JP3626852B2 - ダイバーシチ受信下での信号合成方法及び装置 - Google Patents
ダイバーシチ受信下での信号合成方法及び装置 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スペクトル拡散方式を用いた無線通信システムにおいてダイバーシチ受信を行うのに適した信号合成方法及び装置に関する。
【0002 】
【従来の技術】
無線通信においては、フェージングによる受信波の変動が、通信品質の安定に対して大きな問題となっている。フェージングの対策として、2つ以上の受信波を利用するダイバーシチ技術がある。
【0003】
ダイバーシチは、そのブランチの構成方法により、空間ダイバーシチ、角度ダイバーシチ、偏波ダイバーシチ、周波数ダイバーシチ及び時間ダイバーシチ等に分けられる。
【0004】
特に、スペクトル拡散を用いた無線通信においては、時間ダイバーシチの一種であるRAKE合成方法を利用した受信方法が利用されることが多い。
【0005】
RAKE(レイキ)は「くま手」とか「かき集める」という意味の語であり、マルチパスで遅延が異なる等、それぞれ時間的に異なって到来する信号をかき集めるようにして合成するダイバーシチが一般に「RAKE」と呼ばれる。
【0006】
ダイバーシチ技術とは、無相関な2つ以上のフェージング波を受信後に合成することにより、良好な受信状態を保つ技術である。
【0007】
無線通信においては、直接波や反射波など、伝搬条件の違う幾つかのパス(伝搬路)があるので、或る1つの受信波の状態が悪化しているときでも、他のパスを通過してきた受信波は良好な状態である可能性がある。このため、パスの異なる信号を合成すれば、1つの信号のみを受信する場合と比較して、良好な受信状態を保てる確率が向上する。
【0008】
従来、無線移動通信へのダイバーシチ技術の適用方法として、幾つかのダイバーシチの組み合わせによる受信方法が提案されている。
【0009】
特に、スペクトル拡散を利用した通信システムにおいては、RAKE合成方法と、その他のダイバーシチ受信方法との組み合わせが検討されている。例えば、文献「CDMA移動通信の基地局受信におけるスペース・パスハイブリッドダイバーシチ方式(電子情報通信学会技術報告A・P93−29)」では、空間ダイバーシチを利用した受信方法と、RAKE合成方法とを併用した受信方法が提案されている。
【0010】
そこで、セクタアンテナを用いた無線通信システムを、図4に基づいて考えてみる。図4に示す例では、基地局60は2つのアンテナブランチ(アンテナ1とアンテナ2の2つ)で、移動局70からの信号を受信している。基地局60の受信機においては、RAKE合成とアンテナブランチ合成とを組み合わせた合成方法により受信信号を合成し、出力するものとしている。
【0011】
アンテナ1の受信信号には所望信号1aの他に干渉信号1bが含まれ、アンテナ2の受信信号には所望信号2aの他に干渉信号2bが含まれる。
【0012】
このようにアンテナブランチでの受信信号に含まれる干渉信号の電力は、各セクタ内のユーザの数によってほぼ決まることになる。このため、セクタS1とセクタS2のユーザ数が異なる場合には、干渉信号の電力も、それぞれのアンテナブランチによって異なる値となる。
【0013】
ダイバーシチ受信により得られる受信波の合成方法として、主なものとして、
(1) 受信信号の振幅に比例した重みづけを行う合成方法
(2) 受信信号の信号対雑音比に比例した重みづけを行う合成方法
の2つがある。それぞれの合成方法の回路例を図5、図6に示す。但し、各アンテナブランチに接続されているRAKE合成器のフィンガー数を2とし、受信するパス数を2本としている。
【0014】
図5は受信信号の振幅に比例した重みづけを行う信号合成装置を示す。この装置はアンテナ1からの受信信号を入力するRAKE合成器10と、アンテナ2からの受信信号を入力するRAKE合成器20と、加算回路53からなる。各EAKE合成器10、20はそれぞれ、2つの相関器11、14と、2つの振幅測定装置12、15と、2つの積算回路13、16を備えている。
【0015】
図5に示す信号合成装置では、各アンテナブランチから出力された信号が、ベースバンドの周波数帯に変換され、更に、A/D変換により量子化されてデジタル信号となる。これらのデジタル信号は各RAKE合成器10、20に入力される。各RAKE合成器10、20においては、スペクトル拡散に用いられる信号系列を用いて相関器11、14により入力信号の逆拡散が行われ、各相関器11、14からの出力信号の振幅が振幅測定装置12、15で測定され、各積算回路13、16にて各相関器11、14からの出力信号に対し、測定した振幅に比例した重みづけが行われる。そして、各RAKE合成器10、20の各積算回路13、16からの出力信号が加算回路53に入力されて和がとられ、フィンガー間合成とブランチ間合成が行われる。
【0016】
図6は受信信号の信号対雑音比に比例した重みづけを行う信号合成装置を示す。この装置はアンテナ1からの受信信号を入力するRAKE合成器10と、アンテナ2からの受信信号を入力するRAKE合成器20と、加算回路53からなるが、各EAKE合成器10、20はそれぞれ、2つの相関器11、14と、2つの信号対雑音比測定装置18、19と、2つの積算回路13、16を備えている。即ち、各EAKE合成器10、20は、図5と比較すると、2つの振幅測定器12、15が2つの信号対雑音比測定装置18、19に置き変わっている。
