合物の使用、又はモノアルデヒドの、特にホルムアルデヒドの使用のいずれかを含む。さらに、環境的に利益があり、かかる出発材料を回避する他の代替方法に関心がある。しばしば高分子イミダゾリウム化合物中に残留するホルムアルデヒド又はハロゲン化合物は、多数の技術分野において、特にエレクトロニクス、ホームケア及び化粧品の分野において容認されていない。
本発明の目的は、高分子イミダゾリウム化合物の製造のための先行技術の方法に対して新規の方法を見出すことであった。特に、新規の方法は、経済的及び環境的に利益があるべきである。
したがって、前記で定義された方法が見出されている。
前記方法のための出発化合物について
本発明にしたがって、α−ジカルボニル化合物と、オリゴアミンと、プロトン酸と、モノアルデヒド1mol未満と、任意にさらなる化合物とを、互いに反応させる。
以下において、「α−ジカルボニル化合物」の用語は、α−ジカルボニル化合物の混合物も含むものとし、「オリゴアミン」の用語は、オリゴアミンの混合物も含むものとし、「プロトン酸」の用語は、プロトン酸の混合物も含むものとし、「モノアルデヒド」の用語は、モノアルデヒドの混合物も含むものとする。
α−ジカルボニル化合物及びモノアルデヒドのカルボニル基は、ヘミアセタール、アセタール、ヘミケタール又はケタール基の形も有していてもよく、それらは通常保護基である。
反応は、重縮合である。重縮合において、重合は、低分子量化合物、例えば水又はアルコールの脱離で生じる。カルボニル基の場合に水が脱離される。カルボニル基が保護され、ケタール又はヘミケタール、アセタール又はヘミアセタール基の形を有する場合に、水の代わりにアルコールが脱離される。
本発明の好ましい実施形態において、カルボニル基は、それ自体で存在しており、ヘミアセタール、アセタール、ヘミケタール又はケタール基の形を有していない。
本明細書において使用されるα−ジカルボニル化合物、オリゴアミン、モノアルデヒド又はプロトン酸の用語は、種々のジカルボニル化合物の、種々のオリゴアミンの、種々のモノアルデヒドの、又は種々のプロトン酸の混合物を含む。
α−ジカルボニル化合物について
α−ジカルボニル化合物は、好ましくは式I
Figure 2019503420
[式中、R1及びR2は、それぞれ互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基又は炭素原子1〜20個を有する有機基である]で示される化合物である。有機基は、分枝鎖もしくは非分枝鎖であってよく、又は例えば高分子イミダゾリウム化合物のさらなる架橋に起因しうる官能基を含みうる。好ましくは、有機基は、炭素原子1〜10個を有する脂肪族又は芳香族炭化水素であり、したがって炭素及び水素以外のあらゆる原子を含まない。
好ましい実施形態において、R1及びR2の少なくとも1つは、水素又はヒドロキシル基である。
より好ましい実施形態において、R1及びR2は、それぞれ互いに独立して、H原子又はヒドロキシル基である。
好ましい化合物は、特にR1及びR2が次の意味を有する化合物である。
− R1がHであり、かつR2が炭素原子1〜10個を有する脂肪族又は芳香族炭化水素である。
− R1がHであり、かつR2がOHである。
− R1がOHであり、かつR2がOHである。
− R1がHであり、かつR2がHである。
最も好ましいα−ジカルボニル化合物は、グリオキサール(R1及びR2がそれぞれ水素である)又はグリオキシル酸(R1が水素であり、かつR2がヒドロキシルである)又はそれらの混合物であり、グリオキシル酸が特に好ましい。
オリゴアミンについて
オリゴアミンは、好ましくは、一般式II
Figure 2019503420
によって示されてよく、式中、nは2以上の整数であり、かつアミノ基の数を示す。nは、非常に大きい値をとってもよく、例えばnは、2〜10000、特に2〜5000の整数であってよい。nの非常に大きい値は、例えば、ポリアミン、例えばポリビニルアミンを使用する場合に存在する。
n=2を有する化合物(ジアミン)を本発明による反応において使用する場合には、直鎖の高分子イミダゾリウム化合物が形成され、2つより多い第一級アミノ基を有するアミンの場合には、分枝鎖状ポリマーが形成される。
好ましい実施形態において、nは、2〜6、特に2〜4の整数である。n=2(ジアミン)又はn=3(トリアミン)がより特に好ましい。n=2がより特に好ましい。
