JP3626898B2 - 固形物分離装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は固形物分離装置に関し、さらに詳しくは固形物を含んだ液体から固形物と液体を分離し、その内、少なくとも固形物を回収する固形物分離装置に関する。
【0002】
【従来技術】
塗装業界において有機溶剤は、多くの工程に使用され、この有機溶剤を含む廃棄物の処理が重要な問題となっている。このため、例えば、薄膜蒸留機を用いた廃棄物処理装置が提案されている。以下、この従来の廃棄物処理装置の処理動作について説明する。
【0003】
まず、廃棄物は、装置の上部から、真空ポンプにより減圧状態に保たれた円筒状のケーシング内部へ供給される。ここで、ケーシングの外部には、中空のジャケットが設けられ、加圧蒸気によリケーシング内部が加熱され、また、ケ―シング内部には、複数のスクレーパを取り付けたシャフトが回転している。従って、シャフトの遠心力により、廃棄物は加熱されたケ−シング内壁に薄膜状態で塗布され、ケーシング内部の減圧及び加熱により、廃棄物から溶剤が蒸発する。最後に乾燥した固形物が回転するスクレーパにより剥離され、ケーシング下部から排出される。
上記従来技術以外にも、減圧状態で加熱することにより、廃棄塗料のような固形物を含んだ液体から固形物と液体を分離して、固形物を回収する装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記固形物分離装置では、下記のような課題がある。
分離された固形物を固形物排出口から排出するときに、分離装置内は減圧状態であるから、一度、固形物排出口を大気圧状態にした後、固形物を取り出すことが必要になる。このため分離装置内を減圧状態にした後、大気圧状態にする手間がかかり、生産性が悪い。
【0005】
分離装置内部を大気圧に戻さずに固形物を排出するには、分離手段の排出口にパイプを接続し、該パイプに間隔を開けて上下に2個の弁を設け、分離装置から排出時には下側の弁を閉じた状態で上側の弁を開いて前期上下弁間のパイプ内に固形物をいったん保持し、次いで上側の弁を閉じて下側の弁を開くことにより前記パイプ内より固形物を回収する方法があるが、前記パイプ内が減圧状態で下側の弁を開いた場合、急激に空気が吹き込み蓄積した固形物が舞い上がって容易に排出できなくなったり、下側の弁を開く際にトルクが大きくなって操作が難しく、場合によっては下側の弁のシール部分が破損することがある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、上記課題を解決できる、固形物分離装置を提供することにある。
具体的な目的の一例を示すと、以下の通りである。
(a)加熱かつ減圧条件下で固形物の分離を行う固形物分離装置において分離手段内の減圧状態を維持したままで、固形物を取り出すことができるようにする。
(b)分離手段から連続的に固形物を取り出すことができるようにする。
(c)固形物分離装置のメンテナンスにかかる労力を少なくして、長期間安定して、運転できるようにする。
なお、上記に記載した以外の発明の課題及びその解決手段は、後述する明細書内の記載において詳しく説明する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明を、例えば、本発明の実施の形態を示す図1から図5に基づいて説明すると、次のように構成したものである。
第1発明は、固形物を含む液体又はスラリーを供給口T1から供給し、該液体を減圧条件下で加熱、攪拌して液体を蒸発させて固形物と分離し、少なくとも固形物を固形物排出口T2から回収する固形物分離装置において、
