JP3626722B2 - 端子圧着型およびそれを有する端子圧着機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、端子金具の電線圧着片と電線とを圧着接続する、端子圧着型およびそれを有する端子圧着機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の端子圧着型に関連する技術の一例として、図9および図10に示すものが知られている。
【0003】
端子金具60の基板60aから起立する一対の電線圧着片61は、上下に対向配置されるアンビル(台座側の端子圧着型)51とクリンパ(押圧側の端子圧着型)50の双方または何れか一方を昇降手段により昇降動作させることにより、加締められるようになっている。
【0004】
一対の電線圧着片61は、長手方向に交互(互い違い)に並設されており、各電線圧着片61は、鉛直方向の中心軸線CLに対しては非対称に形成され、略L字状断面を成している。一対の電線圧着片61は、通常のラップアラウンド圧着方式にて、その先端部61aが重合しないように加締められて、端子金具60と電線65とが圧着接続されるようになっている。
【0005】
クリンパ50には、電線圧着片61を案内するガイド部52が形成されている。ガイド部52は、テーパ状の内側面54と加締部53とを備えている。内側面54と加締部53との境界部は、滑らかな曲面に形成されている。加締部53は、湾曲状に形成されており、加締部53の内面に沿うようにして電線圧着片61が湾曲状に加締められるようになっている。
【0006】
クリンパ50と対向配置されるアンビル51は、クリンパ50のガイド部52に進退自在になっている。クリンパ50の加締部53に対向するアンビル51の対向面は、端子金具60が載置される載置面であり、凹曲面に形成されている。
【0007】
このように構成することで、クリンパ50とアンビル51とを近接させた場合に、電線圧着片61が加締部53の内面に倣って、内向きに曲げられ、電線被覆部の外周を抱持するようにして、電線65が端子金具60に圧着接続されるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の端子圧着型では、解決すべき以下の問題点がある。
【0009】
先ず一つには、電線圧着片61を加締めるクリンパ50とアンビル51は、電線65サイズに対応するものが使用されているゆえ、電線65サイズが変わると、一対の電線圧着片61で電線被覆部を緊密に圧着することができず、電線65に引張力が作用した場合には、電線65が端子金具60から外れる心配がある。
【0010】
図10に示すように、電線65が細い場合には、電線圧着片61の先端部61aが基板60aのエッジ部60bに突き当たり、電線圧着片61と電線65との間に隙間66を生じて、電線65の保持力が低下してしまう。ゴム栓(図示せず)が外挿された電線を圧着する場合も同様であり、電線圧着片61の保持力が弱いと、電線からゴム栓が外れる心配もある。
【0011】
したがって、電線65サイズが異なる場合には、端子圧着機(図示せず)に備わるクリンパ50を電線65サイズに応じたクリンパ50に交換しなければならず、圧着作業性が悪くなるとともに、端子圧着工程の生産性が低下するという問題もある。
【0012】
また、一つには、適切なサイズの電線65であっても、芯線の外皮は弾性を有する合成樹脂で被覆されているため、電線65圧着後に外皮のスプリングバックによって電線圧着片61が外側に開いて隙間66を生じ、電線65の保持力が低下することがある。自動車等の車両に適用されるワイヤハーネスにあっては、走行中の振動によって電線圧着片61が緩み、電線65の保持力が低下してしまうこともある。
【0013】
また、端子金具60の基板60aと電線圧着片61との間に電線65を挟み込み、上下方向から電線65を押し潰すように圧着するのでは、端子金具60のクリンプワイドが広くなり、端子金具60をコネクタハウジング(図示せず)の端子収容室に挿入する際に、端子収容室の内壁に引っかかり端子金具60をスムーズに挿入することができないという問題もある。端子金具60を端子収容室にスムーズに挿入するために、端子収容室を広げたのでは、コネクタハウジングが肥大化して、部品の小型化の要請に応じることができない。
【0014】
