JP3625948B2 - 熱交換器及び熱交換器の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排熱回収ボイラ等に用いられる熱交換器及び熱交換器の製造方法に係り、特にフィンチューブを波形バッフルで平板パネルに形成するようにした熱交換器及び熱交換器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
急増する電力需要に応えるために大容量の火力発電所が建設されているが、これらのボイラは部分負荷時においても、高い発電効率を得るために変圧運転を行うことが要求されている。
【0003】
これは、最近の電力需要の特徴として、原子力発電の伸びとともに負荷の最大と最小の差も増大し、火力発電はベースロード用から負荷調整用へと移行する傾向にある。
【0004】
つまり、火力発電用ボイラは、ボイラ負荷を常に全負荷で運転されるものは少なく、負荷を75%負荷、50%負荷、25%負荷へと上げ下げして運転したり、ボイラの運転を停止するなど、いわゆる毎日起動停止(Daily Start Stop 以下、単にDSSという)運転や、週末起動停止(WeeklyStart Stop 以下、単にWSSという)運転を行って中間負荷を担い、発電効率を向上させることが行われている。
【0005】
このような高効率発電の一環として、最近複合発電プラントが注目されている。この複合発電プラントはまず、ガスタービンによる発電を行うとともに、ガスタービンから排出される排ガス中の熱を排熱回収装置(排熱回収ボイラ)によって回収し、この排熱回収ボイラで発生した蒸気により、蒸気タービンを駆動させて発電するものである。
【0006】
この複合発電プラントは、ガスタービンによる発電と蒸気タービンによる発電を同時に行うことができるために、発電効率が高い上にガスタービンは負荷応答性に優れており、急激な電力需要の上昇、下降にも充分対応し得る負荷追従性に優れた利点もあり、特にDSS運転やWSS運転を行うプラントには有効である。
【0007】
ところが、この複合発電プラントにおいては、LNG、灯油などのクリーンな燃料を使用するので、SOx量やダスト量は少なくなるが、ガスタービンの燃焼においては酸素量が多く、高温燃焼を行うために、排ガス中のNOx量が増加するので、脱硝装置を内蔵した排熱回収ボイラが開発されている。
【0008】
図20は内部保温型脱硝装置が配置された複合発電プラントの概略系統図である。
【0009】
図20において、1はガスタービン、2はガスタービン1からの排ガスGを導入する排ガス通路、3は過熱器、4は第1の蒸発器、5は脱硝装置、6は第2の蒸発器、7は節炭器である。過熱器3、第1及び第2の蒸発器4,6、脱硝装置5、節炭器7は、排ガス通路2内に配置されている。
【0010】
8は蒸気を分離するドラム、9はドラム8で発生した蒸気により駆動される蒸気タービン、10は蒸気を凝縮して水に戻す復水器、11は復水器10の水をドラム8に給水する復水ポンプ、12は給水管路である。
【0011】
復水器10の水は、復水ポンプ11により給水Wとなって、給水管路12を経て節炭器7で排ガスGにより予熱されてドラム8内に供給される。ドラム8内の水は、降水管13を通って下降し、管路14a,14bを経て蒸発器4,6へ導入され、管路15a,15bを経てドラム8内に戻る。
【0012】
このように循環流動する間に、蒸発器4,6において排ガスGとの熱交換により生じた蒸気は、飽和蒸気管16より過熱器3に導入され、ここで排ガスGにより過熱され、過熱蒸気として主蒸気管17を経て蒸気タービン9へ供給される。18は、主蒸気管17に接続され、蒸気タービン9をバイパスして蒸気を直接復水器10に導くタービンバイパス管である。
【0013】
なお、図20において、19は蒸気タービン9への蒸気の流量を調節する蒸気タービン加減弁、20は蒸気タービン9への蒸気の供給により蒸気のバイパス量を調節するタービンバイパス弁、21は排ガス通路2のダンパである。
【0014】
以上の説明は、複合発電プラントにおける排ガスG、給水W及び蒸気の各流れの概要を説明したものであるが、一般に、排熱回収ボイラ内には、加熱器3、蒸発器4,6及び節炭器7等の熱交換器が組み込まれて、排ガスGの排熱を回収するとともに排ガスGの脱硝を行うために脱硝装置5が配置されている。