前記固形物排出口T2に固形物回収通路7を接続し、その固形物回収通路7に、固形物排出口T2側から順に第1保護弁9、第1気密弁10、第1蓄積部15、第2保護弁12、第2気密弁13を設け、前記第1蓄積部15には、気体供給口18が設けられるとともに減圧装置20が接続されて減圧状態と大気圧状態とを選択できるように構成したことを特徴とする。
【0008】
第2発明は、固形物排出口T2より下流側で第1気密弁10より上流側に第2蓄積部16を設け、少なくとも第1蓄積部15に蓄積された固形物を排出する時間中、固形物排出口T2から排出される固形物を第2蓄積部16に蓄積するように構成したことを特徴とする。
【0009】
第3発明は、第1保護弁9と第1気密弁10の組、第2保護弁12と第2気密弁13の組において、保護弁9・12上に蓄積された固形物を開弁により下流側へ移動させる場合は、気密弁、保護弁の順に開弁動作を行い、固形物回収通路7内を固形物が移動しているときに閉弁する場合は、保護弁、気密弁の順に閉弁動作を行うことを特徴とする。
【0010】
第4発明は、前記第1蓄積部15の容積を第2蓄積部16の容積よりも大きく構成したことを特徴とする。
【0011】
さらに、上記発明の構成について説明する。
前記固形物を含んだ液体としては、スラリー物や、液体を含んだ廃棄物などが例示できる。液体を含んだ廃棄物としては、廃棄塗料、活性汚泥などが例示できる。
分離手段としては、後述する図5で示されるスクリュー羽根24・25を供えたものや、公知の分離機構が採用できる。
なお、固形物回収通路7内の固形物の移動は重力によって行うことが好ましく、さらに、固形物回収通路7を鉛直に設け、固形物排出口T2から排出された固形物が自然落下して固形物回収通路7の出口から排出できる構成が好ましい。重力によって固形物の移動を行うことにより、搬送手段等を不要とすることも可能であり、これにより安価に構成することができる。
【0012】
第2発明の形態としては、固形物排出口T2から排出される固形物を最初に第1蓄積部15に蓄積し、少なくとも第1蓄積部15に蓄積された固形物を排出する時間中、固形物排出口T2から排出される固形物を第2蓄積部16に蓄積する形態が好ましい。
但し、固形物排出口T2から排出される固形物を最初に第2蓄積部16に蓄積した後、第1気密弁10を開いて、第2蓄積部16に蓄積された固形物を減圧状態の第1蓄積部15へ移動させ、その後、第1気密弁10を閉じて第1蓄積部15を大気圧状態にした後、第2気密弁13を開けて固形物を排出する構成も適宜採用できる。
【0013】
また、上記第1蓄積部15に蓄積された固形物を排出する時間中に加えて、第1蓄積部15を大気圧状態から減圧状態に移行する時間中(例えば、図4(E)参照)も、固形物排出口T2から排出される固形物を第2蓄積部16に蓄積するように構成することで、分離手段2から常時、連続して固形物を排出することができる。
第4発明において、第1蓄積部15の容積は第2蓄積部16の容積の2倍程度に設定することが好ましい。
【0014】
【作用及び効果】
第1発明において、前記固形物排出口T2から固形物を排出回収する場合、第2気密弁13を閉じた状態で第1気密弁10を開けると減圧状態の第1蓄積部15に固形物が落下蓄積する。固形物が所定量たまると、第1気密弁10を閉じ固形物が存在する第1蓄積部15内に気体供給口18から気体を供給して大気圧状態にする。
次いで、第1気密弁10を閉じた状態で第2気密弁13を開けると第1蓄積部15内に固形物は大気圧下の外部に排出される。
このように、固形物の排出を、第1蓄積部15内を減圧状態から大気圧状態にすることにより、固形物は舞い上がることなく容易に排出される。
固形物が排出されると、第1気密弁10を閉じた状態で第2気密弁13を閉じて第1蓄積部15内を減圧装置20により減圧状態に戻す。以後この操作を繰り返す。
また、第1気密弁の上流側に第1保護弁、第2気密弁の上流側に第2保護弁をそれぞれ配置してあることから、この第1保護弁、第2保護弁の存在により第1気密弁、第2気密弁の気密作用が低下することを抑制できるので、第1気密弁、第2気密弁の気密性を維持するためのメンテナンスにかかる労力を少なくすることができ、長期間安定して、運転できる。