本発明は、上記した点に鑑み、電線保持力を低下させることなく、電線サイズの適用範囲を広げることができる端子圧着型およびそれを有する端子圧着機を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、台座側の端子圧着型に対向して配置され、該台座側の端子圧着型の進入を許容するガイド部にテーパ状の内側面と湾曲状の加締部とが形成され、該内側面の奥側に、該内側面に続き内側に屈曲する段差部が形成され、該段差部に前記端子金具のエッジ部が当接もしくは収まった状態で、前記電線圧着片が前記エッジ部に突き当たることなく加締められ、前記端子金具と電線とを圧着接続する押圧側の端子圧着型であって、前記端子金具の長手方向で前後に重なり合う第1の圧着型と第2の圧着型とを備え、前記段差部が前記第1の圧着型と前記第2の圧着型の片側で交互に配設されたことを特徴とする。
【0016】
上記構成により、ガイド部の内側面の奥側に、段差部を設けることで、端子金具を挟んだ状態で双方の端子圧着型を近接させた際に、基板のエッジ部が段差部に当接もしくは収まった状態で、基板のエッジ部が段差部に当接もしくは収まった状態で、基板のエッジ部と反対側に位置する電線圧着片が、ガイド部の内側面および加締部に倣って内向きに加締められ、そして、電線圧着片の先端部は、基板のエッジ部に突き当たることなく内側に入り込み、基板と重合するような格好でエッジ部の内面に沿いながら窄むようにカールする。また、端子圧着型が、片側に段差部を有する第1の圧着型と、第2の圧着型とを備えて構成されているから、端子金具のエッジ部は段差部に当接もしくは収まり、エッジ部の幅方向に対向する前側圧着片及び後側圧着片は、それぞれ第1の圧着型及び第2の圧着型のガイド部の内側面および加締部に沿ってスムーズに加締められる。
【0021】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の端子圧着型において、前記段差部の段差Hが前記端子金具の基板の板厚と同等またはそれ以上であることを特徴とする。
【0022】
上記構成により、段差Hを基板の板厚と同等またはそれ以上とすることで、基板のエッジ部が段差Hを越えてガイド部の内側に出っ張ることが防止され、電線圧着片が基板のエッジ部に突き当たることなく、基板の内側に入り込んで加締められ、電線圧着片の外側へのスプリングバックが抑制されて、電線保持力の低下が防止される。
【0023】
また、請求項3記載の発明は、端子金具の電線圧着片と電線とを圧着接続する、台座側の端子圧着型と、該台座側の端子圧着型に対向して位置する押圧側の端子圧着型とを備えた端子圧着機において、前記押圧側の端子圧着型が、請求項1又は2に記載の端子圧着型であることを特徴とする。
【0024】
上記構成によれば、段差部を有する台座側の端子圧着型と押圧側の端子圧着型との間に、端子金具と電線とを挟み込み、ラムを降下させることにより、端子圧着型が相互に近接し、端子金具のエッジ部が段差部に当接もしくは収まった状態で、エッジ部の幅方向反対側に位置する電線圧着片が、ガイド部の内側面および加締部に倣って内向きに加締められて、電線圧着片の先端部は、基板のエッジ部に突き当たることなく内側に入り込み、基板と重合するような格好でエッジ部の内面に沿いながらカールする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る端子圧着型の第一の実施形態における要部を示すものである。
【0026】
図1には、後述するラム20の下半部に、アンビル(台座側の端子圧着型)18に対して対向配置されるクリンパ(押圧側の端子圧着型)25が示されている。クリンパ25は、ラム20がラム支持部15cに昇降自在に支持されることによって、アンビル18に対し接離自在になっている。
【0027】
クリンパ25は、方形板状を成しており、アンビル18と向かい合う側の下端部25aには、アンビル18の進入を許容するガイド部27が設けられている。ガイド部27には、テーパ状の内側面27aと、内側面27aに続き奥側に位置する加締部26とが形成されている。
【0028】
加締部26は、端子金具31(図2)の電線圧着片33を所定の形状に加締めることができるように湾曲状に形成されている。図示するクリンパ25は、ラップアラウンド方式にて電線被覆部46a(図4)を加締めるクリンパ25であり、加締部26を湾曲状に形成することで、基板31aと重なるようにして電線圧着片33を加締めることができるようになっている。
【0029】
一方、電線芯線部46b(図4)に対する図示しないクリンパには、凹曲面を有するアーチ部が中心軸線CLに対して対称に形成され、一対のアーチ部が出合う中央部には、突起部が形成されている。芯線圧着片36(図4)は、いわゆるB型圧着方式にて加締められて、電線芯線部46bが端子金具31に圧着接続されるようになっている。