【0015】
図34は熱交換器の全体構成を示す斜視図である。
【0016】
図34において、22は、加熱器3、蒸発器4,6及び節炭器7等の伝熱面を構成する熱交換器、23は上部管寄せ、24はフィイチューブで、フィンチューブ24は伝熱管25にフィン26が螺旋状に巻き付けられ、フィン26は伝熱管25に溶接で取り付けられている。
【0017】
27は下部管寄せ、28はフィンチューブ24を束ねている切り欠きバッフルで、この切り欠きバッフル28,28同士を溶接部29(図23の溶接部29b)で溶接することによってフィンチューブ24を束ねて、熱交換器22が製作される。
【0018】
以下、図21から図34を用いて、上部管寄せ23、フィンチューブ24、下部管寄せ27及び切り欠きバッフル28による熱交換器22の組み立て順序について説明する。
【0019】
図21、図25、図29及び図30は、熱交換器の組み立て順序を示す側面図、図22は図21のA部の拡大図、図23は図22の詳細図、図24は図22の側面図、図26は図25のB部の拡大図、図27は図26の詳細図、図28は図26の側面図、図31は図30のC部の拡大図、図32は図31の詳細図、図33は図31の側面図である。
【0020】
なお、図21から図33において、符号24から29は図34のものと同一のものを示す。
【0021】
以下、図21、図25、図29及び図30を用いて従来技術における熱交換器の組み立て順序について説明するが、説明の都合上、フィンチューブ24、フイン26、切り欠きバッフル28、溶接部29のうち排ガスの流れ方向から見て上流側に位置するもの、中央に位置するもの、下流側に位置するものにそれぞれ、符号の後に上流列はa、中央列はb、下流列はcを付けて区別する。
【0022】
まず、図21に示すように、上部管寄せ23と下部管寄せ27の間に中央列のフィンチューブ24bを配置し、全ての中央列フィンチューブ24bの両端と、上部管寄せ23、下部管寄せ27を溶接する。
そして、中央列フィンチューブ24bの上部、下部管寄せ23,27への溶接作業が終了した後に、中央列のフィン26bを図23に示すように、切り欠きバッフル28b,28bを上、下方向から挿入するためにフィン26bを曲げ、中央列のフィン26bの間に中央列の切り欠きバッフル28b,28bを、図22、図23に示すように、中央列のフィンチューブ24bの上方からと下方から、つまり二方向から挿入して、図24に示すように、中央列の切り欠きバッフル28b,28b同士を溶接部29bによって固定する。
【0023】
この中央列の切り欠きバッフル28b,28b同士を溶接部29bで溶接することによって中央列のフィンチューブ24bは、図21、図24に示すように、切り欠きバッフル28bによって束ねられたことになる。
【0024】
次に、図21、図24の束ねられた中央列のフィンチューブ24bの上に、図25に示すように、上流列のフィンチューブ24aを積み重ねる。
【0025】
つまり、図25に示すように、上部管寄せ23と下部管寄せ27の間に上流列のフィンチューブ24aを配置し、全ての上流列のフィンチューブ24aの両端と上部管寄せ23、下部管寄せ27を溶接する。
【0026】
そして、上流列のフィンチューブ24aの上部、下部管寄せ23,27への溶接作業が終了した後に、上流列のフィン26aを図27に示すように、切り欠きバッフル28aを上方から挿入するためにフィン26を曲げ、上流列のフィン26aの間に上流列の切り欠きバッフル28aを図26、図27に示すように、上流列のフィン26aの上方から挿入し、図27、図28に示すように、上流列の切り欠きバッファ28aを中央列の切り欠きバッファ28bへ重ね、上流列の切り欠きバッフル28aと中央列の切り欠きバッフル28bを溶接部29aで固定する。
【0027】
この中央列の切り欠きバッフル28bと上流列の切り欠きバッフル28aを溶接部29aで溶接することによって、中央列のフィンチューブ24bと上流列のフィンチューブ24aは図28に示すように、切り欠きバッフル28b,28aによって束ねられたことになる。
【0028】