【0015】
第2発明であれば、少なくとも第1蓄積部に蓄積された固形物を排出する時間中、固形物排出口から排出される固形物を第2蓄積部で蓄積するように構成したので、第1蓄積部に蓄積された固形物を排出する時間中においても分離手段2の固形物排出口から固形物を排出し続けることができる。
【0016】
第3発明であれば、上記のように開弁動作及び閉弁動作を行うことにより気密弁に固形物が付着する可能性を低減することができる。
第4発明であれば、前記第1蓄積部の容積を第2蓄積部の容積よりも大きく構成してあるので、第2蓄積部に蓄積された固形物を第1蓄積部に移動させる場合に、気密弁、保護弁において移動に伴う衝撃等の負担を小さくできる。
【0017】
【実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の第1実施形態を示す図である。この第1実施形態では、固形物分離装置を含む装置の一例として、廃棄物処理装置が示してある。
この廃棄物処理装置は、塗料生産設備から排出される液体状又はスラリー状の廃棄物、例えば、廃棄塗料、廃棄溶剤、濃縮廃棄溶剤、廃棄ワニス等を処理する場合に使用される。
【0018】
図1に示すように、廃棄物処理装置は、調整槽1、分離機構を駆動するモータMを備える分離手段2、コンデンサ3、溶剤回収槽4、固形物回収槽5、原料供給ポンプP1、真空ポンプP2、溶液回収ポンプP3、固形物回収通路7から構成してある。
分離手段2はケーシング内に分離機構を配設し、そのケーシングに供給口T1と、分離された固形物を排出する固形物排出口T2と、液体成分を含んだ気体を排出する通気口T3を備えている。
【0019】
分離手段2の供給口T1には原料供給ポンプP1を介して調整槽1が接続してある。分離手段2の通気口T3はコンデンサ3に接続してある。コンデンサ3は真空ポンプP2に接続されるとともに、溶剤回収ポンプP3を介して溶液回収槽4に接続される。
分離手段2の固形物排出口T2は、固形物回収通路7を介して固形物回収槽5に接続してある。なお、図1中の実線の矢印は、所定の配管を示している。
【0020】
まず、上記のように構成された廃棄物処理装置の、全体的な作用について説明する。
調整槽1は液体状又はスリラー状の廃棄物を所定の固形分濃度、例えば、固形分濃度30〜50%に調整する。原料供給ポンプP1は、所定の固形分濃度に調整された廃棄物を調整槽1から分離手段2へ送る。真空ポンプP2は、コンデンサ3を介して分離手段2の内部を高真空状態、例えば6.7〜13.3kPaに保持する。分離手段2は供給口T1から調整槽1で固形分濃度が調整された廃棄物を供給され、後述する分離機構により、真空状態で加熱及び攪拌しながら、廃棄物から溶剤を揮発化させるとともに供給口T1から固形物排出口T2まで廃棄物を搬送し、固形物と揮発化された溶剤に分離する。
コンンデンサ3には通気口T3を介して分離手段2内で揮発化した溶剤が供給され、揮発化した溶剤を液化させる。溶剤回収ポンプP3は液化された溶剤を溶剤回収槽4に送り、溶剤が回収される。
【0021】
次に、固形物回収通路7の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、固形物回収通路7は、固形物排出口T2に接続された第1排出パイプ8と、第1排出パイプ8の下端部に設けられた第1保護弁9と、第1保護弁9の下流に設けられた第1気密弁10と、その第1気密弁10の下流側に接続された第2排出パイプ11と、第2排出パイプ11の下端部に設けられた第2保護弁12と、第2保護弁12の下流に設けられた第2気密弁13とを含んで構成してある。
【0022】