【0017】
図6に示す信号合成装置では、各アンテナブランチから出力された信号がベースバンドの周波数帯域に変換され且つ量子化されてデジタル信号となり、これらのデジタル信号が各RAKE合成器10、20に入力される。各RAKE合成器10、20においては、スペクトル拡散に用いられる信号系列を用いて相関器11、14により入力信号の逆拡散が行われ、各相関器11、14からの出力信号の信号対雑音比が信号対雑音比装置18、19で測定され、各積算回路12、16にて各相関器11、14からの出力信号に対し、測定した信号対雑音比に比例した重みづけが行われる。そして、各RAKE合成器10、20の各積算回路13、16からの出力信号が加算回路53に入力されて和がとられ、フィンガー間合成とブランチ間合成が行われる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上述した受信信号の振幅に比例した重みづけを行う合成方法は、信号電力の瞬時値を振幅測定装置12、15で測定するだけで合成を行えるため、信号合成装置の回路規模が小さくて済む。しかし、図4に示すような通信システムの状態を仮定すると、図5中のアンテナ1からの受信信号に含まれる干渉信号電力と、アンテナ2からの受信信号に含まれる干渉信号電力は異なる値となっている。そのため、図5の信号合成装置で合成した信号の信号対雑音比は最大にならず、特性が悪化する。
【0019】
このような場合でも、図6の信号合成装置では受信信号の信号対雑音比に比例した重みづけを行うことにより、合成した信号の信号対雑音比を最大にすることができる。
【0020】
しかし、この信号対雑音比を測定するためには、信号対雑音比測定装置18、19で各受信波の雑音の分散を測定しなければならないが、分散を測定するためには、或る時間にわたって測定を行い、平均化を行う必要がある。
【0021】
このため、信号対雑音比測定装置18、19は、振幅測定装置12、15と比較して、メモリ量などのハードウェア規模が大きくなってしまう。
【0022】
以上のことから、本発明の課題は、信号対雑音比に比例した重みづけを行う回路に比較して、メモリ量などのハードウェア規模が小さくすることができるダイバーシチ受信における信号合成方法及び装置を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明に係る信号合成方法の発明は、
スペクトル拡散を用いた通信システムにおけるRAKE合成法とその他のダイバーシチ受信法を組み合わせた信号合成方法において、
ディジタル的な信号処理により、受信信号の振幅による重み付けを用いてRAKEフィンガーの各受信波の合成を行い、その合成後の受信波の干渉と背景雑音の電力との和の逆数による重み付けによりブランチ間の合成を行うことを特徴とする。
また、信号合成装置の発明は、
スペクトル拡散を用いた通信システムにおいて、
少なくとも2つ以上のアンテナブランチと、
ディジタル的な信号処理により、受信波の振幅による重み付けを行う、アンテナブランチ数と同数のRAKE合成器と、
それぞれのRAKE合成器からの出力信号であるディジタル出力信号における干渉と背景雑音の電力の和を測定する雑音電力測定器と、
ディジタル的な信号処理により、雑音電力測定器で測定された干渉と背景雑音の電力の和の逆数をRAKE合成器からの出力信号のそれぞれに乗じ、得られた値を加算するブランチ間合成器とを有することを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係る信号合成装置は、スペクトル拡散を用いた通信システムにおいて、少なくとも2つ以上のアンテナブランチと、受信波の振幅による重みづけを行う、アンテナブランチ数と同数のRAKE合成器と、それぞれのRAKE合成器からの出力信号における干渉と背景雑音の電力の和を測定する雑音電力測定器と、雑音電力測定器で測定された干渉と背景雑音の電力の和の逆数をRAKE合成器からの出力信号のそれぞれに乗じ、得られた値を加算するブランチ間合成器を有することを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を参照し、本発明に係る信号合成方法及び装置の実施の形態例を説明する。
【0026】
図1に、本発明の一実施例として、スペクトル拡散を用いた通信システムにおけるダイバーシチ受信下での信号合成装置の構成を示す。
【0027】
図1に示す信号合成装置は、複数のアンテナブランチ(図ではアンテナ1とアンテナ2の2つ)と、アンテナブランチ数と同数(図では2個)のRAKE合成器10、20と、RAKE合成器10、20と同数の雑音電力測定器30、40と、ブランチ間合成器50を有している。
【0028】
各RAKE合成器20、30は受信波の振幅による重みづけを行うタイプのものであり、複数のRAKEフィンガーを有する。この例では、各RAKE合成器20、30は、相関器11、振幅測定装置12及び積算回路13からなるRAKEフィンガーと、相関器14、振幅測定装置15及び積算回路16からなるRAKEフィンガーと、加算回路17を有する。
