JP3626159B2 - 茶粉製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、茶葉を石臼で挽き潰して抹茶などの茶粉を製造する茶粉製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
抹茶製造装置は、通常その装置の内部に石臼を設けており、この石臼によって抹茶の原料となる茶葉を挽き潰して紛状の抹茶を生産できるように構成されている。この石臼は図7に示すように、上臼90の中央部分に上下方向に向かって貫通した中央開口部90aを設ける一方、下臼91の中央部分に芯木92を設けて上方に突出させ、上臼90の中央開口部90aをこの芯木92に嵌め込んで取り付けるようにしている。そして、抹茶を生産する際、上臼90に取り付けられた図示しない漏斗から中央開口部90aと芯木92との隙間部分に茶葉を落とし込み、上臼90を回転させることによってその茶葉を上臼90と下臼91とで挽き潰せるようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この石臼に設けられている芯木は、上臼の回転軸を固定する機能と、漏斗から供給された茶葉を下臼側に落とし込む通路としての機能とを果たすものである。このため、これらの機能を同時に果たすべくその芯木の寸法を厳密に設定しなければならない。この場合、芯木の径を小さく設定すれば、中央開口部との隙間が大きく確保できて茶葉の落とし込み量を大きくすることができるものの、中央開口部との隙間が大きくなるために上臼の回転時にぶれを生じてしまう。そして、この回転ぶれによって上臼と下臼の境界接触面に設けられた溝が噛み合わず、きめ細かな挽き潰しができなくなる。一方、芯木の径を大きく設定した場合は、中央開口部との隙間が小さくなるため上臼の回転軸のぶれを防止できるものの、今度は逆に茶葉を落とし込むための隙間が小さくなって茶葉を下臼側に供給できなくなってしまう。そして、これに伴って抹茶の生産量が減少してしまい、また、石臼を痛めてしまう原因にもなる。
【0004】
そこで、本発明は上記問題に着目すべく、上臼の回転ぶれをなくすとともに茶葉の落とし込み量を大きく確保できるような茶粉製造装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の茶粉製造装置は上記課題を解決すべく、表面部分に芯木を設けない下臼と、中心部分に上下方向に貫通する中央開口部を設けた上臼とによって構成された2台の石臼と、これら2台の上臼の外周部分にわたって架け渡されたベルトと、このベルトの外周部分であって各石臼の間に設けられた従動ローラ及び駆動ローラと、この駆動ローラを回転させるモータとを設けてなり、従動ローラと駆動ローラとでベルトにテンションを与えることによって上臼の回転軸を固定するとともに、駆動ローラを回転させることによって上臼を回転させて、漏斗から落とし込まれた茶葉を挽き潰すように構成したものである。このように臼の外周部分を支持して回転させるようにすることによって、従来のような芯木を設ける必要がなくなり、茶葉の落とし込み量の確保と、回転軸のぶれの防止を図れるようにすることができる。
【0006】
また、このような発明のうち、従動ローラの位置を調節してベルトにテンションを与えるテンション調整機構を設けるように構成する。
【0007】
更に、前記2台の石臼の間にモータを設けるように構成する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明の茶粉製造装置の一実施形態である抹茶製造装置100は、図1から図4に示すように、漏斗1に投入された茶葉を粉砕すべく上臼20および下臼21によって構成された2台の石臼2(図2など参照)と、これら2台の上臼20の外周部分に亘って架け渡されたベルト5と、このベルト5の外周に設けられた従動ローラ50および駆動ローラ51と、この駆動ローラ51を回転させるモータ3とを設けてなり、ベルト5、従動ローラ50、駆動ローラ51によって上臼20の回転軸を固定するとともに、駆動ローラ51を回転させることによって上臼20を回転させて漏斗1から落とし込まれた茶葉を挽き潰し、回収トレー4内に放出できるようにしたものである。以下、この抹茶製造装置100の構成について具体的に説明する。
【0009】
漏斗1は、テーパー状の中空回転体に形成したものであり、抹茶の原料となる茶葉を投入できるように上端部分に大径の開口部11を設け、また、下端部分に小径の開口部10を設けて石臼2に茶葉を供給できるようにしたものである。この漏斗1は、上臼20の上端外周部に着脱可能に取り付けられる載置部材12によってその上端開口部11近傍が固定され、一方、下端開口部10側は上臼20の中央開口部20aの外周に接触して固定される。
【0010】