R3は、任意のn価の有機基である。n価の有機基は、ポリマー、例えば前記したようにポリビニルアミンの基であってよく、その場合対応する高分子量を有する。
有機基は、炭素及び水素だけでなく、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄又はハロゲンも、例えば、官能基、例えばヒドロキシル基、酸基、例えばカルボン酸基、エーテル基、エステル基、アミド基、芳香族複素環、ケト基、アルデヒド基、第一級もしくは第二級アミノ基、イミノ基、チオエーテル基又はハロゲン化物基の形で含んでいてよい。
好ましい実施形態において、アミノ化合物は、エーテル基、第二級又は第三級アミノ基、カルボン酸基を含んでよく、これらとは別にさらなる官能基を含まなくてよい。例えば、ポリエーテルアミンを挙げることができる。
R3は、最も好ましくは、純粋な炭化水素基、又はエーテル基、第二級アミノ基もしくは第三級アミノ基で中断されているか又は置換されている炭化水素基である。特定の実施形態において、R3は、純粋な炭化水素基であり、いずれの官能基も含まない。炭化水素基は、脂肪族又は芳香族であってよく、又は芳香族及び脂肪族の基の双方を含む。
オリゴアミンは、第一級アミノ基が脂肪族基、芳香族環系、例えばフェニレンもしくはナフタレン基に直接結合しているジアミン、又は第一級アミノ基が芳香族環系のアルキル置換基として脂肪族基に結合しているアミノ化合物であってよい。
特に好ましいオリゴアミンは、第一級アミノ基が脂肪族炭化水素基、特に炭素原子2〜50個、特に好ましくは炭素原子3〜40個を有する脂肪族炭化水素基に結合しているジアミンである。
最も好ましいジアミンは、C2〜C20−アルキレンジアミン、例えば1,4−ブチレンジアミン又は1,6−ヘキシレンジアミンである。
プロトン酸について
プロトン酸は、式Ym-(H+m[式中、mは正の整数である]により示されうる。高分子プロトン酸、例えばポリアクリル酸であってもよく、その場合、mは非常に大きい値をとってもよい。かかる高分子プロトン酸として、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、又は(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸もしくはイタコン酸と任意の他のモノマー、例えば(メタ)アクリレート、ビニルエステルもしくは芳香族モノマー、例えばスチレンとのコポリマー、又は複数のカルボキシル基を有する他のポリマーが挙げられてよい。
好ましい実施形態において、mは、1〜4、特に好ましくは1又は2の整数である。特定の実施形態において、mは1である。
プロトン酸のアニオンYm-は、高分子イミダゾリウム化合物のイミダゾリウムカチオンに対する対イオンを形成する。
プロトン酸のアニオンは、好ましくは、少なくとも1、特に少なくとも2、及びより特に好ましい実施形態においては少なくとも4のpKa(25℃、1barで、水又はジメチルスルホキシド中で測定)を有するプロトン酸のアニオンである。
pKaは、底を10とする酸の定数Kaの負の対数である。pKaは、この目的のために、25℃、1barで、溶媒として水又はジメチルスルホキシド中で測定される;したがって、本発明にしたがって、アニオンが水中又はジメチルスルホキシド中で対応するpKaを有することが十分である。ジメチルスルホキシドは、特に、アニオンが水中に容易に溶解しない場合に使用される。2つの溶媒に関する情報は、標準的な参考文献に記載されている。
したがって、プロトン酸は、好ましくは、1未満のpKaを有するハロゲンのプロトン酸ではなく、特にHClでもHBrでもなく、かつアニオンは、それに対応して、塩化物又は臭化物ではない。
好ましいプロトン酸は、カルボン酸、スルホン酸、リン酸又はホスホン酸である。
リン酸として、特に、式IV
Figure 2019503420
[式中、R’及びR’’は、それぞれ互いに独立して、水素又はC1〜C10−、好ましくはC1〜C4−アルキル基である]の化合物を挙げられる。
ホスホン酸として、特に、式V
Figure 2019503420
[式中、R’及びR’’は、それぞれ互いに独立して、水素又はC1〜C10−、好ましくはC1〜C4−アルキル基である]の化合物を挙げられる。