第1保護弁9は、第1気密弁10の気密シール面に固形物が付着することを抑制して第1気密弁10を保護するために設けられ、第2保護弁12は、第2気密弁13の気密シール面に固形物が付着することを抑制して第2気密弁13を保護するために設けられている。
第1気密弁10は、第2排出パイプ11内を大気圧状態にする場合に、第1気密弁10より上流側を減圧状態に維持するための弁である。第2気密弁13は第1気密弁10より下流側で第2気密弁13より上流側の空間、この実施形態の場合では第2排出パイプ11内を減圧状態に維持するための弁である。また、この第2気密弁13は第1気密弁10を開弁して第1排出パイプ8内の空間と第2排出パイプ11内の空間とが連通した状態において、第1排出パイプ内の空間と第2排出パイプ内11の空間とを減圧状態に維持するための弁である。
【0023】
また、この実施形態では、第1排出パイプ8内の空間が前述の第2蓄積部16を構成し、第2排出パイプ11内の空間が前述の第1蓄積部15を構成する。
第1排出パイプ8の所定位置には、レベルセンサーS1を設置してある。このレベルセンサーS1は、第1保護弁9と第1気密弁10が開いて、第1排出パイプ8内の固形物が落下すべきものが、第1排出パイプ8内に残留した場合に、この残留状態を検出するためのものである。第1保護弁9と第1気密弁10が開いて一定時間が経過した後も第1排出パイプ8内に固形物を検出した場合は、所定の警報装置(警報サイレン、警報ランプ等)により警報を発するように構成してある。
第2排出パイプ11にも同様のレベルセンサーS2を設置してある。
【0024】
第2排出パイプ11には、空気や窒素を供給する気体供給口18に接続された気体供給装置19と、第2排出パイプ11内を減圧する真空ポンプ等の減圧装置20が接続してあり、第2排出パイプ11内を減圧状態と大気圧状態に選択できるようにしてある。この実施形態では第2排出パイプ11に気体排出口を設けて減圧装置20を接続したが、気体供給口18に接続されている気体配管に三方弁等の切換え弁を接続し、切換え弁の一方ポートを気体供給装置19に、他方ポートを減圧装置20にそれぞれ連通接続するようにしてもよい。
【0025】
第1・第2保護弁9・12と第1・第2気密弁10・13は、排出パイプの通路面積を保護弁や気密弁で小さくしないため弁体の口径を排出パイプ口径と等しいもので構成してある。また、通路部分に弁体の回動軸及び開弁姿勢にある弁体が突出しないような構成にしてある。
なお、実機においては、保護弁として大阪機器製造株式会社のカットオフバルブを使用し、気密弁には同社製の無摺動式ボールフラップ弁を使用したが、前記形式に限定されない。
【0026】
図3及び図4を参照しつつ、固形物の回収処理を弁の開閉動作を中心にして説明する。なお、図3及び図4では、弁が閉じている状態は×印で示してある。
まず、図3(A)に示すように、第2気密弁13より上流側を減圧状態にした状態から、第1保護弁9、第1気密弁10を開け、かつ第2保護弁12、第2気密弁13を閉じた状態で、分離手段2の固形物排出口T2(図2参照)からほぼ単位時間当たり一定量で排出される固形物を、第2排出バルブ11中の第2保護弁12上に蓄積させる。
【0027】
次に、図3(B)に示すように、一定時間経過後、ほぼ定量の固形物が第2保護弁12上に蓄積されたときに、第1保護弁9、第1気密弁10を閉じた状態にする。このとき、第1気密弁10の気密シート面上に上流から落下する固形物を付着させないために、第1保護弁9、第1気密弁10の順で閉弁動作を行う。第2保護弁12上に蓄積される固形物の量は、自重により固形物が固まったり、橋形になって排出パイプの通過を妨げることを生じさせない量とする。
第1保護弁9、第1気密弁10を閉じた状態にした時から、分離手段2から連続的に排出される固形物は、閉じられた第1保護弁9上に蓄積される。
【0028】