石臼2は、円柱状の上臼20と下臼21とから構成されるもので、上臼20と下臼21との境界接触面に図4に示すような斜め方向の溝22を設けて茶葉を挽き潰せるようにするとともに、それぞれの溝22の外周部分に平坦部23を設けてその溝22で挽き潰された茶葉を更にきめ細かく粉砕できるようにしたものである。この石臼2を構成する下臼21の表面部分は、芯木を設けない平面状に構成され、その底面側はベース部材60上(図1参照)に回転不能に固定される。一方、上臼20はその中心部分に上下方向に貫通する中央開口部20aを設けて構成され、漏斗1から供給された茶葉を下臼21側に落とし込めるようにしている。この上臼20は、2台の上臼20に架け渡されたベルト5とそのベルト5の外周中央部分に設けられた従動ローラ50および駆動ローラ51とによってそれぞれ回転可能に支持される。
【0011】
このベルト5は、上臼20の外周部分に密着する平ベルトによって構成され、各石臼2の間に設けられた従動ローラ50、駆動ローラ51によってそのベルト5にテンションを与えられるようにするとともに、従動ローラ50、駆動ローラ51の外周部分をベルト5を介して上臼20に押圧することによって上臼20の回転軸を固定できるようにしている。この従動ローラ50は、ベース部材60後方に設けられた起立壁61から石臼2間に支持アーム62を延出させ、その先端部分に回転軸50aを設けて取り付けられる。また、駆動ローラ51は、その支持アーム62の基端側に回転軸51aを設けて取り付けられ、また、その回転軸51aの他端側にモータ3の出力軸30を連結して取り付けられる。これらの従動ローラ50の中心と駆動ローラ51の中心、および石臼2の中心は、平面視において略正三角形をなすように配置され、また、支持アーム62に設けられた伸縮可能なテンション調整機構63を用いて従動ローラ50の位置を調節してベルト5にテンションを与えられるようにしている。このテンション調整機構63は、分割された支持アーム62に設けられた長孔63aにボルト63bを取り付け、その長孔63bの範囲内で支持アーム62を伸縮させて使用される。なお、この従動ローラ50、駆動ローラ51に掛けられるベルト5は、上臼20に接触する面側を平坦にしたV字ベルト状に構成しても良く、また、上臼20の外周面に歯車状の凹凸を設けることができる場合は、ベルト5の内面および外面を凹凸状に構成することもできる。
【0012】
モータ3は、回転駆動機構をなすもので、減速器などを組み込んで構成される。なお、このモータ3は、その出力軸30が下向きとなるように起立壁61に取り付けられる。なお、このモータ3は起立壁61側に設けることなく、ベース部材60側、すなわち、石臼2の側方や下方にその出力軸30を上向きにして取り付けることもできる。このように構成した場合は、モータ3を上方に支持するための起立壁61などを設ける必要がなくなり、また装置全体をよりコンパクトなものにすることができるようになる。また、この実施形態においては、回転駆動機構として2台の石臼2の間に一台のモータ3を設けるようにしたが、複数台の装置を隣接して設けるような場合は、モータを横向きに取り付け、その出力軸にシャフトを取り付けて複数台の装置間を架け渡し、そのシャフトに取り付けられたプーリおよびベルトなどを介して回転軸を変換してそれぞれの上臼20を回転させるようにしても良い。
【0013】
一方、これらの石臼2の下方には、それぞれの石臼2に対応して回収トレー4が設けられる。この回収トレー4は、平面視石臼2よりも大きな箱形形状に構成して石臼2で挽き潰された抹茶をその内部に回収できるようにしたもので、その前面に取り付けられた取手40を引くことによって、その内部に放出された抹茶を回収できるようにしたものである。なお、この回収トレー4は個々の石臼2に対応して設けることなく、複数の石臼2に対して一つの回収トレー4を設けるようにしても良く、また、その形状についても、漸次下方に向けて内寸幅を小さくしたテーパー形状に構成しても良い。
【0014】
次に、このように構成された抹茶製造装置100の石臼設置工程および茶葉挽き潰し動作について説明する。
【0015】
まず、石臼2を取り付ける場合、ベース部材60上に下臼21を回転不能に固定してその上に外周部分を一致させて上臼20を載せる。そして、このようにベース部材60上に載せられた各石臼2の上臼20にベルト5を架け渡し、テンション調整機構63を用いて従動ローラ50の外周部分を上臼20の外周部分に押圧して固定する。次に、各上臼20に載置部材12を載せて漏斗1の下端開口部10を中央開口部20aに取り付け、その漏斗1内に茶葉を投入する。そして、モータ3の電源を投入し、駆動ローラ51を一方向に回転させることによってベルト5を介して各上臼20を同一方向に回転させる。これによって、漏斗1内の茶葉を徐々に中央開口部20aに落とし込み、茶葉の挽き潰しを行って抹茶を回収トレー4に放出する。
【0016】
