JP3626136B2 - 波長ロック型ldディバイスの駆動方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザディバイス、特に、基板に装着されたLD素子を加熱/冷却する熱電変換素子を内蔵し、熱電変換素子をフィードバック補償しながらLD素子から一定波長のレーザ光を出力するようにした、波長ロック型LDディバイスの駆動方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、WDM(波長分割多重伝送方式)光通信用として、LD(レーザダイオード)素子を装着した基板に、該基板、したがって、それに装着されたLD素子を加熱/冷却する熱電変換(TEC)素子、上記基板温度を検出する、サーミスタ素子等を用いた温度センサ、及び、上記LD素子の出力波長ズレを検出する、例えば、フォトダイオード(PD)等の受光素子と光フィルタとを組合せて形成された出力波長ズレ検出器を一体的に組込んで形成され、作動時、上記LD素子の出力波長が実質的に一定に維持されるようにした、いわゆる、波長ロック型LDディバイスが開発されている。
【0003】
従来、上述した波長ロック型LDディバイスを駆動するにあたり、公知のLDディバイス駆動電源を用いて上記LDディバイスにおけるLD素子に所定の駆動電流を供給して作動させる一方、市販の温度コントローラ、例えば、ダイトロンテクノロジー株式会社(日本国大阪)製DPC−100により、当該LDディバイスの温度特性に見合わせてあらかじめ定められた温度目標値と、上記LDディバイスに内蔵されたサーミスタ素子からフィードバックされる検出温度との偏差に基いて上記LDディバイスに内蔵されたTEC素子の発熱/冷却作用をPID補償しながら、上記LD素子を作動させ、該LD素子の出力波長が所定値、即ち、当該LDディバイスの公称出力波長に到達した以降、当該LDディバイスにおける出力波長ズレ検出器の出力に応じて上記温度目標値を変化させ、該温度目標値と上記サーミスタ素子からフィードバックされる検出温度との偏差に基いて、上記温度コントローラにより上記TEC素子の発熱/冷却作用をPID補償しながら上記LD素子の作動を続行することにより、作動時、実質的に一定波長のレーザ光が出力されるようにしている。
【0004】
ところで、上記従来公知の駆動方法において、上記出力波長ズレ検出器の出力に応じて当該温度制御における目標値を変化させる、データ変換器又は回路は、上記温度コントローラの動作速度と同等又はそれ以上の速度をもって上記温度目標値の変換を行うことが必要とされる。しかしながら、そのような目標値変換における高速性は、実際上、ソフトウェア及びハードウェアの両面においてかなり制限されたものであり、そのため、上記コントローラによるフィードバック制御の連続性、特に、当該LDディバイスの出力波長が一旦所定値に到達した時点で不連続なものとなり易く、当該フィードバック制御の応答性もいま一つ不十分であり、波長ロック型LDディバイスの出力波長の安定性がよくないという、重大な欠点があった。
【0005】
また、上記従来形式の駆動装置において、温度目標値変換器又は回路の動作速度を、上記温度コントローラの動作速度と同等又はそれ以上の高速性を有するものとするには、原理的に、目標値変換演算部の高速性が要求され、このような演算部又は回路構成は非常に複雑かつ高価なものであり、装置全体が非常に高価なものとなる。これに対し、例えば、当該駆動装置全体をプログラム制御する、いわゆる、ホストコンピュータを利用して上記目標値変換システムを構築することが考えられるが、この場合、目標値変換演算プログラムの作成が非常に厄介であり、この方策を即座に採用し難い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、上述したような高速な目標値変換を要することなく、波長ロック型LDディバイスに内蔵される出力波長ズレ検出器の出力を利用し、実質的に連続性をもって上記LDディバイスにおけるTEC素子の発熱/冷却作用をPID補償するようにした、応答性が良好でありかつ製作コストの安価なる、波長ロック型LDディバイスの駆動方法及び装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の明波長ロック型LDディバイスの駆動方法は、上記LDディバイスにおけるLD素子に給電して作動を開始させ、上記LDディバイスの温度特性に見合わせて予め定められた第1目標値と上記LDディバイスにおける温度センサからフィードバックした検出温度との偏差に基いて上記TEC素子の発熱/冷却作用をPID補償しながら、上記LD素子を作動させる、第1PID補償駆動段階と、上記LD素子の出力波長が所定値に到達した時点で、上記第1目標値に代え、当該時点における上記LDディバイスにおける出力波長ズレ検出器の出力検出値を第2目標値として設定するとともに、上記温度センサから出力される検出温度に代え、上記出力波長ズレ検出器からフィードバックした波長ズレ検出値と上記第2目標値との偏差に基いて上記TEC素子の発熱/冷却作用をPID補償しながら上記LD素子の作動を続行させる、第2PID補償駆動段階とを含み、作動時、波長ロック型LDディバイスにおけるLD素子の出力波長を実質的に一定に維持せしめることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の波長ロック型LDディバイスの駆動装置は、上記波長ロック型LDディバイスにおけるLD素子を作動させるLD駆動回路と、上記TEC素子を駆動するTEC駆動回路と、上記TEC駆動回路及びTEC素子を制御対象とするコントローラと、上記制御対象に対する目標値設定回路と、偏差演算回路とを有し、上記LD駆動回路から上記LD素子に給電して作動させるとともに、上記コントローラにより上記目標値設定回路からの温度目標値と上記温度センサからの検出温度との偏差に基き上記TEC素子の発熱/冷却作用をフィードバック補償しながら、上記LD素子を作動させる、波長ロック型LDディバイスの駆動装置において、上記LDディバイスにおける出力波長ズレ検出器の出力が許容誤差範囲内にあるかどうかを判定する、波長ズレ判定回路と、上記温度センサ及び波長ズレ検出器の出力と接続された2つの入力及び上記波長ズレ判定回路の出力と接続された制御入力を有する、マルチプレクサと、上記マルチプレクサの出力と接続された入力ライン、上記波長ズレ判定回路の出力と接続された制御ライン並びに上記偏差演算回路及び目標値設定回路の入力とそれぞれ接続された2つの出力ラインとを有する、信号送出切替回路とを含み、上記LD駆動回路により、上記LDディバイスにおけるLD素子に給電して作動を開始させるとともに、上記目標値設定回路に当該LDディバイスに見合わせて予め設定された第1目標値と上記LDディバイスにおける温度センサから上記マルチプレクサ及び信号送出切替回路の一方の出力ラインを介してフィードバックされた検出温度との偏差に基き、上記コントローラにより上記TEC素子の発熱/冷却作用をPID補償しながら、上記LD素子を作動させる一方、上記波長ズレ判定回路において、上記LD素子から出力される光波長のズレが許容誤差範囲内の値に到達したと判定された時点で、該波長ズレ判定回路の出力に応じて、上記マルチプレクサにより上記温度センサの出力に代えて上記出力波長ズレ検出器の出力を選択し、該出力波長ズレ検出器の当該時点における出力値を、上記信号送出切替回路の他方の出力ラインを介して上記目標値設定回路に第2目標値として設定し、上記コントローラにより上記第2目標値と、上記出力波長ズレ検出器から上記マルチプレクサ及び信号送出切替回路を介してフィードバックされた波長ズレ検出値との偏差に基き上記TEC素子の発熱/冷却作用をPID補償しながら、上記LD素子の作動を続行させ、作動時、当該波長ロック型LDディバイスの出力波長を実質的に一定に維持せしめるように構成したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい一実施例を示す添付図面とともに本発明の技術的特徴及び種々の利点を以下に説明する。
【0010】