そして、図25の状態より図29の状態へフィンチューブ24a,24bを反転させる。つまり、図25に示すように、上流列のフィンチューブ24aの束ね作業が完了すると、上流列のフィンチューブ24aが一番下に位置するように反転する(図29参照)。
【0029】
それは、中央列の切り欠きバッフル28bは2枚に分割されたバッフルであるのに対し、下流列の切り欠きバッフル28cは1枚のバッフルであり、下流列の切り欠きバッフル28cを中央列の切り欠きバッフル28bに溶接部29cで溶接する必要があるからである。
【0030】
そして、下流列のフィンチューブ24c、下流列の切り欠きバッフル28cを上流列のフィンチューブ24a、上流列の切り欠きバッフル28aと同様の手順で図30、図31に示すように、下流列のフィンチューブ24cを下流列の切り欠きバッフル28cで束ねる。
【0031】
つまり、図29に示す中央列のフィンチューブ24bの上に、図30に示すように、下流列のフィンチューブ24cを配置し、下流列のフィンチューブ24cと上部管寄せ23、下部管寄せ27を溶接する。
【0032】
そして、下流列のフィンチューブ24cの上部、下部管寄せ23,27への溶接作業が終了した後に、下流列のフィン26cを図32に示すように、切り欠きバッフル28を上方から挿入するために中央列のフィン26bを曲げ、下流列のフィン26cの間に下流列の切り欠きバッフル28cを下流列のフィン26cの上方から挿入し、図31、図32に示すように、下流列の切り欠きバッフル28cと中央列の切り欠きバッフル28bを溶接部29cで溶接する。
【0033】
このように図33に示すように、上流列のフィンチューブ24a、中央列のフィンチューブ24b、下流列のフィンチューブ24cが上流列の切り欠きバッフル28a、中央列の切り欠きバッフル28b、下流列の切り欠きバッフル28cによって束ねられると、図34に示すような熱交換器22が製作される。
【0034】
以上説明したように、従来技術の熱交換器22は、図34に示すように、上部管寄せ23とフィンチューブ24、下部管寄せ27で構成され、フィンチューブ24の振動防止及びフィンチューブ24をパネル状に固定するために、フィンチューブ24の長さ方向の数ピッチに切り欠きバッフル28を組み込んでフィンチューブ24を束ねている。
【0035】
また、従来の切り欠きバッフル28は、図24、図28及び図33に示すように、フィンチューブ24のチューブ外径寸法よりやや大きく切り欠きした切り欠きバッフル28を図23、図27及び図32に示すように、フィンチューブ24のフィン26の間に挿入することによって、切り欠きバッフル28でフィンチューブ24を束ねていた。
【0036】
しかし、この切り欠きバッフル28では、フィンチューブ24のフィン26が伝熱管25へ螺旋状に巻き付けられていることと、隣接するフィンチューブ24のフィン26がずれる場合があるため、切り欠きバッフル28を挿入する前に予め切り欠きバッフル28の挿入位置をけがきし、図23、図27及び図32に示すようにフィン26を押し広げておく必要があり、特に中央列のフィンチューブ24bに、中央列の切り欠きバッフル28b,28bを図22、図23に示すように中央列のフィンチューブ24bの両側から挿入すると、中央列のフィン26bが螺旋状に巻き付けられているため、中央列の切り欠きバッフル28b,28bの継ぎ目でフイン26bが交叉するため、フィン26bの山数が増加して、フィン26b間の隙間が少なくなればなる程、切り欠きバッフル28bの挿入、中央列の切り欠きバッフル28bの組み立てが困難になり、それだけ工数も増加することになる。
【0037】
さらに、上記切り欠きバッフル28をフィン26とフィン26の間に挿入後は、フィンチューブ24の1本ずつの移動が困難なため、上部、下部管寄せ23,27とフィンチューブ24の組み立て後に切り欠きバッフル28を溶接部29によって組み立てることと、図25と図29の組み立て途中において製品を反転する、いわゆる天地作業が発生し、組み立て順序が固定される傾向があった。
【0038】