【0029】
図1に示す信号合成装置では、各アンテナブランチから出力された信号が、ベースバンドの周波数帯に変換され、更に、A/D変換により量子化されてデジタル信号となり、これらのデジタル信号が各RAKE合成器10、20に入力される。
【0030】
各RAKE合成器10、20においては、スペクトル拡散に用いられる信号系列を用いて相関器11、14により入力信号の逆拡散が行われ、各相関器11、14からの出力信号の振幅が振幅測定装置12、15で測定され、各積算回路13、15にて各相関器11、14からの出力信号に対し、測定した振幅に比例した重みづけが行われる。そして、各積算回路13、16からの出力信号が加算回路17に入力されて和がとられ、RAKEフィンガー間の合成が行われる。
【0031】
雑音電力測定器30はRAKE合成器10からの出力信号における干渉と背景雑音の電力の和を測定すものであり、雑音電力測定器40はRAKE合成器20からの出力信号における干渉と背景雑音の電力の和を測定するものである。
【0032】
ブランチ間合成器50は積算回路51、52及び加算回路53を有し、雑音電力測定器30で測定された干渉と背景雑音の電力の和の逆数を積算回路51にてRAKE合成器10からの出力信号に乗じ、雑音電力測定器40で測定された干渉と背景雑音の電力の和の逆数を積算回路52にてRAKE合成器20からの出力信号に乗じ、その後、各積算回路51、52で得られた値を加算回路53で加算してブランチ間の合成を行うものである。
【0033】
このように、スペクトル拡散を用いた通信システムにおいて、受信信号の振幅による重みづけを用いてRAKEフィンガーの各受信波の合成を行い、受信波の干渉と背景雑音の電力との和の逆数による重みづけによりブランチ間の合成を行うことにより、各アンテナ毎の干渉電力が違う場合にも、それぞれのアンテナで受信される各パスの干渉電力が等しければ、合成後の信号対雑音比を最大にすることができる。また、受信信号の信号対雑音比に比例した重みづけを行う回路と比較すると、ハードウェア規模を小さすることができる。
【0034】
なお、図1に例示する信号合成装置では、2つの雑音電力測定器30、40がブランチ間合成器50内にあるが、別々であっても良い。
【0035】
次に、本発明の原理を、図2及び図3を参照して、本発明を適用したスペクトル拡散方式による移動通信システムの例を挙げて説明する。この移動通信システムでは2系統以上のアンテナを用いて受信を行うものとする。
【0036】
図2は、2セクタアンテナを用いた移動通信システムを示している。即ち、図2において、アンテナ1(アンテナ番号ant#:1)はセクタS1からの信号を受信し、アンテナ2(アンテナ番号ant#:2)はセクタS2からの信号を受信している。ここで、基地局60がセクタ境界付近に存在する移動局70からの信号を受信しているものとする。すると、この移動局70からの信号は、直接波や反射波などの存在から、幾つかのパスを通って2つのアンテナブランチで受信されることになる。
【0037】
図2では、各アンテナブランチに対してそれぞれ2つずつ、計4本のパスを仮定している。ここで、アンテナ番号をant#(=1、2)とし、各アンテナに対するパス番号をpath#(=1、2)とし、アンテナ番号ant#とパス番号path#の組み合わせを用いて、各パスを(ant#,path#)と表す。図1では、パスは[1,1]、[1,2]、[2,1]及び[2,2]の4つとなる。
【0038】
各パスの受信信号はアンテナ1、2から基地局60の受信機へと出力される。ここで。各セクタ内のユーザ数は、2つのセクタS1、S2で異なる数になっており、従って、各アンテナブランチでの干渉電力の分散は異なるものになる。
【0039】
それぞれのアンテナブランチから受信機へ出力された信号は、変換器(図示省略)によりベースバンドの周波数帯に変換され、A/D変換器(図示省略)へと送り込まれる。A/D変換器において信号は量子化されたデジタル信号となり、これらの信号はRAKE合成器に入力され、RAKE合成が行われる。更に、ブランチ間合成器へと入力され、各ブランチの信号が合成される。
【0040】
図3に、一般的なRAKE合成とブランチ合成を行う信号合成装置の例を示す。図3中、10、20はRAKE合成器、11、14は相関器、13、16は積算回路、17は加算回路、50はブランチ間合成器、51、52は積算器である。RAKE合成器10、20の各フィンガーにおいては、スペクトル拡散に用いられる信号系列を用いて入力信号の逆拡散が行われる。逆拡散は、同期回路において検出したタイミングを用いて相関器11、14で行う方法などが考えられる。
【0041】
この逆拡散された信号を、アンテナ番号ant#とパス番号path# を用いて、yant#,path#と表すとする。この例では、各アンテナで2本のパスが存在していると仮定しているため、それぞれ相関器11、14からの出力はyant#,1とyant#,2の2つになる。
【0042】
この相関器11、14からの出力信号に、積算回路13、14にてbant#,path#という重みとの積をとり、その後、2つのフィンガーの出力の和を加算回路17でとる。これにより、各RAKE合成器10、20からの出力は、以下の式[数1]となる。