図1に、本発明に係る波長ロック型LDディバイスの駆動装置の概略構成を説明するためのブロック図を示す。図1において、当該駆動装置により駆動される、それ自体従来公知の波長ロック型LDディバイス1が一点鎖線で囲んで示される。この波長ロック型LDディバイス1は、図2に示されるように、基本的に、例えば、熱伝導性を有するセラミック基板2に、LD素子4、出力波長ズレ検出器又は素子8、基板温度検出用の温度センサ12、基板温度調節用の熱電変換素子(本明細書においてTEC素子と略称する)14を一体的に装着して形成される。
【0011】
上記波長ロック型LDディバイス1において、LD素子4は、その内部に含まれるLDチップの一方の端面(壁開面)から当該ディバイス1の外部にレーザ光を射出する一方、該端面と対向する他方の端面(壁開面)から当該ディバイス1の内部に向けてレーザ光の一部が射出されるように配置される。上記LD素子4から当該ディバイス1の内部に射出されたレーザ光の一部は、公知の方法、例えば、当該ディバイス1の内部に配置された集光レンズ5及びビームスプリッタ6を介して上記出力波長ズレ検出器8に入力される。この出力波長ズレ検出器8は、例えば、当該ディバイス1におけるLD素子4の固有の出力光周波数又は波長成分のみを通過させる光フィルタ9と、該光フィルタ9を通過した光を受けて電気信号に変換する、例えば、フォトダイオード(PD)を用いた受光素子10とにより構成される。この構成により、当該LDディバイスが所定条件で駆動された際、その出力波長又は周波数の公称出力波長又は周波数からの偏り、いわゆる、ズレの度合が検出可能とされる。温度センサ12は、例えば、サーミスタ素子が用いられ、当該センサが取付られた基板2の温度、したがって、当該基板2に固定されたLD素子4の温度に応じた電圧(電圧降下)信号が出力される。熱電変換(TEC)素子14は、例えば、ペルチエ素子が用いられ、当該TEC素子が取付られた基板2、したがって当該基板に取付られたLD素子4を、入力電流に応じて加熱又は冷却することにより、上記基板2及びLD素子4の温度を調整する。なお、上記基板2に、ビームスプリッタ6からLD素子4から出力されるレーザ光部分のうち、その半分を受光するようにした、もう1つの受光素子11が配置され、この受光素子11により当該ディバイス1の駆動時における出力が監視可能とされる。
【0012】
図1に示されるように、本発明に係る波長ロック型LDディバイスの駆動装置20は、概略、主コントローラ22と、LD駆動回路24と、TEC駆動回路26と、上記LDディバイス1における温度センサ12による検出温度に基いて当該ディバイスにおけるTEC素子14の発熱/冷却作用をPID補償するようにした第1制御系を形成する、目標値設定回路28、偏差演算回路30及びコントローラ32と、上記コントローラ32を共用するとともに上記出力波長ズレ検出器8による出力波長ズレ検出信号に基き上記TEC素子14の発熱/冷却作用をPID補償するようにした第2制御系を形成する、波長ズレ判定回路34、2入力マルチプレクサ(選択回路)36及び信号送出切替回路38とにより構成される。
【0013】
上記駆動装置20において、主コントローラ22は、例えば、当該駆動装置全体の動作を制御プログラムにしたがって逐次制御する、いわゆる、プログラム制御するコンピュータを用いて形成されたものである。この主コントローラ22は、公知の方法により上記LD駆動回路24及びTEC駆動回路26の作動を指令する。
【0014】
上記LD駆動回路24は、駆動しようとする波長ロック型LDディバイスにおけるLD素子4を駆動する駆動電源(直流電源)を含んだ、それ自体公知のもので、該LD素子4の入力電極端子と接続された当該ディバイスのリード端子(図示しない)に、当該ディバイスの出力特性に見合った所定の電流を供給して所定波長又は周波数のレーザ光を出力させる。
【0015】
上記TEC駆動回路26は、駆動対象の波長ロック型LDディバイス1におけるTEC素子14を駆動する駆動電源(直流電源)を含んだ、それ自体公知のもので、該TEC素子14の入力端子に対応する当該ディバイスのリード端子(図示しない)に、詳細に後述するコントローラ(PID補償器)32から入力される制御量に相当する電流を供給してその発熱/冷却作用が行なわれる。