なお、この種の熱交換器の類似技術として特公平3−55723号公報があるが、この熱交換器は、フィンチューブ列ごとに波形バッフルで平板パネルにするものではなく、また平板パネルにして熱交換器を組み立てるものでもない。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の熱交換器は、一列ごとのフィンチューブと上部、下部管寄せの組み立てを先に行いその後に切り欠きバッフルで束ねるために、フィンチューブを一列ごとの移動及び切り欠きバッフルの挿入に問題があり、特に熱交換器の製造途中で反転作業を行う必要があった。
【0040】
本発明はかかる従来技術の欠点を解消しようとするもので、その目的とするところは、フィンチューブの配列寸法に自由に対応できる平板パネルを作ることができ、かつ平板パネルごとに運搬して平板パネルの組み立てが容易にでき、しかも流し化ラインで平板パネルを製作することができる熱交換器及び熱交換器の製造方法を提供することにある。
【0041】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の熱交換器は、上部管寄せとフィンチューブと下部管寄せによって構成され、装置内外部で熱交換する熱交換器において、フィンチューブを上下の波形バッフルに狭持固定し、全体として平板パネルに構成したことを特徴とする。
【0042】
また、本発明の熱交換器の製造方法は、上部管寄せと下部管寄せの間にフィンチューブを配置し、フィンチューブの両端と上部管寄せ、下部管寄せを溶接する熱交換器の製造方法において、フィンチューブを上下波形バッフルで狭持し、その後に上下波形バッフル同士を溶接して平板パネルに組み立て、しかる後に平板パネルの両端と上部管寄せ、下部管寄せを溶接するようにしたことを特徴とする。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明は、フィンチューブを平板パネルに一体的に組み込むようにしたものであり、このことで平板パネルごとに運搬できる。そして、平板パネルにするので、熱交換器を組み立てる途中でフィンチューブの反転作業をする必要がなくなる。
【0044】
以下、本発明の具体例を図面を用いて説明する。
【0045】
図1から図3は熱交換器を1枚の平板パネルで構成する場合の具体例を示し、図1は本発明の具体例に係る平板パネルの断面図、図2は図1の側面図、図3は図1、図2の1枚の平板パネルを用いて熱交換器を組み立てる前の状態を示す側面図である。
【0046】
図4から図6は熱交換器を2枚の平板パネルで構成する場合の具体例を示すもので、図4は平板パネルの断面図、図5は図4の側面図、図6は図4、図5の2枚の平板パネルを用いて熱交換器を組み立てる前の状態を示す側面図である。
【0047】
図7から図9は熱交換器を3枚の平板パネルで構成する場合の具体例を示すもので、図7は平板パネルの断面図、図8は図7の側面図、図9は図7、図8の3枚の平板パネルを用いて熱交換器を組み立てる前の状態を示す側面図、図10は平板パネルの組み立ての様子を示す側面図である。
【0048】
図11は平板パネルの斜視図、図12から図14は3枚の平板パネルで熱交換器を組み立てる順序を示すもので、図12は1枚目の平板パネルを取り付けた後の状態を示す側面図、図13は2枚目の平板パネルを取り付けた後の状態を示す側面図、図14は3枚目の平板パネルを取り付けた後の状態を示す側面図、図15は具体例に係る組み立て後の熱交換器の斜視図、図16は他の具体例を示す平板パネルの断面図、図17は図16の側面図、図18は他の具体例を示す平板パネルの断面図、図19は図18の側面図である。
【0049】
図1から図19において、符号22から符号27は従来のものと同一のものを示す。
【0050】
33a,33bはフィンチューブ24を束ねる上、下波形バッフル、34は上、下波形バッフル33a,33b同士の溶接部、35は下波形バッフル33bのU字溝、36はフィンチューブ24を上、下波形バッフル33a,33b及び溶接部34で一体構造にした平板パネル、37は平板パネル36同士の溶接部、38は吊金具、39はフィンチューブ24を載置するパイプ架台である。
【0051】
以下、本発明の具体例に係る熱交換器について説明するが、その前に具体例の平板パネル36について図1、図10及び図11を用いて説明する。
【0052】
