JP2013234207A - 新規重合体及び新規n−カルボキシアミノ酸無水物、ならびにそれらの製造方法 - Google Patents

新規重合体及び新規n−カルボキシアミノ酸無水物、ならびにそれらの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013234207A
JP2013234207A JP2010193291A JP2010193291A JP2013234207A JP 2013234207 A JP2013234207 A JP 2013234207A JP 2010193291 A JP2010193291 A JP 2010193291A JP 2010193291 A JP2010193291 A JP 2010193291A JP 2013234207 A JP2013234207 A JP 2013234207A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituent
formula
hydrocarbon group
amino acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010193291A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Endo
剛 遠藤
Koichi Koga
孝一 古賀
Atsushi Sudo
篤 須藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2010193291A priority Critical patent/JP2013234207A/ja
Priority to PCT/JP2011/069188 priority patent/WO2012029630A1/ja
Publication of JP2013234207A publication Critical patent/JP2013234207A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D263/00Heterocyclic compounds containing 1,3-oxazole or hydrogenated 1,3-oxazole rings
    • C07D263/02Heterocyclic compounds containing 1,3-oxazole or hydrogenated 1,3-oxazole rings not condensed with other rings
    • C07D263/30Heterocyclic compounds containing 1,3-oxazole or hydrogenated 1,3-oxazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D263/34Heterocyclic compounds containing 1,3-oxazole or hydrogenated 1,3-oxazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D263/44Two oxygen atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G69/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain of the macromolecule
    • C08G69/02Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids
    • C08G69/08Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids derived from amino-carboxylic acids
    • C08G69/10Alpha-amino-carboxylic acids

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Polyamides (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)

Abstract

【課題】新規の重合体、及び新規の化合物ならびにそれらを製造する方法を提供する。
【解決手段】下記式(A)で表わされる構造単位を有する重合体及び下記式(B)で表わされるN−カルボキシアミノ酸無水物、ならびにそれらの製造方法である。
Figure 2013234207