【0043】
【数1】
bant#,1yant#,1+bant#,2yant#,2
【0044】
ブランチ間合成器50内部において、各RAKEフィンガーより出力された信号にcant#という重みを積算回路51、52にて積算し、その後、加算回路53にて2つのブランチ出力の和をとる。これにより、最終的に得られる出力は、以下の式[数2]となる。
【0045】
【数2】
c1(b1,1y1,1+b1,2y1,2) +c2(b2,1y2,1+b2,2y2,2)
【0046】
ここで、xという信号が移動局70から送信されたとした場合の、受信機における事後確率を求める。RAKE合成器10、20内の相関出力yant#,path#は,アンテナで受信された信号の振幅と位相をaant#,path#表し、受信雑音をnant#,path#と表すと、以下の式[数3]で与えられる。
【0047】
【数3】
yant#,path#=aant#,path#x+nant#,path#
【0048】
このとき、雑音成分nant#,path#がガウス分布に従うと仮定し、また、各アンテナブランチ間で雑音成分nant#,path#が無相関であると仮定すると、雑音の分散をNant#とすれば、雑音成分について、以下の式[数4]が成り立つ。
【0049】
【数4】
【0050】
この式[数4]に式[数1]を代入して、移動局70より信号xが送信されたとした場合におけるy1,1 ,y1,2 ,y2,1 及びy2,2 の結合事後確率を求めると、以下の式[数5]となる。
【0051】
【数5】
【0052】
これより、受信信号から求められるこの結合事後確率が最大になる値が、移動局70より送信されたシンボルとして判定される。
【0053】
ここで、式[数5]中のxを変数とする項は、以下の式[数6]に示す項である。
【0054】
【数6】
【0055】
この場合、xのみが変数であるとすれば、この値xが最大になるときに、式[数6]で表される結合事後確率も最大になる。従って、式[数6]を最大にするxが、送信されたシンボルとして最も確度の高いものと判断できる。
【0056】
このため、送信シンボルの判定は、式[数6]のxにかかる項を求め、これと送信シンボルとしての可能性がある全ての値との積をとり、最大となったものを求めることによって行われる。
【0057】
従って、送信シンボルの判定には式[数6]のxにかかる項が必要になる。
【0058】
ここで、ブランチ間合成器50より得られる最終的な受信信号を表す式[数2]と、式[数6]のxにかかるる項とを比較すると、重みづけに使用したbant#,path#及びcant#を以下の式[数7]に示す値とすれば、最尤な送信シンボルの判定が可能となる。
【0059】
【数7】
b1,1=a* 1,1
b1,2=a* 1,2
b2,1=a* 2,1
b2,2=a* 2,2
c1 =1/N1
c2 =1/N2
【0060】
これにより、図1に示すように信号合成装置を構成し、振幅測定装置12、15で受信信号振幅a* ant#,path#を測定して、RAKEフィンガー合成の重みづけを受信信号振幅a* ant#,path#で行い、雑音電力を雑音電力測定装置30、40で測定して、ブランチ合成の重みづけを受信雑音の分散Nant#で行うことにより、フェージングを受けても最も尤度の高いシンボルを判定することが可能となる。
【0061】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にれば、フェージングを受けた信号の受信において、空間ダイバーシチとRAKE合成を利用して、その特性を改善できる。特に、各信号を受信信号振幅に比例した重みづけのみをする従来方法と比較した場合、各アンテナでの雑音や干渉信号の分散が等しくない場合に、特性を改善することができる。更に、各受信信号を信号対雑音比を用いて重みづけする従来方法と比較した場合、受信機のハードウェアの規模を少なくすることがきる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例に係る信号合成装置の構成を示す図。
【図2】2セクタアンテナを用いた送受信の通信システム例を示す図。
【図3】本発明の原理説明のためRAKE合成とブランチ合成を行う装置の例を示す図。
【図4】セクタアンテナを用いた通信システムの例を示す図。
【図5】受信信号振幅による重みづけを行う回路例を示す図。
【図6】信号対雑音比による重みづけを行う回路例を示す図。
【符号の説明】
1、2 アンテナ
10、20 RAKE 合成器
11、14 相関器
12、15 振幅測定装置
13、16 積算回路
17 加算回路
30、40 雑音電力測定装置
50 ブランチ間合成器
51、52 積算回路
53 加算回路
60 基地局
70 移動局
【発明の属する技術分野】
本発明は、スペクトル拡散方式を用いた無線通信システムにおいてダイバーシチ受信を行うのに適した信号合成方法及び装置に関する。
【0002 】
【従来の技術】
無線通信においては、フェージングによる受信波の変動が、通信品質の安定に対して大きな問題となっている。フェージングの対策として、2つ以上の受信波を利用するダイバーシチ技術がある。
【0003】