【0016】
上記目標値設定回路28は、公知の方法で、当該回路内のレジスタ(図示しない)に、駆動しようとする波長ロック型LDディバイスの温度特性に見合わせて設定された制御対象に対する目標値を、次段の偏差演算回路30に送出する。この目標値設定回路28のレジスタに、詳細に後述する第1PID補償駆動段階においては、上記TEC素子14により加熱又は冷却される基板2、したがって、該基板2に取付られたLD素子4の目標温度が設定される一方、詳細に後述する第2PID補償駆動段階においては、当該第2PID補償駆動期間の開始時点での上記出力波長ズレ検出器8の波長ズレ検出値が目標値(これを第2目標値という)として設定される。
【0017】
上記偏差演算回路30は、上記目標値設定回路28から入力される目標値と、駆動対象の波長ロック型LDディバイス1における温度センサ12及び出力波長ズレ検出器8のうちのいずれか一方からフィードバックされる検出値との偏差を演算し、算出された偏差を、次段の上記コントローラ32に送出する。
【0018】
上記コントローラ32は、上記TEC駆動回路26及び駆動対象の波長ロック型LDディバイスにおけるTEC素子14を制御対象としてフィードバック制御する、例えば、前述した従来形式の駆動装置におけるものと同様、ダイトロンテクノロジー株式会社製DPC−100を用いて形成され、上記偏差演算回路30からの偏差に基き、予め定められた公知のPID(比例・積分・微分)演算式にしたがって当該制御対象に対する制御量が演算され、該算定された制御量が上記TEC駆動回路26に加えられ、該制御量に見合った駆動電流が上記TEC素子14に供給される。このようにして、上記TEC素子14は、上記駆動電流に応じて発熱又は冷却作用を行い、言い換えれば、上記コントローラ32によりPID補償される。
【0019】
上記波長ズレ判定回路34は、公知の論理比較回路を用いて形成され、上記LD駆動回路24により駆動された波長ロック型LDディバイス1における出力波長ズレ検出器8から、当該LDディバイス1におけるLD素子4から出力される波長又は周波数の公称波長又は周波数に対するズレ度合を示す、波長ズレ(電圧)信号が入力され、その入力された波長ズレが予め定められた許容誤差範囲内にあるかどうかが論理判定される。上記出力波長ズレ検出器8からの検出波長ズレが上記許容誤差範囲内にあれば、その判定結果を示す、例えば、論理“1”が出力される一方、該許容誤差範囲外にあれば、その判定結果を示す、例えば、論理“0”が出力される。この波長ズレ判定回路34における判定結果は、下記するマルチプレクサ36及び信号送出切替回路38に送出される。
【0020】
上記マルチプレクサ36は、公知の2入力マルチプレクサを用いて形成され、一方の入力が上記温度センサ12の出力端子と接続され、他方の入力が上記出力波長ズレ検出器8の出力端子と接続され、制御入力が上記波長ズレ判定回路34の判定結果出力端子と接続され、及び、出力が次段の信号送出切替回路38の入力端子と接続される。上記波長ズレ判定回路34から論理“0”、即ち、当該LDディバイスにおける駆動LD素子4から出力される光波長が当該LDディバイスの公称出力波長からズレているときには、上記温度センサ12からの検出値(検出温度データ)が選択されて上記信号送出切替回路38に送出される。一方、上記波長ズレ判定回路34から論理“1”、即ち、上記駆動LD素子4から出力される光波長が当該LDディバイスの公称出力波長に到達しているときには、上記出力波長ズレ検出器8からの検出値(検出波長ズレデータ)が選択されて上記信号送出切替回路38に送出される。
【0021】