次に、図3(B)に示した状態では、第2排出パイプ11内は減圧状態であるから、図3(C)に示すように、気体供給口18から空気、窒素ガス等を供給し、第2排出パイプ11内を大気圧状態とする。
次に、第2排出パイプ11内が大気圧状態になったことを確認した後、図4(D)に示すように、第2気密弁13、第2保護弁12を開いた状態にする。このとき、第2気密弁13の気密シート面上に上流から落下する固形物を付着させないために、第2気密弁13、第2保護弁12の順で開弁動作を行う。
第2気密弁13、第2保護弁12を開いた状態にすることにより、第2排出パイプ11内の固形物は重力により所定の固形物回収槽5(図2参照)に回収される。
【0029】
次いで、固形物の排出処理が終了した後、図4(E)に示すように、第2保護弁12、第2気密弁13の順で弁を閉じる。このとき、第2排出パイプ11内は大気圧状態のため、減圧装置20(図2参照)を駆動して、第2排出パイプ11内を分離手段2の減圧状態と同じ程度に減圧する。
【0030】
次いで、第2排出パイプ11内の真空度が分離手段内の真空度と同じになったことを確認して、第1気密弁10、第1保護弁9の順で弁を開く。すると、第1保護弁9、第1気密弁10を閉じた状態(前のステップにおける図3(B)の状態)から開くまでの間に、図4(E)に示すように固形物が第1保護弁9上に蓄積されているので、第1気密弁10、第1保護弁9を開くことにより、その蓄積された固形物を第2保護弁12上に落下させる。同時に、分離手段から排出されている固形物も第2保護弁12上に落下し、蓄積される。
その後は、第1保護弁9、第1気密弁10を閉じれば、図3(B)の状態になるので、以下、同様の処理を続ければ良い。
上記のような弁の開閉動作及び第2排出パイプ11内の圧力の調整動作によって、分離手段の固形物排出口から、常時、連続して固形物を排出することができる。
【0031】
なお、第2排出パイプ11内の圧力の調整処理に要する時間を考慮して上記図3及び図4の処理が良好に行えるように、固形物排出口からの単位時間当たりの排出量、第1排出パイプ8の容量、第2排出パイプ11の容量を適宜設定することは、言うまでもない。
【0032】
図5は図1に示す分離手段内部の構成を示す概略図であり、以下、図5を参照しつつ分離手段の具体的構成について説明する。
図5に示すように、分離手段は、中空構造を有するケーシング21と、一対の中空シャフト22・23、一対の中空スクリュー羽根24・25を備える。中空シャフト22・23はケーシング21の内部に回転可能にかつ平行に水平設置され、互いに反対方向に回転する。中空スクリュー羽根24・25は、互いに噛み合うように対応する中空シャフト22・23に配設され、その内部が中空シャフト22・23の内部に連通している。
【0033】
ケーシング21の内部は、上記のように高真空状態に維持され、中空シャフト22・23及び中空スクリュー羽根24・25の内部並びにケーシング21の中空部には、加熱媒体、例えば、150〜200℃の熱媒オイルが図示しない熱媒装置から供給される。分離手段2内に供給された廃棄物は、中空スクリュー羽根24・25の回転により上流側から下流側へ、即ちその位相進行方向(図5中左側から右側の方向)へ送られながら攪拌される。このとき、廃棄物は高真空の状態で、中空シャフト22・23及び中空スクリュー羽根24・25の内部並びにケーシング21の中空部を流れる加熱媒体により加熱され、廃棄物から溶剤が揮発する。この結果、高真空かつ高温で効率良く溶剤を揮発化させるとができるとともに、溶剤が揮発化して固形分濃度が高くなっても一対の中空スクリュー羽根24・25により十分に攪拌しながら、最終的に乾燥した固形物とすることができ、固形分濃度が高い廃棄物でも十分に固形物と溶剤とに分離して処理することができる。
【0034】
