JP3626177B2 - 尿路上皮癌腫瘍マーカー - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、尿路上皮癌の診断に有用な蛋白質、及び該蛋白質を測定することによる尿路上皮癌の検出方法に関する。
背景技術
尿路上皮癌(膀胱癌・腎盂尿管癌等)は尿路性器癌では前立腺癌に次いで罹患者が多く、膀胱癌だけでもわが国の年間罹患数は男7886人、女2697人(1994年、がん研究振興財団)、死亡数は男2856人、女1277人(1997年、同)に上る。ちなみに、米国では全領域の男性癌患者の第五位を占める。これらの患者の約70%が尿路内再発を繰り返すことから、経過観察症例を含めて国内だけで常時数万人におよぶ患者数が推測される。また、検診では一般男子の約3%、女子の7%に赤血球5個以上/視野の血尿が認められ、尿路上皮癌のスクリーニング対象者は膨大な数に上る。通常、内視鏡検査が確定診断の決め手となるが、侵襲的な上に高コストであるためマススクリーニングに不向きである。したがって、非侵襲的で多数の検体に対応可能で、かつ、感度・特異性ともに優れた診断法の開発が急務であった。
歴史的に最も古くから臨床応用されている尿細胞診は非侵襲的検査の代表であるが、特異性に優れている(95〜100%)一方で、感度は低く(40〜60%)、殊に高分化癌ではその感度は著しく不良である(0〜15%)。最近登場したBTA(bladder tumor antigen;膀胱腫瘍抗原)やNMP22(核マトリックスプロテイン22)などの補助診断法は、尿細胞診に比べ感度がやや向上しているとも報告されているが、肉眼的血尿や膀胱炎などで偽陽性が出やすい。この低い特異性のために、尿細胞診を越える地位には至っていない。
一方、癌研究領域では、肝細胞癌(Yoon GS,et al.,Cancer Res,60:1117-1120,2000及びYu LR,et al.,Electrophoresis,21:3058-3068,2000参照)や乳癌(Bini L,et al.,Electrophoresis,18:2832-2841,1997参照)などでカルレティキュリン蛋白質と称される蛋白質の発現増強が見出されている。しかし、尿路上皮癌については、カルレティキュリン蛋白質は、プロテオーム解析で得られた発現増強スポットの1つとして報告されているに過ぎず(Celis A,et al.,Electrophoresis,20:300-309,1999参照)、尿路上皮癌の腫瘍マーカーとしての検討は行われていない。
発明の開示
本発明の課題は、新規な尿路上皮癌腫瘍マーカーを見出し、尿路上皮癌を効果的に検出できる方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、カルレティキュリン蛋白質を腫瘍マーカーとして、これに特異的に反応する抗体を用いることにより、上記課題が解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
(1)試料中のカルレティキュリン蛋白質を測定することにより、尿路上皮癌を検出する方法。
(2)カルレティキュリン蛋白質又はその断片と特異的に反応する抗体を用いて、試料中のカルレティキュリン蛋白質を免疫学的に測定し、尿路上皮癌を検出する方法。
(3)試料が尿である、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)カルレティキュリン蛋白質又はその断片と特異的に反応する抗体を含む尿路上皮癌診断薬。
(5)カルレティキュリン蛋白質又はその断片と特異的に反応する抗体を含む尿路上皮癌診断用キット。
候補物質のスクリーニング方法については、mRNA(cDNA)を対象にしたデファレンシャルディスプレイではなく、発現蛋白質を直接解析するプロテオミクス(プロテオーム解析)を選択した。すなわち、正常組織に比べて癌組織で特異的又は有意に発現増加する癌性変化蛋白質を検索同定し、次に、体液中におけるそれらの蛋白質発現量を検討することとした。この理由は、▲1▼現時点での安定した定量的検出系の測定対象は、遺伝子ではなく蛋白質であること、▲2▼mRNA(cDNA)量と蛋白質量の相関係数は必ずしも高くないこと、すなわち遺伝子レベルでの発現量の差が必ずしも蛋白質レベルでは確認できないこと、▲3▼発見されたmRNAについて、必ずしも蛋白質としての存在を証明できないこと、▲4▼一部の遺伝子は、転写レベルよりむしろ翻訳レベルで制御されていること、▲5▼翻訳後の蛋白質修飾や周辺環境の影響による量の変化は、遺伝子レベルの実験では理論的に把握不可能であること、などによる。要は、最終標的は蛋白質なので、最初から、現行の解析システムの検出感度以上に存在する蛋白質に焦点を絞る、という発想である。
以上の方針に基づき、本発明者らは、正常尿路上皮細胞と比較して尿路上皮癌細胞において発現が増強する蛋白質について、プロテオーム解析によりスクリーニングを行った。その結果、全長カルレティキュリン蛋白質が、正常尿路上皮組織と癌組織の間で発現量に差が強く認められることが明らかとなった。さらに、本発明者らは、非尿路上皮癌患者と尿路上皮癌患者の尿におけるカルレティキュリン蛋白質の量を免疫学的方法によって測定したところ、カルレティキュリン蛋白質は、尿路上皮癌患者の尿において高度の特異性及び感度をもって検出されることを見出した。ここで、非尿路上皮癌患者とは、尿路上皮癌に罹患していない患者を指し、例えば、尿路結石症、前立腺癌、前立腺肥大症、腎細胞癌、尿道下裂に罹患した患者を意味する。すなわち、本発明は、上記カルレティキュリン蛋白質又はその断片と特異的に反応する抗体を用いて、試料中のカルレティキュリン蛋白質を免疫学的に定量することにより尿路上皮癌を検出する方法に関する。また本発明の尿路上皮癌の検出方法は、尿路上皮癌患者と上記のような非尿路上皮癌患者の識別を可能にするものである。