ダイバーシチは、そのブランチの構成方法により、空間ダイバーシチ、角度ダイバーシチ、偏波ダイバーシチ、周波数ダイバーシチ及び時間ダイバーシチ等に分けられる。
【0004】
特に、スペクトル拡散を用いた無線通信においては、時間ダイバーシチの一種であるRAKE合成方法を利用した受信方法が利用されることが多い。
【0005】
RAKE(レイキ)は「くま手」とか「かき集める」という意味の語であり、マルチパスで遅延が異なる等、それぞれ時間的に異なって到来する信号をかき集めるようにして合成するダイバーシチが一般に「RAKE」と呼ばれる。
【0006】
ダイバーシチ技術とは、無相関な2つ以上のフェージング波を受信後に合成することにより、良好な受信状態を保つ技術である。
【0007】
無線通信においては、直接波や反射波など、伝搬条件の違う幾つかのパス(伝搬路)があるので、或る1つの受信波の状態が悪化しているときでも、他のパスを通過してきた受信波は良好な状態である可能性がある。このため、パスの異なる信号を合成すれば、1つの信号のみを受信する場合と比較して、良好な受信状態を保てる確率が向上する。
【0008】
従来、無線移動通信へのダイバーシチ技術の適用方法として、幾つかのダイバーシチの組み合わせによる受信方法が提案されている。
【0009】
特に、スペクトル拡散を利用した通信システムにおいては、RAKE合成方法と、その他のダイバーシチ受信方法との組み合わせが検討されている。例えば、文献「CDMA移動通信の基地局受信におけるスペース・パスハイブリッドダイバーシチ方式(電子情報通信学会技術報告A・P93−29)」では、空間ダイバーシチを利用した受信方法と、RAKE合成方法とを併用した受信方法が提案されている。
【0010】
そこで、セクタアンテナを用いた無線通信システムを、図4に基づいて考えてみる。図4に示す例では、基地局60は2つのアンテナブランチ(アンテナ1とアンテナ2の2つ)で、移動局70からの信号を受信している。基地局60の受信機においては、RAKE合成とアンテナブランチ合成とを組み合わせた合成方法により受信信号を合成し、出力するものとしている。
【0011】
アンテナ1の受信信号には所望信号1aの他に干渉信号1bが含まれ、アンテナ2の受信信号には所望信号2aの他に干渉信号2bが含まれる。
【0012】
このようにアンテナブランチでの受信信号に含まれる干渉信号の電力は、各セクタ内のユーザの数によってほぼ決まることになる。このため、セクタS1とセクタS2のユーザ数が異なる場合には、干渉信号の電力も、それぞれのアンテナブランチによって異なる値となる。
【0013】
ダイバーシチ受信により得られる受信波の合成方法として、主なものとして、
(1) 受信信号の振幅に比例した重みづけを行う合成方法
(2) 受信信号の信号対雑音比に比例した重みづけを行う合成方法
の2つがある。それぞれの合成方法の回路例を図5、図6に示す。但し、各アンテナブランチに接続されているRAKE合成器のフィンガー数を2とし、受信するパス数を2本としている。
【0014】
図5は受信信号の振幅に比例した重みづけを行う信号合成装置を示す。この装置はアンテナ1からの受信信号を入力するRAKE合成器10と、アンテナ2からの受信信号を入力するRAKE合成器20と、加算回路53からなる。各EAKE合成器10、20はそれぞれ、2つの相関器11、14と、2つの振幅測定装置12、15と、2つの積算回路13、16を備えている。
【0015】
図5に示す信号合成装置では、各アンテナブランチから出力された信号が、ベースバンドの周波数帯に変換され、更に、A/D変換により量子化されてデジタル信号となる。これらのデジタル信号は各RAKE合成器10、20に入力される。各RAKE合成器10、20においては、スペクトル拡散に用いられる信号系列を用いて相関器11、14により入力信号の逆拡散が行われ、各相関器11、14からの出力信号の振幅が振幅測定装置12、15で測定され、各積算回路13、16にて各相関器11、14からの出力信号に対し、測定した振幅に比例した重みづけが行われる。そして、各RAKE合成器10、20の各積算回路13、16からの出力信号が加算回路53に入力されて和がとられ、フィンガー間合成とブランチ間合成が行われる。
【0016】
図6は受信信号の信号対雑音比に比例した重みづけを行う信号合成装置を示す。この装置はアンテナ1からの受信信号を入力するRAKE合成器10と、アンテナ2からの受信信号を入力するRAKE合成器20と、加算回路53からなるが、各EAKE合成器10、20はそれぞれ、2つの相関器11、14と、2つの信号対雑音比測定装置18、19と、2つの積算回路13、16を備えている。即ち、各EAKE合成器10、20は、図5と比較すると、2つの振幅測定器12、15が2つの信号対雑音比測定装置18、19に置き変わっている。
【0017】