【選択図】なし

Description

本発明は、新規重合体及び新規N−カルボキシアミノ酸無水物、ならびにそれらの製造方法に関する。
アミノ酸−N−カルボキシ無水物は、アミノ酸からポリペプチドを合成するための中間原料として有用である。
当該アミノ酸−N−カルボキシ無水物の製造方法は古くから多くの製造方法が知られているが、最近、本発明者らは、アミノ酸又はそのエステルとジフェニルカーボネートとから得られるアミノ酸カーバメート化合物が、N−カルボキシアミノ酸無水物の合成原料として有用であることを見出し、特許出願した(特許文献1)。
特開2007−22932号公報
しかしながら、前記のN−カルボキシアミノ酸無水物の重合により得られるポリペプチドは通常のポリペプチドであり、さらに新たなポリペプチド型重合体の開発が望まれていた。
本発明の目的は、新規重合体及び新規N−カルボキシアミノ酸無水物、ならびにそれらの製造方法を提供することにある。
そこで本発明者らは、N−カルボキシアミノ酸無水物及びその重合体について種々検討してきたところ、置換カルバモイル基を有するα−アミノ酸誘導体を用いてアミノ酸カーバメート化合物を経由し、N−カルボキシアミノ酸無水物とし、これを重合させれば、生分解性、生体適合性等を有するポリアミド系樹脂として有用な置換カルバモイル基を側鎖に有する新規な重合体が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記式(A)で表わされる構造単位を有する重合体を提供するものである。
Figure 2013234207
(式(A)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示し、R3は、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を示す。)
また、本発明は、下記式(B)で表わされるN−カルボキシアミノ酸無水物を重合することを特徴とする、前記式(A)で表わされる重合体の製造方法を提供するものである。
Figure 2013234207
(式(B)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示し、R3は、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を示す。)
また、本発明は、下記式(B)で表わされるN−カルボキシアミノ酸無水物を提供するものである。
Figure 2013234207
(式(B)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示し、R3は、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を示す。)
また本発明は、下記式(C)で表わされるアミノ酸カーバメート化合物を環化することを特徴とする、前記式(B)で表わされるN−カルボキシアミノ酸無水物の製造方法を提供するものである。
Figure 2013234207
(式(C)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示し、R3は、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を示し、R4は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示す。)
。)
さらに本発明は、下記式(2)で表されるアミノ酸有機塩化合物と、式(3)で表される炭酸ジエステルとを反応させ、式(C)で表されるアミノ酸カーバメート化合物を得る工程を含む、前記式(B)で表わされるN−カルボキシアミノ酸無水物の製造方法を提供するものである。
Figure 2013234207
(式(2)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示し、R3は、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を示し、AX+は有機オニウムイオンを示す。)
Figure 2013234207
(式(3)中、R4及びR5はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示す。)
本発明の重合体は、ポリペプチド型重合体であり、側鎖に置換カルバモイル基を有することから、種々のポリアミド樹脂と同様の特性を有するとともに、生分解性、生体適合性を有し、生体材料等としても応用できる。
<本発明の重合体>
本発明の重合体は、下記式(A)で表わされる構造単位を有する。
Figure 2013234207
(式(A)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示し、R3は、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を示す。)
式(A)中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子又は置換基を有してもよい1価の炭化水素基であり、該置換基を有してもよい1価の炭化水素基としては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよい複素環基、又は置換基を有していてもよい複素環アルキル基等が挙げられる。これらの炭化水素基に置換し得る基としては、例えば、塩素、フッ素等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基及びアラルキルオキシカルボニル基、エポキシ基等が挙げられる。
上記R1及びR2中の置換基を有していてもよいアルキル基とは、アルキル基の任意の一部が置換されていてもよいアルキル基を意味し、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、好適な具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、トリクロロエチル基、メチルメルカプトエチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、メルカプトメチル基、メルカプトエチル基、メチルメルカプトエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノプロピル基、アミノブチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、ペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、−(CH23−NH−C(=NH)−NH2、−(CH23NH−CO−NH2等が挙げられる。