カルレティキュリン蛋白質
カルレティキュリン(Calreticulin(CRT))蛋白質とは、小胞体に局在するアミノ酸400残基からなる46kDaの蛋白質である。この蛋白質は、多くの組織に分布しているだけでなく、高等植物から哺乳類まで幅広い種に保存されている。当初はカルシウム結合蛋白質として発見されたが、最近では分子シャペロンとしての機能が注目されている。その他、細胞接着、ステロイドホルモン結合による遺伝子発現の活性化、ストレス応答など多彩な機能を持つ、生物にとって非常に重要な蛋白質である。
本発明の抗体
本発明において使用できる抗体としては、カルレティキュリン蛋白質又はその断片と特異的に反応するものであれば特に限定されず、モノクローナル抗体でもポリクローナル抗体でも使用することができるが、モノクローナル抗体を使用するのが好ましい。特に、カルレティキュリン蛋白質のC末端と反応する抗体が好ましい。本発明の抗体のグロブリンタイプは、上記特徴を有するものである限り特に限定されるものではなく、IgG、IgM、IgA、IgE、IgDのいずれでもよいが、IgG及びIgMが好ましい。ポリクローナル抗体として、SPA-600(StressGen)、モノクローナル抗体として、SPA-601(StressGen)等を使用することができる。また、カルレティキュリン蛋白質と特異的に反応する抗体は、以下に記載するような方法によって作製することもできる。
(1) 免疫原の調製
本発明のモノクローナル抗体を作製するにあたり、免疫原(抗原)となるための蛋白質を調製する。免疫原蛋白質としては、カルレティキュリン蛋白質又はその断片を用いる。本発明において免疫原として使用可能なカルレティキュリン蛋白質のアミノ酸配列及び該蛋白質をコードするcDNA配列は、それぞれGenBankにおいてアクセッション番号AD000092として公開されている。従って、公開されているアミノ酸配列情報を利用して、当技術分野で公知の手法、例えば固相ペプチド合成法などにより、免疫原として使用するためのカルレティキュリン蛋白質断片を合成することができる。免疫原としてカルレティキュリン蛋白質断片を使用する場合は、KLH、BSAなどのキャリアータンパク質に連結させて使用するのが好ましい。
また、公知の遺伝子組換え手法を利用して、カルレティキュリン蛋白質をコードするcDNAの情報を用いてカルレティキュリン蛋白質を生産することも可能である。以下、組換え手法を用いたカルレティキュリン蛋白質の生産に関して説明する。
カルレティキュリン生産用組換えベクターは、上記公開されているcDNA配列を適当なベクターに連結することにより得ることができ、形質転換体は、カルレティキュリン生産用組換えベクターを、カルレティキュリン蛋白質が発現し得るように宿主中に導入することにより得ることができる。
ベクターには、宿主微生物で自律的に増殖し得るファージ又はプラスミドが使用される。プラスミドDNAとしては、大腸菌由来のプラスミド(例えばpET21a,pGEX4T,pUC118,pUC119,pUC18,pUC19等)、枯草菌由来のプラスミド(例えばpUB110,pTP5等)、酵母由来のプラスミド(例えばYEp13,YEp24,YCp50等)などが挙げられ、ファージDNAとしてはλファージ(λgt11、λZAP等)が挙げられる。さらに、ワクシニアウイルスなどの動物ウイルス、バキュロウイルスなどの昆虫ウイルスベクターを用いることもできる。
ベクターにカルレティキュリンcDNAを挿入するには、まず、精製されたDNAを適当な制限酵素で切断し、適当なベクターDNAの制限酵素部位又はマルチクローニングサイトに挿入してベクターに連結する方法などが採用される。
その他、哺乳動物細胞において用いられるカルレティキュリン生産用組換えベクターには、プロモーター、カルレティキュリンcDNAのほか、所望によりエンハンサーなどのシスエレメント、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、リボソーム結合配列(SD配列)などが連結されていてもよい。
DNA断片とベクター断片とを連結させるには、公知のDNAリガーゼを用いる。そして、DNA断片とベクター断片とをアニーリングさせた後連結させ、カルレティキュリン生産用組換えベクターを作製する。
形質転換に使用する宿主としては、カルレティキュリン蛋白質を発現できるものであれば特に限定されるものではない。例えば、細菌(大腸菌、枯草菌等)、酵母、動物細胞(COS細胞、CHO細胞等)、昆虫細胞が挙げられる。
一例として、細菌を宿主とする場合は、カルレティキュリン生産用組換えベクターが該細菌中で自律複製可能であると同時に、プロモーター、リボゾーム結合配列、カルレティキュリンDNA、転写終結配列により構成されていることが好ましい。また、プロモーターを制御する遺伝子が含まれていてもよい。大腸菌としては、例えばエッシェリヒア・コリ(Escherichia coli)BRLなどが挙げられ、枯草菌としては、例えばバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)などが挙げられる。プロモーターは、大腸菌等の宿主中で発現できるものであればいずれを用いてもよい。細菌への組換えベクターの導入方法は、細菌にDNAを導入する方法であれば特に限定されるものではない。例えばカルシウムイオンを用いる方法、エレクトロポレーション法等が挙げられる。