好ましくは、プロトン酸は、1つ以上の、特に1〜3つのカルボン酸基を有するカルボン酸であり、1つのカルボン酸基を有するカルボン酸が最も好ましい。
好ましいカルボン酸は、炭素原子1〜20個を有し、かつ1又は2つのカルボン酸基を含む。
カルボン酸は、脂肪族又は芳香族化合物であってよい。ここで、芳香族化合物は、芳香族基を含む化合物である。カルボン酸基の酸素原子を除いてさらなるヘテロ原子を含まず又は多くて1もしくは2つのヒドロキシル基、カルボニル基もしくはエーテル基を含む脂肪族又は芳香族カルボン酸が特に好ましい。
カルボン酸基の酸素原子に加えて他のヘテロ原子を含まない脂肪族又は芳香族カルボン酸が最も好ましい。
2つのカルボン酸基を有するカルボン酸として、例えばフタル酸、イソフタル酸、C2〜C6−ジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸が挙げられてよい。
1つのカルボン酸基を有するカルボン酸として、脂肪族、芳香族、飽和、又は不飽和のC1〜C20−カルボン酸、特に、アルカンカルボン酸、アルケンカルボン酸、アルキンカルボン酸、アルカジエンカルボン酸、アルカトリエンカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸もしくはケトンカルボン酸、又は芳香族カルボン酸、例えば安息香酸もしくはフェニル酢酸が挙げられてよい。適したアルカンカルボン酸、アルケンカルボン酸及びアルカジエンカルボン酸は脂肪酸としても公知である。
例えば、任意に1又は2つのヒドロキシ基、好ましくは1つのヒドロキシ基により置換されていてよい安息香酸及びC1〜C20−アルカンカルボン酸である。
安息香酸及びC2〜C20−アルカンカルボン酸、特に酢酸及びプロピオン酸が特に好ましく、酢酸がより特に好ましい。
モノアルデヒドについて
モノアルデヒドは、式III
Figure 2019503420
[式中、R4は、H原子、又は炭素原子1〜20個を有する有機基である]により示されうる。ホルムアルデヒドが特に好ましく、ホルムアルデヒドは、ホルムアルデヒドを遊離する化合物、例えばパラホルムアルデヒド又はトリオキサンの形でも使用できる。
モノアルデヒドは、オリゴアミン1molあたり1mol未満の量で使用される。
好ましいモノアルデヒドは、オリゴアミン1molあたりモノアルデヒド0.1mol未満の量で使用される。
最も好ましくは、本発明の方法においてモノアルデヒドは使用されない。
したがって、本発明の最も好ましい実施形態において、反応溶液及び得られた高分子イミダゾリウム化合物は、モノアルデヒドを有しておらず、特にホルムアルデヒドを有していない。
他の化合物について
本発明の方法において、例えば特定の末端基をポリマーに導入するため、又は定義した特性を設定するためにさらなる官能基により追加の架橋についてもたらすため、又は得られたポリマーに対して可能な限り後の時点でさらに反応(重合類似反応)させるために、他の化合物を使用することが可能である。
したがって、所望の場合に、例えば、高分子イミダゾリウム化合物の分子量に影響を及ぼすためにモノアミンを使用することが可能である。1つのみの第一級アミノ基を有する化合物は、連鎖停止反応を導き、そして関連するポリマー鎖の末端基を形成する。モノアミンの割合が高くなると、分子量は低くなる。
プロセスについて:
モノアルデヒドを使用しない反応は、主に次の反応式にしたがって進行する:
Figure 2019503420
ここで、ジアミン1分子、酢酸1分子、及びジカルボニル化合物2分子を反応させて、酢酸アニオンを有する高分子イミダゾリウム化合物を得る。グリオキサールの使用により、副生成物としてフマル酸が得られる。代わりにα−ジカルボニル化合物としてグリオキシル酸を使用する場合に、副生成物として二酸化炭素が形成されるであろう。これは、イミダゾリウム環系の形成に起因する2つのα−ジカルボニル分子の双方を消費することを導き、その際、1つは、窒素原子間の2つの炭素原子の架橋を形成し、他方のα−ジカルボニル分子は、窒素原子間で1つの炭素原子の架橋を形成する。後者は、明らかに、ギ酸又は副生成物として二酸化炭素を生じるα−ジカルボニル分子の炭素−炭素の結合の分裂下で生じる。