また、置換基を有していてもよいアルケニル基とは、アルケニル基の一部が置換されていてもよいアルケニル基を意味し、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基が好ましく、好適な具体例としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基およびオクテニル基等が挙げられる。
また、置換基を有していてもよいシクロアルキル基とは、シクロアルキル基の一部が置換されていてもよいシクロアルキル基を意味し、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましく、好適な具体例としては、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンチル基等が挙げられる。
また、置換基を有していてもよいアリール基とは、アリール基の任意の一部が置換されてもよいアリール基を意味し、好適な具体例としては、置換基を有していてもよいフェニル基が好ましく、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ベンジルオキシフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、ヒドロキシフェニル基、ニトロフェニル基等が挙げられる。
また、置換基を有していてもよいアリールアルキル基とは、アリールアルキル基の一部が置換されていてもよいアリールアルキル基を示し、好適な具体例としては、フルオレニルメチル基、ベンジル基、ニトロベンジル基、アミノベンジル基、ブロモベンジル基、メトキシベンジル基、ヒドロキシベンジル基、ジヒドロキシベンジル基、フェナシル基、メトキシフェナシル基、シンナミル基、フェネチル基等が挙げられる。
また、置換基を有していてもよい複素環基とは、複素環基の一部が置換されていてもよい複素環基を意味し、好適な具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチエニル基、ピペリジル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、ピロリル基、ピロリジニル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、フルフリル基、テニル基、ピリミジル基、ピラジル基、イミダゾイル基、インドリル基、イソキノリル基、キノリル基、チアゾリル基等が挙げられる。
また、置換基を有していてもよい複素環アルキル基とは、複素環アルキル基の一部が置換されていてもよい複素環アルキル基を意味し、好適な具体例としては、ピリジルメチル基、イミダゾリルメチル基、インドリルメチル基等が挙げられる。
式(A)中、R3は、置換基を有してもよい2価の炭化水素基であり、該置換基を有してもよい2価の炭化水素基としては、置換基を有していてもよいアルキレン基が挙げられる。これらの炭化水素基に置換し得る基としては、例えば、塩素、フッ素等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基及びアラルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
上記R3中の置換基を有していてもよいアルキレン基とは、アルキレン基の任意の一部が置換されていてもよいアルキレン基を意味し、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキレン基が好ましく、好適な具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、トリクロロエチレン基等が挙げられる。
1としては、置換基を有していてもよい1価の炭化水素基が好ましく、前に例示されたものが好ましい。R2としては、水素原子が好ましい。
また、R3としては、置換基を有していてもよいアルキレン基が好ましい。
また、本発明の重合体には、不斉炭素原子が存在するので、光学異性体が存在するが、本発明の重合体には、L−体、D−体及びラセミ体のいずれも含まれる。
本発明の重合体の重量平均分子量は、500〜500,000が好ましく、1,000〜100,000がより好ましい、分子量分布(Mw/Mn)は、1.1〜8.0が好ましく、1.3〜3.5がより好ましい。
重量平均分子量は、重合温度、触媒/開始剤の添加量により、また、分子量分布は原料と溶媒の量比、重合温度の段階的変化などにより、容易に調整することができる。
<本発明の重合体の製造方法>
本発明の重合体(A)は、下記式(B)で表わされるN−カルボキシアミノ酸無水物を重合することで得ることができる。
Figure 2013234207
(式(B)中、R1、R2及びR3は、上記式(A)中のR1、R2及びR3と同義である。)
本発明の上記式(B)で表わされる化合物を重合する反応は、溶媒存在下又は非存在下で行うことができるが、通常、溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤;メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;アセトニトリルなどのニトリル系溶剤;クロロホルム、ジクロルメタンなどのハロゲン系溶剤;テトラヒドロフラン、シクロペンタンモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤などが挙げられる
溶媒の使用量は、上記式(B)で表される化合物100重量部に対し、20〜2,000重量部が好ましく、100〜1,500重量部程度がより好ましい。20重量部未満では、上記式(B)で表される化合物が十分に溶媒に溶解しない場合があり、一方、2,000重量部を超えると、反応速度が低下する場合がある。
本発明の上記式(B)で表わされる化合物を重合する反応は、触媒存在下又は非存在下で行うことができるが、著しい反応速度の上昇及び反応温度の低下が可能となる点で、触媒存在下に行うことが好ましい。触媒としては、塩基性化合物であればなんら制限なく用いられるが、より好ましくは、モレキュラーシーブなどのゼオライト類;炭酸水素ナトリウムなどの塩基性アルカリ金属塩類;1級又は2級アミン化合物;トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどの3級アミン化合物;ピリジンなどの芳香族アミン化合物;メチルピロリドン、ポリビニルピロリドンなどのピロリドン化合物などが用いられる。
1級又は2級アミン化合物としては、炭素数1〜24の炭化水素基を有する1級又は2級アミン、環状アミン、芳香族アミン等が挙げられ、例えば、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエチレンテトラミン、アニリン、キトサン、末端アミノ基置換ポリエチレングリコール、末端アミノ基置換ポリプロピレングリコール、末端アミノ基置換液状ゴム類などが挙げられる。
上記触媒の添加量は、反応液中0.01重量%〜10重量%が好ましく、0.05重量%〜3重量%がより好ましい。