【0030】
芯線圧着片36と電線芯線部46bとの接触状態は、加締部の諸寸法に依存して変わりやすく、芯線圧着片36と電線芯線部46bとの間に隙間等があると、接触抵抗が高くなり発熱等を生じて導通不良を生じることがあるゆえ、電線芯線部46b用のクリンパには、接触信頼性の高いB型圧着方式を採用している。
【0031】
電線圧着片33を加締める加締部26の間口幅やアーチ部の深さは、クリンプハイト(電線圧着片33の圧着高さ)やクリンプワイド(電線圧着片33の圧着幅)に応じて決定されるものであり、任意であるが、間口幅は、電線圧着片33が基板31aに対して垂直に起立した状態ではなく少し開いた状態にあるときにも、電線圧着片33が加締部26に進入できるようにクリンプワイドWより大きめの寸法に設定されており、アーチ部の深さは、電線圧着片33のクリンプハイトHを決定するものであり、電線46と電線圧着片33との間に隙間が生じないように緊密に加締めることができる寸法に設定されている。
【0032】
図2に示すように、テーパ状の内側面27aの奥側には、内側面27aに続き内側に屈曲するクランク状の段差部30が設けられている。段差部30は、鉛直方向に延びる中心軸線CLに対して左右対称になるように、ガイド部27の両側に一対設けられている。この段差部30には、端子金具31の基板31aのエッジ部31b(図3)が当接可能になっている。
【0033】
このように、段差部30を一対設けることで、基板31aのエッジ部31bがガイド部27の片側に収容されて、電線圧着片33との干渉が回避される。すなわち、基板31aのエッジ部31bと反対側に位置する電線圧着片33が、エッジ部31bに突き当たることなく、加締部26に倣って内向きに加締められるようになっている。
【0034】
段差部30は、所定の傾斜角度αを有する傾斜面に形成されている。傾斜角度αは、クリンパ25とアンビル18とが近接する方向に対し90度より小さい角度に設定されている。傾斜角度αが90度以上になると、基板31aのエッジ部31bの引っかかりが良くなる一方で、基板31aのエッジ部31bと幅方向反対側に位置する電線圧着片33の先端部34a,35aが段差部30に突き当たり、その後の加締動作を順次スムーズに行うことができない場合があるからである。
【0035】
段差部30は、クリンパ25の板厚方向の全板厚に亘って形成されている(図1)。クリンパ25の板厚は、一対の電線圧着片33(図4)を収容し加締めることができる程度に設定されている。一対の電線圧着片33が、クリンパ25からはみ出ると、圧着後に電線圧着片33の端部にバリが生じ、端子金具31をコネクタハウジング(図示せず)の端子収容室に挿入する際に、バリが内壁に引っかかり、挿入の妨げになることもあるからである。
【0036】
図2に示すように、段差部30の段差Hは、端子金具31の基板31aの板厚と同等またはそれ以上に設定されている。段差Hを板厚より小さい寸法に設定すると、基板31aのエッジ部31bがガイド部27の内側に出っ張り、電線圧着片33の先端部34a,35aが基板31aのエッジ部31b(図3)に突き当たって基板31aの内側に入り込むことができず、電線46を緊密に加締めることができないからである。
【0037】
ここで、図2により、端子金具31の圧着状態を詳細に説明する。クリンパ25とアンビル18との間に端子金具31を挟み込み、クリンパ25とアンビル18とを近接させると、端子金具31の電線圧着片33の先端部34aが、クリンパ25の加締部26に倣って内向きに加締められる。そして、さらにクリンパ25とアンビル18とを近接させると、基板31aのエッジ部31bは段差部30に当接もしくは収まった状態で、電線圧着片33の先端部34aは加締部26に沿いながら、加締部26の頂点を過ぎて折り返して加締められ、基板31aのエッジ部31bに突き当たることなくエッジ部31bを通過して、基板31aの内側に入り込み、電線46を締め付けながら、電線46と端子金具31とを圧着接続するようになっている。
【0038】
図4は、端子金具31と電線46とを圧着接続した状態を示す斜視図である。図示するように、電線被覆部46aは、端子金具31の長手方向に前後する前側圧着片34及び後側圧着片35により圧着されている。前側圧着片34及び後側圧着片35は、基板31aの内側に入り込み、電線46の周囲を抱え込むような格好で加締められている。
【0039】
図5は、端子圧着機の第一の実施形態における全体構成を示す正面図である。図示するように、端子圧着機10は、フロア上などに設置されるベース11と、駆動源13と、前述したクリンパ25とアンビル18とを鉛直方向に対向して備える圧着用アプリケータ12とから構成されている。