図10はフィンチューブ24と下波形バッフル33bの組み立てラインを示す。
【0053】
切断・開先加工の完了したフィンチューブ24は1本ずつパイプ架台39から搬出され、下波形バッフル33bの上に載せれば、フィンチューブ24のチューブピッチは自動的に決まる。そして、下波形バッフル33bをチューブピッチだけ図10の左から右へ自動的に移動させる。
【0054】
次に、図1に示すように、上側より上波形バッフル33aを下波形バッフル33bと合わせ、上、下波形バッフル33a,33b同士を溶接部34によって溶接すれば、平板パネル36を製作することができる。1列ごとの平板パネル36は、管寄せとの組み立てラインまで平板パネル36としてライン上を移動させてもよく、図11に示すように、フィンチューブ24,24の中間にある下波形バッフア33bのU字溝35、吊金具38の図示していないツメを入れて吊り上げて移動させてもよい。
【0055】
以上説明したように、従来技術の熱交換器と本発明の熱交換器の異なる点は、フィンチューブ24を先に平板パネル36に構成する点である。
【0056】
つまり、従来技術の熱交換器22では、図21から図33を用いて説明したように、フィンチューブ24を上部、下部管寄せ23,27に溶接した後に切り欠きバッフル28でフィンチューブ24を束ねたが、本発明の熱交換器22においては、図1に示すように、フィンチューブ24を上、下波形バッフル33a,33bで束ねて平板パネル36に構成し、その後に平板パネル36と上部、下部管寄せ23,27を溶接するようにしたもので平板パネル36に構成する点で異なる。
【0057】
図1から図3のものは、図1及び図2に示す1枚の平板パネル36で熱交換器22を製作するもので、図1及び図2に示すように、フィンチューブ24を上、下波形バッフル33a,33b及び上、下波形バッフル33a,33bの溶接部34によってまず平板パネル36を製作し、この平板パネル36を図3に示すように、上部管寄せ23と下部管寄せ27の間に配置し、平板パネル36の両端の伝熱管25と上部、下部管寄せ23,27を溶接することによって1枚の平板パネル36で熱交換器22を製作する。
【0058】
このように、本発明の具体例に係る熱交換器においては、フィンチューブ24の外周を2つ割れの上、下波形バッフル33a,33bで支持するので、複数本のフィンチューブ24を1枚の平板パネル36と一体的にすることができ、平板パネル36にして運搬できるので、工数も少なくて済む。
【0059】
また、本発明の熱交換器の製造方法では、フィンチューブ24のフィン26の外側を上、下波形バッフル33a,33bで平板パネル36に拘束するため、フィン26の山数が増加しても平板パネル36に拘束することが可能であり、またフィン26の山数が減少しても上、下波形バッフル33a,33bの幅を広くすることで解消できるため、全ての平板パネル36に採用することができる。
【0060】
さらに、従来技術のフィン26,26の間に差し込む切り欠きバッフル28に比較して、切り欠きバッフル28の挿入前のけがき、フィン26の広げ作業が省略できるため、製作能率の向上を図ることができる。
【0061】
また、フィン26の広げ作業時に、誤ってフィンチューブ24の表面に傷を付けることもない。
【0062】
図4から図6のものは、図4及び図5に示す2枚の平板パネル36で熱交換器22を製作するものである。
【0063】
なお、説明の都合上、先に上部、下部管寄せ23,27に溶接する平板パネル36を36a、後から溶接する平板パネル36を36bと呼ぶ。
【0064】
平板パネル36aを図6に示すように、上部管寄せ23と下部管寄せ27の間に配置し、平板パネル36aを上部、下部管寄せ23,27に先に溶接する。
【0065】
その後に、平板パネル36aの上に平板パネル36bを積み重ねて、上部、下部管寄せ23,27に溶接する。
【0066】
しかる後に、図4に示すように、平板パネル36aの上波形バッフル33aと平板パネル36bの下波形バッフル33bを溶接部37で溶接し、平板パネル36a,36b同士を一体構造にする。
【0067】
図4から図6に示す他の具体例においても、図1から図3の具体例と同様の効果が得られる。
【0068】