本発明の上記式(B)で表わされる化合物を重合する反応の反応温度は、0〜110℃が好ましく、10〜80℃がより好ましく、20〜70℃がさらに好ましい、反応時間は、0.1〜200時間が好ましく、0.5〜72時間がより好ましく、1〜48時間がさらに好ましい。
触媒存在下、反応温度が0℃未満では、反応が十分に進行せず、一方、110℃を超えると、原料である上記式(B)で表わされる化合物が分解する可能性がある。また、反応時間が0.1時間未満では、重合反応が十分に進行せず、一方、200時間を超えると、好ましくない2次的な反応が進行する場合がある。
<本発明のN−カルボキシアミノ酸無水物の製造方法>
上記式(B)で表されるN−カルボキシアミノ酸無水物は、下記式(C)で表されるアミノ酸カーバメート化合物を環化することで得ることができる。具体的には、例えば、下記式(1)で表わされるアミノ酸誘導体から得られる下記式(2)で表されるアミノ酸有機塩化合物と、式(3)で表される炭酸ジエステルとを反応させ、式(C)で表されるアミノ酸カーバメート化合物を得る工程、及び得られた当該アミノ酸カーバメート化合物を、例えば、上記特開2007−22932号公報等に記載の公知の方法により環化脱水し、上記式(B)で表されるN−カルボキシアミノ酸無水物を得る方法である。
Figure 2013234207
(式中、AX+は有機オニウムイオンを示し、R4及びR5はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい、1価の炭化水素を示し、R1、R2及びR3は前記式(A)中の同義である。)
以下、反応工程毎に説明する。
(第1工程)
第1工程は、式(1)で表わされる置換カルバモイル基(R1NHCO−)を有するアミノ酸と、AX・OHで表わされるカチオンのヒドロキシ化合物とを有機溶媒中で反応させて、式(2)で表わされるアミノ酸有機塩化合物を得る工程である。
式(1)で表わされるアミノ酸誘導体は、グルタミン酸等の酸性アミノ酸とアミン(例えばR1NH2)とを反応させる方法等公知の手段により製造することができる。
また、AX・OHで表わされるカチオンのヒドロキシ化合物としては、市販のヒドロキシ化合物を用いることできる。例えば第4級アンモニウムヒドロキシド、具体的には、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシドの他、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド、トリメチルスルホニウムヒドロキシド等を挙げることができる。従って、AX+としては、これらのカチオン、例えばテトラアルキルアンモニウム等の第4級アンモニウムイオンが挙げられる。
有機溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤;2−ブタノン、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;アセトニトリルなどのニトリル系溶剤;クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン系溶剤;テトラヒドロフラン、シクロペンタンモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤;メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤などが挙げられる。
なお、反応は、脱水剤の存在下で行うことが好ましい。脱水剤としては、モレキュラーシーブ4A、モレキュラーシーブ3A、又はモレキュラーシーブ5Aなどの合成ゼオライト、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム又は無水硫酸カルシウムなどを挙げることができる。反応は、通常、大気下で実施可能であるが、アルゴン、窒素などの不活性気体雰囲気下で実施するのが望ましい。なお、この反応は、常圧、減圧、加圧のいずれの状態でも実施可能である。また、反応温度としては、通常、−70℃〜120℃、好ましくは−10〜100℃の範囲から選択するのがよい。反応時間としては、通常、0.1〜100時間を要する。
式(2)で表されるアミノ酸有機塩化合物は他にも公知の方法によって製造できる。例えば、特開2004−269414号公報に記載の如く、カチオン部のAX+のハロゲン化物を水性溶媒に溶解させ、例えば、陰イオン交換樹脂を通し、ヒドロキシ化合物に交換し、これにアニオン部となるアミノ酸を添加して反応させることにより得られる。より具体的には、AX+のハロゲン化物1質量部を、水性溶媒に溶解させ、陰イオン交換樹脂を通して、ヒドロキシ化合物に変換し、これに、式(1)で表されるアミノ酸を約1〜1.1質量部、好ましくは約1.0質量部を添加し、得られた混合溶液を氷冷下撹拌し、溶媒を減圧留去し、残渣から適当な方法によって未反応のアミノ酸を除去し、所望のアミノ酸有機塩化合物を製造できる。
(第2工程)
第2工程は、式(2)のアミノ酸有機塩化合物と、式(3)の炭酸ジエステルとを反応させて、式(C)で表わされるアミノ酸カーバメート化合物を得る工程である。
第2工程に用いられる炭酸ジエステルを示す式(3)中の置換基を有していてもよい1価の炭化水素基としては、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアリールアルキル基が挙げられる。
これらの炭化水素基に置換し得る基としては、ニトロ基;塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原子;パーフルオロアルキル基(ここで、アルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖状、分枝状、環状の飽和及び不飽和アルキル基などが挙げられる。);パークロロアルキル基(ここで、アルキル基としては、パーフルオロアルキル基と同じものが挙げられる。)なおのハロゲン化アルキル基;エステル基;アセチル基、ベンゾイル基などの炭素数2〜15のアシル基;シアノ基等が挙げられ、ニトロ基、ハロゲン原子、ハロゲン置換アルキル基(ここで、アルキル基としては、パーフルオロアルキル基と同じものが挙げられる。)が好ましい。
上記「置換基を有していてもよいアルキル基」において、「アルキル基」としては、炭素数1〜20のアルキル基が挙げられるが、炭素数1〜10のアルキル基が特に好ましい。当該アルキル基としては、直鎖状、分岐状アルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基等が挙げられる。
上記「置換基を有していてもよいシクロアルキル基」において、「シクロアルキル基」としては、炭素数3〜20のシクロアルキル基が挙げられるが、炭素数3〜10のシクロアルキル基が特に好ましい。具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