図6に示す信号合成装置では、各アンテナブランチから出力された信号がベースバンドの周波数帯域に変換され且つ量子化されてデジタル信号となり、これらのデジタル信号が各RAKE合成器10、20に入力される。各RAKE合成器10、20においては、スペクトル拡散に用いられる信号系列を用いて相関器11、14により入力信号の逆拡散が行われ、各相関器11、14からの出力信号の信号対雑音比が信号対雑音比装置18、19で測定され、各積算回路12、16にて各相関器11、14からの出力信号に対し、測定した信号対雑音比に比例した重みづけが行われる。そして、各RAKE合成器10、20の各積算回路13、16からの出力信号が加算回路53に入力されて和がとられ、フィンガー間合成とブランチ間合成が行われる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上述した受信信号の振幅に比例した重みづけを行う合成方法は、信号電力の瞬時値を振幅測定装置12、15で測定するだけで合成を行えるため、信号合成装置の回路規模が小さくて済む。しかし、図4に示すような通信システムの状態を仮定すると、図5中のアンテナ1からの受信信号に含まれる干渉信号電力と、アンテナ2からの受信信号に含まれる干渉信号電力は異なる値となっている。そのため、図5の信号合成装置で合成した信号の信号対雑音比は最大にならず、特性が悪化する。
【0019】
このような場合でも、図6の信号合成装置では受信信号の信号対雑音比に比例した重みづけを行うことにより、合成した信号の信号対雑音比を最大にすることができる。
【0020】
しかし、この信号対雑音比を測定するためには、信号対雑音比測定装置18、19で各受信波の雑音の分散を測定しなければならないが、分散を測定するためには、或る時間にわたって測定を行い、平均化を行う必要がある。
【0021】
このため、信号対雑音比測定装置18、19は、振幅測定装置12、15と比較して、メモリ量などのハードウェア規模が大きくなってしまう。
【0022】
以上のことから、本発明の課題は、信号対雑音比に比例した重みづけを行う回路に比較して、メモリ量などのハードウェア規模が小さくすることができるダイバーシチ受信における信号合成方法及び装置を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明に係る信号合成方法の発明は、
スペクトル拡散を用いた通信システムにおけるRAKE合成法とその他のダイバーシチ受信法を組み合わせた信号合成方法において、
ディジタル的な信号処理により、受信信号の振幅による重み付けを用いてRAKEフィンガーの各受信波の合成を行い、その合成後の受信波の干渉と背景雑音の電力との和の逆数による重み付けによりブランチ間の合成を行うことを特徴とする。
また、信号合成装置の発明は、
スペクトル拡散を用いた通信システムにおいて、
少なくとも2つ以上のアンテナブランチと、
ディジタル的な信号処理により、受信波の振幅による重み付けを行う、アンテナブランチ数と同数のRAKE合成器と、
それぞれのRAKE合成器からの出力信号であるディジタル出力信号における干渉と背景雑音の電力の和を測定する雑音電力測定器と、
ディジタル的な信号処理により、雑音電力測定器で測定された干渉と背景雑音の電力の和の逆数をRAKE合成器からの出力信号のそれぞれに乗じ、得られた値を加算するブランチ間合成器とを有することを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係る信号合成装置は、スペクトル拡散を用いた通信システムにおいて、少なくとも2つ以上のアンテナブランチと、受信波の振幅による重みづけを行う、アンテナブランチ数と同数のRAKE合成器と、それぞれのRAKE合成器からの出力信号における干渉と背景雑音の電力の和を測定する雑音電力測定器と、雑音電力測定器で測定された干渉と背景雑音の電力の和の逆数をRAKE合成器からの出力信号のそれぞれに乗じ、得られた値を加算するブランチ間合成器を有することを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を参照し、本発明に係る信号合成方法及び装置の実施の形態例を説明する。
【0026】
図1に、本発明の一実施例として、スペクトル拡散を用いた通信システムにおけるダイバーシチ受信下での信号合成装置の構成を示す。
【0027】
図1に示す信号合成装置は、複数のアンテナブランチ(図ではアンテナ1とアンテナ2の2つ)と、アンテナブランチ数と同数(図では2個)のRAKE合成器10、20と、RAKE合成器10、20と同数の雑音電力測定器30、40と、ブランチ間合成器50を有している。
【0028】
各RAKE合成器20、30は受信波の振幅による重みづけを行うタイプのものであり、複数のRAKEフィンガーを有する。この例では、各RAKE合成器20、30は、相関器11、振幅測定装置12及び積算回路13からなるRAKEフィンガーと、相関器14、振幅測定装置15及び積算回路16からなるRAKEフィンガーと、加算回路17を有する。
【0029】
図1に示す信号合成装置では、各アンテナブランチから出力された信号が、ベースバンドの周波数帯に変換され、更に、A/D変換により量子化されてデジタル信号となり、これらのデジタル信号が各RAKE合成器10、20に入力される。
【0030】
各RAKE合成器10、20においては、スペクトル拡散に用いられる信号系列を用いて相関器11、14により入力信号の逆拡散が行われ、各相関器11、14からの出力信号の振幅が振幅測定装置12、15で測定され、各積算回路13、15にて各相関器11、14からの出力信号に対し、測定した振幅に比例した重みづけが行われる。そして、各積算回路13、16からの出力信号が加算回路17に入力されて和がとられ、RAKEフィンガー間の合成が行われる。