酵母、動物細胞、昆虫細胞などを宿主とする場合には、同様に、当技術分野で公知の手法に従って、カルレティキュリン蛋白質を生産することができる。
本発明において免疫原として使用するカルレティキュリン蛋白質は、上記作製した形質転換体を培養し、その培養物から採取することにより得ることができる。「培養物」とは、培養上清、培養細胞、培養菌体、又は細胞若しくは菌体の破砕物のいずれをも意味するものである。上記形質転換体を培地で培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。
大腸菌や酵母菌等の微生物を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。
培養は、通常、振盪培養又は通気攪拌培養などの好気的条件下、37℃で6〜24時間行う。培養期間中、pHは中性付近に保持する。pHの調整は、無機又は有機酸、アルカリ溶液等を用いて行う。培養中は必要に応じてアンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
培養後、カルレティキュリン蛋白質が菌体内又は細胞内に生産される場合には、菌体又は細胞を破砕することにより蛋白質を抽出する。また、カルレティキュリン蛋白質が菌体外又は細胞外に生産される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離等により菌体又は細胞を除去する。その後、蛋白質の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独で又は適宜組み合わせて用いることにより、前記培養物中からカルレティキュリン蛋白質を単離精製することができる。
カルレティキュリン蛋白質が得られたか否かは、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動等により確認することができる。
次に、得られた蛋白質を緩衝液に溶解して免疫原を調製する。なお、必要であれば、免疫を効果的に行うためにアジュバントを添加してもよい。アジュバントとしては、市販の完全フロイントアジュバント、不完全フロイントアジュバント等が挙げられ、これらの何れのものを混合してもよい。
(2) モノクローナル抗体の作製
▲1▼免疫及び抗体産生細胞の採取
上記のようにして得られた免疫原を、哺乳動物、例えばラット、マウス(例えば近交系マウスのBALB/c)、ウサギなどに投与する。免疫原の1回の投与量は、免疫動物の種類、投与経路などにより適宜決定されるものであるが、動物1匹当たり約50〜200μgである。免疫は、主として静脈内、皮下、腹腔内に免疫原を注入することにより行われる。また、免疫の間隔は特に限定されず、初回免疫後、数日から数週間間隔で、好ましくは1〜4週間間隔で、2〜6回、好ましくは3〜4回追加免疫を行う。初回免疫の後、免疫動物の血清中の抗体価の測定をELISA(Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay)法等により繰り返し行い、抗体価がプラトーに達したときは、免疫原を静脈内又は腹腔内に注射し、最終免疫とする。そして、最終免疫の日から2〜5日後、好ましくは3日後に、抗体産生細胞を採取する。抗体産生細胞としては、脾臓細胞、リンパ節細胞、末梢血細胞等が挙げられるが、脾臓細胞又は局所リンパ節細胞が好ましい。
▲2▼細胞融合
ハイブリドーマを得るため、上述のように免疫動物から得た抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合を行う。
抗体産生細胞と融合させるミエローマ細胞としては、マウスなどの動物の一般に入手可能な株化細胞を使用することができる。使用する細胞株としては、薬剤選択性を有し、未融合の状態ではHAT選択培地(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミンを含む)で生存できず、抗体産生細胞と融合した状態でのみ生存できる性質を有するものが好ましい。また株化細胞は、免疫動物と同種系の動物に由来するものが好ましい。ミエローマ細胞の具体例としては、BALB/cマウス由来のヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ(HGPRT)欠損細胞株である、P3X63-Ag.8株(ATCC TIB9)、P3X63-Ag.8.U1株(癌研究リサーチソースバンク(JCRB)9085)、P3/NSI/1-Ag4-1株(JCRB 0009)、P3x63Ag8.653株(JCRB 0028)又はSp2/0-Ag14株(JCRB 0029)などが挙げられる。
次に、上記ミエローマ細胞と抗体産生細胞とを細胞融合させる。細胞融合は、血清を含まないDMEM、RPMI-1640培地などの動物細胞培養用培地中で、抗体産生細胞とミエローマ細胞とを約1:1〜20:1の割合で混合し、細胞融合促進剤の存在下にて融合反応を行う。細胞融合促進剤として、平均分子量1,500〜4,000ダルトンのポリエチレングリコール等を約10〜80%の濃度で使用することができる。また場合によっては、融合効率を高めるために、ジメチルスルホキシドなどの補助剤を併用してもよい。さらに、電気刺激(例えばエレクトロポレーション)を利用した市販の細胞融合装置を用いて抗体産生細胞とミエローマ細胞とを融合させることもできる。
▲3▼ハイブリドーマの選別及びクローニング