また、上、下波形バッフル33a,33bは、図11に示す吊金具38の図示していないツメを取り付けたり、取り外したりできる図4に示すU字溝35を付けたことにより、平板パネル36の一列以上の管束モジュールとしても、下段列より一列ずつでも製品に合わせた組み立て順序が選定できる効果がある。
【0069】
このU字溝35は、平板パネル36aの上波形バッフル33aと平板パネル36bの下波形バッフル33bを溶接部37で一体構造にする場合の溶接スペースとしても利用できるため、上、下波形バッフル33a,33b同士の溶接部37の溶接作業が完了しないと、次の平板パネル36の組み立てができないということもなく、流し化工法に最も適した構造である。
【0070】
また、溶接部37の溶接作業は、上部、下部管寄せ23,27とフィンチューブ24の溶接作業と並行して行えるために、待ち時間がなくなり経済的でもある。
【0071】
図7から図9のものは、3枚の平板パネル36で熱交換器22を製作するもので、組み立て順序については図12から図14を用いて説明する。
【0072】
なお、説明の都合上、先に上部、下部管寄せ23,27に溶接する平板パネル36を36a、次に上部、下部管寄せ23,27に溶接する平板パネル36を36b、最後に上部、下部管寄せ23,27に溶接する平板パネル36を36cと呼ぶ。
【0073】
図12から図14は、上部、下部管寄せ23,27と3枚の平板パネル36a,36b,36cによる熱交換器22の組み立て順序を示している。
【0074】
まず、図9に示すように、上部、下部管寄せ23,27の間に、平板パネル36a,36b、36cを配置して熱交換器22を組み立てるが、最初は平板パネル36aのみを配置して、図12に示すように、下段列の平板パネル36aと上部、下部管寄せ23,27の組み立て・溶接を行う。
【0075】
その次に、図13に示すように、下段列の平板パネル36aの上に中央列の平板パネル36bを積み重ね、その後に中央列の平板パネル36bと上部、下部管寄せ23,27を溶接して組み立てる。
【0076】
そして、下段列の上波形バッフル33aと中央列の下波形バッフル33b同士の溶接部37は、中央列の平板パネル36bを下段列の平板パネル36aに載せてからフィンチューブ24の隙間より、U字溝35に隅肉溶接部37で溶接を行う(図7参照)。
【0077】
その後に、図14に示すように、中央列の平板パネル36bと同様に、上段列の平板パネル36cを中央列の平板パネル36bの上に載せて同様の溶接作業を行う。
【0078】
このように、平板パネル36a,36b,36cを溶接する以前の状態が図9で示され、溶接部37で一体構造にした熱交換器22が図7、図8に示されている。
【0079】
図7から図9に示す他の具体例においても、図1から図6の具体例と同様の効果が得られる。
【0080】
なお、フィンチューブ24を平板パネ36に組み立てることによって、図12から図14に示すように、下段列より中央列、上段列へと順次下から上へ組み立てることができ、組み立て途中で従来のように、表面と裏面を引っ繰り返す、いわゆる製品の天地作業が不要になる。
【0081】
本発明の他の具体例を図16から図19に示す。図16、図17のものは図4、図5のものに比べてフィンチューブ24の管列ピッチが広い場合を示し、図18、図19のものは逆に、フィンチューブ24の管列ピッチが狭い場合の上、下波形バッフル33a,33bの形状を示す。
【0082】
上、下波形バッフル33a,33bの板厚は一般には、フィンチューブ24同士の隙間寸法(図17のL寸法)の半分であるが、上、下波形バッフル33a,33bの板厚を変えないで管列ピッチ寸法を変更する場合は図16、図18に示すように、フィン26と上、下波形バッフル33a,33bの当たり面を図4に示すように直線状にせず、図16、図18に示すように凹凸状に曲げ加工することで、上、下波形バッフル33a,33bの寸法誤差を解消することができる。図16から図19の具体例においても、図1から図9の具体例と同様の効果が得られる。
【0083】