上記「置換基を有していてもよいアルケニル基」において、「アルケニル基」としては、炭素数2〜18のアルケニル基が挙げられるが、炭素数2〜10のアルケニル基が特に好ましい。具体的には、ビニル基、プロペニル基、3−ブテニル等が挙げられる。
上記「置換基を有していてもよいシクロアルケニル基」において、「シクロアルケニル基」としては、炭素数5〜18のシクロアルケニル基が挙げられるが、炭素数5〜10シクロアルケニル基が特に好ましい。具体的には、シクロヘキセニル、シクロオクテニル、シクロドデセニル等が挙げられる。
上記「置換基を有していてもよいアリール基」において、「アリール基」としては、炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、炭素数6〜10のアリール基が特に好ましい。具体的には、フェニル、トリル、ナフチル等が挙げられる。
上記「置換基を有していてもよいアリールアルキル基」において、「アリールアルキル基」としては、炭素数7〜13のアリールアルキル基が挙げられるが、炭素数7〜9のアリールアルキル基が特に好ましい。具体的には、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル、ナフチルエチル等が挙げられる。
前記炭化水素基としては、置換基を有してもよいアリール基が好適に用いられる。炭酸ジエステルとして具体的には、ジフェニルカーボネート、ビス(4−ニトロフェニル)カーボネート、ビス(2−ニトロフェニル)カーボネート、ビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネート、ビス(2,4,6−トリニトロフェニル)カーボネート、ビス(ペンタフルオロフェニル)カーボネート、ビス(4−クロロフェニル)カーボネート、ビス(2,4−ジクロロフェニル)カーボネート、ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)カーボネート等が挙げられ、ジフェニルカーボネートが特に好ましく用いられる。
なお、上述した炭酸ジエステルは、公知の方法により製造でき、市販のものを使用できる。
第2工程において、式(2)で表されるアミノ酸有機塩化合物1モルに対する式(3)で表される炭酸ジエステルの使用量は、1〜10モルが好ましく、1〜3モルがより好ましい。
第2工程は、触媒存在下又は非存在下で行うことができ、また、通常、溶媒の存在下で行われる。
溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤;2−ブタノン、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;アセトニトリルなどのニトリル系溶剤;クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン系溶剤;テトラヒドロフラン、シクロペンタンモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤;メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤などが挙げられ、2−ブタノン、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、メタノール、エタノールが好ましく、2−ブタノン、アセトニトリル及びジクロロメタンがより好ましく、2−ブタノン及びアセトニトリルがさらに好ましい。
溶媒の使用量は、アミノ酸有機塩化合物と炭酸ジエステルの合計量100重量部に対し、通常、100〜3000重量部、好ましくは1000〜2000重量部である。
第2工程の反応温度は、−30℃〜35℃が好ましく、−20℃〜25℃がより好ましい。また、反応時間は、0.01〜15時間が好ましく、0.1〜8時間がより好ましい。
なお、式(C)で表されるアミノ酸カーバメート化合物の製造は、式(2)で表されるアミノ酸有機塩化合物の製造と1ポットで行うこともできる。
(第3工程)
第3工程は、式(C)のアミノ酸カーバメートを環化して式(B)のN−カルボキシアミノ酸無水物を得る工程である。
第3工程としては、特に限定されないが、N−カルボキシアミノ酸無水物(B)を高収率で得る観点から弱塩基性無機化合物あるいはプロトン酸の存在下で反応させることが好ましい。
用いられる弱塩基性無機化合物としては、結晶性アルミノケイ酸塩、炭酸水素ナトリウム、アルミナ、ゼオライト類、イオン交換樹脂、シリカゲル等の固体塩基化合物が挙げられる。具体例としてはモレキュラーシーブ、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。弱塩基性無機化合物の使用量は、アミノ酸カーバメート類(C)100重量部に対して1〜1000重量部、特に1〜10重量部が好ましい。
また、用いるプロトン酸としては、フェノール類、リン酸類、スルホン酸類、一般式(10)で表される化合物等が挙げられる。
10(C(R11)(R12))nCOOH (10)
(式中、R10、R11及びR12はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ケトン基、エステル基又はカルボキシル基を示し;nは0〜10の数を示す。ただし、n=0のとき、R10は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基である。)
このうち、フェノール類及び上記一般式(10)で表される化合物が好ましい。フェノール類としては、2,4−ジニトロフェノール、ペンタフルオロフェノール、シアノフェノール、(2−ブタノン)フェノール等の電子吸引性基置換フェノールが挙げられる。
一般式(10)において、R10、R11、R12で示されるアルキル基としては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖アルキル基が挙げられる。アリール基としては炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、フェニル基、ナフチル基等が好ましい。ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。アルコキシ基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖アルコキシ基が挙げられる。アリールオキシ基としては炭素数6〜14のアリールオキシ基が挙げられ、フェノキシ基等が好ましい。アルキル基又はアリール基上に置換し得る基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、シアノ基、アルコキシ基等から選ばれる1〜5個が挙げられる。