上記信号送出切替回路38は、例えば、1入力、1制御及び2出力ラインを有する、公知の電子リレー素子を用いて構成されたもので、入力ラインが上記マルチプレクサ36の出力と接続され、制御ラインが上記波長ズレ判定回路34の出力と接続され、一方の出力ラインが上記偏差演算回路32と接続され、かつ、他方の出力ラインが上記目標値設定回路30と接続される。この信号送出切替回路38の制御ラインに、上記波長ズレ判定回路34から“0”が入力されたときには、一方の出力ラインのみが“閉(ON)”とされ、該出力ラインを介して、上記マルチプレクサ36から入力ラインに入力された温度センサ12からの検出値(温度データ)が上記偏差演算回路30に送出され、即ち、フィードバックされる。この場合、信号送出切替回路38の他方の出力ラインは“開(OFF)”とされる。
【0022】
上述したように、上記LDディバイス1が主コントローラ22からの作動指令により、LD駆動回路24から当該ディバイス1におけるLD素子4に給電されて該LD素子4が作動を開始するとともに、TEC駆動回路26から当該ディバイス1におけるTEC素子14に給電されて該TEC素子14が作動を開始する。このTEC素子14がコントローラ32により目標値設定回路28からの温度目標値と当該ディバイス1における温度センサ12からフィードバックされる検出温度との偏差に基きPID補償されながら、上記LD素子4は駆動される。このようにして、上記LDディバイス1は、駆動開始からその出力波長が所定値、即ち、当該ディバイスの公称波長に到達するまでの期間、コントローラ32により上記温度目標値(第1目標値という)と当該ディバイ1における温度センサ12からフィードバックされる検出温度との偏差に基いて当該ディバイス1におけるTEC素子14の発熱/冷却作用をPID補償しながら、当該ディバイス1におけるLD素子4が上記LD駆動回路24により駆動される。この駆動ステージを、本明細書において、第1PID補償駆動段階という。
【0023】
一方、上記波長ズレ判定回路34から上記信号送出切替回路38の制御ラインに“1”が入力された、即ち、上記ディバイス1におけるLD素子4からの出力波長が当該ディバイスの公称波長に到達したとき、その時点で、他方の出力ラインが “閉(ON)”とされ、該閉(ON)出力ラインを介して上記目標値設定回路28に、上記出力波長ズレ検出器8からその時点の波長ズレ検出値(波長ズレデータ)が入力され、該目標値設定回路28における上記レジスタに当該フィードバック制御における目標値(第2目標値)として設定される。このとき、上記信号送出切替回路38の一方の出力ラインは“閉(ON)”とされたままであり、上記マルチプレクサ36から当該信号送出切替回路38に入力される、上記出力波長ズレ検出器8からの検出値(出力波長ズレデータ)が、上記“閉(ON)”とされている一方の出力ラインから上記偏差演算回路30に送出され、即ち、フィードバックされる。その結果、上記コントローラ32により、上記第2目標値と、上記信号送出切替回路38から入力される波長ズレ検出値との偏差に基き、上記TEC素子14の発熱/冷却作用をPID補償しながら、上記LD駆動回路24による上記LD素子4の駆動が続行される。この駆動ステージを、本明細書において第2PID補償駆動段階という。
【0024】
上記実施例の波長ロック型LDディバイスの駆動装置20において、目標値設定回路28、偏差演算回路30、コントローラ32、波長ズレ判定回路34、マルチプレクサ36及び信号送出切替回路38は、それぞれ、ディスクリート回路素子又はモジュールを用いて構成されたが、これらに代えて、上記主コントローラ22を構成するコンピュータにおけるメモリ領域及び演算部を利用して公知の方法で構成するようにしてもよい。
【0025】
上記構成の駆動装置20は、波長ロック型LDディバイス1が、例えば、WDM(波長分割多重伝送方式)通信システム等に適用された場合に限らず、例えば、波長ロック型LDディバイスの生産工場において当該ディバイスの検査工程で実動試験をする場合にも使用することができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、それ自体、従来公知のコントローラを用いて、波長ロック型LDディバイスにおけるTEC素子の発熱/冷却作用をPID補償しながらその出力波長を一定に維持させて駆動するにあたり、上記コントローラと当該LDディバイスにおける出力波長ズレ検出器とを有効に利用し、駆動開始後、その出力波長が所定値(公称波長)に到達した時点で、簡単にかつ瞬時的に上記コントローラを温度制御系から出力波長制御系に切替可能とし、当該切替操作における制御の不連続性の発生する危険性を有効に抑制することが出来、したがって、上記LDディバイスの出力波長の安定性が、従来形式のものよりも、良好なものとすることが出来る。