このように上記実施の形態によれば、表面部分に芯木を設けない下臼21と、中心部分に上下方向に貫通する中央開口部20aを設けた上臼20とによって構成された2台の石臼2と、これら2台の上臼20の外周部分にわたって架け渡されたベルト5と、このベルト5の外周部分であって各石臼2の間に設けられた従動ローラ50及び駆動ローラ51と、この駆動ローラ51を回転させるモータ3とを設けてなり、従動ローラ50と駆動ローラ51とでベルト5にテンションを与えることによって上臼20の回転軸を固定するとともに、駆動ローラ51を回転させることによって上臼20を回転させて、漏斗1から落とし込まれた茶葉を挽き潰すように構成したので、従来のような芯木を設ける必要がなくなり、茶葉の落とし込み量を大きく確保することができるとともに、芯木と中央開口部20aとの隙間に基づく回転ぶれなどもなくすことができるようになる。
【0018】
なお、本発明は上記実施形態を一例として実現されるが、これと異なる種々の方法によっても実現させることもできる。
【0019】
例えば、上記実施の形態では、ベルト5と従動ローラ50、駆動ローラ51によって2台の石臼2を回転させるようにしたが、これに限らず、図5に示すように上臼20の外周部分に従動ローラ500を複数設けて回転可能に外周部分を固定するとともに、その従動ローラ500から退避した位置に上臼駆動用のアーム501を取り付けて回転させるようにしても良い。また、この実施形態において従動ローラ500を駆動ローラとしてアーム501をなくすように構成しても良い。
【0020】
また、上記実施の形態では、上臼20側を回転させる構造について説明したが、これに限らず下臼21側を回転させることもできる。例えば、図6に示すように上臼20の外周部に上下方向のみへ移動を許容するガイド機構502を設けて上臼20を下臼21の上に載置する一方、下臼21を回転可能な載置台503上に載せて下臼21側を回転させるように構成することもできる。
【0021】
また、これらの実施形態では、抹茶を生産する装置について説明したが、これに限らず、種々の茶粉を製造するものに適用することもできる。
【0022】
【発明の効果】
このように本発明によれば、表面部分に芯木を設けない下臼と、中心部分に上下方向に貫通する中央開口部を設けた上臼とによって構成された2台の石臼と、これら2台の上臼の外周部分にわたって架け渡されたベルトと、このベルトの外周部分であって各石臼の間に設けられた従動ローラ及び駆動ローラと、この駆動ローラを回転させるモータとを設けてなり、従動ローラと駆動ローラとでベルトにテンションを与えることによって上臼の回転軸を固定するとともに、駆動ローラを回転させることによって上臼を回転させて、漏斗から落とし込まれた茶葉を挽き潰すようにしたので、従来のように下臼に芯木を設ける必要がなくなり、最適な茶葉の落とし込み量を確保することができ、また、上臼の回転ぶれを防止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態を示す抹茶製造装置の平面図
【図2】同形態における正面図
【図3】同形態における側面図
【図4】同形態における石臼の構成図
【図5】第二の実施形態を示す原理図
【図6】第三の実施形態を示す原理図
【図7】従来の石臼の構成を示す図
【符号の説明】
2(20、21)・・・石臼(上臼、下臼)
3・・・モータ
5・・・ベルト
20a・・・中央開口部
30・・・出力軸
50・・・従動ローラ
51・・・駆動ローラ
Claims (3)
- 表面部分に芯木を設けない下臼と、中心部分に上下方向に貫通する中央開口部を設けた上臼とによって構成された2台の石臼と、これら2台の上臼の外周部分にわたって架け渡されたベルトと、このベルトの外周部分であって各石臼の間に設けられた従動ローラ及び駆動ローラと、この駆動ローラを回転させるモータとを設けてなり、従動ローラと駆動ローラとでベルトにテンションを与えることによって上臼の回転軸を固定するとともに、駆動ローラを回転させることによって上臼を回転させて、漏斗から落とし込まれた茶葉を挽き潰すようにしたことを特徴とする茶粉製造装置。
- 前記従動ローラの位置を調節してベルトにテンションを与えるテンション調整機構を設けた請求項1に記載の茶粉製造装置。
- 前記モータが、2台の石臼の間に設けられるようにしたものである請求項1に記載の茶粉製造装置。
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JP2002230223A JP3626159B2 (ja) | 2002-08-07 | 2002-08-07 | 茶粉製造装置 |
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KR101468468B1 (ko) * | 2014-02-04 | 2014-12-03 | 정경원 | 대나무를 이용한 차잎 다짐장치 |
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