【0031】
雑音電力測定器30はRAKE合成器10からの出力信号における干渉と背景雑音の電力の和を測定すものであり、雑音電力測定器40はRAKE合成器20からの出力信号における干渉と背景雑音の電力の和を測定するものである。
【0032】
ブランチ間合成器50は積算回路51、52及び加算回路53を有し、雑音電力測定器30で測定された干渉と背景雑音の電力の和の逆数を積算回路51にてRAKE合成器10からの出力信号に乗じ、雑音電力測定器40で測定された干渉と背景雑音の電力の和の逆数を積算回路52にてRAKE合成器20からの出力信号に乗じ、その後、各積算回路51、52で得られた値を加算回路53で加算してブランチ間の合成を行うものである。
【0033】
このように、スペクトル拡散を用いた通信システムにおいて、受信信号の振幅による重みづけを用いてRAKEフィンガーの各受信波の合成を行い、受信波の干渉と背景雑音の電力との和の逆数による重みづけによりブランチ間の合成を行うことにより、各アンテナ毎の干渉電力が違う場合にも、それぞれのアンテナで受信される各パスの干渉電力が等しければ、合成後の信号対雑音比を最大にすることができる。また、受信信号の信号対雑音比に比例した重みづけを行う回路と比較すると、ハードウェア規模を小さすることができる。
【0034】
なお、図1に例示する信号合成装置では、2つの雑音電力測定器30、40がブランチ間合成器50内にあるが、別々であっても良い。
【0035】
次に、本発明の原理を、図2及び図3を参照して、本発明を適用したスペクトル拡散方式による移動通信システムの例を挙げて説明する。この移動通信システムでは2系統以上のアンテナを用いて受信を行うものとする。
【0036】
図2は、2セクタアンテナを用いた移動通信システムを示している。即ち、図2において、アンテナ1(アンテナ番号ant#:1)はセクタS1からの信号を受信し、アンテナ2(アンテナ番号ant#:2)はセクタS2からの信号を受信している。ここで、基地局60がセクタ境界付近に存在する移動局70からの信号を受信しているものとする。すると、この移動局70からの信号は、直接波や反射波などの存在から、幾つかのパスを通って2つのアンテナブランチで受信されることになる。
【0037】
図2では、各アンテナブランチに対してそれぞれ2つずつ、計4本のパスを仮定している。ここで、アンテナ番号をant#(=1、2)とし、各アンテナに対するパス番号をpath#(=1、2)とし、アンテナ番号ant#とパス番号path#の組み合わせを用いて、各パスを(ant#,path#)と表す。図1では、パスは[1,1]、[1,2]、[2,1]及び[2,2]の4つとなる。
【0038】
各パスの受信信号はアンテナ1、2から基地局60の受信機へと出力される。ここで。各セクタ内のユーザ数は、2つのセクタS1、S2で異なる数になっており、従って、各アンテナブランチでの干渉電力の分散は異なるものになる。
【0039】
それぞれのアンテナブランチから受信機へ出力された信号は、変換器(図示省略)によりベースバンドの周波数帯に変換され、A/D変換器(図示省略)へと送り込まれる。A/D変換器において信号は量子化されたデジタル信号となり、これらの信号はRAKE合成器に入力され、RAKE合成が行われる。更に、ブランチ間合成器へと入力され、各ブランチの信号が合成される。
【0040】
図3に、一般的なRAKE合成とブランチ合成を行う信号合成装置の例を示す。図3中、10、20はRAKE合成器、11、14は相関器、13、16は積算回路、17は加算回路、50はブランチ間合成器、51、52は積算器である。RAKE合成器10、20の各フィンガーにおいては、スペクトル拡散に用いられる信号系列を用いて入力信号の逆拡散が行われる。逆拡散は、同期回路において検出したタイミングを用いて相関器11、14で行う方法などが考えられる。
【0041】
この逆拡散された信号を、アンテナ番号ant#とパス番号path# を用いて、yant#,path#と表すとする。この例では、各アンテナで2本のパスが存在していると仮定しているため、それぞれ相関器11、14からの出力はyant#,1とyant#,2の2つになる。
【0042】
この相関器11、14からの出力信号に、積算回路13、14にてbant#,path#という重みとの積をとり、その後、2つのフィンガーの出力の和を加算回路17でとる。これにより、各RAKE合成器10、20からの出力は、以下の式[数1]となる。
【0043】
【数1】
bant#,1yant#,1+bant#,2yant#,2
【0044】
ブランチ間合成器50内部において、各RAKEフィンガーより出力された信号にcant#という重みを積算回路51、52にて積算し、その後、加算回路53にて2つのブランチ出力の和をとる。これにより、最終的に得られる出力は、以下の式[数2]となる。
【0045】
【数2】
c1(b1,1y1,1+b1,2y1,2) +c2(b2,1y2,1+b2,2y2,2)
【0046】