【0027】
また、本発明によれば、従来形式のものにおけるように、目標値データの変換を要することなく、波長ズレ判定回路、検出データ選択回路(マルチプレクサ)及び信号送出切替回路により、上記コントローラを共用可能としたから、装置全体の製作コストの低廉化を有効に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る波長ロック型LDディバイスの駆動装置の基本的構成を説明するためのブロック図である。
【図2】波長ロック型LDディバイスの基本的構成を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 波長ロック型LDディバイス
2 基板
4 LD素子(半導体レーザ装置)
5 集光レンズ
6 ビームスプリッタ
8 出力波長ズレ検出器又は素子
9 光フィルタ
10 受光素子(フォトダイオード)
12 温度センサ(サーミスタ素子)
14 熱電変換素子(TEC素子)
20 本発明の駆動装置
22 主コントローラ(ホストコンピュータ)
24 LD駆動回路
26 TEC駆動回路
28 目標値設定回路
30 偏差演算回路
32 コントローラ(PID補償器)
34 波長ズレ判定回路
36 マルチプレクサ(検出値データ選択回路)
38 信号送出切替回路
Claims (8)
- レーザダイオード(LD)素子(4)を装着した基板(2)に、該基板を加熱/冷却する熱電変換(TEC)素子(14)、上記基板温度を検出する温度センサ(12)及び上記LD素子の出力波長ズレに応じた電気信号を出力する、出力波長ズレ検出器(8)を一体的に組込んで形成された、波長ロック型LDディバイスを駆動するにあたり、
上記LDディバイス(1)におけるLD素子(4)に給電して作動を開始させ、上記LDディバイスの温度特性に見合わせて予め定められた第1目標値と上記LDディバイス(1)における温度センサ(12)からフィードバックした検出温度との偏差に基いて上記TEC素子(14)の発熱/冷却作用をPID補償しながら、上記LD素子(4)を作動させる、第1PID補償駆動段階と、
上記LD素子(4)の出力波長が所定値に到達した時点で、上記第1目標値に代え、当該時点における上記LDディバイス(1)における出力波長ズレ検出器(8)の出力検出値を第2目標値として設定するとともに、上記温度センサ(12)から出力される検出温度に代え、上記出力波長ズレ検出器(8)からフィードバックした波長ズレ検出値と上記第2目標値との偏差に基いて上記TEC素子(14)の発熱/冷却作用をPID補償しながら上記LD素子(4)の作動を続行させる、第2PID補償駆動段階とを含み、
作動時、波長ロック型LDディバイス(1)における上記LD素子(4)の出力波長を実質的に一定に維持せしめることを特徴とする、波長ロック型LDディバイスの駆動方法。 - 波長ロック型LDディバイス(1)におけるTEC素子(14)がペルチエ素子とされる、請求項1に記載の駆動方法。
- 波長ロック型LDディバイス(1)における温度センサ(12)がサーミスタ素子とされる、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の駆動方法。