細胞融合処理後の細胞から目的とするハイブリドーマを選別する。その方法として、細胞懸濁液を、例えばウシ胎児血清含有RPMI-1640培地などで適当に希釈後、マイクロタイタープレート上に2×106個/ウエル程度まき、各ウエルに選択培地を加え、以後適当に選択培地を交換して培養を行う。培養温度は、20〜40℃、好ましくは約37℃である。ミエローマ細胞がHGPRT欠損株又はチミジンキナーゼ(TK)欠損株のものである場合には、ヒポキサンチン・アミノプテリン・チミジンを含む選択培地(HAT培地)を用いることにより、抗体産生能を有する細胞とミエローマ細胞のハイブリドーマのみを選択的に培養し、増殖させることができる。その結果、選択培地で培養開始後、約14日前後から生育してくる細胞をハイブリドーマとして得ることができる。
次に、増殖してきたハイブリドーマの培養上清中に、目的とする抗体が存在するか否かをスクリーニングする。ハイブリドーマのスクリーニングは、通常の方法に従えばよく、特に限定されない。例えば、ハイブリドーマとして生育したウエルに含まれる培養上清の一部を採取し、酵素免疫測定法(EIA;Enzyme Immuno Assay、及びELISA)、放射免疫測定法(RIA;Radio Immuno Assay)等によって行うことができる。
融合細胞のクローニングは、限界希釈法等により行い、最終的にモノクローナル抗体産生細胞であるハイブリドーマを樹立する。本発明のハイブリドーマは、後述するように、RPMI1640、DMEM等の基本培地中での培養において安定であり、尿路上皮癌に由来するカルレティキュリン蛋白質と特異的に反応するモノクローナル抗体を産生、分泌するものである。
▲4▼モノクローナル抗体の採取
樹立したハイブリドーマからモノクローナル抗体を採取する方法として、通常の細胞培養法又は腹水形成法等を採用することができる。
細胞培養法においては、ハイブリドーマを10%ウシ胎児血清含有RPMI-1640培地、MEM培地又は無血清培地等の動物細胞培養培地中で、通常の培養条件(例えば37℃,5%CO2濃度)で2〜10日間培養し、その培養上清から抗体を取得する。
腹水形成法の場合は、ミエローマ細胞由来の哺乳動物と同種系動物の腹腔内にハイブリドーマを約1×107個投与し、ハイブリドーマを大量に増殖させる。そして、1〜2週間後に腹水又は血清を採取する。
上記抗体の採取方法において、抗体の精製が必要とされる場合は、硫安塩析法、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ゲルクロマトグラフィーなどの公知の方法を適宜に選択して、又はこれらを組み合わせることにより、精製された本発明のモノクローナル抗体を得ることができる。
(3) ポリクローナル抗体の作製
ポリクローナル抗体を作製する場合は、前記と同様に動物を免疫し、最終の免疫日から6〜60日後に、酵素免疫測定法(EIA及びELISA)、放射免疫測定法(RIA)等で抗体価を測定し、最大の抗体価を示した日に採血し、抗血清を得る。その後は、抗血清中のポリクローナル抗体の反応性をELISA法などで測定する。
尿路上皮癌の検出方法
本発明の尿路上皮癌の検出方法は、上記のような抗体を用いて、試料中の尿路上皮癌細胞に由来するカルレティキュリン蛋白質を免疫学的に測定することを特徴とする。本明細書において、検出とは、試料中におけるカルレティキュリン蛋白質の有無を調べること、及びその量を測定することの双方を含む。
本明細書において尿路上皮癌とは、腎杯、腎盂、尿管、膀胱、尿道にある移行上皮部に発生する癌を意味する。尿路上皮癌の例としては、例えば、膀胱癌、腎盂癌、尿管癌、尿道癌が挙げられ、本発明は、特に、膀胱癌の検出において好ましく使用される。
本発明の検出方法は、抗体を用いる測定法、すなわち免疫学的測定法であればいずれの方法においても、その測定法で使用される抗体として本発明の上記抗体を用いることができ、例えば、酵素免疫測定法(ELISA、EIA)、蛍光免疫測定法、放射免疫測定法(RIA)、発光免疫測定法、免疫比濁法、免疫比ろう法、ラテックス凝集反応、ラテックス比濁法、赤血球凝集反応、粒子凝集反応又はウェスタンブロット法等により本発明の検出方法は実施される。
本発明の検出方法において被検対象となる試料としては、尿路上皮癌に由来するカルレティキュリン蛋白質が含まれる可能性のある生体試料であれば特に限定されるものではない。例えば、血液、血清、血漿、リンパ球培養上清、尿、髄液、唾液、汗、腹水などが挙げられ、細胞又は臓器の抽出液等も使用することができる。特に、尿、血清のような試料において得られたカルレティキュリン蛋白質の測定値は、尿路上皮癌の指標として有用である。このように、本発明の尿路上皮癌の検出方法は、癌組織だけでなく尿において検出可能であることから、簡便な検出方法として非常に有用である。
本発明の検出方法を、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、放射免疫測定法又は発光免疫測定法等の標識を用いた免疫測定法により実施する場合には、本発明の抗体を固相化するか、又は試料中の成分を固相化して、それらの免疫学的反応を行うことが好ましい。
固相担体としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルトルエン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリメタクリレート、ラテックス、ゼラチン、アガロース、セルロース、セファロース、ガラス、金属、セラミックス又は磁性体等の材質よりなるビーズ、マイクロプレート、試験管、スティック又は試験片等の形状の不溶性担体を用いることができる。固相化は、固相担体と本発明の抗体又は試料成分とを物理的吸着法、化学的結合法又はこれらの併用等の公知の方法に従って結合させることにより行うことができる。