【0040】
ベース11は、水平方向に沿って略平坦な平坦部11aを備えている。後述する圧着用アプリケータ12は、ベース11に載置され、支持されるようになっている。
【0041】
駆動源13は、図示しないサーボモータと、駆動力を伝達する駆動軸13bと、後述するシャンク28の円板部28aに引っ掛かるフック13aとからなっている。サーボモータの回転運動は、ピストン・クランク機構を介して直線運動に変換されて、ラム20を昇降動作させることができるようになっている。駆動源13としては、サーボモータの替わりとして、ダイレクトドライブ方式でシャンク28に連結するピストンロッドを備えた油圧シリンダを用いてもよい。
【0042】
圧着用アプリケータ12は、クリンパ25とアンビル18とを備え、クリンパ25の昇降動作により端子金具31の電線圧着片33を加締めて電線46を圧着接続する構造になっている。
【0043】
圧着用アプリケータ12により加締められる端子金具31としては、電線圧着片33を備える種々の形態の端子金具31が適用可能であり、例えば、図3に示した端子金具31や、双方の電線46を繋ぐジョイント用の端子金具などが適用可能である。
【0044】
図3には、これら端子金具31の一部展開図が示されている。図示する端子金具31は、導電性基板を打ち抜いた状態を示すものであり、折り曲げ加工を経て端子金具31が完成するようになっている。折り曲げ加工によって、被覆圧着部32aの電線圧着片33および芯線圧着部32bの芯線圧着片36が、基板31aから起立した状態となる。
【0045】
クリンパ25の昇降動作は、サーボモータ(図示せず)の回転運動を、ピストン・クランク機構(図示せず)により直線運動に変換し、クリンパ25を保持するラム20を上昇または降下させることにより行われる。ラム20の昇降動作を制御する制御部(図示せず)では、ラム20の加速、減速、圧着、待避等の制御が行われるようになっている。
【0046】
圧着用アプリケータ12の構造について詳しく説明すると、圧着用アプリケータ12は、フレーム15と、アンビル18を有するホルダ17と、フレーム15に続くラム20と、ラム20に螺合して昇降動作するラムボルト21と、ラムボルト21が螺合するシャンク28と、端子送りユニット22とから構成されている。以下に、各構成要素について説明する。
【0047】
フレーム15は、側方からみてコ字状に形成されており、ホルダ17の取付部15aと、上方に延在する支柱部15bと、ラム支持部15cとから構成されている。フレーム15は、ベース11の平坦部11aに載置され、ボルト(図示せず)とナット(図示せず)などにより締結固定されている。なお、フレーム15をベース11と一体的に固定してもよい。
【0048】
ラム支持部15cは、ホルダ17の取付部15aから上方に延在する支柱部15bの上端部に連結している。ラム支持部15cには、ラム20をガイドする空間が設けられており、ラム20がスライド自在に嵌入できるようになっている。
【0049】
ホルダ17には、端子金具31が載置されるアンビル18が埋設されている。ホルダ17は、クリンパ25とラム20の下端面20bとの双方に対向する平坦面17aを備えている。すなわち、平坦面17aは、前記昇降方向と接離方向との双方に対し略直交して形成されている。
【0050】
アンビル18は、ホルダ17に収納保持された状態で、フレーム15の取付部15aに装着される。アンビル18は、その底壁をホルダ17の底壁に密着させた状態で保持されており、ぐらつかない状態で端子金具31が載置されるようになっている。
【0051】
端子金具31は、その電線圧着部32の下側がアンビル18に当接し、クリンパ25の押圧力を受けた際に、アンビル18に支持されて、所定の形状に加締められるようになっている。
【0052】
ラム20は、方体状に形成されている。ラム20は、鉛直方向に沿って昇降自在にラム支持部15cに支持されている。また、ラム20は、その長手方向が昇降方向即ち鉛直方向に沿っている。ラム20の下端面20bは、前記昇降方向に対し交差する方向に沿って平坦に形成されている。
【0053】
ラムボルト21は、ラム20の上端面20aのねじ孔に螺合して取り付けられている。ラムボルト21がラム20に取り付けられると、ラム20は、昇降自在に動作するようになる。
【0054】