いくつかのモノアルデヒドをさらに使用する場合に、2つの窒素原子間の1つの炭素原子架橋のいくつは、かかるモノアルデヒドから形成され、他は、上述のメカニズムに従って形成されうる。
高分子イミダゾリウム化合物の高分子量は、例えば、化合物が等モル量で使用される場合に達せられてよく、それは以下を意味する。
合計(モノアルデヒド、もしあればα−ジカルボニル化合物の合計)でアルデヒド2molを、ジアミン1mol及びプロトン酸1molと反応させる。2つより多い第一級アミノ基を有するオリゴアミンの場合に、他の化合物の当量が、等モル量にしたがって適応されるべきである。
もちろん、いずれの化合物も、過剰量で使用されてよく、他の化合物及び過剰量で使用される化合物の残留物の迅速かつ完全な消費をもたらしうる。
しかしながら、高分子量の高分子イオン性イミダゾリウム化合物の形成は、オリゴアミンに対する合計のアルデヒド化合物(α−ジカルボニル化合物、及び任意にモノアルデヒドである)のモル比が2より大きいように改良されることが見出されている。
好ましい実施形態において、合計のアルデヒド化合物とオリゴアミンとのモル比は、3.0:1.0〜2.0:1.0であり、2.2:1.0〜2.0:1.0の割合がより好ましい。
好ましくは、プロトン酸は、少なくとも等モル量で使用される。
化合物の反応は、溶媒中で実施されうる。適した溶媒は、水、又は親水性及び疎水性の有機溶媒を含む有機溶媒である。疎水性有機溶媒は、特に、疎水性化合物の場合に適していてよい。
化合物の反応は、好ましくは、水、水混和性溶媒又はそれらの混合物中で実施される。
水混和性溶媒は、特に、プロトン溶媒、好ましくは多くて炭素原子4個を有する脂肪族アルコール又はエーテル、例えばメタノール、エタノール、メチルエチルエーテル、テトラヒドロフランである。適したプロトン溶媒は、任意の割合で(1bar、21℃で)水と混和できる。
反応は、好ましくは、水中又は水と前記プロトン溶媒との混合物中で実施される。反応は、特に好ましくは水中で実施される。
反応中、pH値は、好ましくは1〜7、より好ましくは1〜6及び特に3〜5である。pH値は、任意の適した方法によって、例えば酸又は適した緩衝系を添加することによって維持又は調整されうる。好ましい実施形態において、出発材料として使用されるプロトン酸の過剰量を使用して、pH値を調整してよい。
好ましい実施形態において、プロトン酸とオリゴアミンとのモル比は、1.05:1〜10:1、特に1.2:1〜5:1、又は1.5:1〜5:1であってよい。
化合物は、任意の順で混合されうる。
加工物の反応は、例えば0.1〜10barの圧力、特に大気圧で、及び100℃未満、特に50℃未満、特に好ましくは40℃、又は30℃の温度で実施されてよい。反応は発熱反応であり、冷却が必要とされる。凍結を避けるために、温度を、好ましくは0℃より低くあってはならず、特に3℃より低くあってはならない(常圧で)。発熱反応後に、温度を上昇させてよく、そして反応混合物を、撹拌し、そして高温を維持して反応を完了させてよい。
反応を、バッチ式で、半連続で又は連続して実施してよい。半連続方式の操作において、例えば、少なくとも1つの出発化合物を最初に装入させ、そして他の化合物を計量供給することが可能である。
連続方式の操作において、化合物は続けて合され、そしてその生成物混合物が連続して排出される。化合物は、個々に又は全体のもしくは任意の使用した化合物の混合物として供給されうる。特定の実施形態において、オリゴアミンと酸とを事前に混合し、そして1つの流れとして供給する一方で、他の化合物は、個々に又は同様に混合物(第二の流れ)として供給されてよい。
連続法のさらなる特定の実施形態において、カルボニル基を含有する全ての化合物(すなわち、α−ジカルボニル化合物及びモノアルデヒド、場合により、さらにアニオンX,m(後者がカルボキシレートの場合に)のプロトン酸)は、事前に混合され、そして1つの流れとして共に供給され、そして、残りのオリゴアミン又はモノアミンが、別々に又は合わせて第二の流れに供給される。
連続調製を、任意の反応容器中で、すなわち撹拌容器中で実施してよい。複数の撹拌容器、例えば2〜4個の撹拌容器のカスケードで、又は管型反応器中で実施することが好ましい。