この具体例の効果は、フィンチューブ24と、上、下波形バッフル33a,3bの当たり面に位置する上、下波形バッフル33a,3bに凹凸状の成形を与えることで、上、下波形バッフル33a,33bの板厚と管列ピッチの相関関係が無くなり、幅広く適応できることが挙げられる。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、フィンチューブを平板パネルと一体的にすることができ、平板パネルごと運搬できるので、製作費用、運搬費用が低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例に係る平板パネルの断面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】1枚の平板パネルを用いた熱交換器を組み立てる前の状態を示す側面図である。
【図4】熱交換器を2枚の平板パネルで構成する場合の具体例を示す平板パネルの断面図である。
【図5】図4に示す平板パネルの側面図である。
【図6】2枚の平板パネルを用いた熱交換器を組み立てる前の状態を示す側面図である。
【図7】熱交換器を3枚の平板パネルで構成する場合の具体例を示す平板パネルの断面図である。
【図8】図7に示す平板パネルの側面図である。
【図9】3枚の平板パネルを用いた熱交換器を組み立てる前の状態を示す側面図である。
【図10】平板パネルの組み立ての様子を示す側面図である。
【図11】平板パネルの斜視図である。
【図12】1枚目の平板パネルを取り付けた後の状態を示す側面図である。
【図13】1枚目、2枚目の平板パネルを取り付けた後の状態を示す側面図である。
【図14】1枚目、2枚目、3枚目の平板パネルを取り付けた後の状態を示す側面図である。
【図15】具体例に係る組み立て後の熱交換器を示す斜視図である。
【図16】他の具体例を示す平板パネルの断面図である。
【図17】図16に示す平板パネルの側面図である。
【図18】他の具体例を示す平板パネルの断面図である。
【図19】図18に示す平板パネルの側面図である。
【図20】複合発電プラントの概略構成図である。
【図21】従来技術の中央列のフィンチューブを組み立てた後の状態を示す側面図である。
【図22】図21のA部の拡大図である。
【図23】図22を拡大した詳細図である。
【図24】図22に示すフィンチューブの側面図である。
【図25】従来技術の中央列、上流列のフィンチューブを組み立てた後の状態を示す側面図である。
【図26】図25のB部の拡大図である。
【図27】図26を拡大した詳細図である。
【図28】図26に示すフィンチューブの側面図である。
【図29】従来技術の図25の熱交換器を反転した状態を示す側面図である。
【図30】従来技術の中央列、上流列、下流列のフィンチューブを組み立てた後の状態を示す側面図である。
【図31】図30のC部の拡大図である。
【図32】図30を拡大した詳細図である。
【図33】図31に示すフィンチューブの側面図である。
【図34】従来技術の熱交換器を示す斜視図である。
【符号の説明】
22 熱交換器
23 上部管寄せ
24 フィンチューブ
27 下部管寄せ
33a 上波形バッフル
33b 下波形バッフル
34 溶接部
36 平板パネル
Claims (2)
- 上部管寄せとフィンチューブと下部管寄せによって構成され、装置内外部で熱交換する熱交換器において、
前記フィンチューブを上下の波形バッフルに狭持固定し、全体として平板パネルに構成したことを特徴とする熱交換器。 - 上部管寄せと下部管寄せの間にフィンチューブを配置し、フィンチューブの両端と上部管寄せ、下部管寄せを溶接する熱交換器の製造方法において、
前記フィンチューブを上下波形バッフルで狭持し、その後に上下波形バッフル同士を溶接して平板パネルに組み立て、しかる後に平板パネルの両端と上部管寄せ、下部管寄せを溶接するようにしたことを特徴とする熱交換器の製造方法。
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1996
- 1996-03-15 JP JP05927896A patent/JP3625948B2/ja not_active Expired - Lifetime
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