シャンク28は、中空の円柱状に形成されている。シャンク28は、一方の側の円板部28aが駆動源13のフック13aに結合し、他方の側のねじ部がラムボルト21のねじ孔に螺合するようになっている。すなわち、シャンク28は、駆動源13の駆動力をラムボルト21を介してラム20に伝達して、クリンパ25を昇降動作させることができるようになっている。
【0055】
また、シャンク28は、ラムボルト21のねじ孔に対するねじ込み量が調整されることによって、ラムボルト21との間の相対位置が変更可能にラムボルト21に取り付けられている。ラムボルト21のねじ孔に対するねじ込み量を調整して、シャンク28のラムボルト21に対する相対位置が変更されると、アンビル18とクリンパ25との間の間隔も変更される。
【0056】
シャンク28には、ねじ溝に螺合するナット29が備わっており、シャンク28がラムボルト21のねじ孔にねじ込まれた際に、ナット29を締結することによって、ラムボルト21とシャンク28とが互いに固定されるようになっている。
【0057】
端子送りユニット22は、ラム20の側部に備わるカム(図示せず)と、カムに当接して水平方向に移動する連接棒(図示せず)と、連接棒を内部に収容するレバー支持部22aと、レバー支持部22aに嵌入されるクランク状のレバー22bと、レバー22bを回動自在に支持する枢軸22cと、レバー22bの先端部に備わる端子送り爪22dとから構成されている。
【0058】
端子送りユニット22は、カムが駆動源13の駆動力によって降下し、その際に連接棒の一側の端部がカムに当接して水平方向に押され、連接棒の他側の端部がレバー22bに当接して、枢軸22cを回動中心としてレバー22bが回動し、そして、連鎖帯(図示せず)の送り孔に引っかかった端子送り爪22dが連鎖帯を一端子毎に端子送り方向Wに送り出すように機能している。
【0059】
アンビル18の載置部へ送られた端子金具31には、電線46が載置され、ラム20を降下させることで、アンビル18とクリンパ25との間に電線46が挟み込まれて、端子金具31と電線46とが圧着接続する。
【0060】
複数の端子金具31が連鎖した連鎖帯は、キャリア(図示せず)によって一列に繋がっており、一端子毎に送り出されて圧着され、一端子毎に切断されるようになっている。圧着後は、レバー22bがばね等の弾性力で、原点復帰するようになっている。
【0061】
このように、端子送りユニット22を備えれば、一連の圧着作業を自動化することができる利益があるが、端子送りユニット22が無くても、手を使って端子金具31をアンビル18上に一端子毎に供給して圧着作業を行うこともできる。
【0062】
図6〜図8は、本発明の第二の実施形態に係る端子圧着型40の要部を示したものである。なお、第一の実施形態と同一構成部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0063】
図6および図7に示すように、クリンパ(押圧側の端子圧着型)40は、第1の圧着型40aと、第二の圧着型40bとを備えて構成されている。第1、第2の圧着型40a,40bは、端子金具31の長手方向の前後に重なり合い、ラム20に支持されるようになっている。重ねた状態のクリンパ40の厚さは、第一の実施形態(図1等)で示したクリンパ25と同等またはそれ以上の厚さになっている。
【0064】
クリンパ40には、アンビル(台座側の端子圧着型)18が進入するガイド部27が凹設され、このガイド部27には、テーパ状の内側面27a(図7)と、内側面27aの奥側に形成された加締部26とが形成されている。この点では、第一の実施形態のクリンパ25と共通する。第一の実施形態と相違する点は、第1、第2の圧着型40a,40bの片側にのみ段差部30が形成されている点である。
【0065】
第1の圧着型40aは、端子金具31(図8)の長手方向に並ぶ一対の電線圧着片33(図4)のうち前側圧着片34に対応しており、第2の圧着型40bは、後側圧着片35に対応している。一対の電線圧着片33は、互い違いに形成されているゆえ、第1、第2の圧着型40a,40bの各段差部30も、互い違いになっている。
【0066】
第1、第2の圧着型40a,40bの段差部30を片側にだけ設けることで、各圧着片34,35が段差部30に突き当たって強制的に内側に曲げられることが防止されて、ガイド部27の内側面27aおよび加締部26に沿うようにして、無理なくスムーズに加締められる。
【0067】
このように第1、第2の圧着型40a,40bは、前側圧着片34及び後側圧着片35が端子金具31の長手方向に離れている場合に殊に有効であり(図8)、圧着作業性や取扱作業性に優れる利益もある。
【0068】