一般式(10)で表される化合物において、好ましくはR10、R11、R12はそれぞれ独立して水素原子及び置換基を有していてもよいアリール基から選択され、nは0又は1である。さらに、n=0の場合にはR10は置換基を有していてもよいフェニル基であり、n=1の場合にはR10、R11、R12はそれぞれ独立して水素原子又は置換基を有していてもよいフェニル基であることが特に好ましい。具体的には安息香酸、p−ニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、2,4−ジニトロ安息香酸、フェニル酢酸、ジフェニル酢酸等が好適に用いられる。
リン酸類としてはリン酸、亜リン酸、次亜リン酸などが挙げられる。
スルホン酸類としては、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸などが挙げられ、具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸が好適に用いられる。
プロトン酸の使用量は、アミノ酸カーバメート類(C)1モルに対して、0.1〜10モル、特に0.5〜10モルが好ましい。
本反応において、弱塩基性無機化合物が触媒として作用し、プロトン酸がアミノ酸−N−カルボキシ無水物の分解を抑制するものと考えられる。
反応は有機溶媒中で行うのが好ましい。本発明で使用できる有機溶媒を具体的に例示すると、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルカーボネートなどのカーボネート類;ヘキサン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素類などが挙げられる。有機溶媒の使用は必須ではなく、使用量の制限は特に無い。またこれらの溶媒は単一で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。
アミノ酸カーバメートを環化させる工程における反応条件は特に限定されない。反応は、通常、大気下で実施可能であるが、使用する化合物や生成物が水分により分解するため、アルゴン、窒素などの不活性気体雰囲気下で実施するのが望ましい。なお、この反応は、常圧、減圧、加圧のいずれの状態でも実施可能である。反応温度としては、通常、−70℃〜120℃、好ましくは−10〜100℃の範囲から選択するのがよい。反応時間は、通常、0.1〜100時間を要する。
目的化合物は、ろ過、洗浄、乾燥、再結晶、遠心分離、活性炭処理、各種溶媒による抽出、クロマトグラフィー等の通常の手段を適宜組み合わせて、反応系から、単離、精製することで分離することができる。
(合成例1−1) N5−フェニル−L−グルタミンの合成
L−グルタミン酸(10.0g,68.0mmol)に、p−トルエンスルホン酸1水和物(19.4g,102mmol)トリクロロエタノール(15.2g,102mmol)およびトルエン(200mL)を加え140℃で、10時間攪拌し、ろ過して、下記式(a)で表わされる化合物のp−トルエンスルホン酸塩を得た。
得られた下記式(a)で表わされる化合物のp−トルエンスルホン酸塩(18.03g,40.0mmol)を2−プロパノール(200mL)に懸濁させ、トリエチルアミン(4.86g,48.0mmol)の2−プロパノール(20mL)溶液を加え10分間撹拌し、ろ過して式(a)のグルタメートを得た。これをアニリン(3.72g,40.0mmol)を含むジクロロメタン中で40℃で3時間反応した。TLC(EtOAc/Hexane/MeOH=5/5/1)で反応追跡をおこない、反応終了後濃縮し、生成物16.86gを回収し、これを再沈で精製し、N5−フェニル−L−グルタミンを白色固体として得た。(82%,7.76g,mp:209−211℃(文献値 m.p.:210−211℃)
Figure 2013234207
(合成例1−2) N5−フェニル−L−グルタミンテトラブチルアンモニウム塩の合成
N5−フェニル−L−グルタミン(0.489g,2.2mmol)をイオン交換水10mLに懸濁させ、これにテトラブチルアンモニウムヒドロキシド38.7%含有メタノール溶液(1.334g,2.0mmol)、メタノール10mLを加え、室温で1時間攪拌した。TLCの追跡ではアニリンのスポットは確認されなかった。濃縮後、アセトニトリルを加え、析出した過剰分のN5−フェニル−L−グルタミンを除去した。得られたろ液を濃縮しN5−フェニル−L−グルタミンのテトラブチルアンモニウム塩を固体として得た。(94%,0.871g)
1H−NMR(CDCl3)1.00(t,12H),1.44(m,8H),1.65(m,8H),2.02−2.16(m,1H),2.28−2.40(m,1H),2.48−2.73(m,2H),3.3(m,8H),3.62(m,1H),5.91(d,1H),7.26−7.40(m,5H).
(合成例1−3) N5−フェニル−L−グルタミン−N1−フェニルカーバメートの合成
ジフェニルカーボナート(0.370g,1.73mmol)のアセトニトリル溶液(7.3ml)にN5−フェニル−L−グルタミンテトラブチルアンモニウム塩(0.800g,1.73mmol)のアセトニトリル溶液(10mL)を加え反応開始した。TLC(Hexane/EtOAc=3/1)により反応の進行を確認した。反応開始5分後にジフェニルカーボナートの消失が確認され、1N HClを加え反応を停止した。濃縮後、抽出、洗浄及び乾燥し、生成物を得た。次にカラムクロマトグラフィーにより精製を行うことでN5−フェニル−L−グルタミン−N1−フェニルカーバメートを得た。単離収量:521.2mg、単離収率:88%であった。
(合成例1−4) N5−フェニル−L−グルタミン−N1−カルボキシ無水物の合成
窒素雰囲気下、ジムロート冷却管を取り付けた100mL容量の二口丸底フラスコにN5−フェニル−L−グルタミン−N1−フェニルカーバメート514mg(1.5mmol)とジフェニル酢酸313mg(1.5mmol)、2−ブタノン15mLを入れ、80℃で20時間撹拌した。次にカラムクロマトグラフィーにより精製を行うことでN5−フェニル−L−グルタミン−N1−カルボキシ無水物を得た。単離収量:283.0mg、単離収率:76%であった。
(合成例1−5) ポリ(N5−フェニル−L−グルタミン)の合成
窒素雰囲気下、重合管にN5−フェニル−L−グルタミン−N1−カルボキシ無水物140mg(0.5mmol)とジクロロエタン0.5mLを入れ、重合開始剤としてn−ブチルアミン(0.025mmol、5mol%)を加え、30℃で3時間撹拌した。反応終了後、メタノールーヘキサンで再沈殿を行うことで白色沈殿としてポリ(N5−フェニル−L−グルタミン)を得た。得られた生成物のIRにより分析したところ、ポリペプチド鎖の主鎖のアミド結合及び側鎖のアミド基の存在を示す吸収がそれぞれ1665cm-1及び1683cm-1に現われ、ポリ(N5−フェニル−L−グルタミン)が得られたことを確認した。
得られたポリペプチドはジメチルスルホキシドなどの高極性溶媒にも不溶であり、さらにトリフルオロ酢酸を添加しても溶解しなかったことから、アミド基間の水素結合及びフェニル基のスタッキングによる強固なネットワーク構造の形成が示唆された。