本発明においては、本発明の抗体と、試料中の尿路上皮癌細胞に由来するカルレティキュリン蛋白質との反応を容易に検出するために、本発明の抗体を標識することにより該反応を直接検出するか、又は標識二次抗体を用いることにより間接的に検出する。本発明の検出方法においては、感度の点で、後者の間接的検出(例えばサンドイッチ法など)を利用することが好ましい。
標識物質としては、酵素免疫測定法の場合には、ペルオキシダーゼ(POD)、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコースオキシダーゼ、乳酸脱水素酵素、アミラーゼ又はビオチン−アビジン複合体等を、蛍光免疫測定法の場合には、フルオレセインイソチオシアネート、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、置換ローダミンイソチオシアネート、ジクロロトリアジンイソチオシアネート、Alexa480又はAlexaFluor488等を、そして放射免疫測定法の場合には、トリチウム、ヨウ素125又はヨウ素131等を用いることができる。また、発光免疫測定法は、NADH−FMNH2−ルシフェラーゼ系、ルミノール−過酸化水素−POD系、アクリジニウムエステル系又はジオキセタン化合物系等を用いることができる。
標識物質と抗体との結合法は、酵素免疫測定法の場合にはグルタルアルデヒド法、マレイミド法、ピリジルジスルフィド法又は過ヨウ素酸法等の公知の方法を、放射免疫測定法の場合にはクロラミンT法、ボルトンハンター法等の公知の方法を用いることができる。
測定の操作法は、公知の方法(日本臨床病理学会編「臨床病理臨時増刊特集第53号臨床検査のためのイムノアッセイ−技術と応用−」,臨床病理刊行会,1983年,石川榮治ら編「酵素免疫測定法」,第3版,医学書院,1987年,北川常廣ら編「蛋白質核酸酵素別冊No.31酵素免疫測定法」,共立出版,1987年,入江實編「ラジオイムノアッセイ」,講談社サイエンティフィク,1974年,入江實編「続ラジオイムノアッセイ」,講談社サイエンティフィク,1979年)により行うことができる。
例えば、本発明の抗体を直接標識する場合には、試料中の成分を固相化し、標識した本発明の抗体と接触させて、カルレティキュリン蛋白質−本発明の抗体の複合体を形成させる。そして未結合の標識抗体を洗浄分離して、結合標識抗体量又は未結合標識抗体量より試料中のカルレティキュリン蛋白質量を測定することができる。
また例えば、標識二次抗体を用いる場合には、本発明の抗体と試料とを反応させ(一次反応)、さらに標識二次抗体を反応させる(二次反応)。一次反応と二次反応は逆の順序で行ってもよいし、同時に行ってもよいし、又は時間をずらして行ってもよい。一次反応及び二次反応により、固相化したカルレティキュリン蛋白質−本発明の抗体−標識二次抗体の複合体、又は固相化した本発明の抗体−カルレティキュリン蛋白質−標識二次抗体の複合体が形成する。そして未結合の標識二次抗体を洗浄分離して、結合標識二次抗体量又は未結合標識二次抗体量より試料中のカルレティキュリン蛋白質量を測定することができる。
具体的には、酵素免疫測定法の場合は標識酵素にその至適条件下で基質を反応させ、その反応生成物の量を光学的方法等により測定する。蛍光免疫測定法の場合には蛍光物質標識による蛍光強度を、放射免疫測定法の場合には放射性物質標識による放射能量を測定する。発光免疫測定法の場合は発光反応系による発光量を測定する。
本発明の検出方法は、免疫比濁法、ラテックス凝集反応、ラテックス比濁法、赤血球凝集反応又は粒子凝集反応等の免疫複合体凝集物の生成を、その透過光や散乱光を光学的方法により測るか、目視的に測る測定法により実施する場合には、溶媒としてリン酸緩衝液、グリシン緩衝液、トリス緩衝液又はグッド緩衝液等を用いることができ、更にポリエチレングリコール等の反応促進剤や非特異的反応抑制剤を含ませてもよい。
以下に、本発明の検出法の好ましい実施態様の一例を示す。最初に、本発明の抗体を一次抗体として不溶性担体に固定する。そして好ましくは、抗原が吸着していない固相表面を、抗原とは無関係の蛋白質(仔ウシ血清、ウシ血清アルブミン、ゼラチンなど)によりブロッキングする。続いて、固定化された一次抗体と被検試料とを接触させる。次いで、上記一次抗体と異なる部位で、カルレティキュリン蛋白質と反応する標識二次抗体とを接触させ、該標識からの信号を検出する。
ここで用いる「一次抗体と異なる部位で、カルレティキュリン蛋白質と反応する二次抗体」は、一次抗体とカルレティキュリン蛋白質との結合部位以外の部位を認識する抗体であれば特に制限はなく、免疫原の種類を問わず、ポリクローナル抗体、抗血清、モノクローナル抗体のいずれでもよく、またこれらの抗体のフラグメント(Fab、F(ab')2、Fab'等)を用いることもできる。更に、二次抗体として複数種のモノクローナル抗体を用いてもよい。
またこれとは逆に、本発明の抗体に標識を付して二次抗体とし、本発明の抗体と異なる部位で、カルレティキュリン蛋白質と反応する抗体を一次抗体として不溶性担体に固定し、この固定化された一次抗体と被検試料とを接触させ、次いで、二次抗体として標識を付した本発明の抗体とを接触させ、前記標識からの信号を検出してもよい。
尿路上皮癌の診断薬
また本発明の抗体は、上述したように、尿路上皮癌細胞に由来するカルレティキュリン蛋白質と特異的に反応するため、癌の診断薬として用いることができる。