バッチ式プロセスの好ましい実施形態において、プロトン酸が、反応器中に最初に置かれ、そしてオリゴアミン、α−ジカルボニル化合物、モノアルデヒド(ある場合に)が、反応混合物の温度が40℃未満、又は30℃未満を維持する速度でプロトン酸に供給される。かかる方法では、反応中のあらゆる沈殿物の形成が、実質的に回避される。
重縮合反応を実施した後に、得られた高分子化合物は、溶液から沈澱してよく、又は溶液のままであってよい。高分子イオン性イミダゾリウム化合物の好ましい溶液が得られる。
高分子化合物は、通常の方法により溶液から分離されてもよい。最も単純な場合に、溶媒、例えば水は、蒸留により又は噴霧乾燥により除去されてよい。
Mnは、例えば5000g/molより大きく、特に10000g/molより大きく、又は20000g/molより大きくあってよい。一般に、Mnは、500000g/molより高くはない。
多分散性(質量平均分子量と数平均分子量との割合 Mw/Mn)は、例えば1.1〜100、特に1.5〜20の値を有しうる。
高分子イミダゾリウム化合物の分子量は、標準としてポリ(2−ビニルピリジン)、並びに溶出液として水含有0.1%(w/w)トリフルオロ酢酸及び0.1mol/l NaClを使用して、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)により決定される。カラム温度は25℃であり、注入体積は100μL(マイクロリットル)であり、濃度は1.5mg/mLであり、流量は0.8mL/分である。
本発明の方法は、高分子量のイミダゾリウム基含有高分子化合物を得るための、容易であり費用効果の高い方法である。さらに、本発明の方法は、かかる高分子化合物に関する高い選択性を有する。本発明の方法により、高分子イミダゾリウム化合物の溶液が得られる。かかる溶液は、高濃度の高分子イミダゾリウム化合物を有しうる。本発明の方法は、ハロゲンを有する化合物を要求せず、モノアルデヒド、例えばホルムアルデヒドの使用も要求しない。したがって、本発明の方法により得られる高分子イミダゾリウム化合物は、ハロゲン及び/又はホルムアルデヒド(必要な場合に)を不含でありうる。
実施例
高分子イミダゾリウム化合物の分子量を、標準としてポリ(2−ビニルピリジン)、並びに溶出液として水含有0.1%(w/w)トリフルオロ酢酸及び0.1mol/l NaClを使用して、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)により決定した。カラム温度は25℃であり、注入体積は100μL(マイクロリットル)であり、濃度は1.5mg/mLであり、流量は0.8mL/分であった。
得られた高分子イミダゾリウム化合物の質量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び多分散性PDI(Mw/Mn)を、実施例において特定する。
得られた生成物溶液の固形分を、真空下で120℃で2時間溶液を乾燥させることにより測定した。
核磁気共鳴スペクトル(NMR)は、生成物溶液自体を用いた。付属書(図面)において、実施例のNMRスペクトルを示す(x軸に関しては化学シフト、y軸に関しては強度)。NMRスペクトルは、単にポリマーのピークを示す。したがって、NMRスペクトルは、得られた溶液が、未反応の出発材料を含んでおらず、かつ全ての出発材料がポリマーへ反応されていたことを証明する。
比較例
(国際公開第2010/072571号にしたがってモノアルデヒドを使用)
酢酸2mol及び1,4−ブタン−ジアミン(水中で溶解)1molをフラスコ中に置いた。ホルムアルデヒド(49%水溶液)1Molとグリオキサール(40%水溶液)1Molとの混合物を、室温(氷浴冷却)で反応混合物に添加した。添加完了後に、反応混合物を1時間95℃まで加熱した。
高分子イミダゾリウム化合物を含む水溶液を得た。溶液の固形分は37.5質量%であった。
Mw:25200g/mol; Mn:2910g/mol; PDI:6.5。
実施例1
(グリオキサール2molを使用し、モノアミンは使用しない)
酢酸2mol及び1,4−ブタン−ジアミン(水中で溶解)1molをフラスコ中に置いた。グリオキサール(40%水溶液)2Molを、室温(氷浴冷却)で反応混合物に添加した。添加完了後に、反応混合物を50分間75℃まで注意深く加熱した。その溶液に水を添加し、そしてその混合物を室温まで冷却した。
高分子イミダゾリウム化合物を含む水溶液を得た。高分子イミダゾリウム化合物を含む水溶液を得た。溶液の固形分は17.1質量%であった。