なお、中空スクリュー羽根24・25の外周縁の所定角度毎に接線方向の弦月状の切欠部を設けてもよい。この場合、中空スクリュー羽根24・25の上部の廃棄物は、一方の中空スクリュー羽根の切欠部が他方の中空スクリュー羽根の谷部と対向するとき、この切欠部から中空スクリュー羽根24・25の下部に流れ込み、廃棄物の搬送が一時的に停止される。停止された廃棄物は、搬送されることなく、一方の中空スクリュー羽根が一回転した後、切欠部のない部分より後方から搬送される廃棄物により押し出され、さらに前方に搬送される。この結果、廃棄物の分離手段内の滞留時間を十分に取ることができ、廃棄物を十分に固形物と溶剤に分離することができる。
【0035】
また、上記の切欠部の回転方向後方の中空スクリュー羽根24・25の外周面上にスクレーパ用の突起を設けてもよい。この場合、ケーシング1の内周面に押し付けられる廃棄物は、この突起により掻き取られ、中空スクリュー羽根24・25の外周面に対する廃棄物の摩擦は、突起のない場合に比較して低減され、装置の信頼性及び寿命を向上させることができる。
【0036】
さらに、第1排出パイプ8及び第2排出パイプ11に配置するレベルセンサーS1、S2としては、静電容量型レベルセンサー、振動型レベルセンサー、放射線型レベルセンサー、音叉型レベルセンサー等のレベルセンサーを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す図であり、廃棄物処理装置のブロック図である。
【図2】図2は固形物分離装置に係る固形物回収通路の一部切欠正面図である。
【図3】図3(A)(B)(C)はそれぞれ固形物を回収通路を介して排出する過程を示す図である。
【図4】図4(D)(E)はそれぞれ固形物を回収通路を介して排出する過程を示す図である。
【図5】図5は本実施形態に係る分離手段の横断面図である。
【符号の説明】
T1…供給口、T2…固形物排出口、2…分離手段、7…固形物回収通路、9…第1保護弁、10…第1気密弁、12…第2保護弁、13…第2気密弁、15…第1蓄積部、16…第2蓄積部、18…気体供給口、20…減圧装置。
Claims (4)
- 固形物を含む液体又はスラリーを供給口(T1)から供給し、該液体を減圧条件下で加熱、攪拌して液体を蒸発させて固形物と分離し、少なくとも固形物を固形物排出口(T2)から回収する固形物分離装置において、
前記固形物排出口(T2)に固形物回収通路(7)を接続し、その固形物回収通路(7)に、固形物排出口(T2)側から順に第1保護弁 ( 9 ) 、第1気密弁(10)、第1蓄積部(15)、第2保護弁 ( 12 ) 、第2気密弁(13)を設け、前記第1蓄積部(15)には、気体供給口(18)が設けられるとともに減圧装置(20)が接続されて減圧状態と大気圧状態とを選択できるように構成したことを特徴とする固形物分離装置。 - 前記請求項1に記載の固形物分離装置において、固形物排出口(T2)より下流側で第1気密弁(10)より上流側に第2蓄積部(16)を設け、少なくとも第1蓄積部(15)に蓄積された固形物を排出する時間中、固形物排出口(T2)から排出される固形物を第2蓄積部(16)に蓄積するように構成した固形物分離装置。
- 請求項1又は請求項2に記載の固形物分離装置において、第1保護弁 ( 9 ) と第1気密弁 ( 10 ) の組、第2保護弁 ( 12 ) と第2気密弁 ( 13 ) の組において、保護弁上に蓄積された固形物を開弁により下流側へ移動させる場合は、気密弁、保護弁の順に開弁動作を行い、固形物回収通路 ( 7 ) 内を固形物が移動しているときに閉弁する場合は、保護弁、気密弁の順に閉弁動作を行う、固形物分離装置。
- 請求項2又は請求項3に記載の固形物分離装置において、前記第1蓄積部 ( 15 ) の容積を第2蓄積部 ( 16 ) の容積よりも大きく構成した固形物分離装置。
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