本発明の診断薬は、本発明の抗体を含むものであり、従って、本発明の診断薬を用いて、尿路上皮癌への罹患が疑われる個体から採取した試料中に含まれる尿路上皮癌細胞に由来するカルレティキュリン蛋白質を検出することによって、該個体の尿路上皮癌の罹患を診断することができる。
また本発明の診断薬は、免疫学的測定を行うための手段であればいずれの手段においても利用することができるが、当技術分野で公知の免疫クロマト用テストストリップなどの簡便な手段と組み合わせて用いることによって、さらに簡便かつ迅速に癌を診断することができる。免疫クロマト用テストストリップとは、例えば、試料を吸収しやすい材料からなる試料受容部、本発明の診断薬を含有する試薬部、試料と診断薬との反応物が移動する展開部、展開してきた反応物を呈色する標識部、呈色された反応物が展開してくる提示部などから構成されるものであり、妊娠診断薬と同様の形態とすることができる。まず、試料受容部に試料を与えると、試料受容部は試料を吸収して試料を試薬部にまで到達させる。続いて、試薬部において、試料中の尿路上皮癌細胞由来のカルレティキュリン蛋白質と本発明の抗体との反応が起こり、反応した複合体が展開部を移動して標識部に到達する。標識部においては、上記反応複合体と標識二次抗体との反応が起こって、その標識二次抗体との反応物が提示部にまで展開すると呈色が認められることになる。
上記免疫クロマト用テストストリップは、使用者に対し苦痛や試薬使用による危険性を一切与えないものであるため、家庭におけるモニターに使用することができ、その結果を各医療機関レベルで精査・治療(外科的切除等)し、転移・再発予防に結びつけることが可能となる。また現在、このテストストリップは、例えば特開平10-54830号公報に記載されるような製造方法により安価に大量生産できるものである。
また、本発明の診断薬と既知の尿路上皮癌の腫瘍マーカーに対する診断薬とを組み合わせて使用することにより、さらに信頼性の高い診断が可能になる。
尿路上皮癌診断用キット
本発明はまた、カルレティキュリン蛋白質又はその断片と特異的に反応する抗体を含む尿路上皮癌診断用キットに関する。本発明のキットにおいて抗体は、上記のような固相担体に結合されていてもよい。さらに本発明のキットは、標識二次抗体、担体、洗浄バッファー、試料希釈液、酵素基質、反応停止液、精製された標準物質としてのカルレティキュリン蛋白質等を含みうる。
【図面の簡単な説明】
図1は、様々な分化度及び様々な腫瘍径の尿路上皮癌を有する患者の尿について、一次元電気泳動後、PVDF膜に転写しSPA-600抗体を用いて行ったイムノブロットの結果を示したものである。G1〜G3は尿路上皮癌の中で組織学的に移行上皮癌に分類されるタイプの癌種の分化度(すなわち悪性度)を表し、SCCは扁平上皮癌を意味し、class I〜Vは尿細胞診による結果を表し、数値は腫瘍径を表す。
本明細書は、本願の優先権の基礎である特願平2002−320355号の明細書及び/又は図面に記載された内容を包含する。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらによって限定されるものではない。
実施例1 プロテオーム解析による癌性変化蛋白質のスクリーニング
(1)試料調製
試料として、膀胱移行上皮癌3例(手術:経尿道的膀胱腫瘍切除術2例、膀胱全摘除術1例;異型度:Grade2-1例、Grade3-2例)の手術標本を使用した。対照として、前立腺肥大症に対する恥骨後式前立腺摘除術で得られた正常膀胱粘膜(2例)、及び腎細胞癌に対する腎摘除術で得られた正常尿管(1例)を用いた。
8M尿素、2%CHAPS、1%ジチオスレイトール(DTT)、0.5%Pharmalyte 3-10(Amersham Bioscience)、10%グリセロール、1%プロテアーゼインヒビターカクテル(Nacalai tesque Inc.)からなる組織溶解液を加えホモジナイズし、15,000rpmで10分間遠心した上清を組織の可溶化液とした。次の等電点電気泳動を高電圧下で行うためにMicroSpin G-25 Column(Amersham Bioscience)で脱塩処理を施した。ウシ血清アルブミン(Pierce)を標準物質としてBradford法による蛋白質定量を行った。
(2)一次元目等電点電気泳動
等電点電気泳動はIPGphor(Amersham Bioscience)で行った。固定化pH勾配ストリップゲルは、種々のpHレンジを使用した(18cm、pH4〜7、6〜9、4〜5、4.5〜5.5、5〜6、5.5〜6.7)。ゲルイメージ解析用にはpHレンジに応じて、それぞれゲル1本当たり蛋白質量80μg(pH4〜7)と120μg(pH4〜5、4.5〜5.5、5〜6、5.5〜6.7、6〜9)をロードし、電圧8,000Vでそれぞれ32,000Vh、60,000Vhに達するまで泳動した。蛋白質同定用の場合には、pHレンジにかかわらず蛋白質量1mg/ゲルとした。
(3)固定化pH勾配ストリップゲルのSDS処理
等電点電気泳動後のストリップゲルを、50mM Tris-HCl pH6.8、8M尿素、30%グリセロール、2%SDS、2%DTTからなるバッファーで30分間平衡化した。
(4)二次元目SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動
二次元目は22×20×0.1cmの12.5%均一ポリアクリルアミドゲルを用い、20mA/ゲルで電気泳動した。泳動バッファーは25mM Tris-base、192mMグリシン、0.1%SDSを使用した。
(5)銀染色(非グルタルアルデヒド固定)