ここで、xという信号が移動局70から送信されたとした場合の、受信機における事後確率を求める。RAKE合成器10、20内の相関出力yant#,path#は,アンテナで受信された信号の振幅と位相をaant#,path#表し、受信雑音をnant#,path#と表すと、以下の式[数3]で与えられる。
【0047】
【数3】
yant#,path#=aant#,path#x+nant#,path#
【0048】
このとき、雑音成分nant#,path#がガウス分布に従うと仮定し、また、各アンテナブランチ間で雑音成分nant#,path#が無相関であると仮定すると、雑音の分散をNant#とすれば、雑音成分について、以下の式[数4]が成り立つ。
【0049】
【数4】
【0050】
この式[数4]に式[数1]を代入して、移動局70より信号xが送信されたとした場合におけるy1,1 ,y1,2 ,y2,1 及びy2,2 の結合事後確率を求めると、以下の式[数5]となる。
【0051】
【数5】
【0052】
これより、受信信号から求められるこの結合事後確率が最大になる値が、移動局70より送信されたシンボルとして判定される。
【0053】
ここで、式[数5]中のxを変数とする項は、以下の式[数6]に示す項である。
【0054】
【数6】
【0055】
この場合、xのみが変数であるとすれば、この値xが最大になるときに、式[数6]で表される結合事後確率も最大になる。従って、式[数6]を最大にするxが、送信されたシンボルとして最も確度の高いものと判断できる。
【0056】
このため、送信シンボルの判定は、式[数6]のxにかかる項を求め、これと送信シンボルとしての可能性がある全ての値との積をとり、最大となったものを求めることによって行われる。
【0057】
従って、送信シンボルの判定には式[数6]のxにかかる項が必要になる。
【0058】
ここで、ブランチ間合成器50より得られる最終的な受信信号を表す式[数2]と、式[数6]のxにかかるる項とを比較すると、重みづけに使用したbant#,path#及びcant#を以下の式[数7]に示す値とすれば、最尤な送信シンボルの判定が可能となる。
【0059】
【数7】
b1,1=a* 1,1
b1,2=a* 1,2
b2,1=a* 2,1
b2,2=a* 2,2
c1 =1/N1
c2 =1/N2
【0060】
これにより、図1に示すように信号合成装置を構成し、振幅測定装置12、15で受信信号振幅a* ant#,path#を測定して、RAKEフィンガー合成の重みづけを受信信号振幅a* ant#,path#で行い、雑音電力を雑音電力測定装置30、40で測定して、ブランチ合成の重みづけを受信雑音の分散Nant#で行うことにより、フェージングを受けても最も尤度の高いシンボルを判定することが可能となる。
【0061】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にれば、フェージングを受けた信号の受信において、空間ダイバーシチとRAKE合成を利用して、その特性を改善できる。特に、各信号を受信信号振幅に比例した重みづけのみをする従来方法と比較した場合、各アンテナでの雑音や干渉信号の分散が等しくない場合に、特性を改善することができる。更に、各受信信号を信号対雑音比を用いて重みづけする従来方法と比較した場合、受信機のハードウェアの規模を少なくすることがきる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例に係る信号合成装置の構成を示す図。
【図2】2セクタアンテナを用いた送受信の通信システム例を示す図。
【図3】本発明の原理説明のためRAKE合成とブランチ合成を行う装置の例を示す図。
【図4】セクタアンテナを用いた通信システムの例を示す図。
【図5】受信信号振幅による重みづけを行う回路例を示す図。
【図6】信号対雑音比による重みづけを行う回路例を示す図。
【符号の説明】
1、2 アンテナ
10、20 RAKE 合成器
11、14 相関器
12、15 振幅測定装置
13、16 積算回路
17 加算回路
30、40 雑音電力測定装置
50 ブランチ間合成器
51、52 積算回路
53 加算回路
60 基地局
70 移動局
Claims (2)
- スペクトル拡散を用いた通信システムにおけるRAKE合成法とその他のダイバーシチ受信法を組み合わせた信号合成方法において、
ディジタル的な信号処理により、受信信号の振幅による重み付けを用いてRAKEフィンガーの各受信波の合成を行い、その合成後の受信波の干渉と背景雑音の電力との和の逆数による重み付けによりブランチ間の合成を行うことを特徴とする信号合成方法。 - スペクトル拡散を用いた通信システムにおいて、
少なくとも2つ以上のアンテナブランチと、
ディジタル的な信号処理により、受信波の振幅による重み付けを行う、アンテナブランチ数と同数のRAKE合成器と、
それぞれのRAKE合成器からの出力信号であるディジタル出力信号における干渉と背景雑音の電力の和を測定する雑音電力測定器と、
ディジタル的な信号処理により、雑音電力測定器で測定された干渉と背景雑音の電力の和の逆数をRAKE合成器からの出力信号のそれぞれに乗じ、得られた値を加算するブランチ間合成器とを有することを特徴とする信号合成装置。
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