- レーザダイオード(LD)素子(4)を装着した基板(2)に、該基板を加熱/冷却する熱電変換(TEC)素子(14)、上記基板温度を検出する温度センサ(12)、及び上記LD素子(4)の出力波長ズレに応じた電気信号を出力する、出力波長ズレ検出器(8)が一体的に組込まれて形成された、波長ロック型LDディバイス(1)を駆動する装置であって、上記LDディバイス(1)におけるLD素子(4)を作動させるLD駆動回路(24)と、上記TEC素子(14)を駆動するTEC駆動回路(26)と、上記TEC駆動回路(26)及びTEC素子(14)を制御対象とするコントローラ(32)と、上記制御対象に対する目標値設定回路(28)と、偏差演算回路(30)とを有し、上記LD駆動回路(24)から上記LD素子(4)に給電して作動させるとともに、上記コントローラ(32)により上記目標値設定回路(28)からの温度目標値と上記温度センサ(12)からの検出温度との偏差に基き上記TEC素子(14)の発熱/冷却作用をフィードバック補償しながら、上記LD素子(4)を作動させる、波長ロック型LDディバイスの駆動装置において、
上記LDディバイス(1)における出力波長ズレ検出器(8)の出力が許容誤差範囲内にあるかどうかを判定する、波長ズレ判定回路(34)と、上記温度センサ(12)及び波長ズレ検出器(8)の出力と接続された2つの入力及び上記波長ズレ判定回路(34)の出力と接続された制御入力を有する、マルチプレクサ(36)と、上記マルチプレクサ(36)の出力と接続された入力ライン、上記波長ズレ判定回路(34)の出力と接続された制御ライン並びに上記偏差演算回路(30)及び目標値設定回路(28)の入力とそれぞれ接続された2つの出力ラインとを有する、信号送出切替回路(38)とを含み、
上記LD駆動回路(24)により、上記LDディバイスにおけるLD素子(4)に給電して作動を開始させるとともに、上記目標値設定回路(28)に当該LDディバイスに見合わせて予め設定された第1目標値と上記LDディバイスにおける温度センサ(12)から上記マルチプレクサ(36)及び信号送出切替回路(38)の一方の出力ラインを介してフィードバックされた検出温度との偏差に基き、上記コントローラ(32)により上記TEC素子(14)の発熱/冷却作用をPID補償しながら、上記LD素子(4)を作動させる一方、
上記波長ズレ判定回路(34)において、上記LD素子(4)から出力される光波長のズレが許容誤差範囲内の値に到達したと判定された時点で、該波長ズレ判定回路(34)の出力に応じて、上記マルチプレクサ(36)により上記温度センサ(12)の出力に代えて上記出力波長ズレ検出器(8)の出力を選択し、該出力波長ズレ検出器(8)の当該時点における出力値を、上記信号送出切替回路(38)の他方の出力ラインを介して上記目標値設定回路(28)に第2目標値として設定し、上記コントローラ(32)により上記第2目標値と、上記出力波長ズレ検出器(8)から上記マルチプレクサ(36)及び信号送出切替回路(38)を介してフィードバックされた波長ズレ検出値との偏差に基き上記TEC素子(14)の発熱/冷却作用をPID補償しながら、上記LD素子(4)の作動を続行させ、作動時、当該波長ロック型LDディバイス(1)の出力波長を実質的に一定に維持せしめるように構成したことを特徴とする、波長ロック型LDディバイスの駆動装置。 - 波長ロック型LDディバイス(1)におけるTEC素子(14)がペルチエ素子である、請求項4に記載の駆動装置。
- 波長ロック型LDディバイス(1)における温度センサ(12)がサーミスタ素子である、請求項4又は請求項5に記載の駆動装置。
- 波長ロック型LDディバイス(1)における出力波長ズレ検出器(8)が、当該LDディバイス(1)におけるLD素子(4)からの出力の一部を受光して該LD素子(4)の出力周波数と同調した光成分を出力する、光フィルタ(9)と、該光フィルタ(9)から出力される光成分に応じた電圧を出力する、受光素子(10)とにより形成された、請求項4〜請求項6のいずれかに記載の駆動装置。
- 波長ロック型LDディバイスの駆動装置全体を、コンピュータを用いてプログラム制御し、上記コンピュータのメモリ領域及び演算部を用いて、目標値設定回路(28)、偏差演算回路(30)、コントローラ(32)、波長ズレ判定回路(34)、マルチプレクサ(36)及び信号送出切替回路(38)を構成した、請求項4〜請求項7のいずれかに記載の駆動装置。
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