30%エタノール、10%酢酸でゲルを固定し、20%エタノール及び超純水で洗浄したのち、0.02%チオ硫酸ナトリウムで増感した。0.2%硝酸銀溶液で銀反応させ、超純水でリンスしたのち、0.025%ホルマリン、0.001%チオ硫酸ナトリウム、3%炭酸カリウムで現像した。発色の停止には2.5%酢酸、0.4M Tris-baseを使用した。
(6)ゲルイメージ取り込みとスポット検出
反射光フラットベッドスキャナーで、ゲルイメージを取り込んだ。スポットの検出は、二次元電気泳動ゲル解析ソフトウエアPDQUEST Ver5.1(pdi社)の自動検出機能(silver stain mode)を用いて行い、さらにこれで認識漏れとなったスポットを目視で追加した。
(7)正常組織と癌組織のゲルイメージの比較
癌3例と対照3例のスポット比較は目視で行った。両群を比較した際に、各群の全例に共通して出現・増強又は消失・減弱が見られるものだけを、発現に変化のあるスポットとして選別した。
(8)ゲル内消化、脱塩濃縮法
Gharahdaghiらの方法(Electrophoresis、1999)を改変して行った。切り出したゲルを、15mMフェリシアン化カリウム、50mMチオ硫酸ナトリウムで脱銀した。10mM DTT及び50mMヨードアセトアミドでシステイン残基を還元アルキル化したのち、トリプシン(Promega,sequencing grade)で37℃にて一晩酵素処理した。分解されたペプチド断片溶液を回収しZipTip C18カラム(Millipore)で脱塩濃縮した。次にマトリックス(α-シアノ-4-ヒドロキシケイヒ酸飽和溶液)と混合し、質量分析計のサンプルプレートに滴下し乾燥させた。
(9)MALDI/TOF-MSによる質量分析
質量分析計は、MALDI/TOF-MSであるVoyager RP(PerSeptive Biosystems)をリフレクトロンモード及び遅延イオン引出しモードで使用した。キャリブレーション用の外部標準物質にdes-Arg-Bradykinin(904.468(Charge+1))ACTH(18-39 clips)(2465.2)を、内部標準として2つのトリプシン自己消化物(842.510,2211.1)を用いた。
(10)質量分析データベースによる蛋白質同定
蛋白質同定は、ペプチドマスフィンガープリント法(PMF法)で行った。ペプチドマスデータベースは、MS-FitとPeptideSearchの2種類を併用した。ペプチドマスはmonoisotopic、許容誤差は±100ppm以内とした。
(結果)
狭いpHレンジの二次元電気泳動ゲルにおいて癌組織で著しい発現が見られる15個のスポット群を識別し、このうちPMF法によりカルレティキュリン蛋白質を含む9スポットの蛋白質名を同定した。
実施例2 腫瘍マーカーとしての有用性の検討
(1)二次元イムノブロットによるカルレティキュリン蛋白質スポットの確認
リコンビナントヒトカルレティキュリン蛋白質に対するモノクローナル抗体SPA-601(StressGen)及びヒトカルレティキュリン蛋白質-C末端の合成ペプチドを免疫原としたポリクローナル抗体SPA-600(StressGen)を用いて、二次元電気泳動後のゲルから転写したImmobilon PVDF膜(Millipore)に対しイムノブロットを行った。ブロッキングはSuper Block Blocking Solution in TBS(Pierce)で4℃にて一晩行った。抗体の希釈はSPA-601は10,000倍、SPA-600は20,000倍、HRP標識抗マウスIgG抗体(MBL)は10,000倍、HRP標識抗ウサギIgG抗体(Vector)は50,000倍とした。洗浄及び抗体の希釈には10mM Tris-HCl pH7.4、100mM NaCl、0.1%Tween20を使用した。バンドの検出にはECL(Amersham Bioscience)による化学発光を使用し、X線フィルムに感光させた。
その結果、尿路上皮癌組織で抗体SPA-601による二次元-イムノブロット(pH4〜7)では、カルレティキュリン蛋白質と一致する約pI 4.3、55kDaのスポット以外にも約pI 4.5、40kDaの弱いスポットが検出された。一方、正常尿路上皮組織では逆にカルレティキュリン蛋白質スポットは非常に弱く、40kDaのスポットが強く現れた。
また、泳動後のゲルから、Multiphor II NovaBlot Kit(Amersham Bioscience)でアミノカプロン酸を含むバッファーを用い、シーケブロットPVDF膜(BioRad)に蛋白質を転写した。PVDF膜の染色はCBBR250で行った。目的のスポットを切り出し、エドマン分解によるN末端配列を決定した。N末端アミノ酸配列解析では、これら両スポットともEPAVYFKEQFの配列が得られた。これは、ヒトカルレティキュリン蛋白質の一次構造の1〜10番と一致した。
さらにカルレティキュリン蛋白質のC末端を認識する抗体SPA-600による二次元-イムノブロットではカルレティキュリン蛋白質と一致するスポットしか認められず、40kDaのカルレティキュリン蛋白質はC末端側のいずれかの部位で切断された分子種であると考えられた。ここまでの結果から、正常尿路上皮組織と癌組織の間で発現量に差が強く認められるのは、pI 4.3、55kDaの全長カルレティキュリン蛋白質であると考えられたため、以後の検討をC末端認識のSPA-600抗体を用いて行うこととした。
(2)SPA-600抗体による免疫沈降