Mw:12800g/mol; Mn:1210g/mol; PDI:10.6。
実施例2
(グリオキサール1mol及びグリオキシル酸1molを使用し、モノアミンは使用しない)
酢酸2mol及び1,4−ブタン−ジアミン(水中で溶解)1molをフラスコ中に置いた。グリオキシル酸(50%水溶液)1Molとグリオキサール(40%水溶液)1Molとの混合物を、室温(氷浴冷却)で反応混合物に添加した。添加完了後に、反応混合物を2時間95℃まで注意深く加熱し、この間CO2が反応混合物から発生していた。
高分子イミダゾリウム化合物を含む水溶液を得た。
Mw:12900g/mol; Mn:2190g/mol; PDI:5.9。
Figure 2019503420
比較例からのポリマーの1H−NMR。 実施例1からのポリマーの1H−NMR。 実施例2からのポリマーの1H−NMR。

Claims (14)

  1. イオン性イミダゾリウム基を含む高分子化合物(略して高分子イミダゾリウム化合物)を製造するための方法であって、
    − α−ジカルボニル化合物と、
    − 少なくとも2つの第一級アミノ基を有するアミノ化合物(いわゆるオリゴアミン)と、
    − プロトン酸と、
    − オリゴアミン1molあたりアルデヒド基1つのみを有する化合物(いわゆるモノアルデヒド)1mol未満と、
    − 任意にさらなる化合物と
    を反応させることを含む、前記方法。
  2. オリゴアミン1molあたりモノアルデヒド0.1mol未満を反応させる、請求項1に記載の方法。
  3. モノアルデヒドを反応させない、請求項1又は2に記載の方法。
  4. α−ジカルボニル化合物が、式I
    Figure 2019503420
    [式中、R1及びR2は、それぞれ互いに独立して、H原子、ヒドロキシル基又は炭素原子1〜20個を有する有機基である]で示される化合物であるか、該化合物の混合物である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. R1及びR2が、それぞれ互いに独立して、H原子又はヒドロキシル基である、請求項4に記載の方法。
  6. α−ジカルボニル化合物が、グリオキサール、グリオキシル酸又はそれらの混合物である、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. オリゴアミンが、式II
    Figure 2019503420
    [式中、nは2以上の整数であり、かつR3は任意のn価の有機基である]で示される化合物である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. オリゴアミンが、脂肪族又は芳香族のジアミン又はトリアミンである、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. オリゴアミンが、C2〜C20−アルキレンジアミンである、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. プロトン酸が、1より大きいpKaを有する酸である、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. プロトン酸が酢酸である、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 水、水混和性溶媒、又はそれらの混合物中で実施する、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
  13. 反応溶液のpH値が1〜6である、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
  14. プロトン酸を最初に反応器中に置き、オリゴアミンとα−ジカルボニル化合物と任意にモノアルデヒドとを、反応混合物の温度を30℃未満で維持する速度でプロトン酸に供給する、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
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