Claims (5)

  1. 下記式(A)で表わされる構造単位を有する重合体。
    Figure 2013234207
    (式(A)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示し、R3は、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を示す。)
  2. 下記式(B)で表わされるN−カルボキシアミノ酸無水物を重合することを特徴とする、請求項1に記載の重合体の製造方法。
    Figure 2013234207
    (式(B)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示し、R3は、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を示す。)
  3. 下記式(B)で表わされるN−カルボキシアミノ酸無水物。
    Figure 2013234207
    (式(B)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示し、R3は、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を示す。)
  4. 下記式(C)で表わされるアミノ酸カーバメート化合物を環化することを特徴とする、請求項3記載のN−カルボキシアミノ酸無水物の製造方法。
    Figure 2013234207
    (式(C)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示し、R3は、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を示し、R4は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示す。)
    。)
  5. 下記式(2)で表されるアミノ酸有機塩化合物と、式(3)で表される炭酸ジエステルとを反応させ、式(C)で表されるアミノ酸カーバメート化合物を得る工程を含む
    請求項4記載のN−カルボキシアミノ酸無水物の製造方法。
    Figure 2013234207
    (式(2)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示し、R3は、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を示し、AX+は有機オニウムイオンを示す。)
    Figure 2013234207
    (式(3)中、R4及びR5はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示す。)
JP2010193291A 2010-08-31 2010-08-31 新規重合体及び新規n−カルボキシアミノ酸無水物、ならびにそれらの製造方法 Pending JP2013234207A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010193291A JP2013234207A (ja) 2010-08-31 2010-08-31 新規重合体及び新規n−カルボキシアミノ酸無水物、ならびにそれらの製造方法
PCT/JP2011/069188 WO2012029630A1 (ja) 2010-08-31 2011-08-25 新規重合体及び新規n-カルボキシアミノ酸無水物、ならびにそれらの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010193291A JP2013234207A (ja) 2010-08-31 2010-08-31 新規重合体及び新規n−カルボキシアミノ酸無水物、ならびにそれらの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013234207A true JP2013234207A (ja) 2013-11-21