多数検体での評価を行う前に、SPA-600抗体で検出できるカルレティキュリン蛋白質の他の分子種、特に癌特異的な分子種が見られないかどうかを確認するために、カルレティキュリン蛋白質のC末端を認識するSPA-600抗体で免疫沈降実験を行った。尿路上皮癌組織を50mM Tris-HCl pH8.0、150mM NaCl、1%Triton X-100、0.5%デオキシコート、0.1%SDS(RIPAバッファー)にプロテアーゼ阻害剤を添加したもので可溶化した。抗体結合用担体にはProtein A Sepharose(Pharmacia)を用いた。対照実験として抗体の代わりに正常ウサギ血清を使用した。免疫沈降終了後の担体-抗体-沈降物複合体にSDS-サンプルバッファー(62.5mM Tris-HCl pH6.8、10%グリセロール、2%SDS、1%DTT)を加えて溶出し、遠心後の上清を8%均一ゲルでSDS-PAGEを行い、さらにゲルを銀染色した。また、SPA-601抗体を用いてイムノブロットを行った。
SPA-600抗体による沈降物のうち、SPA-601抗体によるイムノブロットで検出し得たカルレティキュリン蛋白質バンドは1つであり、他の分子種の存在を疑わせる所見はなかった。
(3)正常尿路上皮組織及び尿路上皮癌組織におけるカルレティキュリン蛋白質のイムノブロット
尿路上皮癌22検体と正常尿路上皮組織10検体を上記と同様にバッファーで可溶化し、蛋白質定量を行った。SDS-サンプルバッファーによる希釈で、各レーンの蛋白質量が1μgとなるようにした。8%均一ゲルによるSDS-PAGEで蛋白質を分離し、SPA-600抗体によるイムノブロットを施行した。バンドの定量化のために、HeLa細胞抽出物(StressGen)1μgを同時に泳動した。
X線フィルム上のカルレティキュリン蛋白質バンドを透過光型フラットベッドスキャナーで撮像し、画像解析ソフトウエアScion Image(Scion Co.)を用いて定量化した。その際、1μgのHela細胞抽出物から得られるバンドの強度を1.0unitとした。
SPA-600抗体によるイムノブロットで組織可溶化液1μgより得られるカルレティキュリン蛋白質のバンド強度はそれぞれ、正常尿路上皮組織で0.40±0.32unit(mean±SD)、癌組織で1.02±0.39unitであった(p=0.00014)。膀胱全摘標本から採取した同一症例由来の正常上皮組織と癌組織との比較でも、癌の方でより強いカルレティキュリン蛋白質バンドを認めた。
実施例3 尿中カルレティキュリン蛋白質の検出
尿中に存在するカルレティキュリン蛋白質を検出するために、上記と同様に一次元電気泳動後、PVDF膜に転写しSPA-600抗体を用いてイムノブロットを実施した。
尿中カルレティキュリン蛋白質の発現量比較には、尿路上皮癌患者尿27検体、非尿路上皮癌患者尿123検体を使用した。これらの検体は、採取後、測定に供するまで凍結保存した。ここで非尿路上皮癌患者尿としては、尿路上皮癌には罹患していないが、前立腺肥大症、前立腺癌、尿路感染症、腎細胞癌、尿路結石、特発性血尿等に罹患している患者の尿を使用した。
その結果、検討した非尿路上皮癌患者尿123検体では、22例(17.9%)でのみ弱いカルレティキュリン蛋白質のバンドがイムノブロットで検出された。それに対して、27例の尿路上皮癌患者尿では19例(70.4%)でカルレティキュリン蛋白質バンドが検出された。結果を以下の表1に示す。
Figure 0003626177
さらに、尿細胞診で陽性の尿路上皮癌患者及び陰性の尿路上皮癌患者のそれぞれについて、尿中カルレティキュリン蛋白質の検出を行い、両検出で得られた結果を比較した。結果を以下の表2に示す。
Figure 0003626177
Figure 0003626177
この表2の結果は、尿細胞診で陰性とされる尿路上皮癌症例についても、本発明の方法によって癌を検出できることを意味する。
さらに、様々な分化度及び様々な腫瘍径の尿路上皮癌を有する患者の尿について、同様に、一次元電気泳動後、PVDF膜に転写しSPA-600抗体を用いてイムノブロットを実施した。イムノブロットの結果を図1に示す。
図1の結果から、本発明の方法では、癌の大きさが小さい場合や悪性度が低い場合であってもカルレティキュリン蛋白質が検出され、それによって尿路上皮癌を検出できることがわかる。
以上の結果から、カルレティキュリン蛋白質が、尿路上皮癌患者の尿中において、高感度かつ特異的に検出されることが明らかである。従って、本発明の方法により、患者の尿中のカルレティキュリン蛋白質を測定することにより、尿路上皮癌を効率的に検出することができることが明らかとなった。
本明細書中で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書中にとり入れるものとする。
産業上の利用の可能性
本発明により、簡易かつ安価な方法で、尿路上皮癌を効果的に検出することができるため、尿路上皮癌の早期発見、診断及び治療が可能になる。また、本発明の方法により、患者の尿を用いて尿路上皮癌を非侵襲的に検出できるため、尿路上皮癌を簡便かつ迅速に検出することが可能になる。

Claims (6)

  1. 試料中のカルレティキュリン蛋白質を測定することにより、尿路上皮癌を検出する方法。
  2. カルレティキュリン蛋白質又はその断片と特異的に反応する抗体を用いて、試料中のカルレティキュリン蛋白質を免疫学的に測定し、尿路上皮癌を検出する方法。
  3. 試料が尿である、請求の範囲第1項に記載の方法。
  4. 試料が尿である、請求の範囲第2項に記載の方法。
  5. カルレティキュリン蛋白質又はその断片と特異的に反応する抗体を含む尿路上皮癌診断薬。
  6. カルレティキュリン蛋白質又はその断片と特異的に反応する抗体を含む尿路上皮癌診断用キット。
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