なお、第二の実施形態に係る端子圧着機の全体構成については、第一の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0069】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、ガイド部の内側面の奥側に、段差部が設けられているから、基板のエッジ部が段差部に当接もしくは収まった状態で、基板のエッジ部と幅方向反対側に位置する電線圧着片が、基板のエッジ部に突き当たることなくその内側に入り込んで、エッジ部の内面に沿いながら窄むようにカールし、電線の周囲を均等に圧着する。このため、電線保持力を低下させることなく、圧着接続される電線サイズの適用範囲を広げることができ、端子金具と電線との圧着作業性を向上することができる。また、端子金具のエッジ部は片側の段差部に当接もしくは収まり、エッジ部の幅方向に対向する前側圧着片及び後側圧着片は、それぞれ第1の圧着型及び第2の圧着型のガイド部の内側面および加締部に沿って加締められる。このため、電線圧着片が無理なくスムーズに加締められるとともに、電線が隙間無く緊密に圧着され圧着信頼性が向上する。
【0072】
また、請求項2記載の発明によれば、段差部の段差Hが端子金具の基板の板厚と同等またはそれ以上であるから、基板のエッジ部がガイド部の内側に出っ張ることが防止され、電線圧着片が基板のエッジ部に突き当たることなく加締められ、電線が細い場合であっても電線圧着片と基板とが重なり合って緊密に圧着接続する。従って、電線圧着片の外側へのスプリングバックが抑制されて、電線保持力の低下が防止される。
【0073】
また、請求項3記載の発明によれば、段差部を有する押圧側の端子圧着型と台座側の端子圧着型との間に、端子金具と電線とを挟み、圧着用アプリケータのラムを降下させることにより、電線圧着片が基板のエッジ部に突き当たることなくその内側に入り込んで、電線の周囲が均等に圧着される。従って、電線保持力を低下させることなく、電線サイズの適用範囲を広げることができる端子圧着機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る端子圧着型の第一の実施形態における要部を示す拡大斜視図である。
【図2】図1に示す端子圧着型で端子金具を圧着した状態を示す一部断面図である。
【図3】同じく端子圧着型で圧着される端子金具の一部展開図である。
【図4】図3に示す端子金具と電線とを圧着接続した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る端子圧着機の全体構成を示す正面図である。
【図6】本発明に係る端子圧着型の第二の実施形態における要部を示す拡大斜視図である。
【図7】図6に示す端子圧着型の要部の分解斜視図である。
【図8】同じく端子圧着型で圧着される端子金具の一部展開図である。
【図9】従来の一例を示す端子圧着型の要部を示す拡大斜視図である。
【図10】図9に示す端子圧着型で端子金具を圧着した状態を示す図である。
【符号の説明】
10 端子圧着機
12 圧着用アプリケータ
18 アンビル(台座側の端子圧着型)
20 ラム
25,40 クリンパ(押圧側の端子圧着型)
26 加締部
27 ガイド部
27a 内側面
30 段差部
31 端子金具
31a 基板
31b エッジ部
33 電線圧着片
34 前側圧着片
35 後側圧着片
40a 第1の圧着型
40b 第2の圧着型
Claims (3)
- 台座側の端子圧着型に対向して配置され、該台座側の端子圧着型の進入を許容するガイド部にテーパ状の内側面と湾曲状の加締部とが形成され、該内側面の奥側に、該内側面に続き内側に屈曲する段差部が形成され、該段差部に前記端子金具のエッジ部が当接もしくは収まった状態で、前記電線圧着片が前記エッジ部に突き当たることなく加締められ、前記端子金具と電線とを圧着接続する押圧側の端子圧着型であって、
前記端子金具の長手方向で前後に重なり合う第1の圧着型と第2の圧着型とを備え、前記段差部が前記第1の圧着型と前記第2の圧着型の片側で交互に配設されたことを特徴とする端子圧着型。 - 前記段差部の段差が、前記端子金具の基板の板厚と同等またはそれ以上であることを特徴とする請求項1記載の端子圧着型。
- 端子金具の電線圧着片と電線とを圧着接続する、台座側の端子圧着型と、該台座側の端子圧着型に対向して位置する押圧側の端子圧着型とを備えた端子圧着機において、
前記押圧側の端子圧着型が、請求項1又は2記載の端子圧着型であることを特徴とする端子圧着機。
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