Family

ID=45772722

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010193291A Pending JP2013234207A (ja) 2010-08-31 2010-08-31 新規重合体及び新規n−カルボキシアミノ酸無水物、ならびにそれらの製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2013234207A (ja)
WO (1) WO2012029630A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018109139A (ja) * 2016-12-29 2018-07-12 大東樹脂化学股▲ふん▼有限公司 芳香族カルバメートを利用してイソシアネートを前駆体とする触媒される熱反応経路を経由してアミド或いはポリアミドを調製する方法及び芳香族アミンから芳香族カルバメート前駆体を調製する方法。

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4458078A (en) * 1978-11-14 1984-07-03 Fujisawa Pharmaceutical Company, Ltd. Oxazole derivatives
JP4734754B2 (ja) * 2001-04-27 2011-07-27 Jsr株式会社 アミノ酸n−カルボキシ無水物の製造方法およびポリアミノ酸の製造方法
JP3627015B2 (ja) * 2001-10-25 2005-03-09 国立大学法人京都大学 ポリアミノ酸
CN100475269C (zh) * 2002-03-05 2009-04-08 北京键凯科技有限公司 亲水性聚合物-谷氨酸寡肽与药物分子的结合物、包含该结合物的组合物及用途
CN100415801C (zh) * 2003-10-28 2008-09-03 北京键凯科技有限公司 聚乙二醇氨基酸n-内环羰酐活性衍生物及其药物键合物和凝胶
FR2873704B1 (fr) * 2004-07-30 2006-12-08 Flamel Technologies Sa Polyaminoacides fonctionnalises par des greffons hydrophobes portant une charge anionique et leurs applications notamment therapeutiques
JP4803352B2 (ja) * 2005-07-13 2011-10-26 Jsr株式会社 アミノ酸−n−カルボキシ無水物の製造方法
FR2915748B1 (fr) * 2007-05-03 2012-10-19 Flamel Tech Sa Acides polyglutamiques fonctionnalises par des groupes cationiques et des groupements hydrophobes et leurs applications, notamment therapeutiques

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018109139A (ja) * 2016-12-29 2018-07-12 大東樹脂化学股▲ふん▼有限公司 芳香族カルバメートを利用してイソシアネートを前駆体とする触媒される熱反応経路を経由してアミド或いはポリアミドを調製する方法及び芳香族アミンから芳香族カルバメート前駆体を調製する方法。

Also Published As

Publication number Publication date
WO2012029630A1 (ja) 2012-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2617752B1 (en) Composition usable as thermal-latent polymerization initiator
US8487134B2 (en) Process for the synthesis of amphetamine derivatives
US9643948B2 (en) 2-oxo-1,3-dioxolane-4-acyl halides, their preparation and use
Mommer et al. A novel multifunctional coupler: The concept of coupling and proof of principle
US9926288B2 (en) Five-membered cyclic biscarbonates bearing amide linkages, their preparation and their uses for the preparation of polymers
JP4980369B2 (ja) ホスホニウム塩、アルキレンオキシド化合物重合触媒およびポリアルキレンオキシドの製造方法
JP5545215B2 (ja) N−カルボキシアミノ酸無水物及びアミノ酸カーバメート化合物の製造方法
JP2013234207A (ja) 新規重合体及び新規n−カルボキシアミノ酸無水物、ならびにそれらの製造方法
WO2018180917A1 (ja) 末端に複数の水酸基を有するポリオキシエチレン誘導体の製造方法
AU2016282673B2 (en) Polymerization of silyl- and fluoro-containing monomers
US10947191B2 (en) Process for the preparation of glycopyrrolate tosylate
KR20210011955A (ko) 적어도 하나의 4-(2-옥시에틸리덴)-1,3-디옥솔란-2-온 단위를 포함하는 단량체 및 그의 용도
JPS6343402B2 (ja)
JP6766432B2 (ja) ポリアミノ酸の製造方法
KR20140124880A (ko) 다이(아미노구아니듐) 4,4’,5,5’-테트라나이트로-2,2’-바이이미다졸 및 이의 제조 방법
JP2022060897A (ja) Abac型モノマー配列を有するポリヒドロキシウレタンの製造方法
JP2021178775A (ja) スピロ構造を有する二官能性環状カーボナートの製造方法及びポリヒドロキシウレタンの製造方法
AU2021297806A1 (en) Process for synthesizing cationic lipids
JP2000246113A (ja) 潜伏性触媒の製造方法
JP2018184547A (ja) 保護基が導入されたポリアミド樹脂
JP2002205982A (ja) 芳香族ジカルボン酸ジアリールアミドスルホン酸塩およびその製造方法
JP2012077052A (ja) アミノ酸−n−カルボキシ無水物の製造方法
JPS63165354A (ja) 不斉シアンヒドリンの製造法
JP2001181264A (ja) 脂環基含有化合物及びその製造方法
JP2009029775A (ja) アミノ酸−n−カルボキシ無水物の製造法